JP2008055775A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間にわたり高い信頼性をもってインク残量の検出を行う。
【解決手段】副インク容器46内に設置された一対の電極72A、72B間に電圧を印加し、その一対の電極72A、72B間に流れる電流を検出して、副インク容器46内のインク残量を検出するインクジェット記録装置において、顔料インク等、インク中に溶媒不溶解性材料を分散させたインクを用いる場合、粒径100nm以上の粒子の割合が5体積%以下、より好ましくは、粒径90nm以上の粒子の割合が5体積%以下のインクを用いる。これにより、長期間にわたり高い信頼性をもってインク残量の検出を行うことができる。
【選択図】 図4
【解決手段】副インク容器46内に設置された一対の電極72A、72B間に電圧を印加し、その一対の電極72A、72B間に流れる電流を検出して、副インク容器46内のインク残量を検出するインクジェット記録装置において、顔料インク等、インク中に溶媒不溶解性材料を分散させたインクを用いる場合、粒径100nm以上の粒子の割合が5体積%以下、より好ましくは、粒径90nm以上の粒子の割合が5体積%以下のインクを用いる。これにより、長期間にわたり高い信頼性をもってインク残量の検出を行うことができる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、インクジェット記録装置に係り、特にインク容器、インク供給路内に設けられた一対の電極間に電圧を印加して、インク容器、インク供給路内のインク残量を検出するインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置では、記録中にインク切れが生じるのを防止するため、インク残量の検出を行っている。このインク残量の検出方法には、光学的に検出する方法や電気的に検出する方法、演算により検出する方法などいくつかの方法が提案されているが、その中でも電気的にインク残量を検出する方法は、構成の簡便さから優れた検出方法といえる。
このインク残量の電気的に検出する方法は、たとえば、インク供給路やインク容器内に一対の電極を設置し、その電極間の電圧変化や電流変化、抵抗変化を検出して、インクの残量を検知する。すなわち、インク残量に応じて変化するこれらの値を検出して、インク残量を検出する(特許文献1〜5参照)。
特開2003−305862号公報
特開2005−59491号公報
特開2000−94712号公報
特開平6−155761号公報
特開平10−17805号公報
ところで、近年、インクジェット記録装置では、印字の明瞭さ、耐光性、耐水性といった機能の向上が求められており、それを実現する方法として、顔料インク等のインク中に溶媒不溶解性材料を分散させたインクの使用が提案されている。
しかしながら、電気的にインク残量の検出を行うインクジェット記録装置でこの種のインクを使用すると、時間の経過とともに顔料等の溶媒不溶解性材料が電極に付着し、正確な検出ができなくなるという欠点がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、長期間、高い信頼性をもってインク残量の検出を行うことができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、前記目的を達成するために、インク容器、及び/又は、インク供給路内に設けられた一対の電極間に電圧を印加して、前記インク容器、及び/又は、前記インク供給路内のインク残量を検出するインクジェット記録装置において、インク中に溶媒不溶解性材料を分散させたインクであって、粒径100nm以上の粒子の割合が5体積%以下のインクを用いることを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
請求項1に係る発明によれば、インク残量を電気的に検出するインクジェット記録装置で溶媒不溶解性材料をインク中に分散させたインクを使用する場合であっても、電極への溶媒不溶解性材料の付着を抑止でき、長期間使用してもインク残量を正確に検出することができる。なお、本発明でいう「粒径100nm以上の粒子の割合が5体積%以下」というのは、インクに含まれる全粒子分の内、粒径100nm以上の粒子の割合が5体積%以下であることを意味する。
請求項2に係る発明は、前記目的を達成するために、インク容器、及び/又は、インク供給路内に設けられた一対の電極間に電圧を印加して、前記インク容器、及び/又は、前記インク供給路内のインク残量を検出するインクジェット記録装置において、インク中に溶媒不溶解性材料を分散させたインクであって、粒径90nm以上の粒子の割合が5体積%以下のインクを用いることを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
請求項2に係る発明によれば、インク残量を電気的に検出するインクジェット記録装置で溶媒不溶解性材料をインク中に分散させたインクを使用する場合であっても、電極への溶媒不溶解性材料の付着を抑止でき、長期間使用してもインク残量を正確に検出することができる。なお、本発明でいう「粒径90nm以上の粒子の割合が5体積%以下」というのは、インクに含まれる全粒子分の内、粒径90nm以上の粒子の割合が5体積%以下であることを意味する。
請求項3に係る発明は、前記目的を達成するために、前記溶媒不溶解性材料は、顔料であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置を提供する。
請求項3に係る発明によれば、いわゆる顔料インクを使用する場合であっても、長期間正確にインク残量の検出を行うことができる。
請求項4に係る発明は、前記目的を達成するために、前記溶媒不溶解性材料は、ラテックスであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置を提供する。
請求項4に係る発明によれば、メディア定着性を向上させるためにインク中にラテックスを含有させる場合であっても、長期間正確にインク残量の検出を行うことができる。
請求項5に係る発明は、前記目的を達成するために、前記インクの電気伝導率が、1mS/cm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載のインクジェット記録装置を提供する。
請求項5に係る発明によれば、インクの電気伝導率を1mS/cm以上とすることにより、インクの残量検出を精度よく行うことができる。
請求項6に係る発明は、前記目的を達成するために、インクが貯留された主インク容器からインク供給路を介して副インク容器にインクが供給され、該副インク容器から記録ヘッドにインクが供給されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に記載のインクジェット記録装置を提供する。
請求項6に係る発明によれば、いわゆるチューブ供給方式によりインク供給を行うインクジェット記録装置において、正確にインク残量の検出を行うことができる。一般にチューブ供給方式によりインク供給を行うインクジェット記録装置では、主インク容器に大容量のものが用いられるので、電極が長期間インク中に曝されることになるが、本発明によれば、電極が長期間インク中に曝されても正確にインク残量の検出を行うことができる。また、この種のチューブ供給方式を採用するインクジェット記録装置では、インク供給路内のインク残量を検出するために、電極間に高い電圧が印加されるが、本発明によれば、電極に高い電圧が印加された場合であっても、溶媒不溶解性材料の電極への付着を抑止できるので、正確にインク残量の検出を行うことができる。
請求項7に係る発明は、前記目的を達成するために、前記副インク容器内に前記一対の電極が設けられ、該副インク容器のインク残量が検出されることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置を提供する。
請求項7に係る発明によれば、いわゆるチューブ供給方式によりインク供給を行うインクジェット記録装置において、副インク容器内のインク残量が検出される。
本発明によれば、顔料インク等のインク中に溶媒不溶解性材料を分散させたインクを用いたインクジェット記録装置において、長期間にわたり高い信頼性をもってインク残量の検出を行うことができる。
以下、本発明に係るインクジェット記録装置を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明が適用されたインクジェット記録装置の概略構成を示す平面図である。
同図に示すように、このインクジェット記録装置10は、シリアル型のインクジェット記録装置であり、記録ヘッド12の往復移動と、記録用紙14の所定ピッチごとの搬送とを繰り返しながら、記録ヘッド12から選択的にインクを吐出させて、記録用紙14に文字や画像を記録する。
記録ヘッド12は、キャリッジ16に着脱自在に搭載されており、このキャリッジ16をガイドシャフト18に沿って走行させることにより、同一直線上を往復移動する。
一方、記録用紙14は、搬送ローラ20によって搬送され、この搬送ローラ20を図示しない駆動手段で回転駆動することにより、記録ヘッド12の移動方向と直交する方向に一定ピッチで搬送される。
本実施の形態のインクジェット記録装置10において、記録ヘッド12へのインクの供給はチューブ供給方式で行われる。
図2は、本実施の形態のインクジェット記録装置10におけるインク供給系の概略構成図である。
同図に示すように、インクは、大容量の主インク容器22に貯留されており、この主インク容器22が装着されたインク供給ユニット24からインク供給チューブ26を介して記録ヘッド12に供給される。
主インク容器22は、記録ヘッド12から吐出するインクの色ごとに独立して設けられており、個別にインク供給ユニット24に装着されている。
インク供給ユニット24の上部には、この主インク容器22を個別に装着するためのメインタンク装着部28が形成されている。主インク容器22は、対応する主インク容器装着部28に着脱可能に装着される。
インク供給ユニット24の内部には、各主インク容器装着部28に対応してインク室30が形成されている。
各インク室30は、それぞれ対応する主インク容器装着部28の下部位置に形成されており、その天井部には、インク室30内を大気に開放するための大気口32が形成されている。
また、各インク室30の側面下部には、各インク室30にインク供給チューブ26を接続するためのインク供給チューブ接続口34が形成されている。インク供給チューブ26は、このインク供給チューブ接続口34を介して対応するインク室30に接続される。
また、各インク室30には、主インク容器装着部28に装着された主インク容器22からインク室30にインクを導入するための中空のインク供給針36と大気導入針38が設けられている。このインク供給針36と大気導入針38は、それぞれインク室30の上面を貫通して垂直に設けられており、その上端部は、主インク容器装着部28から所定量突出して設けられている。また、その下端部は、インク供給針36の下端の方が大気導入針38の下端よりも所定量低くなるように設けられている。
主インク容器22を主インク容器装着部28に装着すると、主インク容器22内のインクがインク供給針36を介してインク室30内に流出する。主インク容器22内には、このインク室30内に流出するインクに対して内部圧力が一定になるように、大気導入針38から空気が流入する。そして、インク室30内のインク上面が、大気導入針38と等しい高さとなったところで、主インク容器22からインク室30へのインクの流出が停止する。
主インク容器22の下部には、このインク供給針36と大気導入針38に対応してインク供給口40と大気導入口42とが形成されている。このインク供給口40と大気導入口42には、それぞれゴム栓40a、42aが嵌められている。主インク容器22は、主インク容器装着部28から外れている状態において、このゴム栓40a、42aでインク供給口40と大気導入口42とが密閉されて、内部のインクが漏れないようにされている。
一方、主インク容器22を主インク容器装着部28に装着すると、主インク容器装着部28に設けられたインク供給針36と大気導入針38が、それぞれインク供給口40に設けられたゴム栓40aと大気導入口42に設けられたゴム栓42aを貫通し、これにより、主インク容器22とインク室30とが連通される。
この際、ゴム栓40aは、インク供給針36と主インク容器22との隙間からインクが漏れるのを防止し、ゴム栓42aは、大気導入針38と主インク容器22の隙間からインクが漏れるのを防止する。
このように、主インク容器22は、主インク容器装着部28に装着することで、インク供給針36及び大気導入針38を介してインク室30に連通される。主インク容器22とインク室30とが連通されると、上記のように、主インク容器22内のインクが、インク供給針36を介してインク室30に供給され、それによる主インク容器22内の圧力の減少分を補うように、大気導入針38から主インク容器22内に大気が導入される。そして、大気導入針38の下端が、インクに浸かる位置までインク室30内にインクが供給されると、インクの供給が停止され、インク室30内にインクが満たされる。
このように、主インク容器装着部28に主インク容器22を装着すると、主インク容器22に貯留されたインクが、インク室30に自動的に供給され、インク室30内がインクで満たされる。
なお、図示されていないが、主インク容器装着部28には、主インク容器22の装着を検出する装着検出手段が備えられており、主インク容器22の装着の有無を検出できるようにされている。
記録ヘッド12は、図3に示すように、インクを吐出するためのインク吐出部44を有している。インク吐出部44には、それぞれ異なる色のインクを吐出するための複数のノズル列と、そのノズル列を構成する各ノズルにインク吐出用のエネルギーを与えるエネルギー発生手段とが備えられている。エネルギー発生手段としては、ピエゾ素子等の電気機械変換体素子や発熱抵抗体等の電気熱変換体素子、電波やレーザ等の電磁波を機械的振動または熱に変換する電磁波機械変換体素子、電磁波熱変換体素子等を用いることができ、このエネルギー発生手段から発生させたエネルギーをノズル内のインクに与えて、ノズルからインク滴を吐出させる。このノズルの開口面は下方を向いており、インクは下向きに吐出される。
インク吐出部44の上部には、一定量のインクを貯留するための副インク容器46が設けられている。この副インク容器46は、インク吐出部44から吐出するインクの色ごとに独立して設けられており、図示しないフィルタを通して対応する各ノズルにインクを供給する。
副インク容器46は、一部(又は全部)が弾性材によって弾性変形可能に形成されており、その弾性部(弾性材によって弾性変形可能に形成された部分)を図示しない押圧/引圧手段によって押圧、引圧することにより、内部の圧力を微妙に調整できるようにされている。
なお、副インク容器46を全て剛性材で作製すると、インクの減少に伴い、副インク容器46内の圧力が大きく低下するという不具合が発生する。また、シリアルスキャンを行うと、加速度を受けて内部のインクが揺動し、副インク容器46内の圧力が変動するという不具合も発生する。
しかし、本実施の形態の副インク容器46のように、一部を弾性材とすることで、インクの減少に伴い、副インク容器46の容積を減少させて、副インク容器46内の圧力を均一に保つことができる。さらに、シリアルスキャンの圧力変動に対しても、変動を吸収するように弾性材が変形するため、副インク容器46内の圧力を安定に保つことができる。
また、副インク容器46の側面には、副インク容器46の内部と排気路48を介して連通された排気チューブ接続口50が設けられている。この排気チューブ接続口50には、排気弁52及び排気ポンプ54を介して排気チューブ56が接続されており、排気ポンプ54を駆動することにより、副インク容器46内の空気を排気できるようにされている。
また、副インク容器46の上部には、副インク容器46の内部とインク導入路58を介して連通されたインク供給チューブ接続口60が設けられている。インク供給チューブ26は、インク供給弁62及びインク供給ポンプ64を介して、このインク供給チューブ接続口60に接続されている。
副インク容器46へのインクの供給は、次のように行われる。すなわち、まず、排気弁52を開放し、副インク容器46内を大気圧にする。次いで、押圧/引圧手段によって副インク容器46の弾性部を押圧し、この状態でインク供給弁62を開放する。次いで、インク供給ポンプ64を駆動し、インク室30内のインクを副インク容器46に運び、副インク容器46内にインクを充填する。この後、排気弁52を閉じ、最終的には、押圧/引圧手段によって副インク容器46を引圧し、副インク容器46内を安定な負圧にしている。
インク吐出部44のノズルは、大気に対して開放されており、しかもノズルの開口面は下方を向いて配置されている。したがって、ノズルからインクの漏れを防止するため、記録ヘッド12の内部は、負圧に保たれている必要がある。一方、負圧が大きすぎるとノズル内に空気が侵入し、ノズルからインクを吐出することができなくなってしまう。
記録ヘッド12の内部を適度な負圧状態とするため、本実施の形態のインクジェット記録装置10では、上述した副インク容器46を引圧する方法に加えて、水頭差を利用する方法も用いている。すなわち、ノズルの開口面の位置が、インク室30内でのインクの液面に対して高さHだけ高い位置になるように記録ヘッド12を配置し、記録ヘッド12内が高さHの水頭差分の負圧に保たれるようにしている。
このように構成することにより、副インク容器46へのインク供給の際、排気弁52とインク供給弁62とが開放されていても、ノズル開口面ではインク室30内でのインクの液面に対して負圧がかかっているため、ノズルからインクが漏れることはない。また、ポンプを用いて負圧を発生させる方法のように、負圧を大きくしすぎてノズル内に空気を混入させてしまうこともない。ノズルは、内部にインクが満たされるとともに、開口面にメニスカスを形成した状態で保持される。
ノズルからのインクの吐出は、エネルギー発生手段によりノズル内のインクを押し出すことによって行われる。インクの吐出後、ノズル内には毛管力によって副インク容器46からインクが供給される。記録動作中は、このノズルからのインクの吐出と副インク容器46からのインクの供給が繰り返し行われる。そして、副インク容器46のインク残量が一定量を下回ると、上記のインク充填動作が行われ、主インク容器22から副インク容器46にインクが供給される。
ここで、副インク容器46内のインク残量は、インク残量検出装置70によって行われ、このインク残量検出装置70によって検出されたインク残量が、一定量を下回ると、主インク容器22から副インク容器46にインクが供給される。このインク残量検出装置70によるインク残量の検出方法については、後に詳述する。
記録ヘッド12の副インク容器46には、時間の経過とともに次第に空気が蓄積されてくるので、この蓄積した余分な空気を排出するため、定期的に排気弁52が開放される。
また、図示されていないが、本実施の形態のインクジェット記録装置10には、回復ユニットが備えられており、インク吐出部内にインクの増粘物が詰まった場合や、インク中に気泡が生じた場合などに、これらを除去できるようにされている。この回復ユニットは、たとえば、記録ヘッド12のノズルの開口面をキャッピングするキャップと、吸引ポンプとで構成され、キャップでノズルの開口面をキャッピングした状態で記録ヘッド12内のインクを吸引ポンプで強制的に吸引することで、インクの増粘物や余分な気泡をインク吐出部から除去する。
さて、上記のように、本実施の形態のインクジェット記録装置10では、副インク容器46のインク残量が、インク残量検出装置70によって検出され、このインク残量検出装置70によって検出されたインク残量が、一定量を下回ると、主インク容器22から副インク容器46にインクが供給される。
以下、この副インク容器46のインク残量を検出するインク残量検出装置70の構成について説明する。
図4は、インク残量検出装置70の概略構成図である。同図に示すように、インク残量検出装置70は、主として、一対の電極を構成する第1インク残量検出針72A及び第2インク残量検出針72Bと、その第1インク残量検出針72Aと第2インク残量検出針72Bとの間に所定のパルス電圧を印加する電圧印加装置74と、第1インク残量検出針72Aと第2インク残量検出針72Bとの間を流れる電流を検出する電流計76と、スイッチ78とで構成されており、全体の動作を図示しないインクジェット記録装置10の制御装置によって制御されている。
第1インク残量検出針72Aと第2インク残量検出針72Bは、それぞれ導電性を有する材料(たとえば、鉄、ステンレス、カーボン、金、銀、銅、プラチナ、マンガン、ニッケル等)によって円柱状に形成されており、副インク容器46内に所定の間隔をもって垂直に配設されている。そして、その上端部は、副インク容器46の上面から所定量突出して設けられ、下端部は、第2インク残量検出針72Bの下端の方が、第1インク残量検出針72Aの下端よりも下側に位置した状態で副インク容器46内に設けられている。
このように、第1インク残量検出針72Aと第2インク残量検出針72Bの下端の位置を変えることにより、両方のインク残量検出針がインクに浸っている場合と、片方のインク残量検出針がインクに浸っている場合とで、流れる電流に顕著な差が生じ、正確なインク残量の検出が可能となる。
このように、第1インク残量検出針72Aと第2インク残量検出針72Bの下端の位置を変えることにより、両方のインク残量検出針がインクに浸っている場合と、片方のインク残量検出針がインクに浸っている場合とで、流れる電流に顕著な差が生じ、正確なインク残量の検出が可能となる。
なお、第1インク残量検出針72Aと第2インク残量検出針72Bの材料は、化学的安定性の高いステンレス、金、プラチナが好ましい。これらの材料を使用することにより、よりインクの液性に左右されずに安定した残量検出を行うことができる。
電圧印加装置74は、この第1インク残量検出針72Aと第2インク残量検出針72Bとの間に所定のパルス電圧を印加する。電流計76は、第1インク残量検出針72Aと第2インク残量検出針72Bとの間に流れる電流を検出し、制御装置に出力する。制御装置は、この電流計76から取得した電流値に基づいてインク残量を判断し、必要に応じてインクの充填動作を実施する。すなわち、図5に示すように、電流計76で検出された最大電流値が、あらかじめ設定された閾値を下回ると、インク無しと判断し、インクの充填動作を実施する。
図6は、インクジェット記録装置10の制御装置が実行するインクの残量検出及び充填動作の処理の手順を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、制御装置は、インク供給ユニット24に主インク容器22が装着されているか否か判定する(ステップS11)。インク供給ユニット24に主インク容器22が装着されていないと判定すると、制御装置は、インクジェット記録装置10に備えられた図示しないモニタに主インク容器が装着されていない旨のエラーメッセージを表示する(ステップS19)。
一方、インク供給ユニット24に主インク容器22が装着されていると判定すると、電圧印加装置74を介して第1インク残量検出針72Aと第2インク残量検出針72Bとの間に所定のパルス電圧を印加する(ステップS12)。そして、第1インク残量検出針72Aと第2インク残量検出針72Bとの間に流れる電流を電流計76に検出させ(ステップS13)、その結果を取得する。
制御装置は、電流計76から取得した電流値をあらかじめ設定されている閾値と比較し、第1インク残量検出針72Aと第2インク残量検出針72Bとの間に流れる電流が閾値以上か否か判定する(ステップS14)。そして、閾値以上であると判定すると、副インク容器46内にインク有りと判定し(ステップS15)、印字動作、及び、必要に応じて回復動作を実行する(ステップS16)。
一方、第1インク残量検出針72Aと第2インク残量検出針72Bとの間に流れる電流が閾値を下回っていると判定すると、副インク容器46内にインク無しと判定し(ステップS17)、インク充填動作を実施する(ステップS18)。
この後、再度、ステップS12に戻り、上記処理を繰り返し実行する。
ところで、このようにインク残量を電気的に検出する場合、インクに顔料インク等のインク中に溶媒不溶解性材料を分散させたインクを使用すると、時間の経過とともに顔料等の溶媒不溶解性材料が電極に付着し、正確な検出ができなくなる。
そこで、本実施の形態のインクジェット記録装置10では、インク中に溶媒不溶解性材料を分散させたインクを使用する場合、粒径100nm以上の粒子の割合が5体積%以下(インクに含まれる全粒子分の内、粒径100nm以上の粒子の割合が5体積%以下を意味)、より好ましくは、粒径90nm以上の粒子の割合が5体積%以下(インクに含まれる全粒子分の内、粒径90nm以上の粒子の割合が5体積%以下を意味)のインクを用いる。
これにより、インク残量を電気的に検出するインクジェット記録装置で顔料インク等の溶媒不溶解性材料をインク中に分散させたインクを使用する場合であっても、電極(第1インク残量検出針72Aと第2インク残量検出針72B)への溶媒不溶解性材料の付着を抑止でき、長期間使用してもインク残量を正確に検出することができる。
なお、インク中に分散させる溶媒不溶解性材料の濃度は、吐出に適切な粘度(20mPa・s以下)を考慮して、1重量%以上、20重量%以下であることが好ましい。より好ましくは、画像の光学濃度を得るために、4重量%以上の顔料濃度である。
また、インクの表面張力は、吐出安定性を考慮して、20mN/m以上、40mN/mであることが好ましい。
また、インクの電気伝導率は、電気的な方法で精度よくインク残量を検出できるようにするため、1mS/cm以上であることが好ましい。
また、インク中に分散させる溶媒不溶解性材料は、主として顔料であるが、定着用樹脂でもよく、また、複数種類の材料が混合されていてもよい。
なお、顔料には、有機色顔料が好ましく用いられる。有機色顔料としては、たとえば、シアン色の顔料として、C.I Pigment Blue-1、C.I Pigment Blue-2、C.I Pigment Blue-3、C.I Pigment Blue-15、C.I Pigment Blue-15:2、C.I Pigment Blue-15:3、C.I Pigment Blue-15:4、C.I Pigment Blue-16、C.I Pigment Blue-22等が挙げられる。また、マゼンタ色の顔料として、C.I Pigment Red-5、C.I Pigment Red-7、C.I Pigment Red-12、C.I Pigment Red-48、C.I Pigment Red-48:1、C.I Pigment Red-57、C.I Pigment Red-112、C.I Pigment Red-122、C.I Pigment Red-123、C.I Pigment Red-146、C.I Pigment Red-168、C.I Pigment Red-184、C.I Pigment Red-202、C.I Pigment Red-207等が挙げられる。また、イエローの顔料として、C.I Pigment Yellow-12、C.I Pigment Yellow-13、C.I Pigment Yellow-14、C.I Pigment Yellow-16、C.I Pigment Yellow-17、C.I Pigment Yellow-74、C.I Pigment Yellow-83、C.I Pigment Yellow-93、C.I Pigment Yellow-95、C.I Pigment Yellow-97、C.I Pigment Yellow-98、C.I Pigment Yellow-114等が挙げられる。
また、定着用樹脂には、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、ビニル系、スチレン系等を用いることができるが、定着性向上といった機能を十分に発現させるには、比較的高分子のポリマーを高濃度(1重量%〜20重量%)に添加する必要がある。しかし、上記材料を液体に溶解させて添加しようとすると、インクが高粘度化し、吐出性が低下する。このため、適切な材料を高濃度に添加し、かつ、粘度上昇を抑えるには、ラテックスとして添加する手段が有効である。ラテックス材料としては、アクリル酸アルキル共重合体、カルボキシ変性SBR(スチレンーブタジエンラテックス)、SIR(スチレンーイソプレンラテックス)、MBR(メタクリル酸メチルーブタジエンラテックス)、NBR(アクリロニトリルーブタジエンラテックス)等が挙げられる。
ラテックスのガラス転移点Tgは、プロセス上、定着時に影響の強い値で、常温保存時の安定性と加熱後の定着性を両立するため、50℃以上、120℃以下が好ましい。
また、ラテックスの最低造膜温度MFTは、プロセス上、定着時に影響の強い値で、低温で十分な定着を得るため、100℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。
また、本実施の形態では、チューブ供給方式を採用したインクジェット記録装置に本発明を適用した場合を例に説明したが、インク残量を電気的に検出するインクジェット記録装置であれば、そのインクの供給方式については、特に限定されるものではない。たとえば、ピットイン供給方式やカートリッジ供給方式等を採用したインクジェット記録装置にも同様に本発明を適用することができ、同様の効果を得ることができる。ここで、ピットイン供給方式とは、内部にインク液室を備えた記録ヘッドと主インク容器を別々に設け、必要に応じて記録ヘッドを主インク容器の位置まで移動させて両者を接続し、インク液室にインクを供給する方式をいい、カートリッジ供給方式とは、キャリッジ上にインクを充填したカートリッジと記録ヘッドを搭載し、カートリッジから記録ヘッドにインクを供給する方式をいう。
なお、チューブ供給方式は、インクの引き回し量が多いことから、各部でのインク残量を広い範囲で確認できる電気的検出方法は特に有効であり、この電気的検出方法をより高い信頼性で行える本発明は特に有効に作用する。
たとえば、本実施の形態では、副インク容器内に電極(第1インク残量検出針72Aと第2インク残量検出針72B)を設置し、副インク容器内のインク残量を検出しているが、主インク容器内やインク供給チューブ内に電極を設置し、これらのインク残量を検出する構成としてもよい。また、主インク容器と副インク容器の双方に電極を設置し、双方のインク残量を検出する構成としてもよい。主インク容器と副インク容器の双方のインク残量を検出することにより、主インク容器内、副インク容器内、インク供給チューブ内のインク存在状態の検出も可能となる。
なお、副インク容器の容量は、主インク容器の容量に比べて相当小さいため、副インク容器内のインク残量検出頻度は高く、長期間にわたって正確な残量検出を行うことができる本発明は特に有効に作用する。
また、主インク容器のインク残量を検出する場合には、インク供給針36と大気導入針38を電極として機能させてもよい。すなわち、インク供給針36と大気導入針38に所定の電圧を印加し、その間を流れる電流を検出して、主インク容器内のインクの残量を検出する構成としてもよい。これにより、別途、インク残量検出用の電極を設置する必要がなくなり、装置構成を簡素化することができる。
また、本実施の形態では、インク容器として、主インク容器と副インク容器の二つのインク容器を備えたインクジェット記録装置に本発明を適用した場合を例に説明しているが、インク残量を検出するインク容器の形態については、特に限定されるものではない。いかなる形態のインク容器のインク残量を検出する場合についても本発明は等しく適用することができ、等しい効果を得ることができる。したがって、主インク容器と副インク容器の二つのインク容器を備えたインクジェット装置において、いずれのインク容器のインク残量を検出する場合であっても、その効果は等しく、いずれにおいても長期間にわたって正確な残量検出を行うことができる。
また、本実施の形態では、記録ヘッドを移動させながら記録動作を行うシリアル型のインクジェット記録装置に適用した場合を例に説明したが、インク残量を電気的に検出するインクジェット記録装置であれば、その記録動作の方式については、特に限定されるものではない。したがって、記録ヘッドを移動させずに被記録媒体の搬送のみで記録動作を行うライン型のインクジェット記録装置にも同様に本発明を適用することができ、同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、一対の電極(第1インク残量検出針72Aと第2インク残量検出針72B)にパルス電圧を印加し、その電極間に流れる電流のピークを検出して、インク残量を検出しているが、一対の電極間に印加する電圧は、これに限定されるものではない。直流電圧や交流電圧等、いかなる電圧波形の電圧を印加した場合であっても、インク残量の検出は可能である。なお、直流電圧では、常時電力を消費してしまうこと、また、交流電圧では、電圧値が連続的に変化するため、電流の変化が計測しにくいことを考慮すると、一対の電極間にはパルス電圧を印加して、インク残量を検出することが好ましい。
また、インクの残量検出方法は、これに限定されるものではない。たとえば、一対の電極間に直流電圧を印加し、その電極間に流れる電流の変化率を検出して、インク残量を検出してもよいし、一対の電極間に交流電圧を印加し、その電極間に流れる電流波形を検出して、インク残量を検出してもよい。また、一対の電極間を流れる電流を検出して、インク残量の検出を行うのではなく、一対の電極間の抵抗を検出して、インク残量の検出を行うようにしてもよいし、一対の電極間に任意の電流を流した際の電圧を検出して、インク残量の検出を行うようにしてもよい。すなわち、インク残量を電気的に検出する方法であればよく、その具体的な検出方法は、特に限定されるものではない。
電気的にインク残量を検出するインクジェット記録装置において、インク中の溶媒不溶解性材料の平均粒子径、粒子径100nm以上の粒子の割合、粒子径90nm以上の粒子の割合、電極間に印加する電圧(検出電圧)を変えて残量検出を行い、1日後、1週間後の検出能力の変化を検査した。
インクジェット記録装置には、チューブ供給方式のインクジェット記録装置を使用し、上記実施の形態と同様、一対の電極間を流れる電流を検出して、副インク容器内のインク残量を検出する構成とした(図4参照)。
なお、電極には、化学的安定性の高いステンレスを使用し、電極間距離を1.0cmに設定した。また、環境温度を25℃に設定し、電極間には、100Hz、Duty比1のパルス電圧を印加した。
また、インクには、下記組成のインクを使用した。
・顔料 C.I Pigment Red-122 5重量%
・アクリル系ラテックス(平均粒径30nm、ジュリマーET-410、日本純薬製) 5重量%
・グリセリン 20重量%
・ジエチレングリコール 10重量%
・オルフィンE1010(日信化学工業製) 2重量%
・イオン交換水 残量
ここで、本実施例で用いたインクの詳細な作製法を説明する。
・アクリル系ラテックス(平均粒径30nm、ジュリマーET-410、日本純薬製) 5重量%
・グリセリン 20重量%
・ジエチレングリコール 10重量%
・オルフィンE1010(日信化学工業製) 2重量%
・イオン交換水 残量
ここで、本実施例で用いたインクの詳細な作製法を説明する。
まず、インクを分散する方法としては、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザ、超音波ホモジナイザ等があるが、微細な粒子を比較的単分散できる方法として、超音波ホモジナイザを用いる方法が適切である。
超音波ホモジナイザは、超音波による溶液中にキャビテーション現象で気泡を発生、消滅させ、その際の衝撃で溶液中の粗大粒子を粉砕することができる。超音波照射時間、又は、照射エネルギ、又は、その両方を調整することで、平均粒子径と粗大粒子の含有率を調整することができる。
分散剤として、メタクリル酸(A)、ベンジルメタクリレート(B)、エトキシトリエチレングリコールメタクリレート(C)のABC型のブロックポリマ(A:B:C=13:4:10モル比)として使用した。ポリマ30g、水酸化カリウム45%の水溶液9g、脱イオン水261gとして、均一になるまで混合を行った。該ポリマにC.I.Pigment Red-122を150g、及び、脱イオン水550gを加えて混合し、ディスパー分散機で30分攪拌して予備混合を行なった。次いで、この予備混合物を内容量2リットルの2重タンクに入れ、18℃の冷水で冷却しながらディスパー羽根にて攪拌しつつ、超音波ホモジナイザUS-1200T型((株)日本精機製作所)で36mmのチップを用いて30分バッチ照射を行なった。この時の振動振幅は、28μm、超音波照射エネルギー密度は110W/cm2であった。
このようにして得られた顔料の分散物にアクリル系ラテックス(平均粒径30nm、ジュリマーET-410,日本純薬製)を添加し、グリセリン、ジエチレングリコール、オルフィンE1010(日信化学工業製)、イオン交換水を所定の所望の質量比になるように調液し、混合攪拌を行なった。最後に、インクは、調液後、平均孔径0.5μmのアセチルセルロース膜フィルタ(富士写真フイルム製)で濾過し、粗大粒子を除去した。
上記方法では、超音波ホモジナイザ照射時間を30分、超音波照射エネルギ密度を110W/cm2としたが、照射時間と照射エネルギをそれぞれ(10分,55W/cm2)、(20分,55W/cm2)、(30分,55W/cm2)、(40分,55W/cm2)、(50分,55W/cm2)、(10分,110W/cm2)、(20分,110W/cm2)、(30分,110W/cm2)、(40分,110W/cm2)、(50分,110W/cm2)として、それぞれインクa、 インクb、 インクc、 インクd、 インクe、 インクf、 インクg、, インクh、 インクi、 インクjという粒径分布違いの顔料分散物を10種類用意した。
上記方法では、超音波ホモジナイザ照射時間を30分、超音波照射エネルギ密度を110W/cm2としたが、照射時間と照射エネルギをそれぞれ(10分,55W/cm2)、(20分,55W/cm2)、(30分,55W/cm2)、(40分,55W/cm2)、(50分,55W/cm2)、(10分,110W/cm2)、(20分,110W/cm2)、(30分,110W/cm2)、(40分,110W/cm2)、(50分,110W/cm2)として、それぞれインクa、 インクb、 インクc、 インクd、 インクe、 インクf、 インクg、, インクh、 インクi、 インクjという粒径分布違いの顔料分散物を10種類用意した。
なお、インクの電気伝導率は、7mS/cmであった。
粒径は、粒度分布計(日機装製 Nanotrac UPA-EX150)により測定を行った。この粒度分布計は、動的光散乱法という測定原理を用いている。粒子は、直径数μm以下になると、溶媒分子運動の影響を受け、ブラウン運動を生じる。この運動の速さは、粒子の大きさによって異なり、小さい粒子ほど速く、大きい粒子はゆっくり動く。これらの運動した粒子へレーザ光を照射すると、その速度に応じた位相の違う光の散乱が生じ、散乱光を分光すると、ドップラーシフトが得られる。動的光散乱法とは、ドップラーシフトされた粒子径情報を検出して、粒度分布を求める方法である。溶媒不溶解性材料の粒径分布測定では、いずれも透過モード、非球形として計測を行っている。
副インク容器内にインクを満たした状態で残量検出を開始し、開始直後の最大電流I0、1日後の最大電流値I1、1週間後の最大電流値I2を検出した。
なお、残量検出中、ノズルの開口面をキャッピングするとともに、インク供給弁及び排気弁を閉じ、副インク容器へのインクの出入りや乾燥がないようにした。また、記録ヘッドの駆動やインクの供給動作は行わなかった。
残量検出開始直後の最大電流I0に対する1日後の最大電流値I1と、1週間後の最大電流値I2の割合をα=(I1/I0)×100%、β=(I2/I0)×100%として求め、条件での検出能力の変化を評価した。評価は、α、βともに98%以上を◎、95%以上、98%未満を○、90%以上、95%未満を△、90%未満を×として評価した。
各条件での評価の結果を表1に示す。
表1に示されているように、粒径90nm以上の粒子の割合が5体積%以下のインク(a、b、c、d)では、1週間経過しても検出能力は変化せず、安定した検出を行うことが確認できた。
また、粒径100nm以上の粒子の割合が5体積%以下のインク(e、g)についても、1週間経過後の検出能力は、ほぼ変化せず、安定した検出を行うことが確認できた。
また、表1に示されているように、平均粒径が小さくても、粒径100nm以上の粒子の割合が5体積%以上の場合(f)には、検出能力が顕著に低下することが確認できた。したがって、検出能力は、平均粒径に依存せず、ある粒子径以上の粒子濃度が高くなったときに低下することが確認できた。
なお、別途、インクを密閉容器に入れ、環境温度を25℃に設定して、1日後、1週間後に粒径測定を行ったが、平均粒径の変化は認められず、インク自体の分散安定性が高いことが確認された。
また、表1に示されているように、検出電圧の違いによる検出能力の変化は、ほとんど見られないことが確認できた。
したがって、長期にわたり高い信頼性でインク残量の検出を可能にするためには、粒径100nm以上の粒子の割合が5体積%以下、より好ましくは粒径90nm以上の粒子の割合が5体積%以下のインクを用いればよいことが確認できた。
このように粗大粒子が混入することで検出精度が低下することが確認できたが、その原因の一つは、電極への粒子付着と考えられる。実際に上記の検査を行った後、検出精度が著しく低下した電極には、特に顕著に粒子付着が観察された。
粒子付着については、粒子泳動である説明ができると考えられる。電界下の粒子は、電極電界を印加されることで、静電力と粒子泳動と反対方向にストークス抗力を受ける。静電力は、F=qE(q:粒子電荷、E:電界強度)で与えられ、一方、ストークス抗力は、F=CD・1/2ρV2S(CD:抗力係数で球体、低Reでは、0.47、V:泳動速度、S:代表面積)である。単位体積当りにもつ粒子電荷が一定とした場合には、粒径が大きくなるほど静電力も上昇し、泳動速度が高くなる。粒子泳動によって泳動し、電極付着した粒子が溶媒検出を阻害していると考えられる。
電極への粒子付着の原因として、静電誘導も付加的に考えられる。導体の近くに電荷を置くと、導体表面には電荷と反対の符号をもつ電荷が誘起される(鏡像効果ともいう)。電荷が導体表面から受ける引力は、F=q2/(16πεl2)(l:電極と粒子間距離)という式で表され、粒径に関連する値となっている。
溶媒不溶解性材料の平均的な泳動速度が1μmV−1s−1cm以上、5μmV−1s−1cm以下、溶媒不溶解性材料の平均的なゼータ電位が、-60mV以上、-10mV以下、それ以外にも、電流が流れることによるインク自体の変質が考えられるが、測定後の電気伝導率は変化しておらず、十分な説明には至っていない。
これまでの測定では、全粒子濃度は10重量%である。濃度の影響を確認するため、5Vの検出電圧で粒子濃度を0.1重量%から20重量%まで変えて検査した。
各条件での評価の結果を表2に示す。
表2に示されているように、粒子濃度1重量%以上では、濃度によらず検出精度は一定であることが確認できた。したがって、極端に希釈したインクではない限り、粒子濃度は大きく影響しないことが確認できた。
粗大粒子の含有密度の高いインクにおいては、電気的検出を長時間連続して行うと、残量検出精度が低下する。これを防ぐためは、インク残量を演算により検出する方法を組み合わせることが効果的であり、電気的検出を行う頻度を減らすことができる。
10…インクジェット記録装置、12…記録ヘッド、14…記録用紙、16…キャリッジ、18…ガイドシャフト、20…搬送ローラ、22…主インク容器、24…インク供給ユニット、…インク供給チューブ、28…主インク容器装着部、30…インク室、32…大気口、34…インク供給チューブ接続口、36…インク供給針、38…大気導入針、40…インク供給口、40…インク供給口、40a…ゴム栓、42…大気導入口、42a…ゴム栓、50…排気チューブ接続口、52…、排気弁、54…排気ポンプ、56…排気チューブ、58…インク導入路、60…インク供給チューブ接続口、62…インク供給弁、64…インク供給ポンプ、70…インク残量検出装置、72A…第1インク残量検出針(電極)、72B…第2インク残量検出針(電極)、74…電圧印加装置、76…電流計、78…スイッチ
Claims (7)
- インク容器、及び/又は、インク供給路内に設けられた一対の電極間に電圧を印加して、前記インク容器、及び/又は、前記インク供給路内のインク残量を検出するインクジェット記録装置において、
インク中に溶媒不溶解性材料を分散させたインクであって、粒径100nm以上の粒子の割合が5体積%以下のインクを用いることを特徴とするインクジェット記録装置。 - インク容器、及び/又は、インク供給路内に設けられた一対の電極間に電圧を印加して、前記インク容器、及び/又は、前記インク供給路内のインク残量を検出するインクジェット記録装置において、
インク中に溶媒不溶解性材料を分散させたインクであって、粒径90nm以上の粒子の割合が5体積%以下のインクを用いることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記溶媒不溶解性材料は、顔料であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記溶媒不溶解性材料は、ラテックスであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記インクの電気伝導率が、1mS/cm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載のインクジェット記録装置。
- インクが貯留された主インク容器からインク供給路を介して副インク容器にインクが供給され、該副インク容器から記録ヘッドにインクが供給されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に記載のインクジェット記録装置。
- 前記副インク容器内に前記一対の電極が設けられ、該副インク容器のインク残量が検出されることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
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