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JP2002187341A - インクジェット画像形成方法 - Google Patents

インクジェット画像形成方法

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Publication number
JP2002187341A
JP2002187341A JP2000390614A JP2000390614A JP2002187341A JP 2002187341 A JP2002187341 A JP 2002187341A JP 2000390614 A JP2000390614 A JP 2000390614A JP 2000390614 A JP2000390614 A JP 2000390614A JP 2002187341 A JP2002187341 A JP 2002187341A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pigment ink
pigment
ink
thermoplastic resin
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000390614A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Kaga
誠 加賀
Atsushi Asatake
敦 朝武
Shinichi Suzuki
眞一 鈴木
Hidenobu Oya
秀信 大屋
Shuji Kida
修二 木田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2000390614A priority Critical patent/JP2002187341A/ja
Publication of JP2002187341A publication Critical patent/JP2002187341A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 未印字部と印字部の光沢差のない均一感のあ
る優れた光沢を有するインクジェット記録画像が得られ
るインクジェット画像形成方法を提供する。 【解決手段】 支持体上の最も外側に熱可塑性樹脂微粒
子を含有する顔料インク受容層および該顔料インク受容
層に隣接して顔料インク溶媒吸収層を有するインクジェ
ット記録媒体に、顔料インクをインクジェット方式で像
様に吐出し付着した後、加熱加圧同時工程で画像面に接
する側のローラの平均面粗さが100nm以下である対
面する2本のローラを用いて加熱及び加圧を同時に行う
ことを特徴とするインクジェット画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット画
像形成方法に関し、詳しくは、未印字部と印字部の光沢
差のない均一感のある優れた光沢を有するインクジェッ
ト記録画像が得られるインクジェット画像形成方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録とは、インクの微小
液滴を種々の作動原理により飛翔させてインクジェット
記録媒体(以下単に、記録媒体ともいう)に付着させ、
画像、文字などの画像形成を行うものであるが、比較的
高速、低騒音、多色化等が容易であるという利点を有し
ている。また、近年の技術進歩による染料インクによる
インクジェットプリントの銀塩写真に迫る高画質化や装
置の低価格化が、その普及をより一層加速させている。
【0003】インクジェットプリントで染料インクに用
いられる染料は、主に溶媒に可溶であり、色素分子は分
子状態もしくはクラスター状態で着色している。従っ
て、各分子の環境が似通っているために、その吸収スペ
クトルはシャープであり高純度で鮮明な発色を示す。更
に、これらの染料は粒子性がなく、その結果として散乱
光や反射光が発生しないので、透明性高く色相も鮮明で
ある。
【0004】しかしながら、光化学反応などにより染料
の分子が破壊された場合に分子数の減少がそのまま着色
濃度に反映するために、耐光性が悪いという欠点を有し
ている。この様に、染料インクを用いたインクジェット
記録画像は、高画質である反面、経時保存による画像品
質低下が大きく、画像保存性の観点で銀塩写真を凌駕す
る技術が未だ現れていないのが現状であった。
【0005】一方、上記の染料インクに対して、光によ
る退色に強い画像を必要とする用途向けのインクとして
耐光性が良好である顔料を着色剤として用いた顔料イン
クをインクジェットプリントに使用する技術がある。顔
料は、溶媒に不溶であり、色素分子は粒子を形成して溶
媒に分散した状態で着色に寄与している。表面の分子が
光化学反応等により破壊されたとしても、その下部に新
たな色素分子層があるので見かけ上の着色力低下が小さ
く、画像保存性に優れる特性を有しているが、粒子であ
ることに起因する散乱光、反射光の影響により、光沢性
の著しい劣下がみられ問題であった。
【0006】特開平11−208097号において、最
外層が熱可塑性樹脂層である記録媒体に、分散剤を含有
しない顔料インクによる画像記録後、顔料粒子を熱可塑
性樹脂層中に移動させる技術が開示されている。即ち、
顔料インクは記録媒体表面に付着後、顔料インクの顔料
粒子は熱可塑性樹脂層表面に存在し、溶媒成分は記録媒
体を構成する各層に吸収される。続いて、顔料粒子を熱
可塑性樹脂層中に移動させることによって、顔料インク
特有の印字部の未印字部に対する浮き上がりがある程度
は解消されるが、効果としては未だ不十分であり、特に
目立つのは、未印字部と印字部の光沢差が解消しきれず
問題であった。
【0007】また、特開2000−203008号にお
いて、熱可塑性樹脂粒子層の加熱工程後に、2本の加圧
ローラの間を通してロール表面形状を転写する技術が開
示されている。しかしながらこの技術によっても未印字
部と印字部の光沢差が解消しきれず問題であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その目的は、未印字部と印字
部の光沢差のない均一感のある優れた光沢を有するイン
クジェット記録画像が得られるインクジェット画像形成
方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成される。 1.支持体上の最も外側に熱可塑性樹脂微粒子を含有す
る顔料インク受容層および該顔料インク受容層に隣接し
て顔料インク溶媒吸収層を有するインクジェット記録媒
体に、顔料インクをインクジェット方式で像様に吐出し
付着した後、加熱加圧同時工程で画像面に接する側のロ
ーラの平均面粗さが100nm以下である対面する2本
のローラを用いて加熱及び加圧を同時に行うことを特徴
とするインクジェット画像形成方法。
【0010】2.支持体上の最も外側に熱可塑性樹脂微
粒子を含有する顔料インク受容層および該顔料インク受
容層に隣接して顔料インク溶媒吸収層を有するインクジ
ェット記録媒体に、顔料インクをインクジェット方式で
像様に吐出し付着した後、加熱工程で加熱し、引き続き
加熱加圧同時工程で画像面に接する側のローラの平均面
粗さが100nm以下である対面する2本のローラを用
いて加熱及び加圧を同時に行うことを特徴とするインク
ジェット画像形成方法。
【0011】3.加熱及び加圧を同時に行うローラのロ
ーラ表面温度が熱可塑性樹脂微粒子のガラス転移点以上
の温度であることを特徴とする1に記載のインクジェッ
ト画像形成方法。
【0012】4.加熱工程の加熱温度および加熱及び加
圧を同時に行うローラのローラ表面温度が、共に熱可塑
性樹脂微粒子のガラス転移点以上の温度であることを特
徴とする2に記載のインクジェット画像形成方法。
【0013】5.顔料インク受容層および顔料インクか
ら選ばれる少なくとも1つに、シリコンエマルジョン又
はステアリン酸金属塩が含有されていることを特徴とす
る1〜4のいずれか1項記載のインクジェット画像形成
方法。
【0014】6.顔料インク受容層に含有する熱可塑性
樹脂微粒子よりもガラス転移点の低い熱可塑性樹脂微粒
子を顔料インク中に含有することを特徴とする1〜5の
いずれか1項記載のインクジェット画像形成方法。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
顔料インク受容層に含有される熱可塑性樹脂微粒子とし
ては、例えば、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリ
ル、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル
酸、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル及びこ
れらの共重合体等の微粒子が挙げられ、これら樹脂微粒
子のラテックスが好ましく用いられる。熱可塑性樹脂を
選択するにあたり考慮すべき点としては、顔料インク受
容性、加熱加圧による定着後の光沢性、及び画像堅牢性
等がある。
【0016】顔料インク受容性については、熱可塑性微
粒子が小さ過ぎる場合には、顔料インク中の顔料粒子と
インク溶媒の分離が遅くなり、実質的な吸収速度の低下
を招くことになる。また、大きすぎる場合には、支持体
上に塗布する際に隣接する顔料インク溶媒吸収層との接
着性や、塗布乾燥後の膜強度の点から好ましくない。こ
のために本発明の顔料インク受容層に含有される熱可塑
性樹脂微粒子の粒径は好ましくは0.05〜10μmで
あり、より好ましくは0.1〜5μmである。
【0017】また、本発明の顔料インク受容層に含有さ
れる熱可塑性樹脂微粒子の選択の基準としては、ガラス
転移点Tgが挙げられる。Tgが極端に低い場合には、
例えば、記録媒体製造時の塗布乾燥温度が既にTgより
高く、顔料インク溶媒が透過するための熱可塑性樹脂微
粒子の空隙が消失してしまう。また、Tgが極端に高い
場合には、顔料インクによるインクジェット記録後、溶
融製膜定着するために高温での定着操作が必要となり、
装置上の負荷及び支持体の熱安定性等が問題となる。し
たがって本発明の顔料インク受容層に含有される熱可塑
性樹脂微粒子のTgは、50〜150℃であることが好
ましい。
【0018】本発明の顔料インク溶媒吸収層は、顔料イ
ンクの溶媒を吸収する層であり、層中に空隙が形成され
ていることが好ましく、該空隙は各種の無機固体微粒子
を顔料インク溶媒吸収層中に含有させることによって形
成される。上記の目的で使用される無機固体微粒子とし
ては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜
鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサ
イト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウ
ム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダル
シリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイ
ト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸
化マグネシウム等の白色無機顔料微粒子が挙げられる。
濃度の高い画像が形成されること、鮮明な画像が記録で
きること、低コストで製造できること等の観点から、無
機固体微粒子としては、気相法により合成された微粒子
シリカ、コロイダルシリカ及びアルミナまたはアルミナ
水和物から選ばれた無機固体微粒子を用いることが好ま
しい。アルミナまたはアルミナ水和物は、結晶性であっ
ても非晶質であってもよく、また不定形粒子、球状粒
子、針状粒子など任意の形状のものを使用することがで
きる。現在、このような気相法によって合成された微粒
子シリカが市販されており、市販の微粒子シリカには日
本アエロジル社の各種のアエロジルがある。本発明の効
果を得るためには、無機固体微粒子の粒径は特に制限さ
れないが、100nm以下が好ましく、空隙部を形成す
るために最も適する粒径は化合物によって異なるが、例
えば、上記気相法シリカの場合、1次粒子の状態で分散
された無機固体微粒子の1次粒子の平均粒径(塗布前の
分散液状態での粒径)としては、4〜20nmが最も好
ましい。
【0019】無機固体微粒子の平均粒径は、粒子そのも
のあるいは空隙型の顔料インク溶媒吸収層の断面や表面
に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、100個の任意粒
子の粒径を求めてその単純平均値(個数平均)として求
められる。ここで、個々の粒子の粒径は、その投影面積
に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
【0020】本発明の記録媒体の熱可塑性樹脂微粒子を
含有する顔料インク受容層及び顔料インク溶媒吸収層に
おいて、空隙の総量(空隙容量)は、記録媒体1m2
り20ml以上であることが好ましい。空隙容量が20
ml/m2未満では、印字時のインク量が少ない場合に
インク吸収性は良好であるものの、インク量が多くなる
とインクが完全に吸収されず、画質を低下させたり、乾
燥性の遅れなどの問題が生じやすくなる。空隙容量の上
限は特に制限されないが、空隙型のインク吸収層の膜厚
を概ね50μm以下にすることが、ひび割れ等の皮膜の
物理特性を悪化させないためには必要で、この点からし
て、空隙容量が40ml/m2以下であることが好まし
い。
【0021】本発明において、空隙容量は、J.TAP
PIの紙パルプ試験方法No.51−87紙及び板紙の
液体吸収性試験方法(ブリストー法)に記載された方法
で測定し、吸収時間2秒における液体転移量(ml/m
2)で表される。なお、上記の測定方法では、測定に純
水(イオン交換水)が使用されているが、測定面積の判
別を容易にするために、2%未満の水溶性染料を含有さ
せてもよい。
【0022】本発明の支持体としては、従来からインク
ジェット記録媒体に用いられている支持体、例えば、普
通紙、アート紙、コート紙およびキャストコート紙など
の紙支持体、プラスティック支持体、両面をポリオレフ
ィンで被覆した紙支持体、これらを張り合わせた複合支
持体等を用いることができる。
【0023】本発明のインクジェット記録媒体は、顔料
インク受容層の他に、顔料インクのインク溶媒を吸収す
る能力を有する顔料インク溶媒吸収層を有する。顔料イ
ンク溶媒吸収層は層内部に空隙部を有しており、空隙部
は、主に親水性バインダーと無機固体微粒子あるいは有
機固体微粒子により形成されるものである。支持体と顔
料インク溶媒吸収層の接着強度を大きくする等の目的
で、顔料インク溶媒吸収層の塗布に先立って、支持体に
コロナ放電処理や下引処理等を行うことが好ましい。さ
らに、本発明の支持体は、必ずしも無色である必要はな
く、着色された支持体であってもよい。
【0024】本発明の支持体としては、原紙支持体の両
面をポリエチレンでラミネートした紙支持体を用いるこ
とが、記録画像が写真画質に近く、しかも低コストで高
品質の画像が得られるために特に好ましい。そのような
ポリエチレンでラミネートした紙支持体について以下に
説明する。
【0025】紙支持体に用いられる原紙は、木材パルプ
を主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプ
ロピレンなどの合成パルプあるいはナイロンやポリエス
テルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプと
してはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LD
P、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いること
ができるが短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBS
P、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。
但し、LBSP及び/またはLDPの比率は10質量%
以上、70質量%以下が好ましい。
【0026】上記パルプには、不純物の少ない化学パル
プ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いら
れ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも
有用である。原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテン
ダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化
チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白
剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、四級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加する
ことができる。
【0027】抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSF
の規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後
の繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッ
シュ残分の質量%と42メッシュ残分の質量%との和が
30〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分の質量
%は20質量%以下であることが好ましい。原紙の坪量
は、30〜250g/m2が好ましく、特に50〜20
0g/m2が好ましい。原紙の厚さは40〜250μm
が好ましい。原紙は、抄紙段階または抄紙後にカレンダ
ー処理して高平滑性を与えることもできる。原紙密度
は、0.7〜1.2(JIS−P−8118)が一般的
である。更に、原紙剛度はJIS−P−8143に規定
される条件で20〜200gが好ましい。原紙表面には
表面サイズ剤を塗布してもよく、表面サイズ剤としては
前記原紙中に添加できるサイズ剤と同様のサイズ剤を使
用できる。原紙のpHは、JIS−P−8113で規定
された熱水抽出法により測定された場合、5〜9である
ことが好ましい。
【0028】原紙表面および裏面を被覆するポリエチレ
ンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)およ
び/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが
他の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)やポリプ
ロピレン等も一部使用することができる。ポリエチレン
被覆紙は光沢紙として用いることも、また、ポリエチレ
ンを原紙表面上に溶融、押し出してコーティングする際
にいわゆる型付け処理を行って通常の写真印画紙で得ら
れるようなマット面や絹目面を形成したものも本発明で
使用できる。原紙の表裏のポリエチレンの使用量は、イ
ンク溶媒吸収層やバック層を設けた後で、低湿および高
湿下でのカールを最適化するように選択されるが、通常
インク溶媒吸収層側のポリエチレン層が20〜40μ
m、バック層側が10〜30μmの範囲である。
【0029】更に上記ポリエチレンで被覆した紙支持体
は、以下の特性を有していることが好ましい。
【0030】1.引っ張り強さ:JIS−P−8113
で規定される強度で縦方向が2〜30kg、横方向が1
〜20kgであることが好ましい 2.引き裂き強度:JIS−P−8116による規定方
法で縦方向が10〜200g、横方向が20〜200g
が好ましい 3.圧縮弾性率≧98.1MPa 4.不透明度:JIS−P−8138に規定された方法
で測定したときに80%以上、特に85〜98%が好ま
しい 5.白さ:JIS−Z−8729で規定されるL*
*、b*がL*=80〜95、a*=−3〜+5、b*
−6〜+2であることが好ましい 6.クラーク剛直度:記録用紙の搬送方向のクラーク剛
直度が50〜300cm2/100である支持体が好ま
しい 7.原紙中の水分:中紙に対して4〜100質量%が好
ましい。
【0031】本発明の記録媒体の顔料インク受容層、顔
料インク溶媒吸収層、下引き層など必要に応じて適宜設
けられる各種の構成層を支持体上に塗布する方法は、公
知の方法から適宜選択して行うことができる。好ましい
方法としては、各層を構成する塗布液を支持体上に塗布
して乾燥して記録媒体を得る方法が挙げられる。
【0032】塗布方式としては、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティン
グ法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法ある
いは米国特許第2,681,294号記載のホッパーを
使用するエクストルージョンコート法等が好ましく用い
られる。また、本発明のインクジェット記録媒体の塗布
に際して、塗布性を向上させるために増粘剤を用いても
よい。
【0033】本発明において、インクジェット記録媒体
に顔料インクをインクジェット方式で像様に吐出し付着
した画像記録後の加熱方法としては、ヒータ等による加
熱、ヒータによる加熱空気を送風する方法のいずれも用
いることができる。また加熱温度は、記録媒体上に有す
る顔料インク受容層に含有される熱可塑性樹脂微粒子の
ガラス転移点Tg以上の温度であることが必要である。
ガラス転移点Tgは採用する熱可塑性樹脂微粒子の熱可
塑性樹脂の固有の値であり、樹脂種によって加熱温度は
異なる。加熱温度の上限としては、装置上の負荷、紙支
持体の熱安定性の観点から通常150℃程度である。
【0034】本発明の請求項1の発明の加熱加圧同時工
程(加熱及び加圧を同時に行う)における加熱の温度と
しては、上記同様熱可塑性樹脂微粒子のガラス転移点T
g以上150℃以下であることが好ましい。
【0035】本発明の請求項2の発明の加熱工程と加熱
加圧同時工程の2工程における温度の関係としては、加
熱加圧同時工程の温度が加熱工程温度と同等かそれより
低いことが好ましい。加熱工程の温度よりも加熱加圧同
時工程の温度がより高い場合には熱可塑性樹脂微粒子の
溶融軟化が過度に進み、加熱加圧同時工程に用いるロー
ラに張り付きジャムを発生しやすくなることがあり好ま
しくない。
【0036】本発明の加熱加圧同時工程に用いられるロ
ーラのうち、画像面に接する側のローラの平均面粗さ
は、(ローラの平均面粗さは、例えばWYCO社製 R
STPLUS非接触三次元微小表面形状測定システムを
用いて測定することができる。同測定装置を用いると、
ローラの曲率の補正した上で平均面粗さを測定すること
ができ好ましい。)本発明の効果を得るうえから100
nm以下である。これは画像記録のために用いる色材に
顔料インクを使うことを前提とする場合に必須の条件と
なる。好ましくは20〜90nmであり、より好ましく
は40〜70nmである。20nm未満ではオフセット
性が劣化することがある。
【0037】インクの色材に染料を用いた場合には、イ
ンクは最上層である熱可塑性樹脂微粒子を含有するイン
ク受容層を透過し、隣接する無機固体微粒子を含有する
インク溶媒吸収層に移動する。この場合には、加熱加圧
同時処理あるいは、加熱と加熱加圧同時工程処理を行う
時には熱可塑性樹脂微粒子を含有するインク受容層上に
色材(染料)は存在せず熱可塑性樹脂微粒子のみをイン
ク受容層として溶融成膜定着することとなり優れた表面
平滑性の画像が容易にえられる。ところが一方、顔料イ
ンクの場合には、顔料インクの色材(顔料)が熱可塑性
樹脂微粒子を含有するインク受容層上に残留してしまう
ので、該残留してしまった色材(顔料)を加熱加圧によ
って層中に移動させ、かつ画像面の印字部、未印字部の
光沢感の均一性を得るという本発明の目的のため、画像
表面の表面平滑性を高めることを達成するうえから、上
記の如き画像面に接する側のローラの表面状態の制御が
必須となる。
【0038】本発明の加熱加圧同時工程に用いられるロ
ーラは、金属ローラ又はシリコンゴムローラにより構成
されていることが特徴である。そのうち、金属ローラ
は、鉄やアルミニウムのような一般的な素材を用いれば
よく、熱耐久性を高める目的でテトラフルオロエチレン
やポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体等により被覆されていてもよい
し、定着後の平滑感を高めるために、鏡面仕上げされて
いてもよい。対面する2本のローラはローラ間に圧力を
加えることによってローラを変形させいわゆるニップを
形成させる。ニップ幅としては通常1〜20mm、好ま
しくは1.5〜7mmである。また、この2本のローラ
間に発生させる線圧としては、1×10-5〜5×10-6
Paが好ましい。
【0039】本発明のインクジェット記録媒体の最外層
の顔料インク受容層および顔料インクから選ばれる少な
くとも1つの中に、シリコンエマルジョン又はステアリ
ン酸金属塩が含有されていることが好ましい。
【0040】加熱加圧同時工程を経て画像を定着された
記録媒体が加圧ローラである対面する2本のローラから
排出される際における記録媒体のローラからの離型性を
高めるために、記録媒体の最外層の熱可塑性樹脂微粒子
を含有する顔料インク受容層中および/または顔料イン
ク中にシリコンエマルジョン又はステアリン酸金属塩含
有溶液を添加することが好ましく、シリコンエマルジョ
ンとしては、例えばKM740、KM780、KM78
6、KM788、KM860、KM862(何れも
(株)信越化学工業製)等を用いることができる。ま
た、ステアリン酸金属塩としては、例えば離型性を有す
るステアリン酸亜鉛等が上げられR−053D、R−1
004、R−070U(何れも(株)日新化学研究所
製)等を用いることができる。添加量としては、熱可塑
性樹脂微粒子(ラテックス)固形分に対して0.5〜5
質量%程度が好ましい。また、インクに対して添加する
場合には、インク体積に対して同程度の添加量(体積)
が好ましいが、ヘッドからの吐出性を損なわない添加量
が前提となる。
【0041】記録媒体の最外層の熱可塑性樹脂微粒子を
含有する顔料インク受容層中に離型剤が含有された記録
媒体を加熱加圧同時工程で処理する場合、顔料インク受
容層のうち顔料インクが付与された画像部は顔料インク
で被覆されるために離型剤が機能しにくくなるので顔料
インクにも上記の離型剤を添加することが好ましい。
【0042】本発明の顔料インクは、顔料の分散安定性
を向上するため界面活性剤を含有させることが好まし
い。本発明の顔料インクに好ましく使用される界面活性
剤としては、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル
ナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性
界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチ
レングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプ
ロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性
剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等の
カチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界
面活性剤およびノニオン性界面活性剤を好ましく用いる
ことができる。
【0043】本発明の顔料インクに使用される顔料とし
ては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できる。例え
ばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレー
トアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリ
レン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリ
ドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イ
ソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料
や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レ
ーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラッ
ク、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の
無機顔料が挙げられる。
【0044】有機顔料の具体例を以下に挙げる。マゼン
タまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメント
レッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグ
メントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.
I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド1
5、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメン
トレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:
1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグ
メントレッド122、C.I.ピグメントレッド12
3、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメ
ントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、
C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメント
レッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.
I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0045】オレンジまたはイエロー用の顔料として
は、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメ
ントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、
C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメント
イエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.
I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエ
ロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.
ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0046】グリーンまたはシアン用の顔料としては、
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブ
ルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、
C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブ
ルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられ
る。
【0047】本発明の顔料インクには、必要に応じて顔
料分散剤を含有させてもよい。使用できる顔料分散剤と
しては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アル
キルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコ
ハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸
塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、
ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリ
セリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチ
レン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、あるい
はスチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導
体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレ
イン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル
酸、フマル酸誘導体等から選ばれる2種以上の単量体か
らなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれ
らの塩を挙げることができる。
【0048】本発明の顔料インクにおいて、顔料の分散
方法としては、例えばボールミル、サンドミル、アトラ
イター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、
コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿
式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種を用いる
ことができる。
【0049】本発明の顔料インクにおいて、顔料分散体
の粗粒分を除去する目的で遠心分離装置を使用するこ
と、フィルターを使用することも好ましく用いられる。
【0050】本発明の顔料インクに使用する顔料分散体
の平均粒径は、通常10nm以上200nm以下であ
り、好ましくは10nm以上100nm以下であり、よ
り好ましくは10nm以上50nm以下である。顔料分
散体の平均粒径が100nmを越えると、光沢タイプの
記録媒体に記録した画像では光沢感の劣化が生じやすく
なる。また、顔料分散体の平均粒径が10nm未満にな
ると顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、インクの保
存安定性が劣化しやすくなる。
【0051】顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気
泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測
定機器により求めることができる。また、透過型電子顕
微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対
して行い、この像をImage−Pro(メディアサイ
バネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処
理を行うことによっても求めることが可能である。
【0052】本発明の請求項6の発明において、「顔料
インク受容層に含有する熱可塑性樹脂微粒子よりもガラ
ス転移点の低い熱可塑性樹脂微粒子(以下単に、低Tg
熱可塑性樹脂微粒子ともいう)を顔料インク中に含有さ
せる」ことにより、熱可塑性樹脂微粒子を含有する顔料
インク受容層上に顔料インクをインクジェット方式で像
様に吐出し付着した後の加熱工程において、より低い温
度で溶融を開始し、顔料インク受容層の熱可塑性樹脂微
粒子に対して一種の可塑剤として作用するので、像様に
吐出し付着した顔料インクの色剤直下の顔料インク受容
層の熱可塑性樹脂微粒子の溶融を促進させ本発明の効果
をより顕著に奏することができる。
【0053】本発明の顔料インクに添加する熱可塑性樹
脂微粒子とは顔料インクの媒質中に分散状態にあるポリ
マー微粒子(ラテックス)のことを指す。ポリマー微粒
子の種類としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重
合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、
シリコン−アクリル共重合体およびアクリル変性フッ素
樹脂等のラテックスがあるが、なかでもアクリル酸エス
テル、ポリウレタンおよびシリコン−アクリル共重合体
のラテックスが好ましい。
【0054】上記ラテックスの製造において用いられる
乳化剤としては、低分子量の界面活性剤が一般的である
が、高分子量の界面活性剤(例えば、可溶化基がポリマ
ーにグラフト結合しているタイプや可溶化基を持つ部分
と不溶性の部分を連結させたブロックポリマーのタイプ
等がある)を乳化剤として用いることもできる。また、
可溶化基をラテックスの中心ポリマーに直接結合させる
ことにより乳化剤を用いずに分散されているラテックス
も存在する。上記のような乳化剤として高分子量の界面
活性剤を用いるラテックスおよび乳化剤を使用しないラ
テックスは、ソープフリーラテックスと呼ばれている。
本発明に用いられるラテックスとしては、乳化剤の種
類、形態を問わないが、顔料インクの保存安定性に優れ
るソープフリーラテックスを用いることがより好まし
い。
【0055】また、最近は中心ポリマーが均一であるラ
テックス以外にポリマー粒子の中心部と外縁部で組成を
異にしたコア・シェルタイプのラテックスも存在する
が、このタイプのラテックスも好ましく用いることがで
きる。
【0056】本発明に好ましく用いられる顔料インクに
添加する熱可塑性樹脂微粒子のラテックスの平均粒径
は、150nm以下が好ましく、50nm以下がより好
ましい。ラテックスの平均粒子径は光散乱方式やレーザ
ードップラー方式を用いた市販の測定装置を使用して簡
便に計測することが可能である。
【0057】本発明に好ましく用いられる顔料インクに
添加する熱可塑性樹脂微粒子のラテックスの固形分添加
量は、インクの全質量に対して0.1質量%以上10質
量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上5質
量%以下であることがより好ましい。添加量が0.1質
量%未満では耐水性に関して十分な効果を発揮すること
が難しくなることがある。また10質量%を越えると経
時でインク粘度の上昇や顔料分散粒径の増大が起こりる
などインク保存性の点で問題を生じることがある。
【0058】本発明の顔料インクには、電気伝導度調節
剤を用いることもでき、例えば塩化カリウム、塩化アン
モニウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化ナト
リウムなどの無機塩や、トリエタノールアミン等の水性
アミン等が挙げられる。
【0059】本発明の顔料インク及び本発明の記録媒体
の構成層や必要に応じて設けられる構成層には、吐出安
定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保
存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応
じて、さらに粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防錆剤、防腐
剤等を添加することもでき、例えば、ポリスチレン、ポ
リアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル
類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこ
れらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有
機ラテックス微粒子;流動パラフィン、ジオクチルフタ
レート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等
の油滴微粒子;カチオンまたはノニオンの各種界面活性
剤;特開昭57−74193号、同57−87988号
及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤;特
開昭57−74192号、同57−87989号、同6
0−72785号、同61−146591号、特開平1
−95091号及び同3−13376号等に記載されて
いる退色防止剤;特開昭59−42993号、同59−
52689号、同62−280069号、同61−24
2871号および特開平4−219266号等に記載さ
れている蛍光増白剤;硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調
整剤;消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤
等の公知の各種添加剤;等を含有させることもできる。
【0060】本発明の顔料インクを像様に吐出するイン
クジェット方式おいて、使用されるインクジェットヘッ
ドはオンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構
わない。また吐出方式としては、電気−機械変換方式
(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティ
ー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シ
ェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、
サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商
標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリ
ットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジ
ェット型等)などを具体的な例として挙げることができ
るが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
【0061】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるもので
はない。
【0062】尚、実施例中で(%)は特に断りのない限
り質量%を示す。 〈酸化チタン分散液−1の調製〉平均粒径が0.25μ
mの酸化チタン20kg(石原産業、W−10)をpH
7.5のトリポリリン酸ナトリウム150g、ポリビニ
ルアルコール(クラレ株式会社、PVA235、平均重
合度3500)500g、カチオン性ポリマー(P−
1)150g及び消泡剤(サンノブコ株式会社、SN3
81)10gを含有する水溶液90リットルに添加し、
高圧ホモジナイザー(三和工業株式会社製)で分散した
後、全量を100リットルに仕上げて均一な酸化チタン
分散液−1を得た。
【0063】
【化1】
【0064】〈シリカ分散液−1の調製〉1次粒子の平
均粒径が0.007μmの気相法シリカ(日本アエロジ
ル工業株式会社、A300)125kgをジェットスト
リーム・インダクターミキサーTDS(三田村理研工業
株式会社製)を用いて、硝酸でpH2.5に調整した6
20リットルの純水中に室温で吸引分散した後に、全量
を694リットルに純水で仕上げた。この分散液の粒子
の電子顕微鏡写真を撮影したところ、ほとんどの粒子が
0.01μm以下の平均粒径であり1次粒子にまで分散
されていることを確認した(ほとんどの粒子とは85〜
90%の粒子のことをいう)。
【0065】〈シリカ分散液−2の調製〉カチオン性ポ
リマー(P−2)を1.41kg、エタノール4.2リ
ットルを含有する溶液(pH=2.3)18リットル中
に、25〜30℃の温度範囲で、シリカ分散液−1の6
9.4リットルを攪拌しながら20分かけ添加し、つい
でホウ酸260gとホウ砂230gを含有する水溶液
(pH=7.3)7.0リットルを約10分かけて添加
し、消泡剤(サンノブコ株式会社、SN381)1gを
添加した。この混合液を高圧ホモジナイザー(三和工業
株式会社製)で24.5MPaの圧力で2回分散し、全
量を純水で97リットルに仕上げてほぼ透明なシリカ分
散液−2を調製した。
【0066】
【化2】
【0067】〈塗布液の調製〉第1層、第2層、第3層
それぞれの塗布液を以下の手順で調製した。
【0068】第1層用塗布液 シリカ分散液−2の600mlに、40℃で攪拌しなが
ら、以下の添加剤を順次混合した。
【0069】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製、PVA235(平均重合度 :3500))の7%水溶液 194.6ml 酸化チタン分散液−1 33ml ラテックス・AE−803(第一工業株式会社製) 18ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。塗布液pHは
4.4であった。
【0070】第2層用塗布液 シリカ分散液−2の650mlに、40℃で攪拌しなが
ら、以下の添加剤を順次混合した。
【0071】ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会
社製、PVA235(平均重合度3500))の7%溶
液201.6ml純水で全量を1000mlに仕上げ
る。塗布液pHは4.4であった。
【0072】第3層用塗布液 シリカ分散液−2の650mlに、40℃で攪拌しなが
ら、以下の添加剤を順次混合した。
【0073】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製、PVA235(平均重合度 3500))の7%水溶液 201.6ml シリコン分散液(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、BY−2 2−839) 15ml サポニン(メルク社製)50%水溶液 4ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。塗布液のpHは
4.5であった。
【0074】上記のように得られた塗布液を下記のフィ
ルターで濾過した。 第1層用塗布液と第2層用塗布液:フィルターTCP1
0(東洋濾紙株式会社製)で2段濾過 第3層用塗布液:フィルターTCP30(東洋濾紙株式
会社製)で2段濾過 ついで、上記のそれぞれの塗布液を、第1層(50μ
m)、第2層(100μm)、第3層(50μm)の順
になるように、両面をポリエチレンで被覆(厚さ220
μm、顔料インク溶媒吸収層面のポリエチレン中にはポ
リエチレンに対して13質量%のアナターゼ型酸化チタ
ン含有)した紙支持体上に塗布した。括弧内はそれぞれ
湿潤膜厚を示し、第1層〜第3層は同時塗布した。
【0075】塗布は、それぞれの塗布液を40℃で3層
式スライドホッパーで塗布を行い、塗布直後に0℃に保
たれた冷却ゾーンで20秒冷却した後、25℃の風(相
対湿度15%)で60秒間、45℃の風(相対湿度が2
5%)で60秒間、50℃の風(相対湿度が25%)で
60秒間順次乾燥し、20〜25℃、相対湿度が40〜
60℃の雰囲気下で2分間調湿して試料を巻き取り顔料
インク溶媒吸収層のみを塗布した記録媒体を得た。
【0076】次に、以下の処方により熱可塑性樹脂微粒
子を含有する顔料インク受容層用の塗布液を調製した。
【0077】 スチレン−アクリル酸共重合ラテックスAT−2000((株)昭和高分子 製、Tg:80℃、MFT:85℃) 50% アクリル系共重合体Na塩AS−7180((株)東亞合成化学工業製、水 溶液) 3% 水 47% 前記の顔料インク溶媒吸収層のみを塗布した記録媒体の
顔料インク溶媒吸収層の上に上記の熱可塑性樹脂微粒子
を含有する顔料インク受容層用の塗布液を上記スライド
ホッパーで、乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗布を
行い、上記と同様の乾燥条件で乾燥して記録媒体を作製
した。
【0078】 〈顔料インクの調製〉 (イエロー顔料インクの調製) C.I.ピグメントイエロー128 150g エチレングリコール 100g グリセリン 80g イオン交換水 270g を混合し、0.3mmのジルコニアビーズで体積率60
%充填した横型ビーズミル(アシザワ(株)製システム
ゼータミニ)を用いて分散し、分散体をイオン交換水で
1000gに仕上げ、1μmのミリポアフィルターを2
度通過させてイエロー顔料インクを調製した。調製した
イエロー顔料インク(分散体)の平均粒径は120nm
であった。尚、顔料インク(分散体)平均粒径の測定は
ゼータサイザー1000(マルバーン社製)を用いた。
【0079】 (マゼンタ顔料インクの調製) C.I.ピグメントレッド122 100g デモールC 63g グリセリン 100g イオン交換水 130g を混合し、0.3mmのジルコニアビーズを体積率で6
0%充填した横型ビーズミル(アシザワ(株)製システ
ムゼータミニ)を用いて分散し、分散体をイオン交換水
で1000gに仕上げ、1μmのミリポアフィルターを
2度通過させてマゼンタ顔料インクを調製した。調製し
たマゼンタ顔料インク(分散体)の平均粒径は65nm
であった。
【0080】 (シアン顔料インクの調製) C.I.ピグメントブルー15:3 100g デモールC 63g ジエチレングリコール 100g イオン交換水 125g を混合し、0.3mmのジルコニアビーズを体積率で6
0%充填した横型ビーズミル(アシザワ(株)製システ
ムゼータミニ)を用いて分散した後、20,000rp
mで30分間遠心分離処理を行い、得られた分散体をイ
オン交換水で1000gに仕上げ、1μmのミリポアフ
ィルターを2度通過させてシアン顔料インクを調製し
た。調製したシアン顔料インク(分散体)の平均粒径は
55nmであった。
【0081】 (ブラック顔料インクの調製) Hostfine Black T(クラリアント(株)製、平均粒径50 nm) 167g エチレングリコール 200g トリエチレングリコールモノメチルエーテル 120g オルフィンGXL(日信化学(株)製) 4g プロキセルGXL(ゼネカ社製) 2g 得られた分散体をイオン交換水で1000gに仕上げ、
1μmのミリポアフィルターを2度通過させてブラック
顔料インクを調製した。
【0082】〈記録媒体への画像記録〉ノズル粒径20
μm、駆動周波数12kHz、1色当りのノズル数12
8、同色ノズル密度180dpi(dpiとは2.54
cm当たりのドットの数を表す)であるピエゾ型ヘッド
を搭載した最大記録密度720×720dpiのオンデ
マンド型のインクジェットを使用して、上記顔料インク
により各色の均一ベタ画像パターンをイエロー、マゼン
タ、シアン、ブラックの各色について作製した。 (加熱工程及び加熱加圧同時工程)上記画像記録の後、
直径30mmφの円柱状の鉄シリンダ(上ローラ)と、
直径30mmφのシリコンゴムローラ(下ローラ)が共
に、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルエ
ーテル共重合体により被覆され、鉄シリンダ(上ロー
ラ)内にヒータを内蔵されている定着装置を用いて、上
ローラの表面温度を110℃なるように調整し、上ロー
ラが画像表面に接するように、搬送速度10mm/s、
線圧が8×10-5Pa、ニップ幅4.3mmの条件で加
熱加圧同時工程の加熱加圧同時の処理を行ってインクジ
ェット画像の試料101を得た。
【0083】尚、鉄ローラに被覆するテトラフルオロエ
チレン−パーフルオロアルキルエーテル共重合体の被覆
膜厚を100μmとした。この上ローラの表面粗さを、
WYCO社製RSTPLUS非接触三次元微小表面形状
測定システムを用いて640μm×430μm平均面粗
さを測定したところ、53nmであった。尚、表面粗さ
はローラの曲率を補正した後の値である。測定条件とし
ては、VSIモードでResolutionは368×
238full view、Scan speedはh
ighで測定した。解析時はTerm removal
をcylinder and tilt(円筒及び傾斜
補正)で補正した。
【0084】試料101とは、加熱加圧時のローラ表面
温度を70℃に変更したことのみ異なる試料102を作
製した。
【0085】試料101とは、加圧ローラの平均面粗さ
を132nmに変更したことのみ異なる試料103を作
製した。
【0086】試料101とは、加圧ローラの平均面粗さ
を198nmに変更したことのみ異なる試料104を作
製した。
【0087】試料101とは、加圧ローラの平均面粗さ
を81nmに変更したことのみ異なる試料105を作製
した。
【0088】試料101とは、記録媒体作製時の熱可塑
性樹脂微粒子を含有する顔料インク受容層用の塗布液の
調製時に、シリコンエマルジョンKM862((株)信
越化学工業製)を熱可塑性樹脂固形分に対して0.8%
となるように添加し、画像記録に用いるイエロー、マゼ
ンタ、シアン、ブラックの各顔料インク調製時に顔料成
分に対してKM862を1%となるように添加し、各顔
料インクを調製したことが異なるのみの試料106を作
製した。
【0089】試料106とは、シリコンエマルジョンK
M862をステアリン酸亜鉛R−1004((株)日新
化学研究所製)に変更したことのみ異なる試料107を
作製した。
【0090】試料101とは、画像記録に用いるイエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラックの各顔料インクに対し
て低Tg熱可塑性樹脂微粒子であるアクリル酸エステル
ラテックスSX1706((株)日本ゼオン製、粒径1
00nm、Tg:0℃)を2%となるように添加したこ
とのみ異なる試料108を作製した。
【0091】試料101とは顔料インクによる画像記録
後、加熱加圧同時工程の前に、加熱工程としてヒータを
用いて画像サンプルを110℃に加熱したことが異なる
試料109を作製した。
【0092】試料103とは、顔料インクによる画像記
録後、加熱加圧同時工程の前に、加熱工程としてヒータ
を用いて画像サンプルを110℃に加熱したことが異な
る試料110を作製した。
【0093】試料106とは、顔料インクによる画像記
録後、加熱加圧同時工程の前に、加熱工程としてヒータ
を用いて画像サンプルを110℃に加熱したことが異な
る試料111を作製した。
【0094】試料108とは、顔料インクによる画像記
録後、加熱加圧同時工程の前に、加熱工程としてヒータ
を用いて画像サンプルを110℃に加熱し画像形成した
ことが異なる試料112を作製した。
【0095】試料112とは、画像記録後、加熱加圧同
時工程の前の加熱工程の加熱温度を70℃とし、加熱加
圧ローラ(上ローラ)の表面粗さを132nmとしたこ
とが異なる試料113を作製した。
【0096】試料101とは、顔料インクによる画像記
録後、加熱工程の加熱温度を110℃とし、加熱加圧同
時工程を省略したことが異なる試料114を作製した。
【0097】試料114とは、画像記録に用いるイエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラックの各顔料インクに対し
て低Tg熱可塑性樹脂微粒子であるアクリル酸エステル
ラテックスSX1706((株)日本ゼオン製、粒径1
00nm、Tg:0℃)を2%となるように添加したこ
とのみ異なる試料115を作製した。
【0098】このようにして作製した試料101〜11
5について以下に示す評価基準で、光沢感、擦過性及び
離型性の評価をおこなった。
【0099】(光沢感) ◎:印字部、未印字部の光沢差なく、光沢感が高い ○:印字部、未印字部の光沢差なく、光沢感がやや低い
が実用上問題ない △:印字部、未印字部の光沢差がみられ、実用上問題あ
り ×:印字部と未印字部の光沢差が大きい (擦過性)定着済みのサンプルについて、プラスチック
消しゴムで印字部を5回こすり、濃度低下の程度を以下
のように分類評価した。
【0100】 ◎:色落ちが全くなし ○:若干の色落ちはみられるが、画像としては気になら
ない △:色落ちが確認でき、画質が低下し実用上問題あり ×:色落ちが大きく、画質への影響が大 (離型性)試料101〜113について、印字後未定着
試料を各30枚準備し、各条件での定着を実施し、以下
のように分類評価した。
【0101】 ◎:ローラへの巻き付きなし ○:ローラへの巻き付きが1〜2枚 △:ローラへの巻き付きが3〜6枚となり実用上問題あ
り ×:ローラへの巻き付きが10枚以上 以上の経過、及び評価結果を表1に示す。
【0102】
【表1】
【0103】表1から明らかなように、試料101(本
発明の請求項1の発明の構成)は、印字後、加熱加圧同
時工程を経て試料の作製を行っている。加熱加圧同時工
程の温度が110℃と熱可塑性樹脂微粒子のTgよりも
高い温度であり、かつ加圧ローラの表面粗さが小さいこ
ともあり、光沢、耐擦過性、離型性は何れも実用上問題
のないレベルであることがわかる。
【0104】一方、加熱加圧同時工程の温度を70℃と
しTgよりも低い温度で作製した試料102(比較)
は、熱可塑性樹脂微粒子のガラス転移点よりも低温での
処理のため、熱可塑性樹脂微粒子が溶融成膜せず、その
上に付与された顔料インクの顔料を熱可塑性樹脂(熱可
塑性樹脂微粒子を含有する顔料インク受容層)中に移動
させることができず顔料インクが画像最表面に存在して
いるために、顔料インク自体の光沢の悪さ、耐擦過性の
悪さがそのまま評価結果に現れて光沢均一性、耐擦過性
が劣化していることがわかる。
【0105】試料101に対して、加熱加圧同時工程の
ローラの表面粗さが132nmであり平滑性が低下して
いる試料103(比較)は、試料102に比べ、若干光
沢の均一性が高いが実用上問題があるレベルであり、耐
擦過性についても向上が必要である。
【0106】試料104(比較)、105(本発明)は
加圧ローラの平均面粗さが各々198、81nmである
が、試料104に対して、試料105は光沢均一性、耐
擦過性、離型性の何れも大きく改良していることがわか
る。
【0107】試料101に対して、シリコンエマルジョ
ンを顔料インク受容層中と顔料インク中に添加した試料
106(本発明の請求項5の発明の構成)では、高光沢
で高光均一性に優れていることがわかる。これは加熱加
圧同時工程において、シリコンエマルジョンの離型作用
によって加圧ローラからの剥離が滑らかに行われ画像表
面の平滑性が低下しにくく、光沢感が向上されている。
耐擦過性については試料101と同様の効果が得られて
いる。また顔料インク受容層及び顔料インク中にシリコ
ンエマルジョンが付与されているために、印字部、未印
字部共に高い離型性が得られていることがわかる。この
効果はシリコンエマルジョンをステアリン酸亜鉛R−1
004に変更した試料107(本発明の請求項5の発明
の構成)でも試料106と同様の効果があることが確認
できる。
【0108】試料101に対して、試料108(本発明
の請求項6の発明の構成)では顔料インクにアクリル酸
エステルラテックスSX1706(低Tg熱可塑性樹脂
微粒子)を添加している。このことによって光沢均一性
及び耐擦過性が非常に優れている。これは、顔料インク
受容層に含有する熱可塑性樹脂微粒子よりもガラス転移
点の低い低Tg熱可塑性樹脂微粒子を含有する顔料イン
クが顔料インク受容層(熱可塑性樹脂微粒子含有層)表
面に付着した後に、該顔料インク受容層に隣接する顔料
インク溶媒吸収層に顔料インク溶媒が浸透していくこと
になる。ここで、加熱加圧同時工程で加熱加圧同時処理
すると、低Tg熱可塑性樹脂微粒子が顔料インク受容層
に元々あった熱可塑性樹脂微粒子に先立って溶融を始
め、可塑剤として作用する。これによって顔料インク受
容層に元々あった熱可塑性樹脂微粒子の溶融が促進さ
れ、顔料インク直下の熱可塑性樹脂微粒子がより効率的
に溶融し顔料インクが埋め込まれやすい環境を作り出す
ことにより、印字部、未印字部の光沢の均一性が高めら
れている。
【0109】一方、試料109(本発明の請求項2の発
明の構成)は、試料101に対して画像記録後、記録媒
体を加熱加圧同時工程前に加熱工程で加熱していること
が異なっている。これは加熱加圧同時工程に入る前に加
熱工程でも加熱することによって、未印字部は勿論、印
字部直下の熱可塑性樹脂粒子の溶融を加速することで、
加熱加圧同時工程時の顔料インクの顔料の顔料インク受
容層(熱可塑性樹脂層)への移動を促進している。これ
によって光沢の均一性が高められる。これに対して試料
110(比較)では加熱加圧同時工程で平均面粗さが1
32nmのローラを用いているが、光沢の均一性、耐擦
過性の劣化がおきていることがわかり、ローラの表面平
滑性が画質向上に重要であることがわかる。
【0110】試料109に対して、試料111(本発明
の請求項5の発明の構成)、112(本発明の請求項6
の発明の構成)はシリコンエマルジョン(離型剤)、ア
クリル酸エステルラテックス(低Tg熱可塑性樹脂微粒
子)をそれぞれ用いているが、試料109に対して、耐
擦過性、離型性が更に向上しており、発明の効果を更に
高めていることがわかる。
【0111】試料112に対して、試料113(比較)
は加熱工程の加熱温度が熱可塑性樹脂微粒子のTgより
も低く、加熱加圧同時工程のローラの平均面粗さが劣る
(本発明外)ので、光沢の均一性が低く、離型性も劣っ
ている。
【0112】試料114(比較)は加熱工程の加熱のみ
で、加熱加圧同時工程を省略しているため、光沢の均一
性、耐擦過性が大きく劣り、この大きな劣化は、試料1
15(比較)における低Tg熱可塑性樹脂粒子の顔料イ
ンクへの添加によっても充分に改良し得ない。
【0113】
【発明の効果】本発明により、未印字部と印字部の光沢
差のない均一感のある優れた光沢を有するインクジェッ
ト記録画像が得られるインクジェット画像形成方法を提
供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41J 3/04 101Z (72)発明者 大屋 秀信 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 木田 修二 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 2C056 EA04 FC01 FC02 FC06 HA45 HA46 2H086 BA05 BA15 BA31 BA34 BA41 BA59 4J039 AD03 AD04 AD10 AD11 AD15 AE04 AE11 BA04 BA31 BC19 BC39 BC60 BE01 CA06 DA02 EA15 EA16 EA17 EA19 EA20 EA21 GA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の最も外側に熱可塑性樹脂微粒
    子を含有する顔料インク受容層および該顔料インク受容
    層に隣接して顔料インク溶媒吸収層を有するインクジェ
    ット記録媒体に、顔料インクをインクジェット方式で像
    様に吐出し付着した後、加熱加圧同時工程で画像面に接
    する側のローラの平均面粗さが100nm以下である対
    面する2本のローラを用いて加熱及び加圧を同時に行う
    ことを特徴とするインクジェット画像形成方法。
  2. 【請求項2】 支持体上の最も外側に熱可塑性樹脂微粒
    子を含有する顔料インク受容層および該顔料インク受容
    層に隣接して顔料インク溶媒吸収層を有するインクジェ
    ット記録媒体に、顔料インクをインクジェット方式で像
    様に吐出し付着した後、加熱工程で加熱し、引き続き加
    熱加圧同時工程で画像面に接する側のローラの平均面粗
    さが100nm以下である対面する2本のローラを用い
    て加熱及び加圧を同時に行うことを特徴とするインクジ
    ェット画像形成方法。
  3. 【請求項3】 加熱及び加圧を同時に行うローラのロー
    ラ表面温度が熱可塑性樹脂微粒子のガラス転移点以上の
    温度であることを特徴とする請求項1に記載のインクジ
    ェット画像形成方法。
  4. 【請求項4】 加熱工程の加熱温度および加熱及び加圧
    を同時に行うローラのローラ表面温度が、共に熱可塑性
    樹脂微粒子のガラス転移点以上の温度であることを特徴
    とする請求項2に記載のインクジェット画像形成方法。
  5. 【請求項5】 顔料インク受容層および顔料インクから
    選ばれる少なくとも1つに、シリコンエマルジョン又は
    ステアリン酸金属塩が含有されていることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1項記載のインクジェット画像
    形成方法。
  6. 【請求項6】 顔料インク受容層に含有する熱可塑性樹
    脂微粒子よりもガラス転移点の低い熱可塑性樹脂微粒子
    を顔料インク中に含有することを特徴とする請求項1〜
    5のいずれか1項記載のインクジェット画像形成方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008055775A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Fujifilm Corp インクジェット記録装置
JP2016107477A (ja) * 2014-12-04 2016-06-20 株式会社東芝 インクジェットヘッドおよびプリンタ
CN106338897A (zh) * 2015-07-15 2017-01-18 株式会社东芝 图像形成装置以及定影装置
JP2020131590A (ja) * 2019-02-21 2020-08-31 株式会社リコー 画像形成方法、及び画像形成装置

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