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JP2001318231A - 偏光性位相補正素子および光ヘッド装置 - Google Patents

偏光性位相補正素子および光ヘッド装置

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Publication number
JP2001318231A
JP2001318231A JP2000361248A JP2000361248A JP2001318231A JP 2001318231 A JP2001318231 A JP 2001318231A JP 2000361248 A JP2000361248 A JP 2000361248A JP 2000361248 A JP2000361248 A JP 2000361248A JP 2001318231 A JP2001318231 A JP 2001318231A
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JP
Japan
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light
wavelength
optical
polarization
linearly polarized
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP2000361248A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiharu Oi
好晴 大井
Shinko Murakawa
真弘 村川
Yuzuru Tanabe
譲 田辺
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】偏光方向および波長の異なる2つの直線偏光に
対し、位相差を精細に制御できる偏光性位相補正素子を
得、これを使用して光ヘッド装置の安定動作を実現す
る。 【解決手段】直交する偏光方向を有する波長λ1と波長
λ2の直線偏光に対し、波長λ1の光はそのまま透過し波
長λ2の光は透過波面が変形され波面収差を補正できる
ように、複屈折材料層12の厚さが光軸に関して回転対
称性を有するように加工され、加工された凹部に複屈折
材料層12の常光屈折率に等しい屈折率の充填剤13を
充填して偏光性位相補正素子1とし、この素子を光ヘッ
ド装置に搭載する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光性位相補正素
子および光ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光書き込み用のCD−Rを含むCD系の
光記録媒体(以後、光記録媒体を光ディスクという)の
情報の記録・再生のために、波長が780nmの半導体
レーザ、NA(開口数)が0.45から0.5までの対
物レンズおよび厚さが1.2mmの光ディスクが使用さ
れる。一方、DVD系光ディスクの情報の記録・再生の
ために、波長が650nmの半導体レーザ、NAが0.
6の対物レンズおよび厚さが0.6mmの光ディスクが
使用される。
【0003】CDとDVD両系光ディスクの情報の記録
・再生をコンパクトな光ヘッド装置で行うために、CD
用とDVD用のそれぞれ出射波長の異なる半導体レーザ
を合計2個使用し、半導体レーザからのそれぞれの出射
光を波長合成プリズムで合成し、同一の対物レンズを用
いる光ヘッド装置を構成することが有効である。
【0004】しかし、前述のようにCDとDVD両系光
ディスクでは厚さおよび使用波長が異なるため、一方の
光ディスクに対して最適に設計された対物レンズを用い
た場合、他方の光ディスクに対して大きな球面収差が発
生し、情報の記録・再生ができない問題があった。
【0005】同一の対物レンズを用いて厚さの異なる光
ディスクの情報の記録・再生をする場合に生じる球面収
差を低減するために、種々の方式が提案されている。そ
れらのうち、位相補正素子の中心部には球面収差を低減
する位相補正領域が形成され、周辺部にはDVD用の波
長に対してはNA=0.6でCD用の波長に対してはN
A=0.45に開口制限する回折格子が形成された位相
補正素子を用いる方式は、DVD用に設計された対物レ
ンズがCD用にも使用できるため有用である。
【0006】図2は本発明の光ヘッド装置の構成を示す
側面図であるが、基本的構成は従来のものと変わらない
ので、図2を用いて、従来の位相補正素子を光ヘッド装
置に搭載した構成を説明する。
【0007】図2で、波長が780nmの半導体レーザ
3Aと波長が650nmの半導体レーザ3Bからのそれ
ぞれの出射光が波長合成プリズム9により光軸が合わさ
れ、ビームスプリッタ4を透過した後コリメートレンズ
5により平行化されて、位相補正素子10および対物レ
ンズ6に入射する。さらに、出射光は対物レンズ6によ
り光ディスク7の情報記録面に集光され、情報記録面で
反射された反射光(出射光)は再び対物レンズ6により
平行光とされ、位相補正素子10を透過した後コリメー
トレンズ5により収束される。ビームスプリッタ4によ
り反射され光軸が90゜偏向された反射光が光検出器8
の受光面へ集光され、電気信号に変換される。位相補正
素子10は対物レンズ6にホルダーで固定され、通常ア
クチュエータ(図示せず)により駆動される。
【0008】NA=0.6のDVD系光ディスクに対し
て最適に設計された対物レンズをNA=0.45のCD
系光ディスクに用いたときに発生する球面収差を低減す
る従来の位相補正素子(図8の(a)平面図、(b)断
面図)について説明する。
【0009】位相補正素子10は、ガラスなどの等方性
屈折率の透光性基板41の表面を直接加工する、または
表面に成膜された膜を加工することによって断面が凹凸
形状で段差がdpの位相補正領域42が輪帯状に形成さ
れている。ここで、DVD用の波長λ1の入射光に対し
て凹凸形状の段差dpにもとづく光路差がλ1の整数倍と
なるよう凹凸部を加工する。この加工により、波長λ1
の入射光に対しては実質的な位相差が発生しないため、
位相補正素子は透過光の波面に影響を与えず、DVD系
光ディスクに対して波面収差が小さい良好な状態が維持
される。
【0010】一方、CD系光ディスクに対しては発生す
る波面収差を低減するように、NA=0.45の領域に
おいて前述の凹凸形状の段差を輪帯状に形成する。ここ
でNA=0.45の領域とは、開口数0.45で表わさ
れる境界線を含む内側の領域を意味する。この形成によ
り、CD用の波長λ2のNA=0.45の領域の入射光
に対して、マレシャルのRMS(Root Mean
Square)波面収差基準値である0.07λrms
下となる位相補正機能が、対物レンズを位相補正素子と
一体に用いることにより発現する。
【0011】その結果、このような位相補正素子10を
用いることにより、DVD系光ディスクおよびCD系光
ディスクの情報の記録・再生が可能となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の位相補
正素子を用いた場合、位相補正領域の凹凸形状の段差d
pにもとづく光路差がλ1の整数倍となるように凹凸を加
工する制約があるため、CD系光ディスクに対するRM
S波面収差値を0.04λrms以下に低減することは困
難であった。
【0013】その結果、複数の光学部品から構成される
光ヘッド装置において、波面収差値を安定して低い値に
維持することが困難であった。特に、NA=0.5で用
いるCD−Rなどの書き込み用光ディスクにおいては、
光ディスクへの光の高い集光性すなわちより小さい残留
波面収差が要求されるため、安定した情報の記録を実現
するには波面収差値が充分小さくはなかった。
【0014】上述の実情に鑑み、本発明の目的は、2つ
の波長の光を出射する光源と1つの共用の対物レンズが
搭載された光ヘッド装置において、厚さの異なる光ディ
スクの情報の記録・再生が安定してできる偏光性位相補
正素子および光ヘッド装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、波長λ1およ
び波長λ2(λ1≠λ2)の光を入射させて使用する偏光
性位相補正素子であって、前記偏光性位相補正素子はλ
1の直線偏光と前記直線偏光の偏光方向と直交する偏光
方向を有するλ2の直線偏光とに対する屈折率が異なる
複屈折材料層を備え、前記複屈折材料層が光学結晶のと
きは主光学軸が、高分子材料のときは分子配向軸が、一
方向に揃っており、透過光の波面収差を補正できるよう
に、前記複屈折材料層の透過光の光軸から周辺に向かう
にしたがって複屈折材料層の厚さが変化しかつ前記厚さ
が前記光軸に関して回転対称性を有することを特徴とす
る偏光性位相補正素子を提供する。
【0016】また、波長λ1および波長λ2(λ1≠λ2
の光を入射させて使用する偏光性位相補正素子であっ
て、前記偏光性位相補正素子はλ1の直線偏光と前記直
線偏光の偏光方向と直交する偏光方向を有するλ2の直
線偏光とに対する屈折率が異なる一様な厚さの複屈折材
料層である高分子材料層を備え、透過光の波面収差を補
正できるように、前記高分子材料層の透過光の光軸から
周辺に向かうにしたがって前記高分子材料層内の分子配
向軸方向が変化しかつ前記分子配向軸方向が前記光軸に
関して回転対称性を有することを特徴とする偏光性位相
補正素子を提供する。
【0017】さらに、波長λ1および波長λ2の光をそれ
ぞれ出射する2つの光源と、λ1およびλ2の出射光を異
なる厚さの2種の光記録媒体上にそれぞれ集光するため
の共用の対物レンズとを備えた光記録媒体の情報の記録
・再生を行う光ヘッド装置において、上記の偏光性位相
補正素子が前記2つの光源と前記光記録媒体との間の光
路中に設置されている光ヘッド装置を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】使用波長がλ1=650nmで厚
さが0.6mmの光記録媒体である光ディスクに対して
良好な収差特性となるよう設計されたNA=0.6のD
VD用の対物レンズを、使用波長がλ2=780nmで
厚さが1.2mmのCD用光ディスクにNA=0.5で
用いたときに発生する波面収差を図3の(3)に示す。
図3は横軸にNAをとり、縦軸に波面収差をとり位相差
により表わす。図3は位相差分布の2次元的な断面形状
を表わしているが、実際には縦軸(NA=0)に関して
回転対称な3次元的な分布となっている。図3の(1)
と図3の(2)は、後述するように、本発明の偏光性位
相補正素子と従来の位相補正素子のそれぞれの場合であ
る。
【0019】上記のようにCD系光ディスクで発生する
波面収差を低減するとともに、DVD系光ディスクの波
面収差を発生させない、本発明の偏光性位相補正素子の
構成とその作用・効果について以下に具体的に説明す
る。
【0020】本発明において、複屈折材料層は方解石、
LiNbO3、LiTaO3などの光学結晶で形成しても
よい。また液晶を重合硬化させた高分子性液晶や、一軸
延伸により複屈折性が発現するポリカーボネートなどの
高分子材料で形成してもよい。
【0021】本発明の偏光性位相補正素子の第1の態様
では、光学結晶の場合は主光学軸が層内で一方向に揃っ
ており、液晶を含む高分子材料の場合は分子配向軸が層
内で一方向に揃っており、かつ複屈折材料層の厚さが以
下に述べるように場所により異なるものを使用する。以
下、複屈折材料層が液晶を重合硬化させた高分子液晶の
場合について説明する。
【0022】本発明の第1の態様の偏光性位相補正素子
を示す図1において、ガラスなどの等方性屈折率を有す
るの透光性基板11上に常光屈折率がnoで異常光屈折
率がneの高分子液晶層12を形成するものとする。高
分子液晶層は液晶モノマを重合硬化することにより得ら
れる。
【0023】まず、重合硬化前の液晶モノマの溶液を透
光性基板11上の配向処理の施された配向膜上に塗布
し、液晶の配向ベクトル(分子配向軸)を塗布面内の特
定方向に揃うように配向させた後、紫外線などの光を照
射することにより重合硬化させ高分子液晶層とする。次
に、高分子液晶層に半導体レーザなどの光源から光が入
射したとき、その透過光が光軸から離れて周辺に向かう
につれて高分子液晶層の厚さが変化し、かつその厚さは
光軸に関して回転対称性を有するように、エッチング加
工する。この、回転対称性を有している高分子液晶層の
形状は透過光の波面収差を補正する形状とする。
【0024】または、光軸に関して回転対称である深さ
分布形状に加工された鋳型の表面に配向膜を形成し、配
向膜の形成された透光性基板11とこの鋳型で液晶モノ
マの溶液を挟持し、液晶の配向ベクトルを透光性基板1
1の平面内の特定方向に揃うように配向させた後、紫外
線などの光を照射して重合硬化させる。その後、鋳型を
離型すれば厚さが光軸に関して回転対称となった高分子
液晶層が形成される。
【0025】このように形成された高分子液晶層12の
凹部分を等方性屈折率nsの透明な充填剤13を用いて
埋め、等方性屈折率を有する透光性基板であるガラスな
どの2枚のガラス基板11、14で高分子液晶層12を
挟み込み、偏光性位相補正素子1が作製される。充填剤
の屈折率nsは、高分子液晶層の常光屈折率noとほぼ等
しくなるように材料を選定する。
【0026】この偏光性位相補正素子1に高分子液晶層
の常光屈折率noに対応する波長λ1の直線偏光が入射し
た場合、高分子液晶層12と充填剤13とに屈折率差が
ないため、空間的な位相差分布を生じることなく入射光
の波面状態を維持したまま透過する。したがって、この
偏光性位相補正素子1が対物レンズと一体化されて図2
の光ヘッド装置に配置された場合、波長λ1の光に対す
る波面収差に変化は生じない。
【0027】一方、波長λ1の直線偏光の偏光方向と直
交する偏光方向を有する波長λ2の直線偏光が入射した
場合、波長λ2の光に作用する高分子液晶層の屈折率は
異常光屈折率neとなるため、高分子液晶層12と充填
剤13との屈折率差(ne−ns)と、高分子液晶層12
の厚さの空間分布とに比例した位相差分布を生じる。し
たがって、光ヘッド装置において波長λ2に対する波面
収差に変化が生じる。
【0028】このとき、波長λ2の直線偏光の入射時に
偏光性位相補正素子1において生じる空間的な位相差分
布が、CD系光ディスクを用いたときに発生する図3の
(3)に示す位相差分布を相殺するように高分子液晶層
12の厚さ分布を形成することにより、RMS波面収差
値を0.04λrms以下の値に低減できる。
【0029】本発明の偏光性位相補正素子の第2の態様
では、液晶を含む高分子材料の場合は配向ベクトル(分
子配向軸)がそれぞれ層内で配向する方向が以下に述べ
るように場所により異なる。しかし、高分子材料(複屈
折材料)層の厚さは場所によらず一定である。以下、複
屈折材料層が液晶を重合硬化させた高分子液晶の場合に
ついて説明する。
【0030】本発明の第2の態様の偏光性位相補正素子
2は、図4に示すように、第1の態様と異なり、複屈折
材料層22である高分子液晶層の厚さは均一であり充填
剤を用いない。また、高分子液晶層の配向ベクトルは透
光性基板である2枚のガラス基板21、24と高分子液
晶層22とのそれぞれの界面では面内の一定方向に揃っ
ている。しかし、高分子液晶層22の厚さ方向の配向ベ
クトル方向が空間的に変化し場所により異なるように
し、かつ配向ベクトル方向が光軸に関して回転対称性を
有するようにして、ガラス基板との界面での配向ベクト
ル方向と同じ偏光方向の光が透過したとき、透過光が位
相差分布を生じるよう構成している点が第1の態様と異
なる。
【0031】厚さ方向の配向ベクトル方向を空間的に分
布させるには、種々の方法がある。例えば、図4に示す
ように、ガラス基板21とガラス基板24との間に液晶
モノマの溶液を厚さが一定となるように挟持することに
より、液晶の配向ベクトル方向を面内の特定方向に揃え
る。すなわち、ガラス基板24の液晶側には輪帯状に分
割された輪帯電極25と配向処理の施された配向膜(図
示せず)が形成されている。またガラス基板21の液晶
側には平面的に繋がっているベタ電極26と配向処理の
施された配向膜(図示せず)が形成されている。そし
て、ガラス基板21と24の間で、両配向膜と接するよ
うに液晶モノマの溶液が挟持されて配向ベクトル方向が
特定方向に揃うようにされている。
【0032】そして、輪帯電極25の各輪帯とベタ電極
26との間の液晶モノマの溶液層ごとに異なる交流電圧
を印加したとき、図4に示すように、各輪帯に対応する
溶液層ごとの各配向ベクトル方向を傾斜させ、各輪帯部
での透過光の位相差が、図3の(3)に示されたCD系
光ディスクの波面収差を相殺する空間的位相分布を形成
するように、すなわち、配向ベクトル方向が光軸に関し
て回転対称性を有するようにし、各輪帯の半径および印
加電圧を決定する。その後、電圧を印加し、紫外線など
の光を照射することにより重合硬化させ高分子液晶層2
2とする。
【0033】この方法は透明電極パターンおよび印加電
圧を自由に設定できるため、精度よくCD系光ディスク
の球面収差を低減でき、さらに第1の態様に比べ素子の
作製プロセスが簡略化できて好ましい。
【0034】図4では、液晶の配向ベクトルを液晶層を
挟むガラス基板の法線方向に対して傾斜させるために、
輪帯状の電極を透光性基板の液晶側の面に形成し、各輪
帯ごとに異なる電圧を印加している。しかし、電圧印加
用の繋がっているベタ電極を所定の形状に変形して素子
の外部に配置し、この変形した電極と対向する電極との
それぞれの対応する位置での電極間隔を変えて、液晶層
に印加される実効電圧が図4の素子の場合と同様の電圧
分布となるようにしてもよい。
【0035】上記の具体的な構成の素子の製法を図5に
示す。電極間間隔が場所により異なるように電極基板2
8の表面を加工した後、ベタ電極27および29が形成
された電極基板28と30を準備する。電極基板28、
30間に、液晶の配向ベクトルが特定方向に揃うよう
に、液晶モノマの溶液を配向処理の施された透光性基板
21、24で挟持した素子(セル)を配置する。その
後、所定の交流電圧をベタ電極27と29との間に印加
することにより、図4と同様の空間的に傾斜した液晶の
配向ベクトル分布を実現できる。さらに、この液晶モノ
マを重合硬化させることにより高分子液晶層22とな
る。
【0036】この方法は、偏光性位相補正素子の内部に
パターニングされた透明電極を形成する必要がないた
め、安価な材料で偏光性位相補正素子が実現できる。ま
た、電極は繋がっており分割電極ではないため、図3の
(3)に示した位相差分布に対応した、波面収差補正用
の滑らかな位相差分布が実現できるため、より精密な補
正ができる。
【0037】このように、第1の態様と同様に、第2の
態様も波長λ2の直線偏光の入射時に偏光性位相補正素
子において生じる空間的な位相差分布が、CD系光ディ
スクに用いたときに発生する図3の(3)に示す波面収
差を相殺するように、高分子液晶層の配向ベクトル分布
を形成することにより、RMS波面収差を0.04λ
rms以下の値に低減できる。また、波長λ2の直線偏光と
直交する偏光方向を有する波長λ1の光は、位相差分布
を生じない。
【0038】第1、第2の態様のいずれも、波長λ1
波長λ2の入射光の偏光方向が互いに直交し、またとも
に複屈折材料を用いているため、一方の波長の光は他方
の光に対して独立に空間的な位相差分布を形成できる。
その結果精度よい波面収差補正ができ、目標とする0.
04λrms以下のRMS波面収差値に低減できる。
【0039】上記第1および第2の態様では、DVD系
光ディスクに対して波面収差が低減されている対物レン
ズを、CD系光ディスクに用いたときに発生する球面収
差を低減する、偏光性位相補正素子の場合について説明
した。逆に、CD系光ディスクに対して波面収差が低減
された対物レンズを、DVD系光ディスクに用いたとき
に発生する球面収差を低減する、偏光性位相補正素子と
することもできる。または、DVDおよびCD両系光デ
ィスクに対して球面収差が残留する対物レンズを用いた
とき、両系光ディスクに対して球面収差を低減する偏光
性位相補正素子とすることもできる。
【0040】空間的な位相差分布を発生する偏光性位相
補正領域は偏光性位相補正素子内においてDVD系光デ
ィスク用のNA=0.6の領域に形成される。再生用の
CD系光ディスクに対してはNA=0.45の領域に、
記録用のCD系光ディスクに対してはNA=0.5の領
域に偏光性位相補正領域を形成することが比較的簡単な
構成で球面収差を低減できるため好ましいが、NA=
0.6の領域に形成してもよい。
【0041】NA=K(K<0.6)の領域に偏光性位
相補正領域を形成する場合は、NA=Kの領域を除く領
域に開口制限用の偏光性回折格子を形成することが、C
D系光ディスクにおいて波面収差を大きくする光線の混
入を避けるためにより好ましい。
【0042】本発明の第3の態様の偏光性位相補正素子
の一例を示す図6において、偏光性位相補正領域20の
周辺、すなわちNA=0.5(またはNA=0.45)
の領域を除く領域に偏光性回折格子31が形成され、偏
光性回折格子31は2つの波長のうち一方の波長の入射
光は直進透過するが他方の波長の入射光は回折される開
口制限素子として機能する。
【0043】偏光性回折格子31の場合も、偏光性位相
補正領域20と同様、2つの形態A、Bがある。すなわ
ち、形態Aは、配向ベクトルが特定方向に揃った高分子
液晶層を、断面が周期的な凹凸形状の回折格子に加工し
た後、高分子液晶の常光屈折率noとほぼ等しい屈折率
sの充填剤で凹部を充填することにより偏光性回折格
子とするもの(高分子液晶層凹凸形態)である。形態B
は、高分子液晶層に凹凸はないが液晶の配向ベクトル方
向が空間的(領域ごと)に変化するもの、すなわち配向
ベクトル方向が透光性基板面と平行で厚さ方向に揃った
領域と高分子液晶層の厚さ方向に対して傾斜した領域と
が交互に周期構造をなすことで偏光性回折格子とするも
の(高分子液晶層均一厚形態)である。
【0044】いずれの形態においても、高分子液晶の配
向ベクトル方向と直交する偏光方向の波長λ1の直線偏
光(第1の直線偏光)の入射時には回折が生じないが、
波長λ1の偏光方向と直交する偏光方向(第2の直線偏
光)の波長λ2の直線偏光の入射時には回折が生じるよ
うに、波長λ1と波長λ2の偏光方向と高分子液晶の配向
ベクトル方向を設定すればよい。
【0045】このような偏光性回折格子の場合、第1の
直線偏光の入射光であれば波長にほとんど依存しないで
高い直進透過率が得られる。また、波長λ2の第2の直
線偏光の入射に対して作用する回折格子の高屈折率部分
と低屈折率部分との位相差がほぼλ2/2となるように
することで、波長λ2の入射光の大部分を回折し直進透
過光を低減できる。
【0046】すなわち、具体的には、前述の高分子液晶
層凹凸形態の場合、異常光屈折率n eと屈折率nsの格子
部分が形成する段差をdとすると、光路差(ne−ns
×dがλ2/2となるようにする。また、前述の高分子
液晶層均一厚形態の場合、高分子液晶層が均一の厚さd
のとき、液晶の配向ベクトルが高分子液晶層の厚さ方向
に対して傾斜した格子部分の厚さ方向の平均屈折をnm
とすると、光路差(nm−no)×dがλ2/2となるよ
うに平均屈折率nmおよびdを調整すればよい。
【0047】したがって、第1の直線偏光の入射光(波
長λ1)は偏光性回折格子領域を直進透過するが、第2
の直線偏光の入射光(波長λ2)は偏光性回折格子領域
で回折され直進透過しないため、偏光性位相補正素子の
偏光性回折格子領域は波長λ 1と波長λ2の光に対して波
長選択性の高い開口制限フィルタとなる。ここで、往路
および復路において上記の偏光性回折格子領域で回折さ
れた光が光検出器に入射しないように格子ピッチおよび
格子パターンを設計することで、回折光が迷光となるこ
とを回避できる。
【0048】その結果、偏光性位相補正素子において、
偏光性位相補正領域とこの偏光性回折格子領域を併せて
用いることでDVD用に最適化された対物レンズをCD
に用いたときに生じるNA=0.45またはNA=0.
5の領域を除く領域の波面収差を大きくする光が排除さ
れるため、第1および第2の態様において説明したCD
系光ディスクにおけるRMS波面収差値のレベルまで低
減できる。
【0049】第3の態様に示された偏光性回折格子を用
いた開口制限フィルタは、第1および第2の態様に示し
た偏光性位相補正素子と同じプロセスで作製できるため
工程数を低減でき、部品点数の増大を招くことがない。
【0050】偏光性回折格子の代わりに、従来の誘電体
多層干渉膜からなる開口制限フィルタを、偏光性位相補
正素子の光入射側の透過性基板表面においてNA=0.
45またはNA=0.5の領域を除く領域に形成しても
よい。
【0051】図2に示す光ヘッド装置において、波長λ
1の半導体レーザ3Aの出射偏光方向と波長λ2の半導体
レーザ3Bの出射偏光方向とが平行の場合、偏光性位相
補正素子1または2への入射偏光方向が波長λ1と波長
λ2との光で直交するように、半導体レーザ3Aと波長
合成プリズム9との間、または、半導体レーザ3Bと波
長合成プリズム9との間の光路中に、半導体レーザから
の出射偏光方向を90゜回転する位相板として1/2波
長板(図示せず)を配置することが好ましい。このよう
な位相板は、例えばポリカーボネートなどを延伸して得
られる。
【0052】また、本発明の偏光性位相補正素子によっ
て生じる位相差分布は、光軸に関する回転対称性から以
下に述べる程度ずれていてもよい。すなわち、光ヘッド
装置において用いられる光学部品に起因して球面収差以
外の収差成分が残留し、光ディスクの情報の記録・再生
の性能が不十分な場合、そのような収差成分を低減する
ように、偏光性位相補正素子の空間的な位相差分布を回
転対称からずらして変形すればよい。
【0053】例えば、DVD用の波長λ1の入射光は対
物レンズの軸上に入射するが、CD用の波長λ2の光は
対物レンズの光軸外から入射することもある。このよう
な場合、偏光性位相補正素子の位相差分布の回転対称軸
を対物レンズの光軸からずらし、対物レンズへの光軸外
からの入射光に対してCD系光ディスクの球面収差が最
小となるよう位相差分布を変形させることが好ましい。
このような位相差分布を変形させる構成は、波長λ1
光の発光点と波長λ2の光の発光点が100〜300μ
m程度隔てて配置された2波長用半導体レーザなどを用
いた場合、波長λ 1の光を対物レンズの光軸上に入射さ
せると、波長λ2の光は軸外光となり波面収差が最小と
なるのに有効である。
【0054】または、波長λ2の半導体レーザからの出
射光が有する、光軸に関する回転対称性からのずれの位
相差分布を補正するために、偏光性位相補正素子の位相
差分布を円形状から楕円形状としてもよい。
【0055】
【実施例】[例1]図1に基いて本例を説明する。ガラ
ス基板11上に常光屈折率no=1.50、異常光屈折
率ne=1.60の高分子液晶と屈折率ns=1.50の
充填剤13を用い、高分子液晶層12の厚さ変化が光軸
(太い縦線)に関して回転対称性を有するようにエッチ
ング加工して高分子液晶層12を形成した。
【0056】NA=0.6のDVD用の対物レンズをN
A=0.5でCD−Rに用いたとき発生する波面収差は
図3の(3)のようになり、その位相差の最大値Wmax
は0.75λ2程度であった。CD用の半導体レーザの
波長λ2は785nmであった。
【0057】このCD用の波長λ2の透過光の位相差を
低減するために、高分子液晶層12に、断面形状が図1
(a)の透過波面の形状にほぼ等しく各段差dNが等し
いN段の段差からなる(2N+1)個の輪帯状階段の段
差を形成し、各段差の光路差(ne−ns)×dNをWmax
/(N+1)にほぼ一致させた。
【0058】本例ではN=15とし、(ne−ns)×d
N=Wmax/(N+1)=36.8nmであるため、隣接
階段の段差dN=368nmを15段に加工した。この
段差による入射光の位相差が図3の(3)に示されたC
D系光ディスクの球面収差を相殺するように、空間的位
相差を発生する(2N+1)個の輪帯状階段の半径r n
(n=1〜31)を決定した。
【0059】このようにして得られた偏光性位相補正素
子1を光ヘッド装置に搭載すると、CD系光ディスクの
球面収差は図3の(1)のように低減した。このときの
RMS波面収差の計算値は0.014λrmsとなり、C
D−Rなどの書き込み用光ディスクに使用しても充分小
さな値であった。また、波長λ2の直線偏光と直交する
偏光方向を有する波長λ1の光は、位相差分布を生じな
かった。
【0060】比較のために、従来の位相補正素子を用い
たときの波面収差を図3の(2)に示した。このときの
RMS波面収差の計算値は0.056λrmsであり、図
3の(2)に比べ図3の(1)の収差低減効果が優れて
いることがわかる。
【0061】[例2]図5の構成を参照しながら本例を
説明する。本例では、透明のベタ電極29を厚さ0.2
5mmのガラス基板21の内面に形成した点が、図5の
構成とは異なる。このガラス基板21と電極が形成され
ていない厚さ0.1mmのガラス基板24を用いて、常
光屈折率no=1.50、異常光屈折率ne=1.60の
液晶モノマの溶液を挟持したセルを作製した。これらの
屈折率の値は、直交する偏光方向を有する異なる2つの
波長の光それぞれに対する値である。なお、ガラス基板
21とガラス基板24の内面には、液晶の配向ベクトル
方向が面内の一定方向に揃うように配向処理された配向
膜が形成されている。
【0062】このセル外部の電極基板28の凸部の形状
を図3の(3)の球面収差分布に対処する形状とし、電
極基板28の凸部表面に形成されたベタ電極27とガラ
ス基板21の内面の透明電極29に実効電圧約300V
の交流電圧を印加して、図5に示されるようなセルの厚
さ方向に対し液晶の配向ベクトルの方向分布を形成し
た。すなわち、配向ベクトル方向が光軸(一点鎖線)に
関して回転対称性を有するようにした。
【0063】その後、ガラス基板21側から紫外線を照
射して液晶モノマを重合硬化することにより液晶の配向
ベクトルの方向分布を固定した。このようにして得られ
た偏光性位相補正素子を光ヘッド装置に搭載した結果、
CD系光ディスクの球面収差は例1と同程度に低減し、
CD−Rなどの書き込み用光ディスクに使用しても充分
小さな値であった。
【0064】[例3]例1の偏光性位相補正素子におい
て、NA=0.5の領域を除く領域に偏光性回折格子を
形成した図6を用いて説明する。本例では、偏光性位相
補正領域20の材料および作製プロセスは例1と同じで
あり、配向ベクトルが特定方向に揃った常光屈折率no
=1.50、異常光屈折率ne=1.60の高分子液晶
層を、偏光性位相補正領域20の周辺の領域に格子ピッ
チが30μmの偏光性回折格子31に加工した。
【0065】偏光性回折格子31の領域は、高分子液晶
層を断面が周期的な凹凸形状の回折格子に加工した後
に、凹部を高分子液晶の常光屈折率no=1.50とほ
ぼ等しい屈折率nsの充填剤で埋めることにより形成し
た偏光性回折格子となった。ここで、CD用の波長λ2
=785nmの異常光偏光に対して、回折格子領域の凹
凸の段差dをd=0.5×λ2/(ne−ns)=392
5nmとすると、±1次回折光の回折効率が合計70%
以上となり、0次透過光は5%以下であった。
【0066】一方、DVD用の波長λ1の常光偏光(波
長λ2の異常光偏光と直交する偏光方向を有する)に対
しては、回折格子として作用しないため、約97%の高
い0次透過光となった。したがって、このような偏光性
回折格子はCD用の波長λ2=785nmの異常光偏光
に対してNA=0.5に開口制限するが、DVD用の波
長λ1の光に対しては偏光性回折格子は回折格子として
機能せず、位相変化を与えない波長選択性の開口制限フ
ィルタとして機能する。
【0067】なお、CD用の波長λ2の異常光偏光が往
路および復路において、偏光性回折格子31により回折
されて通過するとき、往路で生じる回折光と復路で生じ
る回折光とが合成され、回折されない0次光と同じ光検
出器の受光領域に戻る迷光となる場合がある。このよう
な迷光が光検出器に混入するのを回避するため、図6に
示すように、偏光性位相補正素子の偏光性回折格子31
の平面パターンを、透過光の光軸に関して2回の回転対
称性がないようにすることが好ましい。
【0068】このようにして、偏光性回折格子31が偏
光性位相補正領域20と一体形成された偏光性位相補正
素子を図2に示した光ヘッド装置の対物レンズ6と一体
駆動で用いることにより、CD系光ディスクにおいて対
物レンズ6のNA=0.5の領域を除く領域の波面収差
を大きくする光が排除されるため、CD系光ディスクの
RMS波面収差値を実質的に0.014λrmsまで低減
できた。
【0069】[例4]図7は、例3の偏光性位相補正素
子を光ヘッド装置に搭載した例を示す。図7の光ヘッド
装置の構成は、図2の構成とは異なり、波長λ1=65
0nmの半導体レーザと波長λ2=780nmの半導体
レーザがそれらの発光点を100μm程度隔てて単一ユ
ニット内に配置された1個の2波長用半導体レーザ3と
され、波長合成プリズムを用いないで、装置の小型化・
部品点数の削減を図った。
【0070】また、波長λ1と波長λ2の出射光の偏光方
向が直交せず平行の場合は、偏光性位相補正素子1への
各波長の入射光偏光方向を直交させるために、2波長用
半導体レーザ3と偏光性位相補正素子1との間に波長λ
1に対して(5/2)λ1の位相差を与えるポリカーボネ
ート位相板(図示せず)を配置すればよい。この位相板
を透過する波長λ1の直線偏光は偏光方向が90゜回転
するが、波長λ2の直線偏光は回転しないため、波長λ1
と波長λ2の偏光が互いに直交することとなる。
【0071】このように2波長用半導体レーザを使用し
た光ヘッド装置とすることにより、図2の構成に比べ
て、部品点数が削減され、小型化・軽量化できた。本発
明の光ヘッド装置を用いることにより、DVD系光ディ
スクの再生およびCD系光ディスクの情報の記録・再生
において、安定した動作が実現できた。
【0072】また、本例ではトラッキングエラー補正用
の3ビーム発生の回折格子を使用しなかったが、もし使
用する場合この回折格子を、波長λ1と波長λ2の直線偏
光の偏光方向を直交させる波長板と一体化すれば、部品
点数を低減するうえで有効である。
【0073】また、図2および図7では、ビームスプリ
ッタ4としてプリズムを用いた場合について説明した
が、プリズムの代わりにホログラムビームスプリッタを
用い、復路での回折光を光検出器8に導く配置構成とし
てもよい。その場合、光検出器8を半導体レーザ3Aま
たは3B(図2)や3(図7)の近傍に配置し、半導体
レーザと光検出器を同一パッケージ内に集積化する構成
とすることが、装置の小型化を図るうえで好ましい。図
7の5はコリメートレンズ、6は対物レンズ、7は光デ
ィスクである。
【0074】図2および図7では光検出器8をDVDお
よびCD両用の光信号検出器として同一構成で用いた場
合を示したが、DVD用の光検出器とCD用の光検出器
をそれぞれ分離配置してもよい。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の偏光性位
相補正素子は複屈折材料層を備えているためその複屈折
性を利用して、偏光方向および波長の異なる2つの入射
光のうち一方の波長の光はそのまま透過させ、他方の波
長の光は位相差を精細に制御できる。
【0076】したがって、本発明の偏光性位相補正素子
を光ヘッド装置に用いれば、2つの異なる波長の光を厚
さの異なる2種の光ディスクなどの光記録媒体の情報の
記録・再生において、安定した動作が実現できるととも
に部品点数の少ない小型・軽量の光ヘッド装置が実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様の偏光性位相補正素子の断
面と偏光性位相補正素子を透過する光の透過波面を表わ
す概念的側面図、(a)一方の波長の入射光に対する概
念的側面図、(b)他方の波長の入射光に対する概念的
側面図。
【図2】本発明の光ヘッド装置の一例を示す側面図。
【図3】DVD系光ディスクに対して最適に設計された
光ヘッド装置に、CD系光ディスクを使用したときに発
生する波面収差の例を示すグラフ。 (1)本発明の偏光性位相補正素子を搭載した場合の例
を示すグラフ。 (2)従来の位相補正素子を搭載した場合の例を示すグ
ラフ。 (3)偏光性位相補正素子を搭載しない場合の例を示す
グラフ。
【図4】本発明の第2の態様の偏光性位相補正素子の断
面と偏光性位相補正素子を透過する光の透過波面を表わ
す概念的側面図、(a)一方の波長の入射光に対する概
念的側面図、(b)他方の波長の入射光に対する概念的
側面図。
【図5】本発明の第2の態様の他の例の偏光性位相補正
素子の製法を示す概略的側面図。
【図6】本発明の第3の態様の偏光性位相補正素子を示
す概略的平面図。
【図7】本発明の光ヘッド装置の他の例を示す側面図。
【図8】従来の位相補正素子の一例を示す概略的図、
(a)位相補正素子の平面図、(b)位相補正素子の断
面図。
【符号の説明】
1、2:偏光性位相補正素子 3:2波長用半導体レーザ 3A、3B:半導体レーザ 4:ビームスプリッタ 5:コリメートレンズ 6:対物レンズ 7:光ディスク(光記録媒体) 8:光検出器 9:波長合成プリズム 10:位相補正素子 11、14、21、24:透光性基板(ガラス基板) 12、22:複屈折材料層(高分子液晶層) 13:充填剤 20:偏光性位相補正領域 25:輪帯電極 26、27、29:ベタ電極 28、30:電極基板 31:偏光性回折格子 42:位相補正領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA06 BA42 BB05 BC01 BC06 BC08 BC21 2H099 AA05 BA17 CA05 5D119 AA41 BA01 BB13 CA16 EC01 EC47 EC48 EC49 FA08 JA09 JA22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長λ1および波長λ2(λ1≠λ2)の光を
    入射させて使用する偏光性位相補正素子であって、前記
    偏光性位相補正素子はλ1の直線偏光と前記直線偏光の
    偏光方向と直交する偏光方向を有するλ2の直線偏光と
    に対する屈折率が異なる複屈折材料層を備え、前記複屈
    折材料層が光学結晶のときは主光学軸が、高分子材料の
    ときは分子配向軸が、一方向に揃っており、透過光の波
    面収差を補正できるように、前記複屈折材料層の透過光
    の光軸から周辺に向かうにしたがって複屈折材料層の厚
    さが変化しかつ前記厚さが前記光軸に関して回転対称性
    を有することを特徴とする偏光性位相補正素子。
  2. 【請求項2】波長λ1および波長λ2(λ1≠λ2)の光を
    入射させて使用する偏光性位相補正素子であって、前記
    偏光性位相補正素子はλ1の直線偏光と前記直線偏光の
    偏光方向と直交する偏光方向を有するλ2の直線偏光と
    に対する屈折率が異なる一様な厚さの複屈折材料層であ
    る高分子材料層を備え、透過光の波面収差を補正できる
    ように、前記高分子材料層の透過光の光軸から周辺に向
    かうにしたがって前記高分子材料層内の分子配向軸方向
    が変化しかつ前記分子配向軸方向が前記光軸に関して回
    転対称性を有することを特徴とする偏光性位相補正素
    子。
  3. 【請求項3】前記複屈折材料層の周辺部に、波長λ1
    直線偏光と波長λ2の直線偏光に対して回折効率の異な
    る偏光性回折格子がさらに形成されている請求項1また
    は2に記載の偏光性位相補正素子。
  4. 【請求項4】波長λ1および波長λ2の光をそれぞれ出射
    する2つの光源と、λ1およびλ2の出射光を異なる厚さ
    の2種の光記録媒体上にそれぞれ集光するための共用の
    対物レンズとを備えた光記録媒体の情報の記録・再生を
    行う光ヘッド装置において、請求項1、2または3に記
    載の偏光性位相補正素子が前記2つの光源と前記光記録
    媒体との間の光路中に設置されている光ヘッド装置。
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