JP2000234645A - 防振用加振器とそれを用いた能動型防振装置 - Google Patents
防振用加振器とそれを用いた能動型防振装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電磁力発生手段による軸方向の相対加振力が
及ぼされる軸部材とアウタ筒部材を、軸直角方向で高精
度に位置決めしつつ、軸方向での相対変位を容易に許容
し得ると共に、軸部材とアウタ筒部材間における電磁力
発生手段の配設領域の外部空間に対するシール機能を、
簡単な構造でコンパクトに実現することの出来る、新規
な構造の防振用加振器を提供すること。 【解決手段】 軸部材12とアウタ筒部材14の間に、
貫通穴48が設けられた板ばね16,16を軸方向に離
間して少なくとも2枚配設する。更に、該板ばね16を
ゴム弾性膜56で被覆せしめて、貫通穴48を覆蓋する
蓋ゴム膜58を形成すると共に、板ばね16の内外周縁
部にシールゴム60を形成し、該シールゴム60を挟ん
で、かかる板ばね16の内外周縁部を、軸部材12とア
ウタ筒部材14に対して軸方向で挟圧固定する。これに
より、軸部材12とアウタ筒部材14を、軸方向の相対
変位を許容しつつ軸直角方向で位置決めする板ばね16
を利用して、電磁力発生手段の配設領域を外部空間に対
してシールした。
及ぼされる軸部材とアウタ筒部材を、軸直角方向で高精
度に位置決めしつつ、軸方向での相対変位を容易に許容
し得ると共に、軸部材とアウタ筒部材間における電磁力
発生手段の配設領域の外部空間に対するシール機能を、
簡単な構造でコンパクトに実現することの出来る、新規
な構造の防振用加振器を提供すること。 【解決手段】 軸部材12とアウタ筒部材14の間に、
貫通穴48が設けられた板ばね16,16を軸方向に離
間して少なくとも2枚配設する。更に、該板ばね16を
ゴム弾性膜56で被覆せしめて、貫通穴48を覆蓋する
蓋ゴム膜58を形成すると共に、板ばね16の内外周縁
部にシールゴム60を形成し、該シールゴム60を挟ん
で、かかる板ばね16の内外周縁部を、軸部材12とア
ウタ筒部材14に対して軸方向で挟圧固定する。これに
より、軸部材12とアウタ筒部材14を、軸方向の相対
変位を許容しつつ軸直角方向で位置決めする板ばね16
を利用して、電磁力発生手段の配設領域を外部空間に対
してシールした。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は、防振対象部材やその振動伝達系
を構成する部材等に装着されることにより、防振すべき
振動に対する能動的な防振効果を発揮する能動型防振装
置において好適に採用される防振用加振器と、それを用
いた能動型防振装置に関するものである。
を構成する部材等に装着されることにより、防振すべき
振動に対する能動的な防振効果を発揮する能動型防振装
置において好適に採用される防振用加振器と、それを用
いた能動型防振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】防振対象部材における振動を低減するため
の防振装置の一種として、近年では、防振すべき振動に
対応した加振力を発生させる加振器を備え、防振装置の
防振特性を積極的に制御したり、防振対象部材やその振
動伝達系を構成する部材に相殺的な加振力を及ぼすこと
等によって、能動的な防振効果を得るようにした能動型
防振装置が開発され、検討されるようになってきた。例
えば、特開平9−53678号公報や特開平10−31
1367号公報等に記載のものがそれであり、防振連結
体や防振支持体、或いは制振器等への適用が考えられて
いる。
の防振装置の一種として、近年では、防振すべき振動に
対応した加振力を発生させる加振器を備え、防振装置の
防振特性を積極的に制御したり、防振対象部材やその振
動伝達系を構成する部材に相殺的な加振力を及ぼすこと
等によって、能動的な防振効果を得るようにした能動型
防振装置が開発され、検討されるようになってきた。例
えば、特開平9−53678号公報や特開平10−31
1367号公報等に記載のものがそれであり、防振連結
体や防振支持体、或いは制振器等への適用が考えられて
いる。
【0003】ところで、能動型防振装置に用いられ加振
器では、発生加振力の優れた周波数制御性が要求され
る。そこで、例えば、永久磁石による磁界中に配したコ
イルへの通電によって発生する電磁力乃至はローレンツ
力、或いは磁力を利用して加振力を得る電磁力発生手段
を備えた加振器が、好適に採用される。このような加振
器では、コイルへの通電を制御することによって、発生
加振力の周波数や位相等を容易に制御することが出来る
のである。そして、かくの如き加振器は、一般に、軸部
材とその軸直角方向外方に離間して配されたアウタ筒部
材との間に、上述の如き電磁力発生手段を配置せしめ
て、該電磁力発生手段への給電により、軸部材とアウタ
筒部材の間に相対的な軸方向駆動力を生ぜしめるように
構成される。
器では、発生加振力の優れた周波数制御性が要求され
る。そこで、例えば、永久磁石による磁界中に配したコ
イルへの通電によって発生する電磁力乃至はローレンツ
力、或いは磁力を利用して加振力を得る電磁力発生手段
を備えた加振器が、好適に採用される。このような加振
器では、コイルへの通電を制御することによって、発生
加振力の周波数や位相等を容易に制御することが出来る
のである。そして、かくの如き加振器は、一般に、軸部
材とその軸直角方向外方に離間して配されたアウタ筒部
材との間に、上述の如き電磁力発生手段を配置せしめ
て、該電磁力発生手段への給電により、軸部材とアウタ
筒部材の間に相対的な軸方向駆動力を生ぜしめるように
構成される。
【0004】また、このような構造の加振器では、大き
な駆動力を効率的に且つ安定して発生させるために、相
対変位せしめられる軸部材とアウタ筒部材を、軸方向で
の相対変位を許容しつつ、軸直角方向で高精度に相対的
に位置決めする必要があると共に、電磁力発生手段への
非通電状態下で、軸部材とアウタ筒部材が軸方向で一定
の相対位置に復帰される自己復帰的な相対位置決め機能
を付与することが望ましい。
な駆動力を効率的に且つ安定して発生させるために、相
対変位せしめられる軸部材とアウタ筒部材を、軸方向で
の相対変位を許容しつつ、軸直角方向で高精度に相対的
に位置決めする必要があると共に、電磁力発生手段への
非通電状態下で、軸部材とアウタ筒部材が軸方向で一定
の相対位置に復帰される自己復帰的な相対位置決め機能
を付与することが望ましい。
【0005】そこで、例えば、前記特開平10−311
367号公報に記載されているように、軸部材とアウタ
筒部材の軸方向両側端部を、それぞれ環状の連結ゴム弾
性体で弾性的に連結することが考えられる。このような
連結ゴム弾性体を採用すれば、連結ゴム弾性体の弾性に
基づいて、軸部材とアウタ筒部材に自己復帰的な相対位
置決め機能を与えることが出来るのである。しかしなが
ら、連結ゴム弾性体では、軸部材とアウタ筒部材の軸直
角方向の相対変位を十分に阻止することが難しく、軸部
材側とアウタ筒部材側に設けられた電磁力発生部材同士
が相互に接触するおそれがあるために、作動の安定性や
耐久性等に関して十分な信頼性を確保することが難しい
という問題があった。また、同公報には、軸部材とアウ
タ筒部材の軸方向両端部を、連結ゴム弾性体に代えて、
円環板形状の板ばねで弾性的に連結した構造も記載され
ているが、一般的な板ばねでは、軸部材とアウタ筒部材
の軸方向での相対変位量を十分に確保することが難し
く、軸方向駆動力の発生効率も悪くなってしまうという
問題があった。
367号公報に記載されているように、軸部材とアウタ
筒部材の軸方向両側端部を、それぞれ環状の連結ゴム弾
性体で弾性的に連結することが考えられる。このような
連結ゴム弾性体を採用すれば、連結ゴム弾性体の弾性に
基づいて、軸部材とアウタ筒部材に自己復帰的な相対位
置決め機能を与えることが出来るのである。しかしなが
ら、連結ゴム弾性体では、軸部材とアウタ筒部材の軸直
角方向の相対変位を十分に阻止することが難しく、軸部
材側とアウタ筒部材側に設けられた電磁力発生部材同士
が相互に接触するおそれがあるために、作動の安定性や
耐久性等に関して十分な信頼性を確保することが難しい
という問題があった。また、同公報には、軸部材とアウ
タ筒部材の軸方向両端部を、連結ゴム弾性体に代えて、
円環板形状の板ばねで弾性的に連結した構造も記載され
ているが、一般的な板ばねでは、軸部材とアウタ筒部材
の軸方向での相対変位量を十分に確保することが難し
く、軸方向駆動力の発生効率も悪くなってしまうという
問題があった。
【0006】なお、アウタ筒部材に固設された摺動スリ
ーブによって、軸部材の軸方向両端部を摺動可能に案内
することにより、軸部材とアウタ筒部材に軸方向での自
由な相対変位を許容しつつ、軸部材とアウタ筒部材の軸
直角方向での相対変位をより確実に阻止せしめるように
することも考えられる。ところが、このような構造で
は、軸部材とアウタ筒部材に自己復帰的な相対位置決め
機能を付与することが難しいことに加えて、摺動部位に
おける摩擦のために駆動力の出力効率や安定性が悪く、
摩耗による耐久性も問題となり易いという問題があり、
必ずしも有効ではなかったのである。
ーブによって、軸部材の軸方向両端部を摺動可能に案内
することにより、軸部材とアウタ筒部材に軸方向での自
由な相対変位を許容しつつ、軸部材とアウタ筒部材の軸
直角方向での相対変位をより確実に阻止せしめるように
することも考えられる。ところが、このような構造で
は、軸部材とアウタ筒部材に自己復帰的な相対位置決め
機能を付与することが難しいことに加えて、摺動部位に
おける摩擦のために駆動力の出力効率や安定性が悪く、
摩耗による耐久性も問題となり易いという問題があり、
必ずしも有効ではなかったのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、電磁力発生手段による軸方向の相対変位力
が及ぼされる軸部材とアウタ筒部材が、軸直角方向での
相対変位を阻止されつつ軸方向に有利に案内されると共
に、それら軸部材とアウタ筒部材に対して自己復帰的な
軸方向の位置決め力が有利に作用せしめられる、新規な
構造の防振用加振器と、それを用いた能動型防振装置を
提供することにある。
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、電磁力発生手段による軸方向の相対変位力
が及ぼされる軸部材とアウタ筒部材が、軸直角方向での
相対変位を阻止されつつ軸方向に有利に案内されると共
に、それら軸部材とアウタ筒部材に対して自己復帰的な
軸方向の位置決め力が有利に作用せしめられる、新規な
構造の防振用加振器と、それを用いた能動型防振装置を
提供することにある。
【0008】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様は、任意の組み合わせで採用可能である。また、本
発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限
定されることなく、明細書全体および図面に記載の発明
思想に基づいて認識されるものであることが理解される
べきである。
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様は、任意の組み合わせで採用可能である。また、本
発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限
定されることなく、明細書全体および図面に記載の発明
思想に基づいて認識されるものであることが理解される
べきである。
【0009】本発明の第一の態様は、軸部材とその軸直
角方向外方に離間して配されたアウタ筒部材との間に電
磁力発生手段を配置せしめて、該電磁力発生手段への給
電により、該軸部材と該アウタ筒部材に相対的な軸方向
駆動力を生ぜしめるようにした防振用加振器において、
前記軸部材と前記アウタ筒部材の間に円環板形状の板ば
ねを互いに軸方向に離間して少なくとも2枚配設し、各
板ばねの内周縁部を該軸部材に、外周縁部を該アウタ筒
部材に、それぞれ固定することにより、それら軸部材と
アウタ筒部材を、軸方向の相対変位を許容しつつ軸直角
方向で相対的に位置決めすると共に、前記各板ばねに対
して貫通穴を設ける一方、少なくとも一つの板ばねにお
いて、その表面をゴム弾性膜で被覆することにより、前
記貫通穴を覆蓋する蓋ゴム膜を形成すると共に、前記板
ばねにおける内周部分と外周部分の前記軸部材と前記ア
ウタ筒部材に対する固定部位をシールするシールゴムを
形成したことを、特徴とする。
角方向外方に離間して配されたアウタ筒部材との間に電
磁力発生手段を配置せしめて、該電磁力発生手段への給
電により、該軸部材と該アウタ筒部材に相対的な軸方向
駆動力を生ぜしめるようにした防振用加振器において、
前記軸部材と前記アウタ筒部材の間に円環板形状の板ば
ねを互いに軸方向に離間して少なくとも2枚配設し、各
板ばねの内周縁部を該軸部材に、外周縁部を該アウタ筒
部材に、それぞれ固定することにより、それら軸部材と
アウタ筒部材を、軸方向の相対変位を許容しつつ軸直角
方向で相対的に位置決めすると共に、前記各板ばねに対
して貫通穴を設ける一方、少なくとも一つの板ばねにお
いて、その表面をゴム弾性膜で被覆することにより、前
記貫通穴を覆蓋する蓋ゴム膜を形成すると共に、前記板
ばねにおける内周部分と外周部分の前記軸部材と前記ア
ウタ筒部材に対する固定部位をシールするシールゴムを
形成したことを、特徴とする。
【0010】このような第一の態様に係る防振用加振器
においては、板ばねが有する、軸方向(板厚方向)の弾
性変形に比して軸直角方向の弾性変形が許容され難いと
いう特性に基づいて、軸部材とアウタ筒部材を軸直角方
向で有利に位置決めすることが出来る。しかも、板ばね
に貫通孔を設けたことによって、板ばねの軸方向の弾性
変形、ひいては軸部材とアウタ筒部材の軸方向における
相対変位が有利に許容され得るのであり、電磁力発生手
段による駆動力が効率的に生ぜしめられることとなる。
また、板ばねの軸方向の弾性に基づいて、軸部材とアウ
タ筒部材に対し、軸方向の自己復帰的な位置決め力を十
分に及ぼすことが出来ることから、特別な位置決め用部
材を設けることなく、電磁力発生手段への非通電状態下
で、軸部材とアウタ筒部材を所定位置に位置決め保持す
ることが可能となる。更に、板ばねをゴム弾性膜で被覆
して、貫通孔を蓋ゴム膜で覆蓋すると共に、板ばねの軸
部材およびアウタ筒部材への固定部位をシールゴム層で
シールしたことにより、ダストブーツ等の特別な部材を
別途設けることなく、軸部材とアウタ筒部材の間に形成
された電磁力発生手段の配設領域を、板ばねによって外
部空間から仕切って封ずることが出来るのであり、電磁
力発生手段の配設領域への異物等の侵入に起因する不具
合の発生が、簡単でコンパクトな構造によって回避され
得る。
においては、板ばねが有する、軸方向(板厚方向)の弾
性変形に比して軸直角方向の弾性変形が許容され難いと
いう特性に基づいて、軸部材とアウタ筒部材を軸直角方
向で有利に位置決めすることが出来る。しかも、板ばね
に貫通孔を設けたことによって、板ばねの軸方向の弾性
変形、ひいては軸部材とアウタ筒部材の軸方向における
相対変位が有利に許容され得るのであり、電磁力発生手
段による駆動力が効率的に生ぜしめられることとなる。
また、板ばねの軸方向の弾性に基づいて、軸部材とアウ
タ筒部材に対し、軸方向の自己復帰的な位置決め力を十
分に及ぼすことが出来ることから、特別な位置決め用部
材を設けることなく、電磁力発生手段への非通電状態下
で、軸部材とアウタ筒部材を所定位置に位置決め保持す
ることが可能となる。更に、板ばねをゴム弾性膜で被覆
して、貫通孔を蓋ゴム膜で覆蓋すると共に、板ばねの軸
部材およびアウタ筒部材への固定部位をシールゴム層で
シールしたことにより、ダストブーツ等の特別な部材を
別途設けることなく、軸部材とアウタ筒部材の間に形成
された電磁力発生手段の配設領域を、板ばねによって外
部空間から仕切って封ずることが出来るのであり、電磁
力発生手段の配設領域への異物等の侵入に起因する不具
合の発生が、簡単でコンパクトな構造によって回避され
得る。
【0011】従って、かかる防振用加振器においては、
軸部材とアウタ筒部材の軸直角方向での相対変位が抑え
られて、電磁力発生手段により、それら軸部材とアウタ
筒部材が軸方向に安定して且つ効率的に相対変位せしめ
られるのであり、軸部材側とアウタ筒部材側の接触が防
止されて、安定した作動と優れた耐久性が実現され得る
こととなる。しかも、軸部材とアウタ筒部材の間への異
物等の侵入も、簡単で且つコンパクトな構造で防止され
得て、更なる作動の安定化と耐久性の向上が図られ得る
のである。
軸部材とアウタ筒部材の軸直角方向での相対変位が抑え
られて、電磁力発生手段により、それら軸部材とアウタ
筒部材が軸方向に安定して且つ効率的に相対変位せしめ
られるのであり、軸部材側とアウタ筒部材側の接触が防
止されて、安定した作動と優れた耐久性が実現され得る
こととなる。しかも、軸部材とアウタ筒部材の間への異
物等の侵入も、簡単で且つコンパクトな構造で防止され
得て、更なる作動の安定化と耐久性の向上が図られ得る
のである。
【0012】なお、第一の態様に係る防振用加振器にお
いて、電磁力発生手段としては、コイル等への通電によ
って電磁力やローレンツ力、磁力等に基づいて、軸部材
とアウタ筒部材の間に軸方向の相対的変位力を及ぼし得
る、公知の各種の機構が採用可能である。また、板ばね
としては、ばね用鋼材や合成樹脂材等、要求されるばね
特性等に応じて適当な弾性を有する材質が適宜に採用さ
れ得る。
いて、電磁力発生手段としては、コイル等への通電によ
って電磁力やローレンツ力、磁力等に基づいて、軸部材
とアウタ筒部材の間に軸方向の相対的変位力を及ぼし得
る、公知の各種の機構が採用可能である。また、板ばね
としては、ばね用鋼材や合成樹脂材等、要求されるばね
特性等に応じて適当な弾性を有する材質が適宜に採用さ
れ得る。
【0013】また、本発明の第二の態様は、前記第一の
態様に係る防振用加振器において、前記シールゴムを、
前記板ばねの少なくとも内周部分と外周部分において表
裏両面を被覆するように形成し、該板ばねの内周部分と
外周部分を、それぞれ、かかるシールゴムを挟んで軸方
向で挟圧せしめて、前記軸部材と前記アウタ筒部材に固
定したことを、特徴とする。このような本態様に係る防
振用加振器においては、板ばねの軸部材側およびアウタ
筒部材側への固定部位におけるシール性を、特別な部材
等を必要とすることなく、簡単な構造で確保することが
出来、軸部材とアウタ筒部材の間への異物等の侵入を一
層有利に防止することが可能となる。
態様に係る防振用加振器において、前記シールゴムを、
前記板ばねの少なくとも内周部分と外周部分において表
裏両面を被覆するように形成し、該板ばねの内周部分と
外周部分を、それぞれ、かかるシールゴムを挟んで軸方
向で挟圧せしめて、前記軸部材と前記アウタ筒部材に固
定したことを、特徴とする。このような本態様に係る防
振用加振器においては、板ばねの軸部材側およびアウタ
筒部材側への固定部位におけるシール性を、特別な部材
等を必要とすることなく、簡単な構造で確保することが
出来、軸部材とアウタ筒部材の間への異物等の侵入を一
層有利に防止することが可能となる。
【0014】更にまた、本発明の第三の態様は、前記第
一又は第二の態様に係る防振用加振器において、前記軸
部材および前記アウタ筒部材の軸方向両端部に前記板ば
ねをそれぞれ少なくとも一つ配設すると共に、それら軸
部材とアウタ筒部材の軸方向両端部における各少なくと
も一つの板ばねの表面を前記ゴム弾性膜で被覆すること
により、軸部材とアウタ筒部材の間の空間を、軸方向両
端部において、それぞれ板ばねで覆蓋せしめたことを、
特徴とする。このような本態様に係る防振用加振器にお
いては、軸部材とアウタ筒部材を、それらの軸方向両端
部にそれぞれ配設された板ばねによって、軸直角方向に
一層有利に位置決めすることが出来るのであり、作動安
定性の更なる向上が簡単な構造で実現され得る。
一又は第二の態様に係る防振用加振器において、前記軸
部材および前記アウタ筒部材の軸方向両端部に前記板ば
ねをそれぞれ少なくとも一つ配設すると共に、それら軸
部材とアウタ筒部材の軸方向両端部における各少なくと
も一つの板ばねの表面を前記ゴム弾性膜で被覆すること
により、軸部材とアウタ筒部材の間の空間を、軸方向両
端部において、それぞれ板ばねで覆蓋せしめたことを、
特徴とする。このような本態様に係る防振用加振器にお
いては、軸部材とアウタ筒部材を、それらの軸方向両端
部にそれぞれ配設された板ばねによって、軸直角方向に
一層有利に位置決めすることが出来るのであり、作動安
定性の更なる向上が簡単な構造で実現され得る。
【0015】また、本発明の第四の態様は、前記第一乃
至第三の何れかの態様に係る防振用加振器において、前
記板ばねにおける貫通穴を、少なくとも一条の渦巻き形
状としたことを、特徴とする。このような本態様に係る
防振用加振器においては、板ばねを大型化することな
く、板ばねの弾性変形部分の有効長さを有利に確保する
ことが出来ることから、板ばねのコンパクト化と軸方向
の弾性ストローク量の増大とが、両立的に可能となる。
なお、板ばねの軸方向の弾性変形時における形状安定性
を確保するためには、互いに独立して延びる渦巻き形状
の貫通穴を、少なくとも2つ、好ましくは3つ以上形成
することが望ましい。
至第三の何れかの態様に係る防振用加振器において、前
記板ばねにおける貫通穴を、少なくとも一条の渦巻き形
状としたことを、特徴とする。このような本態様に係る
防振用加振器においては、板ばねを大型化することな
く、板ばねの弾性変形部分の有効長さを有利に確保する
ことが出来ることから、板ばねのコンパクト化と軸方向
の弾性ストローク量の増大とが、両立的に可能となる。
なお、板ばねの軸方向の弾性変形時における形状安定性
を確保するためには、互いに独立して延びる渦巻き形状
の貫通穴を、少なくとも2つ、好ましくは3つ以上形成
することが望ましい。
【0016】また、本発明の第五の態様は、前記第一乃
至第四の何れかの態様に係る防振用加振器であって、前
記軸部材および前記アウタ筒部材の軸方向一端部におい
て、前記板ばねの複数枚を互いに軸方向に離間して配設
すると共に、それらの板ばねを前記ゴム弾性膜で一体的
に被覆したことを、特徴とする。このような本発明に係
る防振用加振器においては、複数枚の板ばねを配したこ
とによって、一枚の板ばねを配した場合よりも、軸部材
とアウタ筒部材を、その軸方向一端部において、軸直角
方向でより有効に位置決めすることが出来るのであり、
例えば、軸方向一端側だけに板ばねを配設する場合で
も、かかる複数枚の板ばねによって、軸部材とアウタ筒
部材を軸直角方向で有利に相対位置決めすることが出来
る。しかも、これら複数枚の板ばねが、ゴム弾性膜で一
体的に被覆されていることから、製造や組付け等の取扱
いが容易とされる。
至第四の何れかの態様に係る防振用加振器であって、前
記軸部材および前記アウタ筒部材の軸方向一端部におい
て、前記板ばねの複数枚を互いに軸方向に離間して配設
すると共に、それらの板ばねを前記ゴム弾性膜で一体的
に被覆したことを、特徴とする。このような本発明に係
る防振用加振器においては、複数枚の板ばねを配したこ
とによって、一枚の板ばねを配した場合よりも、軸部材
とアウタ筒部材を、その軸方向一端部において、軸直角
方向でより有効に位置決めすることが出来るのであり、
例えば、軸方向一端側だけに板ばねを配設する場合で
も、かかる複数枚の板ばねによって、軸部材とアウタ筒
部材を軸直角方向で有利に相対位置決めすることが出来
る。しかも、これら複数枚の板ばねが、ゴム弾性膜で一
体的に被覆されていることから、製造や組付け等の取扱
いが容易とされる。
【0017】なお、前記第一乃至第五の態様に係る防振
用加振器において、複数枚の板ばねを、軸部材とアウタ
筒部材の軸方向一方の端部に配する場合には、軸方向他
端部で軸部材とアウタ筒部材を軸直角方向に相対的に位
置決めする機構を配する必要はないが、かかる軸方向他
端部側の軸部材とアウタ筒部材の間に、板ばねの他、ゴ
ム弾性体や摺動スリーブ等を配設して、軸直角方向での
位置決め性能の更なる向上を図っても良い。
用加振器において、複数枚の板ばねを、軸部材とアウタ
筒部材の軸方向一方の端部に配する場合には、軸方向他
端部で軸部材とアウタ筒部材を軸直角方向に相対的に位
置決めする機構を配する必要はないが、かかる軸方向他
端部側の軸部材とアウタ筒部材の間に、板ばねの他、ゴ
ム弾性体や摺動スリーブ等を配設して、軸直角方向での
位置決め性能の更なる向上を図っても良い。
【0018】また、本発明の第六の態様は、前記第一乃
至第五の何れかの態様に係る防振用加振器であって、前
記軸部材と前記アウタ筒部材の間の空間を、軸方向一端
部において前記ゴム弾性膜で被覆された板ばねで覆蓋す
ると共に、かかる空間の軸方向他端部を覆蓋するカバー
部材を設けたことを、特徴とする。即ち、ゴム弾性膜で
被覆された板ばねを、軸部材とアウタ筒部材の軸方向一
方の側だけに配する場合には、軸方向他方の端部側にカ
バー部材を設けることによって、電磁力発生手段の配設
領域への異物等の侵入を防止することが望ましい。な
お、カバー部材としては、アウタ筒部材の開口を閉塞す
るアウタ筒部材と一体形成された蓋部や別体形成された
蓋部材の他、軸部材とアウタ筒部材の間を閉塞する薄肉
ゴム膜等からなる可撓性のダストシール等が有利に採用
される。
至第五の何れかの態様に係る防振用加振器であって、前
記軸部材と前記アウタ筒部材の間の空間を、軸方向一端
部において前記ゴム弾性膜で被覆された板ばねで覆蓋す
ると共に、かかる空間の軸方向他端部を覆蓋するカバー
部材を設けたことを、特徴とする。即ち、ゴム弾性膜で
被覆された板ばねを、軸部材とアウタ筒部材の軸方向一
方の側だけに配する場合には、軸方向他方の端部側にカ
バー部材を設けることによって、電磁力発生手段の配設
領域への異物等の侵入を防止することが望ましい。な
お、カバー部材としては、アウタ筒部材の開口を閉塞す
るアウタ筒部材と一体形成された蓋部や別体形成された
蓋部材の他、軸部材とアウタ筒部材の間を閉塞する薄肉
ゴム膜等からなる可撓性のダストシール等が有利に採用
される。
【0019】そして、上述の如き第一乃至第六の何れか
の態様に係る防振用加振器は、それ自体を能動型制振器
として用いることも可能であり、或いは、能動型防振装
置用の加振器として用いることも可能である。具体的に
は、能動型制振器としては、例えば、軸部材とアウタ筒
部材の何れか一方を防振すべき対象に固定することによ
り、電磁力発生手段への通電により防振すべき対象に加
振力を及ぼして能動的乃至は相殺的な防振効果を発揮す
る能動型制振器を構成することが出来るのである。ま
た、能動型防振装置は、例えば、以下の第七の態様によ
って有利に実現され得る。
の態様に係る防振用加振器は、それ自体を能動型制振器
として用いることも可能であり、或いは、能動型防振装
置用の加振器として用いることも可能である。具体的に
は、能動型制振器としては、例えば、軸部材とアウタ筒
部材の何れか一方を防振すべき対象に固定することによ
り、電磁力発生手段への通電により防振すべき対象に加
振力を及ぼして能動的乃至は相殺的な防振効果を発揮す
る能動型制振器を構成することが出来るのである。ま
た、能動型防振装置は、例えば、以下の第七の態様によ
って有利に実現され得る。
【0020】すなわち、本発明の第七の態様は、第一の
支持部材と第二の支持部材を本体ゴム弾性体で連結する
と共に、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非
圧縮性流体が封入された受圧室を形成する一方、該受圧
室の壁部の別の一部を、該第二の支持部材によって変位
可能に支持された加振部材で構成し、該加振部材を駆動
手段で加振することにより該受圧室の内圧を制御し得る
ようにした能動型防振装置において、前記駆動手段とし
て前記第一乃至第六の何れかの態様に記載の防振用加振
器を用い、該防振用加振器の前記外筒部材を前記第二の
支持部材に取り付ける一方、該防振用加振器の前記軸部
材を前記加振部材に取り付けた能動型防振装置を、特徴
とする。
支持部材と第二の支持部材を本体ゴム弾性体で連結する
と共に、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非
圧縮性流体が封入された受圧室を形成する一方、該受圧
室の壁部の別の一部を、該第二の支持部材によって変位
可能に支持された加振部材で構成し、該加振部材を駆動
手段で加振することにより該受圧室の内圧を制御し得る
ようにした能動型防振装置において、前記駆動手段とし
て前記第一乃至第六の何れかの態様に記載の防振用加振
器を用い、該防振用加振器の前記外筒部材を前記第二の
支持部材に取り付ける一方、該防振用加振器の前記軸部
材を前記加振部材に取り付けた能動型防振装置を、特徴
とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の実施形態について、図面を参
照しつつ、詳細に説明する。
かにするために、本発明の実施形態について、図面を参
照しつつ、詳細に説明する。
【0022】先ず、図1には、本発明の第一の実施形態
としての制振器10が、示されている。この制振器10
は、互いに径方向に所定距離を隔てて同軸的に配設され
た軸部材としての内筒金具12とアウタ筒部材としての
外筒金具14を備えており、それら内筒金具12と外筒
金具14が、一対の板ばね16,16によって軸方向に
相対変位可能に弾性連結されている。また、内筒金具1
2と外筒金具14の間には、電磁力発生機構18が組み
付けられており、この電磁力発生機構18への給電を制
御することによって内筒金具12と外筒金具14の間に
軸方向の相対変位力が及ぼされるようになっている。そ
して、この制振器10は、図示しない制振対象に対して
内筒金具12と外筒金具14の何れか一方が固定的に取
り付けられることによって装着され、内筒金具12と外
筒金具14の相対変位に伴う加振力を制振対象に及ぼす
ことによって、制振対象における振動を能動的に抑制す
るようになっている。なお、以下の説明中、上下方向と
は、図1中の上下方向をいうものとする。
としての制振器10が、示されている。この制振器10
は、互いに径方向に所定距離を隔てて同軸的に配設され
た軸部材としての内筒金具12とアウタ筒部材としての
外筒金具14を備えており、それら内筒金具12と外筒
金具14が、一対の板ばね16,16によって軸方向に
相対変位可能に弾性連結されている。また、内筒金具1
2と外筒金具14の間には、電磁力発生機構18が組み
付けられており、この電磁力発生機構18への給電を制
御することによって内筒金具12と外筒金具14の間に
軸方向の相対変位力が及ぼされるようになっている。そ
して、この制振器10は、図示しない制振対象に対して
内筒金具12と外筒金具14の何れか一方が固定的に取
り付けられることによって装着され、内筒金具12と外
筒金具14の相対変位に伴う加振力を制振対象に及ぼす
ことによって、制振対象における振動を能動的に抑制す
るようになっている。なお、以下の説明中、上下方向と
は、図1中の上下方向をいうものとする。
【0023】より詳細には、内筒金具12は、小径の厚
肉円筒形状を有しており、該内筒金具12の軸方向略中
央部分には、同一形状の一対の内側固定スリーブ32,
32が外挿され、軸方向一端面で互いに当接された状態
で位置固定に取り付けられている。なお、各内側固定ス
リーブ32の軸方向他端部(突き合わせ端面と反対の端
部)には、外周面上に突出する円環形状の弾性ストッパ
33が固着されている。また、外筒金具14は、内筒金
具12よりも十分に大径の薄肉円筒形状を有している。
そして、これら内筒金具12と外筒金具14が、略同一
の中心軸上に配設されており、内外筒金具12,14の
径方向対向面間に電磁力発生機構18の配設スペースが
形成されている。この電磁力発生機構18は、コイル2
0と永久磁石22を含んで構成されており、永久磁石2
2による磁界中に配設されたコイル20に通電すること
によって生ぜしめられる電磁力乃至はローレンツ力に基
づいて、内筒金具12と外筒金具14に対して軸方向の
相対変位力を及ぼすようになっている。
肉円筒形状を有しており、該内筒金具12の軸方向略中
央部分には、同一形状の一対の内側固定スリーブ32,
32が外挿され、軸方向一端面で互いに当接された状態
で位置固定に取り付けられている。なお、各内側固定ス
リーブ32の軸方向他端部(突き合わせ端面と反対の端
部)には、外周面上に突出する円環形状の弾性ストッパ
33が固着されている。また、外筒金具14は、内筒金
具12よりも十分に大径の薄肉円筒形状を有している。
そして、これら内筒金具12と外筒金具14が、略同一
の中心軸上に配設されており、内外筒金具12,14の
径方向対向面間に電磁力発生機構18の配設スペースが
形成されている。この電磁力発生機構18は、コイル2
0と永久磁石22を含んで構成されており、永久磁石2
2による磁界中に配設されたコイル20に通電すること
によって生ぜしめられる電磁力乃至はローレンツ力に基
づいて、内筒金具12と外筒金具14に対して軸方向の
相対変位力を及ぼすようになっている。
【0024】すなわち、コイル22は、略逆カップ形状
を有するボビン24の筒壁部26の外周面に固定的に巻
回されており、このボビン24の底壁部28の中央に設
けられた取付孔30に内筒金具12が挿通されることに
よって、ボビン24が、内筒金具12に対して、径方向
外方に広がる状態で取り付けられている。なお、ボビン
24は、内筒金具12に外嵌固定された内側固定スリー
ブ32と外側固定スリーブ34の間で軸方向に挟持され
て、内筒金具12に位置固定に取り付けられている。こ
れにより、コイル22が、内筒金具12の径方向外方に
所定距離だけ離間して、内筒金具12と同一の中心軸上
に位置決め配置されている。
を有するボビン24の筒壁部26の外周面に固定的に巻
回されており、このボビン24の底壁部28の中央に設
けられた取付孔30に内筒金具12が挿通されることに
よって、ボビン24が、内筒金具12に対して、径方向
外方に広がる状態で取り付けられている。なお、ボビン
24は、内筒金具12に外嵌固定された内側固定スリー
ブ32と外側固定スリーブ34の間で軸方向に挟持され
て、内筒金具12に位置固定に取り付けられている。こ
れにより、コイル22が、内筒金具12の径方向外方に
所定距離だけ離間して、内筒金具12と同一の中心軸上
に位置決め配置されている。
【0025】一方、永久磁石22は、厚肉の略円環ブロ
ック形状を有しており、軸方向両側に両磁極が設定され
ている。具体的には、例えば、図示されているように、
軸方向上側にN極,軸方向下側にS極が設定されてい
る。また、永久磁石22の軸方向両側には、それぞれ厚
肉の円環板形状を有する強磁性材からなる上ヨーク36
と下ヨーク38が重ね合わされており、連結ボルト40
によって、これら上下ヨーク36,38が永久磁石22
に固着されている。下ヨーク38は、内筒金具12の外
径より大きく且つ永久磁石22の内径より小さな内径
と、外筒金具14の内径よりも僅かに小さく且つ永久磁
石22の外径より大きな外径を有しており、外筒金具1
4に内挿されて、軸方向中間部分に固定されている。な
お、この下ヨーク38の外筒金具14への固定は、外筒
金具14の内周面にそれぞれ嵌着固定された厚肉円筒形
状の外周ヨーク42と、薄肉円筒形状のヨーク固定スリ
ーブ44によって、下ヨーク38の外周縁部が軸方向に
挟持されることによって為されている。また、上ヨーク
36は内筒金具12の外径よりも大きく且つ永久磁石2
2の内径より小さな内径と、外筒金具14の内径より小
さく且つ永久磁石22の外径より大きな外径を有してい
る。
ック形状を有しており、軸方向両側に両磁極が設定され
ている。具体的には、例えば、図示されているように、
軸方向上側にN極,軸方向下側にS極が設定されてい
る。また、永久磁石22の軸方向両側には、それぞれ厚
肉の円環板形状を有する強磁性材からなる上ヨーク36
と下ヨーク38が重ね合わされており、連結ボルト40
によって、これら上下ヨーク36,38が永久磁石22
に固着されている。下ヨーク38は、内筒金具12の外
径より大きく且つ永久磁石22の内径より小さな内径
と、外筒金具14の内径よりも僅かに小さく且つ永久磁
石22の外径より大きな外径を有しており、外筒金具1
4に内挿されて、軸方向中間部分に固定されている。な
お、この下ヨーク38の外筒金具14への固定は、外筒
金具14の内周面にそれぞれ嵌着固定された厚肉円筒形
状の外周ヨーク42と、薄肉円筒形状のヨーク固定スリ
ーブ44によって、下ヨーク38の外周縁部が軸方向に
挟持されることによって為されている。また、上ヨーク
36は内筒金具12の外径よりも大きく且つ永久磁石2
2の内径より小さな内径と、外筒金具14の内径より小
さく且つ永久磁石22の外径より大きな外径を有してい
る。
【0026】そして、下ヨーク38の外周縁部が外筒金
具14に固着されることにより、永久磁石22と上下ヨ
ーク36,38が、内筒金具12と外筒金具14の径方
向対向面間において、同一の中心軸上で軸方向中間部分
に配設されている。また、これら永久磁石22と上下ヨ
ーク36,38は、何れも、内筒金具12に外嵌された
内側固定スリーブ32,32の外周面上において、該内
側固定スリーブ32,32から径方向外方に離間して配
設されており、外筒金具14と共に、内筒金具12に対
して、軸方向に相対変位可能とされている。更にまた、
上ヨーク36の外周面は、外周ヨーク42の内周面に対
して、径方向に離間して対向配置されている。このよう
に、上下ヨーク36,38および外周ヨーク42が永久
磁石22に連接されることによって、半径方向の縦断面
上で閉状の磁路が形成されているのであり、また、かか
る閉状磁路上には、上ヨーク36と外周ヨーク42の径
方向対向面間において、周方向に連続して延びる円環形
状の磁気ギャップ46が形成されている。
具14に固着されることにより、永久磁石22と上下ヨ
ーク36,38が、内筒金具12と外筒金具14の径方
向対向面間において、同一の中心軸上で軸方向中間部分
に配設されている。また、これら永久磁石22と上下ヨ
ーク36,38は、何れも、内筒金具12に外嵌された
内側固定スリーブ32,32の外周面上において、該内
側固定スリーブ32,32から径方向外方に離間して配
設されており、外筒金具14と共に、内筒金具12に対
して、軸方向に相対変位可能とされている。更にまた、
上ヨーク36の外周面は、外周ヨーク42の内周面に対
して、径方向に離間して対向配置されている。このよう
に、上下ヨーク36,38および外周ヨーク42が永久
磁石22に連接されることによって、半径方向の縦断面
上で閉状の磁路が形成されているのであり、また、かか
る閉状磁路上には、上ヨーク36と外周ヨーク42の径
方向対向面間において、周方向に連続して延びる円環形
状の磁気ギャップ46が形成されている。
【0027】また、この磁気ギャップ46には、内筒金
具12によって支持されたボビン24の筒壁部28が上
方から入り込んで配設されており、以て、かかる磁気ギ
ャップ46内に、筒壁部28とそれに固着されたコイル
20が位置せしめられている。なお、これら筒壁部28
とコイル20は、閉状磁路上における磁気ギャップ46
の形成面に対して、僅かな隙間を隔てて配されており、
磁気ギャップ46内で軸方向に変位可能とされている。
具12によって支持されたボビン24の筒壁部28が上
方から入り込んで配設されており、以て、かかる磁気ギ
ャップ46内に、筒壁部28とそれに固着されたコイル
20が位置せしめられている。なお、これら筒壁部28
とコイル20は、閉状磁路上における磁気ギャップ46
の形成面に対して、僅かな隙間を隔てて配されており、
磁気ギャップ46内で軸方向に変位可能とされている。
【0028】さらに、内筒金具12と外筒金具14の各
軸方向両端部間には、それぞれ板ばね16が配設されて
おり、これらの板ばね16,16によって、内筒金具1
2と外筒金具14が、上述の如き同一の中心軸上に相対
的に位置決め保持されるようになっている。かかる板ば
ね16は、図2に示されているように、ばね鋼等の弾性
金属によって形成されて薄肉の略円環板形状を有してお
り、内筒金具12の外径よりも僅かに大きな内径寸法
と、外筒金具14の内径寸法よりも僅かに小さな外径寸
法をもっている。また、板ばね16には、径方向中間部
分において、内周側から外周側に向かって周方向に傾斜
して略渦巻き状に延びる貫通穴としてのスリット48
が、周方向に互いに等間隔に3本形成されている。換言
すれば、板ばね16は、それぞれ周方向に連続した円形
のリング板形状を有する内周側円環状部50と外周側円
環状部52が、それらの径方向間において周方向に傾斜
して略一定幅:bで略渦巻き状に延びる3本の帯板状の
弾性板部54によって一体的に連結された形状を有して
いる。これにより、内周側円環板状部50と外周側円環
板状部52の径方向での相対変位に対しては、何れの径
方向においても、大きなばね剛性が発揮されて、板ばね
16の弾性変形が防止される一方、内周側円環状部50
と外周側円環状部52の軸方向での相対変位に対して
は、弾性板部54の各部位における変形量(歪)および
発生応力が抑えられて、より小さなばね剛性で弾性変形
が容易に許容されると共に、良好な耐久性のもとに許容
弾性変形量を大きく設定することが出来るようになって
いる。
軸方向両端部間には、それぞれ板ばね16が配設されて
おり、これらの板ばね16,16によって、内筒金具1
2と外筒金具14が、上述の如き同一の中心軸上に相対
的に位置決め保持されるようになっている。かかる板ば
ね16は、図2に示されているように、ばね鋼等の弾性
金属によって形成されて薄肉の略円環板形状を有してお
り、内筒金具12の外径よりも僅かに大きな内径寸法
と、外筒金具14の内径寸法よりも僅かに小さな外径寸
法をもっている。また、板ばね16には、径方向中間部
分において、内周側から外周側に向かって周方向に傾斜
して略渦巻き状に延びる貫通穴としてのスリット48
が、周方向に互いに等間隔に3本形成されている。換言
すれば、板ばね16は、それぞれ周方向に連続した円形
のリング板形状を有する内周側円環状部50と外周側円
環状部52が、それらの径方向間において周方向に傾斜
して略一定幅:bで略渦巻き状に延びる3本の帯板状の
弾性板部54によって一体的に連結された形状を有して
いる。これにより、内周側円環板状部50と外周側円環
板状部52の径方向での相対変位に対しては、何れの径
方向においても、大きなばね剛性が発揮されて、板ばね
16の弾性変形が防止される一方、内周側円環状部50
と外周側円環状部52の軸方向での相対変位に対して
は、弾性板部54の各部位における変形量(歪)および
発生応力が抑えられて、より小さなばね剛性で弾性変形
が容易に許容されると共に、良好な耐久性のもとに許容
弾性変形量を大きく設定することが出来るようになって
いる。
【0029】また、図3に示されているように、これら
の板ばね16,16は、何れも、その表面がゴム弾性膜
56によって被覆されている。特に、本実施形態では、
かかるゴム弾性膜56が、板ばね16の表裏両面と内外
周面を含む全表面を覆う状態で、板ばね16に加硫接着
されている。これにより、板ばね16における3つのス
リット48の形成部位においては、それぞれ、ゴム弾性
膜56によって薄肉の蓋ゴム膜58が形成されており、
この蓋ゴム膜58によって、スリット48が流体密に覆
蓋されている。また、かかる蓋ゴム膜58は、外周縁部
が板ばね16に加硫接着されており、弾性変形に基づい
て、板ばね16の両面側への膨出変形が許容されるよう
になっている。更に、板ばね16における内周側円環状
部50と外周側円環状部52には、それぞれ、表裏両面
を全周に亘って略一定の肉厚で覆うシールゴム層60が
形成されている。
の板ばね16,16は、何れも、その表面がゴム弾性膜
56によって被覆されている。特に、本実施形態では、
かかるゴム弾性膜56が、板ばね16の表裏両面と内外
周面を含む全表面を覆う状態で、板ばね16に加硫接着
されている。これにより、板ばね16における3つのス
リット48の形成部位においては、それぞれ、ゴム弾性
膜56によって薄肉の蓋ゴム膜58が形成されており、
この蓋ゴム膜58によって、スリット48が流体密に覆
蓋されている。また、かかる蓋ゴム膜58は、外周縁部
が板ばね16に加硫接着されており、弾性変形に基づい
て、板ばね16の両面側への膨出変形が許容されるよう
になっている。更に、板ばね16における内周側円環状
部50と外周側円環状部52には、それぞれ、表裏両面
を全周に亘って略一定の肉厚で覆うシールゴム層60が
形成されている。
【0030】そして、これらの板ばね16,16は、内
筒金具12と外筒金具14の軸方向両端部において、そ
れぞれ、内筒金具12に外挿されると共に、外筒金具1
4に内挿された状態で組み付けられている。また、軸方
向上側に配された板ばね16aは、その内周縁部(内周
側円環状部50の内周部分)が、ボビン24の上面に重
ね合わされて、該ボビン24の内周縁部と共に、内筒金
具12に外嵌固定された内側固定スリーブ32と外側固
定スリーブ34の間で軸方向に挟持されて、内筒金具1
2に位置固定に取り付けられている一方、その外周縁部
(外周側円環状部52の外周部分)が、外筒金具14の
内周面にそれぞれ嵌着固定された外周ヨーク42と上固
定リング62の間で軸方向に挟持されて、外筒金具14
に位置固定に取り付けられている。また一方、軸方向下
側に配された板ばね16bは、その内周縁部の上面に重
ね合わされた円環状のスペーサ64と共に、内筒金具1
2に外嵌固定された内側固定スリーブ32と外側固定ス
リーブ34の間で軸方向に挟持されて、内筒金具12に
位置固定に取り付けられている一方、その外周縁部(外
周側円環状部52の外周部分)が、外筒金具14の内周
面にそれぞれ嵌着固定されたヨーク固定スリーブ44と
下固定リング66の間で軸方向に挟持されて、外筒金具
14に位置固定に取り付けられている。
筒金具12と外筒金具14の軸方向両端部において、そ
れぞれ、内筒金具12に外挿されると共に、外筒金具1
4に内挿された状態で組み付けられている。また、軸方
向上側に配された板ばね16aは、その内周縁部(内周
側円環状部50の内周部分)が、ボビン24の上面に重
ね合わされて、該ボビン24の内周縁部と共に、内筒金
具12に外嵌固定された内側固定スリーブ32と外側固
定スリーブ34の間で軸方向に挟持されて、内筒金具1
2に位置固定に取り付けられている一方、その外周縁部
(外周側円環状部52の外周部分)が、外筒金具14の
内周面にそれぞれ嵌着固定された外周ヨーク42と上固
定リング62の間で軸方向に挟持されて、外筒金具14
に位置固定に取り付けられている。また一方、軸方向下
側に配された板ばね16bは、その内周縁部の上面に重
ね合わされた円環状のスペーサ64と共に、内筒金具1
2に外嵌固定された内側固定スリーブ32と外側固定ス
リーブ34の間で軸方向に挟持されて、内筒金具12に
位置固定に取り付けられている一方、その外周縁部(外
周側円環状部52の外周部分)が、外筒金具14の内周
面にそれぞれ嵌着固定されたヨーク固定スリーブ44と
下固定リング66の間で軸方向に挟持されて、外筒金具
14に位置固定に取り付けられている。
【0031】このようにして組み付けられた板ばね1
6,16は、内外筒金具12,14の軸方向両端部分に
おいて、それぞれ、軸直角方向に広がって配設されるこ
ととなり、以て、内外筒金具12,14間に形成された
電磁力発生機構18の配設スペースの軸方向両側開口
が、かかる一対の板ばね16,16によって覆蓋されて
いる。そして、各板ばね16,16の大きな径方向ばね
剛性に基づいて、内外筒金具12,14が、軸直角方向
で相互に高精度に位置決めされていると共に、各板ばね
16,16の比較的柔らかい軸方向ばね剛性に基づい
て、内外筒金具12,14の軸方向での相対変位が低ば
ね定数をもって許容されるようになっている。
6,16は、内外筒金具12,14の軸方向両端部分に
おいて、それぞれ、軸直角方向に広がって配設されるこ
ととなり、以て、内外筒金具12,14間に形成された
電磁力発生機構18の配設スペースの軸方向両側開口
が、かかる一対の板ばね16,16によって覆蓋されて
いる。そして、各板ばね16,16の大きな径方向ばね
剛性に基づいて、内外筒金具12,14が、軸直角方向
で相互に高精度に位置決めされていると共に、各板ばね
16,16の比較的柔らかい軸方向ばね剛性に基づい
て、内外筒金具12,14の軸方向での相対変位が低ば
ね定数をもって許容されるようになっている。
【0032】また、各板ばね16,16は、スリット4
8が蓋ゴム膜58で覆蓋されていることに加えて、内外
周縁部が、内側固定スリーブ32と外側固定スリーブ3
4の間および外周ヨーク42またはヨーク固定スリーブ
44と上下固定リング62,66の間で、それぞれシー
ルゴム層60を挟んで軸方向に挟圧された状態で、内外
筒金具12,14に取り付けられていることから、内外
筒金具12,14間に形成された電磁力発生機構18の
配設スペースが、軸方向両側の開口部を一対の板ばね1
6,16により密閉状態で覆蓋されることによって、外
部空間に対して仕切られている。
8が蓋ゴム膜58で覆蓋されていることに加えて、内外
周縁部が、内側固定スリーブ32と外側固定スリーブ3
4の間および外周ヨーク42またはヨーク固定スリーブ
44と上下固定リング62,66の間で、それぞれシー
ルゴム層60を挟んで軸方向に挟圧された状態で、内外
筒金具12,14に取り付けられていることから、内外
筒金具12,14間に形成された電磁力発生機構18の
配設スペースが、軸方向両側の開口部を一対の板ばね1
6,16により密閉状態で覆蓋されることによって、外
部空間に対して仕切られている。
【0033】このような構造とされた制振器10は、例
えば内筒金具12を、防振すべき振動部材に対して、そ
の中心軸が防振すべき振動方向に略一致する状態で取り
付けて、防振すべき振動に対応した周波数や位相等を有
する電流を、リード線68を通じてコイル20に給電す
ることにより、電磁力発生機構18に生ぜしめられる電
磁力に基づいて、コイル20と永久磁石22の間、ひい
ては内筒金具12と外筒金具14の間に軸方向の相対変
位力が生ぜしめられ、それが加振力として、内筒金具1
2から防振すべき振動部材に及ぼされることとなり、以
て、かかる加振力によって、振動部材に対して能動的乃
至は相殺的な制振力が作用せしめられるのである。な
お、コイル20に通電するためのリード線68は、内筒
金具12に外嵌固定された給電用スリーブ70によっ
て、内筒金具12への連結部位が補強されている。
えば内筒金具12を、防振すべき振動部材に対して、そ
の中心軸が防振すべき振動方向に略一致する状態で取り
付けて、防振すべき振動に対応した周波数や位相等を有
する電流を、リード線68を通じてコイル20に給電す
ることにより、電磁力発生機構18に生ぜしめられる電
磁力に基づいて、コイル20と永久磁石22の間、ひい
ては内筒金具12と外筒金具14の間に軸方向の相対変
位力が生ぜしめられ、それが加振力として、内筒金具1
2から防振すべき振動部材に及ぼされることとなり、以
て、かかる加振力によって、振動部材に対して能動的乃
至は相殺的な制振力が作用せしめられるのである。な
お、コイル20に通電するためのリード線68は、内筒
金具12に外嵌固定された給電用スリーブ70によっ
て、内筒金具12への連結部位が補強されている。
【0034】そこにおいて、かかる制振器10において
は、軸方向に相対加振変位せしめられる内筒金具12と
外筒金具14が、スリット48が形成されて軸直角方向
に広がって配された一対の板ばね16,16で連結され
ていることから、内外筒金具12,14が同一中心軸上
に安定して位置決めされ得て、内筒金具12側のコイル
20等の部材と外筒金具14側の永久磁石22等の部材
との接触が防止されてカジリや作動不良等の不具合が回
避され得る。
は、軸方向に相対加振変位せしめられる内筒金具12と
外筒金具14が、スリット48が形成されて軸直角方向
に広がって配された一対の板ばね16,16で連結され
ていることから、内外筒金具12,14が同一中心軸上
に安定して位置決めされ得て、内筒金具12側のコイル
20等の部材と外筒金具14側の永久磁石22等の部材
との接触が防止されてカジリや作動不良等の不具合が回
避され得る。
【0035】また、板ばね16,16によって内外筒金
具12,14が同一中心軸上で安定して位置決めされる
ことから、コイル20と磁気ギャップ46の形成面との
間隙を十分に小さく設定して電磁力をより効率的に得る
ことが可能となると共に、板ばね16,16の軸方向の
ばね定数がスリット48で低減されていることから、内
外筒金具12,14が、優れたエネルギ効率で加振変位
せしめられて、加振力が効率的に生ぜしめられるのであ
る。更に、板ばね16,16によって内外筒金具12,
14が同一中心軸上に安定して位置決めされることか
ら、内外筒金具12,14を軸方向に案内する摺動スリ
ーブ等を特別に設ける必要がなく、摺動抵抗等に起因す
る加振力発生効率の低下も有利に回避され得る。
具12,14が同一中心軸上で安定して位置決めされる
ことから、コイル20と磁気ギャップ46の形成面との
間隙を十分に小さく設定して電磁力をより効率的に得る
ことが可能となると共に、板ばね16,16の軸方向の
ばね定数がスリット48で低減されていることから、内
外筒金具12,14が、優れたエネルギ効率で加振変位
せしめられて、加振力が効率的に生ぜしめられるのであ
る。更に、板ばね16,16によって内外筒金具12,
14が同一中心軸上に安定して位置決めされることか
ら、内外筒金具12,14を軸方向に案内する摺動スリ
ーブ等を特別に設ける必要がなく、摺動抵抗等に起因す
る加振力発生効率の低下も有利に回避され得る。
【0036】しかも、板ばね16,16のスリット48
が、蓋ゴム膜58で覆蓋されていることに加えて、板ば
ね16,16の内外周縁部の内外筒金具12,14への
挟圧固定部位が、何れもシールゴム層60でシールされ
ていることから、電磁力発生機構18の配設スペースが
外部空間から有利に封じられて、該配設スペースへの水
や泥,塵等の侵入が防止されることから、電磁力発生機
構18の作動安定性と耐久性の更なる向上が実現され
る。また、電磁力発生機構18の配設スペースを外部空
間から封ずるシール機構が、板ばね16を利用して構成
されることから、特別なシール部材等が不要となって構
造が簡略化されると共に、軸方向厚さが小さくてコンパ
クトなシール機構が実現され得る。特に、平面的な形状
の板ばね16によってシール機構を構成したことによ
り、他部材への緩衝等に起因するシール性の損傷も有利
に回避され得る。また、板ばね16に設けられた蓋ゴム
膜58は、電磁力発生機構18の配設スペースの内方お
よび外方への膨出変形が許容されることから、通電や伝
熱に伴う発熱による配設スペース内圧力変化も、かかる
蓋ゴム膜58の弾性変形によって有利に軽減乃至は回避
され得る。なお、大きな圧力変化を回避するために、ゴ
ム弾性によって通常状態下で閉塞される針穴を蓋ゴム膜
58に形成しても良い。
が、蓋ゴム膜58で覆蓋されていることに加えて、板ば
ね16,16の内外周縁部の内外筒金具12,14への
挟圧固定部位が、何れもシールゴム層60でシールされ
ていることから、電磁力発生機構18の配設スペースが
外部空間から有利に封じられて、該配設スペースへの水
や泥,塵等の侵入が防止されることから、電磁力発生機
構18の作動安定性と耐久性の更なる向上が実現され
る。また、電磁力発生機構18の配設スペースを外部空
間から封ずるシール機構が、板ばね16を利用して構成
されることから、特別なシール部材等が不要となって構
造が簡略化されると共に、軸方向厚さが小さくてコンパ
クトなシール機構が実現され得る。特に、平面的な形状
の板ばね16によってシール機構を構成したことによ
り、他部材への緩衝等に起因するシール性の損傷も有利
に回避され得る。また、板ばね16に設けられた蓋ゴム
膜58は、電磁力発生機構18の配設スペースの内方お
よび外方への膨出変形が許容されることから、通電や伝
熱に伴う発熱による配設スペース内圧力変化も、かかる
蓋ゴム膜58の弾性変形によって有利に軽減乃至は回避
され得る。なお、大きな圧力変化を回避するために、ゴ
ム弾性によって通常状態下で閉塞される針穴を蓋ゴム膜
58に形成しても良い。
【0037】次に、図4には、本発明に従う加振器を用
いて構成された能動型防振装置の一具体例としての自動
車用エンジンマウント72が、示されている。かかるエ
ンジンマウント72は、互いに所定距離を隔てて配され
た第一の支持部材としての第一の支持金具74と第二の
支持部材としての第二の支持金具76が、本体ゴム弾性
体77によって弾性的に連結されており、図示しないパ
ワーユニットとボデーの間に介装されて、パワーユニッ
トをボデーに対して防振支持するようになっている。な
お、以下の説明中、上下方向とは、原則としてマウント
中心軸方向としての、図4中の上下方向を言う。
いて構成された能動型防振装置の一具体例としての自動
車用エンジンマウント72が、示されている。かかるエ
ンジンマウント72は、互いに所定距離を隔てて配され
た第一の支持部材としての第一の支持金具74と第二の
支持部材としての第二の支持金具76が、本体ゴム弾性
体77によって弾性的に連結されており、図示しないパ
ワーユニットとボデーの間に介装されて、パワーユニッ
トをボデーに対して防振支持するようになっている。な
お、以下の説明中、上下方向とは、原則としてマウント
中心軸方向としての、図4中の上下方向を言う。
【0038】より詳細には、第一の支持金具74は、略
円形の平板形状を有しており、マウント中心軸に対して
直交する方向に広がって配設されている。また、この第
一の支持金具74の下面中央には、下方に向かって小径
化する保持金具78が固着されており、この保持金具7
8の下端部には、マウント軸直角方向に広がる略傘形状
の傘金具80が、ボルト固定されている。更に、保持金
具78の上端部には、第一の支持金具74を貫通して上
方に突出する第一の取付ボルト82が立設されており、
この第一の取付ボルト82によって、第一の支持金具7
4がパワーユニットに固定されるようになっている。
円形の平板形状を有しており、マウント中心軸に対して
直交する方向に広がって配設されている。また、この第
一の支持金具74の下面中央には、下方に向かって小径
化する保持金具78が固着されており、この保持金具7
8の下端部には、マウント軸直角方向に広がる略傘形状
の傘金具80が、ボルト固定されている。更に、保持金
具78の上端部には、第一の支持金具74を貫通して上
方に突出する第一の取付ボルト82が立設されており、
この第一の取付ボルト82によって、第一の支持金具7
4がパワーユニットに固定されるようになっている。
【0039】また一方、第二の支持金具76は、それぞ
れ大径の略円筒形状を有する上筒金具84と下筒金具8
6から構成されており、それら上下筒金具84,86が
軸方向に同軸的に重ね合わされ、上筒金具84の下端開
口部に設けられたかしめ部88が、下筒金具86の上端
開口部に設けられたフランジ部90にかしめ固定される
ことによって一体化されている。また、上筒金具84の
上側開口部分は、軸方向所定長さに亘って、開口部側に
向かって次第に拡開するテーパ部92とされており、こ
のテーパ部92が、第一の支持金具74に固設された保
持金具78のテーパ状外周面に対して対向せしめられて
いる。更に、下筒金具86の下側開口部には、軸直角方
向外方に広がる固定板部94が一体形成されており、こ
の固定板部94が、図示しないボデーの取付面に重ね合
わされてボルト固定されることによって、第二の支持金
具76がボデーに取り付けられるようになっている。
れ大径の略円筒形状を有する上筒金具84と下筒金具8
6から構成されており、それら上下筒金具84,86が
軸方向に同軸的に重ね合わされ、上筒金具84の下端開
口部に設けられたかしめ部88が、下筒金具86の上端
開口部に設けられたフランジ部90にかしめ固定される
ことによって一体化されている。また、上筒金具84の
上側開口部分は、軸方向所定長さに亘って、開口部側に
向かって次第に拡開するテーパ部92とされており、こ
のテーパ部92が、第一の支持金具74に固設された保
持金具78のテーパ状外周面に対して対向せしめられて
いる。更に、下筒金具86の下側開口部には、軸直角方
向外方に広がる固定板部94が一体形成されており、こ
の固定板部94が、図示しないボデーの取付面に重ね合
わされてボルト固定されることによって、第二の支持金
具76がボデーに取り付けられるようになっている。
【0040】そして、第二の支持金具76の上側開口部
側に離間して、第一の支持金具74が、略同一軸上で対
向配置されており、これら第一の支持金具74と第二の
支持金具76の間に本体ゴム弾性体77が介装されてい
る。この本体ゴム弾性体77は、上方に向かって小径化
する厚肉の略テーパ付円筒形状を有しており、小径側端
面に第一の支持金具74が重ね合わされて加硫接着され
ていると共に、中心孔に保持金具78が貫通配置され
て、該保持金具78の外周面が中心孔の内周面に加硫接
着されている。一方、本体ゴム弾性体77の大径側端部
の外周面には、第二の支持金具76を構成する上筒金具
84のテーパ部92が加硫接着されている。要するに、
本体ゴム弾性体77は、第一の支持金具74および保持
金具78と上筒金具84を備えた一体加硫成形品として
形成されている。なお、本体ゴム弾性体77の筒壁部に
は、軸方向中間部分において、上方に向かって拡径する
薄肉の略テーパ筒状を有する補強金具96が埋設状態で
加硫接着されている。また、このようにして第一の支持
金具74と第二の支持金具76が本体ゴム弾性体77で
連結されることによって、第二の支持金具76(上筒金
具84)の上側開口部が、本体ゴム弾性体77によって
流体密に閉塞されている。
側に離間して、第一の支持金具74が、略同一軸上で対
向配置されており、これら第一の支持金具74と第二の
支持金具76の間に本体ゴム弾性体77が介装されてい
る。この本体ゴム弾性体77は、上方に向かって小径化
する厚肉の略テーパ付円筒形状を有しており、小径側端
面に第一の支持金具74が重ね合わされて加硫接着され
ていると共に、中心孔に保持金具78が貫通配置され
て、該保持金具78の外周面が中心孔の内周面に加硫接
着されている。一方、本体ゴム弾性体77の大径側端部
の外周面には、第二の支持金具76を構成する上筒金具
84のテーパ部92が加硫接着されている。要するに、
本体ゴム弾性体77は、第一の支持金具74および保持
金具78と上筒金具84を備えた一体加硫成形品として
形成されている。なお、本体ゴム弾性体77の筒壁部に
は、軸方向中間部分において、上方に向かって拡径する
薄肉の略テーパ筒状を有する補強金具96が埋設状態で
加硫接着されている。また、このようにして第一の支持
金具74と第二の支持金具76が本体ゴム弾性体77で
連結されることによって、第二の支持金具76(上筒金
具84)の上側開口部が、本体ゴム弾性体77によって
流体密に閉塞されている。
【0041】さらに、第二の支持金具76を構成する上
筒金具84の下側開口部には、略円板形状の仕切板金具
98が配設されており、この仕切板金具98の外周縁部
が、上下筒金具84,86のかしめ部で挟持されること
によって、上筒金具84の下側開口部が流体密に覆蓋さ
れている。これにより、上筒金具84の内部には、本体
ゴム弾性体77と仕切板金具98の対向面間において、
水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコー
ル,シリコーン油等の非圧縮性流体が封入されて、振動
入力時に本体ゴム弾性体77の弾性変形に伴う圧力変化
が生ぜしめられる主液室100が形成されている。な
お、この主液室100内には、マウント中心軸に直交し
て広がる傘金具80が配されており、パワーユニット荷
重が及ぼされた装着状態下で該傘金具80が主液室10
0内の略中央に位置せしめられて、傘金具80の外周面
と主液室100の内周面の間に環状の狭窄流路が形成さ
れるようになっている。そして、振動入力時に、この狭
窄流路を通じて主液室100内を流動せしめられる流体
の共振作用に基づいて、例えばこもり音等の高周波振動
に対して有効な受動的防振効果が発揮されるように、狭
窄流路の大きさや流路長さ等がチューニングされてい
る。
筒金具84の下側開口部には、略円板形状の仕切板金具
98が配設されており、この仕切板金具98の外周縁部
が、上下筒金具84,86のかしめ部で挟持されること
によって、上筒金具84の下側開口部が流体密に覆蓋さ
れている。これにより、上筒金具84の内部には、本体
ゴム弾性体77と仕切板金具98の対向面間において、
水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコー
ル,シリコーン油等の非圧縮性流体が封入されて、振動
入力時に本体ゴム弾性体77の弾性変形に伴う圧力変化
が生ぜしめられる主液室100が形成されている。な
お、この主液室100内には、マウント中心軸に直交し
て広がる傘金具80が配されており、パワーユニット荷
重が及ぼされた装着状態下で該傘金具80が主液室10
0内の略中央に位置せしめられて、傘金具80の外周面
と主液室100の内周面の間に環状の狭窄流路が形成さ
れるようになっている。そして、振動入力時に、この狭
窄流路を通じて主液室100内を流動せしめられる流体
の共振作用に基づいて、例えばこもり音等の高周波振動
に対して有効な受動的防振効果が発揮されるように、狭
窄流路の大きさや流路長さ等がチューニングされてい
る。
【0042】また、仕切板金具98の下面には、外周部
分に環状凹部を有する略円板形状の第一のオリフィス形
成金具102と、中央透孔105の周囲に沿って延びる
環状凹部を有する第二のオリフィス形成金具104が重
ね合わされて配設されており、それら第一及び第二のオ
リフィス形成金具102,104の外周縁部が、仕切板
金具98の外周縁部と共に、上下筒金具84,86のか
しめ部で挟持されることによって、第二の支持金具76
に対して固定的に組み付けられている。そして、仕切板
金具98と第一のオリフィス形成金具102の重ね合わ
せ面間において、下筒金具86の内周面に沿って周方向
に延びる第一の環状流路106が形成されている。ま
た、第一のオリフィス形成金具102と第二のオリフィ
ス形成金具104の重ね合わせ面間には、下筒金具86
の内周面に沿って周方向に延びる第二の環状流路108
が形成されている。
分に環状凹部を有する略円板形状の第一のオリフィス形
成金具102と、中央透孔105の周囲に沿って延びる
環状凹部を有する第二のオリフィス形成金具104が重
ね合わされて配設されており、それら第一及び第二のオ
リフィス形成金具102,104の外周縁部が、仕切板
金具98の外周縁部と共に、上下筒金具84,86のか
しめ部で挟持されることによって、第二の支持金具76
に対して固定的に組み付けられている。そして、仕切板
金具98と第一のオリフィス形成金具102の重ね合わ
せ面間において、下筒金具86の内周面に沿って周方向
に延びる第一の環状流路106が形成されている。ま
た、第一のオリフィス形成金具102と第二のオリフィ
ス形成金具104の重ね合わせ面間には、下筒金具86
の内周面に沿って周方向に延びる第二の環状流路108
が形成されている。
【0043】また、第一のオリフィス形成金具104の
中央部分は、仕切板金具98に密接状に重ね合わされて
おり、以て、第一のオリフィス形成金具104の中央部
分で底壁部が構成されると共に、第一及び第二のオリフ
ィス形成金具102,104の環状凹部で外周壁部が構
成されて、下方に向かって開口する中央凹所114が形
成されている。更に、第二のオリフィス形成金具104
の中央透孔105には、加振部材としての略厚肉円板形
状の加振板ゴム110が配設されており、該加振板ゴム
100の外周面が第二のオリフィス形成金具104の内
周面に加硫接着されることによって、第二のオリフィス
形成金具104の中央透孔105が加振板ゴム100に
よって流体密に閉塞されている。なお、加振板ゴム10
0の中央部分には、逆カップ形状の第一の連結金具11
2が加硫接着されている。これにより、第一及び第二の
オリフィス形成金具102,104に形成された中央凹
所114の開口部が加振板ゴム110で流体密に覆蓋さ
れて、非圧縮性流体が封入された副液室116が形成さ
れている。そして、かかる副液室116は、その壁部の
一部を構成する加振板ゴム110が変位せしめられるこ
とにより、圧力変化が生ぜしめられるようになってい
る。
中央部分は、仕切板金具98に密接状に重ね合わされて
おり、以て、第一のオリフィス形成金具104の中央部
分で底壁部が構成されると共に、第一及び第二のオリフ
ィス形成金具102,104の環状凹部で外周壁部が構
成されて、下方に向かって開口する中央凹所114が形
成されている。更に、第二のオリフィス形成金具104
の中央透孔105には、加振部材としての略厚肉円板形
状の加振板ゴム110が配設されており、該加振板ゴム
100の外周面が第二のオリフィス形成金具104の内
周面に加硫接着されることによって、第二のオリフィス
形成金具104の中央透孔105が加振板ゴム100に
よって流体密に閉塞されている。なお、加振板ゴム10
0の中央部分には、逆カップ形状の第一の連結金具11
2が加硫接着されている。これにより、第一及び第二の
オリフィス形成金具102,104に形成された中央凹
所114の開口部が加振板ゴム110で流体密に覆蓋さ
れて、非圧縮性流体が封入された副液室116が形成さ
れている。そして、かかる副液室116は、その壁部の
一部を構成する加振板ゴム110が変位せしめられるこ
とにより、圧力変化が生ぜしめられるようになってい
る。
【0044】更にまた、第二の支持金具76を構成する
下筒金具86の下側開口部には、薄肉ゴム膜からなる可
撓性膜としてのダイヤフラム118が配設されている。
このダイヤフラム118は、変形容易なように弛みをも
たせた円環板形状を有しており、中央部分には、深底の
逆カップ形状を有する第二の連結金具120の筒壁部外
周面が加硫接着されていると共に、外周部分には、大径
の円筒形状を有する取付筒金具122が加硫接着されて
いる。そして、取付筒金具122の上側開口周縁部に一
体形成されたフランジ状部124が、仕切板金具98や
第一及び第二のオリフィス形成金具102,104の外
周縁部と共に、上筒金具24と下筒金具26のかしめ部
間で一体的に挟持されることにより、第二の支持金具7
6に対して固定されている。また、第二の連結金具12
0は、加振板ゴム110に加硫接着された第一の連結金
具112に対して圧入固定されて一体的に連結されてい
る。
下筒金具86の下側開口部には、薄肉ゴム膜からなる可
撓性膜としてのダイヤフラム118が配設されている。
このダイヤフラム118は、変形容易なように弛みをも
たせた円環板形状を有しており、中央部分には、深底の
逆カップ形状を有する第二の連結金具120の筒壁部外
周面が加硫接着されていると共に、外周部分には、大径
の円筒形状を有する取付筒金具122が加硫接着されて
いる。そして、取付筒金具122の上側開口周縁部に一
体形成されたフランジ状部124が、仕切板金具98や
第一及び第二のオリフィス形成金具102,104の外
周縁部と共に、上筒金具24と下筒金具26のかしめ部
間で一体的に挟持されることにより、第二の支持金具7
6に対して固定されている。また、第二の連結金具12
0は、加振板ゴム110に加硫接着された第一の連結金
具112に対して圧入固定されて一体的に連結されてい
る。
【0045】これにより、下筒金具86の下側開口部が
ダイヤフラム118によって流体密に覆蓋されており、
以て、加振板ゴム110を挟んで副液室116と反対側
には、加振板ゴム110とダイヤフラム118の対向面
間において、非圧縮性流体が封入された平衡室126が
形成されている。そして、この平衡室126は、壁部の
一部を構成するダイヤフラム118の容易な変位に基づ
いて、容積変化が容易に許容されて内圧変動が可及的に
軽減乃至は回避されるようになっている。
ダイヤフラム118によって流体密に覆蓋されており、
以て、加振板ゴム110を挟んで副液室116と反対側
には、加振板ゴム110とダイヤフラム118の対向面
間において、非圧縮性流体が封入された平衡室126が
形成されている。そして、この平衡室126は、壁部の
一部を構成するダイヤフラム118の容易な変位に基づ
いて、容積変化が容易に許容されて内圧変動が可及的に
軽減乃至は回避されるようになっている。
【0046】また、第一の環状流路106が、主液室1
00と副液室116に開口せしめられており、以て、そ
れら主液室100と副液室116の間で第一の環状通路
106を通じての流体流動が生ぜしめられるようになっ
ている。また、第二の環状流路108が、第一の環状流
路106と平衡室126に開口せしめられており、以
て、第一の環状流路106に直列に接続されて、該第一
の環状流路106と協働して、主液室100と平衡室1
26を連通してそれら両室100,126間での流体流
動を許容し得るようになっている。なお、このことから
明らかなように、本実施形態では、主液室100と副液
室116によって、加振板ゴム110の変位に基づいて
内圧変化が生ぜしめられる受圧室が構成されており、こ
の受圧室と平衡室126によって、非圧縮性流体が封入
された流体室が構成されている。
00と副液室116に開口せしめられており、以て、そ
れら主液室100と副液室116の間で第一の環状通路
106を通じての流体流動が生ぜしめられるようになっ
ている。また、第二の環状流路108が、第一の環状流
路106と平衡室126に開口せしめられており、以
て、第一の環状流路106に直列に接続されて、該第一
の環状流路106と協働して、主液室100と平衡室1
26を連通してそれら両室100,126間での流体流
動を許容し得るようになっている。なお、このことから
明らかなように、本実施形態では、主液室100と副液
室116によって、加振板ゴム110の変位に基づいて
内圧変化が生ぜしめられる受圧室が構成されており、こ
の受圧室と平衡室126によって、非圧縮性流体が封入
された流体室が構成されている。
【0047】そして、上述の如き構造とされたマウント
本体においては、加振板ゴム110を加振することによ
って、副液室116に直接に内圧変動が生ぜしめられ
て、この内圧変動が、第一の環状流路106を通じて主
液室100に伝達されることにより、主液室100が内
圧制御され、また主液室100の内圧変化に伴う加振力
が第一の支持金具74と第二の支持金具76の間に生ぜ
しめられて、能動的な防振効果が発揮されることとな
る。そこにおいて、副液室116から主液室100への
圧力伝達が、例えばアイドリング振動等の中周波数域の
防振すべき振動周波数域において、第一の環状流路10
6を流動する流体の共振作用に基づいて効率的に為され
得るように、第一の環状流路106の流路断面積や長さ
がチューニングされている。
本体においては、加振板ゴム110を加振することによ
って、副液室116に直接に内圧変動が生ぜしめられ
て、この内圧変動が、第一の環状流路106を通じて主
液室100に伝達されることにより、主液室100が内
圧制御され、また主液室100の内圧変化に伴う加振力
が第一の支持金具74と第二の支持金具76の間に生ぜ
しめられて、能動的な防振効果が発揮されることとな
る。そこにおいて、副液室116から主液室100への
圧力伝達が、例えばアイドリング振動等の中周波数域の
防振すべき振動周波数域において、第一の環状流路10
6を流動する流体の共振作用に基づいて効率的に為され
得るように、第一の環状流路106の流路断面積や長さ
がチューニングされている。
【0048】さらに、かかるマウント本体においては、
振動入力時に本体ゴム弾性体77の弾性変形に伴って主
液室100に内圧変動が生ぜしめられると、主液室10
0と平衡室126の圧力差に基づいて、第一及び第二の
環状流路106,108を通じての流体流動が生ぜしめ
られることとなり、これらの環状流路106,108を
流動する流体の共振作用に基づいて受動的な防振効果が
発揮されるようになっている。特に、本実施形態では、
第一及び第二の環状流路106,108を通じての流体
の流動作用に基づく受動的な防振効果が、前記第一の環
状流路106がチューニングされた能動的防振効果が発
揮される振動周波数域よりも低周波数域の入力振動(例
えば、シェイク振動)に対して発揮されるように、第一
及び第二の環状流路106,108の流路断面積や長さ
がチューニングされている。また、第二の環状流路10
8は、第一の環状流路106よりも流路長さ:Lと流路
断面積:Aの比(A/L)の値が小さくされて、流通抵
抗が大きくされており、加振板ゴム110の加振時に、
副液室116から第二の環状流路108を通じて平衡室
126に逃げる流体流動が抑えられて、第一の環状流路
106を通じての副液室116と主液室100の間での
流体流動が有利に生ぜしめられるようになっている。
振動入力時に本体ゴム弾性体77の弾性変形に伴って主
液室100に内圧変動が生ぜしめられると、主液室10
0と平衡室126の圧力差に基づいて、第一及び第二の
環状流路106,108を通じての流体流動が生ぜしめ
られることとなり、これらの環状流路106,108を
流動する流体の共振作用に基づいて受動的な防振効果が
発揮されるようになっている。特に、本実施形態では、
第一及び第二の環状流路106,108を通じての流体
の流動作用に基づく受動的な防振効果が、前記第一の環
状流路106がチューニングされた能動的防振効果が発
揮される振動周波数域よりも低周波数域の入力振動(例
えば、シェイク振動)に対して発揮されるように、第一
及び第二の環状流路106,108の流路断面積や長さ
がチューニングされている。また、第二の環状流路10
8は、第一の環状流路106よりも流路長さ:Lと流路
断面積:Aの比(A/L)の値が小さくされて、流通抵
抗が大きくされており、加振板ゴム110の加振時に、
副液室116から第二の環状流路108を通じて平衡室
126に逃げる流体流動が抑えられて、第一の環状流路
106を通じての副液室116と主液室100の間での
流体流動が有利に生ぜしめられるようになっている。
【0049】そして、このようなマウント本体に対し
て、本発明に従う構造とされた加振器128が組み付け
られており、該加振器128によって加振板ゴム110
が加振駆動されるようになっている。
て、本発明に従う構造とされた加振器128が組み付け
られており、該加振器128によって加振板ゴム110
が加振駆動されるようになっている。
【0050】かかる加振器128は、互いに径方向に所
定距離を隔てて同軸的に配設された軸部材としての出力
ロッド130とアウタ筒部材としての外筒金具132を
備えており、それら出力ロッド130と外筒金具132
が、一対の板ばね134,134によって軸方向に相対
変位可能に弾性連結されている。また、出力ロッド13
0と外筒金具132の間には、電磁力発生機構136が
組み付けられており、この電磁力発生機構136への給
電を制御することによって出力ロッド130と外筒金具
132の間に軸方向の相対変位力が及ぼされるようにな
っている。なお、以下の説明中、上下方向とは、図4中
の上下方向をいうものとする。
定距離を隔てて同軸的に配設された軸部材としての出力
ロッド130とアウタ筒部材としての外筒金具132を
備えており、それら出力ロッド130と外筒金具132
が、一対の板ばね134,134によって軸方向に相対
変位可能に弾性連結されている。また、出力ロッド13
0と外筒金具132の間には、電磁力発生機構136が
組み付けられており、この電磁力発生機構136への給
電を制御することによって出力ロッド130と外筒金具
132の間に軸方向の相対変位力が及ぼされるようにな
っている。なお、以下の説明中、上下方向とは、図4中
の上下方向をいうものとする。
【0051】より詳細には、出力ロッド130は、小径
の円形中実のロッド形状を有しており、該出力ロッド1
30の軸方向略中央部分に対して、磁石部材138が固
定されている。この磁石部材138は、公知の永久磁石
材で形成された円環板形状の永久磁石140に対して、
それぞれ強磁性材からなる円環ブロック形状の上下ヨー
ク142,144が重ね合わされた構造とされている。
そして、かかる磁石部材138は、永久磁石140およ
び上下ヨーク142,144の中心孔に出力ロッド13
0が挿通されて、その軸方向両端面が、出力ロッド13
0に外嵌固定された内側固定リング146,146で位
置決めされることによって、かかる磁石部材138が出
力ロッド130に固定されている。
の円形中実のロッド形状を有しており、該出力ロッド1
30の軸方向略中央部分に対して、磁石部材138が固
定されている。この磁石部材138は、公知の永久磁石
材で形成された円環板形状の永久磁石140に対して、
それぞれ強磁性材からなる円環ブロック形状の上下ヨー
ク142,144が重ね合わされた構造とされている。
そして、かかる磁石部材138は、永久磁石140およ
び上下ヨーク142,144の中心孔に出力ロッド13
0が挿通されて、その軸方向両端面が、出力ロッド13
0に外嵌固定された内側固定リング146,146で位
置決めされることによって、かかる磁石部材138が出
力ロッド130に固定されている。
【0052】また一方、外筒金具132は、薄肉の大径
円筒形状を有しており、該外筒金具132の内周面に対
して、コイル部材148が嵌着固定されている。このコ
イル部材148は、同軸上で互いに重ね合わされた第一
のコイル149と第二のコイル150を備えており、そ
れら両コイル149,150の重ね合わせ面間と軸方向
両側に、それぞれ、強磁性材からなる複数枚の円環板1
51が重ね合わされて固定されることによって、全体と
して実質的に一つの空芯構造のコイルが構成されてい
る。そして、このコイル部材148は、外筒金具132
に嵌め込まれて、軸方向両端面を、外筒金具132の内
周面に嵌着固定された固定リング152,152で位置
決めされることによって、かかるコイル部材148が外
筒金具132に固定されている。
円筒形状を有しており、該外筒金具132の内周面に対
して、コイル部材148が嵌着固定されている。このコ
イル部材148は、同軸上で互いに重ね合わされた第一
のコイル149と第二のコイル150を備えており、そ
れら両コイル149,150の重ね合わせ面間と軸方向
両側に、それぞれ、強磁性材からなる複数枚の円環板1
51が重ね合わされて固定されることによって、全体と
して実質的に一つの空芯構造のコイルが構成されてい
る。そして、このコイル部材148は、外筒金具132
に嵌め込まれて、軸方向両端面を、外筒金具132の内
周面に嵌着固定された固定リング152,152で位置
決めされることによって、かかるコイル部材148が外
筒金具132に固定されている。
【0053】また、外筒金具132に固定されたコイル
部材148の空芯径(内径寸法)は、出力ロッド130
に固定された磁石部材138の外径寸法よりも僅かに大
きくされており、互いに同一の中心軸上に配設された磁
石部材138とコイル部材148の径方向対向面間に
は、全体に亘って広がる略円筒形状の間隙が形成され、
それら磁石部材138とコイル部材148が、非接触状
態で、出力ロッド130および外筒金具132と共に、
軸方向に互いに相対変位可能とされている。
部材148の空芯径(内径寸法)は、出力ロッド130
に固定された磁石部材138の外径寸法よりも僅かに大
きくされており、互いに同一の中心軸上に配設された磁
石部材138とコイル部材148の径方向対向面間に
は、全体に亘って広がる略円筒形状の間隙が形成され、
それら磁石部材138とコイル部材148が、非接触状
態で、出力ロッド130および外筒金具132と共に、
軸方向に互いに相対変位可能とされている。
【0054】さらに、出力ロッド130と外筒金具13
2の各軸方向両端部間には、それぞれ板ばね134が配
設されており、これらの板ばね134,134によっ
て、出力ロッド130と外筒金具132が、上述の如き
同一の中心軸上に相対的に位置決め保持されるようにな
っている。かかる板ばね134は、図5に示されている
ように、前記第一の実施形態としての制振器(10)に
おける板ばね(16)と同様に、薄肉金属製の円環板形
状を有していると共に、径方向中間部分を内周側から外
周側に向かって略渦巻き状に延びる3つのスリット16
4が形成されており、内周側円環板状部156と外周側
円環板状部158が、内周側から外周側に向かって周方
向に傾斜して略渦巻き状に略一定幅で延びる3本の帯板
状の弾性板部160によって一体的に連結された構造と
されている。更に、図6に示されているように、これら
の板ばね134,134は、何れも、その表面がゴム弾
性膜162によって被覆されており、前記第一の実施形
態に係る板ばね(16)と同様に、各スリット164が
薄肉の蓋ゴム膜166で覆蓋されていると共に、内外周
の円環状部156,158の表裏両面を覆うシールゴム
層168が形成されている。
2の各軸方向両端部間には、それぞれ板ばね134が配
設されており、これらの板ばね134,134によっ
て、出力ロッド130と外筒金具132が、上述の如き
同一の中心軸上に相対的に位置決め保持されるようにな
っている。かかる板ばね134は、図5に示されている
ように、前記第一の実施形態としての制振器(10)に
おける板ばね(16)と同様に、薄肉金属製の円環板形
状を有していると共に、径方向中間部分を内周側から外
周側に向かって略渦巻き状に延びる3つのスリット16
4が形成されており、内周側円環板状部156と外周側
円環板状部158が、内周側から外周側に向かって周方
向に傾斜して略渦巻き状に略一定幅で延びる3本の帯板
状の弾性板部160によって一体的に連結された構造と
されている。更に、図6に示されているように、これら
の板ばね134,134は、何れも、その表面がゴム弾
性膜162によって被覆されており、前記第一の実施形
態に係る板ばね(16)と同様に、各スリット164が
薄肉の蓋ゴム膜166で覆蓋されていると共に、内外周
の円環状部156,158の表裏両面を覆うシールゴム
層168が形成されている。
【0055】そして、これらの板ばね134,134
は、出力ロッド130と外筒金具132の軸方向両端部
において、それぞれ、出力ロッド130に外挿されると
共に、外筒金具132に内挿された状態で組み付けられ
ており、それぞれ、内周縁部が、出力ロッド130に外
嵌固定された内側固定リング146と外側固定リング1
70の間で軸方向に挟持されて出力ロッド130に固定
されている一方、外周縁部が、外筒金具132に嵌着固
定された固定リング152と外筒金具132の軸方向端
部のかしめ部172の間で軸方向に挟持されて外筒金具
132に固定されている。このようにして組み付けられ
た板ばね134,134は、出力ロッド130と外筒金
具132の軸方向両端部分において、それぞれ、磁石部
材およびコイル部材148から軸方向外方に内側固定リ
ング146および固定リング152の軸方向寸法分だけ
離間した位置で、径方向中間部分の弾性変形が許容され
る状態で軸直角方向に広がって配設されることとなり、
以て、出力ロッド130と外筒金具132の間に形成さ
れた電磁力発生機構136の配設スペースの軸方向両側
開口が、かかる一対の板ばね134,134によって覆
蓋されている。
は、出力ロッド130と外筒金具132の軸方向両端部
において、それぞれ、出力ロッド130に外挿されると
共に、外筒金具132に内挿された状態で組み付けられ
ており、それぞれ、内周縁部が、出力ロッド130に外
嵌固定された内側固定リング146と外側固定リング1
70の間で軸方向に挟持されて出力ロッド130に固定
されている一方、外周縁部が、外筒金具132に嵌着固
定された固定リング152と外筒金具132の軸方向端
部のかしめ部172の間で軸方向に挟持されて外筒金具
132に固定されている。このようにして組み付けられ
た板ばね134,134は、出力ロッド130と外筒金
具132の軸方向両端部分において、それぞれ、磁石部
材およびコイル部材148から軸方向外方に内側固定リ
ング146および固定リング152の軸方向寸法分だけ
離間した位置で、径方向中間部分の弾性変形が許容され
る状態で軸直角方向に広がって配設されることとなり、
以て、出力ロッド130と外筒金具132の間に形成さ
れた電磁力発生機構136の配設スペースの軸方向両側
開口が、かかる一対の板ばね134,134によって覆
蓋されている。
【0056】これにより、加振器128においては、出
力ロッド130と外筒金具132が、各板ばね134,
134の大きな径方向ばね剛性に基づいて軸直角方向で
相互に高精度に位置決めされていると共に、各板ばね1
34,134の比較的柔らかい軸方向ばね剛性に基づい
て、出力ロッド130と外筒金具132の軸方向での相
対変位が低ばね定数をもって許容されるようになってい
る。そして、コイル部材148のコイル149,150
に通電することにより、磁石部材138とコイル部材1
48の間に生ぜしめられる磁力乃至は電磁力に基づい
て、それら磁石部材138とコイル部材148が、一対
の板ばね134,134によって同一軸上に位置決めさ
れた状態下で、それら板ばね134,134の弾性変形
に基づいて、軸方向に相対的に駆動変位せしめられるよ
うになっている。
力ロッド130と外筒金具132が、各板ばね134,
134の大きな径方向ばね剛性に基づいて軸直角方向で
相互に高精度に位置決めされていると共に、各板ばね1
34,134の比較的柔らかい軸方向ばね剛性に基づい
て、出力ロッド130と外筒金具132の軸方向での相
対変位が低ばね定数をもって許容されるようになってい
る。そして、コイル部材148のコイル149,150
に通電することにより、磁石部材138とコイル部材1
48の間に生ぜしめられる磁力乃至は電磁力に基づい
て、それら磁石部材138とコイル部材148が、一対
の板ばね134,134によって同一軸上に位置決めさ
れた状態下で、それら板ばね134,134の弾性変形
に基づいて、軸方向に相対的に駆動変位せしめられるよ
うになっている。
【0057】また、各板ばね134,134は、スリッ
ト164が蓋ゴム膜166で覆蓋されていることに加え
て、内外周縁部がシールゴム層168を挟んで軸方向に
挟圧された状態で、出力ロッド130と外筒金具132
に取り付けられていることから、電磁力発生機構136
の配設スペースが、軸方向両側の開口部を一対の板ばね
134,134により密閉状態で覆蓋されることによっ
て、外部空間に対して仕切られている。
ト164が蓋ゴム膜166で覆蓋されていることに加え
て、内外周縁部がシールゴム層168を挟んで軸方向に
挟圧された状態で、出力ロッド130と外筒金具132
に取り付けられていることから、電磁力発生機構136
の配設スペースが、軸方向両側の開口部を一対の板ばね
134,134により密閉状態で覆蓋されることによっ
て、外部空間に対して仕切られている。
【0058】このような構造とされた加振器128は、
図4に示されているように、大径の略円筒形状を有する
ブラケット174に対して、外筒金具132に圧入固定
されて組み付けられ、該ブラケット174の上側開口周
縁部に形成された外向きフランジ状の取付片176が、
マウント本体の第二の支持金具76を構成する下筒金具
86の固定板部94に重ね合わされてボルト等で固着さ
れることにより、マウント中心軸上に配設されている。
また、かかる加振器128の出力ロッド130は、軸方
向上端部にボルト固定された固定金具178が第二の連
結金具120に圧入固定されることにより、該第二の連
結金具120と第一の連結金具112を介して、加振板
ゴム110の中央部分に固定されている。
図4に示されているように、大径の略円筒形状を有する
ブラケット174に対して、外筒金具132に圧入固定
されて組み付けられ、該ブラケット174の上側開口周
縁部に形成された外向きフランジ状の取付片176が、
マウント本体の第二の支持金具76を構成する下筒金具
86の固定板部94に重ね合わされてボルト等で固着さ
れることにより、マウント中心軸上に配設されている。
また、かかる加振器128の出力ロッド130は、軸方
向上端部にボルト固定された固定金具178が第二の連
結金具120に圧入固定されることにより、該第二の連
結金具120と第一の連結金具112を介して、加振板
ゴム110の中央部分に固定されている。
【0059】それ故、加振器128におけるコイル部材
148のコイル149,150に対して、防振すべき振
動に対応した交番電流やパルス電流等を通電することに
より、電磁力発生機構136に生ぜしめられる軸方向の
相対的な往復駆動力が出力ロッド130から加振板ゴム
110に伝達されて、該加振板ゴム110が加振され
て、副液室116、ひいては主液室100に圧力変化が
生ぜしめられることとなるのであり、それによって、例
えば、防振しようとする振動に対する相殺的な加振力を
生ぜしめて能動的防振効果を得ることが出来、或いはま
た、防振しようとする振動入力時における主液室100
の圧力変化を積極的に解消せしめて振動伝達率を低減す
るような能動的防振効果を得ることが出来るのである。
148のコイル149,150に対して、防振すべき振
動に対応した交番電流やパルス電流等を通電することに
より、電磁力発生機構136に生ぜしめられる軸方向の
相対的な往復駆動力が出力ロッド130から加振板ゴム
110に伝達されて、該加振板ゴム110が加振され
て、副液室116、ひいては主液室100に圧力変化が
生ぜしめられることとなるのであり、それによって、例
えば、防振しようとする振動に対する相殺的な加振力を
生ぜしめて能動的防振効果を得ることが出来、或いはま
た、防振しようとする振動入力時における主液室100
の圧力変化を積極的に解消せしめて振動伝達率を低減す
るような能動的防振効果を得ることが出来るのである。
【0060】ここにおいて、上述の如き構造とされたエ
ンジンマウント72においては、加振板ゴム110を加
振駆動する加振器128が、電磁力等によって相対変位
せしめられる出力ロッド130と外筒金具132を、一
対の板ばね134,134で連結した構造とされている
ことから、それら出力ロッド130と外筒金具132
が、同一中心軸上に安定して位置決めされ得るのであ
り、また、板ばね134,134の軸方向のばね定数が
スリット164で低減されていること等から、出力ロッ
ド130と外筒金具132が、軸方向に効率的に相対変
位せしめられ得る。
ンジンマウント72においては、加振板ゴム110を加
振駆動する加振器128が、電磁力等によって相対変位
せしめられる出力ロッド130と外筒金具132を、一
対の板ばね134,134で連結した構造とされている
ことから、それら出力ロッド130と外筒金具132
が、同一中心軸上に安定して位置決めされ得るのであ
り、また、板ばね134,134の軸方向のばね定数が
スリット164で低減されていること等から、出力ロッ
ド130と外筒金具132が、軸方向に効率的に相対変
位せしめられ得る。
【0061】それ故、かかる加振器128においては、
前記第一の実施形態に係る制振器(10)と同様に、軸
方向の加振力を効率的に且つ安定して得ることが出来る
のであり、その結果、上述の如き構造とされたエンジン
マウント72においては、加振器128による加振板ゴ
ム110の加振駆動が、効率的に且つ安定して為され得
て、目的とする能動的防振効果を、より有効に且つ安定
して得ることが可能となるのである。
前記第一の実施形態に係る制振器(10)と同様に、軸
方向の加振力を効率的に且つ安定して得ることが出来る
のであり、その結果、上述の如き構造とされたエンジン
マウント72においては、加振器128による加振板ゴ
ム110の加振駆動が、効率的に且つ安定して為され得
て、目的とする能動的防振効果を、より有効に且つ安定
して得ることが可能となるのである。
【0062】次に、図7〜図9には、それぞれ、能動型
防振装置に関する本発明の別の実施形態としてのエンジ
ンマウントの要部縦断面図が示されている。なお、これ
らの実施形態は、何れも、エンジンマウントに採用され
る加振器128の別の具体例を示すものであり、図4に
示された前記エンジンマウント72と同様な構造とされ
た部材および部位については、それぞれ、図中に、図4
に示されたエンジンマウント72と同一の符号を付する
ことにより、それらの詳細な説明を省略する。
防振装置に関する本発明の別の実施形態としてのエンジ
ンマウントの要部縦断面図が示されている。なお、これ
らの実施形態は、何れも、エンジンマウントに採用され
る加振器128の別の具体例を示すものであり、図4に
示された前記エンジンマウント72と同様な構造とされ
た部材および部位については、それぞれ、図中に、図4
に示されたエンジンマウント72と同一の符号を付する
ことにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0063】先ず、図7に示されたエンジンマウントで
は、加振器128において、出力ロッド130と外筒金
具132の軸方向下端部間に配設された板ばね134に
対して、ゴム弾性膜が形成されておらず、図5に示され
た状態のまま、スリット164が覆蓋されずに開口状態
で存在している。そして、板ばね134がゴム弾性膜で
被覆されていない代わりに、板ばね134の軸方向外側
に位置して、変形容易な薄肉のゴム膜からなるダストブ
ーツ180が配設されている。このダストブーツ180
は、変形容易なように弛みをもたせた略円環板形状を有
しており、内周縁部には金属リング182が加硫接着さ
れている。そして、この金属リング182が出力ロッド
130の下端部に圧入される一方、ダストブーツ180
の外周縁部が、外筒金具132の下端開口部に対してか
しめ部172でかしめ固定されていることにより、板ば
ね134の軸方向外方において、出力ロッド130と外
筒金具132の間が、ダストブーツ180によって密閉
状態で外部空間からシールされている。
は、加振器128において、出力ロッド130と外筒金
具132の軸方向下端部間に配設された板ばね134に
対して、ゴム弾性膜が形成されておらず、図5に示され
た状態のまま、スリット164が覆蓋されずに開口状態
で存在している。そして、板ばね134がゴム弾性膜で
被覆されていない代わりに、板ばね134の軸方向外側
に位置して、変形容易な薄肉のゴム膜からなるダストブ
ーツ180が配設されている。このダストブーツ180
は、変形容易なように弛みをもたせた略円環板形状を有
しており、内周縁部には金属リング182が加硫接着さ
れている。そして、この金属リング182が出力ロッド
130の下端部に圧入される一方、ダストブーツ180
の外周縁部が、外筒金具132の下端開口部に対してか
しめ部172でかしめ固定されていることにより、板ば
ね134の軸方向外方において、出力ロッド130と外
筒金具132の間が、ダストブーツ180によって密閉
状態で外部空間からシールされている。
【0064】このような構造とされた加振器128を採
用した場合でも、図4に示されたエンジンマウントと同
様な効果が、何れも有効に発揮されるのであり、特に、
ダストブーツ180を採用したことによって、加振器1
28における電磁力発生機構136の配設領域の容積変
化が一層容易に許容されることとなり、例えば、かかる
配設領域の温度変化等に伴う圧力変動がより有利に軽減
乃至は解消され得る。
用した場合でも、図4に示されたエンジンマウントと同
様な効果が、何れも有効に発揮されるのであり、特に、
ダストブーツ180を採用したことによって、加振器1
28における電磁力発生機構136の配設領域の容積変
化が一層容易に許容されることとなり、例えば、かかる
配設領域の温度変化等に伴う圧力変動がより有利に軽減
乃至は解消され得る。
【0065】また、図8に示されたエンジンマウントで
は、加振器128において、厚肉の有底円筒形状を有す
る外筒金具184が採用されており、この外筒金具18
4が、直接に、マウント本体を構成する第二の支持金具
76(下筒金具86)にボルト等で固着されている。即
ち、加振器128の外筒金具184が、加振器128を
マウント本体に取り付けるブラケットを兼ねているので
ある。なお、外筒金具184の筒壁部には、底面から所
定高さ離間した位置を周方向に延びる段差面186が形
成されており、この段差面186で電磁力発生機構13
6の軸方向下端面が位置決め支持されている。これによ
り、外筒金具184の底部において、電磁力発生機構1
36を構成する軸方向下側の板ばね134および出力ロ
ッド130の下方に位置する空間188が形成されてお
り、この空間188によって、板ばね134の軸方向の
弾性変形と出力ロッド130の軸方向変位が許容される
ようになっている。なお、本実施形態では、電磁力発生
機構136の配設領域の軸方向下方の開口部が、外筒金
具132の底壁部で封止されていることから、軸方向下
側の板ばね134として、前記図7に示されたエンジン
マウントと同様、ゴム弾性膜を有しない構造のものが採
用されている。
は、加振器128において、厚肉の有底円筒形状を有す
る外筒金具184が採用されており、この外筒金具18
4が、直接に、マウント本体を構成する第二の支持金具
76(下筒金具86)にボルト等で固着されている。即
ち、加振器128の外筒金具184が、加振器128を
マウント本体に取り付けるブラケットを兼ねているので
ある。なお、外筒金具184の筒壁部には、底面から所
定高さ離間した位置を周方向に延びる段差面186が形
成されており、この段差面186で電磁力発生機構13
6の軸方向下端面が位置決め支持されている。これによ
り、外筒金具184の底部において、電磁力発生機構1
36を構成する軸方向下側の板ばね134および出力ロ
ッド130の下方に位置する空間188が形成されてお
り、この空間188によって、板ばね134の軸方向の
弾性変形と出力ロッド130の軸方向変位が許容される
ようになっている。なお、本実施形態では、電磁力発生
機構136の配設領域の軸方向下方の開口部が、外筒金
具132の底壁部で封止されていることから、軸方向下
側の板ばね134として、前記図7に示されたエンジン
マウントと同様、ゴム弾性膜を有しない構造のものが採
用されている。
【0066】このような構造とされた加振器128を採
用した場合でも、図4に示されたエンジンマウントと同
様な効果が、何れも有効に発揮されるのであり、特に、
電磁力発生機構136の配設領域と外部空間との隔壁を
外筒金具132の底壁で構成したことにより、シール機
能の耐久性および信頼性の更なる向上が実現されると共
に、他部材との接触等に起因するシール機能の損傷が完
全に防止され得る。また、加振器128の外筒金具13
2でブラケットを構成したことにより、部品点数の減少
と構造の簡略化も実現され得る。
用した場合でも、図4に示されたエンジンマウントと同
様な効果が、何れも有効に発揮されるのであり、特に、
電磁力発生機構136の配設領域と外部空間との隔壁を
外筒金具132の底壁で構成したことにより、シール機
能の耐久性および信頼性の更なる向上が実現されると共
に、他部材との接触等に起因するシール機能の損傷が完
全に防止され得る。また、加振器128の外筒金具13
2でブラケットを構成したことにより、部品点数の減少
と構造の簡略化も実現され得る。
【0067】また、図9に示されたエンジンマウントで
は、加振器128において、厚肉の円筒形状を有する外
筒金具190が採用されており、前記図8に示された実
施形態と同様に、該外筒金具190によって、加振器1
28をマウント本体に取り付けるブラケットが構成され
ている。また、出力ロッド130と外筒金具132の間
には、軸方向下端部に板ばねが配設されておらず、その
代わりに、軸方向上端部に二枚の板ばね192,192
が配設されている。
は、加振器128において、厚肉の円筒形状を有する外
筒金具190が採用されており、前記図8に示された実
施形態と同様に、該外筒金具190によって、加振器1
28をマウント本体に取り付けるブラケットが構成され
ている。また、出力ロッド130と外筒金具132の間
には、軸方向下端部に板ばねが配設されておらず、その
代わりに、軸方向上端部に二枚の板ばね192,192
が配設されている。
【0068】これらの板ばね192,192は、何れ
も、図5に示されたものと同じ構造を有しており、互い
に軸方向に所定距離だけ離間して略平行状態で配設され
ている。そして、かかる2枚の板ばね192,192の
全体を取り巻くようにして、ゴム弾性膜194が形成さ
れて、板ばね192,192に加硫接着されている。こ
のゴム弾性膜194は、2枚の板ばね192,192に
形成されたスリット48だけでなく、2枚の板ばね19
2,192の対向面間にも充填されており、各板ばね1
92,192の表面の全体を被覆している。そして、か
かるゴム弾性膜194によって、互いに離間して配設さ
れた2枚の板ばね192,192が、一体加硫成形品1
96として一体化されているのであり、全体として厚肉
の円環板形状を有する複合部材として形成されている。
そして、この一体加硫成形品196は、図4に示された
加振器における一枚の板ばねと同様に、内周縁部が、軸
方向に挟持されて出力ロッド130に固着されている一
方、外周縁部が、軸方向に挟持されて外筒金具190に
固着されている。
も、図5に示されたものと同じ構造を有しており、互い
に軸方向に所定距離だけ離間して略平行状態で配設され
ている。そして、かかる2枚の板ばね192,192の
全体を取り巻くようにして、ゴム弾性膜194が形成さ
れて、板ばね192,192に加硫接着されている。こ
のゴム弾性膜194は、2枚の板ばね192,192に
形成されたスリット48だけでなく、2枚の板ばね19
2,192の対向面間にも充填されており、各板ばね1
92,192の表面の全体を被覆している。そして、か
かるゴム弾性膜194によって、互いに離間して配設さ
れた2枚の板ばね192,192が、一体加硫成形品1
96として一体化されているのであり、全体として厚肉
の円環板形状を有する複合部材として形成されている。
そして、この一体加硫成形品196は、図4に示された
加振器における一枚の板ばねと同様に、内周縁部が、軸
方向に挟持されて出力ロッド130に固着されている一
方、外周縁部が、軸方向に挟持されて外筒金具190に
固着されている。
【0069】このような構造とされた加振器128にお
いては、出力ロッド130と外筒金具132の軸方向下
端部間に軸直角方向の位置決め機構が存在しないが、軸
方向上端部において、2枚の板ばね192,192が軸
方向に離間して配設されていることから、これらの板ば
ね192,192によって、出力ロッド130と外筒金
具132が、全体として、同一中心軸上に有利に位置決
め保持され得る。それ故、本実施形態の加振器128に
おいても、図4に示されたエンジンマウントと同様な効
果が、何れも有効に発揮されるのである。なお、本実施
形態では、図8に示された実施形態と異なり、外筒金具
132の底壁部がゴム弾性体からなるシールゴム板19
8で構成されている。これにより、板ばね192,19
2のスリット168を覆蓋する蓋ゴム膜166の変形剛
性が大きくても、出力ロッド130と外筒金具132の
軸方向相対変位や温度変化等に起因する電磁力発生機構
136の配設領域の容積変化が、シールゴム板198の
弾性変形に基づいて許容されて安定した作動性が実現さ
れるようになっている。
いては、出力ロッド130と外筒金具132の軸方向下
端部間に軸直角方向の位置決め機構が存在しないが、軸
方向上端部において、2枚の板ばね192,192が軸
方向に離間して配設されていることから、これらの板ば
ね192,192によって、出力ロッド130と外筒金
具132が、全体として、同一中心軸上に有利に位置決
め保持され得る。それ故、本実施形態の加振器128に
おいても、図4に示されたエンジンマウントと同様な効
果が、何れも有効に発揮されるのである。なお、本実施
形態では、図8に示された実施形態と異なり、外筒金具
132の底壁部がゴム弾性体からなるシールゴム板19
8で構成されている。これにより、板ばね192,19
2のスリット168を覆蓋する蓋ゴム膜166の変形剛
性が大きくても、出力ロッド130と外筒金具132の
軸方向相対変位や温度変化等に起因する電磁力発生機構
136の配設領域の容積変化が、シールゴム板198の
弾性変形に基づいて許容されて安定した作動性が実現さ
れるようになっている。
【0070】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、
これらの実施形態にのおける具体的な記載によって、何
等、限定的に解釈されるものでない。
きたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、
これらの実施形態にのおける具体的な記載によって、何
等、限定的に解釈されるものでない。
【0071】例えば、前記実施形態では、電磁力発生機
構18,136の配設領域の軸方向両側に、それぞれ、
該配設領域を外部空間に対して密閉するシール機構が設
けられていたが、何れか一方の側だけに要求される場合
には、勿論、軸方向一方の側だけにシール機構を設けれ
ば良い。具体的には、例えば、図4に示されたエンジン
マウント72の加振器128において、電磁力発生機構
136の配設領域の軸方向上側の開口部分は、ダイヤフ
ラム118等によって外部空間からシールされているこ
とから、軸方向上側に配設される板ばね134は、必ず
しもゴム弾性膜162で被覆する必要がない。
構18,136の配設領域の軸方向両側に、それぞれ、
該配設領域を外部空間に対して密閉するシール機構が設
けられていたが、何れか一方の側だけに要求される場合
には、勿論、軸方向一方の側だけにシール機構を設けれ
ば良い。具体的には、例えば、図4に示されたエンジン
マウント72の加振器128において、電磁力発生機構
136の配設領域の軸方向上側の開口部分は、ダイヤフ
ラム118等によって外部空間からシールされているこ
とから、軸方向上側に配設される板ばね134は、必ず
しもゴム弾性膜162で被覆する必要がない。
【0072】また、図9に示されているように、加振器
128において、電磁力発生機構136の配設領域の軸
方向一方の側に2枚以上の板ばね192を配設する場合
には、その全ての板ばね192をゴム弾性膜194で被
覆する必要はなく、少なくとも1枚の板ばねをゴム弾性
膜で被覆することによって、有効なシール機能が実現さ
れ得る。
128において、電磁力発生機構136の配設領域の軸
方向一方の側に2枚以上の板ばね192を配設する場合
には、その全ての板ばね192をゴム弾性膜194で被
覆する必要はなく、少なくとも1枚の板ばねをゴム弾性
膜で被覆することによって、有効なシール機能が実現さ
れ得る。
【0073】更にまた、図9に示されているように、加
振器128おいて、電磁力発生機構136の配設領域の
軸方向一方の側に2枚以上の板ばね192を配設する場
合にも、かかる配設領域の軸方向他方の側に1枚以上の
板ばねを配設して良く、それによって、出力ロッド13
0と外筒金具132の同一中心軸上への位置決め精度の
更なる向上が図られ得る。
振器128おいて、電磁力発生機構136の配設領域の
軸方向一方の側に2枚以上の板ばね192を配設する場
合にも、かかる配設領域の軸方向他方の側に1枚以上の
板ばねを配設して良く、それによって、出力ロッド13
0と外筒金具132の同一中心軸上への位置決め精度の
更なる向上が図られ得る。
【0074】さらに、前記実施形態に係るエンジンマウ
ントでは、主液室100に対して第一の環状流路106
を通じて連通された副液室116の壁部の一部が加振板
ゴム110で構成されていたが、主液室100と副液室
116を、流体流路等を介しない完全に単一の受圧室と
して形成し、加振板ゴム110の変位によって、流体流
路等を介することなく、受圧室の内圧を直接に制御する
ようにしても良い。
ントでは、主液室100に対して第一の環状流路106
を通じて連通された副液室116の壁部の一部が加振板
ゴム110で構成されていたが、主液室100と副液室
116を、流体流路等を介しない完全に単一の受圧室と
して形成し、加振板ゴム110の変位によって、流体流
路等を介することなく、受圧室の内圧を直接に制御する
ようにしても良い。
【0075】また、前記実施形態では、第一の支持金具
74と第二の支持金具76が、主たる振動入力方向たる
マウント中心軸方向で対向配置された構造の防振装置に
対して、本発明を適用したものの具体例を示したが、そ
の他、互いに径方向に離間配置された第一及び第二の支
持部材としての内筒部材と外筒部材を、それらの間に介
装された本体ゴム弾性体で連結すると共に、それら内筒
部材と外筒部材の間に非圧縮性流体が封入された受圧室
を形成した筒型構造の防振装置にも、本発明は、同様に
適用可能である。
74と第二の支持金具76が、主たる振動入力方向たる
マウント中心軸方向で対向配置された構造の防振装置に
対して、本発明を適用したものの具体例を示したが、そ
の他、互いに径方向に離間配置された第一及び第二の支
持部材としての内筒部材と外筒部材を、それらの間に介
装された本体ゴム弾性体で連結すると共に、それら内筒
部材と外筒部材の間に非圧縮性流体が封入された受圧室
を形成した筒型構造の防振装置にも、本発明は、同様に
適用可能である。
【0076】加えて、本発明は、自動車用の制振器やエ
ンジンマウントの他、自動車用のボデーマウントやデフ
マウント、或いは自動車以外の装置に用いられる制振器
や防振装置に対して、或いはそれらに採用される加振器
に対して、何れも、適用可能である。
ンジンマウントの他、自動車用のボデーマウントやデフ
マウント、或いは自動車以外の装置に用いられる制振器
や防振装置に対して、或いはそれらに採用される加振器
に対して、何れも、適用可能である。
【0077】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもない。
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもない。
【0078】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた防振用加振器においては、軸部材と
アウタ筒部材の同軸上への位置決め精度の向上と、軸方
向での相対変位の容易化が高度に両立されて、作動およ
び出力の安定化が実現され得ると共に、軸部材とアウタ
筒部材の軸方向での自己復帰的な位置決め機構と、電磁
力発生手段の配設領域の外部空間に対するシール機構
が、共に簡単な構造で実現され得る。
に従う構造とされた防振用加振器においては、軸部材と
アウタ筒部材の同軸上への位置決め精度の向上と、軸方
向での相対変位の容易化が高度に両立されて、作動およ
び出力の安定化が実現され得ると共に、軸部材とアウタ
筒部材の軸方向での自己復帰的な位置決め機構と、電磁
力発生手段の配設領域の外部空間に対するシール機構
が、共に簡単な構造で実現され得る。
【0079】また、本発明に従う構造とされた能動型防
振装置においては、上述の如き防振用加振器を採用した
ことにより、能動的防振効果をより効率的に且つ安定し
て得ることが出来るのである。
振装置においては、上述の如き防振用加振器を採用した
ことにより、能動的防振効果をより効率的に且つ安定し
て得ることが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】防振用加振器に係る本発明の一実施形態として
の制振器を示す縦断面図である。
の制振器を示す縦断面図である。
【図2】図1に示された制振器に採用されている板ばね
の単体を示す平面図である。
の単体を示す平面図である。
【図3】図2に示された板ばねにゴム弾性膜を設けたも
のを示す平面図である。
のを示す平面図である。
【図4】能動型防振装置に係る本発明の一実施形態とし
てのエンジンマウントを示す縦断面図である。
てのエンジンマウントを示す縦断面図である。
【図5】図4に示されたエンジンマウントに採用されて
いる板ばねの単体を示す平面図である。
いる板ばねの単体を示す平面図である。
【図6】図5に示された板ばねにゴム弾性膜を設けたも
のを示す平面図である。
のを示す平面図である。
【図7】能動型防振装置に係る本発明の別の実施形態と
してのエンジンマウントの要部を示す縦断面図である。
してのエンジンマウントの要部を示す縦断面図である。
【図8】能動型防振装置に係る本発明の更に別の実施形
態としてのエンジンマウントの要部を示す縦断面図であ
る。
態としてのエンジンマウントの要部を示す縦断面図であ
る。
【図9】能動型防振装置に係る本発明の更に別の実施形
態としてのエンジンマウントの要部を示す縦断面図であ
る。
態としてのエンジンマウントの要部を示す縦断面図であ
る。
10 制振器 12 内筒金具 14 外筒金具 16 板ばね 18 電磁力発生機構 20 コイル 22 永久磁石 48 スリット 56 ゴム弾性膜 58 蓋ゴム膜 60 シールゴム層 72 エンジンマウント 74 第一の支持金具 76 第二の支持金具 77 本体ゴム弾性体 100 主液室 106 第一の環状流路 108 第二の環状流路 110 加振板ゴム 116 副液室 118 ダイヤフラム 126 平衡室 128 加振器 130 出力ロッド 132 外筒金具 134 板ばね 136 電磁力発生機構 138 磁石部材 148 コイル部材 134 板ばね 162 ゴム弾性膜 164 スリット 166 蓋ゴム膜 168 シールゴム層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萩野 吉彦 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 3J047 AA03 CA06 CB10 FA02 5D107 AA09 AA13 AA14 BB10 CC08 CC10
Claims (7)
- 【請求項1】 軸部材とその軸直角方向外方に離間して
配されたアウタ筒部材との間に電磁力発生手段を配置せ
しめて、該電磁力発生手段への給電により、該軸部材と
該アウタ筒部材に相対的な軸方向駆動力を生ぜしめるよ
うにした防振用加振器において、 前記軸部材と前記アウタ筒部材の間に円環板形状の板ば
ねを互いに軸方向に離間して少なくとも2枚配設し、各
板ばねの内周縁部を該軸部材に、外周縁部を該アウタ筒
部材に、それぞれ固定することにより、それら軸部材と
アウタ筒部材を、軸方向の相対変位を許容しつつ軸直角
方向で相対的に位置決めすると共に、前記各板ばねに対
して貫通穴を設ける一方、少なくとも一つの板ばねにお
いて、その表面をゴム弾性膜で被覆することにより、前
記貫通穴を覆蓋する蓋ゴム膜を形成すると共に、前記板
ばねにおける内周部分と外周部分の前記軸部材と前記ア
ウタ筒部材に対する固定部位をシールするシールゴムを
形成したことを特徴とする防振用加振器。 - 【請求項2】 前記シールゴムを、前記板ばねの少なく
とも内周部分と外周部分において表裏両面を被覆するよ
うに形成し、該板ばねの内周部分と外周部分を、それぞ
れ、かかるシールゴムを挟んで軸方向で挟圧せしめて、
前記軸部材と前記アウタ筒部材に固定した請求項1に記
載の防振用加振器。 - 【請求項3】 前記軸部材および前記アウタ筒部材の軸
方向両端部に前記板ばねをそれぞれ少なくとも一つ配設
すると共に、それら軸部材とアウタ筒部材の軸方向両端
部における各少なくとも一つの板ばねの表面を前記ゴム
弾性膜で被覆することにより、軸部材とアウタ筒部材の
間の空間を、軸方向両端部において、それぞれ板ばねで
覆蓋せしめた請求項1又は2に記載の防振用加振器。 - 【請求項4】 前記板ばねにおける貫通穴を、少なくと
も一条の渦巻き形状とした請求項1乃至3の何れかに記
載の防振用加振器。 - 【請求項5】 前記軸部材および前記アウタ筒部材の軸
方向一端部において、前記板ばねの複数枚を互いに軸方
向に離間して配設すると共に、それらの板ばねを前記ゴ
ム弾性膜で一体的に被覆した請求項1乃至4の何れかに
記載の防振用加振器。 - 【請求項6】 前記軸部材と前記アウタ筒部材の間の空
間を、軸方向一端部において前記ゴム弾性膜で被覆され
た板ばねで覆蓋すると共に、かかる空間の軸方向他端部
を覆蓋するカバー部材を設けた請求項1乃至5の何れか
に記載の防振用加振器。 - 【請求項7】 第一の支持部材と第二の支持部材を本体
ゴム弾性体で連結すると共に、該本体ゴム弾性体で壁部
の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された受圧室を
形成する一方、該受圧室の壁部の別の一部を、該第二の
支持部材によって変位可能に支持された加振部材で構成
し、該加振部材を駆動手段で加振することにより該受圧
室の内圧を制御し得るようにした能動型防振装置におい
て、 前記駆動手段として請求項1乃至6の何れかに記載の防
振用加振器を用い、該防振用加振器の前記外筒部材を前
記第二の支持部材に取り付ける一方、該防振用加振器の
前記軸部材を前記加振部材に取り付けたことを特徴とす
る能動型防振装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP3718199A JP2000234645A (ja) | 1999-02-16 | 1999-02-16 | 防振用加振器とそれを用いた能動型防振装置 |
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JP3718199A JP2000234645A (ja) | 1999-02-16 | 1999-02-16 | 防振用加振器とそれを用いた能動型防振装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=12490430
Family Applications (1)
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JP3718199A Withdrawn JP2000234645A (ja) | 1999-02-16 | 1999-02-16 | 防振用加振器とそれを用いた能動型防振装置 |
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JP (1) | JP2000234645A (ja) |
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