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JP2000039021A - ステアリングコラム用軸受及びこの軸受を用いた軸受装置 - Google Patents

ステアリングコラム用軸受及びこの軸受を用いた軸受装置

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JP2000039021A
JP2000039021A JP10216579A JP21657998A JP2000039021A JP 2000039021 A JP2000039021 A JP 2000039021A JP 10216579 A JP10216579 A JP 10216579A JP 21657998 A JP21657998 A JP 21657998A JP 2000039021 A JP2000039021 A JP 2000039021A
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bush
ring
cylindrical
bearing
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Yoshikazu Sakairi
良和 坂入
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Oiles Industry Co Ltd
Original Assignee
Oiles Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 インナーブッシュの内径寸法精度に影響を及
ぼさないステアリングコラム用軸受及びこの軸受を用い
た軸受装置を提供する。 【解決手段】 ステアリングコラム用軸受23は、アウ
ターブッシュ21及びインナーブッシュ22からなり、
アウターブッシュ21は内面に円筒内周面部26と円筒
内周面部26と環状段部27をもって連続する拡径円筒
面部28と円筒凹部30を画定する係止突部31を具備
した内輪32と、外周面に凸条部34を具備した外輪3
6と、該内輪32の外周面と外輪36の内周面との間に
環状凹部33を形成して該内輪32の一方の端部と外輪
36の一方の端部とを一体に連結する連接部37と、内
輪32の外周面と外輪36の内周面と連接部37とを一
体的に連結する補強リブ38と、該補強リブ38に対応
する内輪32の円筒内周面部26にその軸方向にわたっ
て形成された凹条溝39を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、自動車のステアリ
ングコラムシャフトを支承するステアリングコラム用軸
受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車のステアリングコラム
シャフトを支承するステアリングコラム用軸受として
は、ボールベアリングまたは合成樹脂からなるすべり軸
受が使用されている。一般に、自動車のステアリングコ
ラムシャフトを支承する軸受に対しては、荷重や速度な
どの回転条件はさほど厳しくないが、アイドリング時等
にコラムシャフトに作用する振動を吸収する振動吸収性
や摩擦トルクの安定性が要求される。ボールベアリング
は、その摩擦トルクは安定しているものの振動吸収性に
劣り、またボールベアリングが固定されるハウジングお
よび該ボールベアリングに支承されるコラムシャフトの
寸法精度を高精度に仕上げる必要があるため、ベアリン
グ自体の高価な点に加えて加工コストも高くなるという
問題がある。
【0003】合成樹脂からなるすべり軸受は、上記ボー
ルベアリングに比べ、価格が安く、振動吸収性に優れる
という利点を有するものの、すべり軸受とコラムシャフ
トとの間に適度のクリアランス(軸受隙間)を必要とす
るため、コラムシャフトに生じる振動により該シャフト
と軸受との間に衝突音を発生し、自動車を運転する者に
不快音として伝達されるという問題がある。この衝突音
の発生を抑制するべくクリアランスを小さくするとステ
ィックスリップ現象を生じ、摩擦トルクの安定性を阻害
するという問題を生じる。
【0004】また、ハウジングを車体側に固定するため
の部材(ブラケット)を溶接加工によりハウジングの外
周面に取付ける場合、該溶接加工による溶接ひずみの影
響がハウジングの内径寸法精度(真円度)に悪影響をも
たらし、ハウジングに固定される軸受の内径寸法精度
(真円度)を一層悪化させるという問題もある。
【0005】上記に鑑み本出願人は、先に特願平6−3
40611号(特開平8−184315号:以下「先行
技術」という)において、ステアリング操作時(ハンド
ル回転時)にはコラムシャフトに作用する負荷を軸受に
より円滑に支承し、アイドリング時等コラムシャフトに
負荷が加わらない状態においては、該シャフトに作用す
る振動を吸収することができるとともに、ハウジングの
内径寸法精度(真円度)に影響を及ぼされないステアリ
ングコラム用軸受装置を提案した。
【0006】この先行技術を図10によって説明する。
ステアリングコラム用軸受装置1は、ゴム弾性体あるい
は弾性を有する合成樹脂で形成されたアウターブッシュ
2およびアウターブッシュ2内に挿入保持されるインナ
ーブッシュ3からなる軸受4と軸受4が圧入固定される
パイプ状のハウジング5とインナーブッシュ3に支承さ
れるコラムシャフト6とから構成されている。アウター
ブッシュ2は、円筒内周面7の一方の端部近傍に円周方
向に沿い、かつ径方向に突設された複数個のリップ部8
およびリップ部8と軸方向に所定間隔隔てて円周方向に
沿って突設され、リップ部8と円筒内周面7と協同して
円筒凹部9を画定する複数個の係止突条部10を具備し
た内輪11と、外周面に軸方向に沿いかつ円周方向にわ
たって形成された複数個の凸条部12および一方の端部
に径方向外方に延設された環状鍔部13を具備した外輪
14と、内輪11の円筒凹部9に対応しない外周面と該
外周面に対応する外輪14の内周面とをその円周方向に
おいて一体的に連結する支持脚15と、内輪11のリッ
プ部8に対応する外周面から支持脚15まで延び、内輪
11の外周面と外輪14の内周面と支持脚15とに一体
的に連結された3本の補強リブ16とからなっている。
インナーブッシュ3は、アウターブッシュ2の内輪11
のリップ部8と係止突条部10との間の円筒凹部9に挿
入保持されており、インナーブッシュ3を保持したアウ
ターブッシュ2は、その外輪14の外周面の凸条部12
においてハウジング5内に圧入固定され、コラムシャフ
ト6は、アウターブッシュ2の内輪11のリップ部8に
締代をもって摺接し、インナーブッシュ3の内周面とは
所定の軸受隙間を保持して支承されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した先行技術から
なるステアリングコラム用軸受装置1は、アイドリング
時等のコラムシャフト6に負荷が作用しない状態では、
コラムシャフト6はリップ部8に弾性支持されるので、
コラムシャフト6に作用する振動は吸収され、コラムシ
ャフト6とインナーブッシュ3との間の衝突音の発生は
防止され、またステアリング操作時にコラムシャフト6
に作用する負荷はインナーブッシュ3に適切なクリアラ
ンス(軸受隙間)をもって円滑に支承される、という前
述した従来技術の問題点を解決するものであり、また、
先行技術からなるステアリングコラム用軸受装置1は、
内輪11の円筒凹部9に対応しない外周面と該外周面に
対応する外輪14の内周面とがその円周方向において支
持脚15によって一体的に連結されているため、内輪1
1の円筒凹部9には軸受4をハウジング5に圧入固定す
る際の圧入力が直接作用しないので、円筒凹部9に挿入
保持されるインナーブッシュ3の内径寸法精度(真円
度)に影響が及ぼされない、という前述した問題点を解
決するものであった。
【0008】しかしながら、上述した軸受が組込まれる
ステアリングコラムにおいては、コラム自体の剛性の向
上化や車輌衝突時のハンドル収縮機構の追加等に伴い、
コラムシャフトの大径化、ハウジングの小径化が進んで
おり、当該軸受が組込まれる部位、すなわちコラムシャ
フトの外周面とハウジングの内周面との隙間が自ずから
狭められ、上述した従来技術に対して数多くの利点を備
えた先行技術の軸受をそのまま使用することはできない
という問題点が新たに見出された。とくに、アウターブ
ッシュの弾性力およびインナーブッシュの強度だけでは
ハウジングの寸法精度の悪影響を吸収できないという問
題である。
【0009】本発明は、先行技術の改良に係わり、先行
技術における利点をそのまま生かすとともに上記問題点
を解決するべくなされたもので、その目的とするところ
は、インナーブッシュの内径寸法精度(真円度)に影響
を及ぼさないステアリングコラム用軸受およびこの軸受
を用いた軸受装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のステアリングコ
ラム用軸受は、内面に円筒内周面部と該円筒内周面部と
環状段部を介して連続する拡径円筒面部と該円筒内周面
部の一方の端部近傍に円周方向に沿いかつ径方向に突出
したリップ部と該円筒内周面部の他方の端部に円周方向
に沿いかつ径方向に突出するとともに該リップ部と円筒
内周面部と協同して円筒凹部を画定する係止突部を具備
した内輪と、外周面に軸方向に沿う凸条部を円周方向に
複数個具備した外輪と、該内輪の外周面と外輪の内周面
との間に環状凹部を形成して該内輪の一方の端部と該端
部に対応する外輪の一方の端部とを一体に連結する連接
部と該内輪のリップ部に対応する外周面から軸方向に沿
って連接部まで延び、内輪外周面と外輪内周面と連接部
とを一体に連結する少なくとも3本の補強リブと、該補
強リブに対応する内輪の円筒内周面部およびあるいは外
輪の外周面にその軸方向にわたって形成された凹条溝を
具備しており、インナーブッシュは内輪の円筒凹部に保
持されて構成されている。
【0011】また、上記の軸受を用いた軸受装置は、上
記軸受が外輪外周面の凸条部においてハウジング内に圧
入され、コラムシャフトは、アウターブッシュの内輪の
リップ部に締代をもって摺接しているとともにインナー
ブッシュの内周面と所定の軸受隙間を保持して支承され
ている。
【0012】本発明のステアリングコラム用軸受および
この軸受を用いた軸受装置において、アウターブッシュ
の内輪のリップ部および係止突部はそれぞれ、内輪の内
周面に円周方向に沿って連続的に延設された環状のリッ
プ部および係止突部であってもよく、あるいは内輪の内
周面に円周方向に沿ってとびとびに配された複数個のも
のからなるものであってもよい。一つの好ましいリップ
部は、当該リップ部の先端で形成される仮想円の直径
(本発明でいうリップ部の内径)がインナーブッシュの
内径より0.02mm〜0.20mm程度小さく形成さ
れている。
【0013】弾性を有するアウターブッシュの材料とし
ては、ゴム弾性体、弾性を有する合成樹脂を例示するこ
とができ、弾性を有する合成樹脂としては、柔軟であっ
てかつ強靭であり、概ねショア硬さ(D型)が40〜6
0、反発弾性値(JIS−K6301)が50〜80を
有していてゴム状の弾性挙動を呈するもので、例えばポ
リエステル・エーテル共重合体あるいはポリウレタン等
を好ましい例として挙げることができる。
【0014】インナーブッシュとしては、薄鋼板とこの
薄鋼板の表面に一体に接合された多孔質金属焼結層とこ
の多孔質金属焼結層に含浸被覆された合成樹脂層との三
層構造からなる条片を、合成樹脂層を内側にして円筒状
に捲回した巻きブッシュからなるものを、一つの好まし
い例として提示し得る。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施の形態を、図
に示す好ましい実施例に基づいて更に詳細に説明する。
なお、本発明は実施例に何等限定されないのである。
【0016】
【実施例】図1乃至図5において、本例のステアリング
コラム用軸受装置20は、ゴム弾性体あるいは弾性を有
する合成樹脂で形成されたアウターブッシュ21および
アウターブッシュ21内に挿入保持されるインナーブッ
シュ22からなる軸受23と、軸受23が圧入固定され
るパイプ状のハウジング24と、インナーブッシュ22
に支承されるコラムシャフト25とから構成されてい
る。
【0017】アウターブッシュ21は、内面に円筒内周
面部26と該円筒内周面部26と環状段部27をもって
連続する拡径円筒面部28と該円筒内周面部26の一方
の端部近傍に円周方向に沿いかつ径方向に突出した複数
個(本例では6個)のリップ部29と該円筒内周面部2
6の他方の端部に円周方向に沿いかつ径方向に突出する
とともに該リップ部29と円筒内周面26と協同して円
筒凹部30を画定する複数個(本例では6個)の係止突
部31を具備した内輪32と、外周面に軸方向に沿いか
つ円周方向にわたって形成された複数個の凸条部34と
一方の端部に径方向外方に延設された環状鍔部35を具
備した外輪36と、該内輪32の外周面と外輪36の内
周面との間に環状凹部33を形成して該内輪32の一方
の端部と該端部に対応する外輪36の一方の端部とを一
体に連結する連接部37と、該内輪32のリップ部29
に対応する外周面から軸方向に沿って連接部37まで延
び、内輪32の外周面と外輪36の内周面と連接部37
とを一体的に連結する少なくとも3本の補強リブ38
と、該補強リブ38に対応する内輪32の円筒内周面部
26にその軸方向にわたって形成されたすくなくとも3
本の凹条溝39を備えている。
【0018】アウターブッシュ21において、外輪36
の端部に径方向外方に延設された環状鍔部35は、軸受
23を後述するハウジング24へ圧入するさい、ハウジ
ング24の端部に固定する場合において必要とされるも
ので、軸受23をハウジング24内の任意の位置に圧入
固定する場合には必要としない。また、円筒内周面部2
6と環状段部27をもって連続する拡径円筒面部28
は、後述するインナーブッシュ22を円筒凹部30に挿
入保持するさい、該インナーブッシュ22の円筒凹部3
0への挿入を容易に行わせるためのものである。
【0019】補強リブ38は、円筒凹部30が形成され
た部分の内輪32を補強するものであり、本例では円周
方向に均等にかつ径方向に相対応しないように3本配置
されており、また、円筒内周面部26の該補強リブ38
に対応する部位には凹条溝39が形成されている。円筒
内周面26に凹条溝39を形成したのは、円筒凹部30
に挿入保持される後述のインナーブッシュ22の内径寸
法精度(真円度)に、軸受23をハウジング24に圧入
固定するさいの圧入力の影響を及ぼさないためである。
すなわち、本例のように、軸受23が組込まれる部位、
すなわちコラムシャフト25の外周面とハウジング24
の内周面との隙間が狭められた場合、軸受23を当該部
位に圧入すると、圧入力が補強リブ38を介してインナ
ーブシュッシュ22に作用することになるが、該補強リ
ブ38に対応する円筒内周面部26、換言すればインナ
ーブッシュ22が挿入保持される円筒凹部30に凹条溝
39が形成されているので、該圧入力は当該凹条溝39
を含む円筒内周面部26の弾性変形により吸収されるの
で、圧入力が補強リブ38を介してインナーブシュッシ
ュ22に作用することはなく、インナーブシュッシュ2
2の真円度に影響を及ぼすことはない。
【0020】インナーブッシュ22は、薄鋼板とこの薄
鋼板の表面に一体に接合された多孔質金属焼結層とこの
多孔質金属焼結層に含浸被覆された合成樹脂層との三層
構造からなる条片を、合成樹脂層を内側にして円筒状に
捲回した、所謂巻きブッシュからなる。図1中、符号4
0は当該巻きブッシュの突き合わせ部である。
【0021】インナーブッシュ22がアウターブッシュ
21の内輪32の円筒凹部30に挿入保持されて、軸受
23が構成される。この構成において、内輪32の円筒
内周面部26の一方の端部近傍に円周方向に沿いかつ径
方向に突出して形成された複数個のリップ部29は、イ
ンナーブッシュ22の内径dより僅かに小さい内径D
(当該リップ部29の先端で形成される仮想円の直径を
いう)をもって径方向内側に突出して形成されている
が、具体的には当該リップ部29の内径がインナーブッ
シュ22の内径より、当該インナーブッシュ22とイン
ナーブッシュ22に支承されるコラムシャフト25との
間のクリアランス(軸受隙間)に相当する量、例えば、
0.02mm〜0.20mmだけ小さくなるように形成
されている。また、係止突部31の内径はインナーブッ
シュ22の内径より大きく外径より小さく形成されてい
る。したがって、インナーブッシュ22は、内輪32の
円筒凹部30内に挿入保持されることにより、インナー
ブッシュ22の内輪32からの抜け出しは防止される。
【0022】図6及び図7は、上述したステアリングコ
ラム用軸受装置20におけるアウターブッシュ21の他
の実施例を示す。すなわち、この実施例におけるアウタ
ーブッシュ210は、内面に円筒内周面部26と該円筒
内周面部26と環状段部27をもって連続する拡径円筒
面部28と該円筒内周面部26の一方の端部近傍に円周
方向に沿いかつ径方向に突出した複数個(本例では6
個)のリップ部29と該円筒内周面部26の他方の端部
に円周方向に沿いかつ径方向に突出するとともに該リッ
プ部29と円筒内周面26と協同して円筒凹部30を画
定する複数個(本例では6個)の係止突部31を具備し
た内輪32と、外周面に軸方向に沿いかつ円周方向にわ
たって形成された複数個の凸条部34と一方の端部に径
方向外方に延設された環状鍔部35を具備した外輪36
と、該内輪32の外周面と外輪36の内周面との間に環
状凹部33を形成して該内輪32の一方の端部と該端部
に対応する外輪36の一方の端部とを一体に連結する連
接部37と、該内輪32のリップ部29に対応する外周
面から軸方向に沿って連接部37まで延び、内輪32の
外周面と外輪36の内周面と連接部37とを一体的に連
結する少なくとも3本の補強リブ38と、該補強リブ3
8に対応する外輪36の外周面にその軸方向にわたって
形成された少なくとも3本の凹条溝41を備えている。
【0023】図8及び図9は、上述したステアリングコ
ラム用軸受装置20におけるアウターブッシュ21のさ
らに他の実施例を示す。すなわち、この実施例における
アウターブッシュ211は、内面に円筒内周面部26と
該円筒内周面部26と環状段部27をもって連続する拡
径円筒面部28と該円筒内周面部26の一方の端部近傍
に円周方向に沿いかつ径方向に突出した複数個(本例で
は6個)のリップ部29と該円筒内周面部26の他方の
端部に円周方向に沿いかつ径方向に突出するとともに該
リップ部29と円筒内周面26と協同して円筒凹部30
を画定する複数個(本例では6個)の係止突部31を具
備した内輪32と、外周面に軸方向に沿いかつ円周方向
にわたって形成された複数個の凸条部34と一方の端部
に径方向外方に延設された環状鍔部35を具備した外輪
36と、該内輪32の外周面と外輪36の内周面との間
に環状凹部33を形成して該内輪32の一方の端部と該
端部に対応する外輪36の一方の端部とを一体に連結す
る連接部37と、該内輪32のリップ部29に対応する
外周面から軸方向に沿って連接部37まで延び、内輪3
2の外周面と外輪36の内周面と連接部37とを一体的
に連結する少なくとも3本の補強リブ38と、該補強リ
ブ38に対応する内輪32の円筒内周面部26にその軸
方向にわたって形成された少なくとも3本の凹条溝39
及び該補強リブ38に対応する外輪36の外周面にその
軸方向にわたって形成された少なくとも3本の凹条溝4
1を備えている。
【0024】以上のように構成されたステアリングコラ
ム用軸受装置20では、内輪32の外周面と外輪36の
内周面と連接部37とを一体に連結する補強リブ38に
対応する内輪32の円筒内周面部26及びあるいは補強
リブ38に対応する外輪36の外周面にはその軸方向に
わたって凹条溝39およびあるいは凹条溝41が形成さ
れているため、換言すれば、当該部位の肉厚が薄肉に形
成されているため、軸受23をハウジング24に圧入固
定するさいの圧入力は当該薄肉部の弾性変形によって吸
収され、該内輪32の円筒凹部30には直接作用しない
ので、該円筒凹部30に挿入保持されるインナ−ブッシ
ュ22の内径寸法精度(真円度)に影響が及ぼされな
い。したがって、インナ−ブッシュ22とインナ−ブッ
シュ22に支承されるコラムシャフト25との間には適
切なクリアランス(摺動隙間)が維持され、片当たり等
の不具合を生じることなく円滑な摺動が行われる。
【0025】また、圧入力の影響はインナ−ブッシュ2
2の内径寸法精度ばかりでなく、内輪32のリップ部2
9にも及ばず、而してリップ部29のコラムシャフト2
5に対する締代もまた、当該圧入力によっては影響され
ないので、コラムシャフト25はリップ部29に所定の
締代をもって摺動自在にかつ弾性的に支承される。した
がって、アイドリング時等のコラムシャフト25に負荷
が作用しない状態では、コラムシャフト25はリップ部
29に弾性支持されるので、コラムシャフト25に作用
する振動は吸収され、コラムシャフト25とインナ−ブ
ッシュ22との間の衝突音の発生は防止され、また、ス
テアリング操作時にコラムシャフト25に作用する負荷
はインナ−ブッシュ22に上述した適切なクリアランス
をもって円滑に支承される。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、内輪の外
周面と外輪の内周面と連接部とを一体に連結する補強リ
ブに対応する内輪の円筒内周面部およびあるいは外輪の
外周面にその軸方向にわたって凹条溝が形成されている
ため、換言すれば、当該部位の肉厚が薄肉に形成されて
いるため、軸受をハウジングに圧入固定するさいの圧入
力は当該薄肉部の弾性変形によって吸収され、該内輪の
円筒凹部には直接作用しないので、該円筒凹部に挿入保
持されるインナ−ブッシュの内径寸法精度(真円度)に
影響が及ぼされず、インナ−ブッシュと該インナ−ブッ
シュに支承されるコラムシャフトとの間には適切なクリ
アランス(摺動隙間)が維持され、円滑な摺動が行われ
るステアリングコラム用軸受装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい一実施例の断面図である。
【図2】本発明のアウタ−ブッシュを示す断面図であ
る。
【図3】図2の右側面図である。
【図4】図2の左側面図である。
【図5】図1の要部拡大断面図である。
【図6】アウターブッシュの他の実施例を示す断面図で
ある。
【図7】図6のA−A線断面図である。
【図8】アウターブッシュのさらに他の実施例を示す断
面図である。
【図9】図8のB−B線断面図である。
【図10】先行技術を示す断面図である。
【符号の説明】
20 ステアリングコラム用軸受装置 21、210、211 アウタ−ブッシュ 22 インナ−ブッシュ 23 軸受 24 ハウジング 25 コラムシャフト 26 円筒内周面部 29 リップ部 30 円筒凹部 31 係止突部 32 内輪 34 凸条部 36 外輪 37 連接部 38 補強リブ 39 凹条溝 41 凹条溝

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性を有するアウターブッシュとインナ
    ーブッシュとからなり、アウターブッシュは、内面に円
    筒内周面部と該円筒内周面部と環状段部を介して連続す
    る拡径円筒面部と該円筒内周面部の一方の端部近傍に円
    周方向に沿いかつ径方向に突出したリップ部と該円筒内
    周面部の他方の端部に円周方向に沿いかつ径方向に突出
    するとともに該リップ部と円筒内周面部と協同して円筒
    凹部を画定する係止突部を具備した内輪と、外周面に軸
    方向に沿う凸条部を円周方向に複数個具備した外輪と、
    該内輪の外周面と外輪の内周面との間に環状凹部を形成
    して該内輪の一方の端部と該端部に対応する外輪の一方
    の端部とを一体に連結する連接部と該内輪のリップ部に
    対応する外周面から軸方向に沿って連接部まで延び、内
    輪外周面と外輪内周面と連接部とを一体に連結する少な
    くとも3本の補強リブと、該補強リブに対応する内輪の
    円筒内周面部およびあるいは外輪の外周面にその軸方向
    にわたって形成された凹条溝を具備しており、インナー
    ブッシュは内輪の円筒凹部に保持されていることを特徴
    とするステアリングコラム用軸受。
  2. 【請求項2】 アウターブッシュの内輪のリップ部の内
    径は、インナーブッシュの内径より僅かに小さく形成さ
    れている請求項1に記載のステアリングコラム用軸受。
  3. 【請求項3】 インナーブッシュは、薄鋼板と該薄鋼板
    の表面に一体に形成された多孔質金属焼結層と該多孔質
    金属焼結層に含浸被覆された合成樹脂層との三層構造か
    らなり、該合成樹脂層を内側にして円筒状に捲回して形
    成される巻きブッシュからなる請求項1または2に記載
    のステアリングコラム用軸受。
  4. 【請求項4】 弾性を有するアウターブッシュとインナ
    ーブッシュとからなる軸受を具備しており、アウターブ
    ッシュは、内面に円筒内周面部と該円筒内周面部と環状
    段部を介して連続する拡径円筒面部と該円筒内周面部の
    一方の端部近傍に円周方向に沿いかつ径方向に突出した
    リップ部と該円筒内周面部の他方の端部に円周方向に沿
    いかつ径方向に突出するとともに該リップ部と円筒内周
    面部と協同して円筒凹部を画定する係止突部を具備した
    内輪と、外周面に軸方向に沿う凸条部を円周方向に複数
    個具備した外輪と、該内輪の外周面と外輪の内周面との
    間に環状凹部を形成して該内輪の一方の端部と該端部に
    対応する外輪の一方の端部とを一体に連結する連接部と
    該内輪のリップ部に対応する外周面から軸方向に沿って
    連接部まで延び、内輪外周面と外輪内周面と連接部とを
    一体に連結する少なくとも3本の補強リブと、該補強リ
    ブに対応する内輪の円筒内周面部およびあるいは外輪の
    外周面にその軸方向にわたって形成された凹条溝を具備
    しており、インナーブッシュは該アウターブッシュの円
    筒凹部に保持されており、該軸受は、外輪外周面の凸条
    部においてハウジング内に圧入され、コラムシャフト
    は、アウターブッシュの内輪のリップ部に締代をもって
    摺接しているとともにインナーブッシュの内周面と所定
    の軸受隙間を保持して支承されていることを特徴とする
    ステアリングコラム用軸受装置。
  5. 【請求項5】 アウターブッシュの内輪のリップ部の内
    径は、インナーブッシュの内径より僅かに小さく形成さ
    れている請求項4に記載のステアリングコラム用軸受装
    置。
  6. 【請求項6】 インナーブッシュは、薄鋼板と該薄鋼板
    の表面に一体に形成された多孔質金属焼結層と該多孔質
    金属焼結層に含浸被覆された合成樹脂層との三層構造か
    らなり、該合成樹脂層を内側にして円筒状に捲回して形
    成される巻きブッシュからなる請求項4または5に記載
    のステアリングコラム用軸受装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113847339A (zh) * 2021-09-24 2021-12-28 中汽创智科技有限公司 一种衬套及助力转向系统

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