劉 裕(りゅう ゆう)は、南朝宋の初代皇帝。ほかの宋王朝と区別するために、劉裕の建てた宋は後世の史家により劉宋と称されている。東晋を簒奪した桓玄打倒を契機に地位を築き躍進、外には南燕や後秦を滅ぼし、内では五斗米道や譙縦の反乱を鎮圧し、また政敵の劉毅や司馬休之を打倒、東晋内の第一人者としての立場を確立し、恭帝より禅譲を受けた。土断などの経済政策で財政の再建も成し遂げている。一方で政敵の粛清の苛烈さや東晋二帝(安帝・恭帝)の暗殺、いちど奪還した長安と洛陽の即時失陥についての批判も受けている。