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JPWO2018043039A1 - スイッチング回路 - Google Patents

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Abstract

駆動電源(1)と駆動回路(3)と第1のトランジスタ(4)と第2のトランジスタ(5)で構成されたスイッチング回路であって、第1及び第2のトランジスタ(4及び5)は、それぞれゲート端子(G1、G2)と、ドレイン端子(D1、D2)と、主電流が流れる第1ソース端子(S1、S2)及び第2ソース端子(SS1、SS2)とを有し、第2ソース端子(SS1、SS2)は、駆動電源(1)の負極端子と駆動回路(3)のグランド端子との結線部で接続される構成を有することにより、第1及び第2のトランジスタ(4及び5)の各ゲート駆動経路への主電流の影響を除去するとともに、各ゲート駆動経路を分離することにより、寄生インピーダンスを揃えて主電流を均衡化することができる。

Description

本開示は、複数並列接続されるスイッチング素子及びその駆動回路からなるスイッチング回路に関する。
スイッチング電源やインバータに代表される電力変換装置は、そのスイッチング周波数を高くするとLC部品を小型化できることから、より高周波スイッチングが可能なスイッチング回路の開発が望まれている。一方、スイッチング電流が1つのスイッチングトランジスタの定格を越える場合、トランジスタを並列接続することが行われる。トランジスタを並列運転する場合の課題は、各トランジスタに流れる主電流の均衡化である。
図10は、特許文献1に記載されたスイッチング回路の回路図であり、並列接続のトランジスタとして、電流センスエミッタ付IGBTを用いて、各トランジスタの電流を均衡化させている。図10において、IGBT131、132の各エミッタに流れる主電流は夫々の電流センスエミッタに接続されたセンス抵抗161、162の電圧によって検出される。オペアンプ151、152はセンス抵抗161、162の電圧差、即ちIGBT131、132の各主電流を比較し、仮にIGBT131の電流が大きいと、オペアンプ151はFET141をオン側に制御してIGBT131のゲート電圧を下げ、その主電流を減少させる。またオペアンプ152はFET142をオフ側に制御してIGBT132のゲート電圧を上げ、その主電流を増加させる。従ってIGBT131、132の電流が均衡化する。
特開平9−289442号公報
しかしながら、上記の従来の構成のスイッチング回路では、各トランジスタの主電流を検出する必要があり、その検出信号処理のために回路規模が増大する。また、電流検出結果を駆動回路へ帰還する方式には遅延時間が発生するので、トランジスタのターンオンやターンオフといった過渡時や、スイッチング周波数が高周波化した場合の主電流の均衡化は困難であるといった課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、並列接続される高速スイッチングトランジスタに対し、簡易な回路構成及び実装形態によって主電流の均衡化が可能なスイッチング回路を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の一形態に係るスイッチング回路は、正極端子と負極端子を有して所定の駆動電圧を出力する駆動電源と、並列接続される第1のトランジスタ及び第2のトランジスタと、前記第1及び第2のトランジスタをオンオフ駆動するための駆動パルス信号を出力する駆動信号源と、電源端子とグランド端子を有して前記駆動電源から電力を供給され、前記駆動パルス信号に応じて、前記第1のトランジスタをオンオフ駆動する第1の駆動信号と、前記第2のトランジスタをオンオフ駆動する第2の駆動信号とを出力する駆動回路を有し、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタはそれぞれ、オン時に主電流が流れるドレイン電極及びソース電極と、受電信号に応じて前記ドレイン電極と前記ソース電極間のインピーダンスを変化させるゲート電極とを内蔵し、前記ゲート電極に接続されるゲート端子と、前記ドレイン電極に接続されるドレイン端子と、主電流を流すために前記ソース電極と接続される第1ソース端子と、前記第1ソース端子とは別に、ソース電圧検出及びゲート駆動電流を流す為に前記ソース電極に接続される第2ソース端子とを有し、ここで、前記第1ソース端子は前記第2ソース端子より低インピーダンスで前記ソース電極に接続され、前記第1のトランジスタのドレイン端子と前記第2のトランジスタのドレイン端子は接続され、前記第1のトランジスタの第1ソース端子と第2のトランジスタの第1ソース端子は接続され、前記第1のトランジスタのゲート端子は前記第1の駆動信号を受電し、前記第2のトランジスタのゲート端子は前記第2の駆動信号を受電し、前記第1のトランジスタの第2ソース端子および前記第2のトランジスタの第2ソース端子は、前記駆動電源の負極端子と前記駆動回路のグランド端子との結線部で接続される。
上記構成によれば、主電流が流れるソース寄生インダクタンスの影響を除去して誤動作を防止でき、さらに、駆動ソース経路の分離による各駆動ループの寄生インダクタンスの調整または均一化が可能となる。
また、前記第1のトランジスタと第2のトランジスタは定格電流が等しく、前記駆動回路の第1の駆動信号と第2の駆動信号が等しく設定されてもよい。
これにより、トランジスタの定格電流を略倍化できる。
また、正極端子と負極端子を有して所定の駆動電圧を出力する駆動電源と、並列接続される第1のトランジスタ及び第2のトランジスタと、前記第1及び第2のトランジスタをオンオフ駆動するための駆動パルス信号を出力する駆動信号源と、前記駆動電源から電力を供給され、前記駆動パルス信号に応じて、前記第1のトランジスタをオンオフ駆動する第1の駆動信号と、前記第2のトランジスタ5をオンオフ駆動する第2の駆動信号とを出力する駆動回路を有し、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタはそれぞれオン時に主電流が流れるドレイン端子及びソース端子を有し、受電信号に応じて前記ドレイン端子と前記ソース端子間のインピーダンスを変化させるゲート端子を有し、前記第1のトランジスタのドレイン端子と前記第2のトランジスタのドレイン端子は接続され、前記第1のトランジスタのソース端子と第2のトランジスタのソース端子は接続され、前記第1のトランジスタのゲート端子は前記第1の駆動信号を受電し、前記第2のトランジスタのゲート端子は前記第2の駆動信号を受電し、前記駆動回路は、前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのオン状態を指示する期間中、前記第1の駆動信号の一部として、前記駆動電源の正極端子から前記第1のトランジスタのゲート端子へ所定の直流電流であるオン駆動電流を供給する第1のオン回路と、前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのオン状態を指示する期間中、前記第2の駆動信号の一部として、前記駆動電源の正極端子から前記第2のトランジスタのゲート端子へ所定の直流電流であるオン駆動電流を供給する第2のオン回路と、前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのターンオンを指示する時に、前記第1の駆動信号の一部として、前記駆動電源の正極端子から前記第1のトランジスタのゲート端子へ所定のターンオン駆動電流を供給する第1のターンオン回路と、前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのターンオンを指示する時に、前記第2の駆動信号の一部として、前記駆動電源の正極端子から前記第2のトランジスタのゲート端子へ所定のターンオン駆動電流を供給する第2のターンオン回路と、前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのターンオフを指示する時に、前記第1の駆動信号の一部として、前記第1のトランジスタのゲート端子から所定のターンオフ駆動電流を引き抜く第1のターンオフ回路と、前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのターンオフを指示する時に、第2の駆動信号の一部として、前記第2のトランジスタのゲート端子から所定のターンオフ駆動電流を引き抜く第2のターンオフ回路とを有していてもよい。
これにより、各駆動条件の調整によって主電流の調整及び均衡化ができる。
また、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタは、オン状態の維持にゲート端子への電流が必要なトランジスタであってもよい。
これにより、高速・低損失なスイッチング特性を有するスイッチング回路が提供できる。
また、前記第1のトランジスタと第2のトランジスタは定格電流が等しく、前記駆動回路は、前記第1のオン回路におけるオン駆動電流と前記第2のオン回路におけるオン駆動電流が等しく設定され、第1のターンオン回路におけるターンオン駆動電流と第2のターンオン回路におけるターンオン駆動電流が等しく設定され、第1のターンオフ回路におけるターンオフ駆動電流と第2のターンオフ回路におけるターンオフ駆動電流が等しく設定されてもよい。
これにより、トランジスタの定格電流を略倍化できる。
また、前記第1のオン回路と前記第2のオン回路は、前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのオン状態を指示する時にオンとなる第1のスイッチを共有し、前記第1のオン回路は前記第1のスイッチと第1のオン駆動抵抗との直列回路を含み、前記第2のオン回路は前記第1のスイッチと第2のオン駆動抵抗との直列回路を含んでいてもよい。
これにより、前記第1のスイッチと前記第1のオン駆動抵抗との直列回路は、前記第1のトランジスタのゲート端子に供給されるオン駆動電流を生成する。また、前記第1のスイッチと前記第2のオン駆動抵抗との直列回路は、前記第2のトランジスタのゲート端子に供給されるオン駆動電流を生成する。さらに、前記第1および第2のオン駆動抵抗によって第1および第2のトランジスタのオン抵抗を調整または均一化することができる。
また、前記第1のターンオン回路と前記第2のターンオン回路は、前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのオン状態を指示する時にオンとなる第2のスイッチを共有し、前記第1のターンオン回路は前記第2のスイッチと第1のコンデンサとの直列回路を含み、前記第2のターンオン回路は前記第2のスイッチと第2のコンデンサの直列回路を含んでいてもよい。
これにより、前記第2のスイッチと前記第1のコンデンサとの直列回路は、前記第1のトランジスタのゲート端子に供給されるターンオン駆動電流を生成する。また、前記第2のスイッチと前記第2のコンデンサとの直列回路は、前記第2のトランジスタのゲート端子に供給されるターンオン駆動電流を生成する。さらに、第1および第2のコンデンサによって第1および第2のトランジスタのターンオン特性(速度)を調整または均一化することができる。
また、前記第1のターンオフ回路と前記第2のターンオフ回路は、前記駆動電源の負極端子に接続されて前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのオフ状態を指示する時にオンとなる第3のスイッチを共有し、前記第1のターンオフ回路は前記第3のスイッチと第1のダイオードとの直列回路を含み、前記第2のターンオフ回路は前記第3のスイッチと第2のダイオードとの直列回路を含んでいてもよい。
これにより、前記第3のスイッチと前記第1のダイオードとの直列回路は、前記第1のトランジスタのゲート端子に供給されるターンオフ駆動電流を生成する。また、前記第3のスイッチと前記第2のダイオードとの直列回路は、前記第1のトランジスタのゲート端子に供給されるターンオフ駆動電流を生成する。ダイオードによって各トランジスタのターンオフ時のトランジスタ間循環電流の発生を防止することができる。
また、前記駆動回路は、前記駆動電圧と逆極性の負電圧を出力する負駆動電源を有し、前記第1のターンオフ回路と前記第2のターンオフ回路は、前記負駆動電源に接続されて前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのオフ状態を指示する時にオンとなる第3のスイッチを共有し、前記第1のターンオフ回路は前記負駆動電源と前記第3のスイッチと第1のダイオードとの直列回路を含み、前記第2のターンオフ回路は前記負駆動電源と前記第3のスイッチと第2のダイオードとの直列回路を含んでいてもよい。
これにより、前記第1および前記第2のダイオードによって前記第1および前記第2のトランジスタのターンオフ時の前記第1および前記第2のトランジスタ間循環電流の発生を防止するとともに、負駆動電源の負バイアスによる誤点弧防止とターンオフ特性の強化ができる。
また、さらに、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタの交流電流源となるバイパスコンデンサを有し、前記主電流が、負荷から前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタを介して前記バイパスコンデンサの負極端子へと流れるように結線され、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタと前記バイパスコンデンサは、配線基板上に、前記第1のトランジスタの第1ソース端子と前記バイパスコンデンサの負極端子の間のインピーダンスと前記第2のトランジスタの第1ソース端子と前記バイパスコンデンサの負極端子の間のインピーダンスが等しくなるように配設されてもよい。
これにより、配線基板上に実装されたスイッチング回路の過渡時の電流均衡化された並列スイッチング動作が可能となる。
また、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタと前記バイパスコンデンサは、前記配線基板の平面視において、前記第1のトランジスタのソース端子と前記第2のトランジスタのソース端子を結ぶ線分の垂直2等分線が、前記バイパスコンデンサの負極端子を通るように配設されてもよい。
これにより、配線基板上に実装されたスイッチング回路の過渡時の電流均衡化された並列スイッチング動作が可能となる。
また、前記スイッチング回路は、さらに、第3のトランジスタと第4のトランジスタを有し、前記第3のトランジスタと前記第4のトランジスタは、それぞれ主電流が流れるドレイン端子及び第1ソース端子を有し、配線基板上に、前記第3のトランジスタのドレイン端子と前記第4のトランジスタのドレイン端子と前記バイパスコンデンサの正極端子が接続され、前記第1のトランジスタのドレイン端子と前記第2のトランジスタのドレイン端子と前記第3のトランジスタのソース端子と第4のトランジスタのソース端子が接続され、前記第3のトランジスタと前記第4のトランジスタと前記バイパスコンデンサは、前記配線基板の平面視において、前記第3のトランジスタのドレイン端子と前記第4のトランジスタのドレイン端子を結ぶ線分の垂直2等分線が、前記バイパスコンデンサの正極端子を通るように配設されてもよい。
これにより、配線基板上に実装されたハーフブリッジ構成のスイッチング回路の過渡時の電流均衡化された並列スイッチング動作が可能となる。
また、前記スイッチング回路は、前記配線基板と、前記配線基板上に配設された前記第1のトランジスタの直近で前記第1のトランジスタのソース端子に接続された第1のコネクタと、前記配線基板上に配設された前記第2のトランジスタの直近で前記第2のトランジスタのソース端子に接続された第2のコネクタと、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタの上に、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタによって前記配線基板と接続され、前記バイパスコンデンサを配設したサブ配線基板とを有し、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタと前記バイパスコンデンサは、前記配線基板の平面視において、前記サブ配線基板上で、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタを結ぶ線分の垂直2等分線が、前記バイパスコンデンサの負極端子を通るように配設されてもよい。
これにより、電流均衡化された並列運転に加え、立体構成による高密度実装も可能となったスイッチング回路を提供できる。
また、前記スイッチング回路は、さらに、第3のトランジスタと第4のトランジスタを有し、前記第3のトランジスタと前記第4のトランジスタは、それぞれ主電流が流れるドレイン端子及び第1ソース端子を有し、前記スイッチング回路は、さらに、前記配線基板上に配設された前記第3のトランジスタの直近で前記第3のトランジスタのドレイン端子に接続された第3のコネクタと、前記配線基板上に配設された前記第4のトランジスタの直近で前記第4のトランジスタのドレイン端子に接続された第4のコネクタとを有し、前記第3のコネクタと前記第4のコネクタは前記サブ配線基板に接続され、前記第3のコネクタと前記第4のコネクタと前記バイパスコンデンサは、前記配線基板の平面視において、前記サブ配線基板上で、前記第3のコネクタと前記第4のコネクタを結ぶ線分の垂直2等分線が、前記バイパスコンデンサの正極端子を通るように配設されてもよい。
これにより、電流均衡化された並列運転に加え、立体構成による高密度実装も可能となったハーフブリッジ構成のスイッチング回路を提供できる。
また、前記サブ配線基板は、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとに対するヒートシンクも兼ねてもよい。
これにより、トランジスタの高温化を抑制することができ、より大きな電流を扱える、もしくは長寿命化が可能なスイッチング回路を提供できる。
本発明に係るスイッチング回路によれば、並列接続される高速スイッチングトランジスタに対し、簡易な回路構成及び実装形態によって主電流の均衡化が可能なスイッチング回路を提供できる。
図1は、実施の形態1に係るスイッチング回路の構成例を示す図である。 図2は、実施の形態2に係るスイッチング回路の構成例を示す図である。 図3は、実施の形態2に係るスイッチング回路の動作タイミングチャートである。 図4は、実施の形態3に係るスイッチング回路の構成例を示す図である。 図5は、実施の形態4に係るスイッチング回路および負荷の電流経路を示す図である。 図6は、実施の形態4に係るスイッチング回路の配線基板への実装例を示す平面図である。 図7は、実施の形態5に係るハーフブリッジ構成のスイッチング回路の構成例を示す図である。 図8は、実施の形態5に係るスイッチング回路の配線基板への実装例を示す平面図である。 図9Aは、実施の形態6に係るスイッチング回路の配線基板およびサブ配線基板への実装例を示す斜視図である。 図9Bは、実施の形態6に係るスイッチング回路の配線基板およびサブ配線基板への実装例を示す側面図である。 図9Cは、実施の形態6に係るスイッチング回路のサブ配線基板への実装例を示す平面図である。 図10は、特許文献1に記載されたスイッチング回路の回路図である。
以下、本開示の実施の形態に係るスイッチング回路について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものであり、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定するものではない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るスイッチング回路の構成例を示す図である。同図に示されたスイッチング回路は、駆動電源1、駆動信号源2、駆動回路3、第1のトランジスタ4及び第2のトランジスタ5から構成される。
図1において、第1のトランジスタ4は、ゲート電極とドレイン電極とソース電極とを有する半導体チップを内蔵し、それぞれドレイン電極に接続されるドレイン端子D1、ゲート電極に接続されるゲート端子G1、ソース電極に接続される第1ソース端子S1及び第2ソース端子SS1を有する。第2のトランジスタ5は、ゲート電極とドレイン電極とソース電極とを有する半導体チップを内蔵し、それぞれドレイン電極に接続されるドレイン端子D2、ゲート電極に接続されるゲート端子G2、ソース電極に接続される第1ソース端子S2及び第2ソース端子SS2を有する。ここで、第1ソース端子S1は主電流を流す為に、例えばソース電極−第1ソース端子S1間を繋ぐボンディングワイヤを複数本にするなどして、第2ソース端子SS1より低インピーダンスでソース電極に接続される。
同様に、第1ソース端子S2は主電流を流す為に、例えばソース電極−第1ソース端子S2間を繋ぐボンディングワイヤを複数本にするなどして、第2ソース端子SS2より低インピーダンスでソース電極に接続される。
駆動電源1から駆動電圧Vccを供給される駆動回路3は、駆動信号源2からの駆動パルス信号Vplsに応じた第1の駆動信号及び第2の駆動信号をそれぞれ第1のトランジスタ4のゲート端子G1及び第2のトランジスタ5のゲート端子G2へ出力する。第1のトランジスタ4のドレイン端子D1と第2のトランジスタ5のドレイン端子D2は接続され、第1のトランジスタ4の第1ソース端子S1と第2のトランジスタ5の第2ソース端子S2は接続され、第1の駆動信号及び第2の駆動信号によってオン状態となった第1のトランジスタ4及び第2のトランジスタ5の主電流は各ドレイン端子D1、D2から各第1ソース端子S1、S2へ流れる。主電流の流れる第1ソース端子S1、S2とソース電極で分枝された第2ソース端子SS1、SS2は、駆動電源1の負極端子と駆動回路3のグランド端子との結線部で接続される。このため第2ソース端子SS1、SS2には、第1及び第2の駆動信号に伴うゲート電流のみが流れ、主電流は流れない。
図1には各ゲート駆動経路に介在する寄生インピーダンスを代表してインダクタンスLg1及びLg2を、各ソース経路に介在する寄生インピーダンスを代表してインダクタンスLs1、Ls2、Ls、Lss1、Lss2を記している。ソース端子が分枝されていないと、ソース経路の寄生インダクタンスLs1、Ls2、Lsに主電流が流れることによって誘起される電圧はゲート駆動電圧に重畳されるので、駆動条件の不均衡の要因となる。ところが、本実施の形態に係るスイッチング回路では、ソース端子が分枝されているので、主電流とゲート駆動電流が分離され、駆動条件への主電流の影響が排除される。
第1のトランジスタ4と第2のトランジスタ5に定格電流の等しいものを選び、全体として定格電流能力を2倍にしたい場合、問題となるのは各トランジスタの特性、駆動条件、及び電流経路のインピーダンスの差異による、主電流の不均衡である。このうち本実施の形態に係るスイッチング回路は駆動条件の調整及び均衡化が可能である。さらに、第1のトランジスタ4の第2ソース端子SS1と第2のトランジスタ5の第2ソース端子SS2は、共通インピーダンスを有することなく、駆動電源1の負極端子と駆動回路3のグランド端子との結線部で接続されるので、図1に示したように、それぞれLss1、Lss2という寄生インダクタンスに代表されるインピーダンスを独立に有することになる。配線パターン設計によりLss1とLss2を等しくLssとすることができれば、仮に第1のトランジスタ4と第2のトランジスタ5の各ゲート駆動経路に介在する寄生インピーダンスLg1とLg2に差異があったとしても、全体としてはLg1+LssとLg2+Lssとの差異となり、その影響が低減できる。
なお、上記で第1のトランジスタ4と第2のトランジスタ5は定格電流が等しいとしたが、特性を揃えるためにも同一メーカーの同一品番のものであることが望ましい。異なるものを使用する場合、オン抵抗やゲート閾値電圧などの特性が等しいものを選択することが望ましい。
以上のようにゲート駆動電流の流れるソース経路を主電流経路から分枝し、且つ、各ソース経路を駆動電源1の負極端子と駆動回路3のグランド端子との結線部まで独立に配線することにより、主電流の影響を除去するとともに、ゲート駆動経路全体の寄生インピーダンスの差異を低減することができるので、主電流の不均衡要因である駆動条件の差異を低減し、主電流の均衡化が可能となる。
なお、以降の実施の形態の図面及び説明では、図1に示したような寄生インピーダンスとしてのインダクタンスLg1〜Lss2は煩雑となるので省略する。
(実施の形態2)
図2は、実施の形態2に係るスイッチング回路の構成例を示す図である。
図2において、駆動回路3は、第1のオン回路31、第2のオン回路32、第1のターンオン回路33、第2のターンオン回路34、第1のターンオフ回路35および第2のターンオフ回路36を備える。
第1のオン回路31は、駆動信号源2からの駆動パルス信号Vplsに応じてオン駆動電流i1を第1のトランジスタ4のゲート端子G1に供給する。第2のオン回路32は、駆動パルス信号に応じてオン駆動電流i2を第2のトランジスタ5のゲート端子G2に供給する。
第1のターンオン回路33は、駆動パルス信号Vplsに応じてターンオン駆動電流i3を第1のトランジスタ4のゲート端子G1に供給する。第2のターンオン回路34は、駆動パルス信号に応じてターンオン駆動電流i4を第2のトランジスタ5のゲート端子G2に供給する。
第1のターンオフ回路35は、駆動パルス信号Vplsに応じてターンオフ駆動電流i5を第1のトランジスタ4のゲート端子G1に供給する。第2のターンオフ回路36は、駆動パルス信号Vplsに応じてターンオフ駆動電流i6を第2のトランジスタ5のゲート端子G2に供給する。
図3は、実施の形態2に係るスイッチング回路の動作タイミングチャートである。同図は、駆動信号源2からの駆動パルス信号Vpls、オン駆動電流i1、オン駆動電流i2、ターンオン駆動電流i3、ターンオン駆動電流i4、ターンオフ駆動電流i5、ターンオフ駆動電流i6の各波形を示す。以下、図3を用いて図2に示した本発明の実施の形態2に係るスイッチング回路の動作を説明する。
第1及び第2のオン回路31、32は、駆動信号源2からの駆動パルス信号Vplsがトランジスタをオンするように指示している時、即ち、駆動パルス信号Vplsが“H”である期間を通して、トランジスタのオン状態を維持するための直流電流を流す。この電流は、例えばトランジスタがバイポーラトランジスタのような場合には、主電流を電流増幅率hfe(電力スイッチングの場合約10)で除した値であり、GaN−GITであれば数mA〜数十mAとなる。電圧駆動型のMOSFETの場合には必要なゲート電圧をゲート−ソース間抵抗で除した値になる。
第1及び第2のターンオン回路33、34は、駆動信号源2からの駆動パルス信号Vplsがトランジスタをターンオンするように指示している時、即ち、駆動パルス信号Vplsが“H”になってからの所定期間に、ゲート電圧を閾値以上に急速充電するためのサージ状電流を流す。そのピーク値は、ゲート入力容量と閾値電圧の積をターンオン遅延時間(駆動パルス信号Vplsが立ち上がってから実際にターンオンするまでの遅延時間)で除した値の2倍程度に設定される。スイッチング回路の扱う電力にもよるが、バイポーラトランジスタの場合数A、GaN−GITで数百mA、MOSFETで1A〜2Aである。
第1及び第2のターンオフ回路35、36は、駆動信号源2からの駆動パルス信号Vplsがトランジスタをターンオフするように指示している時、即ち、駆動パルス信号Vplsが“L”になってからの所定期間に、ゲート電圧を閾値以下に急速放電するための負のサージ状電流を流す。そのピーク値の絶対値は、ターンオン駆動電流と同等かそれ以上に設定される。
以上のように、実施の形態1においてソース経路を分枝したり、共通インピーダンスを持たないように配線を分離することによって寄生インピーダンスの差異を低減したように、ゲート駆動経路も用途に応じて1トランジスタに付き3経路に分離して、それぞれ調整できるようにすることにより、各トランジスタに流れる主電流を調整し、あるいは並列運転時であれば均衡化することが可能となる。
なお、第1及び第2のオン回路の説明で、オン状態を維持するためのオン駆動電流を供給するものとしたが、トランジスタがMOSFETであれば不要となる場合もある。MOSFETのゲート−ソース間の寄生容量が充分大きく、スイッチング周波数が充分高い場合、ゲート電圧の低下は少なく、オン駆動電流が無くてもオン状態を維持することができるからである。即ち、本実施の形態の駆動回路は、オン状態を維持する為にゲート端子への電流が必要なトランジスタに好適である。
(実施の形態3)
図4は、実施の形態3に係るスイッチング回路の構成例を示す図である。同図は、実施の形態2で示した図2のスイッチング回路のより具体的な回路構成例を示す図である。
図4において、駆動回路3は、第1のオン回路31、第2のオン回路32、第1のターンオン回路33、第2のターンオン回路34、第1のターンオフ回路35およびインバータ350を備える。
第1のオン回路31は、第1のスイッチ310と第1のオン駆動抵抗311との直列回路からなる。第1のスイッチ310の一端は、駆動電源1の正極端子に、第1のスイッチ310の他端は、第1のオン駆動抵抗311に接続される。第1のオン駆動抵抗311の一端は、第1のスイッチ310に接続され、第1のオン駆動抵抗311の他端は、第1のトランジスタ4のゲート端子G1に接続される。第1のスイッチ310は、第1のオン回路31と第2のオン回路32とにより共有され、駆動信号源2からの駆動パルス信号Vplsに従ってオンおよびオフする。
この構成によれば、第1のオン回路31は、駆動パルス信号Vplsが第1及び第2のトランジスタ4及び5のオン状態を指示する期間中、第1の駆動信号の一部として、駆動電源1の正極端子から第1のトランジスタ4のゲート端子G1へ所定の直流電流であるオン駆動電流i1を供給する。オン状態を指示する期間中というのは、例えば、図3では駆動パルス信号Vplsがハイレベルの期間中である。
第2のオン回路32は、第1のスイッチ310と第2のオン駆動抵抗321との直列回路からなる。第1のスイッチ310の一端は、駆動電源1の正極端子に、第1のスイッチ310の他端は、第2のオン駆動抵抗321に接続される。第2のオン駆動抵抗321の一端は、第1のスイッチ310に接続され、第2のオン駆動抵抗321の他端は、第2のトランジスタ5のゲート端子G2に接続される。
この構成によれば、第2のオン回路32は、駆動パルス信号Vplsが第1及び第2のトランジスタ4及び5のオン状態を指示する期間中、第2の駆動信号の一部として、駆動電源1の正極端子から第2のトランジスタ5のゲート端子G2へ所定の直流電流であるオン駆動電流i2を供給する。
第1のターンオン回路33は、第2のスイッチ330と第1のコンデンサ331と第1のターンオン駆動抵抗332との直列回路からなる。第2のスイッチ330の一端は駆動電源1の正極端子に接続され、第2のスイッチ330の他端は第1のコンデンサ331に接続される。第1のコンデンサ331の一端は第2のスイッチ330に接続され、第1のコンデンサ331の他端は第1のターンオン駆動抵抗332に接続される。第1のターンオン駆動抵抗332の一端は第1のコンデンサ331に接続され、第1のターンオン駆動抵抗332の他端は第1のトランジスタ4のゲート端子G1に接続される。第2のスイッチ330は、第1のターンオン回路33と第2のターンオン回路34とにより共有され、駆動信号源2からの駆動パルス信号Vplsに従ってオンおよびオフする。この構成によれば、第1のターンオン回路33は、駆動パルス信号Vplsが第1及び第2のトランジスタ4及び5のターンオンを指示する時に、第1の駆動信号の一部として、駆動電源1の正極端子から第1のトランジスタ4のゲート端子G1へ所定のターンオン駆動電流i3を供給する。ここで、ターンオンを指示する時というのは、例えば、図3では駆動パルス信号Vplsの立ち上がりエッジのタイミングをいう。
第2のターンオン回路34は、第2のスイッチ330と第2のコンデンサ341と第2のターンオン駆動抵抗342との直列回路からなる。第2のスイッチ330の一端は駆動電源1の正極端子に接続され、第2のスイッチ330の他端は第2のコンデンサ341に接続される。第2のコンデンサ341の一端は第2のスイッチ330に接続され、第2のコンデンサ341の他端は第2のターンオン駆動抵抗342に接続される。第2のターンオン駆動抵抗342の一端は第2のコンデンサ341に接続され、第2のターンオン駆動抵抗342の他端は第2のトランジスタ5のゲート端子G2に接続される。この構成によれば、第2のターンオン回路34は、駆動パルス信号Vplsが第1及び第2のトランジスタ4及び5のターンオンを指示する時に、第2の駆動信号の一部として、駆動電源1の正極端子から第2のトランジスタ5のゲート端子G2へ所定のターンオン駆動電流i4を供給する。
第1のターンオフ回路35は、負駆動電源30と第3のスイッチ360と第1のダイオード351と第1のターンオフ駆動抵抗352との直列回路からなる。第3のスイッチ360の一端は負駆動電源30の負極端子に接続され、第3のスイッチ360の他端は第1のダイオード351のカソードに接続される。第1のダイオード351のカソードは第3のスイッチ360に接続され、第1のダイオード351のアノードは第1のターンオフ駆動抵抗352に接続される。第1のターンオフ駆動抵抗352の一端は第1のダイオード351のアノードに接続され、第1のターンオフ駆動抵抗352の他端は第1のトランジスタ4のゲート端子G1に接続される。負駆動電源30および第3のスイッチ360は、第1のターンオフ回路35と第2のターンオフ回路36とにより共有される。負駆動電源30は−Veeの電圧を出力し、負駆動電源30の正極は駆動電源1の負極に接続され、負駆動電源30の負極は第3のスイッチ360に接続される。第3のスイッチ360は、インバータ350からの反転した駆動パルス信号Vplsに従ってオンおよびオフする。
この構成によれば、第1のターンオフ回路35は、駆動パルス信号Vplsが第1及び第2のトランジスタ4および5のターンオフを指示する時に、第1の駆動信号の一部として、第1のトランジスタ4のゲート端子G1から所定のターンオフ駆動電流i5を引き抜く。ここで、ターンオフを指示する時というのは、例えば、図3では駆動パルス信号Vplsの立ち下がりエッジのタイミングをいう。
第2のターンオフ回路36は、負駆動電源30と第3のスイッチ360と第2のダイオード361と第2のターンオフ駆動抵抗362との直列回路からなる。第3のスイッチ360の一端は負駆動電源30の負極端子に接続され、第3のスイッチ360の他端は第2のダイオード361のカソードに接続される。第2のダイオード361のカソードは第3のスイッチ360に接続され、第2のダイオード361のアノードは第2のターンオフ駆動抵抗362に接続される。第2のターンオフ駆動抵抗362の一端は第2のダイオード361のアノードに接続され、第2のターンオフ駆動抵抗362の他端は第2のトランジスタ5のゲート端子G2に接続される。
この構成によれば、第2のターンオフ回路36は、駆動パルス信号Vplsが第1及び第2のトランジスタ4及び5のターンオフを指示する時に、第2の駆動信号の一部として、第2のトランジスタ5のゲート端子G2から所定のターンオフ駆動電流i6を引き抜く。
第1のオン回路31と第1のターンオン回路33と第1のターンオフ回路35とが第1のトランジスタ4のゲート端子G1へ第1の駆動信号を供給する。言い換えれば、第1の駆動信号は、オン駆動電流i1、ターンオン駆動電流i3およびターンオフ駆動電流i5を合成した信号である。また、第2のオン回路32と第2のターンオン回路34と第2のターンオフ回路36とが第2のトランジスタ5のゲート端子G2へ第2の駆動信号を供給する。言い換えれば、第2の駆動信号は、オン駆動電流i2、ターンオン駆動電流i4およびターンオフ駆動電流i6を合成した信号である。
続いて、駆動回路3のより具体的な動作について説明する。
まず、第1及び第2のオン回路31、32は、第1のスイッチ310のオン電圧を無視し、第1のオン駆動抵抗311と第2のオン駆動抵抗321の抵抗値をそれぞれR311、R321とし、オン時の第1及び第2のトランジスタのゲート電圧をそれぞれVg1、Vg2とすると、オン駆動電流i1、i2は、次式となる。
i1=(Vcc−Vg1)/R311
i2=(Vcc−Vg2)/R321
第1及び第2のトランジスタ4及び5が同一仕様のバイポーラトランジスタやGaN−GITであるならVg1≒Vg2であり、各オン駆動抵抗311、321の抵抗値を等しくすることでi1≒i2となり、オン時主電流のレベルを揃えることができる。逆言すれば、オン時ゲート電圧の異なるトランジスタであっても、オン駆動抵抗311、321の抵抗値のいずれかもしくはそれぞれを調整することにより、オン駆動電流をi1≒i2としてオン時主電流のレベルを揃えることができる。
次に第1及び第2のターンオン回路33、34は、第1及び第2のトランジスタのゲート入力容量をそれぞれCg1、Cg2とし、第2のスイッチ330のオン電圧を無視し、第1のコンデンサ331と第2のコンデンサ341の静電容量をそれぞれC331、C341とし、C331、C341それぞれのターンオン時の初期電圧値は前周期のオン期間終了時の(Vcc−Vg1)、(Vcc−Vg2)を保持しているとし、第1のターンオン駆動抵抗332と第2のターンオン駆動抵抗342の抵抗値をそれぞれR332、R342とすると、ターンオン直前の第1及び第2のトランジスタのゲート電圧はともに負電圧−Veeなので、ターンオン駆動電流i3、i4は、次式となる。
i3={(Vg1+Vee)/R332}・exp{−t/(C3・R332)}
i4={(Vg2+Vee)/R342}・exp{−t/(C4・R342)}
ここで、C3、C4は次式である。
C3=Cg1・C331/(Cg1+C331)
C4=Cg2・C341/(Cg2+C341)
第1及び第2のトランジスタが同一仕様のバイポーラトランジスタやGaN−GITであるならVg1≒Vg2、Cg1≒Cg2であり、各コンデンサ331、341の静電容量とターンオン駆動抵抗332、342の抵抗値を等しくすることにより、ターンオン駆動電流i3≒i4、ゲート電圧も等しくなり、ターンオン時主電流のレベルを揃えることができる。
さらに第1及び第2のターンオフ回路35、36は、第3のスイッチ360のオン電圧と第1のダイオード351と第2のダイオード361の順方向電圧降下を無視し、第1のターンオフ駆動抵抗352と第2のターンオフ駆動抵抗362の抵抗値をそれぞれR352、R362とすると、ターンオフ直前の第1及び第2のトランジスタのゲート電圧はともに負電圧−Veeなので、ターンオフ駆動電流i5、i6は、次式となる。
i5=−{(Vg1+Vee)/R352}・exp{−t/(Cg1・R352)}
i6=−{(Vg2+Vee)/R362}・exp{−t/(Cg2・R362)}
第1及び第2のトランジスタが同一仕様のバイポーラトランジスタやGaN−GITであるならVg1≒Vg2、Cg1≒Cg2であり、各ターンオフ駆動抵抗352、362の抵抗値を等しくすることにより、ターンオフ駆動電流i5≒i6、ゲート電圧も等しくなり、ターンオフ時主電流のレベルを揃えることができる。
また、第1及び第2のダイオード351、361は、オン回路及びターンオン回路で分離したゲート駆動経路を第1及び第2のターンオフ駆動抵抗352、362で短絡して循環電流が流れることを防止する。
以上説明してきたように本実施の形態におけるスイッチング回路は、正極端子と負極端子を有して所定の駆動電圧Vccを出力する駆動電源1と、並列接続される第1のトランジスタ4及び第2のトランジスタ5と、第1及び第2のトランジスタ4及び5をオンオフ駆動するための駆動パルス信号Vplsを出力する駆動信号源2と、駆動電源1から電力を供給され、駆動パルス信号Vplsに応じて、第1のトランジスタ4をオンオフ駆動する第1の駆動信号と、第2のトランジスタ5をオンオフ駆動する第2の駆動信号とを出力する駆動回路3を有する。
第1のトランジスタ4と第2のトランジスタ5はそれぞれオン時に主電流が流れるドレイン端子D1、D2及びソース端子S1、S2を有し、受電信号に応じてドレイン端子とソース端子間のインピーダンスを変化させるゲート端子G1、G2を有する。
第1のトランジスタ4のドレイン端子D1と第2のトランジスタ5のドレイン端子D2は接続され、第1のトランジスタ4のソース端子S1と第2のトランジスタ5のソース端子S2は接続される。第1のトランジスタ4のゲート端子G1は第1の駆動信号を受電し、第2のトランジスタ5のゲート端子G2は第2の駆動信号を受電する。
駆動回路3は、第1のオン回路31、第2のオン回路32、第1のターンオン回路33、第2のターンオン回路34、第1のターンオフ回路35および第2のターンオフ回路36を有する。
第1のオン回路31は、駆動パルス信号Vplsが第1及び第2のトランジスタのオン状態を指示する期間中、第1の駆動信号の一部として、駆動電源1の正極端子から第1のトランジスタ4のゲート端子G1へ所定の直流電流であるオン駆動電流を供給する。
第2のオン回路32は、駆動パルス信号Vplsが第1及び第2のトランジスタのオン状態を指示する期間中、第2の駆動信号の一部として、駆動電源1の正極端子から第2のトランジスタ5のゲート端子G2へ所定の直流電流であるオン駆動電流を供給する。
第1のターンオン回路33は、駆動パルス信号Vplsが第1及び第2のトランジスタのターンオンを指示する時に、第1の駆動信号の一部として、駆動電源1の正極端子から第1のトランジスタ4のゲート端子G1へ所定のターンオン駆動電流を供給する。
第2のターンオン回路34は、駆動パルス信号Vplsが第1及び第2のトランジスタのターンオンを指示する時に、第2の駆動信号の一部として、駆動電源1の正極端子から第2のトランジスタ5のゲート端子G2へ所定のターンオン駆動電流を供給する。
第1のターンオフ回路35は、駆動パルス信号Vplsが第1及び第2のトランジスタのターンオフを指示する時に、第1の駆動信号の一部として、第1のトランジスタ4のゲート端子G1から所定のターンオフ駆動電流を引き抜く。
第2のターンオフ回路36は、駆動パルス信号Vplsが第1及び第2のトランジスタのターンオフを指示する時に、第2の駆動信号の一部として、第2のトランジスタ5のゲート端子G2から所定のターンオフ駆動電流を引き抜く。なお、第1のトランジスタ4と第2のトランジスタ5は、オン状態の維持にゲート端子G1、G2への電流が必要なトランジスタであってもよい。
また、第1のトランジスタ4と第2のトランジスタ5は定格電流が等しくてもよい。駆動回路3は、第1のオン回路31におけるオン駆動電流i1と第2のオン回路32におけるオン駆動電流i2が等しく設定されてもよい。第1のターンオン回路33におけるターンオン駆動電流i3と第2のターンオン回路34におけるターンオン駆動電流i4が等しく設定されてもよい。第1のターンオフ回路35におけるターンオフ駆動電流i5と第2のターンオフ回路36におけるターンオフ駆動電流i6が等しく設定されてもよい。
なお、本実施の形態において、第2のスイッチ330と第3のスイッチ360のオン電圧は無視したが、第2のスイッチ330のオン抵抗を調整して第1及び第2のターンオン駆動抵抗332、342を削減することや、第3のスイッチ360のオン抵抗を調整して第1及び第2のターンオフ駆動抵抗352、362を削減することは可能である。
(実施の形態4)
実施の形態1〜3は並列運転するトランジスタの駆動回路の構成について開示した。駆動回路のパラメータ設定や配線方法といった駆動条件では、主電流の直流レベルの調整や均衡化が可能であるが、特に、トランジスタのターンオンやターンオフといった過渡時の主電流の均衡化には、交流電流源も含めた部品配置や主電流の流れる配線パターンなどの実装形態が重要となる。
図5は、本発明の実施の形態4に係る、スイッチング回路および負荷の電流経路を示す図である。図6はスイッチング回路の配線基板10への実装例を示す平面図である。なお、図6において、一点鎖線で囲まれた領域は、配線導体を示す(他の図についても同様)。図5及び図6において、第1のトランジスタ4と第2のトランジスタ5は同じ定格電流で、両者は並列接続される。ゲート端子及び第2ソース端子に接続される駆動回路は、実施の形態1〜3で示した通りであり、以降の実施の形態では第2ソース端子とともに省略した。各トランジスタの交流電流源となるバイパスコンデンサ8は、負極端子が第1のトランジスタ4と第2のトランジスタ5の各第1ソース端子S1、S2と接続され、正極端子が負荷9と接続される。負荷9の他端は第1のトランジスタ4と第2のトランジスタ5の各ドレイン端子に接続される。スイッチング電源では負荷9にはトランスの1次巻線が相当し、図6においては負荷9としてトランスの1次巻線を想定して、端子をP1及びP2とした。負荷9の端子P1とバイパスコンデンサ8の正極端子とが接続され、負荷9の端子P2と第1及び第2のトランジスタの各ドレイン端子D1、D2とが接続されるものとした。
図5の破線の矢印で示したループAは、バイパスコンデンサ8−負荷9−第1のトランジスタ4−バイパスコンデンサ8を廻り、実線矢印で示したループBは、バイパスコンデンサ8−負荷9−第2のトランジスタ5−バイパスコンデンサ8を廻り、これらループAとループBのインピーダンスを揃えることで過渡時の主電流のばらつきを抑制することができる。
ループAとループBのインピーダンスを揃えるため、図6において、第1のトランジスタ4のソース端子S1と第2のトランジスタ5のソース端子S2を結ぶ線分の垂直2等分線がバイパスコンデンサ8の負極端子を通るようにバイパスコンデンサ8を配設し、第1のトランジスタ4の第1ソース端子S1と第2のトランジスタ5の第1ソース端子S2からの配線導体がバイパスコンデンサ8の負極端子で結合される。
以上説明してきたように本実施の形態におけるスイッチング回路は、第1のトランジスタ4と第2のトランジスタ5の交流電流源となるバイパスコンデンサ8を有している。第1のトランジスタ4と第2のトランジスタ5とバイパスコンデンサ8は、主電流が、負荷9から第1のトランジスタ4と第2のトランジスタ5を介してバイパスコンデンサ8の負極端子へと流れるように結線される。第1のトランジスタ4と第2のトランジスタ5とバイパスコンデンサ8は、配線基板上に、第1のトランジスタ4の第1ソース端子S1とバイパスコンデンサ8の負極端子との間のインピーダンスと、第2のトランジスタ5の第1ソース端子S2とバイパスコンデンサ8の負極端子との間のインピーダンスとが等しくなるように配設されている。
さらに、スイッチング回路は、図6のように第1のトランジスタ4と第2のトランジスタ5とバイパスコンデンサ8は、配線基板10の平面視において、第1のトランジスタ4のソース端子S1と第2のトランジスタ5のソース端子S2を結ぶ線分の垂直2等分線が、バイパスコンデンサ8の負極端子を通るように配設される。
以上のような構成とすることにより、バイパスコンデンサ8の負極端子〜第1及び第2のトランジスタの各第1ソース端子の寄生インダクタンスを含むインピーダンスはほぼ等しくなる。従って、スイッチング回路のターンオンやターンオフ時のような過渡時に流れる主電流が、第1及び第2のトランジスタで均衡化する。
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態5に係るハーフブリッジ構成のスイッチング回路の構成例を示す図である。図8はそのスイッチング回路の配線基板への実装例を示す平面図である。図7及び図8において、第1のトランジスタ4と第2のトランジスタ5は並列接続されてローサイドスイッチを構成し、第3のトランジスタ6と第4のトランジスタ7は並列接続されてハイサイドスイッチを構成する。各トランジスタの交流電流源となるバイパスコンデンサ8は、ローサイドスイッチを構成する第1のトランジスタ4と第2のトランジスタ5の各ソース端子と負極端子が接続され、ハイサイドスイッチを構成する第3のトランジスタ6と第4のトランジスタ7の各ドレイン端子と正極端子が接続される。ハイサイドスイッチとローサイドスイッチの接続点に負荷9が接続される。
図7の破線の矢印で示したループAは、バイパスコンデンサ8−第3のトランジスタ6−第1のトランジスタ4−バイパスコンデンサ8を廻り、実線矢印で示したループBは、バイパスコンデンサ8−第4のトランジスタ7−第2のトランジスタ5−バイパスコンデンサ8を廻り、これらループAとループBのインピーダンスを揃えることで過渡時の主電流のばらつきを抑制することができる。
ループAとループBのインピーダンスを揃えるため、図8において、第1のトランジスタ4のソース端子S1と第2のトランジスタ5のソース端子S2を結ぶ線分の垂直2等分線がバイパスコンデンサ8の負極端子を通り、第3のトランジスタ6のドレイン端子D3と第4のトランジスタ7のドレイン端子D4を結ぶ線分の垂直2等分線がバイパスコンデンサ8の正極端子を通るようにバイパスコンデンサ8を配設し、第1のトランジスタ4のソース端子S1と第2のトランジスタ5のソース端子S2からの配線導体がバイパスコンデンサ8の負極端子で結合され、第3のトランジスタ6のドレイン端子D3と第4のトランジスタ7のドレイン端子D4からの配線導体がバイパスコンデンサ8の正極端子で結合される。
以上説明してきたように本実施の形態におけるスイッチング回路は、図7に示したように図5のスイッチング回路と比べて、さらに、第3のトランジスタ6と第4のトランジスタ7を有する。第3のトランジスタ6と第4のトランジスタ7は、それぞれ主電流が流れるドレイン端子D3、D4及び第1ソース端子S3、S4を有し、配線基板10上で、第3のトランジスタ6のドレイン端子D3と第4のトランジスタ7のドレイン端子D4とバイパスコンデンサ8の正極端子が接続される。また、第1のトランジスタ4のドレイン端子D1と第2のトランジスタ5のドレイン端子D2と第3のトランジスタ6のソース端子S3と第4のトランジスタ7のソース端子S4が接続される。第3のトランジスタと第4のトランジスタとバイパスコンデンサは、図8に示したように、配線基板10の平面視において、第3のトランジスタ6のドレイン端子D3と第4のトランジスタ7のドレイン端子D4を結ぶ線分の垂直2等分線が、バイパスコンデンサ8の正極端子を通るように配設される。
以上のような構成とすることにより、バイパスコンデンサ8の負極端子〜第1及び第2のトランジスタの各第1ソース端子の寄生インダクタンスを含むインピーダンスはほぼ等しくなり、さらにバイパスコンデンサ8の正極端子〜第3及び第4のトランジスタの各ドレイン端子の寄生インダクタンスを含むインピーダンスもほぼ等しくなる。従って、スイッチング回路のターンオンやターンオフ時のような過渡時に流れる主電流が、第1及び第2のトランジスタで均衡化し、第3及び第4のトランジスタでも均衡化する。
(実施の形態6)
図9Aは、実施の形態6に係るスイッチング回路の配線基板およびサブ配線基板への実装例を示す斜視図である。図9Bは、同じく側面図である。本実施の形態に係るスイッチング回路は、並列接続された第1のトランジスタ4と第2のトランジスタ5からなるローサイドスイッチと、並列接続された第3のトランジスタ6と第4のトランジスタ7からなるハイサイドスイッチと、第1のトランジスタ4の第1ソース端子に近接して接続された第1のコネクタ12aと第2のトランジスタ5の第1ソース端子に近接して接続された第2のコネクタ12bと、第3のトランジスタ6のドレイン端子に近接して接続された第3のコネクタ12cと第4のトランジスタ7のドレイン端子に近接して接続された第4のコネクタ12dとが配設された配線基板10と、トランジスタの交流電流源となるバイパスコンデンサ8が配設されて第1〜第4のコネクタ12a〜12dを介して配線基板10と接続されるサブ配線基板11とから構成される。
図9Cは、実施の形態6に係るスイッチング回路の配線基板およびサブ配線基板への実装例を示す平面図である。配線基板10の平面視においてサブ配線基板11上では、第1のコネクタ12aと第2のコネクタ12bを結ぶ線分の垂直2等分線がバイパスコンデンサ8の負極端子を通り、第3のコネクタ12cと第4のコネクタ12dを結ぶ線分の垂直2等分線がバイパスコンデンサ8の正極端子を通るようにバイパスコンデンサ8を配設し、第1のコネクタ12aと第2のコネクタ12bからの配線導体がバイパスコンデンサ8の負極端子で結合され、第3のコネクタ12cと第4のコネクタ12dからの配線導体がバイパスコンデンサ8の正極端子で結合される。
以上説明してきたように本実施の形態におけるスイッチング回路は、図9A、図9B、図9Cに示したように配線基板10と、配線基板10上に配設された第1のトランジスタ4の直近で第1のトランジスタ4のソース端子S1に接続された第1のコネクタ12aと、配線基板10上に配設された第2のトランジスタ5の直近で第2のトランジスタ5のソース端子S2に接続された第2のコネクタ12bと、第1のトランジスタと第2のトランジスタの上に、第1のコネクタ12aと第2のコネクタ12bによって配線基板10と接続され、バイパスコンデンサ8を配設したサブ配線基板11とを有する。第1のコネクタと第2のコネクタとバイパスコンデンサ8は、配線基板10の平面視において、サブ配線基板11上で、第1のコネクタ12aと第2のコネクタ12bを結ぶ線分の垂直2等分線が、バイパスコンデンサ8の負極端子を通るように配設される。
また、スイッチング回路は、さらに、第3のトランジスタ6と第4のトランジスタ7を有している。第3のトランジスタ6と第4のトランジスタ7は、それぞれ主電流が流れるドレイン端子D3、D4及び第1ソース端子S3、S4を有する。このスイッチング回路は、配線基板10上に配設された第3のトランジスタ6の直近で第3のトランジスタ6のドレイン端子D3に接続された第3のコネクタ12cと、配線基板10上に配設された第4のトランジスタ7の直近で第4のトランジスタ7のドレイン端子D4に接続された第4のコネクタ12dとを有する。第3のコネクタ12cと第4のコネクタ12dはサブ配線基板11に接続される。第3のコネクタと第4のコネクタとバイパスコンデンサ8は、配線基板10の平面視において、サブ配線基板11上で、第3のコネクタ12cと第4のコネクタ12dを結ぶ線分の垂直2等分線が、バイパスコンデンサ8の正極端子を通るように配設される。
以上のような構成とすることにより、バイパスコンデンサ8の負極端子〜第1及び第2のトランジスタの各第1ソース端子の寄生インダクタンスを含むインピーダンスはほぼ等しくなり、さらにバイパスコンデンサ8の正極端子〜第3及び第4のトランジスタの各ドレイン端子の寄生インダクタンスを含むインピーダンスもほぼ等しくなる。従って、スイッチング回路のターンオンやターンオフ時のような過渡時に流れる主電流が、第1及び第2のトランジスタで均衡化し、第3及び第4のトランジスタでも均衡化する。もちろん、インピーダンス要因ともなる第1〜第4のコネクタ12a、12b、12c、12dが同一素材で同一形状であることが望ましい。
なお、本実施の形態6では、過渡時の主電流均衡化のために加えて、小型高密度実装のためにサブ配線基板を用いた立体的な構造を開示したが、このサブ配線基板にさらに別な機能を持たせることが可能である。例えば、バイパスコンデンサ8が実装されるサブ配線基板上の配線導体は電位変動が少なく比較的安定しており、放射雑音を抑制するシールド効果も期待できる。
また、第1〜第4のトランジスタ4〜7の少なくとも1つの放熱用ヒートシンクを兼ねさせて、より大電流スイッチングに適用する、あるいは温度上昇を抑制して長寿命化を図っても良い。具体的には、サブ配線基板11の放熱性を高める為に両面全体に配線導体を施す、サブ配線基板11に高放熱なセラミック基板を使用する、サブ配線基板とトランジスタ間をシリコングリス等の高放熱材で充填する等がある。
(その他の実施の形態)
以上、本開示のスイッチング回路について、実施の形態に基づいて説明してきたが、本開示のスイッチング回路は、実施の形態1〜6に限定されるものではない。上記実施の形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、上記実施の形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本開示のスイッチング回路を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
本発明に係るスイッチング回路は、スイッチング電源やインバータ等に有用である。
1 駆動電源
2 駆動信号源
3 駆動回路
4 第1のトランジスタ
5 第2のトランジスタ
6 第3のトランジスタ
7 第4のトランジスタ
8 バイパスコンデンサ
9 負荷
10 配線基板
11 サブ配線基板

Claims (15)

  1. 正極端子と負極端子を有して所定の駆動電圧を出力する駆動電源と、
    並列接続される第1のトランジスタ及び第2のトランジスタと、
    前記第1及び第2のトランジスタをオンオフ駆動するための駆動パルス信号を出力する駆動信号源と、
    電源端子とグランド端子を有して前記駆動電源から電力を供給され、前記駆動パルス信号に応じて、前記第1のトランジスタをオンオフ駆動する第1の駆動信号と、前記第2のトランジスタをオンオフ駆動する第2の駆動信号とを出力する駆動回路を有し、
    前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタはそれぞれ、オン時に主電流が流れるドレイン電極及びソース電極と、受電信号に応じて前記ドレイン電極と前記ソース電極間のインピーダンスを変化させるゲート電極とを内蔵し、前記ゲート電極に接続されるゲート端子と、前記ドレイン電極に接続されるドレイン端子と、主電流を流すために前記ソース電極と接続される第1ソース端子と、前記第1ソース端子とは別に、ソース電圧検出及びゲート駆動電流を流す為に前記ソース電極に接続される第2ソース端子とを有し、
    ここで、前記第1ソース端子は前記第2ソース端子より低インピーダンスで前記ソース電極に接続され、
    前記第1のトランジスタのドレイン端子と前記第2のトランジスタのドレイン端子は接続され、前記第1のトランジスタの第1ソース端子と第2のトランジスタの第1ソース端子は接続され、前記第1のトランジスタのゲート端子は前記第1の駆動信号を受電し、前記第2のトランジスタのゲート端子は前記第2の駆動信号を受電し、
    前記第1のトランジスタの第2ソース端子および前記第2のトランジスタの第2ソース端子は、前記駆動電源の負極端子と前記駆動回路のグランド端子との結線部で接続される、
    スイッチング回路。
  2. 前記第1のトランジスタと第2のトランジスタは定格電流が等しく、
    前記駆動回路の第1の駆動信号と第2の駆動信号が等しく設定された、
    請求項1記載のスイッチング回路。
  3. 正極端子と負極端子を有して所定の駆動電圧を出力する駆動電源と、
    並列接続される第1のトランジスタ及び第2のトランジスタと、
    前記第1及び第2のトランジスタをオンオフ駆動するための駆動パルス信号を出力する駆動信号源と、
    前記駆動電源から電力を供給され、前記駆動パルス信号に応じて、前記第1のトランジスタをオンオフ駆動する第1の駆動信号と、前記第2のトランジスタをオンオフ駆動する第2の駆動信号とを出力する駆動回路を有し、
    前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタはそれぞれ、オン時に主電流が流れるドレイン端子及びソース端子を有し、受電信号に応じて前記ドレイン端子と前記ソース端子間のインピーダンスを変化させるゲート端子を有し、
    前記第1のトランジスタのドレイン端子と前記第2のトランジスタのドレイン端子は接続され、前記第1のトランジスタのソース端子と第2のトランジスタのソース端子は接続され、前記第1のトランジスタのゲート端子は前記第1の駆動信号を受電し、前記第2のトランジスタのゲート端子は前記第2の駆動信号を受電し、
    前記駆動回路は、
    前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのオン状態を指示する期間中、前記第1の駆動信号の一部として、前記駆動電源の正極端子から前記第1のトランジスタのゲート端子へ所定の直流電流であるオン駆動電流を供給する第1のオン回路と、
    前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのオン状態を指示する期間中、前記第2の駆動信号の一部として、前記駆動電源の正極端子から前記第2のトランジスタのゲート端子へ所定の直流電流であるオン駆動電流を供給する第2のオン回路と、
    前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのターンオンを指示する時に、前記第1の駆動信号の一部として、前記駆動電源の正極端子から前記第1のトランジスタのゲート端子へ所定のターンオン駆動電流を供給する第1のターンオン回路と、
    前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのターンオンを指示する時に、前記第2の駆動信号の一部として、前記駆動電源の正極端子から前記第2のトランジスタのゲート端子へ所定のターンオン駆動電流を供給する第2のターンオン回路と、
    前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのターンオフを指示する時に、前記第1の駆動信号の一部として、前記第1のトランジスタのゲート端子から所定のターンオフ駆動電流を引き抜く第1のターンオフ回路と、
    前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのターンオフを指示する時に、前記第2の駆動信号の一部として、前記第2のトランジスタのゲート端子から所定のターンオフ駆動電流を引き抜く第2のターンオフ回路と、
    を有するスイッチング回路。
  4. 前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタは、オン状態の維持にゲート端子への電流が必要なトランジスタである、
    請求項3記載のスイッチング回路。
  5. 前記第1のトランジスタと第2のトランジスタは定格電流が等しく、
    前記駆動回路は、
    前記第1のオン回路におけるオン駆動電流と前記第2のオン回路におけるオン駆動電流が等しく設定され、
    第1のターンオン回路におけるターンオン駆動電流と第2のターンオン回路におけるターンオン駆動電流が等しく設定され、
    第1のターンオフ回路におけるターンオフ駆動電流と第2のターンオフ回路におけるターンオフ駆動電流が等しく設定された、
    請求項3記載のスイッチング回路。
  6. 前記第1のオン回路と前記第2のオン回路は、前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのオン状態を指示する時にオンとなる第1のスイッチを共有し、
    前記第1のオン回路は前記第1のスイッチと第1のオン駆動抵抗との直列回路を含み、
    前記第2のオン回路は前記第1のスイッチと第2のオン駆動抵抗との直列回路を含む、
    請求項3記載のスイッチング回路。
  7. 前記第1のターンオン回路と前記第2のターンオン回路は、前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのオン状態を指示する時にオンとなる第2のスイッチを共有し、
    前記第1のターンオン回路は前記第2のスイッチと第1のコンデンサとの直列回路を含み、
    前記第2のターンオン回路は前記第2のスイッチと第2のコンデンサの直列回路を含む、
    請求項3記載のスイッチング回路。
  8. 前記第1のターンオフ回路と前記第2のターンオフ回路は、前記駆動電源の負極端子に接続されて前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのオフ状態を指示する時にオンとなる第3のスイッチを共有し、
    前記第1のターンオフ回路は前記第3のスイッチと第1のダイオードとの直列回路を含み、前記第2のターンオフ回路は前記第3のスイッチと第2のダイオードとの直列回路を含む、
    請求項3記載のスイッチング回路。
  9. 前記駆動回路は、前記駆動電圧と逆極性の負電圧を出力する負駆動電源を有し、
    前記第1のターンオフ回路と前記第2のターンオフ回路は、前記負駆動電源に接続されて前記駆動パルス信号が前記第1及び第2のトランジスタのオフ状態を指示する時にオンとなる第3のスイッチを共有し、
    前記第1のターンオフ回路は前記負駆動電源と前記第3のスイッチと第1のダイオードとの直列回路を含み、
    前記第2のターンオフ回路は前記負駆動電源と前記第3のスイッチと第2のダイオードとの直列回路を含む、
    請求項3記載のスイッチング回路。
  10. さらに、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタの交流電流源となるバイパスコンデンサを有し、
    前記主電流が、負荷から前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタを介して前記バイパスコンデンサの負極端子へと流れるように結線され、
    前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタと前記バイパスコンデンサは、配線基板上に、前記第1のトランジスタの第1ソース端子と前記バイパスコンデンサの負極端子の間のインピーダンスと前記第2のトランジスタの第1ソース端子と前記バイパスコンデンサの負極端子の間のインピーダンスが等しくなるように配設された、
    請求項2記載のスイッチング回路。
  11. 前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタと前記バイパスコンデンサは、前記配線基板の平面視において、前記第1のトランジスタのソース端子と前記第2のトランジスタのソース端子を結ぶ線分の垂直2等分線が、前記バイパスコンデンサの負極端子を通るように配設された、
    請求項10記載のスイッチング回路。
  12. さらに、第3のトランジスタと第4のトランジスタを有し、
    前記第3のトランジスタと前記第4のトランジスタは、それぞれ、主電流が流れるドレイン端子及び第1ソース端子を有し、
    配線基板上に、
    前記第3のトランジスタのドレイン端子と前記第4のトランジスタのドレイン端子と前記バイパスコンデンサの正極端子が接続され、
    前記第1のトランジスタのドレイン端子と前記第2のトランジスタのドレイン端子と前記第3のトランジスタのソース端子と第4のトランジスタのソース端子が接続され、
    前記第3のトランジスタと前記第4のトランジスタと前記バイパスコンデンサは、前記配線基板の平面視において、前記第3のトランジスタのドレイン端子と前記第4のトランジスタのドレイン端子を結ぶ線分の垂直2等分線が、前記バイパスコンデンサの正極端子を通るように配設される、
    請求項11記載のスイッチング回路。
  13. さらに、
    前記配線基板と、
    前記配線基板上に配設された前記第1のトランジスタの直近で前記第1のトランジスタのソース端子に接続された第1のコネクタと、
    前記配線基板上に配設された前記第2のトランジスタの直近で前記第2のトランジスタのソース端子に接続された第2のコネクタと、
    前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタの上に、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタによって前記配線基板と接続され、前記バイパスコンデンサを配設したサブ配線基板とを有し、
    前記第1のコネクタと前記第2のコネクタと前記バイパスコンデンサは、前記配線基板の平面視において、前記サブ配線基板上で、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタを結ぶ線分の垂直2等分線が、前記バイパスコンデンサの負極端子を通るように配設される、
    請求項10記載のスイッチング回路。
  14. さらに、第3のトランジスタと第4のトランジスタを有し、
    前記第3のトランジスタと前記第4のトランジスタは、それぞれ主電流が流れるドレイン端子及び第1ソース端子を有し、
    前記スイッチング回路は、さらに、
    前記配線基板上に配設された前記第3のトランジスタの直近で前記第3のトランジスタのドレイン端子に接続された第3のコネクタと、
    前記配線基板上に配設された前記第4のトランジスタの直近で前記第4のトランジスタのドレイン端子に接続された第4のコネクタとを有し、
    前記第3のコネクタと前記第4のコネクタは前記サブ配線基板に接続され、
    前記第3のコネクタと前記第4のコネクタと前記バイパスコンデンサは、前記配線基板の平面視において、前記サブ配線基板上で、前記第3のコネクタと前記第4のコネクタを結ぶ線分の垂直2等分線が、前記バイパスコンデンサの正極端子を通るように配設される、
    請求項13記載のスイッチング回路。
  15. 前記サブ配線基板は、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとに対するヒートシンクも兼ねる、
    請求項13記載のスイッチング回路。
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