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JPWO2006038547A1 - 活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤、それを塗布した活性エネルギー線粘着力消失型粘着シート、及びエッチング化金属体の製造方法 - Google Patents

活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤、それを塗布した活性エネルギー線粘着力消失型粘着シート、及びエッチング化金属体の製造方法 Download PDF

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JPWO2006038547A1
JPWO2006038547A1 JP2006539259A JP2006539259A JPWO2006038547A1 JP WO2006038547 A1 JPWO2006038547 A1 JP WO2006038547A1 JP 2006539259 A JP2006539259 A JP 2006539259A JP 2006539259 A JP2006539259 A JP 2006539259A JP WO2006038547 A1 JPWO2006038547 A1 JP WO2006038547A1
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慎一 薄井
緒方 敬三
敬三 緒方
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Abstract

耐エッチング性光重合開始剤、活性エネルギー線反応性化合物及び硬化剤を含む活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤、及び(1)金属箔と基材フィルムとを、前記活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を介して貼付する工程;(2)前記金属箔の選択的エッチングによってエッチング金属層を形成する工程;(3)基材フィルム、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤、及びエッチング金属層からなる積層体のエッチング金属層を絶縁性基板と組み合わせる工程;及び(4)前記基材フィルムを前記エッチング金属層から剥離する工程を含み、前記工程(1)の後と工程(4)の前との間に活性エネルギー線照射を少なくとも1回行う、エッチング化金属体の製造方法を開示する。

Description

本発明は、プリント回路基板製造工程、半導体素子収納用パーケージ、金属、プラスチックス、及び半導体ウエハ等の表面保護又は補強に用いられる活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤、それを塗布した活性エネルギー線粘着力消失型粘着シート、及びエッチング化金属体(etched metal article)の製造方法に関する。
近年、プリント回路基板や半導体素子収納用パーケージ等に使用される回路基板は、各種電子機器の高性能化に伴い高密度化が進み、回路幅と回路ピッチを20μm以下にすることが求められている。
そこで、微細な回路パターンの形成方法として、紫外線照射により粘着力が低下する感圧接着剤層を担持する粘着シート表面に回路パターン形成用の金属箔を貼付してエッチング法等を用いて金属箔の不要な部分を除去して回路パターンとし、これを転写シートとして有機樹脂を含む絶縁性基板と圧着させたのち、紫外線を照射して粘着力を低下させ、粘着シートを剥離することで回路パターンを絶縁性基板に転写する方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法によれば、絶縁基板が各種薬液に接触しないので、薬液による基板の特性低下を防止することができる。また、回路パターンが絶縁基板上に埋め込まれるので、両者の密着性は良好であり、平坦度が高いという利点も有している。
また、プリント回路基板を多層化する方法として、紫外線照射により粘着力が低下する感圧接着剤層を担持する粘着シート上に金属製の円錐台突起を形成し、形成された金属製の円錐台突起を絶縁性フィルムに突き刺したのち、紫外線を照射して粘着力を低下させ、粘着シートを剥離することにより配線膜間接続用部材を作成し、これを用いて多層配線回路基板を製造する方法が提案されている(特許文献2参照)。
金属製の円錐台突起は、金属層上にエッチングレジストを積層する工程、フォトマスク等を介して露光、現像する工程、ケミカルエッチング等により円錐台突起非形成部の金属層を除去する工程、及び金属製の円錐台突起上に残存したエッチングレジストをカセイソーダ等のアルカリ水溶液を用いて剥離する工程を経て粘着シート状に形成される。
紫外線照射により粘着力が低下する感圧接着剤としては、半導体ウエハのダイシング工程用フィルムに用いられているような紫外線照射により粘着力が低下する感圧接着剤が知られている。公知の紫外線照射により粘着力が低下する感圧接着剤は、メインポリマー、例えばアクリル系ポリマーと、光重合開始剤や紫外線反応性化合物、例えばアクリロイル基やメタクリロイル基を2個以上有するモノマーやオリゴマーと、その他の硬化剤等の添加剤とが配合されたものである。
しかし、公知の紫外線照射により粘着力が低下する感圧接着剤を用いて回路パターンを形成した場合、次に挙げる重大な問題が発生する。すなわち、エッチング工程で用いられる塩化第二鉄や塩化第二銅などの酸性水溶液や、その後のエッチングレジスト剥離工程で用いられるカセイソーダなどのアルカリ性水溶液等の薬液に、回路パターン形成部と感圧接着剤層の界面、及び回路パターン非形成部の感圧接着剤が暴露されるため、感圧接着剤中に配合されている光重合開始剤や紫外線反応性化合物等の低分子成分がそれら薬液中に溶出してしまう。これら溶出分の中でも光重合開始剤の溶出が重大である。
回路パターン非形成部や回路パターン形成部と感圧接着剤層の界面から光重合開始剤が溶出すると、紫外線照射を行ったときに粘着力が低下しなければならない回路パターン形成部の感圧接着剤層の粘着力が低下しないため、剥離操作の際に回路パターン金属表面に感圧接着剤が残留し、剥離後に回路側へ汚染が生じる。
また、回路パターンを絶縁性基板に転写する際に、紫外線を照射して粘着シートを剥離するが、光重合開始剤が溶出したことで絶縁性基板と回路パターン非形成部の間の粘着力が低下しないため、粘着シートの剥離が難しくなりプリント回路基板の歩留まりの低下や生産性及び作業性が大きく低下する。
特開平10−173316号公報 特開2000−309370号公報
本発明の目的は、光重合開始剤がエッチング液等の薬液へ溶出しない活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤、それを塗布した活性エネルギー線粘着力消失型粘着シート、及び金属箔と基材フィルムとを接着している感圧接着剤の粘着力が活性エネルギー線照射後に十分に低下するため、基材フィルムから絶縁性基板へのエッチング金属層の転写性及び基材フィルムからのエッチング金属層の剥離性が良好で、表面の汚染がないエッチング化金属体を歩留まりが高く製造できるエッチング化金属体の製造方法を提供することにある。
前記の目的は、本発明により、耐エッチング性光重合開始剤、活性エネルギー線反応性化合物及び硬化剤を含む活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤によって解決することができる。
本発明による活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤の好ましい態様において、耐エッチング性光重合開始剤は、重量平均分子量1,000〜200万の高分子量化光重合開始剤であり、特には、前記高分子量化光重合開始剤は、反応性官能基を有する光重合開始剤と、前記反応性官能基と反応可能な官能基を有する重量平均分子量3,000〜200万の高分子量化合物とを反応させてなるものである。
本発明による活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤の別の好ましい態様において、耐エッチング性光重合開始剤は、一般式(1):
Figure 2006038547
(式中、Xはアンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン、オキソスルホニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、オキソホスホニウムカチオン、又はヨードニウムカチオンから選ばれるカチオンであり、Ar、Ar、及びArは、相互に同じか若しくは異なり、置換基を有していてもよい合計炭素数6〜10のアリール基であり、Rは置換基を有していてもよい合計炭素数6〜10のアリール基、又は炭素数1〜8の一級アルキル基を示す)
で表される光重合開始剤であり、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤が、更に反応性官能基を有する重量平均分子量5,000〜200万の弾性重合体を含む。
本発明は、基材フィルム上に、前記活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤からなる層を担持する活性エネルギー線粘着力消失型粘着シートにも関する。
また、本発明は、
(1)金属箔と基材フィルムとを、前記活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を介して貼付する工程;
(2)前記金属箔の選択的エッチングによってエッチング金属層を形成する工程;
(3)基材フィルム、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤、及びエッチング金属層からなる積層体のエッチング金属層を絶縁性基板と組み合わせる工程;及び
(4)前記基材フィルムを前記エッチング金属層から剥離する工程
を含み、前記工程(1)の後と工程(4)の前との間に活性エネルギー線照射を少なくとも1回行う、エッチング化金属体の製造方法にも関する。
本発明による製造方法の好ましい態様において、前記金属箔の選択的エッチングによってエッチング金属層を形成した後に活性エネルギー線照射を行う。
また、本発明による製造方法の別の好ましい態様において、前記組合せ工程(3)は、エッチング金属層を絶縁性基板の表面に貼付けるか、エッチング金属層を絶縁性基板に貫通させるか、又はエッチング金属層を絶縁性基板の内部に埋め込む工程である。
更に、本発明による製造方法の別の好ましい態様において、金属箔と感圧接着剤との粘着力は、活性エネルギー線照射前は30g/25mm〜3,000g/25mmで、活性エネルギー線照射後は30g/25mm未満であり、かつ絶縁性基板と感圧接着剤とのループタックは、エッチング液に曝露前は50g/25mm〜3,000g/25mmで、エッチング液に曝露後は50g/25mm未満である。
更にまた、本発明による製造方法の別の好ましい態様において、基材フィルム剥離後の金属表面の金属原子濃度は、基材フィルム積層前の金属表面の原子濃度に対して50%以上である。
本発明の活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤、及びそれを塗布した活性エネルギー線粘着力消失型粘着シートは、感圧接着剤層中に含まれる光重合開始剤が耐エッチング性を有しているため、光重合開始剤がエッチング液等の薬液へ溶出することがない。
また、本発明のエッチング化金属体の製造方法は、金属箔と基材フィルムとを、耐エッチング性を有する光重合開始剤を含む活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を介して貼付しているため、形成されたエッチング金属層の基材フィルムからの剥離性が改善され、金属表面に感圧接着剤が残留せず、不良発生を低減することができる。
本発明の活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤は、感圧性であることから、圧力をかけて被着体と接着させることができ、更に、活性エネルギー線を照射することにより粘着力を低下させ、基材フィルムなどから容易に剥離することができる。本発明による活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤は、耐エッチング性を有する光重合開始剤、活性エネルギー線反応性化合物及び硬化剤を含む。
耐エッチング性を有する光重合開始剤は、活性エネルギー線照射による硬化前の感圧接着剤が、エッチング液に触れたときに、エッチング液に溶出し難いものである。
本発明で用いることのできる耐エッチング性光重合開始剤としては、例えば、重量平均分子量1,000〜200万の光重合開始剤又は下記一般式(1)で表される光重合開始剤を挙げることができる。
重量平均分子量1,000〜200万の耐エッチング性光重合開始剤は、重量平均分子量1,000〜200万、より好ましくは3,000〜200万、更に好ましくは5,000〜200万、特に好ましくは1万〜200万の高分子量化光重合開始剤である。重量平均分子量1,000〜200万の高分子量化光重合開始剤は、分子量が大きいため、エッチング液への溶出がない。重量平均分子量1,000未満のときは、エッチング液への光重合開始剤の溶出が生じる恐れがあり、200万を超えるときは粘度の面から合成が難しい。なお、本発明における重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したものである。
高分子量化光重合開始剤は、例えば、反応性官能基を有する光重合開始剤を、前記反応性官能基とこれに反応可能な官能基との反応を介してオリゴマーやポリマーへ化学的に結合させる方法、又は反応性官能基を有する光重合開始剤を前記反応性官能基とこれに反応可能な官能基との反応を介して結合させたモノマーを重合する方法などにより高分子量化することによって調製することができる。
反応性官能基を有する光重合開始剤中の反応性官能基としては、例えば、水酸基、又はカルボキシル基等が挙げられる。
水酸基を有する光重合開始剤としては、例えば1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンや、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等が挙げられる。カルボキシル基を有する光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン−2−カルボン酸等が挙げられる。反応性官能基を有する光重合開始剤の中では、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンが好ましい。
高分子量化光重合開始剤の合成方法としては、例えば水酸基を有する光重合開始剤の水酸基を多塩基酸無水物(例えば、無水ピロメリット酸)の2つの酸無水環と反応させ、残存する2つのカルボキシル基を更にビスフェノールAの両末端のグリシジル基と反応させて、多段階で高分子量化する方法が挙げられる。
また、2個の水酸基又は2個のカルボキシル基を有する光重合開始剤に対して、前者へは2官能の有機酸(例えば、アジピン酸)、後者へは2官能のポリオール(例えば、エチレングリコール)を反応させて、ポリエステルを合成することでポリマー主鎖へ光重合開始剤を組み込む方法も挙げられる。
また、他の合成方法として、予め水酸基を有する光重合開始剤の水酸基を炭素−炭素二重結合とイソシアネート基を有する化合物(例えば、2−メタクリロイルオキシイソシアネート)のイソシアネート基と反応させて光重合開始剤含有モノマーを合成し、それを他のモノマーと共重合して高分子量化光重合開始剤を合成する方法、炭素−炭素二重結合を有する酸無水物(例えば、無水マレイン酸やイタコン酸無水物等)の酸無水環と水酸基を有する光重合開始剤とを反応させて光重合開始剤含有モノマーを合成し、それを他のモノマーと共重合する方法、炭素−炭素二重結合とカルボキシル基を有する化合物(例えば、アクリル酸やメタクリル酸等)と、水酸基を有する光重合開始剤とを反応させて光重合開始剤含有モノマーを合成し、それを他のモノマーと共重合する方法が挙げられる。更にカルボキシル基を有する光重合開始剤を炭素−炭素二重結合を有するエポキシ化合物(例えば、グリシジルメタクリレート)と反応させて光重合開始剤含有モノマーを合成し、それを他のモノマーと共重合する方法が挙げられる。
高分子量化光重合開始剤としては、反応性官能基を有する光重合開始剤と、前記反応性官能基と反応可能な官能基を有する重量平均分子量3,000〜200万の高分子量化合物とを反応させて調製することのできる生成物、つまり光重合開始剤を高分子量化合物へグラフトしたものがエッチング液等の薬液への溶出が少ないため好ましい。
光重合開始剤を高分子量化合物へグラフトする方法としては、例えばイソフォロンジイソシアネートの一方のイソシアネート基と水酸基を有する光重合開始剤とを反応させてからもう一つのイソシアネート基を高分子量化合物側の水酸基と反応させる方法、水酸基を有する光重合開始剤と高分子量化合物側のイソシアネート基とを反応させる方法、水酸基を有する光重合開始剤と高分子量化合物側の酸無水環とを反応させる方法、カルボキシル基を有する光重合開始剤と高分子量化合物側のグリシジル基とを反応させる方法、カルボキシル基を有する光重合開始剤と高分子量化合物側の水酸基とを反応させる方法が挙げられるが、公知の反応でグラフトすれば良くこれらに限定されない。
光重合開始剤をグラフトする高分子量化合物は、重量平均分子量が2,000〜200万であることが好ましく、アクリル系ポリマー又はウレタン系ポリマーであることが好ましい。アクリル系ポリマーは重量平均分子量3,000〜200万であることが好ましい。重量平均分子量が3,000未満のときは合成時の分子量制御が難しく、200万を超えるときは粘度の面から合成が難しい。ウレタン系ポリマーは重量平均分子量2,000〜20万であることが好ましい。重量平均分子量が2,000未満のときは合成時の分子量制御が難しく、20万を超えるときは粘度の面から合成が難しい。
光重合開始剤のグラフトに使用できるアクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、及びそれと共重合可能なビニルモノマーの1種又は2種類以上との共重合体であり、重合開始剤が有する反応性官能基と反応可能な官能基を有する。アクリル系ポリマーは、ラジカル重合で合成され、反応形態は溶液重合、懸濁重合、乳化重合、光重合、又は塊状重合等公知の方法による。アクリル系ポリマーのガラス転移点は、粘着性及びタックを付与するために−60℃〜0℃に設定することが好ましい。−60℃未満のときは凝集力が不足して、0℃を越えると粘着力やタックが不足する。
光重合開始剤が有する反応性官能基と反応可能な官能基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、アミド基、グリシジル基、又はイソシアネート基等が挙げられ、これらの官能基は、これらの官能基を有するモノマーを共重合することにより、アクリル系ポリマーに導入することができる。アクリル系ポリマーが有する官能基のうち、光重合開始剤が有する反応性官能基と反応せずに残存しているものは、硬化剤と反応することもできる。
前記アクリル系ポリマーの共重合に用いられる官能基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、イタコン酸無水物、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等を挙げることができる。
前記アクリル系ポリマーの共重合に用いられる官能基を有しない(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸イソブロピル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等を挙げることができる。
前記アクリル系ポリマーの共重合に用いられるビニルモノマーとしては、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、又はビニルトルエン等を挙げることができる。
ウレタン系ポリマーは、ポリエステルポリオール、又はポリエーテルポリオール等のポリオールと有機ポリイソシアネートとを反応させて得られるものであり、公知の方法及び公知の原料で合成できる。
ポリエステルポリオールを構成する酸成分しては、例えば、テレフタル酸、アジピン酸、又はアゼライン酸等が挙げられ、グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、又はジエチレングリコール等が挙げられ、ポリオール成分としては、例えば、グリセリン、トチメチロールプロパン、又はペンタエリスリトール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、又はポリテトラメチレングリコール等の官能基数が2以上のものが用いられる。
ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールの数平均分子量は1,000〜5,000が好ましく、2,500〜3,500がより好ましい。ポリオールの数平均分子量が1,000未満では反応が早くゲル化しやすくなり、5,000を超えると反応性が低くなり、得られるウレタン系ポリマーの凝集力も低くなる。ポリオールと有機ポリイソシアネートとを反応させる際には、必要に応じて多価アミン類も併用できる。
有機ポリイソシアネートとしては、例えば、公知の芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、又は脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイシシアネート、又は4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、又はヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、イソフォロンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、又は1,4−シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
また、上記ポリイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、又はイソシアヌレート環を有する3量体等も併用することができる。
次に、下記一般式(1)で示される光重合開始剤について説明する。
下記一般式(1)で示される光重合開始剤は、分子構造的にエッチング用途の塩化銅水溶液、塩化鉄水溶液、又はアルカリ系エッチング液への溶解性がほとんど無いため、好適に用いることができる。
一般式(1):
Figure 2006038547
ここで、Xは、アンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン、オキソスルホニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、オキニウムカチオン、又はヨードニウムカチオンから選ばれるカチオンであり、Ar、Ar、及びArは、相互に同じか若しくは異なり、置換基を有していてもよい合計炭素数6〜10のアリール基であり、Rは置換基を有していてもよい合計炭素数6〜10のアリール基、又は炭素数1〜8の一級アルキル基を示す。
一般式(1)で示される光重合開始剤は、公知の化合物であり、例えば、特許第2711491号、特許第2803454号、特開平2001−106712、又は特開平2002−265512に記載の化合物である。
上記一般式(1)で示される光重合開始剤について詳細に説明する。
オニウムカチオンXのアンモニウムカチオンとしては、例えばテトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラn−プロピルアンモニウムカチオン、テトラn−ブチルアンモニウムカチオン、n−ブチルトリフェニルアンモニウムカチオン、テトラフェニルアンモニウムカチオン、又はベンジルトリフェニルアンモニウムカチオン等の4級アンモニウム塩等が挙げられる。
のスルホニウムカチオンとしては、例えばトリフェニルスルホニウムカチオン、トリ(4−トリル)スルホニウムカチオン、又は4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムカチオン等のスルホニウムカチオンが挙げられる。
のオキソスルホニウムカチオンとしては、例えばトリフェニルオキソスルホニウムカチオン、トリ(4−トリル)オキソスルホニウムカチオン、又は4−tert−ブチルフェニルジフェニルオキソスルホニウムカチオン等が挙げられる。
のピリジニウムカチオンとしては、例えばN−メチルピリジニウムカチオン、又はN−n−プチルピリジニウムカチオン等のピリジニウムカチオンが挙げられる。
のホスホニウムカチオンとしては、例えばテトラメチルホスホニウムカチオン、テトラn−ブチルホスホニウムカチオン、テトラn−オクチルホスホニウムカチオン、テトラフェニルホスホニウムカチオン、又はベンジルトリフェニルホスホニウムカチオン等のホスホニウムカチオンが挙げられる。
のオキソニウムカチオンとしては、例えばトリフェニルオキソニウムカチオン、トリ(4−トリル)オキソニウムカチオン、又は4−tert−ブチルフェニルジフェニルオキソニウムカチオン等が挙げられる。
のヨードニウムカチオンとしては、例えばジフェニルヨードニウムカチオン、ジ(4−メチルフェニル)ヨードニウムカチオン、又はジ(4−tertブチルフェニル)ヨードニウムカチオン等のヨードニウムカチオンが挙げられる。
一般式(1)におけるボレートアニオンにおいて、Ar、Ar及びArで表される置換基を有していてもよい合計炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,5−キシリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基に加え、o−クロロフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−シアノフェニル基、又はp−メトキシフェニル基等の置換アリール基が挙げられる。このうち好ましいものとしては、フェニル基、o−トリル基、p−トリル基、m−フルオロフェニル基、又は2−ナフチル基が挙げられる。Ar、Ar、及びArは、それらの2つ又は3つが相互に同じであるか、あるいは相互に異なることができ、3つが相互に同じ基であることが好ましい。
一般式(1)におけるボレートアニオンにおいて、Rで表される置換基を有していてもよい合計炭素数6〜10のアリール基としては、Ar、Ar及びArに関して記載した置換基を有していてもよい合計炭素数6〜10のアリール基と同じものを挙げることができる。なお、Rが、置換基を有していてもよい合計炭素数6〜10のアリール基である場合には、R、Ar、Ar、及びArは、それらの2つ以上が同じ基であるか、あるいは、それぞれ異なる基であることができる。置換基Rで示される炭素数1〜8の一級アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等を挙げることができる。置換基Rとして炭素数1〜8の一級アルキル基のときが、光重合開始剤としての感度的に好ましい。
一般式(1)で示される光重合開始剤としては、例えば、以下の化合物(1)〜(9)を挙げることができる(ただし、Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、Hexはヘキシル基、Phはフェニル基、及びNafは2−ナフチル基を示す)。
Figure 2006038547
Figure 2006038547
活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤中の耐エッチング性を有する光重合開始剤の含有量(高分子量化光重合開始剤を含むときは高分子量化反応前の光重合開始剤の量)は、活性エネルギー線反応性化合物100重量部に対して0.1〜30重量部、更に1〜25重量部が好ましい。光重合開始剤の含有量が0.1重量部未満であると、活性エネルギー線を照射しても活性エネルギー線反応性化合物を充分に反応させることが難しく、30重量部を越えると増加量に相当する効果を得ることができないので経済的に不利である。
活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤には、必要に応じて公知の増感剤を併用してもよい。
活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤に含まれる活性エネルギー線反応性化合物は、活性エネルギー線照射により3次元架橋することのできる化合物であり、例えば、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有するモノマー又はオリゴマーを挙げることができる。活性エネルギー線反応性化合物は、アクリロイル基又はメタクリロイル基を2個以上有するものであることが好ましく、3個以上有するものが更に好ましく、6個以上有するものが更に好ましい。またアクリロイル基又はメタクリロイル基の数の上限に特に制限は無いが、20個より多くても活性エネルギー線照射後の粘着力低下性はほとんど向上しない。活性エネルギー線反応性化合物は、活性エネルギー線照射により粘着力が充分低下するだけの量が含まれていれば良く、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤100重量部に対して好ましくは10〜200重量部、より好ましくは20〜150重量部、最も好ましくは30〜120重量部の割合で配合することができる。配合量が10重量部未満のときは、活性エネルギー線を照射したときに粘着力の低下が不十分であり、200重量部を越えると未反応の活性エネルギー線反応性化合物がエッチング化金属体を汚染する恐れがある。また、以下に使用することのできるモノマー及びオリゴマーを例示するが、これらに限定されず公知の化合物が使用できる。
上記モノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、又はジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能モノマーを挙げることができる。
上記オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレートオリゴマーやウレタンアクリレートオリゴマーが挙げられるがウレタンアクリレートオリゴマーが好ましい。ウレタンアクリレートオリゴマーは、例えばポリエステル又はポリエーテル等のポリオール化合物と多価イソシアネート化合物、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアネート等を反応させて得られる末端イソシアネートプレポリマーに、水酸基を有するアクリレートあるいはメタクリレート、例えばアクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、又はペンタエリスリトールトリアクリレート等を公知の方法で反応させて得ることができる。ウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量は500〜30,000が好ましく、更に1,000〜20,000が好ましい。ウレタンアクリレートオリゴマー中のアクリロイル基又はメタクリロイル基の数は2〜10個が好ましく、更に4〜10個が好ましく、特に6〜10個が好ましい。
活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤に含まれる硬化剤は、耐エッチング性を有する光重合開始剤の官能基や、後述の弾性重合体を併用するときはその官能基と反応して感圧接着剤に凝集力を付与するために用いられる。耐エッチング性を有する光重合開始剤及び併用する弾性重合体のうち、少なくともどちらか一方が硬化剤と反応し得る官能基を有することが好ましい。耐エッチング性を有する光重合開始剤及び弾性重合体が有する官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基、アミド基、又はグリシジル基が挙げられる。
硬化剤としては、例えば、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、又はアジリジニル系化合物等が挙げられる。硬化剤の配合量は、感圧接着剤へ凝集力を付与できる量であれば良く特に限定しない。
イソシアネート系化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、又はキシリレンジイソシアネート等のジイソシアネート、それらのトリメチロールプロパンアダクト体、ジイソシアネートと水とが反応したビュウレット体、又はイソシアヌレート環を有する3量体(イソシアネート3量体の環状体)等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ネオペンジルグリコールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、又はメタキシレンジアミンテトラグリシジルエーテル、及びそれらの水添化物等が挙げられる。
アジリジニル系化合物としては、例えば、N,N’−ジフェニルメタン−4,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオナート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオナート、又はN,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等が挙げられる。
活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤には、粘着力や凝集力を補うために弾性重合体を併用してもよい。特に、耐エッチング性を有する光重合開始剤として上記一般式(1)で示される光重合開始剤を用いるときには、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤に、反応性官能基を有する重量平均分子量5,000〜200万の弾性重合体を含有させることが好ましい。
弾性重合体としては、例えばアクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、シリコン系ポリマー、天然ゴム系ポリマー、又は合成ゴム系ポリマー等が挙げられるが、その中でもアクリル系ポリマー、又はウレタン系ポリマーが好ましい。アクリル系ポリマーを用いるときは重量平均分子量が20万〜200万であることが好ましく、ウレタン系ポリマーを用いるときは重量平均分子量が5,000〜20万であることが好ましい。
アクリル系ポリマー及びウレタン系ポリマーとしては、光重合開始剤をグラフトする高分子化合物として例示したものと同様のポリマーを用いることができる。また、含有量も特に限定されず、粘着力や凝集力を補うことのできる量で用いることができる。
活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤には、重合禁止剤を添加することも好ましい。重合禁止剤は、活性エネルギー線反応性化合物が、活性エネルギー線照射によらず、例えば熱により重合することを防止するために添加されるものであり、公知の重合禁止剤を使用できる。具体的には、ヒドロキノン、メトキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルヒドロキノン、p−ベンゾキノン、フェノチアジン、又はニトロソアミン系化合物等を挙げることができる。重合禁止剤の添加量は、活性エネルギー線反応性化合物100重量部に対して0.001〜30重量部が好ましく、0.01〜20重量部が更に好ましい。重合禁止剤の添加量が0.001重量部未満のときは重合禁止作用が不足し、30重量部を越えるときは活性エネルギー線照射による反応が阻害される。
活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤には、粘着付与樹脂(例えば、ロジンエステル)、無機微粒子化合物(例えば、シリカ化合物)、防錆剤、可塑剤、紫外線吸収剤、又は酸化防止剤等の公知の添加剤の1種又はそれ以上を配合することができる。
本発明において活性エネルギー線とは、エネルギーを有する電磁波を意味し、電子線、紫外線、又は放射線等が挙げられる。なかでも、装置の安価さやランニングコストから紫外線が好ましい。
紫外線照射装置としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、無電極ランプ、キセノンランプ、発光ダイオードランプ、半導体レーザー、Arレーザー、又はパルスUVランプ等の公知の照射装置が挙げられる。
紫外線を用いるときの照射量は、10mJ/cm〜3,000mJ/cmが好ましく、50mJ/cm〜3,000mJ/cmが更に好ましく、100mJ/cm〜3,000mJ/cmが更に好ましい。10mJ/cm未満であると感圧接着層の硬化が不足して十分な粘着力の低下が生じない恐れがあり、3,000mJ/cmを越えると照射に時間が掛かり経済的に不利である。
電子線照射装置としては、例えば、真空管型やドラム型等が挙げられる。電子線の照射量は、0.1〜10Gyが好ましい。
本発明の活性エネルギー線粘着力消失型粘着シートは、基材フィルム上に、耐エッチング性を有する光重合開始剤、活性エネルギー線反応性化合物及び硬化剤を含む活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤からなる層が形成されているものである。
本発明において基材フィルムとしては、活性エネルギー線が透過可能な、可とう性を有する任意のプラスチックフィルムを用いることができる。具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)、又はポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、又はエチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、又はポリ塩化ビニリデン等のビニル類、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、あるいはシクロオレフィン樹脂等のフィルムが挙げられる。
基材フィルムは、エッチング工程後に剥離するので、耐熱性及び耐エッチング性を有するもの、例えばポリエチレンテレフタレートが好ましい。
基材フィルムの厚みは、5〜200μm程度が好ましい。5μm未満だと取扱い性が悪くなり、200μmを越えてもフレキシブル性が無くなり、取扱い性が悪くなる。基材フィルムの金属箔を貼付する面(すなわち、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を担持する面)には、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤との接着性を良くする為に、易接着処理を施してもよい。易接着処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、又はフレーム処理等の乾式処理と、プライマー処理等の湿式処理がある。
活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤の塗布方法としては、例えば、コンマコート、リップコート、カーテンコート、ブレードコート、グラビアコート、キスコート、リバースコート、又はマイクログラビアコート、等が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。
活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤の厚みは、0.5μm〜50μm程度であることが好ましい。感圧性接着剤の厚みが0.5μm未満であると十分な接着性が得られず、また50μmを越えると、厚みの増加に相当する効果を得ることができないので経済的に不利である。
以下に、本発明のエッチング化金属体の製造方法について、工程ごとに説明する。
(1)貼付工程
貼付工程(1)における金属箔と基材フィルムとの貼付は、例えば、基材フィルムの片面に活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を積層して活性エネルギー線粘着力消失型粘着シートを作製し、この粘着シートの接着剤層面と金属箔とを貼り合わせることにより行うことができる。粘着シートの作製方法としては、2つあり、1つは基材フィルムに直接、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を積層する方法であり、もう1つはセパレータ上に活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を塗布し、基材フィルムと貼り合わせる方法である。
金属箔と粘着シートとの貼付は、ラミネーターやプレス機を用いて行うことが好ましく、必要に応じて加熱、加圧、及び/又は真空等の条件で行ってもよい。
貼付工程(1)で用いられる金属箔を構成する金属としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、クロム、又はチタン等の金属、あるいはそれらの2種以上を組み合わせた合金が挙げられる。なかでも、導電性や回路加工の容易さ、価格の面から銅、ニッケル、アルミニウム及びそれらの合金が好ましく、銅及び銅合金が更に好ましい。金属表面は、後工程でのエッチングレジストとの密着を向上させるために必ずしも平滑である必要は無く、表面がマット状で微細な凹凸があってもよい。金属表面の粗化方法としては、研磨機等の物理的粗化や過酸化水素−硫酸等の化学粗化、又は電解金属箔製造時に表面粗さをコントロールする手法があるが、特に限定しない。
(2)エッチング工程
エッチング工程(2)では、前記金属箔の選択的エッチングによってエッチング金属層を形成する。エッチング金属層の形成は、公知のプリント回路基板製造方法で形成できる。金属箔に公知の方法でエッチングレジストを積層したのち、エッチング液で金属箔を選択的にエッチングすることにより行う。エッチングレジストは、エッチング液に対して耐性を有し金属を保護するものであり、スクリーン印刷法、ドライフィルム/写真法、又は液体レジスト/写真法により金属箔上に積層することができる。
エッチング液としては、公知のエッチング液、例えば塩化第二鉄水溶液、若しくは塩化第二銅水溶液等の酸性溶液、又はアルカリエッチング液等を用いることができる。エッチング液の濃度は、金属箔の厚みや処理速度にもよるが、例えば塩化第二鉄のときは、通常150〜250g/リットル程度である。液温は、40〜80℃の範囲が好ましい。
金属箔をエッチング液に曝露する方法としては、例えば、エッチング液中への金属箔の浸漬、金属箔へのエッチング液のシャワーリング、又はエッチング液気相中への金属箔の曝露などがあるが、エッチング精度の安定性の点から、金属箔へのエッチング液のシャワーリングが好ましい。
エッチング金属層上に残存するエッチングレジストは、エッチング後にエッチングレジスト剥離液で剥離することが好ましい。エッチングレジスト剥離液としては、有機物を溶解できる水溶液、例えばアルカリ性水溶液が用いられ、コストや有機物除去性からカセイソーダ水溶液が好ましい。カセイソーダ水溶液の濃度は、エッチングレジストの厚みや処理速度にもよるが、通常1〜5重量%程度である。液温は20〜60℃の範囲が好ましい。被剥離物を剥離液に曝露する方法としては、例えば、剥離液中へのエッチングレジストが残存する金属箔の浸漬、エッチングレジストが残存する金属箔へのシャワーリング、又は剥離剤気相中へのエッチングレジストが残存する金属箔の曝露などがある。
エッチング工程(2)で形成されるエッチング金属層の形状は、連続でも不連続でもよく、規則的でも不規則でもよい。不規則で連続(一部が不連続であってもよい)のエッチング金属層は、プリント回路基板用や半導体素子収納用パーケージ等の配線回路パターンとして用いられることが好ましい。また、不連続の円錐台状のエッチング金属層は、多層配線回路接続用部材として用いられることが好ましい。
(3)組合せ工程
組合せ工程(3)では、基材フィルム、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤、及びエッチング金属層からなる積層体のエッチング金属層面を絶縁性基板と組み合わせる。組合せ工程(3)は、例えば、エッチング金属層を絶縁性基板の表面に貼付けるか、エッチング金属層を絶縁性基板に貫通させるか、又はエッチング金属層を絶縁性基板の内部に埋め込む工程である。この際に、例えば、ラミネーターやプレス機等を用いることができる。この組合せ工程(3)の前に、積層体のエッチング金属層側から活性エネルギー線を照射して、粘着力を低下させてもよい。
絶縁性基板としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、若しくはポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、若しくはEVA等のポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、若しくはポリ塩化ビニリデン等のビニル類、あるいはポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、若しくはフェノール樹脂等のフィルムや板が挙げられる。
絶縁性基板は、室温で半硬化状態であってもよい。また、絶縁性基板は、無機質充填材や繊維状基材を含有してもよく、その場合に絶縁性基板を構成する樹脂は、室温で液状であってもよい。
エッチング金属層面を絶縁性基板の表面へ貼付するときには、エッチング金属層面と絶縁性基板の間に転写用接着剤を介在させてもよい。転写用接着剤としては、公知のプリント回路基板用の接着剤が使用され、耐熱性がある接着剤が好ましい。エッチング金属層によって絶縁性基板を貫通させる場合には、例えば、前記エッチング工程(2)において、多層配線基板における回路間の層間接続手段として用いられる金属バンプ群をエッチング金属層として形成し、この金属バンプ群の上に絶縁性基板を熱ローラなどで圧着することによって、金属バンプ群の間に絶縁性樹脂層としての絶縁性基板を挿入することができる。また、エッチング金属層面を絶縁性基板へ埋め込むときには、絶縁性基板としては、無機質充填材或いは繊維状基材を含有するエポキシ樹脂を半硬化させたものが好ましい。すなわち、半硬化状態の絶縁性基板の表面からエッチング金属層を(その高さ方向の全体又は一部分で)押し込んで埋め込み、絶縁性基板を硬化させて実施することができる。
(4)剥離工程
剥離工程(4)では、前記基材フィルムを前記エッチング金属層から剥離し、目的のエッチング化金属体(etched metal article)を得ることができる。前記基材フィルムを前記エッチング金属層から剥離するためには、その剥離工程(4)の前に、活性エネルギー線照射によって活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤の粘着力を低下させておく。
活性エネルギー線照射は、前記工程(1)〜(4)において、少なくとも1回行えばよい。活性エネルギー線照射は、任意の回数、任意の時に行うことができる。特に、前記金属箔の選択的エッチングによってエッチング金属層を形成した後に、活性エネルギー線照射を行うことが好ましい。なお、複数回照射によって、段階的に粘着力を低下させることができる。
本発明のエッチング化金属体の製造方法において、金属箔と活性エネルギー線粘着力消失型感圧性接着剤との粘着力は、活性エネルギー線照射前は30g/25mm〜3000g/25mmであり、活性エネルギー線照射後は30g/25mm未満であることが好ましい。前記粘着力が活性エネルギー線照射前に30g/25mm未満であると、エッチング工程(2)において、金属箔の剥離や、金属箔と感圧接着剤層との間へのエッチング液浸入の恐れが生じる。3000g/25mmを越えると、活性エネルギー線を照射しても粘着力が低下しない。また、活性エネルギー線照射後に30g/25mmを越えると、エッチングして作製したエッチング金属層が安定的に、絶縁性基板へ転写せず、エッチング化金属体へ接着剤が残留する汚染が生じる恐れがある。なお、本明細書において、粘着力は、JIS Z 0237で規定された方法(180°ピール)で測定した値である。
また、絶縁性基板と活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤との活性エネルギー線照射前のループタックは、エッチング液(例えば、塩化第二銅の200g/リットル水溶液)曝露前は50g/25mm〜3,000g/25mmであり、エッチング液曝露後に活性エネルギー線を照射した後は、50g/25mm未満であることが好ましい。ループタックが50g/25mm未満であるときは同時に粘着力も低く、感圧接着剤層と金属箔との間へエッチング液浸入が生じる恐れがあり、3,000g/25mmを越えると活性エネルギー線を照射しても、ループタックが低下しない。また、エッチング液浸漬後に活性エネルギー線照射したときに50g/25mmを越えると絶縁性基板からの感圧接着剤の剥離が難しくなる。
ループタックは、エッチング金属層の形成後に活性エネルギー線照射により活性エネルギー線粘着力消失感圧性接着剤の粘着力が低下するか否かを確認するための物性値であり、JIS Z−0237に規定された方法で測定することができる。
本発明で使用される活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤は、エッチング液とエッチングレジスト剥離液に連続して浸漬しても、前述のループタック値を満たすことができる。
本発明方法によってエッチング化金属体を製造する際には、常法と同様に、貼付工程(1)の前(すなわち、金属箔を基材フィルムへ貼付する前)に、金属箔表面から防錆剤等の有機物除去のために洗浄処理(例えば、3%硫酸水溶液による洗浄)を実施することが好ましい。この洗浄処理によって、金属箔表面の酸化被膜も除去され、そして洗浄処理の直後に再び形成されてしまうが、酸化被膜を除去する観点からも、前記洗浄処理を行うことが好ましい。この洗浄後の金属(例えば、銅板)に対してX線光電子分光分析装置(例えば、XPS:島津製作所/Kratos製「AXIS−HS」)を用いて、炭素、窒素、酸素、及び銅の原子濃度を測定することができる。本発明方法においては、洗浄後の金属(例えば、銅板)における炭素、窒素、酸素、及び銅の合計原子濃度に対する銅原子濃度は、20%〜40%程度であることが好ましい。なお、銅原子濃度が100%にならない理由は、洗浄処理後の銅表面にすぐに形成される酸化皮膜や、洗浄で除去しきれなかった有機物によるものと推測される。
一方、本発明方法によって製造されたエッチング化金属体の金属(例えば、銅板)に対しても、同様に、X線光電子分光分析装置を用いて、炭素、窒素、酸素、及び銅の原子濃度を測定することができる。本発明においては、活性エネルギー線を照射してエッチング金属層から基材フィルムを剥離したときのエッチング化金属体表面の金属原子濃度を、基材フィルム積層前における金属箔表面の金属原子濃度に対して50%以上、好ましくは75%以上に維持することができる。
本明細書において、金属原子濃度(C)は、洗浄済み金属表面の金属元素原子濃度(A)を基準(分母)とし、金属表面に本発明の粘着シートを貼付してから活性エネルギー線を照射し、更に粘着シートを剥離した後の金属表面の金属元素原子濃度(B)を分子とした値の百分率、すなわち、
C=(B/A)×100
で表記される。
金属原子濃度(C)が10%未満であると金属表面上に汚染が多量に存在しているとみなすことができる。その場合、絶縁性基板にシミが発生して外観の悪化、或いはプリント回路基板を多層化したとき層間接続信頼性の不足が生じる恐れがある。また、後工程、例えばカバーレイ圧着工程等でエッチング化金属体とカバーレイの密着性が阻害される等が生じる恐れがある。
本発明のエッチング化金属体の製造方法により、電子回路、フレキシブルプリント回路基板、リジッド回路基板、リジッドプリント回路基板にフレキシブルプリント回路基板を接合したリジッドフレキ回路基板、半導体素子収納用パッケージ、又は多層配線回路接続用部材を製造することができる。
本発明の活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤はエッチング化金属体の製造方法以外にも、エッチング液を用いる使用条件下、及び活性エネルギー線照射前に酸性溶液やアルカリ性溶液に曝露される使用条件下等で使用することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。また、評価は下記の方法で行った。
[粘着力]
JIS Z 0237で規定された方法(180°ピール)で測定した。また、紫外線照射後粘着力は被着体に貼り付けた24時間後に紫外線を照射して測定した。
[ループタック]
JIS Z 0237で規定された方法で測定した。
[金属原子濃度]
X線光電子分光分析装置(島津製作所/Kratos製「AXIS−HS」)を用いて金属元素の原子濃度を測定し、計算式
C=(B/A)×100
(式中、Cは、金属原子濃度であり、Bは粘着シート剥離後の金属元素原子濃度であり、そしてAは、洗浄後の金属元素原子濃度である)
から有機物汚染性の値を算出した。
《実施例1》
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート9.4重量部、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製光重合開始剤「イルガキュア2959」)13.6重量部、ジブチル錫ジラウレート(触媒)0.02重量部、ヒドロキノン(重合禁止剤)0.02重量部、及びメチルエチルケトン76.96重量部の混合物を、窒素と酸素の混合気流雰囲気下で80℃にて5時間反応させて、不揮発分23重量%の光重合開始剤結合共重合用中間体溶液を得た。前記中間体溶液14.7重量部、アクリル酸ブチル96重量部、アクリル酸4重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、及び酢酸エチル180.8重量部からなるモノマー類混合物を窒素雰囲気下で加熱還流して7時間反応させて、重量平均分子量44万の高分子量化光重合開始剤の溶液(不揮発分35重量%)を得た。合成した高分子量化光重合開始剤溶液100重量部に、グリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス製硬化剤「デナコールEX−421」)2.0重量部、N,N−ジメチルベンジルアミン(触媒)0.05重量部、及び6官能のウレタンアクリレートオリゴマー(ダイセルUCB製「Ebecryl1290K」、重量平均分子量1,000)17.5重量部を配合して、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を得た。
次に、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績製「E5100」)の片面に、ポリエステルポリウレタン系アンカーコート剤(東洋モートン製「AD−335AE」)を厚さ(乾燥膜厚)0.2μmに塗布し、その上に、前記で得られた活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を厚さ5μmになるように塗布し、粘着シートを得た。
粘着シートのプリプレグ(日立化成工業製「GEA−67BE(H)」)に対するループタックを測定し、エッチング液に曝露前のループタック値とした。
得られた粘着シートの感圧接着剤が塗布された面に、厚さ18μmの銅箔(日鉱マテリアル製)を40℃で加圧ラミネート(6kg/cm)した。ラミネートしてから24時間後に、感圧接着剤と銅箔との粘着力を測定した。
得られた積層物の銅箔側に、エッチングレジスト(日立化成株式会社製「RAYCAST」)を塗工し、フォトマスクを介して露光、現像して銅箔上にエッチングレジストパターンを形成した後、塩化第二銅水溶液を3分間噴霧して銅箔をケミカルエッチングし、回路幅と回路ピッチが20μm幅の金属回路パターンを形成した。
更に、金属回路パターンを形成した積層物を純水で水洗後に、3%カセイソーダを40℃で3分間噴霧して、金属回路パターン上のエッチングレジストを溶解、剥離し、純水で水洗して、熱風オーブン中で乾燥した。ここで、金属回路パターン面がプリプレグと接するように積層物をプリプレグに貼り合わせ、エッチング液に曝露後のループタックを測定した。
金属回路パターン面がプリプレグと接するように、積層物とプリプレグとを真空プレス機により圧力30kg/mで5分間加圧して、金属回路パターンをプリプレグに完全に埋め込ませた。この後、ポリエチレンテレフタレートフィルム側からメタルハライドランプ(120W)で400mJ/cmになるように紫外線を照射して粘着力を低下させ、金属回路パターンをプリプレグへ転写した。このときの金属回路パターンと感圧接着剤との粘着力を測定した。
次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、エッチング化金属体表面の原子濃度を測定した。ポリエチレンテレフタレートフィルム剥離後のプリプレグを200℃にて5時間加熱処理して、単層のプリント回路基板を製造した。
《実施例2》
実施例1で合成した光重合開始剤結合共重合用中間体溶液14.74重量部、アクリル酸ブチル76.2重量部、アクリル酸メチル19.8、アクリル酸4重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.07重量部、及び酢酸エチル298.96重量部のモノマー類混合物を窒素雰囲気下で加熱還流して7時間反応させて重量平均分子量70万の高分子量化光重合開始剤の溶液(不揮発分25重量%)を得た。前記高分子量化光重合開始剤溶液100重量部に、硬化剤「デナコールEX−421」1.25重量部、N,N−ジメチルベンジルアミン0.04重量部、及び6官能のウレタンアクリレートオリゴマー「Ebecryl1290K」15重量部を配合して、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を得た。
得られた活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を用い、実施例1と同様にして単層のプリント回路基板を製造した。
《実施例3》
イタコン酸無水物6.6重量部、光重合開始剤「イルガキュア2959」13.2重量部、ヒドロキノン0.03重量部、N,N−ジメチルベンジルアミン0.13重量部、及びメチルエチルケトン80.04重量部の混合物を、窒素と酸素の混合気流雰囲気下で70℃にて12時間反応させて、不揮発分19.5重量%の光重合開始剤結合共重合用中間体溶液を得た。前記中間体溶液18.1重量部、アクリル酸ブチル97.0重量部、アクリル酸3.0重量部、アゾビスイソブチルニトリル0.1重量部、及び酢酸エチル227.4重量部からなるモノマー類混合物を窒素雰囲気下で加熱還流して7時間反応させて、重量平均分子量40万の高分子量化光重合開始剤の溶液(不揮発分30重量%)を得た。合成した高分子量化光重合開始剤溶液100重量部に、硬化剤「デナコールEX−421」1.5重量部、N,N−ジメチルベンジルアミン0.04重量部、及び6官能のウレタンアクリレートオリゴマー「Ebecryl1290K」18重量部を配合して活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を得た。
得られた活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を用い、実施例1と同様にして単層のプリント回路基板を製造した。
《実施例4》
イソフォロンジイソシアネート12.4重量部、光重合開始剤「イルガキュア2959」12.6重量部、ジブチル錫ジラウレート0.025重量部、及びメチルエチルケトン74.975重量部からなる混合物を窒素雰囲気下で80℃にて8時間反応させて、不揮発分25重量%の光重合開始剤結合グラフト用中間体溶液を得た。一方、アクリル酸ブチル92.0重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル7.0重量部、アクリル酸1.0重量部、及びパーブチルD 0.04重量部のモノマー混合物を反応温度250℃の塊状重合で合成して反応終了後、酢酸エチル25.05重量部で希釈して不揮発分80重量%のグラフト用アクリル系ポリマー溶液を得た。グラフト用アクリル系ポリマーの重量平均分子量は4,000であった。
前記光重合開始剤結合グラフト用中間体溶液43.4重量部、グラフト用アクリル系ポリマー溶液43.1重量部、及び酢酸エチル65.0重量部の混合物を窒素雰囲気下で加熱還流して7時間反応させて、重量平均分子量5,000の高分子量化光重合開始剤の溶液(不揮発分30重量%)を得た。
また、アクリル酸ブチル76.0重量部、アクリル酸メチル20.0重量部、アクリル酸4.0重量部、アゾビスイソブチルニトリル0.06重量部、酢酸エチル126.0重量部、及びトルエン154.4重量部からなるモノマー混合物を窒素雰囲気下で加熱還流して6時間反応させて、不揮発分25重量%の重量平均分子量100万のアクリル系ポリマー溶液を得た。
先に合成した高分子量化光重合開始剤溶液28.9重量部、アクリル系ポリマー溶液100重量部、硬化剤「デナコールEX−421」1.3重量部、N,N−ジメチルベンジルアミン0.04重量部、及び6官能のウレタンアクリレートオリゴマー「Ebecryl1290K」15重量部を配合して、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を得た。
次に、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績製「E5100」)の片面に、ポリエステルポリウレタン系アンカーコート剤(東洋モートン製「AD−335AE」)を厚さ(乾燥膜厚)0.2μmに塗布し、その上に得られた活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を厚さ5μmになるように塗布し、粘着シートを得た。粘着シートのポリイミドフィルム(宇部興産製「ユーピレックス50VT」)に対するループタックを測定し、エッチング液に曝露前のループタック値とした。
得られた粘着シートの感圧接着剤が塗布された面に、厚さ100μmの銅箔(日鉱マテリアル製)を40℃で加圧ラミネート(6kg/cm)した。ラミネートしてから24時間後に、感圧接着剤と銅箔との粘着力を測定した。
得られた積層物の銅箔側に、エッチングレジスト(日立化成工業製「RAYCAST」)を塗工し、フォトマスクを介して露光、現像して銅箔上にエッチングレジストパターンを形成した後、塩化第二銅水溶液を3分間噴霧して銅箔をケミカルエッチングし、裾の直径150μmの円錐台突起(エッチング金属層としてのバンプ群)を形成した。
更に、金属の円錐台突起を形成した積層物を純水で水洗後に、3%カセイソーダを40℃で3分間噴霧して、金属の円錐台突起上のエッチングレジストを溶解、剥離し、純水で水洗して、熱風オーブン中で乾燥した。ここで、金属の円錐台突起がポリイミドフィルムと接するように積層物をポリイミドフィルムに貼り合わせ、エッチング液に曝露後のループタックを測定した。
金属の円錐台突起がポリイミドフィルムと接するように、積層物とポリイミドフィルムとを真空プレス機により圧力30kg/mで5分間加圧して、金属の円錐台突起をポリイミドフィルムに完全に貫通させた。この後、ポリエチレンテレフタレートフィルム側からメタルハライドランプ(120W)で400mJ/cmになるように紫外線を照射して粘着力を低下させ、金属の円錐台突起をポリイミドフィルムへ転写した。このときの金属の円錐台突起と感圧接着剤との粘着力を測定した。
次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、金属の円錐台突起表面の原子濃度を測定した。ポリエチレンテレフタレートフィルム剥離後の円錐台突起貫通積層体の上下を配線膜形成用銅箔(厚さ25μm)で挟み、プレス機を用いて温度168℃、圧力30g/cm、時間90分圧着して、円錐台突起を用いた2層配線回路基板用部材を製造した。
《実施例5》
実施例4で合成した光重合開始剤結合グラフト用中間体6.0重量部、水酸基含有ウレタン系ポリマー溶液(東洋インキ製造製「サイアバインSP−205」、不揮発分50重量%、重量平均分子量8万)100重量部、及び酢酸エチル22.9重量部の混合物を窒素雰囲気下で加熱還流して9時間反応させて、重量平均分子量9万の高分子量化光重合開始剤の溶液(不揮発分40重量%)を得た。前記高分子量化光重合開始剤溶液100重量部に、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(住化バイエルウレタン製硬化剤「スミジュールHT」)0.3重量部、及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製)15重量部を配合して、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を得た。
得られた活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を用い、実施例4と同様にして円錐台突起を用いた2層配線回路基板用部材を製造した。
《実施例6》
アクリル酸ブチル94.6重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1.4重量部、アクリル酸4重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、及び酢酸エチル185.9重量部からなるモノマー類混合物を窒素雰囲気下で加熱還流して7時間反応させて、重量平均分子量40万のグラフト用アクリル系ポリマーの溶液(不揮発分35重量%)を得た。前記グラフト用アクリル系ポリマー溶液82.0重量部、実施例4で合成した光重合開始剤結合グラフト用中間体溶液9.0重量部、及び酢酸エチル12.0重量部の混合物を窒素雰囲気下で加熱還流して9時間反応させて、重量平均分子量44万の高分子量化光重合開始剤の溶液(不揮発分30.5重量%)を得た。前記高分子量化光重合開始剤溶液100重量部に、硬化剤「デナコールEX−421」1.5重量部、N,N−ジメチルベンジルアミン0.04重量部、及び10官能のウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成製「UV−1700B」、重量平均分子量2,000)15重量部を配合して、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を得た。
得られた活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を用い、実施例4と同様にして円錐台突起を用いた2層配線回路基板用部材を製造した。
《実施例7》
アクリル酸ブチル74.6重量部、アクリル酸メチル20.0重量部、アクリル酸4.0重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1.4重量部、アゾビスイソブチルニトリル0.16重量部、アセトン191.0重量部、及びトルエン93.5重量部のモノマー混合物を窒素雰囲気下で加熱還流して9時間反応させて、重量平均分子量130万のグラフト用アクリル系ポリマーの溶液(不揮発分28重量%)を得た。前記グラフト用アクリル系ポリマー溶液100重量部、実施例4で合成した光重合開始剤結合グラフト用中間体溶液6.9重量部、及び酢酸エチル30.2重量部の混合物を窒素雰囲気下で加熱還流して8時間反応させて、重量平均分子量140万の高分子量化光重合開始剤の溶液(不揮発分21.5重量%)を得た。前記高分子量化光重合開始剤溶液100重量部に、硬化剤「デナコールEX−421」1.0重量部、N,N−ジメチルベンジルアミン0.02重量部、及び10官能のウレタンアクリレートオリゴマー「UV−1700B」12重量部を配合して、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を得た。
得られた活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を用い、実施例4と同様にして円錐台突起を用いた2層配線回路基板用部材を製造した。
《実施例8》
トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(住化バイエルウレタン製「スミジュールL1365」)100重量部、光重合開始剤「イルガキュア2959」94.7重量部、ジブチル錫ジラウレート0.13重量部、及びメチルエチルケトン124.83重量部の混合物を窒素雰囲気下で加熱還流して7時間反応させて、重量平均分子量1,300の高分子量化光重合開始剤の溶液(不揮発分61重量%)を得た。合成した高分子量光重合開始剤溶液3.0重量部、実施例4で合成した重量平均分子量100万のアクリル系ポリマー溶液100重量部、硬化剤「デナコールEX−421」1.3重量部、N,N−ジメチルベンジルアミン0.04重量部、及び10官能のウレタンアクリレートオリゴマー「UV−1700B」15重量部を配合して、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を得た。
得られた活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を用い、実施例4と同様にして円錐台突起を用いた2層配線回路基板用部材を製造した。
《実施例9》
化合物(2)の光重合開始剤1.5重量部、水酸基含有ウレタン系ポリマー溶液「サイアバインSP−205」100重量部、硬化剤「スミジュールHT」3.0重量部、及び10官能のウレタンアクリレートオリゴマー「UV−1700B」30重量部を配合して、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を得た。
得られた活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を用い、実施例1と同様にして単層のプリント回路基板を製造した。
《実施例10》
化合物(2)の光重合開始剤1.75重量部、実施例6で合成した重量平均分子量40万のグラフト用アクリル系ポリマー100重量部、硬化剤「デナコールEX−421」1.8重量部、N,N−ジメチルベンジルアミン0.04重量部、及び10官能のウレタンアクリレートオリゴマー「UV−1700B」21重量部を配合して、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を得た。
得られた活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を用い、実施例1と同様にして単層のプリント回路基板を製造した。
《実施例11》
化合物(3)の光重合開始剤0.75重量部、実施例7で合成した重量平均分子量130万のグラフト用アクリル系ポリマー100重量部、硬化剤「デナコールEX−421」1.3重量部、N,N−ジメチルベンジルアミン0.04重量部、及び10官能のウレタンアクリレートオリゴマー「UV−1700B」15重量部を配合して、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を得た。
得られた活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を用い、実施例1と同様にして単層のプリント回路基板を製造した。
《実施例12》
実施例7で合成した高分子量化光重合開始剤の溶液100重量部に、硬化剤(日本ポリウレタン製)「コロネートL」1.0重量部、及び10官能のウレタンアクリレートオリゴマー「UV−1700B」12重量部を配合して、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を得た。
得られた活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を用い、実施例4と同様にして円錐台突起を用いた2層配線回路基板用部材を製造した。
《比較例1》
実施例7で合成した重量平均分子量130万のアクリル系ポリマーの溶液100重量部、硬化剤「デナコールEX−421」1.5重量部、N,N−ジメチルベンジルアミン0.05重量部、10官能のウレタンアクリレートオリゴマー「UV−1700B」16重量部、及び2−メチル−1(4−メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製光重合開始剤「イルガキュア907」)0.8重量部を配合して、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を得た。
得られた活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を用い、実施例1と同様にして単層のプリント回路基板を製造した。
《比較例2》
実施例7で合成した重量平均分子量130万のアクリル系ポリマー100重量部、硬化剤「デナコールEX−421」1.5重量部、N,N−ジメチルベンジルアミン0.05重量部、10官能のウレタンアクリレートオリゴマー「UV−1700B」16重量部、及びビスマレイミド系光重合開始剤(大日本インキ化学工業製「LUMICURE MIA−200」、重量平均分子量600)3.0重量部を配合して、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を得た。
得られた活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を用い、実施例1と同様にして単層のプリント回路基板を製造した。
実施例及び比較例で測定した結果を表1に示す。表1に示すように、本発明の活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を用いて製造されたエッチング化金属体は、表面の金属原子濃度が高く、かつエッチング金属層の剥離性が良好であることが確認できた。
Figure 2006038547
基材フィルムから絶縁性基板へのエッチング金属層の転写性と基材フィルムからのエッチング金属層の剥離性が良好で、接着剤残留による表面汚染がないエッチング化金属体を歩留まりよく製造することができる。
本発明のエッチング化金属体の製造方法により、電子回路、フレキシブルプリント回路基板、リジッド回路基板、リジッドプリント回路基板にフレキシブルプリント回路基板を接合したリジッドフレキ回路基板、半導体素子収納用パッケージ、又は多層配線回路接続用部材を製造することができる。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。

Claims (10)

  1. 耐エッチング性光重合開始剤、活性エネルギー線反応性化合物及び硬化剤を含む活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤。
  2. 耐エッチング性光重合開始剤が、重量平均分子量1,000〜200万の高分子量化光重合開始剤である、請求項1記載の活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤。
  3. 高分子量化光重合開始剤が、反応性官能基を有する光重合開始剤と、前記反応性官能基と反応可能な官能基を有する重量平均分子量3,000〜200万の高分子量化合物とを反応させてなるものである、請求項2記載の活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤。
  4. 耐エッチング性光重合開始剤が、下記一般式(1)で示される光重合開始剤であり、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤が、更に反応性官能基を有する重量平均分子量5,000〜200万の弾性重合体を含む、請求項1記載の活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤。
    一般式(1):
    Figure 2006038547
    (ただし、Xはアンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン、オキソスルホニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、オキソホスホニウムカチオン、又はヨードニウムカチオンから選ばれるカチオンであり、Ar、Ar、及びArは、相互に同じか若しくは異なり、置換基を有していてもよい合計炭素数6〜10のアリール基であり、Rは置換基を有していてもよい合計炭素数6〜10のアリール基、又は炭素数1〜8の一級アルキル基を示す。)
  5. 基材フィルム上に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤からなる層を担持する活性エネルギー線粘着力消失型粘着シート。
  6. (1)金属箔と基材フィルムとを、請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を介して貼付する工程;
    (2)前記金属箔の選択的エッチングによってエッチング金属層を形成する工程;
    (3)基材フィルム、活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤、及びエッチング金属層からなる積層体のエッチング金属層を絶縁性基板と組み合わせる工程;及び
    (4)前記基材フィルムを前記エッチング金属層から剥離する工程
    を含み、前記工程(1)の後と工程(4)の前との間に活性エネルギー線照射を少なくとも1回行う、エッチング化金属体の製造方法。
  7. 前記金属箔の選択的エッチングによってエッチング金属層を形成した後に活性エネルギー線照射を行う、請求項6記載のエッチング化金属体の製造方法。
  8. 前記組合せ工程(3)が、エッチング金属層を絶縁性基板の表面に貼付けるか、エッチング金属層を絶縁性基板に貫通させるか、又はエッチング金属層を絶縁性基板の内部に埋め込む工程である、請求項6記載のエッチング化金属体の製造方法。
  9. 金属箔と感圧接着剤との粘着力が、活性エネルギー線照射前は30g/25mm〜3,000g/25mmで、活性エネルギー線照射後は30g/25mm未満であり、かつ絶縁性基板と感圧接着剤とのループタックが、エッチング液に曝露前は50g/25mm〜3,000g/25mmで、エッチング液に曝露後は50g/25mm未満である、請求項6〜8のいずれか1項に記載のエッチング化金属体の製造方法。
  10. 基材フィルム剥離後の金属表面の金属原子濃度が、基材フィルム積層前の金属表面の原子濃度に対して50%以上である、請求項6〜9のいずれか1項に記載のエッチング化金属体の製造方法。
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