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JPH10513502A - 改良された着色剤安定剤 - Google Patents

改良された着色剤安定剤

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Publication number
JPH10513502A
JPH10513502A JP9520729A JP52072997A JPH10513502A JP H10513502 A JPH10513502 A JP H10513502A JP 9520729 A JP9520729 A JP 9520729A JP 52072997 A JP52072997 A JP 52072997A JP H10513502 A JPH10513502 A JP H10513502A
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JP
Japan
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cyclodextrin
group
composition
colorant
stabilizing
Prior art date
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Ceased
Application number
JP9520729A
Other languages
English (en)
Inventor
ロナルド シンクレア ノール
ジョン ガーヴィン マクドナルド
Original Assignee
キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド
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Filing date
Publication date
Application filed by キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド filed Critical キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド
Publication of JPH10513502A publication Critical patent/JPH10513502A/ja
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07C45/61Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reactions not involving the formation of >C = O groups
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、着色安定剤並びに着色剤及び着色安定剤を含む着色組成物に関する。該着色安定剤は、該着色剤を太陽光線又は人工光線のような電磁放射線に露光した場合に退色しないように該着色剤に光安定性を与える。

Description

【発明の詳細な説明】 改良された着色剤安定剤 技術分野 本発明は一連の着色剤安定剤に関する。本発明の着色剤安定剤は、着色剤が電 磁放射線に暴露される時に着色剤を安定化することができる。 発明の背景 着色剤の重大な問題は、それらが日光または人工の光等の如き電磁放射線に暴 露される時に退色する傾向があることである。光に暴露される時の着色剤の退色 の殆どが光分解メカニズムのためであると考えられる。これらの分解メカニズム として、着色剤が置かれる環境条件に依存する着色剤の酸化または還元が挙げら れる。また、着色剤の退色は、それらが存在する基材に依存する。 安定な光生成物及び中間体の生成物分析は光分解の幾つかの重要な様式を明ら かにした。これらとして、着色剤からの電子放出、基底状態または励起一重項の 酸素との反応、トリフェニルメタン色素の如きアミノ置換ベンゾフェノンを生成 する中央炭素−フェニル環結合の開裂、無色のロイコ色素を生成する還元及び遊 離基中間体を生成する電子または水素原子引抜が挙げられる。 種々の因子、例えば、温度、湿度、O2、O3、SO2、及びNO2を含むガス状 反応体、並びに水溶性の不揮発性光分解生成物が着色剤の退色に影響することが 示されていた。着色剤退色に影響する因子は或る量の相互依存性を示すことが明 らかである。特別な基材上の特別な着色剤の退色に関する観察が着色剤及び基材 に一般に適用し得ないのは、この複雑な挙動のためである。 一定温度の条件下で、大気の相対湿度の増大が種々の着色剤−基材系について 着色剤の退色を増大することが観察されていた(例えば、McLaren,K.,J.Soc.Dye rs Colour,1956,72,527)。例えば、大気の相対湿度が増大するにつれて、繊 維の水分が増加するので繊維が膨潤し得る。これが基材構造中のガス状反応体の 拡散を助ける。 光化学変化を着色剤中で生じる光源の能力はまた光源のスペクトル分布、特に 波長の関数として着色剤及び着色剤分解の量子収率の変化を生じるのに最も有効 な波長の放射線の割合に依存する。光化学原理に基いて、高いエネルギー(短い 波長)の光は低いエネルギー(長い波長)の光より退色を生じるのに有効である ことが予想されるであろう。研究は、これが常にそうとは限らないことを明らか にしていた。異なるクラスの100 種以上の着色剤が研究され、一般に最も不安定 なものは可視光により効果的に退色され、一方、高い耐光堅牢度のものは主とし て紫外線により分解されることがわかった(例えば、McLaren,K.,J.Soc.Dyers Colour,1956,72,86)。 着色剤安定性に関する基材の影響は極めて重要であり得る。着色剤退色は基材 内の或る化学基により遅延または促進されることがある。このような基は基底状 態の種または励起状態の種であり得る。また、基材の多孔度が着色剤安定性に重 要な因子である。高多孔度は基材への水分及びガス状反応体の侵入を促進するこ とにより着色剤の退色を促進し得る。また、基材は分解を生じることができる波 長の光から着色剤を遮蔽することにより保護剤として作用し得る。 また、基材の純度は、着色された工業用ポリマーの光化学が考慮される時には いつでも重要な考慮事項である。例えば、工業銘柄の綿、ビスコースレーヨン、 ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリイソプレンはカルボニル基不純物を含 むことが知られている。これらの不純物は300nm より大きい波長の光を吸収し、 これらは日光中に存在し、こうして、これらの不純物の励起は着色剤退色を生じ ることができる反応性種をもたらし得る(van Beek,H.C.A.,Col.Res.Appl.,198 3,8(3),176)。 それ故、日光及び人工の光の両方の作用から多種の着色剤を安定化することが できる方法及び組成物に対する要請がある。 発明の要約 本発明は可視波長範囲の放射線を含む放射線に対し着色剤を安定化する組成物 及び方法を提供することにより上記要請に応えるものである。 また、本発明は改良された安定性を有する着色剤組成物に関するものであり、 着色剤は着色剤安定剤と混在している。一実施態様において、本発明の着色剤安 定剤は下記の一般式で表されるアリールイミンアルケンである。 (式中、 R1は水素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロア ルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、または置換アリール基であり、 R2は水素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロア ルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、または置換アリール基であり、 R3は水素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロア ルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、または置換アリール基であり、 R4は水素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロア ルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、または置換アリール基であり、かつ R5はアリール基、ヘテロアリール基、ポリアルケン基、または置換アリール 基である。) R1、R2、またはR4がアリール基、ヘテロアリール基、または置換アリール 基である場合、そのアルケン基はトランス配置であることが望ましい。 本発明の別の実施態様において、重原子が通常の色素に添加されて色素を安定 化する。これらの重原子として、ヨウ化物イオンを含むVII 族イオンが挙げられ る。対イオンが比較的低い電荷密度を有する大きいイオンであることが望ましい ことが更に測定された。これらの対イオンはナトリウムまたはそれよりも大きい ものであるべきである。また、対イオンとして、テトラメチルアンモニウムの如 き比較的大きい有機対イオンが挙げられる。 本発明の更に別の実施態様において、高度に有効な色素安定剤として、下記の 一般式で表されるフェノールの誘導体が挙げられる。 (式中、 R1はヨウ素、または1〜5個の炭素原子を有するアルキル基であり、 R2はヨウ素、または1〜5個の炭素原子を有するアルキル基であり、 R3はヨウ素、または1〜5個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ R4は糖、ポリヒドロキシ化合物、スルホン酸塩化合物、カルボン酸塩化合物 、ポリエーテル化合物、または水素であり、糖はグルコース、フラクトース、ポ リエーテル糖、単糖類、多糖類、α−シクロデキストリン、β−シクロデキスト リン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、 ヒドロキシエチルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルαシクロデキスト リン、カルボキシメチルαシクロデキストリン、カルボキシメチルβシクロデキ ストリン、カルボキシメチルγシクロデキストリン、オクチルスクシン化αシク ロデキストリン、オクチルスクシン化βシクロデキストリン、オクチルスクシン 化γシクロデキストリン並びに硫酸化βシクロデキストリン及び硫酸化γ−シク ロデキストリンを含むが、これらに限定されないシクロデキストリンを含むが、 これらに限定されない。) 特に、トリヨードフェノール及びトリメチルフェノール並びにこれらの水溶性 誘導体が多種の色素を安定化するのに特に有効である。 更に別の実施態様において、本発明の着色剤安定剤は還元剤である。還元剤と して、チオ硫酸ナトリウム(No2S2O3)、亜硫酸ナトリウム(No2SO3)、システイン 、亜硝酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、及びクエン酸が挙げられるが、これ らに限定されない。所望の還元剤はチオ硫酸ナトリウムである。この実施態様に おいて、安定剤は着色剤と混合されてもよく、またはそれは着色剤が適用される 基 材に適用されてもよい。還元剤単独が着色剤を安定化するが、還元剤は一種以上 の上記安定剤と組み合わされることが望ましい。 別の実施態様において、本発明の着色剤安定剤は少なくとも一つのキャビティ を形成する化学構造を有する分子包接体(includant)である。分子包接体は着色 剤が適用される基材の上またはその中にあってもよく、またはそれは着色剤溶液 中に存在していてもよい。分子包接体として、クラスレート、ゼオライト、クラ ウンエーテル、カリキサレン、バリノマイシン型天然抗生物質、種々のポリエー テル化合物、ニゲリシン型天然抗生物質、及び多数のピラノース環を含む環式化 合物が挙げられるが、これらに限定されない。環式化合物として、シクロデキス トリン、例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シク ロデキストリン、δ−シクロデキストリン、及びこれらの誘導体が挙げられるが 、これらに限定されない。所望の分子包接体はシクロデキストリンである。更に 所望の分子包接体はγ−シクロデキストリンである。分子包接体は、着色剤が適 用される基材の上またはその中に存在することが望ましい。 着色剤安定剤が適用される基材として、紙、木材、木材製品または複合材料、 織布、不織布、織物、プラスチック、ガラス、金属、または安定化着色剤をその 上に有することから恩恵を受けるあらゆるその他の基材が挙げられるが、これら に限定されない。 基材の上またはその中の分子包接体はそれに適用される着色剤を安定化するが 、着色剤は一種以上の上記安定剤と組み合わされることが望ましい。更に、分子 包接体が着色剤溶液中に存在する実施態様において、着色剤安定化分子は一種以 上の分子包接体と混在し得る。更に、包接体はそれと混在された多種の着色剤安 定化分子を有することができる。幾つかの実施態様において、着色剤は分子包接 体のキャビティ内に少なくとも部分的に含まれ、着色剤安定化分子がそのキャビ ティの外部で分子包接体と混在する。幾つかの実施態様において、着色剤安定化 分子は分子包接体の外部に共有結合カップリングされる。 別の実施態様において、分子包接体の如き着色剤安定剤は、写真画像を衣類に 転写するのに使用されるような熱転写製品のポリマー被覆物中に存在する。 別の実施態様において、着色剤安定剤は極めて短い三重項状態の寿命を有する ポルフィンを含む(例えば、Kubat ら,“メソ−テトラキス(4−スルホネート フェニル)ポルフィンの金属錯体の光物理学的性質”,J.Photochem.and Photb io.A: Chemistry 96(1996),93-97頁(これは参考として本明細書に含まれる) を参照のこと)。このようなポルフィンの例は下記の構造を有するCu−メソ−テ トラ−(4−スルホネートフェニル)ポルフィン(CuTPPS4と称される)及びCu− メソ−テトラ−(N−メチル−4−ピリジル)ポルフィンにより代表される。 及び (式中、銅イオンはまたコバルトイオンで置換し得る。) 分子が比較的短い寿命の三重項状態を有する限り、その他の金属イオンがポルフ ィン中で置換し得る。 着色剤安定剤はまた必要により下記の構造により表されるジメチルアミノ安息 香酸四級塩化合物(quat)(DMABAQと称される)であってもよい。 着色剤安定化添加剤はまた必要により下記の構造により表される塩基性フクシ ンヒドラゾンであってもよい。 その他に、本発明の着色剤安定化添加剤は一般式 (式中、Rはベンゾフェノンを着色剤安定剤として作用させるあらゆる置換基を 表す) のベンゾフェノンである。 それ故、本発明のこれらの実施態様の夫々は、一種以上の安定化分子が着色剤 と混在している時に着色剤を安定化する安定化分子を提供する。それ故、安定化 分子はあらゆる着色剤組成物への添加剤として使用し得る。例えば、安定化分子 の或るものは水に不十分な可溶性であるので、それらは溶剤または油をベースと する(水をベースとしない)着色剤組成物に直接添加し得る。更に、安定化分子 は、その中の安定化分子の可溶化を可能にする添加剤を含むその他の着色剤組成 物に添加し得る。更に、安定化分子は、その分子をシクロデキストリンの如き大 きい水溶性分子に結合することにより水溶液に可溶化し得る。 着色剤安定剤はインクジェットインキに特に有効である。本明細書に記載され た着色剤安定剤の使用は着色を強化し、光に暴露された時に着色を安定化する。 更に、着色剤安定剤はインクジェット紙の如き紙に特に有効である。本明細書に 記載された基材中の着色剤安定剤の使用は、それが適用される着色剤を安定化す る。また、基材中の着色剤安定剤は光への暴露後の基材それ自体の黄変を低減す るという予期しない結果を有することがわかった。 本発明のこれらの特徴及び利点並びにその他の特徴及び利点は開示された実施 態様の以下の詳細な説明及び請求の範囲を見た後に明らかになるであろう。 発明の詳細な説明 この出願は可視波長範囲の放射線を含む放射線に対して着色剤を安定化するた めの組成物及び方法に関する。安定化分子を着色剤溶液と混合することにより着 色剤を安定化することに関する組成物及び方法は最初に以下のように発表される 。続いて、着色剤を安定化分子を含む処理基材に適用することにより着色剤を安 定化することに関する組成物及び方法が説明される。 着色剤溶液への安定化分子の混合 本発明は改良された安定性着色剤を有する着色剤組成物に関するものであり、 着色剤安定剤が着色剤溶液と混在している。着色剤安定剤は着色剤溶液と混合さ れることが望ましい。着色剤安定剤はアリールイミンアルケン化合物であること が望ましい。その他の所望の着色剤安定剤はヨウ化物イオンの如き重原子並びに トリヨードフェノール、トリメチルフェノール、及びこれらの誘導体の如きフェ ノール誘導体である。付加的な着色剤安定剤として、チオ硫酸ナトリウムの如き 還元剤が挙げられる。更に、着色剤安定剤として、ポルフィン、ヒドラゾン、及 びベンゾフェノンが挙げられる。本発明の着色剤安定剤は着色剤と混合され、そ の混合物が人工の光または日光の如き電磁放射線に暴露される時に着色剤を安定 化する。 更に、本発明は一種以上の着色剤安定剤を着色剤溶液と混在させることを特徴 とする着色剤の安定化方法に関する。必要により、着色剤安定剤は分子包接体と 混在されてもよい。 本発明はインクジェットプリンターに使用されるインキを安定化するのに特に 有益である。インクジェットプリンターに使用されるインキが1995年6月5日に 出願された米国特許出願第08/461,365号に記載されており、その明細書の記載は 本願明細書に含まれるものとする。 こうして、一実施態様において、アリールイミンアルケン安定化組成物は下記 の一般式により示される。 (式中、 R1は水素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロア ルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、または置換アリール基であり、 R2は水素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロア ルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、または置換アリール基であり、 R3は水素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロア ルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、または置換アリール基であり、 R4は水素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロア ルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、または置換アリール基であり、かつ R5はアリール基、ヘテロアリール基、または置換アリール基である。) R1、R2、またはR4がアリール基、ヘテロアリール基、または置換アリール 基である場合、そのアルケン基はトランス配置であることが望ましい。 アリールイミンアルケン安定化化合物は下記の式で表されることが望ましい。 または または それ故、本発明のこの実施態様は、着色剤と混在された時に、着色剤を安定化 する安定化分子、上記アリールイミンアルケンを提供する。それ故、上記アリー ルイミンアルケンはあらゆる着色剤組成物への添加剤として使用し得る。例えば 、アリールイミンアルケン化合物の或るものは水に不十分な可溶性であるので、 それらは溶剤または油をベースとする(水をベースとしない)着色剤組成物に直 接添加し得る。更に、アリールイミンアルケン化合物は、その中のその化合物の 可溶化を可能にする添加剤を含むその他の着色剤組成物に添加し得る。更に、ア リールイミンアルケン安定化化合物は、その化合物をシクロデキストリンの如き 大きい水溶性分子と混在させることにより水溶液に可溶化し得る。 “組成物”という用語及び“着色組成物”のような該用語の変形は着色剤及び 本発明の一種以上の着色剤安定剤を意味するために本明細書中に使用される。組 成物は必要により分子包接体を含んでもよい。 本明細書に使用される“着色剤”という用語は、限定しないで、典型的には有 機着色剤または色素の如き有機物質であるあらゆる物質を含むことを意味する。 その用語は単一物質または2種以上の物質の混合物を含むことを意味する。 “光安定性”という用語は、着色剤が本発明の着色剤安定化分子の一種と混在 される時に、着色剤がこのような化合物と混在されない時よりも、電磁放射線( 日光または人工の光が挙げられるが、これらに限定されない)に対し安定である ことを意味するために本明細書中に使用される。 本明細書に使用される“分子包接体”という用語は、少なくとも一つのキャビ ティを形成する化学構造を有するあらゆる物質を意味することが意図されている 。即ち、分子包接体はキャビティを含む構造である。本明細書に使用される”キ ャビティ”という用語は、着色剤の少なくとも一部を受け入れるのに充分なサイ ズのあらゆる開口部または空間を含むことを意味する。 “官能化分子包接体”という用語は、着色剤安定剤の一つ以上の分子が分子包 接体の夫々の分子に共有結合カップリングされる分子包接体を意味するために本 明細書に使用される。“置換度”という用語は、分子包接体の夫々の分子に共有 結合カップリングされるこれらの分子または脱離基(以下に定義される)の数を 表すのに本明細書に使用される。 “誘導体化分子包接体”という用語は、分子包接体の夫々の分子に共有結合カ ップリングされた2個より多い脱離基を有する分子包接体を意味するために本明 細書に使用される。“脱離基”という用語は、二分子求核置換反応に関与するこ とができるあらゆる脱離基を意味するために本明細書に使用される。分子包接体 の例として、シクロデキストリンが挙げられるが、これらに限定されない。 “人工の光”という用語は、通常の白熱光電球及び蛍光電球を含むが、これら に限定されない通常の光源から生じられる比較的広いバンド幅を有する光を意味 するために本明細書に使用される。 “その上”という用語は、その上またはその中を意味するために本明細書に使 用される。例えば、本発明は着色組成物をその上に有する基材を含む。“その上 ”の定義に従って、着色剤組成物は基材の上に存在してもよく、またはそれは基 材 中にあってもよい。 幾つかの実施態様において、着色剤安定剤は必要により分子包接体と混在して いてもよい。分子包接体を含む全ての組成物において、このような安定剤分子の 数は分子包接体当たり約1分子から約21分子の間であり得ることが注目されるべ きである。勿論、或る状況では、分子包接体分子当たり21分子より多いことがあ る。分子包接体当たり3より多いこのような安定剤分子があることが望ましい。 官能化分子包接体の置換度は1から約21までの範囲であり得る。別の例として 、置換度は3から約10の範囲であり得る。更に別の例として、置換度は約4から 約9の範囲であり得る。 本発明の幾つかの実施態様において、着色剤は分子包接体と混在している。“ 混在している”という用語は、その最も広い意味で、着色剤が分子包接体と少な くとも密接していることを意味する。例えば、着色剤は水素結合、ファンデルワ ールス力、等により分子包接体に密接して維持されてもよい。また、着色剤は分 子包接体に共有結合されてもよいが、これは通常所望されず、また必要ではない 。更に別の例として、着色剤は分子包接体のキャビティ内に少なくとも部分的に 含まれてもよい。 色素または着色剤は、例えば、有機色素であってもよい。有機色素クラスとし て、例示のみのために、トリアリールメチル色素、例えば、マラカイトグリーン カルビノール塩基{4−(ジメチルアミノ)−α−[4−(ジメチルアミノ)フ ェニル]−α−フェニル−ベンゼン−メタノール}、マラカイトグリーンカルビ ノール塩酸塩{N−4−[[4−(ジメチルアミノ)フェニル]フェニル−メチ レン]−2,5−シクロヘキシルジエン−1−イリデン]−N−メチル−メタン アミニウムクロリドまたはビス[p−(ジメチルアミノ)フェニル]フェニルチ ルメチリウムクロリド}、及びマラカイトグリーンオキサレート{N−4−[[ 4−(ジメチルアミノ)−フェニル]−フェニルメチレン]−2,5−シクロヘ キシルジエン−1−イリデン]−N−メチル−メタンアミニウムクロリドまたは ビス[p−(ジメチルアミノ)−フェニル]フェニルメチリウムオキサレート} ;モノアゾ色素、例えば、シアニンブラック、クリソイジン[ベーシックオレン ジ2;4−(フェニルアゾ)−1,3−ベンゼンジアミン一塩酸塩]、ビク トリアピュアーブルーBO、ビクトリアピュアーブルーB、塩基性フクシン及び β−ナフトールオレンジ;チアジン色素、例えば、メチレングリーン、塩化亜鉛 複塩 [3,7−ビス(ジメチルアミノ)−6−ニトロフェノチアジン−5−イ ウムクロリド、塩化亜鉛複塩];オキサジン色素、例えば、ルミクローム(7, 8−ジメチルアロキサジン);ナフタルイミド色素、例えば、ルシファーイエロ ーCH{6−アミノ−2−[(ヒドラジノ−カルボニル)アミノ]−2,3−ジ ヒドロ−1,3−ジオキソ−1H−ベンズ[de]イソーキノリン−5,8−ジス ルホン酸二リチウム塩};アジン色素、例えば、ジャヌスグリーンB{3−(ジ エチルアミノ)−7−[[4−(ジメチル−アミノ)フェニル]アゾ]−5−フ ェニルフェナジニウムクロリド};シアニン色素、例えば、インドシアニングリ ーン{カルジオ−グリーンまたはフォックスグリーン;2−[7−[1,3−ジ ヒドロ−1,1−ジメチル−3−(4−スルホブチル)−2H−ベンズ[e]イ ンドール−1−イリデン−1,3,5−ヘプタトリエニル]−1,1−ジメチル −3− (4−スルホブチル)−1H−ベンズ[e]インドリウムヒドロキシド 内部塩ナトリウム塩};インジゴ色素、例えば、インジゴ{インジゴブルーまた はバットブルー1;2−(1,3−ジヒドロ−3−オキソ−2H−インドール− 2−イリデン)−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−オン};クマリン 色素、例えば、7−ヒドロキシ−4−メチル−クマリン(4−メチルウンベリフ ェロン);ベンゾイミダゾール色素、例えば、ヘキスト33258[ビスベンゾイミ ドまたは2−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(4−メチル−1−ピペラジニ ル)−2,5−ビ−1H−ベンゾイミダゾールトリヒドロ−クロリド5水和物] ;パラキノイダル色素、例えば、ヘマトキシリン{ナチュラルブラック1;7, 11b−ジヒドロベンズ[b]−インデノ[1,2−d]ピラン−3,4,6a, 9,10(6H)−ペントール};フルオレセイン色素、例えば、フルオレセイン アミン(5−アミノフルオレセイン);ジアゾニウム塩色素、例えば、ジアゾレ ッドRC (アゾイックジアゾNo.10 またはファストレッドRC塩;2−メトキ シ−5−クロロベンゼンジアゾニウムクロリド、塩化亜鉛複塩);アゾイックジ アゾ色素、例えば、ファストブルーBB塩(アゾイックジアゾNo.20;4−ベンゾ イルアミノ−2,5−ジエトキシ−ベンゼンジアゾニウムクロリド、塩化亜鉛複 塩);フェニレンジアミン色素、例えば、ディスパースイエロー9[N−(2, 4−ジニトロフェニル)−1,4−フェニレンジアミンまたはソルベントオレン ジ53];ジアゾ色素、例えば、ディスパースオレンジ13[ソルベントオレンジ52 ;1−フェニルアゾ−4−(4−ヒドロキシフェニルアゾ)ナフタレン];アン トラ−キノン色素、例えば、ディスパースブルー3[セリトンファストブルーF FR;1−メチルアミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−9,10−アン トラキノン]、ディスパースブルー14[セリトンファストブルーB;1,4−ビ ス(メチルアミノ)−9,10−アントラキノン]、及びアリザリンブルーブラッ クB(モルダントブラック13);トリスアゾ色素、例えば、ダイレクトブルー71 {ベンゾライトブルーFFLまたはシリアスライトブルーBRR;3−[(4− [(4−[(6−アミノ−1−ヒドロキシ−3−スルホ−2−ナフタレニル)ア ゾ]−6−スルホ−1−ナフタレニル)−アゾ]−1−ナフタレニル)アゾ]− 1,5−ナフタレンジスルホン酸四ナトリウム塩};キサンテン色素、例えば、 2,7−ジクロロ−フルレセイン;プロフラビン色素、例えば、3,6−ジアミ ノアクリジンヘミスルフェート(プロフラビン);スルホナフタレイン色素、例 えば、クレゾールレッド(o−クレゾールスルホナフタレイン);フタロシアニ ン色素、例えば、銅フタロシアニン{ピグメントブルー15;(SP−4−1)− [29H,31H−フタロシアネート(2−)−N29,N30,N31,N32]銅};カ ロテノイド色素、例えば、トランス−β−カロテン(フードオレンジ5);カル ミン酸色素、例えば、カルミン、カルミン酸(7−a−D−グルコピラノシル− 9,10−ジヒドロ−3,5,6,8−テトラヒドロキシ−1−メチル−9,10− ジオキソ−2−アントラセン−カルボニル酸)のアルミニウムレーキまたはカル シウム−アルミニウムレーキ;藍色素、例えば、藍A[3−アミノ−7−(ジメ チルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドまたは7−(ジメチル−アミ ノ)−3−アミノ−3H−フェノチアジン塩酸塩];及びアクリジン色素、例え ば、アクリジンオレンジ[ベーシックオレンジ14;3,8−ビス(ジメチルアミ ノ)アクリジン塩酸塩、塩化亜鉛複塩]並びにアクリフラビン(アクリフラビン ニュートラル;3,6−アクリジン−ジアミンとの3,6−ジアミノ−10−メチ ルアクリジニウムクロリド混合物)が挙げられる。 本発明のアリールイミンアルケン着色剤安定剤を調製するに際して、例えば、 下記の式により表されるカルコンで開始することができる。 カルコンのフェニル基は多種の置換基で置換し得ることが理解されるべきであ る。次いでカルコンは下記の一般式で表される一級アミンと反応させられる。 NH2−R (式中、Rはアリール基、ヘテロアリール基、または置換アリール基である。) 望ましい一級アミンは2アミノベンゼンスルホン酸である。その反応は無水ア ルコールの如き非水性溶媒中で行われる。得られる化合物は下記の一般構造を有 する。 それ故、本発明の着色剤安定剤は下記の一般式で表されるアリールイミンアル ケンである。 (式中、R1がアリール基である場合には、R2は水素、複素環基、アルキル基、 アリール基、またはフェニル基であり、そのフェニル基は必要によりアルキル基 、ハロ基、アミノ基、またはチオール基で置換されていてもよく、またR2がア リール基である場合には、R1は水素、複素環基、アルキル基、アリール基、ま たはフェニル基であり、そのフェニル基は必要によりアルキル基、ハロ基、アミ ノ基、またはチオール基で置換されていてもよく、R3はアリール基、ヘテロア リール基、または置換アリール基である。) そのアルケン基はトランス配置であることが望ましい。 アリールイミンアルケン安定化化合物は下記の式で表されることが望ましい。 または または そのSO3H基はオルト位、メタ位またはパラ基にあってもよい。 アリールイミンアルケン化合物の更に別の実施態様は塩基性フクシンのイミン 付加物であり、下記の式で示される。 塩基性フクシンのイミン付加物は下記の実施例7に従って合成し得る。 アリールイミンアルケン化合物が別の分子に共有結合される実施態様において 、アリール基であるR1またはR2のどちらかがアリールイミンアルケンを他の分 子に共有結合させるためのそれに結合されたカルボン酸基、アルデヒド基、アミ ノ基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、またはチオアルキル基を含むが、これ らに限定されない基を有するであろう。それ故、アリールイミンアルケン安定化 化合物は下記の式により表される。 または または または (式中、Rはアリール基、ヘテロアリール基、または置換アリール基である。) アリール基に結合された基は安定剤分子の残部に対しパラであることが好まし いが、その基はまたその分子の残部に対しオルトまたはメタであってもよい。 それ故、本発明のこの実施態様は、着色剤と混在される時に、着色剤を安定化 する安定化アリールイミンアルケンを提供する。それ故、上記アリールイミンア ルケンはあらゆる着色剤組成物への添加剤として使用し得る。例えば、アリール イミンアルケン化合物が水溶性ではなく、または不十分に水溶性である場合、そ れは溶剤または油着色剤組成物に直接添加し得る。更に、アリールイミンアルケ ン化合物は、その中の化合物の可溶化を可能にする添加剤を含むその他の着色剤 組成物に添加し得る。 この実施態様は着色剤を安定化するのに有効な量でアリールイミンアルケン化 合物を着色剤と混合することによる着色剤の安定化方法を提供する。アリールイ ミンアルケンは約0.1 〜50重量%、望ましくは約20重量%〜30重量%の濃度で着 色剤溶液中に存在することが望ましい。換言すれば、アリールイミンアルケンは 着色剤に濃度で等しいか、または着色剤よりも高濃度であるべきである。シクロ デキストリンまたは誘導体化シクロデキストリンが使用される場合、望ましい範 囲は約1部の色素対約20部のアリールイミンアルケンである。 アリールイミンアルケン化合物は着色剤と混在されることのみを必要とするが 、本発明の幾つかの実施態様において、アリールイミンアルケン化合物は着色剤 に共有結合されてもよい。 本発明の別の実施態様は下記の式により表されるアミノスルホン酸である。 SO3H基はオルト位、メタ位またはパラ位にあってもよい。 着色剤安定剤の別の実施態様は下記の一般式で表されるフェノールの誘導体を 含む。 (式中、 R1はヨウ素、または1〜5個の炭素原子を有するアルキル基であり、 R2はヨウ素、または1〜5個の炭素原子を有するアルキル基であり、 R3はヨウ素、または1〜5個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ R4は水素、糖、ポリヒドロキシ化合物、スルホン酸塩化合物、カルボン酸塩 化合物、ポリエーテル化合物、または水素であり、糖として、グルコース、フラ クトース、ポリエーテル糖、単糖類、多糖類、α−シクロデキストリン、β−シ クロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ−シクロデ キストリン、ヒドロキシエチルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルαシ クロデキストリン、カルボキシメチルαシクロデキストリン、カルボキシメチル βシクロデキストリン、カルボキシメチルγシクロデキストリン、オクチルスク シン化αシクロデキストリン、オクチルスクシン化βシクロデキストリン、オク チルスクシン化γシクロデキストリン並びに硫酸化βシクロデキストリン及び硫 酸化γ−シクロデキストリンを含むが、これらに限定されないシクロデキストリ ンが挙げられるが、これらに限定されない。) フェノール誘導体は着色剤の濃度に対し0.5 〜10モル当量の濃度で着色剤溶液 に添加されることが望ましい。 所望の着色剤安定剤はトリヨードフェノール(アルドリッチ)である。トリヨ ードフェノールは下記の式で表される。 トリヨードフェノレートは着色剤の濃度に対し0.5 〜10当量の濃度で着色剤溶 液に添加されることが望ましい。 所望の着色剤安定剤として、トリメチルフェノール及びその誘導体が挙げられ る。トリメチルフェノールは下記の式を有し、メチル基の一つ以上が別のアルキ ル基またはアルケニル基で置換されていてもよい。 トリメチルフェノールは着色剤の濃度に対し0.5 〜10当量の濃度で着色剤溶液 に添加されることが望ましい。同様に、別の所望の着色剤安定剤はトリヨードフ ェノールであり、これは着色剤の濃度に対し0.5 〜10当量の濃度で着色剤溶液に 添加されることが望ましい。 更に、アリールイミンアルケンまたはトリヨードフェノールもしくはトリメチ ルフェノールを含むが、これらに限定されない着色剤安定剤の水溶解性は種々の 手段により増大し得る。フェノールをベースとする安定化化合物の水溶解性を増 大する望ましい手段は、水溶性部分をフェノールのヒドロキシル基に付加するこ とである。この実施態様において、上記のフェノールの図のR4は糖、ポリヒド ロキシ化合物、スルホン酸塩化合物、カルボン酸塩化合物、またはポリエーテル 化合物であり、糖としてグルコース、フラクトース、ポリエーテル糖、単糖類、 多糖類、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキス トリン、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルβ−シ クロデキストリン、ヒドロキシエチルαシクロデキストリン、カルボキシメチル αシクロデキストリン、カルボキシメチルβシクロデキストリン、カルボキシメ チルγシクロデキストリン、オクチルスクシン化αシクロデキストリン、オクチ ルスクシン化βシクロデキストリン、オクチルスクシン化γシクロデキストリン 並びに硫酸化βシクロデキストリン及び硫酸化γ−シクロデキストリンを含むが 、これらに限定されないシクロデキストリンが挙げられるが、これらに限定され ない。 それ故、本発明の一実施態様において、本発明の安定化化合物の水溶解性を増 大する手段は、フェノールを糖と反応させて下記の代表的な化合物を生成するこ とである。 または (式中、Rはフェノールを更に水溶性にすることができるあらゆる基である。) 更に特別には、R基は糖、ポリヒドロキシ化合物、スルホン酸塩化合物、カル ボン酸塩化合物、またはポリエーテル化合物であってもよいが、これらに限定さ れず、糖としてグルコース、フラクトース、ポリエーテル糖、単糖類、多糖類、 α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、 ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルβ−シクロデキ ストリン、ヒドロキシエチルαシクロデキストリン、カルボキシメチルαシクロ デキストリン、カルボキシメチルβシクロデキストリン、カルボキシメチルγシ クロデキストリン、オクチルスクシン化αシクロデキストリン、オクチルスクシ ン化βシクロデキストリン、オクチルスクシン化γシクロデキストリン並びに硫 酸化βシクロデキストリン及び硫酸化γ−シクロデキストリンを含むが、これら に限定されないシクロデキストリンが挙げられるが、これらに限定されない。所 望のR基は1,2−o−イソプロピリデン−D−グルコフラノースである。得ら れる所望の安定化化合物は下記の図により表される。 または 実施例21、22及び24は上記の水溶性フェノールを調製する方法を記載する。更 に所望のR基はグルコースであり、上記のフェノール−糖化合物のケタール基が 実施例23及び25に記載されたようにして除去されて以下に示される安定化化合物 を生成した。 または ケタール基が除去された上記の着色剤安定剤化合物が更に所望の安定剤化合物 である。何となれば、それはケタールが存在する場合よりも水溶性であるからで ある。 別の所望の着色剤安定化化合物は、以下に示されるような3−(2,4,6− トリヨードフェノキシ)−1,2−プロパンジオールである。 本発明の安定化化合物の水溶解性を増大する別の手段はその化合物を大きい水 溶性分子、例えば、シクロデキストリンまたは望ましくは誘導体化シクロデキス トリンに会合させることである。誘導体化シクロデキストリンはエチルヒドロキ シβ−シクロデキストリンであることが望ましい。安定化化合物のこのような共 有結合会合の例は、下記の式に表されるようなエチルヒドロキシβ−シクロデキ ストリンと共有結合されたトリヨードフェノールまたはトリメチルフェノールで ある。 または (式中、n=1〜21かつCD=シクロデキストリンである。) アリールイミンアルケンはあらゆる好適な官能基を介してβ−シクロデキスト リンに共有結合し得る。このような会合の例は下記の式で表される。 (式中、Rはアリール基、ヘテロアリール基、または置換アリール基であり、n =1〜21かつCD=β−シクロデキストリンである。) アリールイミンアルケンのいずれもが適当な官能基により誘導体化シクロデキ ストリンに共有結合し得ることが理解されるべきである。トリヨードフェノール またはトリメチルフェノールの水溶解性は、可溶性化合物をその分子に付加する ことにより増大し得る。 その混在は混合物であってもよく、または共有結合であってもよい。約1〜12 の安定化分子がシクロデキストリン分子に結合されることが望ましい。約4〜約 9の安定化分子がシクロデキストリン分子に結合されることが更に望ましい。そ れ故、シクロデキストリンに結合された安定化化合物はあらゆる水性着色剤系に 添加されてその中の着色剤を安定化し得る。安定化アリールイミンアルケンはそ れらの安定化活性を示すのに分子包接体に結合される必要がないことが理解され るべきである。 以下のことにより限定されることを意図するものではないが、本発明の安定剤 化合物は、それらの高い水溶解性が溶液中に存在する添加剤の量を経時維持する ので優れた安定化特性を示し、その結果、添加剤がその安定化特性を混合物に与 え続けるものと考えられる。着色剤組成物から沈殿する安定化添加剤は少しの安 定剤が溶液中に残存するので組成物に悪影響し、それ故、着色剤組成物はそれ程 安定化されない。更に、安定化添加剤がインクジェットインキ及びカートリッジ に使用される場合、このような沈殿はインクジェットプリンターを詰まらせ、或 いはインキの印刷品質に悪影響し得る。本発明の驚くべき予期しない特徴は、安 定化化合物が極めて水溶性であり、経時にわたってインキ溶液から沈殿しないこ とである。 本発明の一部と考えられる着色剤安定剤の第三のクラスはヨウ化物の如き重原 子である。これらの化合物はナトリウムまたはそれより大きいような大きな対イ オンと会合されることが望ましい。カリウムの如き小さい対イオンは着色剤の不 十分な安定化を与えることが測定された。望ましい塩はヨウ化ナトリウムである 。別の望ましい塩はテトラメチルアンモニウムヨージドである。重原子の好まし い濃度は約0.5 〜5モル当量である。ヨウ化物塩は電磁放射線への暴露の前に着 色剤に添加される。 実施例26及び27は本発明の安定化化合物の種々の組み合わせと混合されたヒュ ーレット・パッカードマゼンタインキの退色試験結果を報告する。更に特別には 、実施例23で生成されたトリメチルフェノール糖3モル当量、実施例25で生成さ れたトリヨードフェノール糖4モル当量、及びヨウ化ナトリウム2モル当量が、 その中に2重量%のβ−ヒドロキシエチルシクロデキストリンを既に混合したH Pマゼンタインキと混合された。種々の安定化化合物のモル当量は変化し得るこ とが理解されるべきである。紙及び透明画の対照シート上のインキと比較して、 紙及び透明画の上の上記インキは極めて安定であった(実施例26、及び実施例27 の表を参照のこと)。 着色剤溶液は下記の量の下記の成分の一種以上で安定化されることが望ましい 。2〜10%wt/wt のシクロデキストリンまたはその誘導体、4〜6%wt/wt の本 発明のアリールイミンアルケン安定剤、0.25〜2モル当量(eq)のヨウ化物、2〜 7eqのトリヨードフェノール糖、2〜7eqのトリアルキルフェノール糖、及び2 〜3eqのアスコルビン酸。着色剤溶液は2〜10wt/wt のヒドロキシエチルシクロ デキストリン、4〜6%wt/wt の本発明のアリールイミンアルケン安定剤、0.25 〜2モル当量(eq)のヨウ化ナトリウムまたはテトラメチルアミンヨージド、2〜 7eqのトリヨードフェノール糖、2〜7eqのトリメチルフェノール糖、及び2〜 3eqのアスコルビン酸で安定化されることが更に望ましい。安定化添加剤に関す る“eq”または“モル当量”の単位は色素に対する安定化添加剤のモル当量を表 すことが理解されるべきである。更に、安定化添加剤に関する“wt/wt”の単位 はインキまたは着色剤溶液の重量に対する添加剤の重量を表すことが理解される べきである。 別の実施態様において、着色剤溶液は以下の成分で安定化される。4〜10%の フクシンイミン付加物(実施例7)、0.25〜2eqのヨウ化物イオン、及び2〜10 %のβ−シクロデキストリン、望ましくはヒドロキシエチルβ−シクロデキスト リン。 実施例37に記載された別の実施態様において、分子包接体の如き着色剤安定剤 は、写真画像を衣類に転写するのに使用されるような熱転写製品のポリマー被覆 物中に存在する。 実施例38に記載された別の実施態様において、着色剤安定剤は下記の構造を有 するポルフィンCu−メソ−テトラ−(4−スルファネートフェニル)−ポルフィ ン(CuTPPS4 と称される)及びCu−メソ−テトラ−(N−メチル−4−ピリジル )−ポルフィン(CuTMPS4 と称される)により代表される。 または (式中、銅イオンはまたコバルトイオンで置換し得る。) また、CuTPPS4 またはCoTPPS4 の場合、硫酸部分は溶液中の場合ナトリウム塩 の如き塩で置換されてもよい。着色剤溶液は約0.1 %〜10%wt/wt のポルフィン 、更に好ましくは約0.3 %〜1%wt/wt のポルフィン、更に好ましくは約0.5 % wt/wt のポルフィンで安定化されてもよい。 実施例38に記載された別の実施態様において、着色剤安定化添加剤はまた必要 により下記の構造により表されるジメチルアミノ安息香酸四級塩化合物(DMABAQ と称される)であってもよい。 着色剤溶液は約0.1 %〜15%wt/wt のDMABAQ、更に好ましくは約0.5 %〜10% wt/wt のDMABAQ、更に好ましくは約1%〜5%wt/wt のDMABAQで安定化されても よい。 実施例38に記載された別の実施態様において、着色剤安定化添加剤はまた必要 により下記の構造により表される塩基性フクシンヒドラゾンであってもよい。 着色剤溶液は約0.1 %〜15%wt/wt のヒドラゾン、更に好ましくは約0.5 %〜 10wt/wt のヒドラゾン、更に好ましくは約1%〜5%wt/wt のヒドラゾンで安定 化されてもよい。 加えて、実施例40に記載された本発明の着色剤安定化添加剤の別の実施態様は 一般式 (式中、Rはベンゾフェノンを着色剤安定剤として機能させるあらゆる置換基を 表す) のベンゾフェノンである。着色剤溶液は約0.01%〜15%wt/wt のベンゾフェノン 、更に好ましくは約0.3 %〜5%wt/wt のベンゾフェノン、更に好ましくは約0. 5 %〜1%wt/wt のベンゾフェノンで安定化されてもよい。 以下のことにより限定されることを意図するものではないが、着色剤溶液と混 合され、または着色剤が適用される基材の上もしくはその中にある、本発明の上 記安定化化合物は、色素分子の励起状態を基底状態に有効にもどすことによりそ れを消滅することにより作用することが理論化される。これは、色素発色団を無 色にする酸化反応またはその他の化学反応が生じる可能性を減少する。 その消滅プロセスは幾つかのプロセスにより生じ得る。一つのこのようなプロ セスは重原子効果(内部または外部)と称され、高い原子価を有するその原子、 例えば、ヨウ素及びキセノンが前禁止電子遷移をここで生じさせることにより、 かつ励起状態寿命を短縮することにより色素分子の励起電子遷移に影響し得る。 この効果は基底状態への色素の迅速な戻りを可能にする。 別の消滅プロセスは逆電子遷移を伴う。この場合、励起された色素分子の消滅 が連続の電子遷移により生じる。添加剤または消滅剤、及び色素は電子供与によ りイオン対を生成し、その中で逆電子遷移が励起されたエネルギードナー、即ち 、色素の全体の失活をもたらす。 別の消滅プロセスは、消滅剤(添加剤)分子が励起された色素より低い励起エ ネルギー状態を有する条件を伴う。この場合、励起エネルギーを消滅剤に転移し 、それにより色素分子をその基底状態に戻すことが可能であり得る。これらのメ カニズムがThe Royal Society of Chemistryにより1994により公表されたChemis try and Light ,Suppan,P.,65-69頁(当該文献中の記載は本願明細書に含まれ るものとする)に更に充分に説明されている。 あらゆる場合、分子包接体を着色剤溶液に添加することが必要により望ましい 。分子包接体は無機または有機の性質のものであってもよい。或る実施態様にお いて、分子包接体の化学構造は分子包接錯体を生成するのに適している。分子包 接体の例は、例示のみのために、クラスレートまたはインターカレート、ゼオラ イト、及びシクロデキストリンである。シクロデキストリンの例として、α−シ クロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シ クロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシエ チルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルαシクロデキストリン、カルボ キシメチルαシクロデキストリン、カルボキシメチルβシクロデキストリン、カ ルボキシメチルγシクロデキストリン、オクチルスクシン化αシクロデキストリ ン、オクチルスクシン化βシクロデキストリン、オクチルスクシン化γシクロデ キストリン並びに硫酸化βシクロデキストリン及び硫酸化γ−シクロデキストリ ン(アメリカン・メイズ−プロダクツ社、ハモンド、インジアナ)が挙げられる が、これらに限定されない。 本明細書に使用される“誘導体化シクロデキストリン”という用語は、シクロ デ キストリンの夫々の分子に共有結合カップリングされた二つより多い脱離基を有 するシクロデキストリンを意味する。“脱離基”という用語は、二分子求核置換 反応に関与することができるあらゆる脱離基を意味するために本明細書に使用さ れる。誘導体化シクロデキストリンの例として、ヒドロキシプロピルβ−シクロ デキストリン、ヒドロキシエチルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルα シクロデキストリン、カルボキシメチルαシクロデキストリン、カルボキシメチ ルβシクロデキストリン、カルボキシメチルγシクロデキストリン、オクチルス クシン化αシクロデキストリン、オクチルスクシン化βシクロデキストリン、オ クチルスクシン化γシクロデキストリン並びに硫酸化βシクロデキストリン及び 硫酸化γ−シクロデキストリンが挙げられるが、これらに限定されない。所望の 誘導体化シクロデキストリンはエチルヒドロキシβ−シクロデキストリンである 。 所望の分子包接体はγ−シクロデキストリンである。別の望ましい分子包接体 はβ−シクロデキストリンである。別の実施態様において、分子包接体はエチル ヒドロキシβ−シクロデキストリンである。以下の理論により束縛されることを 願わないが、分子包接体は溶液中の着色剤分子の凝集を抑制するものと考えられ る。本発明を実施するのに使用し得るその他の凝集抑制剤は澱粉、ペクチン、ア ミロース、クラスレート及びクラウンエーテルである。インキ中の色素の凝集を 抑制し、かつ/または色素を安定化する目的のためのインキ配合物への誘導体化 シクロデキストリンの添加は本発明の一観点と考えられることが理解されるべき である。 幾つかの実施態様において、着色剤及び着色剤安定剤は分子包接体と混在して いる。“混在している”という用語は、その最も広い意味で、着色剤及び/また は着色剤安定剤が分子包接体に少なくとも密接していることを意味する。例えば 、着色剤及び/または着色剤安定剤は水素結合、ファンデルワールス力、イオン 結合、水素結合、双極子−双極子相互作用等により分子包接体に密接に維持し得 る。 また、着色剤及び着色剤安定剤のいずれかまたは両方が分子包接体に共有結合 し得る。或る実施態様において、着色剤は水素結合及び/またはファンデルワー ルス力等により分子包接体と混在しており、一方、安定化分子が分子包接体に共 有結合される。別の実施態様において、着色剤は分子包接体のキャビティ内に少 なくとも部分的に含まれ、着色剤安定剤が分子包接体のキャビティの外部に位置 される。 実用的な問題として、着色剤、着色剤安定剤及び分子包接体はこれらの分子を 調製するのに使用された成分に応じておそらく固体である。しかしながら、この ような物質のいずれかまたは全部が液体であってもよい。着色組成物は、その成 分の一種以上が液体であるので液体であってもよく、または分子包接体がその性 質上有機である場合、溶剤が使用される。好適な溶剤として、アミド、例えば、 N,N−ジメチルホルムアミド、スルホキシド、例えば、ジメチルスルホキシド 、ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルブチルケトン、 脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素、例えば、ヘキサン、オクタン、ベンゼン、 トルエン、及びキシレン、エステル、例えば、酢酸エチル、水、等が挙げられる が、これらに限定されない。分子包接体がシクロデキストリンである場合、特に 好適な溶剤はアミド及びスルホキシドである。 本発明の組成物が固体である実施態様において、着色剤及び選択された化合物 が密接しているか、またはファンデルワールス半径に接近する会合している場合 に、着色剤に関する上記化合物の有効性が改良される。この目的のために、存在 してもよいその他の成分と一緒に、成分の充分なブレンドが望ましい。このよう なブレンドは当業者に知られている手段のいずれかにより一般に行われる。着色 組成物がポリマーを含む時、着色剤及び着色剤安定剤が軟化または溶融ポリマー に少なくとも部分的に可溶性である場合に、ブレンドが促進される。このような 場合、組成物は、例えば、2本ロールミル中で容易に調製される。また、本発明 の組成物は、その成分の一種以上が液体であるので液体であってもよい。 幾つかの用途について、本発明の組成物は典型的には粒状形態で使用される。 別の用途において、組成物の粒子は非常に小さいものであるべきである。このよ うな粒子の生成方法が当業者に公知である。 また、着色組成物は必要によりキャリヤーを含んでもよく、その性質が当業者 に公知である。多くの用途について、キャリヤーはポリマー、典型的には熱硬化 性ポリマーまたは熱可塑性ポリマーであり、後者が更に普通のものである。 熱可塑性ポリマーの例として、末端キャップされたポリアセタール、例えば、 ポリ(オキシメチレン)またはポリホルムアルデヒド、ポリ(トリクロロアセト アルデヒド)、ポリ(n−バレルアルデヒド)、ポリ(アセトアルデヒド)、ポ リ(プロピオンアルデヒド)、等;アクリルポリマー、例えば、ポリアクリルア ミド、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(エチルアクリレート )、ポリ(メチルメタクリレート)、等;フルオロカーボンポリマー、例えば、 ポリ(テトラフルオロエチレン)、ペルフッ素化エチレンプロピレンコポリマー 、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、ポリ−(クロロトリフルオロ エチレン)、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー、ポリ(フッ化 ビニリデン)、ポリ(フッ化ビニル)、等;エポキシ樹脂、例えば、エピクロロ ヒドリンとビスフェノールAの縮合生成物;ポリアミド、例えば、ポリ(6−ア ミノカプロン酸)またはポリ(ε−カプロラクタム)、ポリ(ヘキサメチレンア ジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)、ポリ(11−アミノウンデカン 酸)、等;ポリアラミド、例えば、ポリ(イミノ−1,3−フェニレンイミノイ ソフタロイル)またはポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)、等;パリレン 、例えば、ポリ−p−キシリレン、ポリ(クロロ−p−キシレン)、等;ポリア リールエーテル、例えば、ポリ(オキシ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレ ン)またはポリ(p−フェニレンオキサイド)、等;ポリアリールスルホン、例 えば、ポリ(オキシ−1,4−フェニレンスルホニル−1,4−フェニレンオキ シ−1,4−フェニレン−イソプロピリデン−1,4−フェニレン)、ポリ(ス ルホニル−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレンスルホニル−4,4 −ビフェニレン)、等;ポリカーボネート、例えば、ポリ(ビスフェノールA) またはポリ(カルボニルジオキシ−1,4−フェニレンイソプロピリデン−1, 4−フェニレン)、等;ポリエステル、例えば、ポリ(エチレンテレフタレート )、ポリ(テトラメチレンテレフタレート)、ポリ(シクロヘキシレン−1,4 −ジメチレンテレフタレート)またはポリ(オキシ−メチレン−1,4−シクロ ヘキシレンメチレンオキシテレフタロイル)、等;ポリアリールスルフィド、例 えば、ポリ(p−フェニレンスルフィド)またはポリ(チオ−1,4−フェニレ ン)、等;ポリイミド、例えば、ポリ(ピロメリットイミド−1,4−フェニレ ン)、等;ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(1 −ブテン)、 ポリ(2−ブテン)、ポリ(1−ペンテン)、ポリ(2−ペンテン)、ポリ(3 −メチル−1−ペンテン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、1,2−ポリ −1,3−ブタジエン、1,4−ポリ−1,3−ブタジエン、ポリイソプレン、 ポリクロロプレン、ポリアクリロニトリル、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(塩化ビ ニリデン)、ポリスチレン、等;及び以上のコポリマー、例えば、アクリロニト リル−ブタジエン−スチレン(ABS)コポリマー、スチレン−n−ブチルメタ クリレートコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、等が挙げられるが、 これらに限定されない。 更に普通に使用される熱可塑性ポリマーの幾つかとして、スチレン−n−ブチ ルメタクリレートコポリマー、ポリスチレン、スチレン−n−ブチルアクリレー トコポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリカーボネート、ポリ(メ チルメタクリレート)、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリアミド(ナイロン−12)、 ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、及びエポキ シ樹脂が挙げられる。 熱硬化性ポリマーの例として、アルキッド樹脂、例えば、無水フタル酸−グリ セロール樹脂、マレイン酸−グリセロール樹脂、アジピン酸−グリセロール樹脂 、及び無水フタル酸−ペンタエリスリトール樹脂;アリル樹脂(ジアリルフタレ ート、ジアリルイソフタレートジアリルマレエート、及びジアリルクロレンデー トの如きモノマーがポリエステル化合物中で不揮発性架橋剤として利用できる) ;アミノ樹脂、例えば、アニリン−ホルムアルデヒド樹脂、エチレン尿素−ホル ムアルデヒド樹脂、ジシアンジアミド−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホル ムアルデヒド樹脂、スルホンアミド−ホルムアルデヒド樹脂、及び尿素−ホルム アルデヒド樹脂;エポキシ樹脂、例えば、架橋されたエピクロルヒドリン−ビス フェノールA樹脂;フェノール樹脂、例えば、ノボラック及びレゾールを含むフ ェノール−ホルムアルデヒド樹脂;及び熱硬化性ポリエステル、シリコーン、及 びウレタンが挙げられるが、これらに限定されない。 着色剤、着色剤安定剤、及び任意の分子包接体に加えて、本発明の着色組成物 はまたそれが意図される用途に応じて付加的な成分を含むことができる。このよ うな付加的な成分の例として、電荷キャリヤー、熱酸化に対する安定剤、粘弾性 改良剤、架橋剤、可塑剤、帯電調節添加剤、例えば、四級アンモニウム塩、流動 性調節添加剤、例えば、疎水性シリカ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシ ウム、ステアリン酸リチウム、ポリビニルステアレート、及びポリエチレン粉末 、及び充填剤、例えば、当業者により使用されるその他の添加剤の中でも、炭酸 カルシウム、クレイ及びタルクが挙げられるが、これらに限定されない。電荷キ ャリヤーは当業者に公知であり、典型的にはポリマー被覆金属粒子である。着色 組成物中のこのような付加的な成分の同一性及び量は当業者に公知である。 本発明の着色剤安定剤がインクジェットインキ中の色素を安定化するのに使用 される場合、インキ配合物がインクジェットカートリッジ中に入れられる前に、 することが望ましい。これは粒状物のためのカートリッジインキノズルの目詰ま りを減少または排除するであろう。 処理基材 上記のように、着色剤安定剤は着色剤溶液中に存在してもよく、または着色剤 が適用される基材の上もしくはその中に存在してもよい。着色剤安定剤が基材の 中もしくはその上に存在する場合、基材は“処理基材”と称される。本発明の一 実施態様において、処理基材はその上またはその中に還元剤を含む。別の実施態 様において、処理基材はその上またはその中に分子包接体を含む。更に別の実施 態様において、処理基材はその上またはその中に分子包接体及び還元剤を含む。 “安定剤”という用語は基材中またはその上の着色剤安定剤を表すのに使用され る。 基材は紙、木材、木材製品または複合材料、織布、不織布、織物、プラスチッ ク、ガラス、またはその上に安定化された着色剤を有することから恩恵を受ける あらゆるその他の基材であってもよいが、これらに限定されない。プラスチック 基材として、プラスチックフィルム、プラスチック不織ウェブ、またはプラスチ ック織ウェブが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい基材は紙である 。あらゆる既存または将来の型の紙または紙製品が本発明に使用し得る。 紙または紙製品の例として、印刷用紙及び筆記用紙、包装紙及び工業用紙、板 紙及びティッシュペーパーが挙げられるが、これらに限定されない。印刷用紙及 び筆記用紙の例として以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。無木 材塗工紙、木材含有塗工紙、無木材未塗工紙、例えば、結合紙及び筆記用紙、封 筒、オフセット紙及び不透明円形紙、無カーボン紙、便箋用紙、フォームボンド 、元帳、謄写版用原紙、並びに複写用紙、複写紙、ファックス原紙、熱転写原紙 、工業用紙、スーパーカレンダ掛け用紙、及び特殊紙;未塗工木材含有紙、例え ば、スーパーカレンダ掛け用紙、名簿用紙、特殊加工紙及び出版用紙、ブリスト ル紙、例えば、塗工ブリストル紙、未塗工漂白ブリストル紙、荷札用紙、塗工荷 札用紙、ファイルホルダー、及び作表用紙、並びに薄紙、例えば、タバコ用紙、 聖書用紙、軽量紙、軽量特殊紙、複写用紙、木綿繊維紙、及び特殊薄紙。 包装紙及び工業用紙の例として以下のものが挙げられるが、これらに限定され ない。漂白クラフト紙、例えば、食料品用バッグ、輸送サック、包装紙、及び加 工紙、未漂白クラフト紙、例えば、食料品用バッグ、輸送サック加工紙、包装紙 、及び封筒。板紙の例として以下のものが挙げられるが、これらに限定されない 。コンテナー・ボード、例えば、未漂白ライナーボード、漂白ライナーボード、 ダンボール中しん、並びにチップボード及びフィルターボード、折りたたみ箱用 板紙/折りたたみカートン板紙、例えば、ソリッド漂白サルファイト板紙、漂白 ブリストル紙及び未漂白ブリストル紙、塗工リサイクル板紙、塗工未漂白クラフ ト紙、牛乳用板紙、カップ用板紙、プレート用板紙、及び食品サービス原紙(塗 工または未塗工)、及び折りたたみ箱用板紙、石膏壁用板紙、並びに管/缶用板 紙及びドラム用板紙。ティッシュペーパーの例として、衛生ティッシュ、例えば 、浴室用ティッシュ、フェイシャルティッシュ、ナプキン、タオル、ワイパ原紙 、及びその他の衛生ティッシュペーパーが挙げられるが、これらに限定されない 。 分子包接体 上記のように、分子包接体は少なくとも一つのキャビティを形成する化学構造 を有するあらゆる物質と定義され、キャビティは化合物、例えば、着色剤(これ に限定されない)の少なくとも一部を受け入れるのに充分なサイズのあらゆる開 口部または空間を含む。分子包接体はその性質が無機または有機であってもよい 。或る実施態様において、分子包接体の化学構造は分子包接体錯体を生成するの に 適している。分子包接体として、クラスレートまたはインターカレート、ゼオラ イト、クラウンエーテル、カリキサレン、バリノマイシン型天然抗生物質、種々 のポリエーテル化合物、ニゲリシン型天然抗生物質、または多数のピラノース環 を含む環式化合物、例えば、単糖類、例えば、グルコース、フラクトース、ガラ クトース、等、並びに二糖類、例えば、蔗糖、マルトース、ラクトース、等の1 ,4結合及び1,6結合により形成された環式化合物を有するものが挙げられる が、これらに限定されない。 また、環式化合物として、シクロデキストリン、例えば、アルファ−シクロデ キストリン(即ち、α−シクロデキストリン)、ベータ−シクロデキストリン( 即ち、β−シクロデキストリン)、ガンマ−シクロデキストリン(即ち、γ−シ クロデキストリン)、デルタ−シクロデキストリン(即ち、δ−シクロデキスト リン)、及びこれらの誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキスト リン、ヒドロキシエチルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルα−シクロ デキストリン、カルボキシメチルα−シクロデキストリン、カルボキシメチルβ −シクロデキストリン、カルボキシメチルγ−シクロデキストリン、オクチルス クシン化α−シクロデキストリン、オクチルスクシン化β−シクロデキストリン 、オクチルスクシン化γ−シクロデキストリン並びに硫酸化β−シクロデキスト リン及び硫酸化γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルγ−シクロデキスト リン、ヒドロキシイソプロピルγ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルγ −シクロデキストリン、オクチルスクシネートγ−シクロデキストリン、及びカ ルボキシメチルγ−シクロデキストリンが挙げられる。 α−シクロデキストリンは6個のグルコピラノース環を含み、β−シクロデキ ストリンは7個のグルコピラノース環を含み、γ−シクロデキストリンは8個の グルコピラノース環を含み、またδ−シクロデキストリンは9個のグルコピラノ ース環を含む。また、10個、11個または12個のグルコピラノース環を有するシク ロデキストリンが本発明に使用されてもよい。望ましいシクロデキストリンは水 溶性であるγ−シクロデキストリンである。特に、ヒドロキシエチルγ−シクロ デキストリン、ヒドロキシイソプロピルγ−シクロデキストリン、及びヒドロキ シプロピルγ−シクロデキストリンが本発明に望ましい分子包接体である。別の 望ましいシクロデキストリンは水溶性であるβ−シクロデキストリンである。特 に、ヒドロキシエチルβ−シクロデキストリンが好ましいシクロデキストリンで ある。 本発明のインキに適したシクロデキストリンはまた所望により置換基の付加に より変性し得る。置換基は一般にシクロデキストリン環の全ヒドロキシル基また は一つ以上のヒドロキシル基の水素原子を置換する。置換基の例として、アシル 基(一つ以上のヒドロキシル基が-OAc、-OC(O)CH2CH3、-OC(O)(CH2)2CH3、-OC(O )(CH2)3CH3、-OC(O)CF3、-OC(O)Ph、等の如き基で置換される)、アルキル基及 びアリール基(一つ以上のヒドロキシル基が-OCH3、-OCH2CH3、-O(CH2)2CH3、-O C(CH3)3、-OPh、等の如き基で置換される)、トシル(4−メチルベンゼンスル ホニル)、即ちTs基または関連基(一つ以上のヒドロキシル基が-OTs等で置換さ れる)、メシル(メタンスルホニル、即ちMs)もしくは関連基(一つ以上のヒド ロキシル基が-OMs等で置換される)、アミノ基(一つ以上のヒドロキシル基が環 状アミン及び芳香族アミン等を含む一級、二級、または三級アミン基の如き基で 置換される)、アジド基(一つ以上のヒドロキシル基が-N3等で置換される)、 ハロ置換基(一つ以上のヒドロキシル基がハロゲン原子、例えば、-F、-Cl、-Br 、または-Iで置換される)、ニトロ基(一つ以上のヒドロキシル基が-ONO2で置 換される)、リン含有基(一つ以上のヒドロキシル基が-OPO3H2、-OPO3R2(式中 、Rはアルキルまたはアリールである)、-OPO3HR の如き基で置換され、または 二つの隣接ヒドロキシル基が-OP(O)(CH3)O- 、等の如き基で置換される)、イミ ダゾール基及びそれらの誘導体、ピリジン基及びそれらの誘導体、硫黄含有官能 基(一つ以上のヒドロキシル基が-SCH3、-SCH2CH3、-S(CH2)3CH3、-S(CH3)3、-O SO3−Na+、-OCH2SO3 -Na+、-OCH2CH2SO3−Na+、-O(CH2)3SO3 -Na+、等の如き基で 置換される)、アルコール基、アルデヒド基、ケトン基、またはオキシム基、カ ルボン酸基及びそれらの誘導体、カーボネート基及びカルバメート基、ケイ素、 ホウ素、またはスズを含む基(一つ以上のヒドロキシル基が-OSi(CH3)3、-OSi(C H3)2H、-CH2OSi(CH3)3、-CH2OSi(CH3)2H、-OB(CH2CH2)2、-CH2OB(CH2CH2)2、-CH2 OSn((CH2)3CH3)3、等の如き基で置換される)、ヒドロキシアルキル基、例えば 、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロ ピル基、等、またはあらゆるその他の好適な置換基が挙げられる。 別の実施態様において、シクロデキストリン分子中の一つ以上の置換基は環グ ルコース単位中の酸素原子に結合される。例えば、置換基は、望ましくは約6個 までの炭素原子を有するアルキル基であってもよい。このような置換基の別の例 は式−(CH−CHR1−O−)n−H(式中、R1は水素及び約6個までの炭素 原子を有するアルキル基からなるクラスから選ばれる)で表される。上記式中、 nは約6までの値を有する小さい全数であり、望ましくは、nは1に等しい。こ の型の好ましい置換基はヒドロキシエチル及びヒドロキシプロピルである。 シクロデキストリンの置換基の更に別の型は二つのシクロデキストリン部分を 連鎖するブリッジ基である。ブリッジ基は式−CHR1−CHOH−CHR1−( 式中、R1は上記と同じ意味を有する)で表される。これらのポリマーシクロデ キストリンにおいて、こうしてブリッジされたシクロデキストリン環の数は2か ら約6までである。換言すれば、ブリッジ基により連鎖された2個のシクロデキ ストリン環があってもよく、2個のブリッジ基により連鎖された3個の環があっ てもよく、以下同様であり、その結果、5個のブリッジ基により連鎖された6個 の環があってもよい。更に高分子のポリマーが先に示された範囲内のポリマーに 同様の性質を有し、かつ増大されたサイズまたは分子量がその物質を本発明にお ける使用に適しないようにする程度に望ましくない性質を与えない場合、それら が本発明に使用し得ることが理解されるべきである。ポリマーシクロデキストリ ンは2個のシクロデキストリン部分を連鎖またはブリッジする基の他に置換基を 有していてもよい。例えば、シクロデキストリン部分は一つ以上のカルボキシア ルキル(−R−COOH)置換基(式中、Rは約4個までの炭素原子を有する低 級アルキレン基である)を有していてもよい。 また、シクロデキストリン環は、シクロデキストリン環を好適な多官能性薬剤 で一緒に連鎖するような方法により一緒に結合されてポリマーを形成し得る。例 えば、エピクロルヒドリンで架橋されるポリ−β−シクロデキストリンが生成し 得る。この物質は米国東京化成(9211N.Harborgate St.,Portland,OR 97203) から市販されている。当業者に知られているあらゆる方法が二つ以上の分子包接 体を一緒に共有結合するのに使用し得ることが理解されるべきである。所望の実 施態様はγ−シクロデキストリンを基材中またはその上に架橋させることである 。 シクロデキストリンは、例えば、インジアナ、ハモンドにあるアメリカン・メ イズ−プロダクツ社から市販されている。シクロデキストリン及び変性シクロデ キストリンに関する追加の情報が化学文献で広く入手でき、例えば、“化学的に 変性されたシクロデキストリンの合成”,A.P.Croft及びR.A.Bartsch,Tetrahed ron,39 巻,9号,1417〜1474頁(1983)に要約されており、その開示が参考とし て本明細書に完全に含まれる。また、置換シクロデキストリンが刊行物“モレキ ュゾールTM: 研究用溶液”,ファーメテック社(1988)に示されており、その開示 が参考として本明細書に完全に含まれる。また、ヒドロキシプロピル置換シクロ デキストリンが本発明に適している。 更に、本発明の分子包接体は、それと混在している一種以上の上記安定剤分子 (これは着色剤溶液に混合されてもよい)を有していてもよいことが理解される べきである。“混在している”という用語は、その最も広い意味で、安定剤分子 が分子包接体に少なくとも密接していることを意味する。例えば、安定剤分子は 水素結合、ファンデルワールス力、イオン結合、水素結合、双極子−双極子相互 作用等により分子包接体に密接して維持し得る。 着色剤と混在する分子包接体は着色剤を安定化する。更に特別には、分子包接 体は、着色剤が適用される基材の上またはその中にそれが存在する場合に、着色 剤を安定化する。 分子包接体が基材の上またはその中に存在する実施態様において、分子包接体 は当業者に知られているあらゆる方法により基材の上またはその中に導入されて もよく、その方法は着色剤を安定化する分子包接体の能力を損なわない。一実施 態様において、処理基材は、分子包接体が溶液形態で基材に適用され、続いて基 材が乾燥されて、それが利用される形態の基材を生じるような基材である。あら ゆる基材が使用されてもよく、その基材は着色剤を安定化する分子包接体の能力 を損なわない。好ましい基材は紙である。あらゆる既存または将来の型の紙また は紙製品が本発明に使用し得る。 分子包接体は、基材が製造されている間に適用されてもよく、または基材が製 造された後にそれが適用されてもよい。基材が紙である場合、分子包接体は紙を 製造する方法の間にパルプに混合されてもよい。或る量の分子包接体がパルプと 混合され、その結果、製造された紙はその上の着色剤を安定化するのに有効な量 の分子包接体を含む。約30〜80重量%の分子包接体がパルプと混合されることが 望ましい。50〜65重量%の分子包接体がパルプと混合されることが更に望ましい 。最終紙製品中の分子包接体の望ましい量は3%〜50%wt/wt である。最終紙製 品中の分子包接体の更に望ましい量は5〜20%である。紙製品中7〜10%の分子 包接体が更に望ましい。当業界で知られているあらゆる方法が分子包接体をパル プと混合し、最終紙製品を製造するのに使用されてもよく、分子包接体は着色剤 を安定化するその能力を保持する。また、上記は木材パルプまたは複合材料基材 の製造に適用される。 また、分子包接体は、基材が製造された後に、基材を分子包接体の溶液に浸漬 し、基材を分子包接体の溶液で噴霧し、基材を被覆し、または基材を浸軟するこ とにより、基材に適用されてもよい。分子包接体が着色剤を安定化するその能力 を維持する限り、溶液を基材に適用し、基材を乾燥するのに当業界で知られてい るあらゆる方法が本発明に使用し得る。或る量の分子包接体溶液が基材に適用さ れ、その結果、乾燥後に、基材はその上またはその中の着色剤を安定化するのに 有効な量の分子包接体を含む。 分子包接体溶液の濃度は3%〜80%wt/wt であることが望ましい。更に望まし い濃度は5〜65%である。更に望ましい濃度は10〜50%である。処理基材の中ま たは上の分子包接体の望ましい量は1%〜50%wt/wt である。処理基材の中また は上の分子包接体の更に望ましい量は3〜25%である。処理基材の中または上の 5〜20%の分子包接体が更に望ましい。分子包接体を紙に被覆する一実施態様が 実施例34に充分に記載されている。 別の実施態様において、分子包接体及び着色剤の両方が基材内に存在していて もよい。分子包接体及び着色剤は紙、木材製品、またはプラスチックの夫々の製 造方法中に紙パルプ、木材パルプ、またはモノマーもしくはオリゴマーと混合さ れてもよい。また、上記成分の一種が製造方法中に導入され、第二成分が製造方 法後に適用されてもよい。 実施例35及び36は処理紙及び未処理紙の上の種々のマゼンタインキの退色試験 結果を報告する。マゼンタインキは広く使用されるインキの中で最も安定ではな い傾向があるので、それらが研究された。更に特別には、本発明の安定化添加剤 を使用して、または使用しないで、ヒューレット−パッカード(HP)、アメリカン インクジェット(AIJ)、及びキャノンマゼンタインクジェットインキが処理及び 未処理のヒューレット−パッカード・プレミアム紙に印刷され、次いで合計77時 間にわたってアトラス・ウェザロメーターに暴露された。本発明の添加剤を含む インキは実施例7で調製された5%wt/wt の塩基性フクシンイミン付加物、0.25 eqのテトラメチルアンモニウムヨージド、及び2%wt/wt のヒドロキシエチルβ −シクロデキストリンを含んでいた。種々の安定化化合物のモル当量は変化し得 ることが理解されるべきである。 実施例35において、処理紙が実施例34に記載されたようにしてγ−シクロデキ ストリンで被覆され、その結果、処理紙は7%wt/wt のγ−シクロデキストリン を含んでいた。合計77時間の暴露後に、着色の変化が測定され、ΔE*値が比較 された。HPインキ及びAIJ インキについて実施例35に報告されたΔE*値は、分 子包接体が付加的な安定化添加剤の存在なしに有効な着色剤安定剤であることを 示す。更に特別には、未処理紙上の添加剤を含まないHPインキに関するΔE*値 は64であり、一方、シクロデキストリン被覆紙上の添加剤を含まないHPインキに 関するその値は31.5である。未処理紙上の添加剤を含まないAIJ インキに関する ΔE*値は37であり、一方、シクロデキストリン処理紙上の添加剤を含まないAIJ インキに関するその値は13.7である。 また、HPインキについて実施例35に報告されたΔE*値は、その添加剤が紙中 で分子包接体の存在なしに有効な着色剤安定剤であることを示す。更に特別には 、未処理紙上の添加剤を含むHPインキに関するΔE*値は25.0であり、一方、未 処理紙上の添加剤を含まないHPインキに関するΔE*値は64.0である。 また、実施例35に報告されたΔE*値は、添加剤を含むインキを含む分子包接 体処理紙が予期しない程優れた着色剤安定化結果を生じることを示す。更に特別 には、未処理紙上の添加剤を含まないHPインキに関するΔE*値は64であり、処 理紙上の添加剤を含まないΔE*値は31.5であり、未処理紙上の添加剤を含むΔ E*値は25.0であり、処理紙上の添加剤を含むΔE*値は14.7である。それ故、 ΔE*値は、添加剤単独がHPインキ及びAIJ インキを安定化し、処理紙単独がHP インキ及びAIJ インキを安定化するが、最も耐光堅牢度の着色剤は、溶液中で添 加剤と混在され、処理紙に印刷されることにより安定化されることを示す。 実施例36において、三つの型の処理紙が未塗工紙の面とともに研究された。更 に特別には、HPプレミアムインクジェット紙が50%のγ−シクロデキストリン溶 液、20%のチオ硫酸ナトリウム溶液、または20%のγ−シクロデキストリン/10 %のチオ硫酸ナトリウム溶液で処理された。また、研究された未塗工紙はキンバ リー−クラーク・ブライト・ホワイト紙である。印刷し、77時間のアトラス・ウ ェザロメーター中の暴露後に、ΔE*値が測定された。 また、実施例36に報告されたΔE*値は、添加剤単独がHPインキ及びAIJ イン キを安定化し、処理紙単独がHPインキ及びAIJ インキを安定化するが、最も耐光 堅牢度の着色剤は、溶液中で添加剤と混在され、処理紙に印刷されることにより 安定化されることを示す。 実施例36に報告されたブライト・ホワイト紙安定化結果に関して、これらの結 果はHPプレミアム紙に関して得られた安定化結果と容易には匹敵しない。更に特 別には、殆どのインクジェット紙は、インキが紙の繊維中に吸収されず、その代 わりに紙の表面に残存するように被覆される。それにより、塗工紙は優れたイン クジェット印刷品質を生じる。HPプレミアム紙はこのような塗工紙の例である。 対照的に、キンバリー−クラーク・ブライト・ホワイト紙は塗工紙ではない。 それ故、インキがその上で印刷される場合、インキは紙の繊維の本体中に吸い上 げられ、または吸収され、紙の表面に残らず、それにより印刷の異なる品質を生 じる。以下のことにより束縛されることを願わないが、未塗工紙に吸収されるイ ンキは紙の繊維により光による分解から保護されることが理論化される。対照的 に、塗工紙に印刷されるインキは紙の表面に残り、紙の繊維による保護を受けな い。それ故、未塗工紙に印刷されるインキの安定性及び印刷の品質は、塗工紙に 印刷されるインキとは直接比較し得ない。 還元剤 処理基材が還元剤を含む実施態様において、還元剤はチオ硫酸ナトリウム (Na2S2O3)、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、システイン、亜硝酸ナトリウム、亜リ ン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、アスコルビン酸、水素化ホウ 素、ジチオニト、ヒドラジン、チオ尿素−二酸化物、亜硫酸水素、亜硫酸カリウ ム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸 水素アンモニウム、ナトリウムトリチオニト、及び多価フェノールであってもよ いが、これらに限定されない。所望の還元剤はチオ硫酸ナトリウムである。 着色剤安定剤と混在した還元剤が着色剤を安定化する。還元剤は、それが基材 (その上に着色剤が適用される)の上またはその中に存在する場合、またはそれ が基材へのその適用の前に着色剤と混合される場合に着色剤を安定化する。また 、還元剤は着色剤が適用される基材の上またはその中の両方に存在してもよく、 またその適用の前に着色剤と混合されてもよい。更に、還元剤は、着色剤が基材 に適用された後に着色剤に適用されてもよい。 還元剤が基材の上またはその中に存在する実施態様において、還元剤は当業者 に知られているあらゆる方法により基材の上またはその中に導入されてもよく、 その方法は着色剤を安定化する還元剤の能力を損なわない。還元剤は基材が製造 されている間に適用されてもよく、または基材が製造された後にそれが適用され てもよい。還元剤が、それが利用される形態で基材の上またはその中に存在する 場合、基材は“処理基材”と称されることが理解されるべきである。一実施態様 において、処理基材は、還元剤が溶液形態で基材に適用され、続いてその基材が 乾燥されて、それが利用される形態の基材を製造するようなものである。 あらゆる基材が使用されてもよく、その基材は着色剤を安定化する還元剤の能 力を損なわない。上記のように、基材は紙、木材、木材製品または複合材料、織 布、不織布、織物、プラスチック、ガラス、またはその上に安定化された着色剤 を有することから恩恵を受けるあらゆるその他の基材であってもよいが、これら に限定されない。好ましい基材は紙である。あらゆる既存または将来の型の紙ま たは紙製品が本発明に使用されてもよく、新聞紙、塗工木材含有紙、スーパーカ レンダ掛け用紙、上級紙、板紙、及びインクジェット紙が挙げられるが、これら に限定されない。 基材が紙である場合、還元剤は紙の製造方法中にパルプに混合されてもよい。 或る量の還元剤がパルプと混合され、その結果、製造された紙はその上の着色剤 を安定化するのに有効な量の還元剤を含む。約2〜50重量%の還元剤がパルプと 混合されることが望ましい。3〜30重量%の還元剤がパルプと混合されることが 更に望ましい。最終紙製品中の還元剤の望ましい量は1%〜50%wt/wt である。 紙製品中の還元剤の更に望ましい量は2〜20%である。紙製品中の3〜10%の還 元剤が更に望ましい。当業界で知られているあらゆる方法が還元剤をパルプと混 合し、最終紙製品を製造するのに使用されてもよく、還元剤は着色剤を安定化す るその能力を維持する。また、上記は木材パルプまたは複合材料基材の製造に適 用される。 また、還元剤は、還元剤の溶液中に基材を浸漬し、還元剤の溶液で基材を噴霧 し、基材を被覆し、または基材を浸軟することにより、基材が製造された後に、 またはその最終形態で基材に適用されてもよい。還元剤が着色剤を安定化するそ の能力を維持する限り、溶液を基材に適用し、基材を乾燥するのに当業界で知ら れているあらゆる方法が本発明に使用し得る。或る量の還元剤溶液が基材に適用 され、その結果、乾燥後に、基材はその上またはその中の着色剤を安定化するの に有効な量の還元剤を含む。 還元剤溶液の濃度は1%〜50%wt/wt であることが望ましい。更に望ましい濃 度は3〜40%である。更に望ましい濃度は5〜20%である。処理基材中またはそ の上の還元剤の望ましい量は1%〜50%wt/wt である。処理基材中またはその上 の還元剤の更に望ましい量は2〜20%である。処理基材中またはその上の3〜10 %の還元剤が更に望ましい。基材を還元剤で被覆する一つの方法が実施例34に充 分に記載されている。 別の実施態様において、還元剤及び着色剤の両方が基材内に存在してもよい。 還元剤及び着色剤は紙、木材製品、またはプラスチックの夫々の製造方法中に紙 パルプ、木材パルプ、またはモノマーもしくはオリゴマーと混合されてもよい。 また、上記成分の一種は製造方法中に導入されてもよく、第二成分が製造方法後 に適用し得る。 更に別の実施態様において、着色剤及び還元剤は一つの溶液中で混合され、同 時に基材に適用される。例えば、着色剤及び着色剤を安定化するのに有効な量の 還元剤がインクジェットプリンター中のインクジェットインキカートリッジ中に あってもよい。あらゆる市販のインキがその中の着色剤を安定化するために還元 剤と混合し得ることが理解されるべきである。インキ中の還元剤の濃度は1〜50 重量%であることが望ましい。更に望ましい濃度は3〜40%である。更に望まし い濃度は5〜20%である。 実施例30及び31はチオ硫酸ナトリウム処理紙及び未処理紙に印刷されたヒュー レット・パッカード黄色インキの退色試験結果を報告する。更に特別には、黄色 ヒューレット・パッカードインキが未処理紙及び10%wt/wt のチオ硫酸ナトリウ ム水溶液中に浸漬され、次いで乾燥された紙に印刷された。次いで紙が合計51時 間にわたってアトラス・ウェザロメーターに暴露された。目視測定及び着色測定 (ΔE*)は、処理紙が黄色インキの退色を減少することを示す。特に、24時間 後のΔE*値は未処理紙について28.33 であり、また処理紙について2.29であっ た。51時間後のΔE*値は未処理紙について54.96 であり、また処理紙について1 2.08 であった。それ故、ΔE*値は51時間の暴露にわたって処理紙の上の黄色イ ンキの色変化を殆どまたは全く示さない。それ故、これらのΔE*値は、還元剤 が有効な着色剤安定剤であることを示す。 還元剤単独が着色剤を安定化するが、還元剤は一種以上の上記安定剤とともに 使用されることがまた望ましい。実施例29は処理紙及び未処理紙に印刷された本 発明の安定化化合物の種々の組み合わせと混合されたヒューレット・パッカード ・マゼンタインキの退色試験結果を報告する。更に特別には、3モル当量の実施 例25で製造されたトリヨードフェノール糖、4モル当量の実施例23で製造された トリメチルフェノール糖、及び2モル当量のヨウ化ナトリウムが、その中に5重 量%のβ−ヒドロキシエチルシクロデキストリンを既に混合したHPマゼンタイン キと混合された。この混合物は添加剤を含むインキである。種々の安定化化合物 のモル当量は変化し得ることが理解されるべきである。 マゼンタ添加剤含有インキまたは市販のマゼンタ・ヒューレット・パッカード インキ(対照)が未処理紙及び10%wt/wt のチオ硫酸ナトリウム水溶液中に浸漬 され、次いで乾燥された紙に印刷された。次いで紙が合計15時間にわたってアト ラス・ウェザロメーターに暴露された。目視測定及び着色測定(ΔE*)は、未 処理紙の上の対照インキが最も退色し、未処理紙の上の添加剤含有インキがそれ 程退色せず、また処理紙の上の添加剤含有インキが全くかろうじて退色し、最も 少なく退色したことを示す。特に、ΔE*値は以下のとおりである。未処理紙の 上の対照インキについて34.24 、未処理紙の上の添加剤含有インキについて20.5 3 、また処理紙の上の添加剤含有インキについて11.09 。それ故、ΔE*値は、添 加剤単独がマゼンタ着色剤を安定化するが、紙中の還元剤がこれらの添加剤の存 在下で着色剤を更に安定化することを示す。 更に、基材それ自体は一種以上の上記還元剤、一種以上の上記分子包接体、ま たはこれらの組み合わせで処理されてもよい。一実施態様において、基材が還元 剤及び分子包接体の両方で処理される。還元剤がチオ硫酸ナトリウムであり、ま た分子包接体がγ−シクロデキストリンであることが望ましい。 その上に印刷されるインキが比較的純粋である場合、基材を還元剤で処理する ことが最も望ましい。以下のことにより限定されることを願わないが、比較的か なりの量の不純物を含むインキが還元剤処理紙の上に印刷される場合、還元剤が 不純物と反応し、それによりその着色安定化特性を低下することが理論化される 。 紙中の還元剤の存在は放射線への暴露後に紙に生じる黄変の量を減少すること が予期せずに発見された。実施例28は黄変の減少に関する処理紙及び未処理紙の 試験を報告する。更に特別には、紙のシートが下記のもの:(1)ヨウ化ナトリウ ム及びチオ硫酸ナトリウム溶液、(2)ヨウ化ナトリウム溶液、または(3)チオ硫酸 ナトリウム溶液に浸漬され、次いで乾燥された。上記シート及び対照シート(未 処理)がアトラス・ウェザロメーターに一夜入れられた。結果は以下のとおりで ある。溶液(1)で処理されたシートは黄色に変化し、溶液(2)で処理されたシート は暗い黄色に変化し、溶液(3)で処理されたシートは変化せず、白色のままであ り、また対照シートは非常に淡い黄色に変化した。 実施例28は、本発明の着色剤安定剤の一種、即ち、ヨウ化ナトリウムが紙の黄 変を増大することを示す。対照的に、還元剤、チオ硫酸ナトリウムの存在は紙の 黄変を抑制する。更に、還元剤の存在は、ヨウ化ナトリウムにより生じる黄変の 量を減少する。 本発明を更に下記の実施例によって記載する。しかしながら、かかる実施例は 、本発明の真意或いは範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。実施 例において、部は特にことわらない限り全て重量部である。 実施例1 イミン付加物の調製 500mlの丸底フラスコに、10.0 gのカルコン(Aldrich)、8.3 gの2−アミ ノベンゼンスルホン酸(Aldrich)、200mlの無水エタノール、及び3滴のジメ チルアミノエタノール(Aldrich)を加える。反応混合液を1時間還流した後、溶 媒を除去して薄黄色の結晶固形物を得る。収量は16.5 g(95%)である。 反応は次のように示される。 実施例2 トリヨードフェノレートナトリウム塩の調製 250mlの丸底フラスコ中の25gのトリヨードフェノール(Aldrich)に、1 00mlのジエチルエーテルを加える。次に、52.5mlの1M 水酸化ナトリウム(Fis her)を加え、その溶液を1時間攪拌した。次に、混合液を減圧下で回転蒸発させ てくすんだ褐色の固形物を得、これを精製せずに用いる。 実施例3 マゼンタ染料の劣化に関するトリヨードフェノレートナトリウム塩及びトリヨー ドフェノールの影響 染料に対して1.5当量の実施例2から得られたトリヨードフェノレートナトリ ウム塩又は1.5当量のトリヨードフェノールを、5gのヒューレットパッカード マゼンタインクジェットインク標準製剤(Hewlett Pachard,カルフォルニア州パ ロアルト,Part No.HP 51640 M)に加える。2%(w/w)のエチルヒドロキシβ− シクロデキストリンをインク試料に加える。試料を透明シート(Hewlett-Pachard ,カルフォルニア州パロアルト,Cat.No.HPC 3834A)上に延伸した。次に、試 料を水冷式パイレックスフィルターを有する融合ランプ(Fusion UV Curing Syst ems Corp.,メリーランド州ロックビル,F300型 + D球)に10分間露光した。こ れらの実施例の吸光度測定は全てパーキン・エルマー UV/VIS 分光光度計(Perki n-Elmer Corp.,コネチカット州ノーウォーク,LAMBDA-14P型)により行った。結 果を下記の表に示す。 実施例4 マゼンタ染料の劣化に関するヨウ化ナトリウムの影響 10当量及び2当量のヨウ化ナトリウムを、5gのヒューレットパッカードマ ゼンタインクジェットインク標準製剤(Hewlett Pachard,カルフォルニア州パロ アルト,Part No.HP 51640 M)の2分割量に各々加える。2%(w/w)のエチルヒ ドロキシβ−シクロデキストリンをインク試料に加える。試料を透明シート(Hew lett-Pachard,カルフォルニア州パロアルト,Cat.No.HPC 3834A)上に延伸し た。次に、試料を水冷式パイレックスフィルターを有する融合ランプに10分間 露光した。結果を下記の表に示す。 実施例5 マゼンタ染料の劣化に関するイミン付加物の影響 1.5当量の実施例1から得られたイミン付加物を、5gのヒューレットパッカ ードマゼンタインクジェットインク標準製剤(Hewlett Pachard,カルフォルニア 州パロアルト,Part No.HP 51640 M)に加える。2%(w/w)のエチルヒドロキシ β−シクロデキストリンをインク試料に加える。試料を透明シート(Hewlett-Pac hard,カルフォルニア州パロアルト,Cat.No.HPC 3834A)上に延伸した。次に、 試料を水冷式パイレックスフィルターを有する融合ランプに10分間露光した。 結果を下記の表に示す。 実施例6 シアン染料の劣化に関するイミン付加物の影響 染料に対して4当量又は1.5当量の実施例1から得られたイミン付加物を、5 gのヒューレットパッカードシアンインクジェットインク標準製剤(Hewlett Pac hard,カルフォルニア州パロアルト,Part No.HP 51640 C)に加える。2%(w/w) のエチルヒドロキシβ−シクロデキストリンをインクの試料に加える。試料を透 明シート(Hewlett-Pachard,カルフォルニア州パロアルト,Cat.No.HPC3834A) 上に延伸した。次に、試料を水冷式パイレックスフィルターを有する融合 ランプに10分間露光した。結果を下記の表に示す。 実施例7 塩基性フクシンのイミン付加物の調製 300mlの無水エタノール中5.0 gの塩基性フクシン(Aldrich)及び3.2 gの カルコン(Aldrich)の溶液と3滴のジメチルアミノエタノールを1時間還流した 後、溶媒を除去して緑色の結晶末を得た。その粉末を減圧下に1時間置いた。反 応は次のように要約され、生成物を“カルコンフクシンイミン”と呼ぶ。 実施例8 シアンインクの劣化に関する塩基性フクシンイミン付加物の影響 対照として、塩基性フクシン染料(Aldrich)を水(10%w/w)に溶解し、HP透 明シートに塗布した。実施例7から得られたイミン付加物を水(10%w/w)に溶 解した。染料に対して2%(w/w)の実施例7から得られたイミン付加物を5gの ヒューレットパッカードシアンインクジェットインク標準製剤(Hewlett Pachard,カルフォルニア州パロアルト,Part No.HP 51640 C)に加える。2%(w /w)のエチルヒドロキシβ−シクロデキストリンをインク試料に加える。試料を 透明シート(Hewlett-Pachard,カルフォルニア州パロアルト,Cat.No.HPC 383 4A)上に延伸した。次に、試料を水冷式パイレックスフィルターを有する融合ラ ンプに10分間露光した。結果を下記の表に示す。 実施例9 マゼンタ染料の劣化に関するヨウ化塩の影響 染料に対して10モル当量のヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム及びヨウ化テ トラメチルアンモニウム((CH3)4NI)を、5gのヒューレットパッカードシア ンインクジェットインク標準製剤(Hewlett Pachard,カルフォルニア州パロアル ト,Part No.HP 51640 M)に加える。2%(w/w)のエチルヒドロキシβ−シクロ デキストリンをインク試料に加える。試料を透明シート(Hewlett-Pachard,カル フォルニア州パロアルト,Cat.No.HPC 3834A)上に延伸した。試料を、水冷式 パイレックスフィルターを有する融合ランプに10分間露光した。結果を下記の 表に示す。 実施例10 キセノンランプ下マゼンタ染料の劣化に関するイミン付加物の影響 染料に対して2モル当量の実施例1から得られたイミンを、5gのヒューレッ トパッカードマゼンタインクジェットインク標準製剤(Hewlett Pachard,カルフ ォルニア州パロアルト,Part No.HP 51640 M)に加える。2%(w/w)のエチルヒ ドロキシβ−シクロデキストリンをインク試料に加える。試料を透明シート(Hew lett-Pachard,カルフォルニア州パロアルト,Cat.No.HPC 3834A)上に延伸し た。次に、試料をキセノンランプ(Universal Systems,Inc.,カリフォルニア州 アズザ,1000ワットショートアークランプ,LPS-255HR 型)に4.5時間露光した 。結果を下記の表に示す。 実施例11 融合ランプ下マゼンタ染料の劣化に関するトリヨードフェノールの影響 染料に対して2モル当量のトリヨードフェノール(Aldrich)を、5gのヒュー レットパッカードマゼンタインクジェットインク標準製剤(Hewlett Pachard,カ ルフォルニア州パロアルト,Part No.HP 51640 M)に加える。2%(w/w)のエチ ルヒドロキシβ−シクロデキストリンをインク試料に加える。試料を透明シート (Hewlett-Pachard,カルフォルニア州パロアルト,Cat.No.HPC 3834A)上に延 伸した。試料を、水冷式パイレックスフィルターを有する融合ランプに10分間 露光した。0時間における透明シートの吸光度は0.95であり、融合ランプに10 分間露光した後の吸光度は0.86であり、良好な安定化活性を示す。 実施例12 融合ランプ下マゼンタ染料の劣化に関するトリヨードフェノールの影響 染料に対して2モル当量のトリヨードフェノール(Aldrich)を、5gのヒュー レットパッカードマゼンタインクジェットインク標準製剤(Hewlett Pachard,カ ルフォルニア州パロアルト,Part No.HP 51640 M)に加える。2%(w/w)のエチ ルヒドロキシβ−シクロデキストリンをインク試料に加える。試料を透明シート (Hewlett-Pachard,カルフォルニア州パロアルト,Cat.No.HPC 3834A)上に延 伸した。試料を、水冷式パイレックスフィルターを有する融合ランプに10、2 0及び30分間露光した。試験結果を下記の表に示す。 実施例13 融合ランプ下マゼンタ染料の劣化に関する塩基性フクシンとヨウ化ナトリウムの イミン付加物の組合わせの影響 5% w/wの実施例7から得られた塩基性フクシンのイミン付加物及び1.5当量 のヨウ化ナトリウムを、5gのヒューレットパッカードマゼンタインクジェット インク標準製剤(Hewlett Pachard,カルフォルニア州パロアルト,Part No.HP 51640 M)と混合した。2%(w/w)のエチルヒドロキシβ−シクロデキストリンを インク試料に加える。試料を透明シート(Hewlett-Pachard,カルフォルニア州パ ロアルト,Cat.No.HPC 3834A)上に延伸した。試料を、水冷式パイレックスフ ィルターを有する融合ランプに0及び10分間露光した。試験結果を下記の表に 示す。 実施例14 融合ランプ下シアン染料の劣化に関するトリヨードフェノールとヨウ化テトラメ チルアンモニウムの組合わせの影響 2当量のトリヨードフェノール(Aldrich)及び0.75当量の(CH3)4NIを、5 gのヒューレットパッカードシアンインクジェットインク標準製剤(Hewlett Pa chard,カルフォルニア州パロアルト,Part No.HP 51640 M)に加える。2%(w/w )のエチルヒドロキシβ−シクロデキストリンをインク試料に加える。試料を透 明シート(Hewlett-Pachard,カルフォルニア州パロアルト,Cat.No. HPC 3834A)上に延伸した。試料を、水冷式パイレックスフィルターを有する融合 ランプに10分間露光した。試験結果を下記の表に示す。 実施例15 粘性インクに関する安定剤の影響 ヒューレット・パッカードマゼンタインクカートリッジにドリルで1/16イ ンチの穴をあけ、注射器を用いてインクを取り出す。2当量のトリヨードフェノ ール及び2% w/wのエチルヒドロキシβ−シクロデキストリンをインク試料に加 え、十分に混合した。次に、混合物を注射器を用いてカートリッジの中に戻す。 HP 1200Cプリンタを用い、20〜30シートを印刷してカートリッジを完全に 印刷させる。対照(未処理)インクをビュレットに入れると共にカートリッジか ら10分間注いだ容量を測定することにより粘性を比較した。下記の表は、処理 インクが対照インクとほぼ同じ粘性を有したことを示している。 実施例16 実施例15から得られたインクに関する退色試験 実施例15で調製されたカートリッジを用いて1平方インチのインクが吸光度 0.85〜0.95を得るように透明シート(Hewlett-Pachard,カルフォルニア州パロア ルト,Cat.No.HPC 3834A)に印刷した。次に、四角を切り抜き、水冷式パイレ ックスフィルターを有する融合ランプに露光した。試験結果を下記の表に示す。 実施例17 インクに関するトリヨードフェノール及びヨウ化テトラメチルアンモニウムの影 響 ヒューレット・パッカードマゼンタインクカートリッジ(Hewlett Pachard,カ ルフォルニア州パロアルト,Part No.HP 51640 M)にドリルで穴をあけ、注射器 を用いてインクを取り出す。2当量のトリヨードフェノール及び0.5当量の(CH3 )4NI及び2% w/wのエチルヒドロキシβ−シクロデキストリンをインク試料 に加え、十分に混合した。次に、混合物を注射器を用いてカートリッジに戻す。 次に、充填したカートリッジをHP 1200Cプリンタに入れ、20ページを印刷し てカートリッジを安定化した。次に、実施例16に従って透明シートに四角を印 刷した。次に、四角を切り抜き、水冷式パイレックスフィルターを有する融合ラ ンプに露光した。試験結果を下記の表に示す。 漏れや印刷の問題は見られず、カートリッジを用いて205ページを全く問題 なく印刷した。 実施例18 実施例15に従ってカートリッジを調製し、実施例16に従って透明シートに 印刷した。四角をパイレックス/水フィルターを有するキセノンランプ光に露光 した。指定時間のUV吸収を求める。試験結果を下記の表に示す。 実施例19 染料を有意に安定化しなかった化合物例 前述の実施例と同様のプロトコールを用いて、次の化合物:2,4,6−トリヨー ド安息香酸、ナトリウム塩、β−カロテン、3,4−ジデヒドロレチノール(ビタ ミンA)、アルコルビン酸、4−ヨード安息香酸、EDTAセレニウム錯塩及び TINUVIN 936(Ciba-Geigy Corp.)についてインクジュットインク中の染料を安定 化する能力を試験した。これらの代表的化合物はいずれも試験染料を有意に安定 化するものがなかった。 実施例20 着色安定剤の代表的組合わせ 下記の表は、染料を安定化するために用いられる所望の着色安定剤の種々の組 合わせを示す。用いられる個々の組合わせは、最終の染料溶液製剤に左右される 。下記の表は、可能な全ての組合わせを網羅した例示であることを意味せず単に 可能ないくつかの組合わせを意味する。 NaI=ヨウ化ナトリウム(NI) (CH3)4NI=ヨウ化テトラメチルアンモニウム(TI) CD=シクロデキストリン(CD) エチルヒドロキシβ−シクロデキストリンに共有結合したトリヨードフェノール n=3(TIP-CD) エチレンヒドロキシβ−シクロデキストリンに共有結合したスルホン酸イミン付 加物 n=3(ASI-CD) 実施例21 トシル糖の調製 磁気スターラー及びコンデンサを備えた500mlの丸底フラスコに、75gの 1,2−o−イソプロピリデン−D−グルコフラノース(Aldrich)及び200mlの無 水ピリジン(Aldrich)を入れる。フラスコを氷浴中で冷却した後、64.8gのp− トルエンスルホニルクロリド(Aldrich)を加える。混合液を一晩貯蔵し、室温に 温めておく。溶媒を減圧下で除去し、油状物をエーテルに溶解し、硫酸銅飽和溶 液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、溶媒を除去して薄黄色の粘稠な油状物を得る 。収量は108.1g(85%)である。反応は次のように要約される。 得られた反応生成物は、次の反応パラメーターを有する。1H NMR[DMSO-d6]7 .5-8.8(m,トシル芳香族 Hs),1.2-1.6(m,糖のケタール CH3s) 実施例22 トリメチルフェノール糖の調製 磁気スターラー、コンデンサ及びアルゴンを連続してフラッシュするガス導入 管を備えた500mlの3つ口フラスコに、20.0gの2,4,6−トリメチルフェノー ル(Aldrich)及び150gの乾燥テトラヒドロフラン(“THF”)を入れる。4.2 gの水素化ナトリウムを30分かけて徐々に加え、ガスの発生を止める。反応混 合物を30分間攪拌した後、50mlのTHF中55.1gの実施例21で調製された トシル糖を加える。反応混合液を一晩攪拌した後、60分間還流した。次に、反 応混合液をろ過し、溶媒を減圧下で除去して褐色の油状物を得る。次に、油状物 を200mlのエーテルと100mlの2N 水酸化ナトリウム溶液に溶解し、混合液 を1時間攪拌した。次に、有機層を分離し、MgSO4で乾燥し、溶媒を除去し て薄黄色の油状物を得る。収量は32.1g(62%)である。反応は次のように要 約される。 得られた反応生成物、(3a,6,6a)−テトラヒドロ−6−ヒドロ キシ−α−[(メシチルオキシ)メチル-2,2−ジメチルフロ[2,3−]−1,3−ジ オキソール−5−メタノールは、次の物理的パラメータを有した。 1H NMR[DMSO-d6]キーピーク: 7.3-6.8(m),4.8-3.7(m),2.2-2.5(m),1.5-1.7 (m)ppm. 質量スペクトル: m/e: 338,323,281,263,265,208,203,178,149,136 ,121,91,73,69. 実施例23 ケタール基の除去 ガス導入口及び排出口及び磁気スターラーを備えた3つ口フラスコに、20.0g の実施例22で製造されたトリメチルフェノール糖及び200mlの無水THFを 入れる。乾燥HClガス(Matheson)を、反応混合液のpHが万能指示薬湿潤紙で 5〜3になるまで溶液に通気した。反応液を室温で1時間攪拌し、溶媒を減圧下 で除去して薄茶色の油状物を得た。その油状物は、非常に水溶性であることがわ かった。反応は次のように要約される。 得られた反応生成物、(2,3,4)−テトラヒドロ−5−[1−ヒド ロキシ−2−(メシチルオキシ)エチル]−2,3,4−フラントリオールは、次の 物理的パラメータを有した。 1H NMR[DMSO-d6]は1.5〜1.7 ppmにおいてケタールCH3基の消失を示した。 実施例24 トリヨードフェノール糖の調製 磁気スターラー、ガス導入口、及びコンデンサを備えた3つ口丸底フラスコに 、20gの2,4,6 −トリヨードフェノール及び200mlの乾燥THFを入れる。 フラスコを氷浴中で冷却し、1.2gの水素化ナトリウムを30分かけて徐々に加 える。次に、混合液を30分攪拌した後、50mlのTHF中15.6gの実施例21 から得られたトシル糖を加える。次に、反応液を一晩加熱還流した。次に、反応 混合液をろ過し、溶媒を除去して暗褐色の油状物を得る。次に、油状物を200 mlのジエチルエーテル及び200mlの2N 水酸化ナトリウム中で攪拌した。次に 、有機層を分離し、MgSO4で乾燥し、溶媒を減圧下で除去して薄黄色の油状 物を得る。収量は21.3g(76%)である。反応は次のように要約される。 得られた反応生成物、(3a,6,6a)−テトラヒドロ−6−ヒドロ キシ−2,2−ジメチル−α−[(2,4,6−トリヨードフェノキシ)メチル]フロ[2,3 −]−1,3−ジオキソール−5−メタノールは、次の物理的パラメータを有す る。 質量スペクトル: m/e: 529,460,431,402,358,289,275,231,145,129 ,73. 実施例25 ケタール基の除去 ガス導入口及び排出口を備えた250mlの3つ口丸底フラスコに、10.0gの実 施例24で製造されたトリヨードフェノール糖及び150mlの無水THFを入れ る。乾燥HClガスを溶液のpHが万能指示薬含湿潤紙(Fisher)で3〜5になる まで反応混合液に通気した。次に、反応混合液を減圧下で蒸発して8.8g(96 %)の薄黄色の油状物を得る。反応は次のように要約される。 得られた反応生成物、(2,3,4)−テトラヒドロ−5−[1−ヒド ロキシ−2−(2,4,6−トリヨードフェノキシ)エチル]−2,3,4−フラントリオ ールは、次の物理的性質を有する。 質量スペクトル: m/e: 529,460,347,231,145,129,73 実施例26 ニーナボンド紙に関する上記実施例で調製された添加剤を含むヒューレットパッ カードマゼンタインクの退色試験 3本のヒューレットパッカード HP51640M マゼンタインクカートリッジ(カリ フォルニア州パロアト)に1/8インチのドリルで穴をあけ、インクを250ml の三角フラスコに注射器で取り出す。4.8g(2% w/w)のβ−ヒドロキシエチ ルシクロデキストリン(American Maize)を96.7gのインクに加え、混合液を10 分間振盪してシクロデキストリンを溶解及び分散した。次に、8.7gの実施例2 3で製造されたトリメチルフェノール糖(3モル当量、又は“eq”)、19.3gの 実施例25で製造されたトリヨードフェノール糖(4eq)、及び5.6gのNaI (2eq)を混合液に加え、振盪し、20分間音波処理した。次に、得られた混合 液を3部分に一様に分割し、得られた混合液の各1分割量を穴をあけたインクカ ートリッジの各々に注射器で入れ、同時に0.45μフィルターでろ過した。次に、 カートリッジをヒューレットパッカード 1600Cプリンタに入れ、ニーナボンド, Kimberly Clark Corp.による試験シートに印字した。シートNo.30〜32を作成り 、シートを Atlas Electric Devices Co.(イリノイ州シカゴ)のウェザーオメ ーター、モデル No.C135W、放射照度 340nmにおいて0.53ワット/m2、ブラックパ ネル32℃、ホウケイ酸塩フィルター、湿度50%、に露光する以外は上記のよう に対照シートに対する退色試験に供した。対照及び上記で作成した実験試料を0 時間と66時間露光した後に吸光度を測定した。吸光度をパーキンエルマ−UV/ 可視分光光度計λ 14Bで測定した。 退色実験の結果を下記の表に示す。下記の表は、0時間及び66時間における 対照シート試料に対する退色実験吸光度結果を示すものである。 下記の表は、0時間及び66時間における上記のように作成した実験シート試 料の退色実験吸光度結果を示すものである。 実施例27 透明シートに関するヒューレットパッカードマゼンタインクの退色試験 対照及び実験インクをニーナボンド紙の代わりにヒューレットパッカード上質 透明 HPC 3834Aシートに印刷する以外は実施例26の手順を繰り返す。66時間 後の対照シート吸光度値は試料1については0.09であり、試料2については0.02 である。66時間後の実験吸光度値は試料1については0.79である。 実施例28 処理紙の黄色化減少の試験 紙の黄色化を、紙を下記の溶液に浸漬し、紙を乾燥し、紙をウェザーオメータ ーに12時間露光することにより試験した。特に、紙を溶液中に浸漬するために 容器内に入れ、ぬれたままかわかすように蒸気フード内のひもに掛け、下記のよ うにオーブン乾燥した。溶液A ヨウ化ナトリウム+チオ硫酸ナトリウム 水中6.7% w/wヨウ化ナトリウム及び10% w/wチオ硫酸ナトリウム溶液を調 製した。ニーナボンド紙片をその溶液に浸漬した後、真空オーブン内60℃で1 5分間乾燥した。次に、紙をアトラスウェザーオメーターに入れ、次の条件:0. 53W/m2、湿度50%、32℃に12時間露光した。溶液B ヨウ化ナトリウム 6.7% w/wヨウ化ナトリウム溶液を調製し、ニーナボンド紙片をその中に浸漬 し、乾燥し、上記のようにウェザーオメーターに露光した。溶液C チオ硫酸ナトリウム 10% w/wチオ硫酸ナトリウム溶液を調製し、ニーナボンド紙片をその中に浸 漬し、乾燥し、上記のようにウェザーオメーターに露光した。対照 ニーナボンド紙片を切断し、上記のようにウェザーオメーターに露光した。 紙の処理片及び対照片を露光する結果は、次の通りである。溶液Aで処理した 紙は黄色に変わった。溶液Bで処理した紙は暗黄色に変わった。溶液Cで処理し た紙は、変化せず白色のままであった。対照試料は非常に薄い黄色に変わった。 従って、紙をチオ硫酸ナトリウムで処理すると時間が経つにつれて起こる黄色化 量が減少した。 実施例29 チオ硫酸ナトリウム処理紙に印刷したヒューレットパッカードインクの退色試験 本実施例は、チオ硫酸ナトリウム処理紙が本発明の着色安定剤と混合したヒュ ーレットパッカードインクの退色耐性を高めるかを求める。 ヒューレットパッカードインクジュット上質紙の数シートを、10% w/wチオ 硫酸ナトリウム水溶液に浸漬した後、真空オーブン内60℃で15分間0.1mmH gで乾燥した。これらのシートを“処理紙”と呼ぶ。 ヒューレットパッカードインクカートリッジ(マゼンタインク)を、上記のよ うにカートリッジにドリルで穴をあけ、注射器でインクを取り出し、三角フラス コにインクを入れることにより調製した。5% w/wのヒドロキシエチル−β−シ クロデキストリンをフラスコに入れ、混合液を10分間振盪した。その後、3当 量の実施例25で製造したトリヨードフェノール糖、4当量の実施例23で製造 したトリメチルフェノール糖、及び2当量のヨウ化ナトリウムを混合液に加え、 20分間振盪した。上記“当量”は、インク中の染料に対するモル当量であるこ とは理解されるべきである。次に、インク混合液は、0.45μフィルターを取り付 けた注射器でインクジェットカートリッジに注入した。このカートリッジを添加 剤含有カートリッジと呼ぶ。 対照カートリッジ(マゼンタ、イエロー、及びシアンを含む上記添加剤を含ま ない他のヒューレットパッカードインクジェットカートリッジ)及び添加剤含有 カートリッジを用いて処理及び非処理紙による試験シートに印刷した。特に、添 加剤を含有しないヒューレットパッカードマゼンタ、イエロー、及びシアンイン クカートリッジで処理及び非処理シートに印刷した。更に、添加剤を含有しない ヒューレットパッカードイエロー及びシアンインクカートリッジ及びマゼンタイ ンクを含有する添加剤含有カートリッジで処理及び非処理シートに印刷した。次 に、紙をアトラスウェザーオメーターに入れ、次の条件:340nmにおいて0.53 W/m2、湿度50%、ホウケイ酸塩フィルター、及び32℃に15時間露光した。 Cielab,D-50-2によって記載されたL、a*、b*に基づくΔE*値を測定する Xライト色彩計(938型,SpectroDensitometer,ミシガン州グランドビル)で色の 変化を測定した。 目測及び実際の測定により、非処理紙上の対照マゼンタインクは最も退色し、 非処理インク上の添加剤含有マゼンタインクは少し退色し、処理紙上の添加剤含 有マゼンタインクはわずかに少し退色及び最も少なく退色したことがわかる。特 に、ΔE*値は次の通りである。 %に関して、添加剤含有インクは対照インク(共に非処理紙について)より退 色耐性が40%良好であり、処理紙についての添加剤含有インクは15時間露光 した非処理紙についての対照インクより退色耐性が68%良好である。 退色前後の試料の反射率%グラフの試験から、添加剤がインク中に存在しかつ 処理紙に印刷される場合にマゼンタ色素が退色しないか又はその濃度が変化しな いことがわかる。しかしながら、対照は色素発色団の消失を明らかに示している 。対照的に、インク中の添加剤系は色素の消失を保護するが、ΔE*値から添加 剤系が露光の際にいくぶん黄色化するのでΔE*値を生じることがわかる。従っ て、処理紙は、添加剤のこの黄色化を減少させるので15時間露光後に最小ΔE* 値(色の変化)を示す。 実施例30 チオ硫酸ナトリウム処理紙及び非処理紙に印刷された黄色ヒューレットパッカー ドインクの退色試験 本実施例は、チオ硫酸ナトリウム処理紙が黄色ヒューレットパッカードインク の退色耐性を高めるかを求めるものである。 実施例29でアトラスウェザーオメーターに露光した紙は、マゼンタの四角の 次のマスに黄色とシアンの四角が印刷された。マゼンタの四角は安定化添加剤を 含有したものがあったが、黄色とシアンの四角は全て添加剤を含有しなかった。 従って、ヒューレットパッカードインクを処理及び非処理の双方のヒューレッ トパッカード上質インクジェット紙に印刷した後、実施例29に示された条件下 でアトラスウェザーオメーターに露光した。処理紙が10% w/wチオ硫酸ナトリ ウム溶液に浸漬すると共に実施例29に示された条件下で真空オーブン内で乾燥 されることは理解されるべきである。 ウェザーオメーター露光処理紙についての黄色インクは、非露光処理紙につい ての黄色インクと比べてほとんど又は全く退色しない。しかしながら、ウェザー オメーター露光非処理紙についての黄色インクは、非露光非処理紙についての黄 色インクと比べてかなり退色した。従って、処理紙は非処理紙に比べて黄色イン クの退色を減少させる。 実施例31 チオ硫酸ナトリウム処理紙及び非処理紙に印刷された黄色ヒューレットパッカー ドインクの退色試験 本実施例は、チオ硫酸ナトリウム処理紙が黄色ヒューレットパッカードインク の退色耐性を高めるかを求めるものである。 実施例29に記載された方法を用いて処理紙及び非処理紙に黄色インクを含む ヒューレットパッカードインクのインク試料を更に印刷した。試料を合計51時 間露光した以外は実施例29に示された条件下でアトラスウェザーオメーターに 試料を入れた。 目測と色の測定(ΔE*)から、処理紙が黄色インクの退色を減少させること がわかる。特に、黄色インクのΔE*値は次の通りである。 ΔE*は、51時間にわたって処理紙上の黄色インクの変色をほとんど又は全 く示さない。 実施例32 チオ硫酸ナトリウム処理紙及び非処理紙に印刷されたシアンヒューレットパッカ ードインクの退色試験 実施例29に記載された方法を用いて処理及び非処理紙にシアンインクを含む ヒューレットパッカードインクの試料を印刷した。シアンインクがいずれも実施 例29に示された安定化添加剤を含有しなかったことは理解されるべきである。 試料を合計51時間露光した以外は実施例29に示された条件下でアトラスウェ ザーオメーターに試料を入れた。 処理紙は、非処理紙と比べてヒューレットパッカードシアンインクの退色にほ とんど又は全く影響がなかった。24時間とウェザーオメーターの合計露光時間 の51時間に、シアンインクは処理及び非処理紙が同様の程度まで退色した。 実施例33 処理紙に印刷されたインクの退色試験 キャノンプリンタ用アメリカンインクジェットのインクジェットマゼンタ製剤 の退色試験を次のように行う。マゼンタインクをシクロデキストリン処理紙及び チオ硫酸ナトリウム処理紙に印刷した後、アトラスウェザーオメーターで100 時間露光した。 特に、約10μl の針の付いた注射器の使用によりインクを灯心の栓を通して キャノン BJCプリンタ用小カートリッジから約10mlのインクを取り出す。次の 安定化添加剤:5% w/wの実施例7で調製された塩基性フクシンイミン付加物; 0.25eqのヨウ化テトラメチルアンモニウム;及び2% w/wのヒドロキシエチル− γ−シクロデキストリンをマゼンタインクと混合した。インク混合物を0.45μフ ィルターを有する注射器によってカートリッジに戻し入れる。印刷した最初 の15〜20シートを捨てアトラスウェザーオメーターに露光されるべき紙に印 刷されることを行わせる。 チオ硫酸ナトリウム処理紙 チオ硫酸ナトリウム処理紙を次のように調製した。15gのチオ硫酸ナトリウ ム貯蔵液を150gの水のビーカーに入れ、溶解した。その溶液をパイレックス オーブン皿に入れ、ヒューレットパッカード上質インクジェット紙をその中に一 度に1シート入れる。シートがチオ硫酸ナトリウム溶液に3〜4分間浸漬した後 、シートを取り出し、真空オーブンに入れて30〜32℃に加熱し0.1 torrの真 空を15〜20分間かけ、紙の乾燥シートを作製した。 チオ硫酸ナトリウム溶液に含浸させる前と乾燥工程後のシートの重量をはかる ことにより、紙の上又は中に存在するチオ硫酸ナトリウム量が約12% w/wであ ることを算出した。 シクロデキストリン処理紙 シクロデキストリン紙を次のように調製した。10% w/wヒドロキシエチル− γ−シクロデキストリン溶液を調製し、ヒューレットパッカード上質インクジェ ット紙を上記のように処理した。シクロデキストリン溶液に含浸させる前と乾燥 工程後のシートの重量をはかることにより、紙の上又は中に存在するシクロデキ ストリン量を約3.4%として算出した。 一連のシートを、上記で調製したインク混合物又は対照として市販のプリンタ 用インクを用いてキャノン BJCプリンタに印刷した。非処理シート(対照)並び にチオ硫酸ナトリウム処理シート及びシクロデキストリン処理シートを印刷した 。次に、次の条件:放射照度440nmにおいて0.54W/m2;ブラックパネル温度4 5℃;ホウケイ酸塩フィルター;及び湿度55%を有するアトラスウェザーオメ ーター中で100時間露光した。Xライトメータを用いて変色値(ΔE*)を測 定した。結果を下記に示す。 上記からわかるように、インク混合物中の安定化分子は耐光性を改善し、露光 の際の着色剤の色相のずれがわずかである。しかしながら、上記のデータから、 インク中の安定化分子が処理紙に印刷されているインクと共に露光の際の着色剤 の退色耐性を顕著に改善することが明らかである。シクロデキストリン処理紙は 着色剤の耐光性を最も改善し、チオ硫酸ナトリウム処理紙は着色剤の耐光性が2 番目に良好な改善を示す。 実施例34 処理紙の調製 本実施例は、紙をシクロデキストリン或いはチオ硫酸ナトリウムで処理する方 法を記載するものである。ヒューレット・パッカード上質インクジェット紙を被 覆し、乾燥して実施例35及び実施例36に記載されるインクジェット退色試験 用フラット処理紙を得る。 特に、紙を次のように被覆した。紙を、互いの上方に配置される2つのローラ ーの間に回転させ、下のローラーの下の部分をシクロデキストリン或いはチオ硫 酸ナトリウムの溶液に含浸させ、同じ溶液の制御された量を上のローラーの上の 部分に連続して滴下した。紙がローラー間に回転するにつれて溶液を含む上のロ ーラーの下の部分と接触することにより上面に被覆されかつ紙との接触によって 回転するにつれて溶液が上のローラーの上の部分に被覆され続けられることは理 解されるべきである。更に、紙がローラー間に回転するにつれて、紙は溶液を含 む下のローラーの上の部分と接触することにより下面に被覆され、溶液は紙との 接触によって回転するにつれて下のローラー(溶液に含浸される)の下の部分に 被覆され続ける。 上記のようにローラーを通過した後、乾燥されるにつれて紙がそるのを防止す るファブリックフラップを有するスチール製のスチーム加熱ドラムに回転させる 。 γ−シクロデキストリン処理紙は、次のように調製される。処理前にHP上質 紙の重量をはかる。50重量%γ−シクロデキストリン水溶液を調製し、上記の ようにHP上質紙の上面及び下面に被覆した。処理紙を乾燥した後、紙の重量を 再びはかって紙の中又は上の7%重量シクロデキストリン含量を得る。 チオ硫酸ナトリウム処理紙は次のように調製される。HP上質紙の重量を処理 前にはかる。20重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液を調製し、上記のように紙の 上面及び下面に被覆した。処理紙を乾燥した後、紙の重量を再びはかって紙の上 又は中の2% w/wチオ硫酸ナトリウム含量を得る。 これらの処理紙を、実施例35及び実施例36に示された退色試験の実験に用 いる。 実施例35 処理紙に関する種々のマゼンタインクの退色試験 本実施例は、処理又は非処理ヒューレットパッカード上質紙に関する本発明の 安定化添加剤を含む或いは含まないヒューレットパッカード(HP)、アメリカ ンインクジェット(AIJ)、及びキャノンマゼンタインクジェットインクの退 色試験の結果を示すものである。 本発明の安定化添加剤を有するインクを上記実施例に記載されたように調製し 、インクを適切なカートリッジから取り出し、添加剤と混合し、振盪し、20分 間音波処理し、0.45μフィルターを備えた注射器によってもとのカートリッジに 注入した。得られたインクは、次の添加剤:5% w/wの実施例7で調製された塩 基性フクシンイミン付加物;0.25eqのヨウ化テトラメチルアンモニウム;及び2 % w/wヒドロキシエチルβ−シクロデキストリンを含有する。 マゼンタインクを、HP上質紙及び実施例34で調製された処理紙に印刷した 。ヒューレットパッカードインク及びアメリカンインクジェットインクをヒュー レットパッカード 1600Cを用いて印刷し、キャノンインクをBJC-600 プリンタを 用いて印刷した。 次に、シートをアトラスウェザーオメーターに入れ、次の条件:440nmにお いて0.54W/m2、ホウケイ酸塩フィルター、湿度55%、及びブラックパネル温度 45℃下で合計77時間露光した。 マゼンタインクの色の変化をXライト色彩計(938型,SpectroDensitoneter,ミ シガン州グランドビル)によって測定し、Cielab,D-50-2によって記載されたL 、a*、b*に基づいてΔE*を測定した。結果を下記の表に示す。 上に示されるように、添加剤は退色を減少させ、添加剤を含むインクが処理紙 に印刷される場合、退色の量を更に減少させる。 実施例36 処理紙に関する種々のマゼンタインクの退色試験 本発明は、処理又は非処理紙に関する本発明の安定化添加剤を含む或いは含ま ないヒューレット・パッカード(HP)、アメリカンインクジェット(AIJ)、 及びキャノンマゼンタインクジェットインクの退色試験の結果を示すものである 。特に、紙は非処理ヒューレット・パッカード上質紙、キンバリー・クラークブ ライトホワイトインクジェット紙、又は実施例34に記載されたように処理され たヒューレット・パッカード上質紙である。次の3種類の水溶液:50% w/wγ −シクロデキストリン;20% w/wチオ硫酸ナトリウム;又は20% w/wγ−シ クロデキストリン及び10% w/wチオ硫酸ナトリウムを用いて3種類の処理紙を 調製した。 実施例34で述べたように、50%シクロデキストリン処理紙は紙の中又は上 に7% w/wシクロデキストリン含量を有し、20%チオ硫酸ナトリウム処理紙は 紙の中又は上に2% w/wチオ硫酸ナトリウム含量を有する。20% w/wγ−シク ロデキストリン及び10% w/wチオ硫酸ナトリウム溶液で処理した紙の重量を処 理前後にはかって紙の中又は上にシクロデキストリン及びチオ硫酸ナトリウムの 4〜55% w/wの合計含量を得た。 処理及び非処理紙に実施例35で調製された添加剤含有インク又は対応する添 加剤を含有しないインクで印刷した。HP及びAIJインクをHP 1600Cプリン タを用いてHP1600カートリッジから印刷した。キャノンインクをBJC-600プ リンタで印刷した。 次に、シートをアトラスウェザーオメーターに入れ、次の条件:440nmにお いて0.54W/m2、湿度55%、及びブラックパネル温度45℃、ホウケイ酸塩フィ ルター下で合計77時間露光した。 マゼンタ色の変化をXライト色彩計(938型,SpectroDensitoneter,ミシガン州 ブランドビル)によって測定し、Cielab,D-50-2によって記載されたL、a*、b* に基づいてΔE*を測定した。結果を下記の表に示す。 実施例37 着色安定化添加剤を含有する熱封緘性媒体製品の調製 本実施例は、本発明の着色安定化添加剤を含有する熱封緘媒体製品の調製を記 載するものである。本実施例において、着色安定化添加剤はヒドロキシプロピル β−シクロデキストリンのような分子包接体である。熱封緘性媒体製品は、多く の使用を与える。例えば、かかる媒体製品は、本発明の着色安定化添加剤を含む 少なくとも1種のポリマーで被覆された紙のような基体層から構成される。これ らの媒体製品は、耐光性及び耐水性媒体製品を与えるために積層品の代替物とし て用いられる。 更に、かかる媒体製品は米国特許第 4,863,781号、同第 5,242,739号及び同第 5,501,902 号明細書などに記載される熱転写製品とすることができ、これらの明 細書の記載は本願明細書に含まれるものとする。通常、熱転写製品は、圧力及び 熱を加えた際に印刷可能な物質を遊離する少なくとも1種のポリマーで被覆され た紙のような基体層を含む。かかる熱転写製品は、一般に、クロージングの物品 に対するメルトプリンティングデザイン等に用いられる。更に、熱転写紙は、詳 しくはインクジェットプリンタで印刷されるグラフィックを転写するのに開発さ れた。 基体層の片側又は両側をコーティングする熱可塑性ポリマーは、典型的には、 ポリオレフィン、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニルコポリマー又はナイロン より選ばれる。成分としては、更に、湿潤剤、インク粘度調節剤、弱酸、界面活 性剤、及びバインダー等が含まれる。 本発明は、約2〜20% w/w分子包接体を着色安定化添加剤としてコーティン グポリマーに加えることができることを提供する。下記の例は、2種類の媒体製 品コーティングの製造を記載するものである。下記の成分を混合してコーティン グ処方Aを製造した。 1)水 217部 2)スチレンマレイン酸無水物 35部 3)28%アンモニア水溶液 4.4部 4)25%エチレンアクリル酸溶液(Michaelman Inc.からMICAM PRIME として市 販されている)88部 5)製剤があるナイロンコポリマー6/12(Elf Atachemから ORGOSOLとして市 販されている) 6)ポリビニルアルコール 88部 7)30%ヒドロキシプロピルβ−CD溶液 38部 成分を全てビーカー内で混合し、機械的スターラーで滑らかな白色ペーストに 混和した。次に、そのペーストを粘稠にするためにすりつぶした。 上記処方の適切な変更は、通常の実験によって当業者に明らかである。例えば 、 代替的製剤、コーティング処方Bにおいては、要素1〜6を同じ割合でコーティ ングしたが、30%ヒドロキシプロピルβ−CD 456部を38部の代わりに 用いた。下記の結果でわかるように、分子包接体高含量の処方Bコーティングは 退色耐性の大きい媒体製品を作製た。結果は、着色安定化添加剤量の範囲を支持 する。 次に、媒体コーティングを基体、HP1600紙にゼロドローダウンバーで延伸す ることにより別個に被覆した。次に、湿潤コーティングを真空オーブンで乾燥し て被覆媒体製品を作製した。次に、下記のように調製されたインクB3を試料に 印刷した。インクを約300°Fで約30秒間簡単に加熱することにより媒体コ ーティングに融着させた。 熱転写製品物でのように下にあるコーティング層としてビニルが用いられる場 合、粘稠にするためにミル摩砕した50% w/wのポリ酢酸ビニルとシリカのよう な中間コーティング層を添加することによりそれにコーティングが固着されるこ とが好ましい。 本実施例から得られた媒体製品の印刷シートをアトラスウェザーオメーターに 入れ、次の条件:440nmにおいて0.54W/m2、湿度55%、ブラックパネル温度 45℃、ホウケイ酸塩フィルター下で表示した時間露光した。 マゼンタ色の変化をXライト色彩計(938型,SpectroDensitoneter,ミシガン州 ブランドビル)によって測定し、Cielab,D-50-2によって記載されたL、a*、 b*に基づいてΔE*を測定した。結果を下記の表に示す。 被覆媒体製品の退色試験結果 実施例38 ポルフィン着色安定剤を含有するインクの調製及び試験 本実施例は、処理又は非処理紙に関する本発明の安定化添加剤を含む或いは含 まない種々のインクの退色試験の結果を示すものである。特に、紙は非処理ヒュ ーレット・パッカード上質紙、又はインクに対して約50% w/wヒドロキシプロ ピルγ−シクロデキストリンの溶液を用いて紙に対して約5〜15% w/w溶液の 濃度で紙の中又は上に調製された処理ヒューレット・パッカード上質紙である。 本実施例の安定化添加剤はポルフィンとすることができる。詳しくは、ポルフ ィンCu−メソテトラ(4−スルファナトフェニル)ポリフィン(CuTPPS 4と称する)及びCu−メソテトラ(N−メチル−4−ピリジル)ポリフィン( CuTMPS4と称する)(Porphyrin Products,Inc.,ユタ州ローガンから入手 可能)を用いた。これらは各々下記の構造によって表される。 及び 本発明は、金属イオンCo又はCuが本発明のポルフィン構造において同じ意 味に用いられることを提供する。ポルフィンの化学に関する背景は、更に、Kuba t ら,“Photophysical properties of metal complexes of meso-tetrakis(4-su lphonatophenyl)Porphrin”,Journal of Photochemistry and Photobiology A: Chemistry 96(1996)93-97、及びその中で引用された文献に見られ、これらの文 献の記載は本願明細書に含まれるものとする。 本実施例の安定化添加剤は、また、下記の反応に示されるように製造されるジ メチルアミノ安息香酸四基化合物(DMABAQと称する)であってもよい。 磁気スターラー及びコンデンサを備えた500mlの3つ口丸底フラスコに、2 0g(0.12モル)のジメチルアミノ安息香酸(Aldrich)及び100mlのトルエン を加えた。ディーン・スタークアダプターを取り付け、80mlのトルエン(Aldri ch無水グレード)、14.4g(0.12モル)の塩化チオニルを加え、混合液を2時間 加熱還流した。次に、多量(100ml)を加えるにつれてトルエンを留去した。 50mlのトルエン(ディーン・スターク)中で乾燥した16.8g(0.12モル)の塩 化コリン(Aldrich)を加え、混合液を一晩還流した。次に、その溶液を熱ろ過し 、氷浴中で冷却したビーカーに注入した。次に、DMABAQ固体をろ過し、真 空オーブン内30℃で一晩乾燥した。 印刷した紙のシートをアトラスウェザーオメーターに入れ、次の条件:440 nmにおいて0.54W/m2、湿度55%、及びブラックパネル温度45℃、ホウケイ酸 塩フィルター下で表示した時間露光した。 マゼンタ色の変化をXライト色彩計(938型,SpectroDensitoneter,ミシガン州 ブランドビル)によって測定し、Cielab,D-50-2によって記載されたL、a*、b* に基づいてΔE*を測定した。結果を下記の表に示す。 処理及び非処理紙に次のように調製されたA1、A2、A3、A4、B1、B 2、B3、B4、C1、C2、C3、及びC4と称するインクで印刷した。 上記インクを退色試験し、下記の結果を得た。添加剤を含まないインク A2インクを下記の添加剤と調製し、HP紙及びHPγ−CD紙で退色試験し 、下記の結果を得た。 A3インクを下記の添加剤と調製し、HP紙及びHPγ−CD紙で退色試験し 、下記の結果を得た。 インクを約0.5%CuTPPS4安定化添加剤と調製し、HP紙及びHPγ−C D紙で退色試験し、下記の結果を得た。インクHP上質紙について0.5%CuTPPS4を用いて製造されたインク ヒドロキシ−プロピルγ−CD紙について0.5%CuTPPS4を含むインク 更に、HP-1600 マゼンタインクを約0.5%CuTPPS4安定化添加剤と調製 し、HP紙及びHPγ−CD紙で退色試験し、下記の結果を得た。15時間の多数試料 HP-1600 マゼンタインクを約0.5%CuTPPS4安定化添加剤と調製し、H P紙及びHPγ−CD紙で退色試験し、下記の結果を得た。15時間の多数試料 実施例39 塩基性フクシンヒドラゾンの調製 本発明の他の着色安定剤は、次のように調製される塩基性フクシンヒドラゾン である。磁気スターラー及び加熱用マントルを備えた500mlの丸底フラスコに 、50g(0.46モル)フェニルヒドラジン(Aldrich)、96.3g(0.46モル)カル コン(Aldrich)、及び300mlの無水エタノールを入れた。反応混合液を一晩還 流した後、室温に冷却した。白色沈殿が生じ、ろ過して白色固形物を得、これを 冷エーテルで洗浄した。128g(93%)カルコンヒドラゾンが得られた。こ の反応を下記に示す。 コンデンサ、アルゴン吹き込み口及び磁気スターラーを備えた500mlの3つ 口フラスコに、20g(0.09モル)の4,4′−ジアミノベンゾフェノン(Aldrich) 、27.1 g(0.09モル)のカルコンヒドラゾン(上で製造)、10.1 gのオキシ塩 化リン(Aldrich)及び200mlの乾燥ジオキサンを入れた。混合液を2日間還流 して赤色溶液を得た。反応混合液を氷浴中で冷却し、赤色沈殿をろ過して35.2 g(78%)を得た。その溶液にヘキサンを加えると余分の3gを生じた。化合 物を97.1%クロロホルム中3%エタノールから中和して精製した。また、CHC l3中1%エタノールとカラム(シリカゲル)を通して不純物を溶離し、次に、 クロロホルム中10%エタノールで溶離した。反応を下記に示す。 実施例40 ベンゾフェノン着色安定化添加剤を含む紙に関するインクの調製及び試験 本実施例は、本発明の他の安定化添加剤を含むヒューレット・パッカード上質 紙に関するマゼンタインクジェットインクの退色試験の結果を示すものである。 特に、本実施例の添加剤は下記の一般式を有するベンゾフェノンである。 式中、Rはベンゾフェノンを着色安定剤として機能させる置換基を示す。 更に詳しくは、本実施例ではベンゾフェノン誘導体は下記の構造で表される2 −ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(HMBPD、又 は簡単にUと称する)(Lancaster Synthesis Ltd.,ニューハンプシャー州ウィン ダムから入手可能)である。 更に、着色安定化添加剤はシクロデキストリンのような分子包接体とすること ができる。添加剤を含む紙は、次のように調製される。添加剤Uとβ−CDとの前錯体形成 5.0 g(0.02モル)の2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−ス ルホン酸(添加剤U)、27.2 g(0.02モル)のβ−シクロデキストリン及び1 36mlの水をビーカーに入れ、ホットプレートスターラー上で攪拌した。懸濁液 を65℃まで加熱し、その時点で混合液は透明な溶液になった。紙コーティング溶液 次に、0.7mlのSURFYNOL 420界面活性剤及び30.0 g(0.02モル)γ−CDを上 記の溶液に加え、65℃を維持しながら攪拌した。その加熱した透明溶液を用い てHP上質インクジェット紙を被覆した。加熱溶液の表面張力は48〜52ダイ ン/cmであった。コーティング紙の手順 予め重量をはかったヒューレットパッカード上質インクジェット紙#51634Y を を置いた。パスツールピペットを用いて、熱添加剤溶液をドローダウンバーの縁 の紙に載せた。次にドローダウンバーを軽く押しながら紙シート上に延伸させて 湿潤フィルムを得た。次に、紙を真空オーブンに入れ、0.1mmHg減圧下35℃ で20分間乾燥した。乾燥した紙の重量をはかり、追加分を算出した。次に、シ ートを印刷に直接用いた。 ワイヤドローダウンバー # およその付加分 % 0 3-5 12 5-8 24 9-20 試験については、工業標準試験環境(ASTM G-26法3)における平均温度63℃、 放射照度1.10W/m2/nm(420nm)、及び湿度30%に設定したキセノン光源による高 強度昼光シミュレーションを与えるアトラス Ci35 ウェザーオメーター制御放射 照度露光装置を用いた。 色の測定は、Xライト938 スペクトロデンシトメーター測定及び全スペクトル 線の蓄積により求めた。各試料の平均した3種類の測定は、CIELAB値の機 械的計算で行った。CIELABは、D-50標準照明条件に対して計算された。結 果を下記の表に示す。 他の試験により次の結果を得た。 他の試験により次の結果を得た。 コート紙に関するHP1600の退色加速実験 他の試験により次の結果を得た。 コート紙に関するHP855 の退色加速実験 結果から、添加剤Uとβ−CDの前錯体形成が別個に添加される場合より優れ ることが示される。添加剤Uとβ−CDの前錯体形成に続いてγ−CDと混合す ると最大限の優れた結果が得られる。添加剤Uは、シクロデキストリンを含まな いHP紙に被覆された場合に改善される。γ−CD及びβ−CDが別個に及び共 に加えられると耐光性が改善される。 このように本発明を記載してきたが、本発明の真意又は範囲から逸脱すること なく多くの変更及び修正が当業者に容易に明らかになるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 309/46 C07C 309/46 (31)優先権主張番号 08/627,693 (32)優先日 1996年3月29日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 マクドナルド ジョン ガーヴィン アメリカ合衆国 ジョージア州 30033 ディケイター ノールウッド テラス 1472

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記式によって表される安定化分子を含む安定化組成物。 (式中、R1は水素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロ シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、又は置換アリール基であり ; R2は水素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロア ルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、又は置換アリール基であり; R3は水素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロア ルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、又は置換アリール基であり; R4は水素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロア ルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、又は置換アリール基であり; R5はアリール基、ヘテロアリール基、ポリアルケン基、又は置換アリール基 であり; R1、R2、又はR4はアリール基、ヘテロアリール基、又は置換アリール基で ある)。 2.該分子が下記式で表される請求項1記載の安定化分子。 (式中、R1がアリール基である場合、R2は水素;複素環基;アルキル基;ア リール基、又はフェニル基であり、該フェニル基はアルキル基、ハロ基、アミノ 基、又はチオール基で置換されていてもよく; R2がアリール基である場合、R1は水素;複素環基;アルキル基;アリール基 、又はフェニル基であり、該フェニル基はアルキル基、ハロ基、アミノ基、又は チオール基で置換されていてもよく; R3はアリール基、ヘテロアリール基、又は置換アリール基である。) 3.該分子が下記式で表される請求項1記載の安定化分子。 4.該分子が下記式で表される請求項1記載の安定化分子。 5.該分子が下記式で表される請求項1記載の安定化分子。 6.該分子が下記式で表される請求項1記載の安定化分子。 7.該分子が下記式で表される請求項1記載の安定化分子。 8.該組成物が更に分子包接体を含む請求項1記載の安定化組成物。 9.該分子包接体が該安定化分子と会合する請求項8記載の安定化組成物。 10.該分子包接体が該安定化分子及び着色剤に共有結合する請求項9記載の安定 化組成物。 11.該分子包接体がエチルヒドロキシβ−シクロデキストリンである請求項9記 載の安定化組成物。 12.下記式で表される誘導化フェノールを更に含む請求項1記載の安定化組成物 。 (式中、R1はヨウ素、又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基であり; R2はヨウ素、又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基であり; R3はヨウ素、又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基であり; R4は糖、ポリヒドロキシ化合物、スルホン酸塩化合物、カルボン酸塩化合物 、ポリエーテル化合物、水素、グルコース、フルクトース、ポリエーテル糖、単 糖、多糖、シクロデキストリン、又は誘導化シクロデキストリンである。) 13.該誘導化フェノールが下記式で表される請求項12記載の安定化組成物。 14.該誘導化フェノールが下記式で表される請求項12記載の安定化組成物。 15.VII族イオンを更に含む請求項1記載の安定化組成物。 16.該VII族イオンがヨウ化物である請求項15記載の安定化組成物。 17.該ヨウ化物がヨウ化ナトリウム又はヨウ化テトラメチルアンモニウムである 請求項16記載の安定化組成物。 18.着色剤の光安定化方法であって、該着色剤を、下記式で表される安定化分子 を含む安定化組成物と会合させることを特徴とする方法。 (式中、R1は水素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロ シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、又は置換アリール基であり ; R2は水素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロア ルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、又は置換アリール基であり; R3は水素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロア ルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、又は置換アリール基であり; R4は水素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロア ルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、又は置換アリール基であり; R5はアリール基、ヘテロアリール基、ポリアルケン基、又は置換アリール基 であり; R1、R2、又はR4はアリール基、ヘテロアリール基、又は置換アリール基で ある。) 19.該安定化分子が下記式で表される請求項18記載の方法。 (式中、R1がアリール基である場合、R2は水素;複素環基;アルキル基;ア リール基、又はフェニル基であり、該フェニル基はアルキル基、ハロ基、アミノ 基、又はチオール基で置換されていてもよく; R2がアリール基である場合、R1は水素;複素環基;アルキル基;アリール基 、又はフェニル基であり、該フェニル基はアルキル基、ハロ基、アミノ基、又は チオール基で置換されていてもよく; R3はアリール基、ヘテロアリール基、又は置換アリール基である。) 20.該安定化分子が下記式で表される請求項18記載の方法。 21.該安定化分子が下記式で表される請求項18記載の方法。 22.該安定化組成物が更に分子包接体を含む請求項18記載の方法。 23.該分子包接体が該安定化分子及び該着色剤に共有結合する請求項22記載の方 法。 24.該分子包接体がエチルヒドロキシβ−シクロデキストリンである請求項22記 載の方法。 25.該安定化組成物が更に下記式で表される誘導化フェノールを含む請求項18記 載の方法。 (式中、R1はヨウ素、又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基であり; R2はヨウ素、又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基であり; R3はヨウ素、又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基であり; R4は糖、ポリヒドロキシ化合物、スルホン酸塩化合物、カルボン酸塩化合物 、ポリエーテル化合物、水素、グルコース、フルクトース、ポリエーテル糖、単 糖、多糖、シクロデキストリン、又は誘導化シクロデキストリンである。) 26.該誘導化フェノールが下記式で表される請求項25記載の方法。 27.該誘導化フェノールが下記式で表される請求項25記載の方法。 28.該安定化組成物が更にVII族イオンを含む請求項18記載の方法。 29.該VII族イオンがヨウ化物である請求項28記載の方法。 30.該ヨウ化物がヨウ化ナトリウム又はヨウ化テトラメチルアンモニウムである 請求項29記載の方法。 31.安定化分子及び着色剤を含む組成物であって、該安定化分子が下記式で表さ れる誘導化フェノールである組成物。 (式中、R1はヨウ素、又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基であり; R2はヨウ素、又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基であり; R3はヨウ素、又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基であり; R4は糖、ポリヒドロキシ化合物、スルホン酸塩化合物、カルボン酸塩化合物 、ポリエーテル化合物、水素、グルコース、フルクトース、ポリエーテル糖、単 糖、多糖、シクロデキストリン、又は誘導化シクロデキストリンである。) 32.該シクロデキストリンがα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン 、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、ヒド ロキシエチルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルα−シクロデキストリ ン、カルボキシメチルα−シクロデキストリン、カルボキシメチルβ−シクロデ キストリン、カルボキシメチルγ−シクロデキストリン、オクチルコハク酸化α −シクロデキストリン、オクチルコハク酸化β−シクロデキストリン、オクチル コハク酸化γ−シクロデキストリン、硫酸化β−シクロデキストリン、又は硫酸 化γ−シクロデキストリンである請求項31記載の組成物。 33.該誘導化フェノールが下記式で表される請求項31記載の組成物。 34.該誘導化フェノールが下記式で表される請求項31記載の組成物。 35.該シクロデキストリンが該安定化分子及び着色剤に共有結合する請求項31記 載の組成物。 36.該シクロデキストリンがエチルヒドロキシβ−シクロデキストリンである請 求項32記載の組成物。 37.VII族イオンを更に含む請求項31記載の組成物。 38.該VII族イオンがヨウ化物である請求項37記載の組成物。 39.該ヨウ化物がヨウ化ナトリウム又はヨウ化テトラメチルアンモニウムである 請求項38記載の組成物。 40.着色剤の光安定化方法であって、該着色剤を、下記式で表される誘導化フェ ノールである安定化分子を含む安定化組成物と会合させることを特徴とする方法 。 (式中、R1はヨウ素、又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基であり; R2はヨウ素、又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基であり; R3はヨウ素、又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基であり; R4は糖、ポリヒドロキシ化合物、スルホン酸塩化合物、カルボン酸塩化合物 、ポリエーテル化合物、水素、グルコース、フルクトース、ポリエーテル糖、単 糖、多糖、シクロデキストリン、又は誘導化シクロデキストリンである。) 41.該シクロデキストリンがα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン 、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、ヒド ロキシエチルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルα−シクロデキストリ ン、カルボキシメチルα−シクロデキストリン、カルボキシメチルβ−シクロデ キストリン、カルボキシメチルγ−シクロデキストリン、オクチルコハク酸化α −シクロデキストリン、オクチルコハク酸化β−シクロデキストリン、オクチル コハク酸化γ−シクロデキストリン、硫酸化β−シクロデキストリン、 又は硫酸化γ−シクロデキストリンである請求項40記載の方法。 42.該誘導化フェノールが下記式で表される請求項40記載の方法。 43.該誘導化フェノールが下記式で表される請求項40記載の方法。 44.該シクロデキストリンが該安定化分子及び該着色剤に共有結合する請求項40 記載の方法。 45.該シクロデキストリンがエチルヒドロキシβ−シクロデキストリンである請 求項42記載の方法。 46.該安定化組成物が更にVII族イオンを含む請求項40記載の方法。 47.該VII族イオンがヨウ化物である請求項46記載の方法。 48.該ヨウ化物がヨウ化ナトリウム又はヨウ化テトラメチルアンモニウムである 請求項47記載の方法。 49.安定化分子及び着色剤を含む組成物であって、該安定化分子がVII族イオ ンである組成物。 50.該VII族イオンがヨウ化物である請求項49記載の組成物。 51.該ヨウ化物がヨウ化ナトリウム又はヨウ化テトラメチルアンモニウムである 請求項50記載の組成物。 52.分子包接体を更に含む請求項49記載の組成物。 53.該分子包接体が該安定化分子及び該着色剤と会合する請求項52記載の組成物 。 54.該分子包接体が該安定化分子及び該着色剤に共有結合する請求項53記載の組 成物。 55.該分子包接体がエチルヒドロキシβ−シクロデキストリンである請求項52記 載の組成物。 56.着色剤の光安定化方法であって、該着色剤をVII族イオンである安定化分 子を含む安定化組成物と会合させることを特徴とする方法。 57.該VII族イオンがヨウ化物である請求項56記載の方法。 58.該ヨウ化物がヨウ化ナトリウム又はヨウ化テトラメチルアンモニウムである 請求項57記載の方法。 59.該安定化組成物が更に分子包接体を含む請求項56記載の方法。 60.該分子包接体が該安定化分子及び該着色剤と会合する請求項59記載の方法。 61.該分子包接体が該安定化分子及び該着色剤に共有結合する請求項60記載の方 法。 62.該分子包接体がエチルヒドロキシβ−シクロデキストリンである請求項59記 載の方法。 63.3種類の安定化分子を含む安定化組成物であって、該第1安定化分子が下記 式によって表される誘導化フェノールであり;該第2安定化分子がシクロデキス トリン又はその誘導体であり;該第3安定化分子がVII族イオンである組成物 。 (式中、R1はヨウ素、又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基であり; R2はヨウ素、又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基であり; R3はヨウ素、又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基であり; R4は糖、ポリヒドロキシ化合物、スルホン酸塩化合物、カルボン酸塩化合物 、ポリエーテル化合物、水素、グルコース、フルクトース、ポリエーテル糖、単 糖、多糖、シクロデキストリン、又は誘導化シクロデキストリンである。) 64.第2安定化分子がヒドロキシβ−シクロデキストリンであり、第3安定化分 子がヨウ素イオンである請求項63記載の組成物。 65.該誘導化フェノールが下記式で表される請求項64記載の組成物。 66.該誘導化フェノールが下記式で表される請求項64記載の組成物。 67.着色剤の安定化方法であって、該着色剤を3種類の安定化分子を含む安定化 組成物と会合させることを特徴とし、該第1安定化分子が下記式によって表され る誘導化フェノールであり;該第2安定化分子がシクロデキストリン又はその誘 導体であり;該第3安定化分子がVII族イオンである方法。 (式中、R1はヨウ素、又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基であり; R2はヨウ素、又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基であり; R3はヨウ素、又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基であり; R4は糖、ポリヒドロキシ化合物、スルホン酸塩化合物、カルボン酸塩化合物 、ポリエーテル化合物、水素、グルコース、フルクトース、ポリエーテル糖、単 糖、多糖、シクロデキストリン、又は誘導化シクロデキストリンである。) 68.該第2安定化分子がヒドロキシβ−シクロデキストリンであり、該第3安定 化分子がヨウ素イオンである請求項67記載の方法。 69.該誘導化フェノールが下記式で表される請求項67記載の方法。 70.該誘導化フェノールが下記式で表される請求項67記載の方法。 71.誘導化β−シクロデキストリンと混合したインクジェットを含む組成物。 72.該誘導化β−シクロデキストリンがエチルヒドロキシβ−シクロデキストリ ンである請求項71記載の組成物。 73.着色剤、液体ビヒクル、及びエチルヒドロキシβ−シクロデキストリンの混 合物を含む組成物であって、インクジェット印刷に適する組成物。 74.着色剤、液体ビヒクル、及びエチルヒドロキシβ−シクロデキストリンの混 合物を含むインク組成物を含有するインクジェットプリンタインクカートリッジ を含むインクジェットプリンタインクカートリッジであって、該インク組成物が インクジェット印刷に適するインクジェットプリンタインクカートリッジ。 75.請求項71の組成物で基体上に画像を形成させることを特徴とする印刷方法。 76.基体中又は基体上に安定剤を含む組成物。 77.該安定剤が還元剤又は分子包接体である請求項76記載の組成物。 78.該安定剤が分子包接体である請求項77記載の組成物。 79.該分子包接体がクラスレート、インターカレート、ゼオライト、クラウンエ ーテル、カリキサレン、バリノマイシン型天然抗生物質、ナイジェリシン型天然 抗生物質、又は複数のピラノース環を有する環状化合物である請求項78記載の組 成物。 80.該環状化合物がα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シ クロデキストリン、δ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ−シクロデ キストリン、ヒドロキシエチルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル α−シクロデキストリン、カルボキシメチルα−シクロデキストリン、カルボキ シメチルβ−シクロデキストリン、カルボキシメチルγ−シクロデキストリン、 オクチルコハク酸化α−シクロデキストリン、オクチルコハク酸化β−シクロデ キストリン、オクチルコハク酸化γ−シクロデキストリン、硫酸化β−シクロデ キストリン、硫酸化γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルγ−シクロデキ ストリン、ヒドロキシイソプロピルγ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピ ルγ−シクロデキストリン、オクチルコハク酸化γ−シクロデキストリン、又は カルボキシメチルγ−シクロデキストリンである請求項79記載の組成物。 81.該環状化合物がγ−シクロデキストリン又はヒドロキシエチルγ−シクロデ キストリンである請求項79記載の組成物。 82.該安定剤が還元剤である請求項77記載の組成物。 83.該還元剤がチオ硫酸ナトリウム(Na223)、亜硫酸ナトリウム(Na2S O3)、システイン、亜硝酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウ ム、クエン酸、アスコルビン酸、水素化ホウ素、亜二チオン酸塩、ヒドラジン、 チオ尿素二酸化物、亜硫酸水素、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸 水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム、三チオン酸ナ トリウム、又は多価フェノールである請求項82記載の組成物。 84.該還元剤がチオ硫酸ナトリウムである請求項83記載の組成物。 85.該安定剤が分子包接体及び還元剤である請求項76記載の組成物。 86.着色剤組成物の光安定化方法であって、該着色剤組成物を請求項76記載の組 成物と会合させることを特徴とする方法。 87.該安定剤が還元剤又は分子包接体である請求項86記載の方法。 88.該安定剤が分子包接体である請求項87記載の方法。 89.該分子包接体がクラスレート、インターカレート、ゼオライト、クラウンエ ーテル、カリキサレン、バリノマイシン型天然抗生物質、ナイジェリシン型天然 抗生物質、又は複数のピラノース環を有する環状化合物である請求項88記載の方 法。 90.該環状化合物がα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シ クロデキストリン、δ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ−シクロデ キストリン、ヒドロキシエチルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルα− シクロデキストリン、カルボキシメチルα−シクロデキストリン、カルボキシメ チルβ−シクロデキストリン、カルボキシメチルγ−シクロデキストリン、オク チルコハク酸化α−シクロデキストリン、オクチルコハク酸化β−シクロデキス トリン、オクチルコハク酸化γ−シクロデキストリン、硫酸化β−シクロデキス トリン、硫酸化γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルγ−シクロデキスト リン、ヒドロキシイソプロピルγ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルγ −シクロデキストリン、オクチルコハク酸化γ−シクロデキストリン、又はカル ボキシメチルγ−シクロデキストリンである請求項89記載の方法。 91.該環状化合物がγ−シクロデキストリン又はヒドロキシエチルγ−シクロデ キストリンである請求項89記載の方法。 92.該安定剤が還元剤である請求項87記載の方法。 93.該還元剤がチオ硫酸ナトリウム(Na223)、亜硫酸ナトリウム(Na2S O3)、システイン、亜硝酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウ ム、クエン酸、アスコルビン酸、水素化ホウ素、亜二チオン酸塩、ヒドラジン、 チオ尿素二酸化物、亜硫酸水素、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸 水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム、三チオン酸ナ トリウム、又は多価フェノールである請求項92記載の方法。 94.該還元剤がチオ硫酸ナトリウムである請求項93記載の方法。 95.該安定剤が分子包接体及び還元剤である請求項86記載の方法。 96.該着色剤組成物が着色剤、液体ビヒクル、及び安定化添加剤を含む請求項86 記載の方法。 97.該安定化添加剤がアリールイミンアルケン、分子包接体、トリヨードフェノ ール、トリヨードフェノール誘導体、トリアリールフェノール、トリアリールフ ェノール誘導体、VII族イオン、又は還元剤である請求項96記載の方法。 98.該安定化添加剤がアリールイミンアルケン、分子包接体、及びVII族イオ ンである請求項97記載の方法。 99.該アリールイミンアルケンがカルコンフクシンイミンであり、該分子包接体 がヒドロキシエチルβ−シクロデキストリンであり、VII族イオンがヨウ化物 である請求項98記載の方法。 100.着色剤及び安定剤を含む組成物であって、該安定剤がポルフィンである組成 物。 101.該ポリフィンが、下記の構造を有する各々Cu−メソテトラ(4−スルファ ナトフェニル)ポルフィン又はCu−メソテトラ(N−メチル−4−ピリジル) ポルフィンである請求項100記載の組成物。 又は 102.該ポリフィンが、下記の構造を有する各々Co−メソテトラ(4−スルファ ナトフェニル)ポルフィン又はCo−メソテトラ(N−メチル−4−ピリジル) ポルフィンである請求項100記載の組成物。 又は 103.分子包接体を更に含む請求項100記載の組成物。 104.着色剤及び安定剤を含む組成物であって、該安定剤が下記の構造で表される ジメチルアミノ安息香酸四基化合物である組成物。 105.分子包接体を更に含む請求項104記載の組成物。 106.着色剤及び安定剤を含む組成物であって、該安定剤が下記の構造で表される 塩基性フクシンヒドラゾンである組成物。 107.着色剤及び安定剤を含む組成物であって、該安定剤が下記一般式で表される ベンゾフェノンである組成物。 (式中、Rはベンゾフェノンを着色安定剤として機能させる置換基を示す。) 108.該ベンゾフェノンが、下記の構造で表される2−ヒドロキシ−4−メトキシ ベンゾフェノン−5−スルホン酸である請求項107記載の組成物。 109.分子包接体を更に含む請求項108記載の組成物。 110.該分子包接体がクラスレート、インターカレート、ゼオライト、クラウンエ ーテル、カリキサレン、バリノマイシン型天然抗生物質、ナイジェリシン型天然 抗生物質、又は複数のピラノース環を有する環状化合物である請求項109記載の 組成物。 111.該環状化合物がα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シ クロデキストリン、δ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ−シクロ デキストリン、ヒドロキシエチルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルα −シクロデキストリン、カルボキシメチルα−シクロデキストリン、カルボキシ メチルβ−シクロデキストリン、カルボキシメチルγ−シクロデキストリン、オ クチルコハク酸化α−シクロデキストリン、オクチルコハク酸化β−シクロデキ ストリン、オクチルコハク酸化γ−シクロデキストリン、硫酸化β−シクロデキ ストリン、硫酸化γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルγ−シクロデキス トリン、ヒドロキシイソプロピルγ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル γ−シクロデキストリン、オクチルコハク酸化γ−シクロデキストリン、又はカ ルボキシメチルγ−シクロデキストリンである請求項110記載の組成物。 112.着色剤組成物の光安定化方法であって、該着色剤組成物をポルフィンと会合 させることを特徴とする方法。 113.該ポリフィンが、下記の構造を有する各々Cu−メソテトラ(4−スルファ ナトフェニル)ポルフィン又はCu−メソテトラ(N−メチル−4−ピリジル) ポルフィンである請求項112記載の方法。 又は 114.該ポリフィンが、下記の構造を有する各々Co−メソテトラ(4−スルファ ナトフェニル)ポルフィン又はCo−メソテトラ(N−メチル−4−ピリジル) ポルフィンである請求項112記載の方法。 又は 115.更に分子包接体を該着色組成物及び該ポルフィンと会合させることを特徴と する請求項112記載の方法。 116.着色剤組成物の光安定化方法であって、着色剤組成物を下記の構造によって 表される塩基性フクシンヒドラゾンと会合させることを特徴とする方法。 117.着色剤組成物の光安定化方法であって、着色剤組成物を下記一般式で表され るベンゾフェノンと会合させることを特徴とする方法。 式中、Rは該ベンゾフェノンを着色安定剤として機能させる置換基を示す。 118.該ベンゾフェノンが、下記の構造で表される2−ヒドロキシ−4−メトキシ ベンゾフェノン−5−スルホン酸である請求項117記載の方法。 119.更に分子包接体を該着色組成物及び該ベンゾフェノンと会合させることを特 徴とする請求項118記載の方法。
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