JPH0558281U - 印刷機に設けられた枚葉紙用の排紙装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 排紙装置において有害な蒸気を除去し、印刷
直後の枚葉紙の搬送およびそろえ落下を最適化し、さら
に積み紙における枚葉紙の積重ねを補助する。 【構成】 チェーン搬送システム２の下方で、吸着ロー
ラ５にまで枚葉紙幅全体にわたって延びる吸込室１０が
設けられており、積み紙６の上側の枚葉紙層の範囲で、
４つの積み紙側面に吸込箱１２，１５が設けられてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、印刷機に設けられた枚葉紙用の排紙装置であって、上昇する枚葉紙 ガイドと、枚葉紙を制動するための吸着ローラとを介して印刷済みの枚葉紙を排 紙の積み紙にまで搬送するためのチェーン搬送システムと、積み紙上にそろえ落 下させたい枚葉紙の上方に配置されているブロワと、さらに積み紙上の枚葉紙の 位置を整えるためのストッパとが設けられている形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

最近の枚葉紙印刷機が高い速度を有していることに基づき、印刷済みの枚葉紙 の搬送とそろえ落下に対しては、高い要求が課せられている。すなわち、印刷済 みの枚葉紙における損傷が回避されると同時に、枚葉紙の正確な積重ねが達成さ れなければならない（ドイツ連邦共和国特許出願公開第４０１２９４０号明細書 ）。このためには、特定の個所では意図的に吹付け空気を供給し、別の個所では 空気を吸い込むという試みが既に成されているが、しかしこのことは、たんに個 々の点である程度の成功をもたらすに過ぎない（ドイツ連邦共和国特許出願公開 第２９４４２２７号明細書、米国特許第２６４５４８０号明細書）。このような 試みによっても、排紙装置のシステム全体を改善し得るような解決手段は見い出 されていない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、冒頭で述べた形式の枚葉紙用の排紙装置を改良して、排紙装 置において有害な蒸気が除去され、印刷直後の枚葉紙の搬送およびそろえ落下が 最適化され、さらに積み紙における枚葉紙の積重ねが補助されるような排紙装置 を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この課題を解決するために本考案の構成では、チェーン搬送システムの下方で 、吸着ローラにまで枚葉紙幅全体にわたって延びる吸込室が設けられており、積 み紙の上側の枚葉紙層の範囲で、４つの積み紙側面に吸込箱が設けられているよ うにした。

【０００５】

【考案の効果】

本考案によれば、チェーン搬送システムによる枚葉紙の静粛で均一な搬送が保 証される。積み紙上方に設けられたブロワは、そろえ落下させたい枚葉紙の下方 で全ての側に逃出する空気が迅速に吸い込まれることにより補助されるので、枚 葉紙の降下速度は高められ、後続の枚葉紙との衝突は排除される。本考案の別の 大きな利点は、印刷されたばかりの枚葉紙から放出される有害な蒸気が吸い込ま れるので、この蒸気は機械室には流入し得ない点にある。たとえば紫外線乾燥装 置が設けられている場合、発生したオゾンや、分散液ラッカの乾燥時に生じるア ンモニアが直接に吸い込まれるので、本考案による排紙装置を備えた印刷機が設 置されている機械室内の空気状態が著しく改善される。

【０００６】 本考案の有利な構成では、積み紙で、側方の吸込箱の吸込開口と、枚葉紙搬送 方向で見て後方の吸込箱の吸込開口とが、積み紙側面に向けられており、枚葉紙 搬送方向で見て前方の吸込箱が、積み紙レベルよりも高く位置していて、該吸込 箱の吸込開口が下方に向けられている。これによって、積み紙の上側の範囲は完 全に通気技術的に支配され、そろえ落下させたい枚葉紙の迅速な降下が得られる 。さらに、吸込空気が連続的に導出されるようになっており、前記吸込室もしく は前記吸込箱で吸込空気の量と強さとが制御可能であると有利である。これによ って、各条件に合わせてエネルギ所要量を調節することができる。前記両側方の 吸込箱と前記後方の吸込箱とが、印刷を施したい枚葉紙サイズに合わせて調節可 能に支承されていると、最適な吸込が得られる。

【０００７】

【実施例】

以下に、本考案の実施例を図面につき詳しく説明する。

【０００８】 図１に示した枚葉紙用の排紙装置では、印刷済みの枚葉紙が圧胴１からチェー ン搬送システム２に引き渡される。このチェーン搬送システムには、印刷済みの 枚葉紙４を搬送するための複数のグリッパブリッジ３が取り付けられている。図 示の位置において、枚葉紙は一端で吸着ローラ５によって制動され、その後に落 下されて排紙の積み紙６に載置される。落下速度を加速させるためには、枚葉紙 ４の上方にブロワ７が配置されている。積み紙６では、排紙された枚葉紙がスト ッパ８によって整えられる。

【０００９】 チェーン搬送システム２の下方には、上昇範囲において枚葉紙ガイド９が設け られており、この枚葉紙ガイドの下方には、吸込室１０が配置されている。この 吸込室は接続部１１を介して吸込装置に接続されている。吸込室１０によって、 枚葉紙の案内は改善され、たとえば乾燥装置の使用時では、発生する有害な蒸気 を直接に吸い込むことができる。積み紙６の上側の枚葉紙層の範囲では、４つの 積み紙側面に吸込箱１２，１３，１４，１５が設けられており、これらの吸込箱 は全て接続管１６を介して吸込装置に接続されている。吸込箱１２，１３，１４ の開口は積み紙側面に向けられており、吸込箱１５の開口は下方に向けられてい る。この吸込箱１５は積重ねレベルよりも少しだけ高く配置されている。これに よって、枚葉紙の載着時に側方に流出する空気は直ちに吸い込まれるようになり 、しかもブロワ７による降下運動も補助される（図２参照）。

【００１０】 吸込装置（図示しない）は個々のステーションから吸込空気を連続的に導出す る。さらに、吸込装置には、吸込空気の量と強さとを制御するための手段が設け られている。これにより、機械室への有害な蒸気の流出を阻止することが可能に なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による枚葉紙用の排紙装置の側面図であ
る。

【図２】図１に示した排紙装置の側方の吸込箱の範囲を
端面側から見た図である。

【符号の説明】

１ 圧胴、 ２ チェーン搬送システム、 ３ グリッ
パブリッジ、 ４ 枚葉紙、 ５ 吸着ローラ、 ６
積み紙、 ７ ブロワ、 ８ ストッパ、 ９枚葉紙ガ
イド、 １０ 吸込室、 １１ 接続部、 １２，１
３，１４，１５吸込箱、 １６ 接続管

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷機に設けられた枚葉紙用の排紙装置
   であって、上昇する枚葉紙ガイドと、枚葉紙を制動する
   ための吸着ローラとを介して印刷済みの枚葉紙を排紙の
   積み紙にまで搬送するためのチェーン搬送システムと、
   積み紙上にそろえ落下させたい枚葉紙の上方に配置され
   ているブロワと、さらに積み紙上の枚葉紙の位置を整え
   るためのストッパとが設けられている形式のものにおい
   て、チェーン搬送システム（２）の下方で、吸着ローラ
   (５）にまで枚葉紙幅全体にわたって延びる吸込室（１
   ０）が設けられており、積み紙（６）の上側の枚葉紙層
   の範囲で、４つの積み紙側面に吸込箱（１２，１３，１
   ４，１５）が設けられていることを特徴とする、印刷機
   に設けられた枚葉紙用の排紙装置。
2. 【請求項２】 積み紙（６）で、側方の吸込箱（１３，
   １４）の吸込開口と、枚葉紙搬送方向で見て後方の吸込
   箱（１２）の吸込開口とが、積み紙側面に向けられてお
   り、枚葉紙搬送方向で見て前方の吸込箱（１５）が、積
   み紙レベルよりも高く位置していて、該吸込箱（１５）
   の吸込開口が下方に向けられている、請求項１記載の枚
   葉紙用の排紙装置。
3. 【請求項３】 吸込空気が連続的に導出されるようにな
   っており、前記吸込室（１０）もしくは前記吸込箱（１
   ２，１３，１４，１５）で吸込空気の量と強さとが制御
   可能である、請求項１または２記載の枚葉紙用の排紙装
   置。
4. 【請求項４】 前記側方の吸込箱（１３，１４）と前記
   後方の吸込箱（１２）とが、印刷を施したい枚葉紙サイ
   ズに合わせて調節可能に支承されている、請求項１また
   は２記載の枚葉紙用の排紙装置。