JPH0518948U - 車両用表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 運転情報をフロントガラス前方に表示する表
示装置において、周囲の明るさの変化に左右されること
なく常に良好な視認性を保つ。 【構成】 車両２の外部に光センサ10を取り付け、この
光センサ10に信号レベルを比較する比較回路11と、切換
制御回路12と、表示体４を車両２の上下方向に回動させ
る切換機構13とを順次接続する。 【効果】 周囲の明るいときには、表示体４は前面通光
用開口部９より運転者６に向く位置に切換わり、車両２
前方からの外光輝度にかかわらず良好に表示内容を視認
できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、いわゆるヘッドアップディスプレイと称する車両用表示装置に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

従来、車速，走行距離，燃料残量または時刻などの運転情報は、インストルメ ントパネルに設けた計器類で表示していたが、最近運転者がこれらの情報を見る のに前方視界から大きく視線を移動させなくてすむように、これらの運転情報を 運転者前方のコンバイナ例えばフロントガラスに投影させることにより、表示像 をフロントガラスの外側前方視野内に結像させ、視野内の前景と重なるようにし て見えるようにした表示装置が開発され、例えば実開昭６３−８１７２１号公報 などに開示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、車両が走行する環境は１０万ルクス〜略０ルクスまでと外光の状態 が大きく変化するものであるが、前記従来例では内部光源により表示体から運転 情報としての表示光を放射しているので表示像の輝度は略一定となっている。こ のため、特に日中の非常に明るいときには外光の状態、つまり車両前方からの外 光の明るさ（外光と表示体からの表示光との合成された明るさ）とのコントラス ト比が小さ過ぎて表示像が暗く見え、視認性が悪くなる。これを解決するために 、内部光源の光量を多くして表示像の輝度を高めると、逆に朝夕の周囲があまり 明るくないときに表示像が明る過ぎて眩しく見えることになる。このように従来 は表示像の輝度が一定であるため、周囲の明るさの変化に追従できず、その明る さによって視認性が悪くなるという問題点を有していた。

【０００４】 そこで本考案は前記問題点を解決して、周囲の明るさの変化に左右されること なく常に視認性が良好となる車両用表示装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、表示体の表示像を運転者前方の投影部材に投影する車両用表示装置 において、外光輝度を検知する光センサを設けるとともに、前記光センサの受光 量が設定値以上になると前記表示像を前記運転者に向けて実像表示に切換える切 換機構を設けたものである。

【０００６】

【作用】

夜間などの周囲の暗いときには、表示体からの表示像は運転者前方の投影部材 に投影され、一方昼間などの周囲の明るいときには、表示像は運転者に向けて直 接実像表示される。

【０００７】

【実施例】

以下、図面に基づいて本考案の一実施例を詳述する。

【０００８】 図１乃至図３において、１は車両２のフロントガラスであり、後述する表示像 を投影する投影部材となる。３は不透光性の材料から成るインストルメントパネ ルである。４はインストルメントパネル３内において車両２の上下方向に回動可 能に設けられた液晶素子，螢光表示管などから成る表示体であり、車速，時刻な どの運転情報を数字や絵などの任意の表示形態で表示する。５は運転者６の前方 でかつインストルメントパネル３の上方のフロントガラス１の裏面又は表面に、 蒸着又はコーティングなどの方法により必要に応じて形成された投影部材として のコンバイナである。７は表示体４とコンバイナ５との間のインストルメントパ ネル３上面に形成された上面通光用開口部であり、表示体４が発する表示像をコ ンバイナ５に向けて通過させる。８は表示体４と上面通光用開口部７との間に設 けられた凸レンズであり、表示体４が発する正立の表示像を倒立の表示像に反転 させてコンバイナ５に結像させるものである。前記インストルメントパネル３の 前面には、表示体４が発する正立の表示像を運転者６に向けて実像表示するよう に前面通光用開口部９が形成される。10は車両２の外部に取り付けられ外光の輝 度を検知する光センサであり、例えばＣｄＳなどの可視領域の光導電素子により 構成されるものである。この光センサ10の信号は比較回路11で比較され、切換制 御回路12により外光の輝度に応じて表示体４を車両２の上下方向に回動させるよ うに切換機構13を駆動制御する。14はフロントガラス１の外側前方に結像される 表示像、15はインストルメントパネル３の前面より直接運転者６に向けて放射さ れる表示像、16は前方の風景である。

【０００９】 以上のようにして構成される本考案は、光センサ10によって外光輝度を検知し 、この光センサ10の受光量が設定値以上であるか否かを比較回路12にて判別する ことにより、周囲の明るさの変化に応じて表示体４の表示位置をフロントガラス １の前方方向、或いはインストルメントパネル３の前面通光用開口部９方向のい ずれかに切換えるものである。すなわち図２に示すように、夜間などの周囲の暗 いときには、光センサ10より検出される信号が所定のレベルよりも低いため、切 換制御回路12は比較回路11からの出力に基づいて、表示体４の表示面が凸レンズ ８に向くように切換機構13を制御する。この場合、表示体４が発する正立の表示 像は凸レンズ８によって倒立の表示像に反転するため、コンバイナ５には運転者 ６から見て正立した像で反射され、運転者６はフロントガラス１の外側前方に正 立した表示像14を常にコントラスト比が高い状態で風景16とともに良好に視認す ることができる。一方、図３に示すように、日中などの周囲の明るいときには光 センサ10の信号が所定のレベルよりも高くなるため、表示体４の表示面は切換機 構13によって前面通光用開口部９より運転者６に向く位置に自動的に切換わる。 したがって、インストルメントパネル３の前面通光用開口部９を介して直接正立 の表示像15が実像表示されるため、運転者６は車両２前方からの外光輝度に左右 されることなく確実に表示像15の表示内容を視認することが可能となる。

【００１０】 以上、本考案の一実施例について詳述したが、本考案の要旨の範囲内で種々変 形可能である。例えば、前記実施例では表示体４を回転するものを示したが、反 射板を用いて表示体４の光を反射させて投影するものにおいては、反射板を切換 機構13によって回転させ、投影位置を移動させるようにしてもよい。また、コン バイナ５はフロントガラス１の他、フロントガラス１と運転者６との間に必要に 応じて形成して設置した半透過反射板に設けても良く、表示体４の表示光を投影 させ表示像14を運転者６の前方視野内に結像させ、前記実施例と同様の作用を得 ることができる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は、表示体の表示像を運転者前方の投影部材に投影する車両用表示装置 において、外光輝度を検知する光センサを設けるとともに、前記光センサの受光 量が設定値以上になると前記表示像を前記運転者に向けて実像表示するように切 換える切換機構を設けたものであり、周囲の明るさの変化に左右されることなく 常に視認性が良好となる車両用表示装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す概略説明図である。

【図２】本考案の一実施例を示す周囲が暗い場合の表示
状態を示す正面図である。

【図３】本考案の一実施例を示す周囲が明るい場合の表
示状態を示す正面図である。

【符号の説明】

１ フロントガラス（投影部材） ４ 表示体 10 光センサ 13 切換機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表示体の表示像を運転者前方の投影部材
   に投影する車両用表示装置において、外光輝度を検知す
   る光センサを設けるとともに、前記光センサの受光量が
   設定値以上になると前記表示像を前記運転者に向けて実
   像表示に切換える切換機構を設けたことを特徴とする車
   両用表示装置。