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JP7481614B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ドライ操縦安定性能(以下、「ドライ操安性」と称する場合がある。)と、ウェット操縦安定性能(以下、「ウェット操安性」と称する場合がある。)と、をバランス良く改善した空気入りタイヤに関する。
従来、スポーツ・ユーティリティ・ビークルやスポーツセダンなどの新車装着用タイヤの開発では、ドライ操安性を維持したままウェット操安性を改良することが要請されてきた。
このような要請に対し、タイヤ材料についてはキャップトレッドゴムにシリカを比較的多く含ませることなどにより、またタイヤ構造については主溝面積を増加させることなどにより、排水性を向上させることが行われてきた。
例えば、ドライ操安性を維持したままウェット操安性を向上させた技術としては、複数の陸部のうち、外側最外周方向主溝に対してタイヤ赤道面側に隣り合う陸部を外側セカンド陸部とし、タイヤ幅方向外側に隣り合う陸部を外側ショルダー陸部とし、複数の陸部のうち、内側最外周方向主溝に対してタイヤ赤道面側に隣り合う陸部を内側セカンド陸部とし、タイヤ幅方向外側に隣り合う陸部を内側ショルダー陸部としたとき、外側ショルダー陸部からタイヤ赤道面を跨ぎ、内側セカンド陸部まで連続して延在すると共に内側セカンド陸部内で終端する連通傾斜溝を備え、内側セカンド陸部には、連通傾斜溝の終端部を通り、内側最外周方向主溝から離間する副溝が備えられた空気入りタイヤが知られている(特許文献1)。
特開2018-079903号公報
特許文献1に開示された技術では、連通傾斜溝や副溝を形成することで、溝面積比が増大するため、優れたウェット操安性を実現することはできる。しかしながら、陸部剛性を高めて操安性を高めることと排水性を高めることは、二律背反の関係にあることから、排水性向上を目的とした技術には、ドライ操安性を良好に実現できない場合もあり得る。
従って、特許文献1に開示された技術を採用する場合には、併せて、ドライ操安性について改良の余地がある。但し、近年においては、ウェット操安性についても高いレベルで要請されていることから、特に排水性については従来と同等のレベルを維持することが望まれる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ドライ操安性とウェット操安性とをバランス良く改善した空気入りタイヤを提供することにある。
本発明に係る空気入りタイヤは、複数の周方向主溝によって複数の陸部が区画形成され、かつタイヤ赤道面に対して非対称なパターンが設けられており、
正規内圧を付与した無負荷の状態のタイヤ子午断面視で、
車両装着外側接地端と車両装着内側接地端との間に、タイヤ赤道線を含むタイヤ内側プロファイルと、タイヤ内側プロファイルのタイヤ幅方向両側に位置する2つのタイヤ外側プロファイルとから構成されるタイヤプロファイルを有し、2つのタイヤ外側プロファイルの各々が、両接地端間に溝がないと仮定した場合の仮想タイヤプロファイルに沿う両接地端間寸法に対して20%以上35%以下である寸法を有し、
タイヤ外側プロファイルの各々が少なくとも4つの異なる形状の曲線から構成され、
タイヤ平面視で、
タイヤ幅方向最外側に位置する車両装着外側ショルダー陸部及び車両装着内側ショルダー陸部の一方又は両方に、タイヤ幅方向に対して±45°以下の傾斜角度でタイヤ幅方向外側に向かって延びる複数の第1の傾斜溝を有し、
第1の傾斜溝は2.0mm以上10.0mm以下の溝幅を有すること、
を特徴とする。
本発明に係る空気入りタイヤでは、タイヤ外側プロファイルについて改良を加えるとともに、ショルダー陸部に形成する傾斜溝について改良を加えている。その結果、本発明に係る空気入りタイヤによれば、ドライ操安性とウェット操安性とをバランス良く改善することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤを示すタイヤ子午断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの外周面の部分平面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤにおけるタイヤ幅方向に対する第1の傾斜溝の傾斜角度を説明するための平面図である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態(以下に示す、基本形態及び付加的形態1から9)を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施形態は、本発明を限定するものではない。また、当該実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。さらに、当該実施形態に含まれる各種形態は、当業者が自明の範囲内で任意に組み合わせることができる。
基本形態
以下に、本発明に係る空気入りタイヤについて、その基本形態を説明する。以下の説明において、「タイヤ径方向(RD)」とは、空気入りタイヤの回転軸と直交する方向を指し、「タイヤ径方向内側」とは、タイヤ径方向において回転軸に向かう側を指し、「タイヤ径方向外側」とは、タイヤ径方向において回転軸から離れる側を指す。また、「タイヤ周方向(CD)」とは、上記回転軸を中心軸とする周り方向を指す。さらに、「タイヤ幅方向(WD)」とは、上記回転軸と平行な方向を指し、「タイヤ幅方向内側」とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(又はタイヤ赤道線)に対する近位側を指し、「タイヤ幅方向外側」とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面に対する遠位側を指す。なお、「タイヤ赤道面(CL)」とは、空気入りタイヤの回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤのタイヤ幅の中心を通る平面を指す。「タイヤ赤道線」とは、タイヤ赤道面上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。本実施形態では、タイヤ赤道線にタイヤ赤道面と同じ符号「CL」を付す。「タイヤ赤道面に対して非対称なパターン」とは、タイヤ赤道線を基準としたタイヤ幅方向各側のパターンがタイヤ赤道線に関して対称でないことを指す。
図1は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤを示すタイヤ子午断面図である。なお、図1に示す例は、正規リムに組んで正規内圧を付与した無負荷状態を示すものであり、図1には、簡略化のため、後述する第1、第2、第3、第4、第5及び第6の傾斜溝は示されていない。
ここで、正規リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、又はETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、正規内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、又はETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。
図1に示す空気入りタイヤ1のトレッド部10は、ゴム材(トレッドゴム)からなり、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その表面が空気入りタイヤの輪郭となる。トレッド部10の表面は、空気入りタイヤを装着する車両(図示せず)が走行した際に路面と接触する面であるトレッド表面12として形成されている。同図に示す例では、タイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向両側において、タイヤ周方向に延びる周方向主溝14、16、18、20によって、5つの陸部、すなわち、空気入りタイヤ1を車両に装着したときに車両に対して外側(OUT)に位置する車両装着外側ショルダー陸部22及び車両に装着したときに車両に対して内側(IN)に位置する車両装着内側ショルダー陸部24と、第1のセンター陸部26、第2のセンター陸部28及び第3のセンター陸部30とが区画形成されている。上記の周方向主溝の溝幅の下限値は典型的には10mmであり、周方向主溝の溝幅は好ましくは5~15mmである。なお、図1に示すように、トレッド部10のタイヤ幅方向両側にはショルダー部40が連なっている。
また、本実施形態の空気入りタイヤは、図1に示すように、車両装着外側接地端E1と車両装着内側接地端E2との間に、タイヤ赤道線CLを含むタイヤ内側プロファイルPiと、タイヤ内側プロファイルPiのタイヤ幅方向両側に位置する2つのタイヤ外側プロファイルPo1、Po2とから構成されるタイヤプロファイルを有し、2つのタイヤ外側プロファイルPo1、Po2の各々が、両接地端E1、E2の間に溝がないと仮定した場合の仮想タイヤプロファイルに沿う両接地端間寸法に対して20%以上35%以下である寸法を有する。
このような前提の下、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤでは、タイヤ外側プロファイルPo1、Po2のそれぞれが、少なくとも4つの異なる形状の曲線(図1に示すところでは10の異なる形状の曲線)から構成されている。これに対し、タイヤ内側プロファイルPiは、図1に示すように1つの曲線によって構成してもよいし、複数の曲線によって構成してもよい。
本発明に係る空気入りタイヤは、さらに、タイヤ平面視で、タイヤ幅方向最外側に位置する車両装着外側ショルダー陸部22及び車両装着内側ショルダー陸部24の一方又は両方に、タイヤ幅方向に対して±45°以下の傾斜角度でタイヤ幅方向外側に向かって延びる複数の第1の傾斜溝(後述する図2の符号130、132で示す溝)を有し、第1の傾斜溝が2.0mm以上10.0mm以下の溝幅を有する。ここで、±45°とは、タイヤ幅方向に対する角度の絶対値が45°であることを意味し、例えば、タイヤ幅方向に対して半時計回りで角度を測定する場合には、0°以上45°以下、或いは、135°以上180°以下であることを意味する。また、第1の傾斜溝の傾斜角度とは、当該溝の溝幅方向中心線(任意の溝幅中心点を連ねた線分)のタイヤ幅方向に対する傾斜角度をいう。なお、本明細書では、第1の傾斜溝に限らず、全ての溝について、その傾斜角度とは、当該溝の溝幅方向中心線の傾斜角度を意味する。
上述のとおり、従来、ドライ操安性を維持したままウェット操安性を改良した空気入りタイヤが多数開発されてきたが、当該開発に伴い、さらにドライ操安性を高めることが近年の課題となっていた。但し、近年においては、ウェット操安性についても高いレベルで要請されていることから、特に排水性については従来と同等のレベルを維持した上で、ドライ操安性を高めることについて、鋭意、検討した。
その結果、本発明者は、タイヤ外側プロファイルについて改良を加えることで、タイヤ幅方向において接地圧の高い部分と接地圧の低い部分とにおける接地圧の差を低減し、タイヤ幅方向において接地圧を平準化することにより、ドライ操安性を高める一方、ショルダー陸部に形成する傾斜溝について改良を加えることで、排水性能、ひいてはウェット操安性については従来と同様のレベルを維持することに着目した。
即ち、例えば特許文献1に開示された空気入りタイヤの接地圧を調査したところ、タイヤ赤道面付近のセンター領域(タイヤ赤道面を含み、かつ、タイヤプロファイル(具体的には、溝がないとした場合のプロファイル)に沿った両接地端間寸法に対して30%以上60%以下のタイヤプロファイルに沿った寸法を有するタイヤ内側プロファイル)よりも、ショルダー領域(両接地端間においてセンター領域以外の領域)において、他の部分と比較して接地圧が明らかに高い部分(特に、接地端近傍)が存在する。
これは、例えば、車両のレーンチェンジ時やコーナリング時において、タイヤに横力が負荷された場合に、特にショルダー領域の中でも接地端近傍において応力が集中してタイヤ周方向における接地長が大きくなるとともに、接地端近傍における接地圧が高くなるという現象が起こるためである。
そこで、本発明者は、ショルダー領域(特には接地端近傍)のプロファイル部分に変更を加えてショルダー領域の接地圧を低減し、これによりタイヤ全体としてみた場合に、いずれのタイヤ幅方向領域についても接地圧が著しく異なる部分が生ずることを抑制すれば、たとえショルダー陸部に形成する傾斜溝を特定の形状として優れた排水性能を実現することでウェット操安性を維持したとしても、ドライ操安性を高めることができ、その結果ドライ操安性とウェット操安性とをバランス良く改善することができる、との知見を得た。
以上のような知見の下、本実施形態では、図1に示すように、ショルダー領域に相当するタイヤ外側プロファイルPo1、Po2を、少なくとも4つの異なる形状の曲線(図1に示すところでは、Po101~Po110、Po201~Po210)から構成している。
このように、タイヤ外側プロファイルPo1、Po2を4つ以上の部分に分割し、プロファイルを細分化することで、従来接地圧が局所的に高かった領域について、当該接地圧を低減することができる。これにより、タイヤ全体としてみた場合に、いずれのタイヤ幅方向領域についても接地圧が著しく異なる部分が生ずることを抑制して接地圧が平準化でき、ひいてはドライ操安性を高め、その結果、ドライ操安性とウェット操安性とをバランス良く改善することができる。
なお、タイヤ外側プロファイルPo1、Po2が2つ又は3つの部分にしか分割されていない場合には、接地圧の平準化を行うにあたって接地圧低減のために改良したプロファイル部分とそれに隣り合うプロファイル部分との形状が著しく異なることとなる。そのため、このよう場合には、いわゆるバックル(トレッド表面がウェーブ状に湾曲する現象)が生ずるおそれがある。従って、本実施形態では、タイヤ外側プロファイルPo1、Po2の分割後のプロファイル部分の数を4以上としている。
また、本実施形態では、タイヤ外側プロファイルPo1、Po2の各々が、両接地端E1、E2間に溝がないと仮定した場合の仮想タイヤプロファイルに沿う両接地端E1、E2間寸法に対して20%以上35%以下である寸法を有する。以下、タイヤ外側プロファイルPo1、Po2のタイヤプロファイルに沿った寸法の割合を「タイヤ外側プロファイル割合」と称する場合がある。タイヤ外側プロファイル割合を20%以上とすることで、接地圧低減対象であるタイヤ外側プロファイルPo1、Po2を十分に確保することができる。これにより、タイヤ外側プロファイルPo1、Po2の分割数を十分に確保することができ、ひいては接地圧低減効果が十分に得られ、その結果優れたドライ操安性を実現することができる。なお、タイヤ外側プロファイル割合を22%以上とした場合には、上記効果がより高いレベルで奏されるため好ましく、25%以上とした場合には、上記効果がさらに一層高いレベルで奏されるため極めて好ましい。
これに対し、タイヤ外側プロファイル割合を35%以下とすることで、主に排水性を担うタイヤ内側プロファイルPiを十分に確保することができ、その結果優れたウェット操安性を得ることができる。なお、タイヤ外側プロファイル割合を33%以下とした場合には、上記効果がより高いレベルで奏さるため好ましく、30%とした場合には、上記効果がさらに一層高いレベルで奏されるため極めて好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、さらに、タイヤ平面視で、タイヤ幅方向最外側に位置する車両装着外側ショルダー陸部22及び車両装着内側ショルダー陸部24の一方又は両方に、タイヤ幅方向に対して±45°以下の傾斜角度でタイヤ幅方向外側に向かって延びる複数の第1の傾斜溝を有することによって、排水性能が向上し、ウェット操安性を従来技術並みに維持することができる。
図2には、車両装着外側ショルダー陸部22及び車両装着内側ショルダー陸部24の両方に、タイヤ幅方向に対して±45°以下の傾斜角度でタイヤ幅方向外側に向かって延びる複数の第1の傾斜溝130、132を有する実施形態が例示されている。同図に示すように、車両装着外側ショルダー陸部22内に設けられた複数の第1の傾斜溝130が、周方向主溝14及び接地端E1の少なくとも一方まで達している場合には、排水性能が高められるためウェット操安性が向上する一方で陸部22の剛性が下がるためドライ操安性が低下する。そのため、ウェット操安性よりもドライ操安性を優先すべき場合には、複数の第1の傾斜溝130はそのタイヤ幅方向両端を陸部内で終端させ、かつ、接地端E1まで達しないようにすることが好ましい。
同様に、図2に示す例では、車両装着内側ショルダー陸部24内に設けられた複数の第1の傾斜溝132が傾斜溝、周方向主溝20及び接地端E2の少なくとも一方まで達している場合には、排水性能が高められるためウェット操安性が向上する一方で陸部24の剛性が下がるためドライ操安性が低下する。そのため、ウェット操安性よりもドライ操安性を優先すべき場合には、複数の第1の傾斜溝132は、そのタイヤ幅方向両端を陸部内で終端させ、かつ、接地端E2まで達しないようにすることが好ましい。
図2に例示されている実施形態では、複数の第1の傾斜溝130、132は、車両装着外側ショルダー陸部22又は車両装着内側ショルダー陸部24において、タイヤ周方向(CD)に一定のピッチで設けられる。
タイヤ幅方向に対する第1の傾斜溝130、132の傾斜角度が±45°を超えると、第1の傾斜溝130、132のタイヤ幅方向寸法が一定であることを前提にした場合、第1の傾斜溝130、132の表面積が大きくなる。その結果、陸部22、24の剛性が下がるためドライ操安性及びウェット操安性がいずれも低下してしまう。ここで、第1の傾斜溝130、132の傾斜角度とは、図3に示すように、第1の傾斜溝の溝幅の中心線(C)上の任意の点における当該中心線の接線とタイヤ幅方向とが成す角度αを意味する。
さらに、複数の第1の傾斜溝130、132が2.0mm以上10.0mm以下の溝幅を有することによって、溝面積を十分に確保して排水性能を高めるとともに、溝面積を過度に大きくせずに陸部22、24の剛性を高めて、ウェット操安性のさらなる向上を実現することができる。傾斜溝第1の傾斜溝130、132の長さは、好ましくは40mm~80mmの範囲から独立に選ばれる。ここで、第1の傾斜溝130、132の長さは、第1の傾斜溝130、132の溝幅の中心線の長さを意味する。なお、本明細書では、第1の傾斜溝に限らず、全ての溝について、長さは、溝の中心線の長さを意味する。
以上に示すように、本実施形態に係る空気入りタイヤによれば、タイヤ外側プロファイルについて改良を加えることで、ドライ操安性を高めるとともに、ショルダー陸部に形成する傾斜溝について改良を加えることで、従来と遜色のないウェット操安性を実現することができる。その結果、本発明に係る空気入りタイヤによれば、ドライ操安性とウェット操安性とをバランス良く改善することができる。なお、各タイヤ外側プロファイルの少なくとも4つの異なる形状の曲線(図1に示すところでは、異なる形状の曲線Po101~Po110、Po201~Po210)については、タイヤ幅方向内側の曲線から外側の曲線に向けて曲率半径を徐々に小さくすることは、タイヤ幅方向で接地圧を平準化する作用効果を効率的に得ることができる点で好ましい。
以上に示す、本実施形態に係る空気入りタイヤは、その全体を図示しないが、従来の空気入りタイヤと同様の子午断面形状を有する。即ち、本実施形態に係る空気入りタイヤは、タイヤ子午断面視で、タイヤ径方向内側から外側に向かって、ビード部、サイドウォール部、ショルダー部及びトレッド部を有する。そして、上記空気入りタイヤは、例えば、タイヤ子午断面視で、トレッド部から両側のビード部まで延在して一対のビードコアの周りで巻回されたカーカス層を有し、上記カーカス層のタイヤ径方向外側に、上述したようなベルト層及び場合によってはベルトカバー層を備える。
また、以上に示す本実施形態に係る空気入りタイヤは、通常の各製造工程、即ち、タイヤ材料の混合工程、タイヤ材料の加工工程、グリーンタイヤの成型工程、加硫工程及び加硫後の検査工程等を経て得られるものである。本実施形態に係る空気入りタイヤを製造する場合には、加硫用金型の内壁に、例えば、図2に示すトレッドパターンに対応する凸部及び凹部を形成し、この金型を用いて加硫を行う。
付加的形態
次に、本発明に係る空気入りタイヤの上記基本形態に対して、任意選択的に実施可能な、付加的形態1~9を説明する。
付加的形態1
基本形態においては、図2に示す第1の傾斜溝130、132は周方向主溝のいずれ(傾斜溝130については周方向主溝14、傾斜溝132については周方向主溝20)にも連通しないこと(付加的形態1)が好ましい。
上述のとおり、車両装着外側ショルダー陸部22内には、複数の第1の傾斜溝130が設けられており、複数の第1の傾斜溝130が周方向主溝14に連通している場合には、ウェット操安性が向上する一方でドライ操安性が低下する。そのため、ウェット操安性よりもドライ操安性を優先すべき場合には、複数の第1の傾斜溝130は周方向主溝14に連通させないことが好ましい。同様に、車両装着内側ショルダー陸部24内には複数の第1の傾斜溝132が設けられており、第1の傾斜溝132が周方向主溝20に連通している場合には、ウェット操安性が向上する一方でドライ操安性が低下する。そのため、ウェット操安性よりもドライ操安性を優先すべき場合には、複数の第1の傾斜溝132は周方向主溝20に連通させないことが好ましい。
付加的形態2
基本形態又は基本形態に付加的形態1を加えた形態においては、図2に示す接地領域の溝面積比率GRが10%以上30%以下であり、接地領域のタイヤ赤道線CLから車両装着内側領域における溝面積比率Griと接地領域のタイヤ赤道線CLから車両装着外側領域における溝面積比率Groとが、Gri>Groの関係を満たすこと(付加的形態2)が好ましい。
空気入りタイヤ1のトレッド10の車両装着外側は車両装着内側よりもドライ操安性に大きく寄与する部分であるため、車両装着外側の陸部剛性を低下させないことが好ましい。しかしながら、ドライ操安性を向上させるために車両装着外側の溝の割合を少なくすると、ウェット操安性は低下してしまう。そのため、トレッドの車両装着外側の陸部剛性を損なわずにタイヤ全体としてみた場合のウェット操安性を向上させるためには、車両装着内側における溝面積比率Griを車両装着外側における溝面積比率Groよりも大きくすることによって、ドライ操安性とウェット操安性とを効率的に両立させることができる。
付加的形態3
基本形態又は基本形態に付加的形態1、2の少なくともいずれかを加えた形態においては、図2に例示するように、車両装着外側ショルダー陸部22に、周方向主溝14に連通する複数の第2の傾斜溝140を設け、第2の傾斜溝140は、第1の傾斜溝130の溝幅の50%以下であり、かつ溝幅が2.0mm以上10.0mm以下の細溝部140aを含むこと(付加的形態3)が好ましい。なお、第2の傾斜溝140は、同図に示すように、タイヤ幅方向外側の細溝部140aと、細溝部140aに対してタイヤ幅方向内側に連なり周方向主溝14に連通する太溝部140bと、から構成されている。
車両装着外側ショルダー陸部22は、トレッド表面の中でもドライ操安性に大きく寄与する部分であるため、その陸部剛性を低下させないことが好ましい。しかしながら、ドライ操安性を向上させるために車両装着外側ショルダー陸部22内の溝の割合を少なくすると、ウェット操安性は低下してしまう。そのため、車両装着外側ショルダー陸部22の陸部剛性を損なわずにタイヤ全体としてみた場合のウェット操安性を向上させるために、上記のとおりの特定の溝幅を有する細溝部140aを含む第2の傾斜溝140が車両装着外側ショルダー陸部22に設けられていることが好ましい。
第2の傾斜溝140を構成する細溝部140aは、車両装着外側ショルダー陸部22の陸部剛性の低下を最低限に抑えるために、そのタイヤ幅方向の少なくともいずれかの端部が車両装着外側ショルダー陸部22内で終端していることが好ましい。第2の傾斜溝140は、細溝部140aのみから構成されていてもよい。或いは、第2の傾斜溝140は、図2に例示するように、タイヤ幅方向外側端部が終端する細溝部140aと、当該細溝140aよりも大きい溝幅を有する太溝部140bとから構成され、細溝部140aは太溝部140bを介して周方向主溝14に連通していてもよい。太溝部140bは、2.0mm以上10.0mm以下の溝幅を有することができる。第2の傾斜溝140のタイヤ幅方向に対する傾斜角度は、好ましくは、第1の傾斜溝130、132の傾斜角度と同様に±45°以下であることが好ましい。
第2の傾斜溝140が細溝部140aのみから構成される場合には、細溝部140aの長さは、好ましくは10mm~20mmである。第2の傾斜溝が細溝部140aと太溝部140bとから構成される場合には、細溝部140aの長さは、好ましくは12mm~28mmであり、太溝部140bの長さは、好ましくは2mm~8mmである。
付加的形態4
基本形態又は基本形態に付加的形態1~3の少なくともいずれかを加えた形態においては、図2に示す車両装着内側陸部24内に、複数の第1の傾斜溝132に連通する周方向細溝200が少なくとも1本設けられ、周方向細溝200は、車両装着内側ショルダー陸部24のタイヤ幅方向中心からタイヤ赤道線CLの方向寄りに位置し、周方向細溝200は1.0mm以上5.0mm以下の溝幅を有すること(付加的形態4)が好ましい。
車両装着内側ショルダー陸部24にタイヤ周方向に延びる周方向細溝200が設けられていることによって、ウェット操安性をさらに向上させることができる。周方向細溝200の溝幅が1.0mm未満である場合には、ウェット操安性を有意に向上させることができない。周方向細溝200の溝幅が5.0mmを超える場合には、陸部24の剛性が下がるためにドライ操安性が低下してしまう。周方向細溝200の溝幅の上限値は典型的には3mmであり、周方向細溝200の溝幅は好ましくは1~5mmである。
付加的形態5
基本形態又は基本形態に付加的形態1~4の少なくともいずれかを加えた形態においては、図2に示すように、車両装着外側ショルダー陸部22と車両装着内側ショルダー陸部24との間に、車両外側ショルダー陸部22側から車両装着内側に向かって、第1のセンター陸部26、第2のセンター陸部28及び第3のセンター陸部30が区画形成され、第1のセンター陸部26には、第1の周方向主溝14に連通し、かつ陸部26内で終端する第3の傾斜溝150と、周方向主溝16に連通し、かつ陸部26内で終端する第4の傾斜溝160とが設けられており、第2のセンター陸部28には、周方向主溝18に連通し、かつ陸部28内で終端する第5の傾斜溝170が設けられており、第3のセンター陸部30には、周方向主溝20に連通し、かつ陸部30内で終端する第6の傾斜溝180が設けられており、第3の傾斜溝150、第4の傾斜溝160、第5の傾斜溝170及び第6の傾斜溝180は、それぞれ2.0mm以上10.0mm以下の溝幅を有すること(付加的形態5)が好ましい。
上述した付加的形態4においては、車両装着内側ショルダー陸部24にタイヤ周方向に延びる周方向細溝200が設けられているため、車両装着外側は車両装着内側よりも接地圧が高くなり、タイヤの接地圧がタイヤ幅方向において偏る傾向がある。したがって、付加的形態4におけるタイヤの接地圧の偏りを最低限に抑えるために、第1のセンター陸部26には、周方向主溝14に連通し、かつ陸部26内で終端する第3の傾斜溝150と、周方向主溝16に連通し、かつ陸部26内で終端する第4の傾斜溝160とが設けられ、第2のセンター陸部28及び第3のセンター陸部30には、車両装着内側のみに傾斜溝(すなわち第5の傾斜溝170、第6の傾斜溝180)が設けられていることが好ましい。第3の傾斜溝150、第4の傾斜溝160、第5の傾斜溝170及び第6の傾斜溝180のそれぞれの溝幅が2.0mm未満である場合には、溝面積比率を高めることができず、ウェット操安性を有意に向上させることができない。第3の傾斜溝150、第4の傾斜溝160、第5の傾斜溝170及び第6の傾斜溝180のそれぞれの溝幅が10.0mmを超える場合には、陸部26、28、30の剛性が低下するので、ドライ操安性が低下してしまう。
第3の傾斜溝150、第4の傾斜溝160、第5の傾斜溝170及び第6の傾斜溝180の長さは、好ましくは2mm~8mmの範囲から独立に選ばれる。ここで、第3の傾斜溝150、第4の傾斜溝160、第5の傾斜溝170及び第6の傾斜溝180のタイヤ幅方向に対する傾斜角度は、好ましくは、第1及び第2の傾斜溝の傾斜角度と同様に±45°以下であることが好ましい。
付加的形態6
基本形態に少なくとも付加的形態5を加えた形態においては、図2に示すように、第3のセンター陸部30に、溝幅が1.0mm以上5.0mm以下である周方向細溝210が少なくとも1本設けられていること(付加的形態6)が好ましい。
第3のセンター陸部30に、溝幅が1.0mm以上5.0mm以下である周方向細溝210が少なくとも1本設けられていることによって、溝面積比が高まるため、ウェット操安性をさらに向上させることができる。図2に例示するように、第3のセンター陸部30に設けられた周方向細溝210は、第6の傾斜溝180と連通していてもよい。周方向細溝210が第6の傾斜溝180と連通している場合には、第6の傾斜溝180は、第2の傾斜溝140に関して上記したように、細溝部と細溝部よりも溝幅が大きい太溝部とから構成されていてもよい。第6の傾斜溝180が細溝部と太溝部とから構成される場合には、細溝部の長さは、好ましくは2mm~8mmであり、太溝部の長さは、好ましくは10mm~20mmである。
付加的形態7
基本形態又は基本形態に付加的形態1~6の少なくともいずれかを加えた形態においては、図1におけるタイヤ外側プロファイルPo1、Po2の少なくともいずれかを構成する部分(曲線)のうちタイヤ幅方向最内側の曲線(同図では、プロファイル部分Po101及び/又はプロファイル部分Po201)の曲率半径(以下、「曲率半径1」と称する場合がある。)が、タイヤ内側プロファイルPiを構成する部分(曲線)のうちタイヤ幅方向最外側の曲線(図1に示す例ではプロファイルPiそのもの)の曲率半径(以下、「曲率半径2」と称する場合がある)の0.40倍以上0.60倍以下であること(付加的形態7)が好ましい。
曲率半径2に対する曲率半径1の比(曲率半径1/曲率半径2)を0.40以上とすることで、プロファイル部分Po101及び/又はプロファイル部分Po201と、それに隣り合うタイヤ内側プロファイルPiとの形状を過度に異ならせることなく、これら隣り合う曲線同士の接続点においてバックルの発生をさらに抑制することができる。
これに対し、曲率半径2に対する曲率半径1の比(曲率半径1/曲率半径2)を0.60以下とすることで、接地圧の比較的低いセンター領域に相当するタイヤ内側プロファイルPiの曲率半径に対して、接地圧の比較的高いショルダー領域に相当するタイヤ外側プロファイルPo1(Po2)の曲率半径を、さらに異ならせることができる。これにより、タイヤ全体としてみた場合に、いずれのタイヤ幅方向領域についても接地圧が著しく異なる部分が生ずることをさらに抑制することができ、ひいてはドライ操安性をさらに高め、その結果ドライ操安性とウェット操安性とをさらにバランス良く改善することができる。
なお、曲率半径2に対する曲率半径1の比(曲率半径1/曲率半径2)を0.42以上0.58以下とした場合には、上記各効果がより高いレベルで奏されるためさらに好ましく、0.45以上0.55以下とした場合には、上記各効果がさらに一層高いレベルで奏されるため極めて好ましい。
付加的形態8
基本形態又は基本形態に付加的形態1~7の少なくともいずれかを加えた形態においては、図1に示すタイヤ外側プロファイルPo1(タイヤ外側プロファイルPo2)を構成する曲線のうちタイヤ幅方向内側から2番目のプロファイル部分Po102(Po202)の曲率半径(以下、「曲率半径3」と称する場合がある。)が、タイヤ外側プロファイルPo1(タイヤ外側プロファイルPo2)を構成する曲線のうちタイヤ幅方向最内側のプロファイル部分Po101(Po201)の曲率半径1の0.70倍以上0.90倍以下であること(付加的形態8)が好ましい。
曲率半径1に対する曲率半径3の比(曲率半径3/曲率半径1)を0.70以上とすることで、プロファイル部分Po102(プロファイルPo202)と、それに隣り合うプロファイル部分Po101(プロファイルPo201)との形状を過度に異ならせることなく、これら曲線同士の接点においてバックルの発生を抑制することができる。
これに対し、曲率半径1に対する曲率半径3の比(曲率半径3/曲率半径1)を0.90以下とすることで、ショルダー領域の中でも接地圧の比較的低いタイヤ幅方向最内側のプロファイル部分Po101(プロファイルPo201)の曲率半径1に対して、接地圧の比較的高いタイヤ幅方向外側のプロファイルPo102(プロファイルPo202)の曲率半径3を、さらに異ならせることとなる。これにより、ショルダー領域全体としてみた場合に、いずれのタイヤ幅方向領域についても接地圧が著しく異なる部分の発生がさらに抑制され、ひいてはドライ操安性をさらに高め、その結果ドライ操安性とウェット操安性とをさらにバランス良く改善することができる。
なお、曲率半径1に対する曲率半径3の比(曲率半径3/曲率半径1)を0.72以上0.88以下とした場合には、上記各効果がより高いレベルで奏されるためさらに好ましく、0.75以上0.85以下とした場合には、上記各効果がより一層高いレベルで奏されるため極めて好ましい。
付加的形態9
基本形態又は基本形態に付加的形態1~8の少なくともいずれかを加えた形態においては、図1に示すタイヤ外側プロファイルPo1(Po2)を構成する各プロファイル部分Po101~Po110(各プロファイル部分Po201~Po210)のタイヤプロファイルに沿った寸法(以下、「各曲線の寸法」と称する場合がある。)が、トレッド展開幅の2.0%以上5.0%以下であること(付加的形態9)が好ましい。ここで、トレッド展開幅とは、図1における接地端E1、E2間のタイヤ幅方向寸法TDWをいう。
各プロファイル部分の寸法をトレッド展開幅の2.0%以上とすることで、タイヤ外側プロファイルPo1、Po2の各プロファイル部分への分割数を過度に多くすることを抑制できる。これにより、使用する金型の構成要素数の増大を抑制するとともに、タイヤ製造時の工数の増大を抑制し、その結果タイヤ製造コストを低減することができる。
また、各プロファイル部分の寸法をトレッド展開幅の5.0%以下とすることで、タイヤ外側プロファイルPo1、Po2の各プロファイル部分への分割数を十分に確保することができる。タイヤ外側プロファイルPo1、Po2のそれぞれの、タイヤ幅方向内端と外端とでは接地圧の均一化を図るべく、タイヤ径方向位置を相当に異ならせることが必要であるところ、上記のような分割数の十分な確保により、隣り合うプロファイル間において曲率半径を極端に異ならせる必要がなく、ひいては隣り合う曲線同士の接続点においてバックルを効率的に抑制することができる。
なお、各プロファイル部分の寸法をトレッド展開幅の2.2%以上4.8%以下とした場合には、上記各効果がより高いレベルで奏されるためさらに好ましく、2.5%以上4.5%以下とした場合には、上記各効果がより一層高いレベルで奏されるため極めて好ましい。
タイヤサイズを225/50R18 95V (JATMAにて規定)とし、図1に示す形状の発明例1~9の空気入りタイヤ及び従来例の空気入りタイヤを作製した。なお、これらの空気入りタイヤの細部の諸条件については、以下の表1に示すとおりである。
なお、表1中、タイヤ外側プロファイル割合とは、タイヤプロファイルに沿った両接地端間寸法に対する、2つのタイヤ外側プロファイルのタイヤプロファイルに沿った各寸法の割合を意味する。タイヤ外側プロファイル(両方)の分割数とは、図1に示すタイヤ外側プロファイルPo1、Po2を構成する要素(プロファイル部分)の数を意味する。曲率半径1とは、図1に示すタイヤ外側プロファイルPo1、Po2を構成する曲線のうちタイヤ幅方向最内側の曲線(プロファイル部分Po101、プロファイル部分Po201)の曲率半径を意味する。曲率半径2とは、図1に示すタイヤ内側プロファイルPiの曲率半径を意味する。曲率半径3とは、図1に示すタイヤ外側プロファイルPo1(Po2)を構成する曲線のうちタイヤ幅方向内側から2番目の曲線(プロファイル部分Po102、プロファイル部分Po202)の曲率半径を意味する。各曲線の寸法とは、図1に示すタイヤ外側プロファイルPo1(Po2)を構成する各曲線(プロファイル部分Po101~Po110、プロファイル部分Po201~Po210)のタイヤプロファイルに沿った寸法を意味する。なお、上記の各用語に含まれる符号等は、上述した本明細書の記載に準拠するものである。
発明例1の空気入りタイヤは上記基本形態の空気入りタイヤに相当し、タイヤ平面視で、車両装着外側ショルダー陸部及び車両装着内側ショルダー陸部にそれぞれタイヤ幅方向に対して-30°及び+30°の傾斜角度でタイヤ幅方向外側に向かって延び、タイヤ周方向に間隔を置いて設けられた複数の第1の傾斜溝を設けたものであった。なお、車両装着外側ショルダー陸部及び車両装着内側ショルダー陸部に設けた第1の傾斜溝はいずれの周方向主溝にも連通しておらず、接地端E1、E2にも延びていなかった。第1の傾斜溝の溝幅は6.0mmであった。
発明例2の空気入りタイヤは、接地領域の溝面積比率GRが25%であり、接地領域のタイヤ赤道線から車両装着内側のタイヤ内側接地領域における溝面積比率Griと接地領域のタイヤ赤道線から車両装着外側のタイヤ外側接地領域における溝面積比率GroとがGri>Groの関係を満たすことを除いて、発明例1の空気入りタイヤと同様の構成を有する。表1に、Groに対するGriの比Gri/Groを示す。
発明例3の空気入りタイヤは、車両装着外側ショルダー陸部に、車両装着外側最外周方向主溝に連通する溝幅3mmの複数の第2の傾斜溝を有することを除いて、発明例2の空気入りタイヤと同様の構成を有する。
発明例4の空気入りタイヤは、車両装着内側ショルダー陸部に複数の第1の傾斜溝を有し、車両装着内側ショルダー陸部の複数の第1の傾斜溝に連通する周方向細溝を1本有し、当該周方向細溝は、車両装着内側ショルダー陸部のタイヤ幅方向中心からタイヤ赤道線方向寄りに位置し、3.0mmの溝幅を有することを除いて、発明例3の空気入りタイヤと同様の構成を有する。
発明例5の空気入りタイヤは、第1のセンター陸部に、車両装着外側ショルダー陸部と第1のセンター陸部とを区画形成する第1の周方向主溝に連通し、かつ第1のセンター陸部内で終端する第3の傾斜溝と、第1のセンター陸部と第2のセンター陸部とを区画形成する第2の周方向主溝に連通し、かつ第1のセンター陸部内で終端する第4の傾斜溝とが設けられており、第2のセンター陸部に、第2のセンター陸部と第3のセンター陸部とを区画形成する第3の周方向主溝に連通し、かつ第2のセンター陸部内で終端する第5の傾斜溝が設けられており、第3のセンター陸部には、第3のセンター陸部と車両装着内側ショルダー陸部とを区画形成する第4の周方向主溝に連通し、かつ第3のセンター陸部内で終端する第6の傾斜溝が設けられており、第3の傾斜溝、第4の傾斜溝、第5の傾斜溝及び第6の傾斜溝が6.0mmの溝幅を有することを除いて、発明例4の空気入りタイヤと同様の構成を有する。
発明例6の空気入りタイヤは、第3のセンター陸部に、溝幅3.0mmの周方向細溝が1本設けられていることを除いて、発明例5の空気入りタイヤと同様の構成を有する。
このように作製した、発明例1~9の空気入りタイヤ及び従来例の空気入りタイヤについて、以下の要領に従い、ドライ操安性及びウェット操安性についての評価を行った。
(ドライ操安性・ウェット操安性についての評価)
上記供試タイヤをリムサイズ7JのJATMA標準リムのリムホイールにリム組みして、空気圧を230kPaに調整し、排気量が2000ccの前輪駆動車を試験車両として、試験タイヤを試験車両の総輪に装着してテスト走行することにより行った。
ドライ操安性については、平坦な周回路を有するドライ路面のテストコースを、試験車両によって10km/hから180km/hで走行し、テストドライバーがレーンチェンジ時及びコーナリング時における操舵性、及び直進時における安定性についての官能評価を行った。ドライ操安性は、従来例を100とする評点で表示され、その数値が大きいほど優れていることを示す。その結果を表1に併記する。
ウェット操安性については、水膜1mmのアスファルト路を、試験車両によって速度40km/hで走行し、テストドライバーがレーンチェンジ時及びコーナリング時における操舵性、及び直進時における安定性についての官能評価を行った。ウェット操安性は、従来例を100とする評点で表示され、その数値が大きいほど優れていることを示す。その結果を表1に併記する。
Figure 0007481614000001
表1によれば、本発明の技術的範囲に属する(即ち、タイヤ子午断面視でのタイヤプロファイルをタイヤ外側プロファイルとタイヤ内側プロファイルとに区分した上で、特にタイヤ外側プロファイルについて改良を加えた)発明例1から発明例4の空気入りタイヤについては、いずれも、本発明の技術的範囲に属さない、従来例の空気入りタイヤに比べて、ドライ操安性とウェット操安性とがバランス良く改善されていることが判る。
本発明に関連する発明の実施形態の一部を以下に示す。
[実施形態1]
複数の周方向主溝によって複数の陸部が区画形成され、かつタイヤ赤道面に対して非対称なパターンが設けられた空気入りタイヤであって、
正規内圧を付与した無負荷の状態のタイヤ子午断面視で、
車両装着外側接地端と車両装着内側接地端との間に、タイヤ赤道線を含むタイヤ内側プロファイルと、前記タイヤ内側プロファイルのタイヤ幅方向両側に位置する2つのタイヤ外側プロファイルとから構成されるタイヤプロファイルを有し、前記2つのタイヤ外側プロファイルの各々が、両接地端間に溝がないと仮定した場合の仮想タイヤプロファイルに沿う両接地端間寸法に対して20%以上35%以下である寸法を有し、
前記タイヤ外側プロファイルの各々が少なくとも4つの異なる形状の曲線から構成され、
タイヤ平面視で、
タイヤ幅方向最外側に位置する車両装着外側ショルダー陸部及び車両装着内側ショルダー陸部の一方又は両方に、前記タイヤ幅方向に対して±45°以下の傾斜角度でタイヤ幅方向外側に向かって延びる複数の第1の傾斜溝を有し、
前記第1の傾斜溝は2.0mm以上10.0mm以下の溝幅を有すること、
を特徴とする空気入りタイヤ。
[実施形態2]
前記第1の傾斜溝は前記周方向主溝のいずれにも連通しない、実施形態1に記載の空気入りタイヤ。
[実施形態3]
接地領域の溝面積比率GRが10%以上30%以下であり、前記接地領域のタイヤ赤道線から車両装着内側のタイヤ内側接地領域における溝面積比率Griと前記接地領域のタイヤ赤道線から車両装着外側のタイヤ外側接地領域における溝面積比率GroとがGri>Groの関係を満たす、実施形態1又は2に記載の空気入りタイヤ。
[実施形態4]
前記車両装着外側ショルダー陸部に、車両装着外側最外周方向主溝に連通する複数の第2の傾斜溝を有し、前記第2の傾斜溝は、前記第1の傾斜溝の溝幅の50%以下であり、かつ2.0mm以上10.0mm以下の溝幅の細溝部を含む、実施形態1~3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
[実施形態5]
前記車両装着内側ショルダー陸部に前記複数の第1の傾斜溝を有し、前記車両装着内側ショルダー陸部の前記複数の第1の傾斜溝に連通する周方向細溝を少なくとも1本有し、前記周方向細溝は、前記車両装着内側ショルダー陸部のタイヤ幅方向中心からタイヤ赤道線方向寄りに位置し、前記周方向細溝は1.0mm以上5.0mm以下の溝幅を有する、実施形態1~4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
[実施形態6]
車両装着内側ショルダー陸部と前記車両装着外側ショルダー陸部との間に、前記車両外側ショルダー陸部からタイヤ幅方向内側に向かって、第1のセンター陸部、第2のセンター陸部及び第3のセンター陸部が区画形成され、
前記第1のセンター陸部には、前記車両装着外側ショルダー陸部と前記第1のセンター陸部とを区画形成する第1の周方向主溝に連通し、かつ第1のセンター陸部内で終端する第3の傾斜溝と、前記第1のセンター陸部と前記第2のセンター陸部とを区画形成する第2の周方向主溝に連通し、かつ第1のセンター陸部内で終端する第4の傾斜溝とが設けられており、
前記第2のセンター陸部には、前記第2のセンター陸部と前記第3のセンター陸部とを区画形成する第3の周方向主溝に連通し、かつ第2のセンター陸部内で終端する第5の傾斜溝が設けられており、
前記第3のセンター陸部には、前記第3のセンター陸部と前記車両装着内側ショルダー陸部とを区画形成する第4の周方向主溝に連通し、かつ第3のセンター陸部内で終端する第6の傾斜溝が設けられており、
前記第3の傾斜溝、前記第4の傾斜溝、前記第5の傾斜溝及び前記第6の傾斜溝はそれぞれ2.0mm以上10.0mm以下の溝幅を有する、
実施形態5に記載の空気入りタイヤ。
[実施形態7]
前記第3のセンター陸部に、溝幅が1.0mm以上5.0mm以下である周方向細溝が少なくとも1本設けられている、実施形態6に記載の空気入りタイヤ。
[実施形態8]
前記タイヤ外側プロファイルを構成する曲線のうちタイヤ幅方向最内側の曲線の曲率半径が、前記タイヤ内側プロファイルを構成する曲線のうちタイヤ幅方向最外側の曲線の曲率半径の0.40倍以上0.60倍以下である、実施形態1~7のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
[実施形態9]
前記タイヤ外側プロファイルを構成する曲線のうちタイヤ幅方向内側から2番目の曲線の曲率半径が、前記タイヤ外側プロファイルを構成する曲線のうちタイヤ幅方向最内側の曲線の曲率半径の0.70倍以上0.90倍以下である、実施形態1~8のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
[実施形態10]
前記タイヤ外側プロファイルを構成する各曲線のタイヤプロファイルに沿った寸法が、トレッド展開幅の2.0%以上5.0%以下である、実施形態1~9のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
1 空気入りタイヤ
10 トレッド部
12 トレッド表面
14、16、18、20 周方向主溝
22、24、26、28、30 陸部
40 ショルダー部
130、132 第1の傾斜溝
140 第2の傾斜溝
140a 細溝部
140b 太溝部
150 第3の傾斜溝
160 第4の傾斜溝
170 第5の傾斜溝
180 第6の傾斜溝
200、210 周方向細溝
CL タイヤ赤道面、タイヤ赤道線
E1、E2 接地端
Pi タイヤ内側プロファイル
Po1、Po2 タイヤ外側プロファイル
TDW トレッド展開幅

Claims (22)

  1. 複数の周方向主溝によって複数の陸部が区画形成され、かつタイヤ赤道面に対して非対称なパターンが設けられた空気入りタイヤであって、
    正規内圧を付与した無負荷の状態のタイヤ子午断面視で、
    車両装着外側接地端と車両装着内側接地端との間に、タイヤ赤道線を含むタイヤ内側プロファイルと、前記タイヤ内側プロファイルのタイヤ幅方向両側に位置する2つのタイヤ外側プロファイルとから構成されるタイヤプロファイルを有し、前記2つのタイヤ外側プロファイルの各々が、両接地端間に溝がないと仮定した場合の仮想タイヤプロファイルに沿う両接地端間寸法に対して20%以上35%以下である寸法を有し、
    前記タイヤ外側プロファイルの各々が少なくとも4つの異なる形状の曲線から構成され、
    タイヤ平面視で、
    タイヤ幅方向最外側に位置する車両装着外側ショルダー陸部及び車両装着内側ショルダー陸部の一方又は両方に、前記タイヤ幅方向に対して±45°以下の傾斜角度でタイヤ幅方向外側に向かって延びる複数の第1の傾斜溝を有し、
    前記第1の傾斜溝は2.0mm以上10.0mm以下の溝幅を有
    前記第1の傾斜溝は前記周方向主溝のいずれにも連通しないこと、
    を特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 接地領域の溝面積比率GRが10%以上30%以下であり、前記接地領域のタイヤ赤道線から車両装着内側のタイヤ内側接地領域における溝面積比率Griと前記接地領域のタイヤ赤道線から車両装着外側のタイヤ外側接地領域における溝面積比率GroとがGri>Groの関係を満たす、請求項に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記車両装着外側ショルダー陸部に、車両装着外側最外周方向主溝に連通する複数の第2の傾斜溝を有し、前記第2の傾斜溝は、前記第1の傾斜溝の溝幅の50%以下であり、かつ2.0mm以上10.0mm以下の溝幅の細溝部を含む、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記車両装着内側ショルダー陸部に前記複数の第1の傾斜溝を有し、前記車両装着内側ショルダー陸部の前記複数の第1の傾斜溝に連通する周方向細溝を少なくとも1本有し、前記周方向細溝は、前記車両装着内側ショルダー陸部のタイヤ幅方向中心からタイヤ赤道線方向寄りに位置し、前記周方向細溝は1.0mm以上5.0mm以下の溝幅を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 車両装着内側ショルダー陸部と前記車両装着外側ショルダー陸部との間に、前記車両外側ショルダー陸部からタイヤ幅方向内側に向かって、第1のセンター陸部、第2のセンター陸部及び第3のセンター陸部が区画形成され、
    前記第1のセンター陸部には、前記車両装着外側ショルダー陸部と前記第1のセンター陸部とを区画形成する第1の周方向主溝に連通し、かつ第1のセンター陸部内で終端する第3の傾斜溝と、前記第1のセンター陸部と前記第2のセンター陸部とを区画形成する第2の周方向主溝に連通し、かつ第1のセンター陸部内で終端する第4の傾斜溝とが設けられており、
    前記第2のセンター陸部には、前記第2のセンター陸部と前記第3のセンター陸部とを区画形成する第3の周方向主溝に連通し、かつ第2のセンター陸部内で終端する第5の傾斜溝が設けられており、
    前記第3のセンター陸部には、前記第3のセンター陸部と前記車両装着内側ショルダー陸部とを区画形成する第4の周方向主溝に連通し、かつ第3のセンター陸部内で終端する第6の傾斜溝が設けられており、
    前記第3の傾斜溝、前記第4の傾斜溝、前記第5の傾斜溝及び前記第6の傾斜溝はそれぞれ2.0mm以上10.0mm以下の溝幅を有する、
    請求項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第3のセンター陸部に、溝幅が1.0mm以上5.0mm以下である周方向細溝が少なくとも1本設けられている、請求項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記タイヤ外側プロファイルを構成する曲線のうちタイヤ幅方向最内側の曲線の曲率半径が、前記タイヤ内側プロファイルを構成する曲線のうちタイヤ幅方向最外側の曲線の曲率半径の0.40倍以上0.60倍以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記タイヤ外側プロファイルを構成する曲線のうちタイヤ幅方向内側から2番目の曲線の曲率半径が、前記タイヤ外側プロファイルを構成する曲線のうちタイヤ幅方向最内側の曲線の曲率半径の0.70倍以上0.90倍以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記タイヤ外側プロファイルを構成する各曲線のタイヤプロファイルに沿った寸法が、トレッド展開幅の2.0%以上5.0%以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 複数の周方向主溝によって複数の陸部が区画形成され、かつタイヤ赤道面に対して非対称なパターンが設けられた空気入りタイヤであって、
    正規内圧を付与した無負荷の状態のタイヤ子午断面視で、
    車両装着外側接地端と車両装着内側接地端との間に、タイヤ赤道線を含むタイヤ内側プロファイルと、前記タイヤ内側プロファイルのタイヤ幅方向両側に位置する2つのタイヤ外側プロファイルとから構成されるタイヤプロファイルを有し、前記2つのタイヤ外側プロファイルの各々が、両接地端間に溝がないと仮定した場合の仮想タイヤプロファイルに沿う両接地端間寸法に対して20%以上35%以下である寸法を有し、
    前記タイヤ外側プロファイルの各々が少なくとも4つの異なる形状の曲線から構成され、
    タイヤ平面視で、
    タイヤ幅方向最外側に位置する車両装着外側ショルダー陸部及び車両装着内側ショルダー陸部の一方又は両方に、前記タイヤ幅方向に対して±45°以下の傾斜角度でタイヤ幅方向外側に向かって延びる複数の第1の傾斜溝を有し、
    前記第1の傾斜溝は2.0mm以上10.0mm以下の溝幅を有し、
    前記車両装着外側ショルダー陸部に、車両装着外側最外周方向主溝に連通する複数の第2の傾斜溝を有し、前記第2の傾斜溝は、前記第1の傾斜溝の溝幅の50%以下であり、かつ2.0mm以上10.0mm以下の溝幅の細溝部を含むすること、
    を特徴とする空気入りタイヤ。
  11. 接地領域の溝面積比率GRが10%以上30%以下であり、前記接地領域のタイヤ赤道線から車両装着内側のタイヤ内側接地領域における溝面積比率Griと前記接地領域のタイヤ赤道線から車両装着外側のタイヤ外側接地領域における溝面積比率GroとがGri>Groの関係を満たす、請求項10に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記車両装着内側ショルダー陸部に前記複数の第1の傾斜溝を有し、前記車両装着内側ショルダー陸部の前記複数の第1の傾斜溝に連通する周方向細溝を少なくとも1本有し、前記周方向細溝は、前記車両装着内側ショルダー陸部のタイヤ幅方向中心からタイヤ赤道線方向寄りに位置し、前記周方向細溝は1.0mm以上5.0mm以下の溝幅を有する、請求項10又は11に記載の空気入りタイヤ。
  13. 車両装着内側ショルダー陸部と前記車両装着外側ショルダー陸部との間に、前記車両外側ショルダー陸部からタイヤ幅方向内側に向かって、第1のセンター陸部、第2のセンター陸部及び第3のセンター陸部が区画形成され、
    前記第1のセンター陸部には、前記車両装着外側ショルダー陸部と前記第1のセンター陸部とを区画形成する第1の周方向主溝に連通し、かつ第1のセンター陸部内で終端する第3の傾斜溝と、前記第1のセンター陸部と前記第2のセンター陸部とを区画形成する第2の周方向主溝に連通し、かつ第1のセンター陸部内で終端する第4の傾斜溝とが設けられており、
    前記第2のセンター陸部には、前記第2のセンター陸部と前記第3のセンター陸部とを区画形成する第3の周方向主溝に連通し、かつ第2のセンター陸部内で終端する第5の傾斜溝が設けられており、
    前記第3のセンター陸部には、前記第3のセンター陸部と前記車両装着内側ショルダー陸部とを区画形成する第4の周方向主溝に連通し、かつ第3のセンター陸部内で終端する第6の傾斜溝が設けられており、
    前記第3の傾斜溝、前記第4の傾斜溝、前記第5の傾斜溝及び前記第6の傾斜溝はそれぞれ2.0mm以上10.0mm以下の溝幅を有する、
    請求項12に記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記第3のセンター陸部に、溝幅が1.0mm以上5.0mm以下である周方向細溝が少なくとも1本設けられている、請求項13に記載の空気入りタイヤ。
  15. 前記タイヤ外側プロファイルを構成する曲線のうちタイヤ幅方向最内側の曲線の曲率半径が、前記タイヤ内側プロファイルを構成する曲線のうちタイヤ幅方向最外側の曲線の曲率半径の0.40倍以上0.60倍以下である、請求項10~14のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  16. 前記タイヤ外側プロファイルを構成する曲線のうちタイヤ幅方向内側から2番目の曲線の曲率半径が、前記タイヤ外側プロファイルを構成する曲線のうちタイヤ幅方向最内側の曲線の曲率半径の0.70倍以上0.90倍以下である、請求項10~15のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  17. 前記タイヤ外側プロファイルを構成する各曲線のタイヤプロファイルに沿った寸法が、トレッド展開幅の2.0%以上5.0%以下である、請求項10~16のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  18. 複数の周方向主溝によって複数の陸部が区画形成され、かつタイヤ赤道面に対して非対称なパターンが設けられた空気入りタイヤであって、
    正規内圧を付与した無負荷の状態のタイヤ子午断面視で、
    車両装着外側接地端と車両装着内側接地端との間に、タイヤ赤道線を含むタイヤ内側プロファイルと、前記タイヤ内側プロファイルのタイヤ幅方向両側に位置する2つのタイヤ外側プロファイルとから構成されるタイヤプロファイルを有し、前記2つのタイヤ外側プロファイルの各々が、両接地端間に溝がないと仮定した場合の仮想タイヤプロファイルに沿う両接地端間寸法に対して20%以上35%以下である寸法を有し、
    前記タイヤ外側プロファイルの各々が少なくとも4つの異なる形状の曲線から構成され、
    タイヤ平面視で、
    タイヤ幅方向最外側に位置する車両装着外側ショルダー陸部及び車両装着内側ショルダー陸部の一方又は両方に、前記タイヤ幅方向に対して±45°以下の傾斜角度でタイヤ幅方向外側に向かって延びる複数の第1の傾斜溝を有し、
    前記第1の傾斜溝は2.0mm以上10.0mm以下の溝幅を有し、
    前記車両装着内側ショルダー陸部に前記複数の第1の傾斜溝を有し、前記車両装着内側ショルダー陸部の前記複数の第1の傾斜溝に連通する周方向細溝を少なくとも1本有し、前記周方向細溝は、前記車両装着内側ショルダー陸部のタイヤ幅方向中心からタイヤ赤道線方向寄りに位置し、前記周方向細溝は1.0mm以上5.0mm以下の溝幅を有し、
    車両装着内側ショルダー陸部と前記車両装着外側ショルダー陸部との間に、前記車両外側ショルダー陸部からタイヤ幅方向内側に向かって、第1のセンター陸部、第2のセンター陸部及び第3のセンター陸部が区画形成され、
    前記第1のセンター陸部には、前記車両装着外側ショルダー陸部と前記第1のセンター陸部とを区画形成する第1の周方向主溝に連通し、かつ第1のセンター陸部内で終端する第3の傾斜溝と、前記第1のセンター陸部と前記第2のセンター陸部とを区画形成する第2の周方向主溝に連通し、かつ第1のセンター陸部内で終端する第4の傾斜溝とが設けられており、
    前記第2のセンター陸部には、前記第2のセンター陸部と前記第3のセンター陸部とを区画形成する第3の周方向主溝に連通し、かつ第2のセンター陸部内で終端する第5の傾斜溝が設けられており、
    前記第3のセンター陸部には、前記第3のセンター陸部と前記車両装着内側ショルダー陸部とを区画形成する第4の周方向主溝に連通し、かつ第3のセンター陸部内で終端する第6の傾斜溝が設けられており、
    前記第3の傾斜溝、前記第4の傾斜溝、前記第5の傾斜溝及び前記第6の傾斜溝はそれぞれ2.0mm以上10.0mm以下の溝幅を有すること、
    を特徴とする空気入りタイヤ。
  19. 前記第3のセンター陸部に、溝幅が1.0mm以上5.0mm以下である周方向細溝が少なくとも1本設けられている、請求項18に記載の空気入りタイヤ。
  20. 前記タイヤ外側プロファイルを構成する曲線のうちタイヤ幅方向最内側の曲線の曲率半径が、前記タイヤ内側プロファイルを構成する曲線のうちタイヤ幅方向最外側の曲線の曲率半径の0.40倍以上0.60倍以下である、請求項18又は19に記載の空気入りタイヤ。
  21. 前記タイヤ外側プロファイルを構成する曲線のうちタイヤ幅方向内側から2番目の曲線の曲率半径が、前記タイヤ外側プロファイルを構成する曲線のうちタイヤ幅方向最内側の曲線の曲率半径の0.70倍以上0.90倍以下である、請求項18~20のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  22. 前記タイヤ外側プロファイルを構成する各曲線のタイヤプロファイルに沿った寸法が、トレッド展開幅の2.0%以上5.0%以下である、請求項18~21のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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