〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
(エレベータ管理システム100の概要)
図1は、本発明の実施形態1に係るエレベータ管理システム100の構成の一例を示す図である。エレベータ管理システム100は、複数階床を有する建物に設けられたエレベータ4を管理するシステムである。エレベータ管理システム100は、行先階登録機能を備えるエレベータ4の利用者(人)および例えばロボット等の自走型装置6に最適号機を通知することが可能なシステムである。以下、利用者および自走型装置6を総称して利用対象という場合がある。なお、利用者の人数は1人であってもよいし、複数人であってもよい。自走型装置6の数も1つであってもよいし、複数であってもよい。以下、利用者が1人である場合につき説明する。
ここで、「行先階登録機能」とは、利用対象の行先階に応じて最適号機を割り当てると共に該最適号機を利用対象に乗車する号機として案内する機能である。行先階登録機能を採用することにより、利用対象がエレベータの到着を待つ時間を効果的に短縮することが可能な機能である。また、行先階登録機能によって、利用対象が行先階に到着するまでの時間も短縮され得る。なお、「最適号機」とは、利用対象の割当依頼操作に応じて、行先階登録機能を備えるエレベータ管理システム100のエレベータ管理装置1が、各割当依頼操作に対して割り当てるエレベータ4の号機である。「割当依頼操作に対して割り当てる号機」は、割当依頼操作を行った利用対象が利用すべき最適号機として、エレベータ管理装置1が決定したエレベータ4の号機を意図している。以下、エレベータ4が複数号機を備える場合を例に挙げて説明するが、本発明は、エレベータが号機を複数有することには限定されない。図1には、複数の号機を備えるエレベータ4を例示している。以下では、エレベータ4a~4cがそれぞれ、1~3号機である場合を例に挙げて説明する。
また、「割当依頼操作」とは、利用対象が予め行先階を含む割当依頼データをエレベータ管理装置に登録するための操作である。「割当依頼操作」は「行先階呼び登録操作」ともいう。利用対象が利用者である場合、割当依頼操作は、例えば、利用者が出発階において出発階に設置されている行先階呼び登録装置2に所望の行先階等を入力する操作であってもよい。行先階呼び登録装置2は、入力された行先階を示す情報と、該行先階呼び登録装置2が設置されている階床の情報とを含む情報をエレベータ管理装置1に送信してもよい。利用者は、行先階呼び登録装置2を介さず、スマートフォン等の携帯端末を用いて、エレベータ管理装置1へ割当依頼データを直接送信してもよい。利用対象が自走型装置6である場合、割当依頼操作は、例えば、自走型装置6がエレベータ管理装置1へ割当依頼データを直接送信して割り当て依頼を行う。
エレベータ管理システム100における自走型装置6は、予め建物に配備されている自動搬送装置、自走型掃除装置、およびその他の多機能ロボット等であってもよい。あるいは、自走型装置6は、エレベータ管理システム100の導入に合わせて建物に配備された専用の装置であってもよい。自走型装置6は自走機能の他に、利用者に対してメッセージを通知する機能(例えば、音声出力機能、および画面表示機能等)を備えていてもよい。
(エレベータ管理システム100の技術的思想)
まず、エレベータ管理システム100の技術的思想について、図12および図13を用いて説明する。図12および図13は、エレベータ管理システム100のエレベータ4aの内部を示す平面図である。自走型装置6は、自律的に、割当依頼データをエレベータ管理装置1へ送信して行先階等をエレベータ管理装置1に登録する。また、自走型装置6は、エレベータ管理装置1が決定した最適号機に乗車し、登録した行先階で降車する。
エレベータ4には、定員が設定されている。「定員」とは、エレベータ4のかごの収容可能人数、または収容可能重量の上限であり得る。エレベータ4は、定員を超える利用者および自走型装置6を乗車させることはできない。ここでは、最適号機が、1号機であるエレベータ4aであり、1号機の定員は8人であるとして説明する。
図12においては、1つの自走型装置6および4人の利用者が、エレベータ4aに乗車している。ここでは、自走型装置6の大きさは利用者1人分であり、重量は4人分であるものとする。このような場合、エレベータ4aはすでに定員に到達していることになる。そのため、このエレベータ4aに自走型装置6または利用者が割り当てられた場合には、エレベータ4aは、これらの利用対象が乗車すると定員を超えるので当該出発階を通過してしまう。従って、自走型装置6または利用者は、エレベータ4aに乗車できないことになる。
図13においては、1つの自走型装置6および3人の利用者が、エレベータ4aに乗車している。自走型装置6が平面視で5人分のスペースを占有している場合、エレベータ4aはすでに定員に到達していることになる。このエレベータ4aに自走型装置6または利用者が割り当てられた場合には、自走型装置6または利用者が自身の出発階から乗車しようとしても、エレベータ4aには乗車できるスペースはない。そのため、自走型装置6および利用者はエレベータ4aに乗車できないことになる。
上記のようにエレベータ4aに乗車できない状態が生じるのは、割り当て可否の決定において、自走型装置6の台数が用いられている、即ち自走型装置6の台数として利用者1人相当を示す固定値が用いられていることを前提としているためである。そのため、上述したように、自走型装置6が利用者1人相当の重量よりも重い、または、自走型装置6が利用者1人相当の水平方向の寸法よりも大きい場合、実質的に定員に到達し、自走型装置6または利用者が、割り当てられたエレベータに乗車できない。
本開示のエレベータ管理装置1は、複数階床を有する建物に設けられたエレベータ4の運転を管理する。また、エレベータ管理装置1は、エレベータ4の号機への自走型装置6の割り当て可否を決定する。エレベータ管理装置1は、変換値、即ち変換人数Nと、自走型装置6の出発階から行先階までの間において号機に既に割り当てられた利用者の数、即ち利用者数npsg、および号機に既に割り当てられた他の自走型装置6の変換人数Nとに基づき、割り当て可否を決定してもよい。
変換人数Nは、自走型装置6の重量および水平方向の寸法の少なくとも一方を利用者の数に変換した値である。具体的には、変換人数Nは、自走型装置6の重量を利用者の数に変換した重量変換値Nw、および自走型装置6の水平方向の寸法を利用者の数に変換した寸法変換値Naのいずれかであってもよい。変換人数Nは、自走型装置6の利用者数npsgとして用いられる。本実施形態では、重量変換値Nwおよび寸法変換値Naのうちの大きい方が変換人数Nとして特定される。但し、重量変換値Nwおよび寸法変換値Naに基づき特定された値(例:重量変換値Nwおよび寸法変換値Naの平均値)が変換人数Nとして特定されてもよい。
エレベータ管理装置1が変換人数Nを用いることにより、実際の自走型装置6の重量および/または水平方向の寸法と同等の値に基づき、割り当て可否を決定できる。そのため、自走型装置6または利用者が、割り当てられたエレベータに乗車できないという乗車不可能状態が生じる可能性を低減できる。
(エレベータ管理システム100の構成)
続いて、エレベータ管理システム100の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係るエレベータ管理システム100の構成の一例を示す図である。なお、図1に示すエレベータ管理システム100は、エレベータ管理装置1が、自走型装置管理装置5を介して自走型装置6を制御する構成である。エレベータ管理装置1は、自走型装置管理装置5を介さずに自走型装置6を制御するものであってもよい。
エレベータ管理システム100は、エレベータ管理装置1、行先階呼び登録装置2、エレベータ制御装置3、エレベータ4、自走型装置管理装置5、および自走型装置6を含んでいる。
エレベータ管理装置1は、建物に設けられた複数号機のエレベータ4の運転を管理する。エレベータ管理装置1の詳細については後述する。
行先階呼び登録装置2は、建物の各階のエレベータ乗り場に設けられている。行先階呼び登録装置2は、利用者による割当依頼操作を受付けて、入力された行先階等の割当依頼データをエレベータ管理装置1に送信する。エレベータ管理装置1と、行先階呼び登録装置2との間の通信では、行先階呼び登録装置2の各々に付与された識別情報(ID)が用いられる。例えば、1階に配置された行先階呼び登録装置2のIDを「DESTREG-001」、2階に配置された行先階呼び登録装置2のIDを「DESTREG-002」等としてもよい。エレベータ管理装置1は各割当依頼操作に応じて割り当てた最適号機の情報を行先階呼び登録装置2へ送信し、利用者は、行先階呼び登録装置2の表示画面等により最適号機を確認する。利用者が行先階呼び登録装置2を介さず、エレベータ管理装置1へ携帯端末により直接割当依頼データを送信する場合、利用者毎にIDが付与されており、携帯端末とエレベータとの通信に当該IDが用いられる。以下、利用者が行先階呼び登録装置2を介して割当依頼操作を行う場合について説明する。
自走型装置6は、後述するように割当依頼データをエレベータ管理装置1に送信する。エレベータ管理装置1は、割当依頼データに応じて割り当てた最適号機の情報を自走型装置6に送信する。
エレベータ制御装置3は、エレベータ4の運転を制御する。エレベータ制御装置3は、エレベータ4の各号機に対応して設けられている。例えば、エレベータ制御装置3aはエレベータ4aの運転を制御し、エレベータ制御装置3bはエレベータ4bの運転を制御する。なお、エレベータ管理システム100では、エレベータ制御装置3およびエレベータ4の数は複数である。
自走型装置管理装置5は、建物に配備されている自走型装置6の移動および動作等を制御する。建物に自走型装置6が複数配備されている場合、自走型装置管理装置5と、自走型装置6との間の通信では、自走型装置6の各々に付与された識別情報(ID)が用いられる。自走型装置管理装置5は、各自走型装置6から適宜、自走型装置6の現在の位置を示す情報、および現在行っている作業に関する情報等を含む作業状況情報を受信する構成であってもよい。これにより、自走型装置管理装置5は、自走型装置6毎の位置と作業状況とを監視し、制御することができる。自走型装置管理装置5は、例えば、自走型装置6の出発階および行先階を決定し、当該出発階および行先階の情報を自走型装置6へ送信してもよい。自走型装置管理装置5は、作業状況情報等をエレベータ管理装置1に送信してもよい。
(エレベータ管理装置1の構成)
エレベータ管理装置1の構成について、図2を用いて説明する。図2は、エレベータ管理装置1の構成の一例を示す図である。
エレベータ管理装置1は、行先階呼び登録装置2、およびエレベータ制御装置3等と通信可能に接続されているコンピュータであり、例えば、制御部11、記憶部12、および通信部13を備えている。
制御部11はCPU(Central Processing Unit)であり、制御部11は、エレベータ管理装置1が備える各機能の処理を実行するように制御する。制御部11は、利用対象から割当依頼データを受信し、受信した割当依頼データおよび既に割り当てた号機の情報に基づいて、当該利用対象のエレベータの号機への割り当て可否を決定する。制御部11は、割り当て可能である号機の候補の中から最適号機を決定し、当該最適号機に利用対象の割り当てを行う。また、制御部11は、各号機の運転を統括的に管理する。
制御部11は、例えば、管理部111、決定部112、割当部113、および通信制御部114を備える。
管理部111は、エレベータ4の運転を管理する。管理部111は、例えば、割当部113が決定したエレベータ4の号機に対し、当該号機に乗車する利用対象の出発階および行先階において停止するための停止階を設定した停止階設定指示を生成する。管理部111は、通信制御部114を介して、停止階設定指示を、当該エレベータ4の号機に対応するエレベータ制御装置3に送信する。また例えば、管理部111は、通信制御部114を介して、利用対象から割当依頼データを受信したか否かを判定する。管理部111は割当依頼データを受信した場合、割当依頼データに含まれる受信日時、登録元ID、利用対象属性、出発階、行先階、および変換人数Nを特定して、登録情報テーブル121に記憶する。
本実施形態では、管理部111は、各エレベータ4の運転を統括的に管理する。なお、管理部111がエレベータ制御装置3の機能を有してもよい。この場合、エレベータ管理システム100は、エレベータ制御装置3を備えていなくてもよい。
決定部112は、利用対象から割当依頼データを受信した場合、利用対象属性が自走型装置6であれば、自走型装置6の重量および/または水平方向の寸法を利用者の数に変換した変換値(変換人数N)に基づいて利用者数npsgを特定する。利用対象属性が利用者であれば、利用者数npsgを1とする。そして、自走型装置6の出発階から行先階までの間においてエレベータの号機に既に割り当てられた利用者数npsgおよびエレベータの号機に既に割り当てられた他の自走型装置6の変換人数Nとに基づき、割り当て可否を決定する。決定部112は、当該利用対象を割り当てることができるか否かを全ての号機について判定する。決定部112は、割り当てが可能である号機を、割当候補リスト122に記憶する。
割当部113は、割当候補リスト122に記憶された号機の中から最適号機を決定する。割当部113は、割当候補リスト122に記憶された号機の中から、例えば、出発階で待つ利用対象の待ち時間を算出し、最も短くなる号機を最適号機として選択する。
通信制御部114は、通信部13を制御して、行先階呼び登録装置2、エレベータ制御装置3、自走型装置管理装置5、自走型装置6との間で通信を行う。具体的には、通信制御部114は、行先階呼び登録装置2または自走型装置6から割当依頼データを受信し、行先階呼び登録装置2または自走型装置6へ最適号機の情報を送信する制御を行う。
記憶部12は、制御部11によって読み出される各種コンピュータプログラム、および、制御部11が実行する各種処理において利用されるデータ等が格納されている記憶装置である。記憶部12には、登録情報テーブル121が記憶されている。記憶部12には、割当候補リスト122も記憶されている。割当候補リスト122には、割り当てが可能である号機のNo.が記憶される。
表1に登録情報テーブル121の一例を示す。
登録情報テーブル121は、例えば、受信日時、登録元ID、利用対象属性、出発階、行先階、変換人数N、利用者数npsg、および最適号機の項目を有する。登録情報テーブル121には、例えば、エレベータ管理装置1が割当依頼データを受信した順に、割当依頼データに含まれる情報が登録されてよい。
管理部111は、割当依頼データを受信したときに、割当依頼データに含まれる受信日時、登録元ID、利用対象属性、出発階、行先階、および変換人数Nを特定して、「受信日時」、「登録元ID」、「利用対象属性」、「出発階」、「行先階」、および「変換人数N」の列に記憶する。「受信日時」の列には、エレベータ管理装置1が自走型装置6または利用者から割当依頼データを受信した日時が記憶される。「受信日時の列」には、例えば、年、月、日、時、分および秒が記憶される。「登録元ID」の列には、利用対象を識別する情報が記憶される。「登録元ID」の列には、利用対象の利用対象属性が利用者である場合、行先階呼び登録装置2のIDが記憶され、利用対象の利用対象属性が自走型装置6である場合、自走型装置6のIDが記憶される。「利用対象属性」の列には、利用対象に応じて「利用者」または「自走型装置」を示す情報が記憶される。「出発階」の列には、利用対象がエレベータ4に乗車する階が記憶される。「行先階」の列には、利用対象がエレベータ4から降車する階が記憶される。「変換人数N」の列には、利用対象が利用者である場合、情報が記憶されず、利用対象が自走型装置6である場合、自走型装置6を利用者の数に変換した上記変換人数Nが記憶される。
決定部112は登録情報テーブル121に記憶された変換人数Nを参照して利用者数npsgを特定し、「利用者数npsg」の列に記憶する。決定部112は、利用対象が利用者である場合、「1」を記憶する。決定部112は、利用対象が自走型装置6である場合、利用者数npsgとして特定した「変換人数N」の値を記憶する。割当部113は決定した割り当て可能な号機の中から最適号機を決定して「最適号機」の列に記憶する。
例えば、表1の「No.1」の行には、2021年12月8日の10時50分20秒に、登録元IDが「DESTREG-001」である行先階呼び登録装置2から割当依頼データを受け付けた場合の登録情報が示されている。登録元ID「DESTREG-001」は、1階に設置された行先階呼び登録装置2である。この行先階呼び登録装置2は、「1」階から「10」階への移動を希望する利用者による割当依頼操作を受け付けた装置である。利用者からの登録情報であるため、「変換人数N」の列には記憶されず、「利用者数npsg」の列に「1」と記憶される。この利用者には、割当部113により「1」号機が割り当てられ、「最適号機」の列に「1」が記憶されている。
表1の「No.2」の行には、2021年12月8日の10時51分5秒に受け付けた場合の登録情報が示されている。その登録情報は、自走型装置6から送信されており、登録元IDは「ROBOT-002」である。例えば、この自走型装置6は、「3」階から荷物を積んだ状態で移動し、「8」階において荷物を引き渡す作業を行う。それゆえ、「3」階から「8」階まで移動する間は、荷物を積んでいるため重く、「変換人数N」および「利用者数npsg」は「5.5」である。即ち、自走型装置6が荷物を持たない場合の「変換人数N」が「2.4」であるところ、荷物を積んでいるために「変換人数N」が「5.5」まで増加している。この自走型装置には、「1」号機が割り当てられている。
表1の「No.3」の行には、2021年12月8日の10時51分25秒に、登録元IDが「ROBOT-001」から割当依頼データを受け付けた場合の登録情報が示されている。例えば、この自走型装置6は、「2」階から荷物を積んだ状態で移動し、「9」階において荷物を引き渡す作業を行う。それゆえ、「3」階から「9」階まで移動する間は、荷物を積んでいるため重く、「変換人数N」および「利用者数npsg」は「3.5」である。即ち、自走型装置6が荷物を持たない場合の「変換人数N」が「1.5」であるところ、荷物を積んでいるために「変換人数N」が「3.5」まで増加している。ここでは、管理部111が、受信日時、登録元ID、利用対象属性、出発階、行先階、および変換人数Nを「受信日時」、「登録元ID」、「利用対象属性」、「出発階」、「行先階」、および「変換人数N」の列に記憶し、決定部112が利用者数npsgを特定して、「利用者数npsg」の列に記憶したところを示している。これから、決定部112により自走型装置6の1号機への割り当ての可否が決定され、さらに割当部113により最適号機が決定された後、最適号機が「最適号機」の列に記憶される。
登録情報テーブル121には全ての利用対象の登録情報が記憶されている。登録情報は利用対象から割当依頼データを受信する都度、利用者数npsgが特定される都度、および最適号機が決定される都度、更新される。上述したように、表1においては、行先階呼び登録装置2のIDが「DESTREG-001」である利用者およびIDが「ROBOT-002」である自走型装置6が既に1号機を割り当てられている。そして、IDが「ROBOT-001」である自走型装置6から割当依頼データを受信して、登録元ID、利用者属性、出発階、行先階、変換人数(N)を記憶された状態を示している。
通信部13は、無線LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークを介した通信を行うためのインタフェースである。通信部13は、行先階呼び登録装置2または自走型装置6から割当依頼データを受信し、最適号機の情報を行先階呼び登録装置2または自走型装置6に送信する。
(自走型装置6の構成)
続いて、自走型装置6の構成について、図3を用いて説明する。図3は、自走型装置6の構成の一例を示す図である。
自走型装置6は、エレベータ管理装置1と通信可能に接続されている自走機能を備える多機能装置である。自走型装置6は、自律走行あるいは自立歩行が可能なロボットであってもよい。
自走型装置6は、例えば、制御部60、移動機構64、通信部65、および記憶部66を備えている。制御部60はCPUであり、制御部60は、自走型装置6が備える各機能の処理を実行するように制御する。
制御部60は、例えば、管理部61、算出部62、および通信制御部63を備える。管理部61は、自走型装置6の動作を統括的に管理する。
管理部61は、自走型装置6がエレベータ4を利用するか否かを判定する。そして、管理部61は、自走型装置6が所在する階を出発階として特定し、エレベータから降車する階を行先階に特定する。
算出部62は、重量変換値Nw、寸法変換値Naを算出し、算出した重量変換値Nwおよび寸法変換値Naに基づいて、変換人数Nを求める。算出部62は、「自走型装置の重量および水平方向の寸法の少なくとも一方を利用者の数に変換した変換値を算出する算出部」に相当する。
通信制御部63は、通信部65を制御して、エレベータ管理装置1、および自走型装置管理装置5との間で通信を行う。具体的には、通信制御部63は、自走型装置管理装置5から荷物の運搬等の指示を受信する、エレベータ管理装置1へ割当依頼データを送信する、または、エレベータ管理装置1から最適号機の情報を受信する等の通信の制御を行う。通信制御部63は、「算出部が算出した前記変換値を示す変換情報を、エレベータの運転を管理するエレベータ管理装置に送信する送信部」に相当する。
記憶部66は、制御部60によって読み出される各種コンピュータプログラム、および、制御部60が実行する各種処理において利用されるデータ等が格納されている記憶装置である。なお、記憶部66には、登録情報テーブル661が記憶されている。
表2に登録情報テーブル661の一例を示す。
登録情報テーブル661は、利用対象属性、登録元ID、出発階、行先階、重量変換値Nw、寸法変換値Na、変換人数N、最適号機の項目を有する。「利用対象属性」の列には、利用対象の属性として、自走型装置を示す情報が登録される。「登録元ID」の列には、自走型装置6固有のIDが記憶されている。「出発階」および「行先階」の列には、管理部61が例えば自走型装置管理装置5からの運搬指示の受付け時に、該運搬指示と合わせて受け付けた出発階および行先階が記憶されている。
重量変換値Nwは、上述したように、自走型装置6の重量Weightに基づき算出された変換値であってもよい。「重量変換値Nw」の列には、自走型装置6の重量Weightを利用者の平均体重CWeightで除することにより、当該重量Weightを利用者の人数に変換した値が記憶される。平均体重CWeightは、エレベータの業界において一般的に用いられる体重であってよい。平均体重CWeightの一例として、65kgが挙げられる。寸法変換値Naは自走型装置6の水平方向の寸法に基づき算出された変換値である。「寸法変換値Na」の列には、自走型装置6の水平方向の寸法を、利用者の水平方向の平均寸法で除することにより、利用者の人数に変換した値が記憶される。水平方向の寸法は、例えば、自走型装置6および利用者を平面視したときの面積であってよい。この面積は、自走型装置6および利用者がエレベータ4に乗車したときに、エレベータ4を占有する占有面積Areaとなる。また、平均寸法は、例えば、平均体重の複数の利用者を平面視したときの面積の平均値CAreaであってよい。この平均値CAreaの一例として、0.8m2が挙げられる。
「変換人数N」の列には、算出部62により、重量変換値Nwおよび寸法変換値Naに基づいて特定された変換人数N、具体的には重量変換値Nwおよび寸法変換値Naの大きい方を選択して特定された変換人数Nが記憶されている。
管理部61は出発階および行先階の情報を受信する都度、「出発階」および「行先階」の列の出発階および行先階を更新する。算出部62は、後述するように、重量変換値Nwおよび寸法変換値Naを算出する都度、「重量変換値Nw」および「寸法変換値Na」の列の重量変換値Nwおよび寸法変換値Naを更新する。また、算出部62は、登録情報テーブル661に記憶した重量変換値Nwおよび寸法変換値Naを参照して変換人数Nを特定する都度、「変換人数N」の列の変換人数Nを更新する。通信制御部63は、登録情報テーブル661に記憶されている利用対象属性、登録元ID、出発階、行先階、および変換人数Nを含む割当依頼データを、エレベータ管理装置1へ送信する。管理部61は、エレベータ管理装置1から最適号機の情報を受信したとき、最適号機を登録情報テーブル661に記憶する。
例えば、表2には登録元IDが「ROBOT-001」である自走型装置6が、「2」階から荷物を積んだ状態で移動し、「9」階において荷物を引き渡す作業を行う場合を示す。「2」階から「9」階まで移動する間は、荷物を積んでいるため重く、「重量変換値Nw」は「3.5」である。即ち、自走型装置6が荷物を持たない場合の「重量変換値Nw」が「1.5」であるところ、荷物を積んでいるために「重量変換値Nw」が「3.5」まで増加している。「寸法変換値Na」は「0.09」であり、「重量変換値Nw」の「3.5」と比較して小さい。「変換人数N」として、「重量変換値Nw」の「3.5」の方が選択され、特定されている。「最適号機」として1号機が記憶されている。
移動機構64は、自走型装置6が移動するための駆動機構である。移動機構64は、車輪、キャタピラ、および歩行用の脚等任意の駆動機構であってもよい。
通信部65は、無線LAN等の通信ネットワークを介した通信を行うためのインタフェースである。通信部65は、自走型装置管理装置5から荷物の運搬等の指示を受信する、エレベータ管理装置1へ割当依頼データを送信する、エレベータ管理装置1から最適号機の情報を受信する等の通信を行う。
(エレベータ制御装置3およびエレベータ4の構成)
続いて、エレベータ制御装置3およびエレベータ4の構成について、図4を用いて説明する。図4は、エレベータ制御装置3およびエレベータ4の構成の一例を示す図である。
エレベータ4は、利用者等を乗車させるかご41、かご41の昇降を制御する運転制御盤40、および、号機毎に各階の乗場に設けられている扉42を備えている。
エレベータ制御装置3は、例えば、エレベータ4の号機毎に設けられており、エレベータ4と通信可能に接続されているコンピュータである。例えば、エレベータ制御装置3は、エレベータ4の運転を制御する。
エレベータ制御装置3は、制御部30を備えている。制御部30はCPUであり、制御部30は、エレベータ制御装置3が備える各機能の処理を実行するように制御する。
制御部30は、例えば、指示取得部31、運転状況管理部32、および扉開閉制御部33を備えている。
指示取得部31は、エレベータ管理装置1から最適号機の割り当て結果に伴う各種指示、および割当変更に伴う各種指示を取得する。指示取得部31が取得する指示としては、停止階設定指示、行先階設定指示等が挙げられる。
運転状況管理部32は、エレベータ4のかご41の位置、運転状況、各階の乗場の扉42の開閉状況等を示す各情報を、運転制御盤40から取得する。
扉開閉制御部33は、エレベータ管理装置1からの指示に応じて、指定された階の乗場の扉42の開閉を制御する。例えば、扉開閉制御部33は、エレベータ4に対して、指定された階の乗場のエレベータ4の扉42を開状態で保持させたり、該開状態の保持を解除させたりすることが可能である。
(エレベータ管理装置1が行う処理)
次に、エレベータ管理装置1が行う処理の一例について、図5を用いて説明する。図5は、エレベータ管理装置1の制御部11による処理の一例を示すフローチャートである。
管理部111は、行先階呼び登録装置2または自走型装置6が送信する割当依頼データを、通信制御部114を介して受信したか否かを判定する(ステップS1)。管理部111は、割当依頼データを受信していないと判定した場合(ステップS1:NO)、ステップS1を繰り返す。
決定部112は、管理部111により割当依頼データを受信していると判定した場合(ステップS1:YES)、割当依頼データに含まれる登録元ID、利用対象属性、出発階、行先階、および変換人数Nを特定するとともに、登録情報テーブル121に記憶する(ステップS2)。決定部112は、割当依頼データに含まれる利用対象属性が自走型装置6を示しているか否かを判定する(ステップS3)。決定部112は、自走型装置6から割当依頼データを受信した場合、割当依頼データには、自走型装置6を示す利用対象属性が含まれている。そのため、決定部112は、割当依頼データの送信元が自走型装置6であると判定する。決定部112は、行先階呼び登録装置2から割当依頼データを受信した場合、割当依頼データには、利用者を示す利用対象属性が含まれている。そのため、決定部112は、割当依頼データの送信元が利用者であると判定する。
決定部112は、割当依頼データの送信元が自走型装置6であると判定した場合(ステップS3:YES)、利用者数npsgとして、割当依頼データに含まれている変換人数Nを特定する(ステップS4)。決定部112は、割当依頼データの送信元が自走型装置6でない、即ち、利用者であると判定した場合(ステップS3:NO)、利用者数npsgを1とする(ステップS5)。
決定部112は、まず、号機のNo.であるcを1とする(ステップS6)。即ち、決定部112は、まず、1号機であるエレベータ4aに対する自走型装置6または利用者の割り当て可否を判定する。決定部112は、c号機に、割当依頼データに含まれる出発階および行先階の利用対象を、利用者数npsgが示す人数分乗車させたとき、定員n以下であるか否かを判定する(ステップS7)。決定部112は、例えば、登録情報テーブル121を参照し、当該利用対象の出発階から行先階までの間の各階床において、c号機に既に割り当てられている利用者または自走型装置6のnpsgの合計値に、当該利用対象のnpsgを加算する。そして、決定部112は、各階床において、定員n(例えば8人)以下であるか否かを判定する。なお、ステップS6直後のステップS7においては、決定部112は、エレベータ4aについての判定を行う。
一例として、表1に示すように、登録元IDが「DESTREG-001」である利用者、および登録元IDが「ROBOT-002」である自走型装置6に、既にエレベータ4aが割り当てられているとする。また、決定部112がエレベータ4aへの割り当て可否を判定するものであり、定員n=8であるとする。
制御部11が登録元IDが「ROBOT-001」である自走型装置6から割当依頼データを受信した場合を例に挙げる。当該自走型装置6の出発階において、利用者数npsgが1である利用者1人が既にエレベータ4aに乗車している。ここで、利用者数npsgが3.5である当該自走型装置6が2階で乗車し、既に割り当てられている、利用者数npsgが5.5である他の自走型装置6が3階で後から乗車するとする。このとき、3階での利用者数npsgの合計値は10(人)(=1+3.5+5.5)となる。決定部112は以上のように算出して、当該自走型装置6をエレベータ4aに乗車させたとき、定員(n=8)を超えると判定する。決定部112は、定員を超えるので、まだ割り当てられていない方の当該自走型装置6にエレベータ4aを割り当てないことになる。
仮に3階での利用者数npsgの合計値が8以下である場合、決定部112は、さらに上層の階における上記の判定を行う。以上のように、決定部112は、割当を依頼した利用対象の出発階から行先階までの間の各階床において、利用者数npsgが定員n以下であるか否かの判定を行う。利用対象の出発階から行先階までの間の全ての階床において、利用者数npsgの合計値が定員n以下である場合に、決定部112は、当該自走型装置6をエレベータ4aに乗車させたとき、定員以下であると判定する。
決定部112は、利用者数npsgの合計値が定員nを超えると判定した場合(ステップS7:NO)、処理をステップS9へ進める。決定部112は、利用者数npsgの合計値が定員n以下であると判定した場合(ステップS7:YES)、決定部112の判定対象であったc号機のNo.を割当候補リスト122に加える(ステップS8)。そして、決定部112は、cの値に1を加える(ステップS9)。
例えば、決定部112は、ステップS6直後のステップS7を経て、ステップS8の処理を実行する場合、割当候補リスト122に、エレベータ4aを示す「1」の値を追加する。そして、決定部112は、ステップS9においてc=2とし、2号機に含まれるエレベータ4bを決定部112による判定対象とする。
決定部112は、cが総号機数mより大きいか否かを判定する(ステップS10)。決定部112は、cが総号機数m以下であると判定した場合(ステップS10:NO)、処理をステップS7へ戻す。これにより、全ての号機に対して決定部112は処理を実行する。
決定部112によりcが総号機数mより大きいと判定された場合(ステップS10:YES)、エレベータ管理システム100が備える全エレベータに対して、決定部112による判定処理が実行されたことになる。そのため、この場合、割当部113は、割当候補リスト122の中から最適号機を選択し、選択した号機を最適号機として決定する(ステップS11)。割当部113は、上述したように、例えば出発階における利用対象の待ち時間が最も短くなる号機を最適号機として決定する。
通信制御部114は、最適号機の情報を、割当依頼データを送信してきた利用対象に送信し(ステップS12)、処理を終了する。利用対象が自走型装置6である場合、通信制御部114は、当該自走型装置6に最適号機の情報を送信する。利用対象が利用者である場合、通信制御部114は、当該利用者が割当依頼操作を行った行先階呼び登録装置2に最適号機の情報を送信する。
(エレベータ管理装置1の制御方法)
エレベータ管理装置1の制御方法は、複数階床を有する建物に設けられたエレベータ4の運転を管理する管理ステップと、エレベータ4への自走型装置6の割り当て可否を決定する決定ステップと、を含む。管理ステップでは、エレベータ管理装置1の管理部111によりエレベータ4の運転を管理する。上述のステップS1が管理ステップに相当する。
決定ステップでは、自走型装置6の重量変換値Nwおよび寸法変換値Naに基づく変換人数Nと、自走型装置6の出発階から行先階までの間においてエレベータ4の号機に既に割り当てられた利用者の利用者数npsgおよび他の自走型装置6の利用者数npsgとに基づいて、割り当て可否を決定する。上述のステップS6が決定ステップに相当する。
(自走型装置6が行う処理)
図6は、自走型装置6の制御部60による上記処理の一例を示すフローチャートである。
管理部61は、エレベータ4を利用するか否かを判定する(ステップS21)。管理部61は、例えば自走型装置管理装置5から、所定の階へ荷物を運搬することを示す運搬指示を受付けた場合に、エレベータ4を利用すると判定する。
管理部61によりエレベータ4を利用すると判定された場合(ステップS21:YES)、算出部は、重量変換値Nwを算出する(ステップS22)。算出部62は、一例として下記式(1)より重量変換値Nwを算出し、登録情報テーブル661に記憶する;
Nw=Weight/CWeight・・・(1)
但し、Weight:現時点での自走型装置6の重量
CWeight:人の重量の平均値(一例として65kg)
例えば自走型装置6の重量Weightが230kgである場合、230/65≒3.5(人)と算出され、重量変換値Nwは3.5となる。
算出部62は、寸法変換値Naを算出する(ステップS23)。算出部62は、一例として下記式(2)より寸法変換値Naを算出する。ここでは、寸法変換値Naとして、平面視における自走型装置6の一方向の寸法(以下、横寸法と称する)の最大値に、当該一方向と略垂直方向の寸法(以下、縦寸法と称する)の最大値を乗じて得られる面積である占有面積Areaを用いる。算出部62は、登録情報テーブル661に寸法変換値Naを記憶する;
Na=Area/CArea・・・(2)
但し、Area:現時点の自走型装置6の横寸法および縦寸法から算出される占有面積
CArea:平均的な体格を有する人の横寸法および縦寸法から算出される占有面積(一例として、0.8m2)
算出部62は、重量変換値Nw>寸法変換値Naであるか否かを判定する(ステップS24)。算出部62は、重量変換値Nw>寸法変換値Naであると判定した場合(ステップS24:YES)、重量変換値Nwを変換人数Nとし、登録情報テーブル661に記憶する(ステップS25)。
算出部62は、重量変換値Nw>寸法変換値Naでない、即ち、重量変換値Nw≦寸法変換値Naと判定した場合(ステップS24:NO)、寸法変換値Naを変換人数Nとし、登録情報テーブル661に記憶する(ステップS26)。
即ち、算出部62は、重量変換値Nwおよび寸法変換値Naのうちの大きい方を変換人数Nとして特定する。そのため、エレベータ管理装置1が変換人数Nを利用者数npsgに特定するときに、重量変換値Nwおよび寸法変換値Naのうちの大きい方を用いることができる。そのため、エレベータ管理装置1による割り当て可否の決定において、より確実に乗車不可能状態が生じる可能性を低減できる。なお、ステップS25およびS26の処理は逆順で行われてもよいし、または、並行して行ってもよい。
管理部61は、例えば自走型装置管理装置5から運搬指示を受付けた場合に、出発階(自走型装置6が所在する階)および行先階を示す情報もあわせて受信して登録情報テーブル661に記憶している。そのため、管理部61は、登録情報テーブル661を参照することにより、自走型装置6の出発階および行先階を特定する(ステップS27)。
その後、通信制御部63は、エレベータ管理装置1へ、割当依頼データを送信する(ステップS28)。通信制御部63は、割当依頼データとして、登録情報テーブル661を参照して、例えば利用対象属性および登録元IDと共に、上記のように特定された出発階、行先階および変換人数Nを含む情報を送信する。
その後、管理部61は、通信制御部63を介して、エレベータ管理装置1から最適号機の情報を受信したか否かを判定する(ステップS29)。管理部61は、最適号機の情報を受信していないと判定した場合(ステップS29:NO)、ステップS29を繰り返す。
管理部61は、最適号機の情報を受信したと判定した場合(ステップS29:YES)、最適号機を登録情報テーブル661に記憶し(ステップS30)、処理を終了する。
(自走型装置6が行う、重量変換値Nwおよび寸法変換値Naの更新処理)
上記図6に示す処理においては、管理部61が自走型装置6がエレベータ4を利用すると判定する都度、重量変換値Nwおよび寸法変換値Naを算出する場合につき説明したが、これに限定されない。算出部62は、自走型装置6の重量が変化した都度、重量変換値Nwを算出し、登録情報テーブル661に記憶してもよい。また、算出部62は、自走型装置6の水平方向の寸法が変化した都度、寸法変換値Naを算出し、登録情報テーブル661に記憶してもよい。この場合、制御部60は、エレベータ4を利用すると判定した場合、登録情報テーブル661から重量変換値Nwおよび寸法変換値Naを読み出して、上記ステップS24~S30の処理を行うことにしてもよい。
図7は、自走型装置6の制御部60による上記処理の一例を示すフローチャートである。
算出部62は、自走型装置6の重量Weightが変化したか否かを判定する(ステップS31)。重量Weightは、例えば自走型装置6に荷物が積まれており、自走型装置6が荷物を運搬している場合と、荷物を受け取りに行く、即ち自走型装置6に荷物が積まれていない場合とでは異なる。また、重量Weightは、例えば自走型装置6に荷物が積み足されたり、降ろされたりすれば、その都度変化する。算出部62は、例えば自走型装置管理装置5によりBkgの荷物を運搬する旨の運搬指示された場合、自走型装置6の重量Weightが変化したと判定する。この場合、自走型装置6がBkgの荷物を保有することになり、例えば自重Akgから+Bkg増加することになるためである。算出部62は、例えば上記運搬指示を受付けていない場合、重量Weightが変化していないと判定する。この場合(ステップS31:NO)、算出部62は処理をステップS33へ進める。
算出部62は、重量Weightが変化したと判定した場合(ステップS31:YES)、上記式(1)の重量Weightに((A+B)kg)を代入して重量変換値Nwを算出し、登録情報テーブル661の値を更新する(ステップS32)。
また、算出部62は、占有面積Areaが変化したか否かを判定している(ステップS33)。占有面積Areaは、例えば水平方向の寸法が大きい荷物を積むこと等により大きくなる。算出部62は、例えば自走型装置6自体の占有面積AreaがCm2であり、自走型装置管理装置5により平面視の占有面積AreaがDm2である荷物を横置きの状態で運搬する旨の運搬指示を受付けた場合、占有面積AreaがDm2に変化したと判定する(ステップS33:YES)。算出部62は、上記式(2)の占有面積AreaにDm2を代入して寸法変換値Naを算出し、登録情報テーブル661の値を更新し(ステップS34)、処理を終了する。
なお、ステップS31およびステップS32と、ステップS33およびステップS34とは、逆順であってもよいし、並行して行われてもよい。また、制御部60は、ステップS32において重量変換値Nwを更新せず、重量Weightを更新してもよい。この場合、算出部62は、上記図6のステップS22における重量変換値Nwの算出において、重量Weightを用いる。同様に、算出部62は、ステップS34において寸法変換値Naを更新せず、占有面積Areaを更新してもよい。この場合、算出部62は、上記図6のステップS23における寸法変換値Naの算出において、占有面積Areaを用いる。
以上のように、実施形態1においては、利用対象が自走型装置6である場合、自走型装置6の実際の重量Weightおよび占有面積Areaに基づいて算出された、当該利用対象の変換人数Nにより決定部112が利用者数npsgを特定する。従って、決定部112は、号機の利用対象の出発階から行先階までの各階床における利用者数npsgの合計値を精度良く算出でき、乗車不可能状態が生じる可能性を低減できるように、割り当て可否を決定することができる。
(変形例)
上記実施形態1においては、自走型装置6が重量Weightおよび占有面積Areaに基づいて変換人数Nを算出する場合につき説明しているが、この場合に限定されない。算出部62は、重量Weightまたは占有面積Areaのいずれか一方を用いて変換人数Nを算出してもよい。
算出部62は、寸法変換値Naを算出する際に、上述した占有面積Areaに代えて、利用対象の水平方向の寸法として、利用対象を平面視したときの一方向の寸法である横寸法、当該一方向と略垂直方向の寸法である縦寸法を用いてもよい。または、算出部62は、横寸法および縦寸法により形成される四角形の対角線等を用いてもよい。
また、利用者の利用者数npsgは一律に1とせず、例えば車椅子の利用者に対しては、所定の数が割り当てられてもよい。また、利用者が複数人のグループとして割当依頼を行った場合、当該グループの人数を利用者数npsgとしてもよい。
[実施形態2]
図8は、実施形態2に係るエレベータ管理装置51の構成の一例を示す図である。エレベータ管理装置51の制御部11は算出部115を備える。実施形態2に係るエレベータ管理装置51においては、算出部115が、重量変換値Nwおよび寸法変換値Naを算出する。
実施形態2の自走型装置6の記憶部66の登録情報テーブル661には、実施形態1の登録情報テーブル661の変換人数N、重量変換値Nw、および寸法変換値Naの項目に代えて、重量Weight(kg)、および占有面積Area(m2)の項目が記憶されている。登録情報テーブル661の一例を下記表3に示す。
実施形態2に係る登録情報テーブル661は、利用対象属性、登録元ID、出発階、行先階、重量Weight(kg)、占有面積Area(m2)、最適号機等の項目を有する。利用対象属性、登録元ID、出発階、行先階、最適号機の列は、実施形態1の登録情報テーブル661の利用対象属性、登録元ID、出発階、行先階、最適号機の列と同様の内容が記憶されている。「重量Weight(kg)」の列には、自走型装置6の算出部62が算出した重量Weightが記憶されている。算出部62は重量Weightを算出する都度、「重量Weight(kg)」の列の値を更新する。「占有面積Area(m2)」の列には、算出部62が算出した占有面積Areaが記憶されている。算出部62は占有面積Areaを算出する都度、「占有面積Area(m2)」の列の値を更新する。
例えば、表3には登録元IDが「ROBOT-003」である自走型装置6が、「2」階から荷物を積んだ状態で移動し、「9」階において荷物を引き渡す作業を行う場合を示す。当該自走型装置6の自重は14kgであり、36kgの荷物を積んでいるので、合計重量である重量Weightは50kgになっている。自走型装置6自体の占有面積は0.18m2であるところ、荷物を積んでいるため、占有面積は0.25m2と大きくなっている。自走型装置6の重量Weightおよび占有面積は作業内容等に応じて変化し、都度更新される。エレベータ管理装置51は、自走型装置6から取得した重量Weightおよび占有面積Areaに基づいて重量変換値Nwおよび寸法変換値Naを算出する。エレベータ管理装置51は算出した重量変換値Nwおよび寸法変換値Nに基づいて変換人数Nを特定し、変換人数Nに基づいて利用者数npsgを特定し、号機に割り当てるか否かを判定する。
(エレベータ管理装置51が行う処理)
図9は、エレベータ管理装置51の制御部11により重量変換値Nwおよび寸法変換値Naを算出し、利用者数npsgを登録情報テーブル121に記憶するまでの処理の手順を示すフローチャートである。
管理部111は、通信制御部114を介して、行先階呼び登録装置2または自走型装置6が送信する割当依頼データを受信したか否かを判定する(ステップS41)。実施形態2においては、割当依頼データには、利用対象属性、登録元ID、出発階、行先階、割当依頼時の自走型装置6の重量Weight、および割当依頼時の自走型装置6の占有面積Areaが含まれている。ここで、割当依頼時の重量Weightおよび占有面積Areaとは、登録情報テーブル661に割当依頼時に記憶されている重量Weightおよび占有面積Areaをいう。管理部111は、割当依頼データを受信していないと判定した場合(ステップS41:NO)、ステップS41を繰り返す。
決定部112は、割当依頼データを受信していると判定した場合(ステップS41:YES)、利用対象属性が自走型装置6であるか否かを判定する(ステップS42)。
算出部115は、利用対象属性が自走型装置6であると判定した場合(ステップS42:YES)、重量変換値Nwを算出する(ステップS43)。算出部115は、一例として上記式(1)に、割当依頼データに含まれている重量Weightを代入し、重量変換値Nwを算出する。
また、算出部115は、寸法変換値Naを算出する(ステップS44)。算出部115は、一例として上記式(2)に、割当依頼データに含まれている占有面積Areaを代入し、寸法変換値Naを算出する。なお、ステップS43およびステップS44は、逆順で実行されてもよいし、並行して行われてもよい。
算出部115は、重量変換値Nw>寸法変換値Naであるか否かを判定する(ステップS45)。算出部115は、重量変換値Nw>寸法変換値Naであると判定した場合(ステップS45:YES)、重量変換値Nwを変換人数Nとする(ステップS46)。
算出部115は、重量変換値Nw>寸法変換値Naでない、即ち、重量変換値Nw≦寸法変換値Naと判定した場合(ステップS45:NO)、Naを変換人数Nとする(ステップS47)。
その後、決定部112は、利用者数npsgとして、変換人数Nを特定する(ステップS48)。
一方、決定部112は、利用対象属性は自走型装置6でない、即ち、利用者であると判定した場合(ステップS42:NO)、利用者数npsgを1とする(ステップS49)。その後、制御部11は、図5のフローチャートのステップS6~S12の処理を行う。
(自走型装置6が行う処理)
図10は、自走型装置6の制御部60による処理の一例を示すフローチャートである。
管理部61は、エレベータ4を利用するか否かを判定する(ステップS51)。管理部61は、エレベータ4を利用しないと判定した場合(ステップS51:NO)、ステップS51を繰り返す。
算出部62は、管理部61によりエレベータ4を利用すると判定された場合(ステップS51:YES)、重量Weightを算出し、登録情報テーブル661に記憶する(ステップS52)。算出部62は、例えば自重がAkgであり、自走型装置管理装置5からBkgの荷物を運搬する旨の運搬指示を受付けた場合、(A+B)kgを重量Weightとする。算出部62は、自走型装置6が建物のフロアに設置されている重量計を用いて得られた重量を重量Weightとしてもよい。算出部62は、予め所定の時間間隔で重量Weightを算出して登録情報テーブル661に記憶しておき、ステップS51でエレベータ4を利用すると判定した場合に、登録情報テーブル661を読み出して重量Weightを取得してもよい。
算出部62は、占有面積Areaを算出し、登録情報テーブル661に記憶する(ステップS53)。算出部62は、例えば自走型装置6自体の占有面積がCm2であり、自走型装置管理装置5により平面視の占有面積(横寸法×縦寸法)がDm2である荷物を横置きの状態で運搬するように指示されている場合、占有面積AreaはDm2であると算出する。算出部62は、予め所定の時間間隔で占有面積Areaを求めて登録情報テーブル661に記憶しておき、ステップS51でエレベータを利用すると判定した場合に、登録情報テーブル661を読み出して占有面積Areaを取得してもよい。
その後、管理部61は、自走型装置6の出発階および行先階を特定し、登録情報テーブル661に記憶する(ステップS54)。なお、ステップS54の処理は、ステップS52およびステップS53の何れかの処理前に実行されてもよい。
その後、通信制御部63は、登録情報テーブル661から利用対象属性、登録元ID、出発階、行先階、重量Weight、および占有面積Areaを読み出し、これらの情報を含む割当依頼データをエレベータ管理装置51へ送信する(ステップS55)。
その後、管理部61は、通信制御部63を介して、エレベータ管理装置51から最適号機を受信したか否かを判定する(ステップS56)。管理部61は、最適号機を受信していないと判定した場合(ステップS56:NO)、ステップS56を繰り返す。管理部61は、最適号機を受信したと判定した場合(ステップS56:YES)、最適号機を登録情報テーブル661に記憶し(ステップS57)、処理を終了する。
実施形態2によれば、エレベータ管理装置51によって重量変換値Nwおよび寸法変換値Naが算出されるため、自走型装置6に重量変換値Nwおよび寸法変換値Naの算出機能を持たせる必要が無い。そのため、例えば処理能力が高くなく、当該算出機能を持たせることが困難な自走型装置6の割り当て可否を決定する場合においても、乗車不可能状態が生じる可能性を低減できる。
[実施形態3]
実施形態3に係るエレベータ管理装置61は、利用対象属性が自走型装置6である場合、管理部111は割当依頼データに含まれる登録元IDに基づいて、重量変換値Nwおよび寸法変換値Naを登録情報テーブル121から取得する。実施形態3に係る登録情報テーブル121は、利用対象属性が自走型装置6である場合の利用対象に対しては、重量変換値Nwおよび寸法変換値Naを記憶している。この場合の登録情報テーブル121の一例を下記表4に示す。
登録情報テーブル121は、例えば、登録元ID、利用対象属性、重量変換値Nw、寸法変換値Na、受信日時、出発階、行先階、変換人数N、利用者数npsg、および最適号機の項目を有する。登録情報テーブル121の「重量変換値Nw」の列には、利用対象属性が自走型装置6である場合、重量変換値Nwが記憶されている。「寸法変換値Na」の列には、利用対象属性が自走型装置6である場合、寸法変換値Naが記憶されている。「重量変換値Nw」および「寸法変換値Na」の列には、自走型装置6毎に算出された、平均の重量変換値Nwおよび寸法変換値Naを記憶してもよい。エレベータ管理装置61は、各自走型装置6の使用実績を管理しており、使用実績を考慮して重量変換値Nwおよび寸法変換値Naを求めて登録情報テーブル121に記憶してもよい。また、所定の時間間隔で、自走型装置管理装置5から、自走型装置6のその時点での荷物の重量および占有面積等を取得し、重量変換値Nwおよび寸法変換値Naを算出して更新してもよい。
「受信日時」、「出発階」、および「行先階」の列には、実施形態1と同様に、エレベータ管理装置61が割当依頼データを受信したときに、受信日時、出発階、行先階が記憶される。利用対象属性が自走型装置6である場合、管理部111は、登録元IDに基づいて、重量変換値Nwおよび寸法変換値Naを登録情報テーブル121から取得し、重量変換値Nwおよび寸法変換値Naに基づいて変換人数Nを求め、「変換人数N」の列に記憶する。利用者数npsgおよび最適号機は、実施形態1と同様にして求められ、「利用者数npsg」および「最適号機」の列に記憶される。
例えば、表4の「No.1」の行には、2021年12月8日の10時50分20秒に、登録元IDが「DESTREG-001」である行先階呼び登録装置2を介して利用者から割当依頼データを受け付けた場合の登録情報が示されている。出発階および行先階はそれぞれ、「1」階および「10」階である。「利用者数npsg」は「1」であり、「最適号機」として「1」が記憶されている。
表4の「No.2」の行には、2021年12月8日の10時51分5秒に、登録元IDが「ROBOT-001」である自走型装置6から割当依頼データを受け付けた場合の登録情報が示されている。出発階および行先階はそれぞれ、「2」階および「9」階である。受け付けた時点での重量変換値Nwおよび寸法変換値Naはそれぞれ、「3.5」、「3.0」である。管理部111は重量変換値Nwおよび寸法変換値Naのうちの大きい方の「3.5」を変換人数Nとして特定し、「変換人数N」の列に記憶している。「利用者数npsg」として「変換人数N」の「3.5」が記憶され、「最適号機」として「1」が記憶されている。
表4の「No.3」の行には、2021年12月8日の10時51分25秒に、登録元IDが「ROBOT-002」である行先階呼び登録装置2から割当依頼データを受け付けた場合の登録情報が示されている。出発階および行先階はそれぞれ、「3」階および「8」階である。受け付けた時点での重量変換値Nwおよび寸法変換値Naはそれぞれ、「0.4」、「0.5」である。管理部111は重量変換値Nwおよび寸法変換値Naのうちの大きい方の「0.5」を変換人数Nとして特定し、「変換人数N」の列に記憶している。「利用者数npsg」として「変換人数N」の「0.5」が記憶され、「最適号機」として「1」が記憶されている。
(エレベータ管理装置61が行う処理)
図11は、エレベータ管理装置61の制御部11が重量変換値Nwおよび寸法変換値Naを取得し、利用者数npsgを登録情報テーブル121に記憶するまでの処理を示すフローチャートである。
管理部111は、通信制御部114を介して、行先階呼び登録装置2または自走型装置6が送信する割当依頼データを受信したか否かを判定する(ステップS61)。管理部111は、割当依頼データを受信していないと判定した場合(ステップS61:NO)、ステップS61を繰り返す。割当依頼データは、利用対象属性、登録元ID、出発階、および行先階を含む情報である。
管理部111は、割当依頼データを受信していると判定した場合(ステップS61:YES)、割当依頼データに基づいて、利用対象属性が自走型装置6であるか否かを判定する(ステップS62)。
管理部111は利用対象属性が自走型装置6であると判定した場合(ステップS62:YES)、登録情報テーブル121から重量変換値Nwを取得する(ステップS63)。また、管理部111は、登録情報テーブル121から寸法変換値Naを取得する(ステップS64)。ステップS63およびステップS64は、逆順に実行されてもよいし、並行して実行されてもよい。
管理部111は、重量変換値Nw>寸法変換値Naであるか否かを判定する(ステップS65)。管理部111は、重量変換値Nw>寸法変換値Naであると判定した場合(ステップS65:YES)、重量変換値Nwを変換人数Nとする(ステップS66)。管理部111は、重量変換値Nw>寸法変換値Naでない、即ち、重量変換値Nw≦寸法変換値Naと判定した場合(ステップS65:NO)、寸法変換値Naを変換人数Nとする(ステップS67)。
決定部112は、利用者数npsgとして、変換人数Nを特定する(ステップS68)。決定部112は、利用対象属性は自走型装置6でない、即ち、利用者であると判定した場合(ステップS62:NO)、利用者数npsgを1とする(ステップS69)。その後、制御部11は、図5のフローチャートのステップS6~S12の処理を行う。
実施形態3によれば、登録情報テーブル121に記憶されている重量変換値Nwおよび寸法変換値Naに基づいて、迅速に利用者数npsgを特定して、自走型装置6の割り当ての可否を決定することができる。また、自走型装置6に重量変換値Nwおよび寸法変換値Naの算出機能を持たせる必要が無い。そのため、例えば処理能力が高くなく、当該算出機能を持たせることが困難な自走型装置6の割り当て可否を決定する場合においても、乗車不可能状態が生じる可能性を低減できる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
エレベータ管理装置1、51、61、自走型装置管理装置5、自走型装置6、エレベータ制御装置3の制御ブロック(特に制御部11、60)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、エレベータ管理装置1、51、61、自走型装置管理装置5、自走型装置6、エレベータ制御装置3は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等を用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)等をさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
以上のように、本発明の態様1に係るエレベータ管理装置は、複数階床を有する建物に設けられたエレベータの運転を管理する管理部と、前記エレベータへの自走型装置の割り当て可否を決定する決定部と、を備え、前記決定部は、前記自走型装置の重量および水平方向の寸法の少なくとも一方を利用者の数に変換した変換値と、前記自走型装置の出発階から行先階までの間において前記エレベータに既に割り当てられた利用者の数および前記エレベータに既に割り当てられた他の自走型装置の前記変換値とに基づき、前記割り当て可否を決定する。
エレベータ管理装置は、割り当て可否を決定するときに、自走型装置の数(台数)に代えて、自走型装置の重量および/または水平方向の寸法を利用者の数に変換した変換値を用いる。
エレベータ管理装置は、変換値を用いることにより、実際の自走型装置の重量および/または水平方向の寸法と同等の値に基づき、割り当て可否を決定できる。そのため、利用対象を乗車可能なエレベータに割り当て、乗車不可能なエレベータには割り当てないことが可能である。
本発明の態様2に係るエレベータ管理装置は、上記態様1において、前記決定部は、前記自走型装置によって算出された前記変換値に基づき、前記割り当て可否を決定する構成であってもよい。
上記構成によれば、エレベータ管理装置は、自走型装置によって算出された変換値に基づき、割り当て可否を決定できる。また、自走型装置によって変換値が算出されるため、エレベータ管理装置に変換値の算出機能を持たせる必要が無い。そのため、汎用のエレベータ管理装置によって、上記乗車不可能状態が生じる可能性を低減できる。
本発明の態様3に係るエレベータ管理装置は、上記態様1において、前記自走型装置によって計測された前記自走型装置の重量および前記寸法の少なくとも一方に基づき前記変換値を算出する算出部をさらに備え、前記決定部は、前記算出部が算出した前記変換値に基づき、前記割り当て可否を決定する構成であってもよい。
上記構成によれば、エレベータ管理装置は、自走型装置によって計測された自走型装置の重量および/または水平方向の寸法に基づき、割り当て可否を決定できる。また、エレベータ管理装置によって変換値が算出されるため、自走型装置に変換値の算出機能を持たせる必要が無い。そのため、例えば処理能力が高くなく、当該算出機能を持たせることが困難な自走型装置の割り当て可否を決定する場合においても、上記乗車不可能状態が生じる可能性を低減できる。
本発明の態様4に係るエレベータ管理装置は、上記態様1から3いずれかにおいて、前記決定部は、前記自走型装置の重量に基づく変換値と、前記自走型装置の前記寸法に基づく変換値と、のうちの大きい方を用いて、前記割り当て可否を決定する構成であってもよい。
上記構成によれば、エレベータ管理装置は、割り当て可否の決定において、より確実に上記乗車不可能状態が生じる可能性を低減できる。
本発明の態様5に係るエレベータ管理装置の制御方法は、複数階床を有する建物に設けられたエレベータの運転を管理する管理ステップと、前記エレベータへの自走型装置の割り当て可否を決定する決定ステップと、を含み、前記決定ステップでは、前記自走型装置の重量および水平方向の寸法の少なくとも一方を利用者の数に変換した変換値と、前記自走型装置の出発階から行先階までの間において前記エレベータに既に割り当てられた利用者の数および前記エレベータに既に割り当てられた他の自走型装置の前記変換値とに基づき、前記割り当て可否を決定する。
上記構成によれば、変換値を用いることにより、実際の自走型装置の重量および/または水平方向の寸法と同等の値に基づき、割り当て可否を決定できる。そのため、乗車不可能状態が生じる可能性を低減できる。
本発明の態様6に係るエレベータ管理システムは、上記態様1から4のいずれかのエレベータ管理装置と、前記自走型装置と、を含む。
上記構成によれば、利用者および自走型装置を、乗車不可能状態の発生が低減した状態で、エレベータの号機に割り当てることができる。
本発明の態様7に係る自走型装置は、複数階床を有する建物に設けられたエレベータに乗降する自走型装置であって、前記自走型装置の重量および水平方向の寸法の少なくとも一方を利用者の数に変換した変換値を算出する算出部と、前記算出部が算出した前記変換値を示す変換情報を、前記エレベータの運転を管理するエレベータ管理装置に送信する送信部と、を備える。
上記構成によれば、自走型装置は、自走型装置の重量および/または水平方向の寸法を利用者の数に変換した変換値を示す変換情報を、エレベータ管理装置に送信する。そのため、エレベータ管理装置は、実際の自走型装置の重量または水平方向の寸法と同等の値に基づき、割り当て可否を決定できる。そのため、自走型装置が、割り当てられたエレベータに乗車できないという乗車不可能状態が生じる可能性を低減できる。
本発明の態様8に係る自走型装置は、上記態様7において、前記送信部は、前記自走型装置の重量に基づき算出された変換値と、前記自走型装置の前記寸法に基づき算出された変換値と、のうちの大きい方を、前記変換情報として前記エレベータ管理装置に送信する。
上記構成によれば、エレベータ管理装置は、割り当て可否の決定において、より確実に上記乗車不可能状態が生じる可能性を低減できる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。