〔実施形態1〕
<乗場行先階登録システム100>
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る乗場行先階登録システム100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、乗場行先階登録システム100は、群管理制御装置1、行先階登録装置2、移動装置3、エレベータ制御装置4、およびエレベータ5を備える。
乗場行先階登録システム100が備える行先階登録装置2、移動装置3、エレベータ制御装置4、およびエレベータ5は、それぞれ1つであってもよいし、複数であってもよい。本実施形態では、行先階登録装置2、移動装置3、エレベータ制御装置4、およびエレベータ5がそれぞれ複数設けられる構成を例に挙げて説明する。
群管理制御装置1は、利用者、移動装置3、または移動装置3の操縦者から受け付けた出発階および行先階を示す乗場行先階呼びに対して最適な号機を割り当てる。エレベータ制御装置4は、群管理制御装置1の割当結果に基づきエレベータ5の号機のかご51を動作させる。
以下、利用者による乗場行先階呼びを「第1乗場行先階呼び」と称し、移動装置3または移動装置3の操縦者から受け付けた乗場行先階呼びを「第2乗場行先階呼び」と称する。また、第2乗場行先階呼びに対して割り当てられたエレベータ5の号機を「注目号機」と称する。
乗場行先階登録システム100では、第2乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられてから該注目号機に移動装置3が乗車して移動装置3の行先階に到着するまでの期間において第1乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられる状況が発生し得る。このような状況が発生した場合、乗場行先階登録システム100は、利用者の出発階における移動装置3の乗降予定を示す予定情報を行先階登録装置2の提示装置23に提示させる。
これにより、乗場行先階登録システム100は、第1乗場行先階呼びを登録し、注目号機が割り当てられた利用者に対して、注目号機を利用する移動装置3の乗降予定を把握させることができる。
従来、乗場行先階呼びに基づく割当を行うシステムにおいて、移動装置と同じ号機に割り当てられたとしても、該号機のかごに乗車するときに移動装置と居合せる状況が生じないのであれば、利用者に心理的負荷がかかることは無い。一方、当該システムにおいて、利用者が移動装置と居合せる状況が生じる場合には、利用者に心理的負荷がかかる可能性がある。そのような状況としては、例えば、利用者の出発階で該利用者が乗車する予定の号機のかごから移動装置が降車してくる状況、利用者の出発階で該利用者が乗車する予定の号機のかごに移動装置が乗車する状況、および、利用者が乗車する予定の号機のかごに移動装置が乗車している状況などが想定される。
特許文献1に記載の発明では、利用者が乗場行先階呼びを登録した時点では、該利用者は、該利用者が将来的にかごに乗車するときにおける移動装置の状態を把握することができなかった。例えば、利用者が3階から乗車する場合であって1階に存在するかごに移動装置が乗車している場合、該移動装置が3階でも乗車している状態であるかは利用者が乗場行先階呼びを登録した時点ではわからなかった。
これに対して、本実施形態に係る乗場行先階登録システム100は、第1乗場行先階呼びおよび第2乗場行先階呼びを受け付ける受付部111と、受け付けた乗場行先階呼びに対して号機を割り当てる割当部112と、提示装置23に情報を提示させる提示部113と、を備える。提示部113は、利用者の出発階および行先階のいずれか一方における移動装置3の乗降予定を提示装置23に提示させる。提示部113は、第2乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられてから該注目号機に移動装置3が乗車して移動装置3の行先階に到着するまでの期間において第1乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられた場合であって、前記利用者の乗車時および降車時に同じ前記号機のかごを利用する前記移動装置と前記利用者とが遭遇する場合に提示制御を行う。
上記構成によれば、乗場行先階登録システム100は、利用者が第1乗場行先階呼びの登録を行った時点で、第1乗場行先階呼びに割り当てた号機を利用する移動装置3の乗降予定に関する予定情報122を利用者に知らせることができる。
これにより、乗場行先階登録システム100は、利用者の心理的負荷を効果的に軽減することができる。また、移動装置3のためのスペース確保および移動装置との衝突回避などへの配慮が必要であることを利用者に事前に知らせることが可能であるため、移動装置3が乗降動作を円滑に行うことを可能とするという効果も奏する。
<行先階登録装置2>
以下、乗場行先階登録システム100が備える各装置および処理の詳細について説明する。
行先階登録装置2は、利用者が第1乗場行先階呼びを登録するために利用する装置である。行先階登録装置2は、各階床の乗場に設けられていてもよい。また、1つの階床に複数台の行先階登録装置2が設けられていてもよい。また、利用者が所持するスマートフォン等の端末装置が行先階登録装置2の機能を有していてもよい。
図1に示すように、行先階登録装置2は、入力部21、制御部22、および提示装置23を備える。入力部21は、例えば、タッチパネル等の装置であり、利用者による第1乗場行先階呼びを登録するための操作、例えば行先階を入力する操作を受け付ける。入力部21は、受け付けた操作を示す信号を制御部22に出力する。提示装置23は、利用者が第1乗場行先階呼びを行うために使用した行先階登録装置2が備えるディスプレイ等の表示装置であってよく、入力部21としての機能を兼ねたタッチパネルであってもよい。
制御部22は、入力部21に対して入力操作が行われると、当該入力操作に基づき、第1乗場行先階呼びに関する情報を特定し、群管理制御装置1に送信する。例えば、制御部22は、利用者によって入力された行先階を示す情報を群管理制御装置1に送信する。
各行先階登録装置2には、各行先階登録装置2を識別するための識別情報が付与されている。制御部22は、行先階を示す情報に加えて、行先階登録装置2の識別情報を群管理制御装置1に送信する。
制御部22が行先階を示す情報に加えて行先階登録装置2の識別情報を送信することで、群管理制御装置1は、該識別情報に基づき第1乗場行先階呼びのための操作が行われた行先階登録装置2を特定することができる。また、行先階登録装置2が設けられた階床に基づき利用者の出発階が特定される。
なお、行先階登録装置2が利用者の端末装置である場合、制御部22は、出発階を示す情報も群管理制御装置1に送信する。
また、制御部22は、群管理制御装置1から第1乗場行先階呼びに対する割当結果を示す情報を受信すると、当該情報を提示装置23に提示させる。群管理制御装置1から受信した情報に予定情報122が含まれる場合、提示部113は、割当結果を示す情報に加えて予定情報122を提示装置23に提示させる。
提示装置23がディスプレイ等の表示装置である場合、制御部22は、割当結果を示す情報および予定情報を該表示装置に表示させる。
なお、行先階登録装置2は、利用者を識別し、利用者に応じた出発階および行先階を特定してもよい。利用者の識別には、例えば利用者ごとの識別情報が付されたカードの読み取り、および画像認証等の方法が用いられてもよい。当該構成によれば、利用者が行先階を入力する操作を行うことなく該利用者の行先階が特定される。
<移動装置3>
移動装置3は、エレベータ5を利用して階床間を移動可能な情報処理装置である。
移動装置3は、例えば自律走行可能なロボットまたはドローン等の装置であってもよい。
移動装置3は、例えば警備用、清掃用、および配達用のロボットであり、与えられたタスクをこなすためにエレベータ5を利用する装置であってもよい。
移動装置3がエレベータ5を利用する場合、移動装置3は、出発階、行先階、および移動装置3を識別するための識別情報を含む第2乗場行先階呼びを群管理制御装置1に対して送信する。これにより、群管理制御装置1において第2乗場行先階呼びの受付が登録され、当該第2乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられる。
移動装置3は、群管理制御装置1から割当結果を示す情報を受信すると、出発階の乗場において、割り当てられたエレベータ5の号機(注目号機)のかご51を待機する。注目号機のかご51が到着すると、移動装置3は当該かご51に乗車し、行先階においてかご51から降車する。
移動装置3は、注目号機のかご51に乗車したことおよびかご51から降車したことを示す信号を群管理制御装置1に送信してもよい。この場合、群管理制御装置1は、移動装置3が予定通りにエレベータ5を利用していることを把握することができる。
なお、移動装置3は、電動車椅子、セグウェイといった人を乗車させて走行することが可能な装置であってよく、乗車した人またはその他の人である操縦者の操縦に従って移動する装置であってもよい。移動装置3が操縦者の操縦に基づき移動する装置である場合、該操縦者に対して割当結果を提示可能なディスプレイ等の装置を備えていてもよい。
<エレベータ制御装置4およびエレベータ5>
エレベータ制御装置4は、群管理制御装置1から、登録が完了した乗場行先階呼びに関する情報を受信する。登録が完了した乗場行先階呼びに関する情報には、割り当てられたエレベータ5の号機を示す情報、出発階および行先階を示す情報が含まれる。エレベータ制御装置4は、当該情報に基づき、エレベータ5の動作を制御する。エレベータ5は、エレベータ制御装置4の制御に従いかご51の階床間の移動、および扉の開閉を行う。
エレベータ制御装置4は1台のエレベータ5の動作を制御してもよいし、複数台のエレベータ5の動作を制御してもよい。
<群管理制御装置1>
群管理制御装置1は、乗場行先階呼びを受け付け、受け付けた乗場行先階呼びに基づき号機を割り当て、割当結果に基づき、エレベータ制御装置4にエレベータ5の移動を制御させる指示を行う。また、群管理制御装置1は、エレベータ5の動作状況を取得し、動作状況に基づき、登録済の乗場行先階呼びを管理する。
また、群管理制御装置1は、行先階登録装置2から受信した第1乗場行先階呼びおよび第2乗場行先階呼びに対する割当結果に基づき、該行先階登録装置2の提示装置23に提示させる情報を決定し、行先階登録装置2に決定した情報を送信する。
例えば、群管理制御装置1は、利用者からの乗場行先階呼びである第1乗場行先階呼びに対して割当を行う。第1乗場行先階呼びに対して割り当てられた号機を移動装置3も利用する場合、群管理制御装置1は、該移動装置3によるエレベータ5の乗降予定に関する情報を提示装置23に提示させる情報として決定する。
図1に示すように、群管理制御装置1は、制御部11、記憶部12、および入出力インターフェース13を備える。
記憶部12は、群管理制御装置1において用いられる各種情報を記憶する。図1に示すように、記憶部12は、割当情報DB(データベース)121を記憶している。割当情報DB121には、登録が完了した乗場行先階呼びに関する情報が記憶されている。
図2は、割当情報DB121の一例を示す図である。図2に示すように、割当情報DB121には、登録が完了した乗場行先階呼びに関する情報として、割当号機、乗車種別、出発階、および行先階を示す情報が対応付けられて記憶されている。乗車種別とは、エレベータ5を利用する者が第1乗場行先階呼びを登録した利用者であるか、第2乗場行先階呼びを登録した移動装置3であるかを示す情報である。なお、乗車種別には、移動装置3の種類を示す情報がさらに含まれていてもよい。割当情報DB121に記憶されている情報のうち、乗車種別が「移動装置」である乗場行先階呼びに関する情報を予定情報122と称する。図2には、2つの予定情報122が含まれている例が示されている。
また、記憶部12は、エレベータ5の各号機の状況を示す情報、例えば各号機のかご51が位置する階床および現在の移動方向を示す情報を記憶していてもよい。
入出力インターフェース13は、群管理制御装置1と乗場行先階登録システム100が備える各装置との間で情報の授受を行うための通信モジュールである。
図1に示すように、制御部11は、受付部111、割当部112、および提示部113を備える。制御部11は、群管理制御装置1において行われる各処理を実行する。以下、制御部11が備える各処理部の詳細について説明する。
(受付部111)
受付部111は、利用者による第1乗場行先階呼びの登録と、移動装置3または該移動装置3の操縦者による第2乗場行先階呼びの登録とを受け付ける。
利用者によって行先階登録装置2が操作されると、受付部111は、行先階および行先階登録装置2の識別情報を含む情報を該行先階登録装置2から受信する。これらの情報を受信すると、受付部111は、第1乗場行先階呼びの登録を受け付ける。具体的には、受付部111は、当該情報を受信すると、識別情報に基づき操作された行先階登録装置2を特定し、特定した行先階登録装置2が設けられた階床に基づき利用者の出発階を特定し、第1乗場行先階呼びに関する情報を割当部112に出力する。
また、受付部111は、行先階、出発階および移動装置3の識別情報を含む情報を移動装置3から受信すると、第2乗場行先階呼びの登録を受け付ける。具体的には、受付部111は、受信した各情報を割当部112に出力する。
受付部111が割当部112に出力する乗場行先階呼びに関する情報には、出発階、行先階、およびエレベータ5を利用する者の乗車種別、すなわちエレベータ5を利用するのが利用者であるか移動装置3であるかを示す情報が含まれる。また、乗場行先階呼びに関する情報には、行先階登録装置2または移動装置3の識別情報が含まれる。
(割当部112)
割当部112は、受付部111から第1乗場行先階呼びまたは第2乗場行先階呼びに関する情報を取得すると、当該情報に基づき、第1乗場行先階呼びおよび第2乗場行先階呼びに対してエレベータ5の号機を割り当てる。割当部112が乗場行先階呼びに対して号機を割り当てる方法は、一般的な乗場行先階呼び登録システムにおける割当方法と同様のセレクティブコレクティブ運転に基づく方法等が用いられてもよい。
割当部112は、割当結果を示す情報を記憶部12の割当情報DB121に記憶させる。乗場行先階呼びが第2乗場行先階呼びである場合、割当情報DB121には、移動装置3によるエレベータ5の利用予定を示す予定情報122が記憶される。
受付部111が受け付けた乗場行先階呼びが第1乗場行先階呼びである場合、割当部112は、割当結果を示す情報を提示部113に出力する。
受付部111が受け付けた乗場行先階呼びが第2乗場行先階呼びである場合、割当部112は、移動装置の識別情報に基づき第2乗場行先階呼びを登録した移動装置3を特定し、該移動装置3に対して割当結果を示す情報を送信する。
(提示部113)
提示部113は、受付部111が受け付けた乗場行先階呼びが第1乗場行先階呼びである場合、
利用者が第1乗場行先階呼びを登録するために操作した行先階登録装置2の提示装置23に、第1乗場行先階呼びに関する情報を提示させる。
提示部113は、割当部112から割当結果を示す情報を取得すると、第1乗場行先階呼びを登録するための操作が行われた行先階登録装置2に対して、割当結果を示す情報を、提示装置23に提示させる情報として送信する。割当結果を示す情報には、行先階および割り当てられた号機を示す情報が含まれる。
さらに、提示部113は、利用者の出発階における移動装置3の乗降予定を示す予定情報122を行先階登録装置2に送信し、当該予定情報122を提示装置23に提示させる。
なお、提示装置23が行先階登録装置2の備える表示装置である場合、提示部113は、当該表示装置に予定情報122を表示させる。
第1乗場行先階呼びを行うために利用者が使用する行先階登録装置2には、第1乗場行先階呼びに対して割り当てた号機を示す情報を該利用者に知らせるための表示装置が備えられている。この表示装置を用いて予定情報122を提示すれば、第1乗場行先階呼びを行った利用者に、利用者がかご51に乗車する出発階において居合せる移動装置3の乗降予定に関する予定情報122をより確実に知らせることができる。
また、第2乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられてから該注目号機に移動装置3が乗車して移動装置3の行先階に到着するまでの期間において第1乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられた場合、提示部113は、割当結果以外の情報も提示装置23に提示させる。例えば、提示部113は、注目号機のかご51に利用者が乗車する階床である出発階における移動装置3の乗降予定を示す予定情報122を提示装置23に提示させる。
第2乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられてから該注目号機に移動装置3が乗車して移動装置3の行先階に到着するまでの期間は、第2乗場行先階呼びに関する情報である予定情報122が記憶部12に記憶されてから削除されるまでの期間と言い換えることもできる。
この期間中、第2乗場行先階呼びに対して割り当てられた注目号機が第1乗場行先階呼びに対して割り当てられた場合、提示部113は、注目号機が割り当てられた第2乗場行先階呼びを登録した移動装置3の予定情報122を提示装置23に提示させる情報として決定する。提示部113は、決定した情報を行先階登録装置2に送信する。これにより、行先階登録装置2の提示装置23において、提示部113が決定した情報が提示される。
具体的には、提示部113は、割当部112から第1乗場行先階呼びに対する割当結果を示す情報を取得すると、記憶部12の予定情報122を参照する。提示部113は、利用者による第1乗場行先階呼びに対して割り当てられた号機と同じ号機が割り当てられた第2乗場行先階呼びに関する予定情報122が存在するか否かを判定する。利用者に対して割り当てられた号機と同じ号機が割り当てられた移動装置3の予定情報122が存在する場合、提示部113は、利用者の出発階における移動装置3の乗降予定を特定する。
利用者に対して割り当てられた号機と同じ号機が割り当てられた移動装置3の予定情報122が存在する場合とは、利用者と移動装置3とが乗場またはかご51で遭遇する状況が発生する場合である。利用者と移動装置3とが乗場またはかご51で遭遇する状況とは、例えば、利用者と移動装置3とが同じ号機のかご51を利用者の出発階において同時に利用する状況が発生する場合である。このような場合、提示部113は、利用者の出発階における移動装置3の乗降予定を示す予定情報122を行先階登録装置2が備える提示装置23に提示させる情報として決定する。
利用者と移動装置3とが同じ注目号機のかご51を同時に利用する状況とは、例えば、以下の(A)~(C)のような状況である。
(A)利用者が乗車するときに移動装置3がかご51から降車する状況。
(B)利用者が乗車するときに、移動装置3がかご51に乗車しており、利用者の出発階では降車しない状況。
(C)利用者が乗車するときに移動装置3も同じかご51に乗車する状況。
第2乗場行先階呼びに対して割り当てられた注目号機を第1乗場行先階呼びに対して割り当てると、(A)~(C)のいずれかの状況が発生する場合、利用者と移動装置3とが同じ注目号機のかご51を同時に利用する状況が発生する。この場合、提示部113は、利用者の出発階における移動装置3の乗降予定を示す予定情報122を、提示装置23に提示させる情報として決定し、決定した情報を行先階登録装置2に当該情報を送信することで、当該情報を提示装置23に提示させる。
上記構成によれば、乗場行先階登録システム100は、利用者と同じ号機が割り当てられた移動装置3が利用者の出発階においてどのような状況になっているかを利用者に把握させることができる。
なお、利用者と移動装置3とが同じ号機のかご51を出発階において同時に利用する状況が発生する場合以外にも、利用者と移動装置3とが遭遇する場合がある。この場合、利用者に対して割り当てられた号機と同じ号機が注目号機として割り当てられた移動装置3の予定情報122が存在する。このような場合、提示部113は、利用者と同じ号機が割り当てられた移動装置3の予定情報122を提示装置23に提示させる情報として決定してもよい。この場合、提示部113が提示装置23に提示させる情報は、利用者の出発階における移動装置3の乗降予定でなくともよい。例えば、利用者と移動装置3とが同じ号機のかご51を行先階において同時に利用する状況が発生する場合、利用者と移動装置3とが遭遇する。この場合、提示部113は、利用者の行先階における移動装置3の乗降予定を提示装置23に提示させてもよい。
<利用者と移動装置3とが遭遇する状況および提示内容の具体例>
以下、利用者と移動装置3とが遭遇する状況の例示、および提示部113によって決定された情報の提示例について、図3~図10を用いてより詳細に説明する。図3は、利用者と移動装置3とが遭遇する状況の例を説明するための概略図である。図4~図10は、提示装置23に提示させる画面の例である。図3において、利用者(図3の符号X1~X5)および移動装置3の矢印は、利用者による第1乗場行先階呼びおよび移動装置3による第2乗場行先階呼びに基づく移動方向、出発階、および行先階を示す。
図4は、第1乗場行先階呼びを登録するための操作を受け付けるための画面の例である。図4に示すように、提示装置23は入力部21の機能を兼ねるタッチパネルであり、提示部113は階床を示す数字等を示す画面を提示装置23に提示させてもよい。利用者が提示装置23に対して行先階を示す数字等を入力する操作を行うことで、乗場行先階登録システム100において、第1乗場行先階呼びの登録が行われる。
図5は、第1乗場行先階呼びを登録するための操作を受け付けるための画面の別の例である。図5に示すように、提示部113は、サービス可能な階床を示す画面を提示装置23に提示させてもよい。この場合、利用者が提示装置23に対してサービス可能な階床から行先階を示す数字等を選択する操作を行うことで、乗場行先階登録システム100において、第1乗場行先階呼びの登録が行われる。
図6~図10は、第1乗場行先階呼びの登録が完了した場合に提示装置23に表示される画面の例を示す図である。
以下では、図3に示すように、10階建ての建物において、かご51が1階から上方向に移動予定であり、利用者による第1乗場行先階呼びよりも先に、移動装置3による5階を出発階とし8階を行先階とする第2乗場行先階呼びが登録済である場合を例に挙げて説明する。
利用者の出発階に到着した注目号機のかご51に乗車済みの移動装置3が利用者の出発階において降車する予定である場合、利用者は、利用者の出発階においてかご51から降車する移動装置3と遭遇する。この場合、提示部113は、当該予定を示す情報を予定情報として提示させてもよい。
具体的には、図3に示すように、利用者X1によって8階を出発階とし9階を行先階とする第1乗場行先階呼びが登録された場合であって、当該第1乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられた場合、移動装置3が利用者X1の出発階において降車する。
移動装置3が利用者X1の出発階において降車する場合、提示部113は、割当結果を示す情報に加え、利用者X1の出発階において移動装置3が降車予定であることを示す予定情報122を、提示装置23に提示させる情報として決定する。
また、図6に示すように、利用者が第1乗場行先階呼びを登録するために利用した行先階登録装置2の提示装置23には、行先階を示す情報601、割り当てられた号機を示す情報602、および予定情報122として移動装置3が降車予定であることを示すメッセージ603が提示される。
また、利用者の出発階に到着した注目号機のかご51に乗車済みの移動装置3が利用者の出発階において降車しない予定である場合、利用者は利用者の出発階において、かご51に乗車した状態の移動装置3と遭遇する。この場合、提示部113は、当該予定を示す情報を予定情報122として提示させてもよい。
例えば、図3に示すように、利用者X2によって6階を出発階とし7階を行先階とする第1乗場行先階呼びが登録された場合であって、当該第1乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられた場合、移動装置3は利用者の出発階においてかご51に乗車済である。また、移動装置3は利用者X2の出発階では降車せず、乗車した状態を維持する。
この場合、提示部113は、割当結果を示す情報に加え、移動装置3が利用者X2の出発階において乗車を維持した状態であり、降車しない予定であることを示す予定情報122を提示装置23に提示させる情報として決定する。
また、図7に示すように、利用者X2が利用した行先階登録装置2の提示装置23には、行先階を示す情報701、割り当てられた号機を示す情報702、および予定情報122として移動装置3が利用者の出発階において乗車中であることを示すメッセージ703が提示される。
また、利用者の出発階において注目号機のかご51に移動装置3が乗車する予定である場合、利用者は、利用者の出発階においてかご51に乗車する移動装置3と遭遇する。この場合、提示部113は、当該予定を示す情報を予定情報として提示させてもよい。
例えば、図3に示すように、利用者X3によって5階を出発階とし7階を行先階とする第1乗場行先階呼びが登録された場合であって、当該第1乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられた場合、移動装置3は利用者X3の出発階においてかご51に乗車予定である。
この場合、提示部113は、割当結果を示す情報に加え、移動装置3が利用者X3の出発階において乗車予定であることを示す予定情報122を提示装置23に提示させる情報として決定する。
また、図8に示すように、利用者X3が利用した行先階登録装置2の提示装置23には、行先階を示す情報801、割り当てられた号機を示す情報802、および予定情報122として移動装置3が利用者の出発階において乗車予定であることを示すメッセージ803が提示される。
また、提示部113は、出発階における乗降予定以外の情報乗降予定を、移動装置3の予定情報122として提示装置23に提示させてもよい。
例えば、提示部113は、第1乗場行先階呼びおよび第2乗場行先階呼びに対して同じ注目号機が割り当てられた場合、注目号機のかご51が出発階を出発してから利用者が降車予定の行先階に到着するまでにおける移動装置3の予定情報122を提示させてもよい。
また、かご51内に表示装置が設けられている場合、提示部113は、当該表示装置にも予定情報122を提示させてもよい。
上記の構成によれば、乗場行先階登録システム100は、利用者と同じ号機のかご51を使用している移動装置3、および使用予定の移動装置3に関する情報を、利用者に知らせることができる。
さらに、利用者の行先階において移動装置3が乗車予定、または降車予定である場合、利用者は、利用者の行先階においてかご51に乗車する、またはかご51から降車する移動装置3と遭遇する。この場合、提示部113は、利用者の行先階における移動装置3の乗降予定を示す予定情報122を提示装置23に提示させてもよい。
例えば、図3に示すように、利用者X4によって3階を出発階とし5階を行先階とする第1乗場行先階呼びが登録された場合であって、当該第1乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられた場合、移動装置3は利用者X4の行先階においてかご51に乗車予定である。
この場合、提示部113は、割当結果を示す情報に加え、移動装置3が利用者X4の行先階において乗車予定であることを示す予定情報122を提示装置23に提示させる情報として決定する。
また、図9に示すように、利用者X4が利用した行先階登録装置2の提示装置23には、行先階を示す情報901、割り当てられた号機を示す情報902、および予定情報122として移動装置3が利用者の行先階において乗車予定であることを示すメッセージ903が提示される。
また、利用者が出発階で乗車した後、行先階で降車する前に移動装置3が乗車予定、または降車予定である場合、利用者は、かご51内で移動装置3に遭遇する。この場合、提示部113は、利用者がかご51に乗車して移動している間における移動装置3の乗降予定を、提示装置23に提示させる予定情報122として決定してもよい。
例えば、図3に示すように、利用者X5によって4階を出発階とし6階を行先階とする第1乗場行先階呼びが登録された場合であって、当該第1乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられた場合、利用者X5がかご51に乗車している期間中に移動装置3が乗車する。
この場合、提示部113は、割当結果を示す情報に加え、利用者X5がかご51に乗車している期間中において移動装置3が当該かご51に乗車予定であることを示す予定情報122を提示装置23に提示させる情報として決定する。
また、図10に示すように、利用者X5が利用した行先階登録装置2の提示装置23には、行先階を示す情報1001、割り当てられた号機を示す情報1002、および予定情報122として、利用者X5がかご51に乗車している期間中、移動装置3が5階で乗車予定であることを示すメッセージ1003が提示される。
また、利用者が乗車するときに、移動装置3がかご51に乗車しており、利用者の出発階では降車しない場合(利用者X2)、または利用者が乗車するときに移動装置3も同じかご51に乗車する場合(利用者X3)、提示部113は、移動装置3の予定情報122を提示装置23に提示させる。このとき、提示部113は、利用者の出発階における移動装置3の乗降予定に加え、移動装置3の行先階を含む予定情報122を提示装置23に提示させてもよい。
また、提示部113は、移動装置3の予定情報122に加え、さらに、該移動装置3の種類を示す情報を行先階登録装置2に送信し、提示装置23に提示させてもよい。具体的には、図6~図10に示すように、提示部113は、移動装置3の予定情報122を示すメッセージに、該移動装置3の種類を示す情報を含めて提示させてもよい。
上記構成によれば乗場行先階登録システム100は、利用者が乗車予定の号機をどのような種類の移動装置3が利用予定であるか、についても利用者に事前に知らせるため、利用者の心理的負荷をさらに軽減させることができる。
<利用者と移動装置3とが遭遇しない状況の具体例>
以上のように、乗場行先階登録システム100では、第1乗場行先階呼びおよび第2乗場行先階呼びに対して同じ注目号機が割り当てられ、かつ、第1乗場行先階呼びを登録した利用者と第2乗場行先階呼びを登録した移動装置3とが遭遇する場合、利用者に対して移動装置3の乗降予定を示す予定情報が提示される。
ここで、乗場行先階登録システム100では、第1乗場行先階呼びおよび第2乗場行先階呼びに対して同じ注目号機が割り当てられたとしても、利用者と移動装置3とが遭遇しないのであれば、利用者は該移動装置3の乗降予定を把握する必要がない。
以下では、第1乗場行先階呼びおよび第2乗場行先階呼びに対して同じ注目号機が割り当てられ、利用者と移動装置3とが遭遇しない状況の具体例について、図11を用いて説明する。図11は、利用者と移動装置3とが遭遇しない状況の例を説明するための概略図である。また、以下では、図11に示すように、10階建ての建物において、かご51が1階から上方向に移動予定であり、利用者による第1乗場行先階呼びよりも先に、移動装置3による5階を出発階とし8階を行先階とする第2乗場行先階呼びが登録済である場合を例に挙げて説明する。
例えば、移動装置3がかご51を利用する区間と利用者がかご51を利用する区間とが重ならない場合、利用者と移動装置3とは遭遇しない。具体的には、図11に示すように、利用者X6による2階を出発階とし4階を行先階とする第1乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられた場合、利用者X6がかご51から降車した後に移動装置3が同じかご51に乗車する。この場合、利用者X6と移動装置3とは遭遇せず、提示部113は、利用者が操作した行先階登録装置2の提示装置23に予定情報を提示させない。
また、移動装置3が行先階に到着した後に利用者がかご51に乗車する場合、利用者と移動装置3とは遭遇しない。具体的には、図11に示すように、利用者X7による9階を出発階とし10階を行先階とする第1乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられた場合、移動装置3がかご51から降車した後に利用者X7がかご51に乗車する。この場合、利用者X7と移動装置3とは遭遇せず、提示部113は、利用者が操作した行先階登録装置2の提示装置23に予定情報を提示させない。
また、移動装置3がかご51を利用する区間と利用者がかご51を利用する区間とが重なったとしても、利用者と移動装置3とが遭遇しない状況は発生する。例えば、利用者の移動方向と移動装置3の移動方向が異なる場合、利用者および移動装置3のかご51への乗車区間が重なっていたとしても、利用者と移動装置3とが遭遇しない状況が発生し得る。具体的には、図11に示すように、利用者X8による7階を出発階とし4階を行先階とする第1乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられた場合、移動装置3がかご51から降車した後にかご51の移動方向が反転し、利用者X8がかご51に乗車する。この場合、利用者X8と移動装置3とは遭遇しない。また、図11に示すように、利用者X9による6階を出発階とし5階を行先階とする第1乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられた場合、移動装置3がかご51から降車した後にかご51の移動方向が反転し、利用者X9がかご51に乗車する。そのため、利用者X9と移動装置3とは遭遇せず、提示部113は、利用者が操作した行先階登録装置2の提示装置23に予定情報を提示させない。
なお、図11に示す例において、かご51がいずれの階床に位置していたとしても、利用者X7~利用者X8は移動装置3とは遭遇せず、提示部113は、利用者が操作した行先階登録装置2の提示装置23に予定情報を提示させない。ただし、かご51が10階に位置しており、5階が反転階である場合、5階で利用者X9が降車するときに移動装置3が乗車するため、利用者X9と移動装置3とが遭遇する。この場合、提示部113は、利用者X9が操作した行先階登録装置2の提示装置23に予定情報を提示させる。
<乗場行先階登録システム100が行う処理の流れの一例>
図12および図13は、乗場行先階登録システム100が行う処理(制御方法)の流れの一例を示すシーケンス図である。以下、図12および図13を用いて、乗場行先階登録システム100が行う処理の流れの一例について説明する。
(移動装置3がエレベータ5を利用するときに行われる処理の流れの一例)
まず、乗場行先階登録システム100において、移動装置3がエレベータ5を利用するときに行われる処理の流れについて、図12を用いて説明する。図12は、乗場行先階登録システム100において、移動装置3がエレベータ5の乗場行先階呼びを登録し、エレベータ5を利用する場合に行われる処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
まず、移動装置3がエレベータ5を利用する場合、第2乗場行先階呼びに関する情報を群管理制御装置1に送信する。第2乗場行先階呼びに関する情報には、移動装置3がエレベータ5の号機のかご51に乗車予定の出発階、かご51から降車予定の行先階、および移動装置3を識別するための識別情報が含まれる。なお、第2乗場行先階呼びに関する情報には、移動装置3の種類を示す情報が含まれていてもよい。
群管理制御装置1の受付部111は、移動装置3からの第2乗場行先階呼びに関する情報を受信するまで(すなわち、S11にてYESになるまで)処理を待機する。受付部111は、移動装置3から第2乗場行先階呼びに関する情報を受信すると、当該移動装置3の第2乗場行先階呼びの登録を受け付ける(S11にてYES:受付ステップ)。受付部111は、受け付けた第2乗場行先階に関する情報を割当部112に出力する。
割当部112は、受付部111から第2乗場行先階に関する情報を取得すると、当該情報およびエレベータ5の各号機の動作状況に基づき、第2乗場行先階呼びに対して最適な号機である注目号機を割り当てる(S12:割当ステップ)。
割当部112は、移動装置3の識別情報に基づき、第2乗場行先階呼びに関する情報を送信した移動装置3を特定し、割当結果を示す情報を、第2乗場行先階呼びに関する情報を送信した移動装置3に送信する(S13)。割当結果を示す情報には、割り当てられた注目号機を示す情報が含まれる。
移動装置3は、割当結果を示す情報を受信すると(S1にてYES)、出発階の乗場において、割り当てられた注目号機のかご51を待機する。注目号機のかご51が出発階に到着すると、移動装置3はかご51に乗車し、かご51が行先階に到着するとかご51から降車する。
移動装置3は、かご51から降車すると(S2にてYES)、注目号機のかご51から降車したことを示す降車情報を群管理制御装置1に送信してもよい。
群管理制御装置1の制御部11は、降車情報を受信すると(S14にてYES)、かご51から降車しエレベータ5の利用を完了した移動装置3による第2乗場行先階呼びの登録を削除する(S15)。
(利用者がエレベータ5を利用するときに行われる処理の流れの一例)
次に、乗場行先階登録システム100において、利用者がエレベータ5を利用するときに行われる処理の流れについて、図13を用いて説明する。図13は、乗場行先階登録システム100において、利用者が乗場行先階呼びを登録する場合に行われる処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
利用者がエレベータ5を利用する場合、行先階登録装置2の入力部21に、第1乗場行先階呼びに関する情報を入力する操作を行う。
行先階登録装置2の入力部21が第1乗場行先階呼びに関する情報を入力する操作を受け付けると(S21にてYES)、行先階登録装置2の制御部22は、受け付けた入力操作に基づき第1乗場行先階呼びに関する情報を群管理制御装置1に送信する。第1乗場行先階呼びに関する情報には、利用者によって入力された行先階を示す情報、および入力操作が行われた行先階登録装置2を識別するための識別情報が含まれる。
受付部111は、行先階登録装置2から第1乗場行先階呼びに関する情報を受信すると、行先階登録装置2の識別情報に基づき、第1乗場行先階呼びに関する入力操作が行われた行先階登録装置2を特定する。また、受付部111は、入力操作が行われた行先階登録装置2が設置された階床を、利用者の出発階として特定する。これにより、受付部111において第1乗場行先階呼びの登録を受け付けが完了する(S31にてYES:受付ステップ)。受付部111は、受け付けた第1乗場行先階呼びに関する情報および特定した利用者の出発階を示す情報を割当部112に出力する。
割当部112は、受付部111から第1乗場行先階呼びに関する情報および特定した利用者の出発階を示す情報を取得すると、割当部112は、利用者の出発階、行先階、およびエレベータ5の各号機の動作状況に基づき、第1乗場行先階呼びに対して最適な号機を割り当てる(S32:割当ステップ)。
ステップS32の後、割当部112は、記憶部12の割当情報DB121を参照し、第1乗場行先階呼びに対して割り当てた号機を利用予定の移動装置3が存在するか否かを判定する(S33)。
第2乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられてから該注目号機に移動装置3が乗車して移動装置3の行先階に到着するまでの期間において第1乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられた場合、移動装置3は第1乗場行先階呼びに対して割り当てた号機を利用予定である。この場合、割当部112は、第1乗場行先階呼びに対して割り当てた号機を利用予定の移動装置3が存在すると判定する。
第2乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられてから該注目号機に移動装置3が乗車して移動装置3の行先階に到着するまでの期間とは、例えば、図12に示す処理におけるステップS12からステップS15までの処理が実行される期間である。
例えば、図2に示す例では、エレベータ5のB号機が割り当てられた移動装置3の第2乗場行先階呼びが登録されている。ここで、第1乗場行先階呼びに対してエレベータ5のB号機が割り当てられた場合、割当部112は、第1乗場行先階呼びに対して割り当てた号機を利用予定の移動装置3が存在する(S33においてYES)と判定する。
一方、図2に示す例では、エレベータ5のA号機が割り当てられた移動装置3の第2乗場行先階呼びは登録されていない。ここで、第1乗場行先階呼びに対してエレベータ5のA号機が割り当てられた場合、割当部112は、第1乗場行先階呼びに対して割り当てた号機を利用予定の移動装置3が存在しない(S33においてNO)と判定する。なお、第1乗場行先階呼びに対して割り当てた号機を利用予定の移動装置3が存在する状況の他の例については既に説明したため、ここでの説明を省略する。
第1乗場行先階呼びに対して割り当てた号機を利用予定の移動装置3が存在する場合(S33にてYES)、割当部112は、さらに、移動装置3と利用者とが注目号機を同時に利用するか否かを判定する(S34)。また、割当部112は、判定の結果を示す情報を提示部113に出力する。
例えば、図2に示す例では、エレベータ5のF号機が割り当てられた移動装置3の第2乗場行先階呼びが登録されており、出発階は5階であり、行先階は8階である。ここで、エレベータ5のF号機が割り当てられた第1乗場行先階呼びによって指定される利用者の出発階が8階であり、行先階が9階である場合、8階では移動装置3がF号機のかご51から降車し、利用者がF号機のかご51に乗車する。このような場合、割当部112は、移動装置3と利用者とが注目号機を同時に利用する(S34にてYES)と判定する。なお、移動装置3と利用者とが注目号機を同時に利用する状況の他の例については既に説明したため、ここでの説明を省略する。
一方、図2に示す例において、エレベータ5のF号機が割り当てられた第1乗場行先階呼びによって指定される利用者の出発階が9階であり、行先階が10階である場合、利用者がかご51に乗車してから降車するまでの期間中、移動装置3はかご51を利用しない。このような場合、割当部112は、移動装置3と利用者とが注目号機を同時に利用しない(S34にてNO)と判定する。
移動装置3と利用者とが注目号機を同時に利用すると判定した場合(S34にてYES)、割当部112は、判定の結果および割当結果を示す情報を提示部113に出力する。提示部113は、判定の結果および割当結果を示す情報を取得すると、割当情報DB121を参照し、提示装置23に提示させる情報を決定する。
具体的には、利用者と同時に注目号機を利用する予定である移動装置3の、利用者の出発階における乗降予定を示す情報を、提示装置23に提示させる移動装置3の予定情報122として決定する。
なお、提示部113は、利用者の出発階における移動装置3の乗降予定を示す情報以外の情報を、提示装置23に提示させる移動装置3の予定情報122に含めてもよい。例えば、提示部113は、利用者の行先階における移動装置3の乗降予定、利用者の乗車区間における移動装置3の乗降予定、および移動装置の種類を示す情報を提示装置23に提示させる移動装置3の予定情報122に含めてもよい。
提示部113は、割当結果を示す情報および提示装置23に提示させる情報として決定した予定情報122を、第1乗場行先階呼びに関する情報を送信した行先階登録装置2に送信する(S35)。割当結果を示す情報には、利用者の行先階および割当号機を示す情報が含まれる。
第1乗場行先階呼びに対して割り当てた号機を利用予定の移動装置3が存在しない場合(S33にてNO)、割当部112は、判定の結果および割当結果を示す情報を提示部113に出力する。
また、移動装置3と利用者とが注目号機を同時に利用しない場合(S34にてNO)、割当部112は、判定の結果および割当結果を示す情報を提示部113に出力する。提示部113は、判定の結果および割当結果を示す情報を取得すると、割当情報DB121を参照し、提示装置23に提示させる情報を決定する。
ステップS33またはステップS34にてNOの場合、提示部113は、割当結果を示す情報のみを提示装置23に提示させる情報として決定し、第1乗場行先階呼びを登録するための操作が行われた行先階登録装置2に送信する(S36)。割当結果を示す情報には、利用者の行先階および割当号機を示す情報が含まれる。
ステップS35またはステップS36の後、行先階登録装置2の制御部22は群管理制御装置1から、少なくとも割当結果を示す情報を受信し(S22にてYES)、受信した情報を提示装置23に提示させる。
ここで、制御部22が、割当結果を示す情報と共に、予定情報122を受信した場合(S23にてYES)、制御部22は、利用者の行先階、割当号機、および利用者の出発階における移動装置3の予定情報122を提示装置23に提示させる(S24:提示ステップ)。
一方、割当結果を示す情報のみを受信した場合(S23にてNO)、制御部22は、利用者の行先階および割当号機を提示装置23に提示させる(S25)。
以上のようにして、乗場行先階登録システム100において、第1乗場行先階呼びを登録した利用者に対して適切な情報が提示される。
なお、上述の説明では、乗場行先階登録システム100が、利用者の出発階において移動装置3と利用者とが同じ注目号機を同時に利用する場合に移動装置3の乗降予定を示す予定情報122を提示装置23に提示する構成を例に挙げて説明した。しかしながら、乗場行先階登録システム100は、利用者の出発階において移動装置3と利用者とが同じ注目号機を同時に利用しない場合にも、移動装置3の乗降予定を示す予定情報122を提示装置23に提示させてもよい。
例えば、利用者の出発階において移動装置3が乗降も通過もしない場合、利用者の出発階において移動装置3と利用者とが同じ注目号機を同時に利用しない。このような場合であっても、移動装置3と利用者とが同じ注目号機を割り当てられた場合には、提示部113は、移動装置3の乗降予定を示す情報を提示装置23に提示させる情報として決定してもよい。例えば、提示部113は、利用者と移動装置3とが同じ号機を利用予定であれば、利用者の出発階以外における移動装置3の乗降予定を示す予定情報122も特定し、提示装置23に提示させる情報として決定してもよい。この場合、移動装置3と利用者とが注目号機を同時に利用するか否かを判定するステップ(ステップS34)を省略してもよい。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
<乗場行先階登録システム100A>
図14は、実施形態2に係る乗場行先階登録システム100Aの構成を示すブロック図である。図14に示すように、乗場行先階登録システム100Aは、群管理制御装置1A、行先階登録装置2A、移動装置3、エレベータ制御装置4、およびエレベータ5を備える。
乗場行先階登録システム100Aでは、利用者と移動装置3とが同じ号機のかご51を利用する際に遭遇することの許否可否を示す許容情報123に基づき、第1乗場行先階呼びおよび第2乗場行先階呼びに対する割当制御が行われる。
利用者と移動装置3とが同じ号機のかご51を利用する際に遭遇することが許容されない場合、乗場行先階登録システム100Aでは、以下の(1)および(2)のうち少なくとも一方の制御が行われる。
(1)利用者の乗車時および降車時に同じ号機のかご51を利用する移動装置3と利用者とが遭遇しないように号機を割り当てる制御。
(2)利用者が乗車中の号機のかご51に移動装置3が乗車することが無いように号機を割り当てる制御。
上記の構成によれば、移動装置3と同じ号機のかごに乗車したり、乗降時に移動装置3と遭遇したりすることを避けたい利用者に配慮した号機の割当を行うことができる。
<行先階登録装置2A>
図14に示すように、行先階登録装置2Aは、制御部22Aを備える。制御部22Aは、群管理制御装置1Aからの問い合わせを受信可能である。制御部22Aは、群管理制御装置1Aからの問い合わせを受信すると、利用者と移動装置3とが同じ号機のかご51を利用する際に遭遇することの許容可否を示す許容情報123を、利用者を選択させるための許容可否選択ボタンを、提示装置23に提示させる。制御部22Aは、選択された許容可否を示す許容情報123を、群管理制御装置1Aに送信する。
<群管理制御装置1A>
図14に示すように、群管理制御装置1Aは、制御部11A、記憶部12Aおよび入出力インターフェース13を備える。
図14に示すように、記憶部12Aは、割当情報DB121Aを記憶している。図15は、割当情報DB121Aの例を示す図である。図14および図15に示すように、割当情報DB121Aには、予定情報122Aおよび許容情報123が含まれる。
許容情報123とは、利用者と移動装置3とが同じ号機のかご51を利用する際に遭遇することの許容可否を示す情報である。図15に示すように、許容情報123は、利用者による第1乗場行先階呼びに関する情報に対応付けて記憶されている。また、図15に示すように、許容情報123は、移動装置3の種類ごとに設定されていてもよい。
また、図15に示すように、割当情報DB121Aにおいて、乗車種別が「移動装置」である情報、すなわち第2乗場行先階呼びに関する予定情報122Aには、移動装置3の種類を示す情報が対応付けられて記憶されていてもよい。
許容情報123が許容可を示す場合、群管理制御装置1Aでは、利用者が移動装置3と同じ号機のかご51を利用する状況を許容した号機の割当制御が行われる。一方、許容情報123が許容不可を示す場合、群管理制御装置1Aでは、利用者が移動装置3と同じ号機のかご51を利用する状況が発生しないように号機の割当制御が行われる。
図14に示すように、制御部11Aは、受付部111、割当部112Aおよび提示部113Aを備える。また、群管理制御装置1Aの制御部11Aは、許容情報受付部114を備える。
(許容情報受付部114)
許容情報受付部114は、利用者と移動装置3とが同じ号機のかご51を利用する際に遭遇することの許容可否を示す許容情報123の、利用者による入力を受け付け可能である。
行先階登録装置2Aから、利用者によって選択された許容情報123を受信する。許容情報受付部114は、受け付けた許容情報123、および許容情報123を選択する操作が行われた行先階登録装置2の識別情報を、割当部112Aに出力する。
(割当部112A)
割当部112Aは、利用者によって選択された、利用者と移動装置3とが同じ号機のかご51を利用する際に遭遇することの許容可否を示す許容情報123に基づき、号機の割当を行う。
[第1乗場行先階呼びを受け付けた場合の割当]
割当部112Aは、受付部111が第1乗場行先階呼びの登録を受け付け、許容情報受付部114が受け付けた許容情報123が許容不可を示す場合、以下の(1)および(2)のうち少なくとも一方の制御を行う。
(1)利用者の乗車時および降車時に同じ号機のかご51を利用する移動装置3と利用者とが遭遇しないように号機を割り当てる制御。
(2)利用者が乗車中の号機のかご51に移動装置3が乗車することが無いように号機を割り当てる制御。
許容情報123が許容不可を示す場合、割当部112Aは、第1乗場行先階呼びに対して割当可能な号機の候補を探索する。エレベータ5のある号機を割り当てると、利用者の乗車時および降車時に同じ号機のかご51を利用する移動装置3と利用者とが遭遇する状況、および利用者が乗車中の号機のかご51に移動装置3が乗車する状況の少なくとも一方が発生する場合、割当部112Aは、当該号機を第1乗場行先階呼びに対する割当号機の候補から除外する。割当部112Aは、エレベータ5の各号機について同様の判定を行い、第1乗場行先階呼びに対する割当号機の候補を決定し、当該候補の中から最適な号機を第1乗場行先階呼びに対して割り当てる。
一方、許容情報123が許容可を示す場合、割当部112Aは、エレベータ5の全号機を割当候補とし、第1乗場行先階呼びに対して最適な号機を割り当てる。
割当部112Aの割当制御の具体例について、図15を用いて説明する。図15に示す例では、5階を出発階とし8階を行先階とする第2乗場行先階呼びに対してF号機が割り当てられ、1階を出発階とし10階を行先階とする第2乗場行先階呼びに対してB号機が割り当てられている。
まず、受付部111が8階を出発階とし9階を行先階とする第1乗場行先階呼びの登録を受け付け、許容情報受付部114が許容不可を示す許容情報123を受信した場合を例に挙げる。図15に示す例では、この第1乗場行先階呼びに対してF号機が割り当てられた場合、利用者の乗車時に同じ号機のかご51から降車する移動装置3と利用者とが遭遇する。このような場合、割当部112Aは、第1乗場行先階呼びに対して割り当てる号機の候補からF号機を除いて割当を行う。
次に、受付部111が8階を出発階とし9階を行先階とする第1乗場行先階呼びの登録を受け付け、許容情報受付部114が許容不可を示す許容情報123を受信した場合を例に挙げる。図15に示す例では、この第1乗場行先階呼びに対してB号機が割り当てられた場合、利用者の乗車時に、同じ号機に乗車している移動装置3と利用者とが遭遇する。このような場合、割当部112Aは、第1乗場行先階呼びに対して割り当てる号機の候補からB号機を除いて割当を行う。
次に、受付部111が3階を出発階とし4階を行先階とする第1乗場行先階呼びの登録を受け付け、許容情報受付部114が許容不可を示す許容情報123を受信した場合を例に挙げる。図15に示す例では、この第1乗場行先階呼びに対してF号機が割り当てられたとしても、利用者の乗車時および降車時に同じ号機のかご51を利用する移動装置3と利用者とが遭遇しない。また、第1乗場行先階呼びに対してF号機が割り当てられたとしても、利用者が乗車中の号機のかご51に移動装置3が乗車することが無い。この場合、割当部112Aは、第1乗場行先階呼びに対して割り当てる号機の候補にF号機を含めて割当を行う。
次に、受付部111が8階を出発階とし9階を行先階とする第1乗場行先階呼びの登録を受け付け、許容情報受付部114が許容可を示す許容情報123を受信した場合を例に挙げる。図15に示す例では、この第1乗場行先階呼びに対してF号機が割り当てられた場合、利用者の乗車時に同じ号機のかご51から降車する移動装置3と利用者とが遭遇する。しかしながら、第1乗場行先階呼びを登録した利用者は許容可を示す許容情報123を選択しているため、割当部112Aは、第1乗場行先階呼びに対して割り当てる号機の候補にF号機を含めた全号機の中から割当を行う。
[許容情報123の問い合わせ]
また、割当部112Aは、受付部111が第1乗場行先階呼びの登録を受け付けており、かつ許容情報受付部114が許容可否を示す許容情報123を受け付けていない場合、利用者と移動装置3とがいずれかの号機のかご51を同時に利用するか否かを判定する。利用者と移動装置3とがいずれかの号機のかご51を同時に利用する場合、割当部112Aは、利用者に対して許容情報123の問い合わせが必要であることを示す情報を提示部113Aに出力する。
[第3乗場行先階呼びを受け付けた場合の割当]
乗場行先階登録システム100Aでは第1乗場行先階呼びに対していずれかの号機が割り当てられてから該号機に移動装置3が乗車して利用者の行先階に到着するまでの期間において、受付部111が新たに移動装置3からの乗場行先階呼びの登録を受け付ける状況が発生し得る。このような状況が発生した場合、割当部112Aは、移動装置3からの乗場行先階呼びに対して、利用者の許容情報123に基づく号機の割当を行ってもよい。
以下、第2乗場行先階呼びに対する割当が完了した後に、受付部111が新たに受け付けた移動装置3からの乗場行先階呼びを「第3乗場行先階呼び」と称する。
例えば、許容情報受付部114が受け付けた許容情報123が許容不可を示し、第1乗場行先階呼びが登録されている期間中に受付部111が第3乗場行先階呼びの登録を受け付けた場合、割当部112Aは、第3乗場行先階呼びに対して、以下の(1)および(2)のうちの少なくとも一方の制御を行う。
(1)利用者の乗車時および降車時に同じ号機のかご51を利用する移動装置3と利用者とが遭遇しないように号機を割り当てる制御。
(2)利用者が乗車中の号機のかご51に移動装置3が乗車することが無いように号機を割り当てる制御。
受付部111が第3乗場行先階呼びを受け付けた場合における割当部112Aの割当制御について、図15を用いて説明する。
例えば、受付部111が清掃ロボットである移動装置3から、8階を出発階とし9階を行先階とする第3乗場行先階呼びの登録を受け付けたとする。図15に示す例では、D号機を第3乗場行先階呼びに対して割り当てた場合、利用者が降車するときに移動装置3が乗車する、すなわち、利用者と移動装置3とが遭遇する状況が発生する。また、図15に示す例では、D号機を第3乗場行先階呼びに対して割り当てた場合、利用者が乗車中のかご51に移動装置3が乗車する状況が発生する。また、D号機を割り当てられた第1乗場行先階呼びには、許容不可を示す許容情報123が対応付けられている。この場合、割当部112Aは、第3乗場行先階呼びに対して割り当てるエレベータ5の号機の候補から、D号機を除外する。
また、受付部111が清掃ロボットである移動装置3から、8階を出発階とし9階を行先階とする第3乗場行先階呼びの登録を受け付けたとする。図15に示す例では、C号機を第3乗場行先階呼びに対して割り当てた場合、利用者が降車するときに移動装置3が乗車する、すなわち、利用者と移動装置3とが遭遇する状況および利用者が乗車中のかご51に移動装置3が乗車する状況は発生しない。この場合、C号機を割り当てられた第1乗場行先階呼びには、許容不可を示す許容情報123が対応付けられているものの、割当部112Aは、C号機を第3乗場行先階呼びに対して割り当てるエレベータ5の号機の候補に含めて、号機の割り当てを行う。
また、受付部111が清掃ロボットである移動装置3から、5階を出発階とし7階を行先階とする第3乗場行先階呼びの登録を受け付けたとする。図15に示す例では、A号機を第3乗場行先階呼びに対して割り当てた場合、利用者が降車するときに移動装置3が乗車する、すなわち、利用者と移動装置3とが遭遇する状況および利用者が乗車中のかご51に移動装置3が乗車する状況が発生する。しかしながら、図15に示すように、A号機が割り当てられている第1乗場行先階呼びには、いずれも許容可を示す許容情報123が対応付けられている。この場合、割当部112Aは、A号機を第3乗場行先階呼びに対して割り当てるエレベータ5の号機の候補に含めて、号機の割り当てを行う。
上記の構成によれば、移動装置3と同じ号機のかごを利用したり、乗降時に移動装置3と遭遇したりすることを避けたい利用者に配慮して、移動装置3または該移動装置3の操縦者による新たな乗場行先階呼びである第3乗場行先階呼びに対する号機の割り当てを行うことができる。
また、割当部112Aは、移動装置3の種類に応じて割当を制御してもよい。
例えば、受付部111が宅配ロボットである移動装置3から、8階を出発階とし9階を行先階とする第3乗場行先階呼びの登録を受け付けたとする。図15に示す例では、D号機を第3乗場行先階呼びに対して割り当てた場合、利用者が降車するときに移動装置3が乗車する、すなわち、利用者と移動装置3とが遭遇する状況が発生する。また、図15に示す例では、D号機を第3乗場行先階呼びに対して割り当てた場合、利用者が乗車中のかご51に移動装置3が乗車する状況が発生する。
ここで、D号機を割り当てられた第1乗場行先階呼びには、清掃ロボットおよび警備ロボットに対しては許容不可を示す許容情報123が対応付けられているが、宅配ロボットに対しては許容可を示す許容情報123が対応付けられている。この場合、割当部112Aは、D号機を第3乗場行先階呼びに対して割り当てるエレベータ5の号機の候補に含めて、号機の割り当てを行う。
これにより、乗場行先階登録システム100Aは、移動装置3の種類に応じた割当を行うことができる。
なお、第1乗場行先階呼びを登録した利用者が許容可否を選択していない場合、すなわち、割当情報DB121Aに登録済の第1乗場行先階呼びに、許容情報123が含まれていない場合、当該利用者の許容情報123は、予め設定された状態として扱われてもよい。例えば、割当情報DB121Aに登録済のいずれかの第1乗場行先階呼びに、許容情報123が含まれていない場合であって、第3乗場行先階呼びが登録された場合、割当部112Aは、当該第1乗場行先階呼びに対応する許容情報123を、許容可として第3乗場行先階呼びに対する割当を行ってもよい。
(提示部113A)
提示部113Aは、割当部112Aから許容情報123の問い合わせが必要であることを示す情報を取得すると、利用者が操作した行先階登録装置2Aに、許容情報123の問い合わせを送信する。許容情報123の問い合わせには、許容情報123の選択を受付可能な許容可否ボタンを提示させることを指示する情報が含まれる。これにより、行先階登録装置2Aの提示装置23において、許容可否ボタンが表示される。
<乗場行先階登録システム100Aが行う処理の流れの一例>
以下、実施形態2に係る乗場行先階登録システム100Aが行う処理の流れの一例を、図16および図17を用いて説明する。図16は、実施形態2に係る行先階登録装置2Aが行う処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。図17は、実施形態2に係る群管理制御装置1Aが行う処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
(行先階登録装置2Aが行う処理の流れ)
まず、図16を参照して、行先階登録装置2Aが行う処理の流れを説明する。行先階登録装置2Aにおいて、入力部21に対して第1乗場行先階呼びの操作が行われると(S41にてYES)、制御部22Aは第1乗場行先階呼びに関する情報を群管理制御装置1に対して送信する。
次に、提示部113Aは、割当部112Aから許容情報123の問い合わせが必要であることを示す情報を取得すると、利用者が操作した行先階登録装置2に、許容情報123の問い合わせを送信する。
制御部22Aは、群管理制御装置1Aから、許容情報123の選択を受付可能な許容可否ボタンを提示させることを指示する情報を含む許容情報123の問い合わせを受信すると(S42にてYES)、提示装置23に許容可否ボタンを提示させる(S43)。
利用者によって許容可または許容不可を示す許容情報123が選択されるまで(すなわち、S44またはS46にてYESになるまで)、制御部22Aは次の処理を待機する。
提示装置23に許容可否ボタンを提示させた後、利用者によって許容可を示す許容情報123が選択された場合(S44にてYES)、制御部22Aは、群管理制御装置1Aに、第1乗場行先階呼びに関する情報と、許容可を示す許容情報123が選択されたことを示す情報と、を送信する(S45)。制御部22Aが第1乗場行先階呼びに関する情報は、ステップS41でYESの場合に群管理制御装置1Aに送信したものと同じ情報であってもよい。
許容可を示す許容情報123が選択されず(S44にてNO)、許容不可を示す許容情報123が選択された場合(S46にてYES)、制御部22Aは、群管理制御装置1Aに、第1乗場行先階呼びに関する情報と、許容不可を示す許容情報123が選択されたことを示す情報と、を送信する(S47)。
制御部22Aは、ステップS45またはステップS47の後、群管理制御装置1Aからの割当結果を示す情報を待機する。群管理制御装置1Aからの割当結果を示す情報を受信した場合(S48にてYES)、制御部22Aは、次のステップS49の処理を行う。
または、制御部22Aは、第1乗場行先階呼びに関する情報を群管理制御装置1Aに対して送信した後、許容情報123の問い合わせを受信せずに(S42にてNO)、群管理制御装置1Aからの割当結果を示す情報を受信した場合(S48にてYES)、制御部22Aは、ステップS43~S47の処理を行わずに次のステップS49の処理を行う。
群管理制御装置1Aからの割当結果を示す情報を受信した後のステップS48~S51の処理は、図14を用いて説明したステップS22~S25の処理と同様であるため、ここでの説明を省略する。
(群管理制御装置1Aが行う処理の流れ)
次に、図17を参照して、群管理制御装置1Aが行う処理の流れを説明する。受付部111は、行先階登録装置2Aから第1乗場行先階呼びに関する情報を受信すると(S61にてYES)、許容情報受付部114に受信した情報を出力する。許容情報受付部114は、行先階登録装置2Aから受信した第1乗場行先階呼びに関する情報に許容可否を示す許容情報123が含まれているか否かを判定し(S62)、判定結果を示す情報を受付部111および割当部112Aに出力する。
第1乗場行先階呼びに関する情報に許容可否を示す許容情報123が含まれていない場合(S62にてNO)、割当部112Aは、利用者と移動装置3とが同じ号機のかご51を同時に利用するか否かを判定する(S63)。
第1乗場行先階呼びに関する情報に許容可否を示す許容情報123が含まれていない場合(S62にてNO)であって、利用者と移動装置3とがいずれかの号機のかご51を同時に利用する場合(S63にてYES)、受付部111は、第1乗場行先階呼びの登録を受け付けない。この場合、受付部111は、許容情報123の問い合わせ(後述するS64)が送信された後に許容情報123を含む第1乗場行先階呼びに関する情報を受信するまで処理を待機する。
利用者と移動装置3とが同じ号機のかご51を同時に利用する場合(S63にてYES)、割当部112Aは、利用者に対して許容情報123の問い合わせが必要であることを示す情報を提示部113Aに出力する。
提示部113Aは、割当部112Aから許容情報123の問い合わせが必要であることを示す情報を取得すると、利用者が操作した行先階登録装置2Aに、許容情報123の問い合わせを送信する(S64)。これにより、行先階登録装置2Aの提示装置23において、許容可否ボタンが表示され、行先階登録装置2Aにおいて利用者による許容情報123の選択が行われる。
第1乗場行先階呼びに関する情報に許容可否を示す許容情報123が含まれている場合(S62にてYES)、許容情報受付部114は、許容情報123に基づく許容可否を判定し(S65)、判定結果を割当部112Aに出力する。
割当部112Aは、許容情報受付部114の判定結果、および受付部111が受け付けた第1乗場行先階呼びに関する情報に基づき、号機の割当を制御する。
許容情報123が許容可を示す場合(S65にてYES)、割当部112Aは、エレベータ5の全号機の中から最適号機を第1乗場行先階呼びに対して割り当てる(S66)。
また、第1乗場行先階呼びに関する情報に許容可否を示す許容情報123が含まれていない場合(S62にてNO)であって、利用者と移動装置3とがいずれの号機のかご51も同時に利用しない場合(S63にてNO)、受付部111は、第1乗場行先階呼びの登録を受け付ける。この場合、割当部112は、エレベータ5の全号機の中から最適号機を第1乗場行先階呼びに対して割り当てる(S66)。
許容情報123が許容不可を示す場合(S65にてNO)、割当部112Aは、利用者と移動装置3とが同時に利用しない号機から最適号機を割り当てる(S67)。例えば、割当部112Aは、以下の(1)および(2)のうちの少なくとも一方の制御を行う。(1)および(2)の制御については既に説明したため、ここでの説明は省略する。
(1)利用者の乗車時および降車時に同じ号機のかご51を利用する移動装置3と利用者とが遭遇しないように号機を割り当てる制御。
(2)利用者が乗車中の号機のかご51に移動装置3が乗車することが無いように号機を割り当てる制御。
割当部112Aが第1乗場行先階呼びに対して号機を割り当てた後の処理(S68~S71)については、図14を用いて説明したステップS33~S36の処理と同様であるため、ここでの説明を省略する。なお、割当部112AがステップS71の処理を行った場合、移動装置3と利用者が同じ号機を同時に利用する状況は発生しないため、ステップS68およびステップS69の処理は行われず直接ステップS71の処理に移行する。
以上のようにして、乗場行先階登録システム100Aにおける第1乗場行先階呼びの登録、許容情報123の問い合わせ、号機の割当、および提示装置23における情報の提示が行われる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
乗場行先階登録システム100、100A(以下、「システム」と呼ぶ)の機能は、当該システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該システムの各制御ブロック(特に制御部11、11A、22、22Aに含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
この場合、上記システムは、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る乗場行先階登録システムは、利用者による第1乗場行先階呼びの登録と、移動装置または該移動装置の操縦者による第2乗場行先階呼びの登録とを受け付ける受付部と、前記第1乗場行先階呼びおよび前記第2乗場行先階呼びに対してエレベータの号機を割り当てる割当部と、前記第2乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられてから前記注目号機に前記移動装置が乗車して前記移動装置の行先階に到着するまでの期間において、前記第1乗場行先階呼びに対して前記注目号機が割り当てられた場合であって、前記利用者の乗車時および降車時に同じ前記号機のかごを利用する前記移動装置と前記利用者とが遭遇する場合、前記注目号機のかごに前記利用者が乗車する階床である出発階および前記注目号機のかごから前記利用者が降車する階床である行先階の少なくとも一方における前記移動装置の乗降予定を示す予定情報を提示装置に提示させる提示部と、を備える。
本発明の態様2に係る乗場行先階登録システムは、上記態様1において、前記出発階に到着した前記注目号機のかごに乗車済みの前記移動装置が前記出発階において降車する予定である場合、前記提示部は、当該予定を示す情報を前記予定情報として提示させてもよい。
本発明の態様3に係る乗場行先階登録システムは、上記態様1または2において、前記出発階に到着した前記注目号機のかごに乗車済みの前記移動装置が前記出発階において降車しない予定である場合、前記提示部は、当該予定を示す情報を前記予定情報として提示させてもよい。
本発明の態様4に係る乗場行先階登録システムは、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記出発階において前記注目号機のかごに前記移動装置が乗車する予定である場合、前記提示部は、当該予定を示す情報を前記予定情報として提示させる、請求項1に記載の乗場行先階登録システム。
本発明の態様5に係る乗場行先階登録システムは、上記態様1から4のいずれかにおいて、前記提示部は、さらに、前記移動装置の種類を示す情報を前記提示装置に提示させてもよい。
本発明の態様6に係る乗場行先階登録システムは、上記態様1から5のいずれかにおいて、前記提示装置は、前記利用者が前記第1乗場行先階呼びを行うために使用した行先階登録装置が備える表示装置であり、前記提示部は、前記表示装置に前記予定情報を表示させてもよい。
本発明の態様7に係る乗場行先階登録システムは、上記態様1から6のいずれかにおいて、前記利用者と前記移動装置とが同じ前記号機のかごを利用する際に遭遇することの許容可否を示す許容情報の前記利用者による入力を受け付け可能な許容情報受付部をさらに備え、前記割当部は、受け付けた前記許容情報が許容不可を示す場合、(1)前記利用者の乗車時および降車時に同じ前記号機のかごを利用する前記移動装置と前記利用者とが遭遇しないように前記号機を割り当てる制御、および(2)前記利用者が乗車中の前記号機のかごに前記移動装置が乗車することが無いように前記号機を割り当てる制御、のうちの少なくとも一方の制御を行ってもよい。
本発明の態様7に係る乗場行先階登録システムは、上記態様7において、前記許容情報受付部が受け付けた前記許容情報が許容不可を示し、前記受付部が、前記第1乗場行先階呼びに対して前記号機が割り当てられてから前記号機に前記移動装置が乗車して前記利用者の行先階に到着するまでの期間において前記移動装置または該移動装置の操縦者による新たな乗場行先階呼びである第3乗場行先階呼びの登録を受け付けた場合、前記割当部は、前記第3乗場行先階呼びに対して、(1)前記利用者の乗車時および降車時に同じ前記号機のかごを利用する前記移動装置と前記利用者とが遭遇しないように前記号機を割り当てる制御、および(2)前記利用者が乗車中の前記号機のかごに前記移動装置が乗車することが無いように前記号機を割り当てる制御、のうちの少なくとも一方の制御を行ってもよい。
本発明の態様9に係る乗場行先階登録システムは、上記態様1から8のいずれかにおいて、前記提示部は、前記第1乗場行先階呼びおよび前記第2乗場行先階呼びに対して同じ前記注目号機が割り当てられた場合、前記注目号機のかごが前記出発階を出発してから前記利用者が降車予定の行先階に到着するまでにおける前記移動装置の前記予定情報を提示させる、請求項1に記載の乗場行先階登録システム。
本発明の態様10に係る乗場行先階登録システムの制御方法は、利用者による第1乗場行先階呼びの登録と、移動装置または該移動装置の操縦者による第2乗場行先階呼びの登録とを受け付ける受付ステップと、前記第1乗場行先階呼びおよび前記第2乗場行先階呼びに対してエレベータの号機を割り当てる割当ステップと、前記第2乗場行先階呼びに対して注目号機が割り当てられてから前記注目号機に前記移動装置が乗車して前記移動装置の行先階に到着するまでの期間において、前記第1乗場行先階呼びに対して前記注目号機が割り当てられた場合であって、前記利用者の乗車時および降車時に同じ前記号機のかごを利用する前記移動装置と前記利用者とが遭遇する場合、前記注目号機のかごに前記利用者が乗車する階床である出発階および前記注目号機のかごから前記利用者が降車する階床である行先階の少なくとも一方における前記移動装置の乗降予定を示す予定情報を提示装置に提示させる提示ステップと、を含む。