JP6806753B2 - カバーテープおよび電子部品用包装体 - Google Patents
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Description
基材層および前記基材層の一方の面側に設けられたシーラント層を備えており、紙製キャリアテープをシールするために用いる、カバーテープであって、
前記シーラント層の表面に設けられた帯電防止層を備え、
前記シーラント層側のシール面における三次元平均表面粗さをSa1、前記シール面とは反対に位置する前記基材層側の表面における三次元平均表面粗さをSa2としたとき、
Sa1とSa2とが下記式(I)を満たす、かつ、
前記シーラント層側のシール面における粗さ曲線要素の平均長さをRsm1、前記基材層側の表面における粗さ曲線要素の平均長さをRsm2としたとき、
Rsm1とRsm2とが下記式(II)を満たす、
カバーテープが提供される。
2.7≦Sa1/Sa2≦13.1、0.45μm≦Sa1≦0.73μm ・・式(I)
0.3≦Rsm1/Rsm2≦1.5 ・・式(II)
電子部品を収納する部品収納部が所定の間隔で並んで形成されている紙製キャリアテープと、
前記紙製キャリアテープに形成された前記部品収納部を覆うように設けられたカバーテープと、を備える、電子部品用包装体であって、
前記カバーテープは、上記のカバーテープである、電子部品用包装体が提供される。
2.0≦Sa1/Sa2≦15.0 ・・式(I)
0.2≦Rsm1/Rsm2≦1.9 ・・式(II)
上記エチレン共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、アイオノマーなどの樹脂が挙げられる。このような樹脂を用いることより、キャリアテープ20に対する剥離強度を好適なものとすることができる。
1.0×10−8≦R1/R2≦1.0×103 ・・式(IV)
また、上記シーラント層2側の表面抵抗率の下限値は、特に制限されるものではないが、たとえば、1.0×104Ω以上としてもよい。
上記アジリジニル化合物は、一般に、アジリジニル基を有する化合物のことを指し、その具体例としては、例えば、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジカルボキシアミド)、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリエチレンメラミン、トリメチロールプロパン−トリ−β(2−メチルアジリジン)プロピオネート、ビスイソフタロイル−1−2−メチルアジリジン、トリ−1−アジリジニルフォスフィンオキサイド、トリス−1−2−メチルアジリジンフォスフィンオキサイド等が挙げられる。また、上記アジリジニル化合物として、日本触媒社製のケミタイトPZ−33、DZ−22E等の市販品を使用することもできる。なお、アジリジニル化合物の開環化合物は、アジリジニル化合物中のアジリジニル基が開環した状態にある化合物のことを指す。
0.30≦D2/D1≦0.60 ・・式(III)
上記D2/D1は、例えば、0.30以上0.60以下であり、好ましくは0.35以上0.55以下であり、より好ましくは0.40以上0.50以下である。このような数値範囲内とすることで、機械的強度とともに、ロール状に巻回時における柔軟性を維持できる。
本実施形態の包装体100(電子部品用包装体)は、電子部品を収納する部品収納部(ポケット21)が所定の間隔で並んで形成されている紙製キャリアテープ(キャリアテープ20)と当該紙製キャリアテープに形成された部品収納部(ポケット21)を覆うように設けられた、上述のカバーテープ10とからなる部品収納テープで構成することができる。本実施形態の包装体100を構成する部品収納テープは、リール状に巻き取り可能であってもよい。
まず、キャリアテープ20のポケット21内に電子部品を収容する。次いで、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面にカバーテープ10をヒートシールによって接着することで、電子部品が包装体100内に密封収容されてなる構造体を得る。
かかる電子部品を収容してなる構造体は、紙製あるいはプラスチック製のリールに包装体100を巻いた状態で、電子回路基板等に表面実装を行う作業領域まで搬送される。
この構造体が作業領域まで搬送された後、カバーテープ10をキャリアテープ20から剥離し、収容された電子部品を取り出す。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 基材層および前記基材層の一方の面側に設けられたシーラント層を備えており、紙製キャリアテープをシールするために用いる、カバーテープであって、
前記シーラント層側のシール面における三次元平均表面粗さをSa1、前記シール面とは反対に位置する前記基材層側の表面における三次元平均表面粗さをSa2としたとき、
Sa1とSa2とが下記式(I)を満たす、カバーテープ。
2.0≦Sa1/Sa2≦15.0 ・・式(I)
2. 1.に記載のカバーテープであって、
前記シーラント層側のシール面における粗さ曲線要素の平均長さをRsm1、前記基材層側の表面における粗さ曲線要素の平均長さをRsm2としたとき、
Rsm1とRsm2とが下記式(II)を満たす、カバーテープ。
0.2≦Rsm1/Rsm2≦1.9 ・・式(II)
3. 1.または2.に記載のカバーテープであって、
当該カバーテープ全体の厚みをD1とし、前記基材層の厚みをD2としたとき、
D1、D2が、下記式(III)を満たす、カバーテープ。
0.30≦D2/D1≦0.60 ・・式(III)
4. 1.〜3.のいずれか一つに記載のカバーテープであって、
前記基材層がポリエステル系樹脂を含有する、カバーテープ。
5. 1.〜4.のいずれか一つに記載のカバーテープであって、
前記シーラント層がポリオレフィン系樹脂を含有する、カバーテープ。
6. 1.〜5.のいずれか一つに記載のカバーテープであって、
23℃、50%RHにおける、前記シーラント層側のシール面における表面抵抗率が1.0×10 4 Ω以上1.0×10 12 Ω以下である、カバーテープ。
7. 1.〜6.のいずれか一つに記載のカバーテープであって、
ロール状の芯材を備えるものであり、
前記基材層側の表面を芯材側にして、当該カバーテープを巻回してなる、ロール状のカバーテープ。
8. 1.〜7.のいずれか一つに記載のカバーテープであって、
当該カバーテープ全体の厚みが25μm以上200μm以下である、カバーテープ。
9. 1.〜8.のいずれか一つに記載のカバーテープであって、
当該カバーテープの幅が1mm以上100mm以下である、カバーテープ。
10. 電子部品を収納する部品収納部が所定の間隔で並んで形成されている紙製キャリアテープと、
前記紙製キャリアテープに形成された前記部品収納部を覆うように設けられたカバーテープと、を備える、電子部品用包装体であって、
前記カバーテープは、1.〜9.のいずれか一つに記載のカバーテープである、電子部品用包装体。
・PET1:二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡社製、E7410、帯電防止コート)
・PET2:二軸延伸ポリエステルフィルム(フタムラ化学社製、FE2021、帯電防止コート)
・LDPE:低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセンL705)
・EVA:エチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー社製、ウルトラセン537)
・界面活性剤:非イオン性界面活性剤(花王社製、エレクトロストリッパーTS−7B)
・CNF:カーボンナノファイバー(三菱マテリアル社製、CNF−T/アノン)
(実施例1)
膜厚25μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡社製、E7415)の基材層上に押出ラミネート法により、中間層として低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセンL705)を押出温度300℃で厚み10μmに製膜した。
押出ラミネーターを用いて、製膜した中間層の上にさらにシーラント層として表1に示されるエチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー社製、ウルトラセン537)を押出温度280℃で厚み20μmに製膜し、積層フィルムを得た。
その際、押出された積層フィルムを、金属製冷却ロールとシリコンゴム製のマットロールとで挟持して引き取った。このとき、表1に示す表面粗さ(Rz)を備える金属製冷却ロールとシーラント層とを接触させた。
さらに、表1に示す帯電防止剤を固形分1重量%で分散させた分散液(分散液全量を100重量%とする)を調製し、グラビアロールで乾燥後の塗布量が0.5g/m2となるように、シーラント層表面に塗工して帯電防止層を形成し、実施例1の積層フィルム(カバーテープ)を得た。
なお、金属製冷却ロールの表面粗さRz(μm)は、JIS B 0601に準拠して測定した。
基材層、中間層、シーラント層、金属製冷却ロールの表面粗さ、帯電防止剤について、表1に示す材料や製造条件を採用した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4の積層フィルム(カバーテープ)を得た。
金属製冷却ロールの表面粗さ(Rz)を表1の条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1、2のカバーテープを得た。
実施例及び比較例で得られた各カバーテープについて、JIS B 0601に準拠して、超深度形状測定顕微鏡(キーエンス社製、「VK9700」)を用いて、シーラント層側のシール面における三次元平均表面粗さSa1、基材層側の表面における三次元平均表面粗さSa2を測定した。なお、単位は、μmである。結果を表1に示す。
実施例及び比較例で得られた各カバーテープについて、JIS B 0601に準拠して、超深度形状測定顕微鏡(キーエンス社製、「VK9700」)を用いて、シーラント層側のシール面における粗さ曲線要素の平均長さRsm1、基材層側の表面の粗さ曲線要素の平均長さRsm2を測定した。なお、単位は、μmである。結果を表1に示す。
実施例及び比較例で得られた各カバーテープについて、JIS K6911に基づき温度23℃相対湿度50%環境下で、表面抵抗測定器(SIMCO社製)を用いて、シーラント層側のシール面における表面抵抗率R1、基材層側の表面における表面抵抗率R2を測定した。なお、単位は、Ωである。結果を表1に示す。
実施例および比較例で得られたカバーテープの曇度は、JIS K7105(1998)測定法Aに準じて測定した。単位は%である。結果を表1に示す。
実施例および比較例で得られたカバーテープのシーラント層側のシール面が上向きになるように、当該カバーテープをスライドガラスの上に貼り付け、シーラント層側のシール面の上に、金属片(縦:0.4mm×横:0.8mm×厚み:0.4mm)20個を載せた試験片を作製した。得られた試験片を、60℃、95%RHの条件下において24時間静置し、さらに常温常湿で24時間静置した。その後、スライドガラスを反転させた状態で1,500rpmで20秒間の振動を試験片に加えた後、当該カバーテープのシーラント層側のシール面に付着している、金属片の数から付着割合(%)を算出した。なお、上記金属片は、ニッケルを精密切断機で切断し、縦:0.4mm×横:0.8mm×厚み:0.4mmに加工することにより得た。結果を表1に示す。
実施例及び比較例で得られた各カバーテープを5.3mm幅にスリットし、紙製キャリアテープ(トーテック社製)の表面に、テーピングマシン(東京ウェルズ社製:TWA−6621)を用いて、170℃、4kg/cm2、0.01秒の条件で熱シールし、熱シール直後の剥離強度を測定した。なお、剥離強度の測定は、剥離試験機を用いて、剥離速度300mm/min、剥離角度約180°の条件で行った。結果を表1に示す。
紙キャリアテープの場合、通常、20gf以上50gf以下であれば密着性が良好であると判断できる。
また、実施例1〜4のカバーテープをキャリアテープに熱シール後、リールに巻くことにより、リール状に巻き取られた電子部品用包装体が得られた。得られた電子部品用包装体において、紙製キャリアテープとカバーテープとの密着性に優れるための良好な密封性が得られており、内部の電子部品の外観検査を行うことができつつも、搬送処理などによって、電子部品がカバーテープに対して付着することが抑制されることが分かった。
2 シーラント層
3 導電層
10 カバーテープ
10a 表面
20 キャリアテープ
20a 底面
21 ポケット
100 包装体
Claims (9)
- 基材層および前記基材層の一方の面側に設けられたシーラント層を備えており、紙製キャリアテープをシールするために用いる、カバーテープであって、
前記シーラント層の表面に設けられた帯電防止層を備え、
前記シーラント層側のシール面における三次元平均表面粗さをSa1、前記シール面とは反対に位置する前記基材層側の表面における三次元平均表面粗さをSa2としたとき、
Sa1とSa2とが下記式(I)を満たす、かつ、
前記シーラント層側のシール面における粗さ曲線要素の平均長さをRsm1、前記基材層側の表面における粗さ曲線要素の平均長さをRsm2としたとき、
Rsm1とRsm2とが下記式(II)を満たす、
カバーテープ。
2.7≦Sa1/Sa2≦13.1、0.45μm≦Sa1≦0.73μm ・・式(I)
0.3≦Rsm1/Rsm2≦1.5 ・・式(II) - 請求項1に記載のカバーテープであって、
当該カバーテープ全体の厚みをD1とし、前記基材層の厚みをD2としたとき、
D1、D2が、下記式(III)を満たす、カバーテープ。
0.30≦D2/D1≦0.60 ・・式(III) - 請求項1または2に記載のカバーテープであって、
前記基材層がポリエステル系樹脂を含有する、カバーテープ。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のカバーテープであって、
前記シーラント層がポリオレフィン系樹脂を含有する、カバーテープ。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のカバーテープであって、
23℃、50%RHにおける、前記シーラント層側のシール面における表面抵抗率が1.0×104Ω以上1.0×1012Ω以下である、カバーテープ。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のカバーテープであって、
ロール状の芯材を備えるものであり、
前記基材層側の表面を芯材側にして、当該カバーテープを巻回してなる、ロール状のカバーテープ。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載のカバーテープであって、
当該カバーテープ全体の厚みが25μm以上200μm以下である、カバーテープ。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載のカバーテープであって、
当該カバーテープの幅が1mm以上100mm以下である、カバーテープ。 - 電子部品を収納する部品収納部が所定の間隔で並んで形成されている紙製キャリアテープと、
前記紙製キャリアテープに形成された前記部品収納部を覆うように設けられたカバーテープと、を備える、電子部品用包装体であって、
前記カバーテープは、請求項1〜8のいずれか一項に記載のカバーテープである、電子部品用包装体。
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