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JP2005306460A - カバーテープ及び電子部品包装用キャリアテープシステム - Google Patents

カバーテープ及び電子部品包装用キャリアテープシステム Download PDF

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Abstract

【課題】 電子部品を長期間高温多湿の環境で保存しても、電子部品の金属部の腐食を十分抑制することのできるカバーテープであって、且つ該カバーテープ剥離時に適切な剥離強度が安定して得られる電子部品包装用キャリアテープシステムを提供する。
【解決手段】 ヒートシール層側の表面に帯電防止剤及び防錆剤からなる帯電防止層が形成されているカバーテープ及び、該カバーテープを用いたチップ型電子部品包装用キャリアテープシステムである。そして防錆剤としてベンゾトリアゾール系化合物を用いることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属部分を有する部品を収納する容器の蓋材に用いるカバーテープ及び該カバーテープを用いた電子部品包装用キャリアテープシステムに関する。
IC等の電子部品を搬送するのに、一般的にキャリアテープが用いられている。即ちキャリアテープに一定間隔で形成された電子部品収納用の凹部に、前記の電子部品を挿入して、該キャリアテープの上面に、基材上に易剥離性の接着層を有するカバーテープをヒートシールして該電子部品を封入した後、リール状に巻き取られて搬送する。前記カバーテープは、該電子部品を検査できる程度に透明であることや、キャリアテープから容易にスムースに剥離できることが必要であるが、更に、該電子部品がIC等の静電気により絶縁破壊されやすい部品である場合、埃の付着防止や内容物の静電気からの保護、またはキャリアテープからカバーテープを剥離する際に、カバーテープに該電子部品が付着して飛び出す等のトラブルを防止するために、カバーテープの片面又は両面の表面に帯電防止処理がなされる。
帯電防止処理には、帯電防止性を付与させようとする面を構成する樹脂に帯電防止剤を練り込んだり、あるいは帯電防止剤を表面に薄く塗布するなどの方法が用いられる。接着層の表面に帯電防止剤を塗布したものは、例えば特許文献1及び2に開示されている。
これらの方法で、帯電防止効果を得ることはできるが、高温多湿の環境に置かれると、内容物であるIC等の金属部が腐食する場合がある。帯電防止剤として非イオン系帯電防止剤を用いると、前記の金属部の腐食の発生は減少するが、その場合でも極僅かなイオンは存在しており、置かれた環境条件によっては、金属部の腐食が発生し、その改善が求められていた。
一方で、前記接着層として、熱接着性樹脂に導電性の金属微粒子を混合する方法も提案されている(例えば特許文献3、4)。しかしながらこれらの方法では、カバーテープの透明性が低下するため、内容物の形状確認等が困難となる問題がある。
特開平11−115088号 特開平9−156684号 特開平7−251860号 特開平11−115088号
本発明は、金属部分を有する部品を収納する容器の蓋材に用いるカバーテープ及び該カバーテープを用いた電子部品包装用キャリアテープシステムに於いて、該電子部品を収納して保管する際に、高温多湿の環境であっても、該電子部品の金属部の腐食を十分抑制することのできる帯電防止性のカバーテープ及びそれを用いた電子部品包装用キャリアテープシステムを提供することを課題とする。
即ち本発明は、少なくとも基材層と易剥離性のヒートシール層を有し、該ヒートシール層側の表面に帯電防止剤及び防錆剤からなる帯電防止層が形成されているカバーテープである。その防錆剤としてベンゾトリアゾール系化合物を用いることが好ましい。又、一方で本発明は、前記のカバーテープを用いた電子部品包装用キャリアテープシステムである。
本発明のカバーテープを用いたキャリアテープシステムでは、金属部分を有する電子部品を収納して長期間高温多湿の環境で保存しても電子部品の腐食を十分抑制することができ、かつ電子部品を取り出す際にカバーテープを剥離する際の適切な剥離強度が安定して得られる。
本発明のカバーテープは、少なくとも基材層と易剥離性のヒートシール層を有している。ここで「有している」とは基材層/ヒートシール層の2層構造であってもよいし、異なる材料を積層した2層以上からなる基材層/ヒートシール層のような多層構造であってもよいことを意味する。
基材層が単層の場合、基材層はポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂及びポリカーボネート樹脂の何れか1種、又は2種以上の熱可塑性樹脂より製膜されたフィルムで、これらの樹脂の二軸延伸フィルムを好適に用いることができ、市販のフィルムを用いることができる。更に透明性や強靱性の点で二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。
本発明においてポリスチレン系樹脂とは、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体またはこれの水添物、スチレン−イソプレン共重合体またはこれの水添物、スチレンとエチレンのグラフト共重合体、スチレン−ブテン−ブタジエン共重合体、メタクリル酸とスチレンの共重合体等、分子鎖中にスチレンユニットをモル比で1/2以上有する重合体であり、基材層としてこれら1種もしくは2種以上の混合物を用いることができる。
又ポリエチレン系樹脂とは、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレンラバー等、エチレンユニットを分子鎖中にモル比で1/2以上有するものであり、これらの1種もしくは2種以上の混合物を用いることができる。
本発明の基材層は、弾性率を調整する目的や、前記の基材層用フィルムとヒートシール層の接着強度を強固にする目的で、該基材層用フィルムに熱可塑性樹脂層を形成した2層の基材層を用いることができる。この熱可塑性樹脂層に用いる樹脂は、前記の目的に適するものであれば特に限定されるものではないが、前記の目的に対応した効果が得やすいことや、層形成が容易である点でポリエチレン系樹脂が好ましく、より好ましくは直鎖状低密度ポリエチレン樹脂である。更にこのような積層された2層の基材層のポリエチレン系樹脂層側の表面に、エチレン−αオレフィンとスチレン−エチレン−ブタジエン共重合体の混合物層やエチレン−αオレフィンと低密度ポリエチレンの混合物層やエチレン−αオレフィンとスチレン−ブタジエン共重合体の混合物層等を積層した3層構造の基材層とすることもできる。
本発明で多層構造の基材層を作製する方法は、前記の各層のフィルムを一般的なドライラミネート法や押出しラミネート法によって積層することによって得ることができる。その積層の際に、各層間の接着力を強固にするため通常使われる接着剤を用いることが出来る。通常用いられる接着剤としては、イソシアネート系接着剤、エチレンイミン系接着剤等が挙げられる。該接着剤層は、厚さが5μm以下であることが好ましい。5μmを超えた場合、基材層の引張弾性率が高くなりハンドリング性が低下する恐れがある。
本発明の基材層は各層ともその特性を損なわない範囲で、フィルムを製膜する際の押出安定性を得るために、通常用いられる酸化防止剤や滑剤等、各種の添加剤を添加してもよい。
ヒートシール層はキャリアテープに対してヒートシール性を有し、使用時に容易に剥がすことのできる易剥離性を示す熱可塑性樹脂組成物からなるものであれば特に限定されるものではないが、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル、エチレン−αオレフィン、スチレン−g−エチレン重合体等のエチレン系重合体や、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ポリスチレン、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン−共重合体のスチレン系重合体の単独またはこれらの2種以上の混合物を用いることができる。これらの中で特に剥離時の剥離強度差が小さく、なめらかな剥離感触が得られるものとして、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、エチレン−αオレフィン、耐衝撃性ポリスチレンを組合わせたものが特に好ましい。
更にヒートシール層自体に帯電防止性を付与するために、アイオノマー、ポリエステルエーテル共重合体及びエチレンオキサイド鎖−g−ポリアクリル酸等の高分子量帯電防止剤や、界面活性剤型のカチオン系、アニオン系、両性イオン系、ノニオン系帯電防止剤を添加することが出来る。
本発明のヒートシール層は、一般的な方法で製膜することができ、例えばインフレーション成形やTダイ押出等の押出成形でフィルムとする方法、基材層フィルムに前記の樹脂を溶剤に溶解して塗工する方法及び水系のエマルジョンとして塗工すること等によって得ることができる。押出成形でフィルムを製膜する場合、引張弾性率の小さい軟質の樹脂を押出すので、押出安定性を高めるために、支持層と共押出するのが好ましい。支持層に用いる樹脂としては、押出安定性の高い樹脂を用いることが好ましい。この支持層は、本発明のカバーフィルムにおいて、前記の多層の基材層の1層となる熱可塑性樹脂層であり、好ましくは低密度ポリエチレン樹脂やエチレン−αオレフィンとスチレン−エチレン−ブタジエン共重合体の混合物やエチレン−αオレフィンと低密度ポリエチレンの混合物層やエチレン−αオレフィンとスチレン−ブタジエン共重合体の混合物層等を用いることができる。
前記の押出成形で得られたヒートシール層用のフィルムは、ドライラミネートや、押出ラミネート等の一般的な方法により基材層と積層してカバーテープとすることが出来る。またヒートシール層と基材層の密着(ブロッキング現象)を抑制するために、透明性を阻害しない範囲でブロッキング防止剤としてフィラーを添加したり、一方でヒートシール層表面を、押出されたフィルム引取りの際の引取りロールの表面粗さを調整することができる。
本発明のカバーテープは、そのヒートシール層側の表面に、帯電防止剤及び防錆剤からなる帯電防止層が形成されている。用いる帯電防止剤としては、カチオン系、アニオン系、両性イオン系、ノニオン系等の各種の水溶性界面活性剤型帯電防止剤や、高分子量鎖に上記親水基を結合したような高分子量の帯電防止剤等を水等の溶媒に希釈して用いることができる。特に作業性の観点から、水溶性の帯電防止剤の水溶液を用いることが好ましい。
一方で防錆剤としては、前記帯電防止剤の希釈液に添加して、該帯電防止剤希釈液中に均一に分散もしくは溶解するものであれば特に限定されないが、特にベンゾトリアゾール系化合物は、電子部品の金属部の腐食防止性で良好な効果が得られる点や、前記水溶性帯電防止剤と混合して用いることが可能であり、且つ帯電防止剤の性能を阻害することなく使用が可能であり、本発明に用いる防錆剤として好ましい。
前記帯電防止層を形成する方法としては、カバーテープのヒートシール層側の面に、前記の帯電防止剤の1種以上及び防錆剤の1種以上の混合溶液(好ましくは水溶液)を、キスリバースコーターやマイヤーバーコーター、マイクログラビアコーター、噴霧等一般的な方法で塗布し乾燥することによって得ることができる。この帯電防止層の厚みは0.01〜0.2μmであることが好ましい。0.01μm未満であると、十分な帯電防止性を得ることが出来ず、0.2μmを越えると剥離強度の低下等ヒートシール性に悪い影響を及ぼす恐れがある。また、十分な帯電防止性を得るためには、表面抵抗率で1×1012Ω/□以下であることが好ましい。 1×1012Ω/□を越えると、十分な帯電防止性能が発揮されないことがある。また、帯電防止という観点からは、表面抵抗率が低すぎて問題となることはないが、帯電防止剤の添加で1×10Ω/□未満を得ることは現実的ではない。
本発明のカバーテープ全体の厚さは40〜75μmである。40μm未満では高速でカバーテープを剥がした際に切れやすく、75μmを超えると、カバーテープをキャリアテープにヒートシールした後の体積が増し、リール1巻に巻き取れる量が減り、生産効率が低下する。
本発明のカバーテープは、電子部品を収納したキャリアテープと組み合わせた電子部品搬送用キャリアテープとして用いられる。キャリアテープは、シート状成形物から、圧空成型法、真空成型法等の方法で電子部品を収納するためのポケットを成形したものである。そして、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂の1種又は2種以上の樹脂成分から構成される。これらの樹脂はブレンドし単層構成で用いることも可能であるが、例えば両表層はポリカーボネート樹脂層、中芯はポリスチレン系樹脂層のような積層構造物であってもよい。また、静電気によるトラブルを防止する目的から、キャリアテープに帯電防止性能を保持させたものを用いることも出来る。帯電防止性能を保持させるためにカーボンブラックや帯電防止剤を練り込んだキャリアテープや表面に塗工したキャリアテープが好適に用いられる。
本発明でいうキャリアテープシステムとは、前記のようなキャリアテープに電子部品を収納し、前記カバーテープをヒートシールして蓋をし、マウンターと呼ばれる実装機でカバーテープを剥がしつつ、部品を基板に実装する電子部品の運搬/実装するシステムである。本発明のキャリアテープシステムでは、金属部分を有する電子部品を収納して長期間高温多湿の環境で保存しても電子部品の腐食がおこらず、かつ電子部品を取り出す際にカバーテープを剥離する際の適切な剥離強度が安定して得られる。
本発明の実施例及び比較例を以下に示す。
(実施例1)
スチレン含量が40質量%であるスチレン−ブタジエン共重合体(JSR社製、商品名:STR1602)15質量部と低密度ポリエチレン(住友化学工業社製、商品名:スミカセンL705)37質量部と耐衝撃性ポリエチレン(東洋スチレン社製、商品名:H870)10質量部とスチレン含量が80質量%であるスチレン−ブタジエン共重合体(電気化学工業社製、商品名:L760)からなる樹脂混合物を作成し、T−ダイ法にて厚さ30μmのヒートシール層フィルムを作成した。その際、エンボスロールに接触させ、カバーテープ外側となる面に0.4μmの粗さ(Ra)を表面に付与した。このフィルムと二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを、溶融した低密度ポリエチレンで押出サンドラミネートを行い、ラミネートフィルムを作成した。このラミネートフィルムの両表面に帯電防止剤として両性イオン系帯電防止剤(日本純薬社製、商品名:ジュリマー)を純水にて20倍に希釈した液(5質量%溶液)に防錆剤としてベンゾトリアゾールを1質量%添加したものを0.2μm厚さで塗布し、乾燥してカバーテープとした。
得られたカバーテープを用いて以下の測定を実施した。
(1)表面抵抗率測定
JIS K−6911に従い、23℃50%RHの環境にて、印加電圧500V、測定時間60秒にてヒートシール層面の表面抵抗率を測定した。一般的にカバーテープの帯電防止性能を発揮するのに必要な表面抵抗率は、1×1012Ω/□以下である。
(2)金属に対する腐食性比較
促進環境(60℃90%RH)において、カバーテープのヒートシール層面にコバールの小片を載せ、24時間毎にカバーテープとの接触面の外観観察を行った。外観観察は実体顕微鏡で20倍に拡大して行い、カバーテープに触れない面との比較をし、赤褐色の変色の発生を観察し、発生までの経過時間を計測した。尚、当該促進環境にて192時間以上変色が見られなければ、実際に市場で扱われた場合の半年間にわたって同様の変色が見られないことを確認している。
(3)剥離強度安定性
デンカECシートを用いて成形した24mm幅のキャリアテープに、前記カバーテープをヒートシール機を用いて下記の条件でヒートシールし、300mm/minの速度において剥離を行い剥離強度測定を行なった。この条件で、剥離強度が0.4N未満のものは、実用上シール性が十分でない。
コテ幅:0.5mm×2本
シール圧力:0.34MPa
シール温度及び時間:160℃×0.5秒
シール回数:2回
(実施例2)
帯電防止剤としてアニオン系帯電防止剤(花王社製、商品名:エレクトロストリッパー)を用いた以外は実施例1と同様にカバーテープを作製し、同様の評価を行った。
(実施例3)
防錆剤としてカルボキシベンゾトリアゾールを用いた以外は実施例1と同様にカバーテープを作製し、同様の評価を行った。
(比較例1)
帯電防止剤にベンゾトリアゾールを添加しないで帯電防止層を形成した以外は実施例1と同様にしてカバーテープを作製し同様の評価を行った。
(比較例2)
帯電防止剤を50倍に希釈し、ベンゾトリアゾールを添加しない以外は、実施例1と同様にしてカバーテープを作製し、同様の評価を行った。
(比較例3)
帯電防止剤を塗布しない以外は、実施例1と同様にしてカバーテープを作製し、同様の評価を行った。
(比較例4)
防錆剤として2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジンを用いた以外は実施例1と同様にしてカバーテープを作製し、同様の評価を行った。
(比較例5)
防錆剤として3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸を用いた以外は実施例1と同様にしてカバーテープを作製し、同様の評価を行った。
実施例1〜3及び比較例1〜5の評価結果を、それぞれ表1及び表2に纏めて示した。
Figure 2005306460
Figure 2005306460

Claims (3)

  1. 少なくとも基材層と易剥離性のヒートシール層有し、該ヒートシール層側の表面に帯電防止剤及び防錆剤からなる帯電防止層が形成されているカバーテープ。
  2. 防錆剤としてベンゾトリアゾール系化合物を用いた請求項1に記載のカバーテープ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のカバーテープを用いた電子部品包装用キャリアテープシステム。
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