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JP6582615B2 - インクセットおよび両面印刷方法 - Google Patents

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JP6582615B2 JP2015128360A JP2015128360A JP6582615B2 JP 6582615 B2 JP6582615 B2 JP 6582615B2 JP 2015128360 A JP2015128360 A JP 2015128360A JP 2015128360 A JP2015128360 A JP 2015128360A JP 6582615 B2 JP6582615 B2 JP 6582615B2
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Description

本発明は、インクセットおよび両面印刷方法に関する。
水系インクを用いたインクジェット記録方法の高速化が進んでいる。中でも、記録ヘッドとしてラインヘッドを用いたライン型インクジェットプリンターは、印刷速度は100ページ/分程であり、かつ高密度の印刷が可能である。
しかし、ライン型インクジェットプリンターは、片面の高速印刷は容易であるものの、主に2つの課題のため、両面印刷の高速化が困難となっている。1つ目の課題は、インクに含まれる水分によって、片面印刷後の紙にカールやコックリングなどの紙変形が発生し、紙搬送路を搬送される用紙が紙詰まり(紙ジャム)を発生させて紙搬送が困難になることである。2つ目の課題は、水系インクは用紙への浸透や蒸発に時間がかかるため、紙送りローラーなどの紙搬送機構にインク転写が発生することである。これらの課題により、水系インクを用いたライン型インクジェットプリンターでは、両面印刷の速度はせいぜい2〜3枚/分と極端に遅くなり、レーザープリンターのような両面印刷速度を実現することは困難である。
そこで、例えば、特許文献1には、インクジェット記録装置を用いて普通紙に写真や図等を高速印刷する場合において、多量のインクが普通紙に付着することにより、記録後のカールを十分に抑制することができないという問題を解決することを目的として、液体吐出装置に加熱手段を設けて用紙の第1の面を乾燥することにより、用紙の第1の面の水分量と用紙の第2の面の水分量との間に所定量の差を設け、乾燥させた用紙の第1の面に水性液体を吐出して付着させる技術が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、被印刷媒体の反転機構や転写媒体が不要な両面印刷が可能なインクジェット印刷装置を提供することを目的として、装置の上から下へ向かって単純な経路で垂直に搬送される被印刷媒体の両面にインクジェット式記録ヘッドを配置し、高粘度の即乾性水性インクを用いて両面印刷する技術が開示されている。
特開2012−183798号公報 特開2006−256289号公報
しかしながら、高速印刷のために乾燥工程を設けたり、浸透するまでの待ち時間を設けたり、更には両面から同時に印字する場合には、機械的な工夫が必要である。また、水分量の多い水系インクを用いた場合、印字後にコックリングや排紙の永久カールを抑制することは難しく、紙搬送性を向上させることによる両面印刷の高速化は難しく、水分量の少ない高粘度インクを用いた場合は、インクの乾燥が速くても用紙への浸透は遅いため、逆に両面印刷の高速化が困難となっている。
このように、紙へのインク浸透や乾燥を秒単位で完了させることが困難であり、特に、高速両面印刷を目的として表面印刷後すぐに裏面を印刷すると、表面へのインク浸透が完了していない状態で裏面印字が開始されるため、紙送りローラーなどの紙搬送機構にイン
ク転写が発生し、紙へインクが再転写して、紙がインクで汚れるといった課題が発生する。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、上述の課題の少なくとも一部を解決することで、紙搬送部材へのインク転写を抑制すると共に紙搬送性を向上させて両面印刷の高速化が可能なインクセット、両面印刷方法を提供することにある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係るインクセットの一態様は、
ブラック顔料インクの水分量が68質量%以上75質量%以下であり、
自己分散型カラー顔料インクの水分量が62質量%以上72質量%以下であり、
樹脂分散型カラー顔料インクの水分量が68質量%以上75質量%以下であることを特徴とする。
適用例1の態様によれば、インクセットを構成するインク種毎に水分量を調整することにより、インク転写と紙変形を抑制し、両面印刷の高速化が可能なインクセットを提供することが可能となる。
[適用例2]
適用例1のインクセットにおいて、
前記ブラック顔料インク、前記自己分散型カラー顔料インク、および前記樹脂分散型カラー顔料インクの全ては、アセチレングリコール、およびアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物からなる群より選択されるアセチレングリコール系界面活性剤を3種以上含有し、
前記アセチレングリコール系界面活性剤の含有量の合計が、前記ブラック顔料インク、前記自己分散型カラー顔料インク、および前記樹脂分散型カラー顔料インクのそれぞれの全質量に対して、0.1質量%以上3質量%以下であることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2のインクセットにおいて、
前記インクセットが両面印刷インクジェット記録装置用であることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例のインクセットにおいて、
前記ブラック顔料インク、前記自己分散型カラー顔料インク、および前記樹脂分散型カラー顔料インクの全ての粘度が2.0mm/s以上4.0mm/s以下であることができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例のインクセットにおいて、
前記ブラック顔料インク、前記自己分散型カラー顔料インク、および前記樹脂分散型カラー顔料インクの全てが、さらに、アルキレングリコールモノアルキルエーテルを含むことができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一例のインクセットにおいて、
前記ブラック顔料インク、前記自己分散型カラー顔料インク、および前記樹脂分散型カラー顔料インクの全てが、さらに、1,2−アルカンジオールを含むことができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか一例のインクセットにおいて、
前記ブラック顔料インク、前記自己分散型カラー顔料インク、および前記樹脂分散型カラー顔料インクの全てが、さらに、トリメチルグリシンを含むことができる。
[適用例8]
本発明に係るインクセットの他の一態様は、
ブラック顔料インク、自己分散型カラー顔料インク、および樹脂分散型カラー顔料インクからなる群より選択される少なくとも一種を含むインクセットであって、
前記ブラック顔料インクの水分量が68質量%以上75質量%以下であり、
前記自己分散型カラー顔料インクの水分量が62質量%以上72質量%以下であり、
前記樹脂分散型カラー顔料インクの水分量が68質量%以上75質量%以下であることを特徴とする。
[適用例9]
適用例1ないし適用例8のいずれか一例のインクセットにおいて、
前記ブラック顔料インクは自己分散顔料からなることができる。
[適用例10]
本発明に係る両面印刷方法の一態様は、
ブラック顔料インクの水分量が68質量%以上75質量%以下であり、
自己分散型カラー顔料インクの水分量が62質量%以上72質量%以下であり、
樹脂分散型カラー顔料インクの水分量が68質量%以上75質量%以下である、インクセットと、
表面印字開始から裏面印字開始まで3秒以内である紙搬送機構と、
備えるインクジェット記録装置を用いて両面印刷することを特徴とする。
[適用例11]
適用例10の両面印刷方法において、
普通紙全面ベタ印字の両面印刷速度(ページ/分)が、片面印字速度の30%以上100%以下であることができる。
[適用例12]
適用例10または適用例11の両面印刷方法において、
前記ブラック顔料インクは自己分散顔料からなることができる。
本実施形態に用いるインクジェット記録装置の側面断面構造を示す模式図。
以下に本発明の好適な実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
1.インクセット
本発明の一実施形態に係るインクセットは、ブラック顔料インクの水分量が68質量%以上75質量%以下であり、自己分散型カラー顔料インクの水分量が62質量%以上72
質量%以下であり、樹脂分散型カラー顔料インクの水分量が68質量%以上75質量%以下であることを特徴とする。このインクセットは、例えば、後述する表面印字開始から裏面印字開始まで3秒以内である紙搬送機構を備えるインクジェット記録装置に搭載されて、ライン型の記録ヘッドを用いたライン型インクジェット記録方式により両面印刷するために用いられるものである。
以下、本実施形態に係るインクセットを構成するインク、および該インクに含まれる成分、および含まれ得る成分について説明する。なお、本実施形態に係るインクセットは、上記特定の水分量のブラック顔料インク、自己分散型カラー顔料インク、および樹脂分散型カラー顔料インクからなる群より選択される少なくとも一種を含むものであり、これらのインクのうち少なくとも一種を含んでいれば、本実施形態に係るインクセットを構成するものとする。
1.1.インク
本実施形態に係るインクセットを構成するインク(上記特定の水分量の、ブラック顔料インク、自己分散型カラー顔料インク、および樹脂分散型カラー顔料インク)は、それぞれ、色材として顔料を含有し、顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
1.1.1.ブラック顔料インク
本実施形態に係るインクセットを構成するブラック顔料インクは、ブラック顔料と水を含有するものであり、水分量が68質量%以上75質量%以下である。
ブラック顔料インクに用いられる顔料としては、カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)が好ましい。当該カーボンブラックとして、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャネルブラック等が挙げられる。
上記カーボンブラックの市販品として、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical
Corporation)製商品名)、ラーベン H20,5750,5250,5000,3500,1255,700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製商品名)、Rega1 400R,330R,660R、Mogul
L、Monarch 700,800,880,900,1000,1100,1300,1400等(以上、キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製商品名)、Color Black FW1,FW2,FW2V,FW18,FW200,S150,S160,S170、Printex 35,U,V,140U、Special Black 6,5,4A,4等(以上、デグサ(Degussa)社製商品名)、BONJET BLACK M−800(オリエント化学工業社(ORIENT CHEMICAL INDUSTRIES CO., LTD.)製商品名)が挙げられる。
カーボンブラックは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックの含有量は、優れた隠蔽性及び色再現性が得られるため、インクの総質量(100質量%)に対して、1質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
カーボンブラックの平均粒径は、50nm以上500nm以下であることが好ましい。平均粒径が50nm以上であると、発色性がより良好になるためインクとして使用しやすくなる。他方、平均粒径が500nm以下であると、インクジェット方式で使用しやすく
なる。また、上記平均粒径は、インクの保存安定性、吐出安定性、及び沈降性に優れるため、50nm以上300nm以下であることがより好ましく、50nm以上200nm以下であることがさらに好ましい。
ここで、本明細書における「平均粒径」とは、光散乱法により得られた球換算50%平均粒子径(d50)のことをいう。「光散乱法による球換算50%平均粒子径(d50)」は、以下のようにして得られる値である。分散媒中の粒子に光を照射し、当該分散媒の前方・側方・後方に配置されたディテクターによって、発生する回折散乱光を測定する。前記測定値を利用して、本来は不定形である粒子を球形であるものと仮定し、当該粒子の体積と等しい球に換算された粒子集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その際の累積値が50%となる点を上記50%平均粒子径(d50)とする。
ブラック顔料インクは、インクの総質量(100質量%)に対して、水分量が68質量%以上75質量%以下である。水分量がこの範囲にある場合、インク転写と紙変形を抑制し、両面印刷の高速化が可能なインクセットを提供することが可能となる。水分量が68質量%未満の場合には、インクの粘度が高すぎて紙への浸透が遅く、また、紙搬送機構へのインク転写が増加する。また、水分量が75質量%より多い場合には、水による紙変形が大きく、コックリングや永久カールが発生し、紙搬送が困難となる。水による紙変形を抑制するためには、水分量は70質量%以上73質量%以下であることがより好ましい。
水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものであることが好ましい。また、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
なお、ブラック顔料インクは、次に説明するように、顔料表面の親水基を有する自己分散顔料からなるものであってもよい。
1.1.2.自己分散型カラー顔料インク
本実施形態に係るインクセットを構成する自己分散型カラー顔料インクは、顔料が水中で安定的に分散保持できるようにするために、顔料粒子表面に親水性官能基を化学的・物理的に導入した自己分散型カラー顔料と水を含有するものであり、水分量が62質量%以上72質量%以下である。
ここで、自己分散型顔料とは、分散剤なしに水性媒体中に分散あるいは溶解することが可能な顔料をさす。ここで「分散剤なしに水性媒体中に分散あるいは溶解」とは、顔料を分散させるための分散剤を用いなくても、顔料表面の親水基により、水性媒体中に安定に存在している状態を言う。このため、分散剤に起因する消泡性の低下による発泡がほとんど無く、吐出安定性に優れるインクが調製しやすい。また、分散剤に起因する大幅な粘度上昇が抑えられるため、顔料をより多く含有することが可能となり、印字濃度を十分に高めることが可能になる等、取り扱いが容易である。
上記の親水基は、−OM、−COOM、−CO−、−SOM、−SOM、−SONH、−RSOM、−POHM、−PO、−SONHCOR、−NH、及び−NR(これらの式中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、置換基を有していてもよいフェニル基、又は有機アンモニウムを表し、Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基または置換基を有していてもよいナフチル基を表す。)からなる群から選択される1以上の親水基であることが好ましい。
自己分散型顔料は、例えば、下記のカラー顔料に物理的処理または化学的処理を施すこ
とで、前記親水基を顔料の表面に結合(グラフト)させることにより製造される。当該物理的処理としては、例えば真空プラズマ処理等が例示できる。また、当該化学的処理としては、例えば水中で酸化剤により酸化する湿式酸化法や、p−アミノ安息香酸を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシル基を結合させる方法等が例示できる。
自己分散型カラー顔料インクに用いられるカラー顔料としては、得ようとするインクの種類(色)に応じて適宜挙げられる。
例えば、イエローインク用の顔料としては、C.I.ピグメントイエロー 1,2,3,12,14,16,17,73,74,75,83,93,95,97,98,109,110,114,128,129,138,139,147,150,151,154,155,180,185が挙げられる。中でもC.I.ピグメントイエロー 74,110,128、及び129からなる群から選ばれる一種以上を用いることが好ましい。
また、マゼンタインク用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド 5,7,12,48(Ca),48(Mn),57(Ca),57:1,112,122,123,168,184,202,209、C.I.ピグメントバイオレット 19が挙げられる。中でもC.I.ピグメントレッド 122,202,209、及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選ばれる一種以上を用いることが好ましく、さらにこれらの固溶体であってもよい。
また、シアンインク用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー 1,2,3,15:2,15:3,15:4,15:34,16,22,60、C.I.バットブルー 4,60が挙げられる。中でもC.I.ピグメントブルー15:3及びC.I.ピグメントブルー15:4のうち少なくとも一方を用いることが好ましく、このうちC.I.ピグメントブルー15:3を用いることがより好ましい。
上記カラー顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カラー顔料の含有量は、インクを調製する際に、適宜な含有量(顔料濃度)に調整すればよいため特に限定されない。例えば、顔料濃度が1質量%以上3質量%以下であるライトインクとすることで、粒状性が抑制された画像を得ることが可能である。一方、顔料濃度が4質量%以上12質量%以下であるノーマルインクとすることで、発色性に優れた画像を得ることが可能である。
カラー顔料の平均粒径は、50nm以上500nm以下であることが好ましい。平均粒径が50nm以上であると、発色性がより良好になるためインクとして使用しやすくなる。他方、平均粒径が500nm以下であると、インクジェット方式で使用しやすくなる。また、上記平均粒径は、インクの保存安定性、吐出安定性、及び沈降性に優れるため、50nm以上300nm以下であることがより好ましく、50nm以上200nm以下であることがさらに好ましい。
自己分散型カラー顔料インクは、インクの総質量(100質量%)に対して、水分量が62質量%以上72質量%以下である。水分量がこの範囲にある場合、インク転写と紙変形を抑制し、両面印刷の高速化が可能なインクセットを提供することが可能となる。水分量が62質量%未満の場合には、インクの粘度が高すぎて紙辺の浸透が遅く、また、紙搬送機構へのインク転写が増加する。また、水分量が72質量%より多い場合には、水による紙変形が大きく、コックリングや永久カールが発生し、紙搬送が困難となる。両面ローラーへのインク転写と水による紙変形を抑制するために、水分量は66質量%以上70質
量%以下であることがより好ましい。
水は、上記ブラック顔料インクと同様に、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものであることが好ましい。また、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
1.1.3.樹脂分散型カラー顔料インク
本実施形態に係るインクセットを構成する樹脂分散型カラー顔料インクは、顔料が水中で安定的に分散保持できるようにするために、樹脂分散によって分散可能とした樹脂分散型顔料と、水を含有するものであり、水分量が68質量%以上75質量%以下である。
イエロー顔料の表面に親水基を付与して自己分散型イエロー顔料インクとすることが技術的に難しい場合があるため、イエローインクは、樹脂分散型イエロー顔料インクであることが好ましい。樹脂分散型イエロー顔料インクに含まれる顔料としては、カラーインデックスに記載されているピグメントイエロー等の顔料の他、アゾ系、縮合環系等の顔料が例示できる。また、黄色4号、5号、205号、401号等の有機顔料が挙げられる。イエロー顔料の具体例として、C.I.ピグメントイエロー 1,3,12,13,14,17,24,34,35,37,42,53,55,74,81,83,95,97,98,100,101,104,108,109,110,117,120,128,138,150,153,155,174,180,198が挙げられる。中でも、イエローインクに含まれる有機顔料が、C.I.ピグメントイエロー 74、109、110、128、138、147、150、155、180、及び188からなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
上記顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記顔料は、好ましくは6質量%以上含まれる。顔料濃度が6質量%以上である場合には、その記録物は発色性に優れたものとなる。
上記顔料の平均粒径は、50nm以上500nm以下であることが好ましい。平均粒径が50nm以上であると、発色性がより良好になるためインクとして使用しやすくなる。他方、平均粒径が500nm以下であると、インクジェット方式で使用しやすくなる。また、上記平均粒径は、インクの保存安定性、吐出安定性、及び沈降性に優れるため、50nm以上300nm以下であることがより好ましく、50nm以上200nm以下であることがさらに好ましい。
樹脂分散型顔料に用いられる樹脂(ポリマー)としては、以下に限定されないが、例えば、顔料の分散に用いられる分散ポリマーのTgは、55℃以下であることが好ましく、50℃以下がより好ましい。当該Tgが55℃以下であると、定着性を良好なものとすることができる。当該ポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(スチレン換算)が10,000以上200,000以下であるものを用いることが好ましい。これにより、顔料インクとしての保存安定性が一層良好となる。
ここで、本明細書における重量平均分子量は、日立製作所社製L7100システムのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、スチレン換算重量平均分子量として測定するものとする。
上記ポリマーとして、その構成成分のうち70質量%以上が(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸の共重合によるポリマーであると、定着性及び光沢性に一層優れる。
炭素数1〜24のアルキル(メタ)アクリレート及び炭素数3〜24の環状アルキル(メタ)アクリレートのうち少なくとも一方が70質量%以上のモノマー成分から重合されたものであることが好ましい。その具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート及びベヘニル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、その他の添加成分としてヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、及びエポキシ(メタ)アクリレートを用いることもできる。
また、定着性、光沢性、及び色再現性に一層優れるため、上記樹脂分散型顔料の中でもポリマーに被覆された顔料(マイクロカプセル型顔料)が好適に用いられる。
ポリマーに被覆された顔料は、転相乳化法または沈降堆積法により得られるものである。転相乳化法では、まず上記のポリマーをメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、及びジブチルエーテル等の有機溶媒に溶解させる。得られた溶液に顔料を添加し、次いで中和剤及び水を添加して混練・分散処理を行うことにより水中油滴型の分散体を調製する。そして、得られた分散体から有機溶媒を除去することによって、水分散体としてポリマーに被覆された顔料を得ることができる。混練・分散処理は、例えば、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、及び高速攪拌型分散機などを用いることができる。
中和剤としては、エチルアミン、トリメチルアミン等の3級アミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びアンモニア等が好ましく、得られる水分散体のpHが6〜10であることが好ましい。
顔料を被覆するポリマーとしては、GPCによる重量平均分子量が10,000〜150,000程度のものが、顔料を安定的に分散させる点で好ましい。
顔料分散樹脂の含有割合は、分散すべき顔料によって適宜選択することができるが、インク中の顔料の含有量100質量部に対して、好ましくは5質量部以上200質量部以下、より好ましくは30質量部以上120質量部以下である。
樹脂分散型カラー顔料インクは、インクの総質量(100質量%)に対して、水分量が68質量%以上75質量%以下である。水分量がこの範囲にある場合、インク転写と紙変形を抑制し、両面印刷の高速化が可能なインクセットを提供することが可能となる。水分量が68質量%未満の場合には、インクの粘度が高すぎて紙辺の浸透が遅く、また、紙搬送機構へのインク転写が増加する。また、水分量が75質量%より多い場合には、水による紙変形が大きく、コックリングや永久カールが発生し、紙搬送が困難となる。水による紙変形を抑制するために、水分量は70質量%以上73質量%以下であることがより好ましい。
水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水のようなイオ
ン性不純物を極力除去したものであることが好ましい。また、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
1.2.アセチレングリコール系界面活性剤
本実施形態に係るインクセットを構成するインクは、アセチレングリコール、およびアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物からなる群より選択されるアセチレングリコール系界面活性剤を3種以上含有してもよく、その場合、アセチレングリコール系界面活性剤の含有量の合計が、インクセットを構成するインクのそれぞれの全質量に対して、0.1質量%以上3質量%以下である。
本実施形態に係るインクセットを構成するインクが、上記特定の構造を有するアセチレングリコール系界面活性剤3種以上を、インクのそれぞれの全質量に対して、0.1質量%以上3質量%以下含有する場合、インクが紙に高速で浸透するようになるため、紙搬送機構へのインク転写抑制効果が得られる。
以下、本明細書において、「3種以上のアセチレングリコール系界面活性剤」という場合には、下記一般式(1)および下記一般式(2)からなる群より選択される3種以上のアセチレングリコール系界面活性剤のことを指す。
Figure 0006582615
一般式(1)において、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素数1以上5以下のアルキル基を表す。炭素数1以上5以下のアルキル基は、直鎖構造であってもよいし、分岐構造であってもよい。このようなアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。RおよびRは同一であっても異なっていてもよい。
Figure 0006582615
一般式(2)において、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素数1以上5以下のアルキル基を表し、mおよびnはそれぞれ、0.5以上25以下の正数であり、m+nは、1以上40以下である。炭素数1以上5以下のアルキル基は、直鎖構造であってもよいし、分岐構造であってもよい。このようなアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。RおよびRは同一であっても異なっていてもよい。また、mおよびnは、エチレンオキサイドの付加モル数を表し、m+nが1以上40以下である必要があるが、10以上30以下であることが好ましく、15以上25以下であることがより好ましい。
上記の特定の構造を有するアセチレングリコール系界面活性剤を3種以上含有するインクを用いることで、インクが紙に高速で浸透するようになる効果を発揮できるメカニズムは、次の理由によるものと考えられる。
互いに似通った構造の界面活性剤がインク中で複数存在すると、各界面活性剤の配列が乱れて、1の界面活性剤からなる大きなミセルが形成されにくくなり、各界面活性剤が微小なクラスターとして存在することになる。その結果、記録媒体の表面に対するインクの移動速度が向上し、記録媒体に対する濡れ性および浸透性が向上する。これにより、画質の向上および記録の高速化を実現できる。このような現象は、互いに似通った構造のアセチレングリコール系の界面活性剤が3種類以上存在することで一層顕著になる。
また、記録媒体に対するインクの浸透速度は、γ・cosθ(ここで、γはインクの表面張力、θは記録媒体に対するインクの接触角を示す。)で示される式から算出される値に比例することが知られている。ここで、インクジェット記録用のインクに広く用いられているフッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤は、接触角θが小さいが、表面張力γも低いため、記録媒体に対するインクの浸透速度の向上が見込めない。一方、アセチレングリコール系界面活性剤は、接触角は小さいが、表面張力γが高いので、インクの浸透速度が向上して、画質および定着性の向上ならびに記録の高速化を実現できる。このような作用は、互いに似通った構造のアセチレングリコール系の界面活性剤が3種類以上存在することで一層顕著になる。
本明細書における画質の良否は、インク滴の凝集、色ムラ、ブリード(滲み)、ローラーへのインク転写による画像の汚染等の状態によって判断できる。ここで、インク滴の凝集とは、記録媒体に付着したインク滴が濡れ拡がる前に流動して、他のインク滴と結合することで生じる現象をいう。このようにインク滴の凝集が起こると、記録媒体の表面にインク滴で被覆されていない部分が筋状に残る筋ムラや、画像に局所的な濃度斑ができる色ムラなどが生じる場合がある。また、ブリード(「滲み」あるいは「ブリーディング」ともいう)とは、単色で記録された画像の輪郭部分が滲んで画像が不鮮明になったり、異なる色間において隣接する一方の色が他方の色側に滲み出し混ざり合う結果、画像が不鮮明になる状態をいう。
上記一般式(1)で表されるアセチレングリコールの具体例としては、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、5,8−ジメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、4,7−ジメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,3,6,7−テトラメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,6−ジエチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール等が挙げられる。また、上記一般式(1)で表されるアセチレングリコールは、市販品を用いることができ、例えばサーフィノール82、104、DF−110(以上全て商品名、日信化学工業社製)等が挙げられる
上記一般式(2)で表されるアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物の具体例としては、上記一般式(1)で表されるアセチレングリコールの具体例で挙げた化合物のエチレンオキサイド付加物が挙げられる。また、上記一般式(2)で表されるアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物は、市販品を用いることができ、例えばオルフィンE1004、E1010、E4300、サーフィノール485(以上全て商品名、日信工業社製)等が挙げられる。
3種以上のアセチレングリコール系界面活性剤は、上記一般式(1)で表されるアセチ
レングリコールを1種以上と、上記一般式(2)で表されるアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物を2種以上と、含むことが好ましい。これにより、上述の3種以上のアセチレングリコール系界面活性剤による効果が一層向上する。
3種以上のアセチレングリコール系界面活性剤の含有量の合計は、各インクの全質量に対して、0.1質量%以上3質量%以下である必要があり、好ましくは0.5質量%以上2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上2質量%以下である。3種以上のアセチレングリコール系界面活性剤の含有量が上記範囲内にあることで、上述した効果が一層良好に発揮される。一方、0.1質量%未満であると、インクが紙に高速で浸透する効果が得られにくい。
3種以上のアセチレングリコール系界面活性剤のそれぞれの含有量が、3種以上のアセチレングリコール系界面活性剤の含有量の合計に対して、5質量%以上50質量%未満であることが好ましく、10質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。当該数値範囲内にあることで、3種以上のアセチレングリコール系界面活性剤の配合バランスが良好となるので、3種以上のアセチレングルコール系界面活性剤を含有することで生じる効果が一層向上する。
3種以上のアセチレングリコール系界面活性剤のうち、第1のアセチレングリコール系界面活性剤のHLB値をh、第2のアセチレングリコール系界面活性剤のHLB値をh、第3のアセチレングリコール系界面活性剤のHLB値をh、とした場合に、下記式(A)、式(B)、式(C)の全てを満たすことが好ましい。
<h<h ・・・(A)
<6・・・ (B)
10≦h ・・・(C)
このように、互いに異なるHLB値を有する3種類以上のアセチレングリコール系界面活性剤を含有するインクを用いることにより、インクが紙に高速で浸透する効果が向上する。より詳しくは、親油性の第1のアセチレングリコールを含有することで、インクの吸収性の低い記録媒体に対する濡れ拡がり性の効果が良好に発揮され、親水性の第3のアセチレングリコールを含有することで、インクの吸収性の高い記録媒体に対する濡れ拡がり性の効果が良好に発揮されることになる。さらに、第1のアセチレングリコール系界面活性剤と、第2のアセチレングリコール系界面活性剤と、の間のHLB値を有する第2のアセチレングリコール系界面活性剤を含有することで、第1のアセチレングリコール系界面活性剤と第3のアセチレングリコール系界面活性剤との相溶性が良好になるので、高速印刷での吐出性を良好にすることができる。このようにして、3種以上のアセチレングリコール系界面活性剤を含有することで生じる上記の効果が得られる。
本実施形態に係るインクに含まれる3種以上のアセチレングリコール系界面活性剤は、上記式(A)〜(C)を満たすことに加えて、第2のアセチレングリコール系界面活性剤のHLB値(h)が、7以上12以下(すなわち、7≦h≦12)であることが好ましく、8以上12以下(すなわち、8≦h≦12)であることがより好ましい。これにより、インクに含まれる3種以上のアセチレングリコール系の界面活性剤のHLB値のバランスが良好になるので、多様な種類の記録媒体に対する画質、定着性、高速記録性が一層向上する傾向にある。
第1のアセチレングリコール系界面活性剤のHLB値(h)は、上記式(B)に示すように6未満であることが好ましいが、第1のアセチレングリコール系界面活性剤のインク中での分散性が向上するという観点から、1以上6未満(すなわち、1≦h<6)であることがより好ましく、3以上6未満(すなわち、3≦h<6)であることがさらに
好ましい。
第3のアセチレングリコール系界面活性剤のHLB値(h)は、上記式(C)に示すように10以上であることが好ましいが、第3のアセチレングリコール系界面活性剤と他の界面活性剤との良好な混合性を保ちつつ、インクの吸収性の高い記録媒体に対する浸透性を一層向上できるという観点から、10以上20以下(すなわち、10≦h≦20)であることがより好ましく、12以上18以下(すなわち、12≦h≦18)であることがさらに好ましい。
本発明におけるHLB値は、デービスらが提唱した化合物の親水性を評価する値であり、例えば文献「J.T.Davies and E.K.Rideal, “Interface Phenomena”2nd ed. Academic
Press, New York 1963」中で定義されているデービス法により求められる数値で、下記式(i)によって算出される値をいう。
HLB値=7+Σ[1]+Σ[2] ・・・(i)
(式(i)中、[1]は親水基の基数を表し、[2]は疎水基の基数を表す。)
インクの全質量(100質量%)に対する、第1のアセチレングリコール系界面活性剤の含有量をW質量%、第2のアセチレングリコール系界面活性剤の含有量をW質量%、第3のアセチレングリコール系界面活性剤の含有量をW質量%とした場合に、これらの比(W:W:W)が、3:1:1〜1:1:1の範囲にあることが好ましい。当該数値範囲内にあることで、3種以上のアセチレングリコール系界面活性剤の配合バランスが良好となるので、3種以上のアセチレングルコール系界面活性剤を含有することで生じる効果が一層向上する。
3種以上のアセチレングリコール系界面活性剤は、濃度1%となるように水に添加した際に透明に溶解しないアセチレングリコールを1種以上と、濃度1%となるように水に添加した際に透明に溶解しないアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物を1種以上と、濃度1%となるように水に加えた際に透明に溶解するアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物を1種以上と、を含むことが好ましい。これにより、上述の3種以上のアセチレングリコール系界面活性剤による効果が一層向上する傾向にある。
アセチレングリコール系界面活性剤の水への溶解性は、アセチレングリコール系界面活性剤と水の混合液の光透過率に基づいて判断でき、光透過率90%以上の混合液を「透明に溶解する」とし、光透過率90%未満の混合液を「透明に溶解しない」とする。混合液は、アセチレングリコール系界面活性剤を濃度1%となるように水に添加して、10分以上混合攪拌することで調製される。また、光透過率は、分光光度計を用いて、光路長1cmの石英セルを使用して測定することができる。本測定に使用する分光光度計としては、例えば株式会社日立ハイテクノロジーズ社製のU−3900(商品名)が挙げられる。
1.3.アルキレングリコールモノアルキルエーテル
本実施形態に係るインクセットを構成するインクは、アルキレングリコールモノアルキルエーテルを含有してもよい。本実施形態に係るインクセットを構成するインクがアルキレングリコールモノアルキルエーテルを含有する場合、アルキレングリコールモノアルキルエーテルが浸透剤として作用するため、インクが紙に高速で浸透するようになり、紙搬送機構へのインク転写抑制効果が得られる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレン
グリコールモノブチルエーテル(TEGmBE)、ジエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、エチレングリコールモノイソオクチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソオクチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソオクチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルは、1種単独か又は2種以上を混合して使用することができる。
上記アルキレングリコールモノアルキルエーテルを含有する場合には、インクの全質量に対して、0.5質量%以上6質量%以下とすることができる。
1.4.1,2−アルカンジオール
本実施形態に係るインクセットを構成するインクは、1,2−アルカンジオールを含有してもよい。本実施形態に係るインクセットを構成するインクが1,2−アルカンジオールを含有する場合には、1,2−アルカンジオールが浸透剤として作用するため、インクが紙に高速で浸透するようになり、紙搬送機構へのインク転写抑制効果が得られる。
1,2−アルカンジオール類としては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等が挙げられる。
1,2−アルカンジオール類は、1種単独か又は2種以上を混合して使用することができる。
1,2−アルカンジオール類を含有する場合には、その含有量は、インクの全質量に対して、1質量%以上20質量%以下とすることができる。
1.5.トリメチルグリシン
本実施形態に係るインクセットを構成するインクは、トリメチルグリシン(「グリシンベタイン」ともいう。)を含有してもよい。トリメチルグリシンは、保湿剤として機能するベタイン化合物の1つであり、カール、コックリング適性に優れ、温度による粘度特性に優れる物質である。このため、本実施形態に係るインクセットを構成するインクがトリメチルグリシンを含有する場合には、紙の永久カールの発生が抑制されて紙搬送性が向上し、両面印刷の高速化が可能となる。
トリメチルグリシンを含有する場合には、その含有量は、インクの全質量に対して、1質量%以上40質量%以下とすることができ、好ましくは5質量%以上30質量%以下とすることができる。市販品としては、例えば、アミノコート(旭化成ケミカルズ社製)を
使用することもできる。
1.6.その他の成分
本実施形態に係るインクセットを構成するインクは、上記以外の有機溶剤、樹脂、上記特定構造のアセチレングリコール系界面活性剤以外の界面活性剤(以下、「その他の界面活性剤」ともいう。)、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等を含有してもよい。
1.6.1.有機溶剤
有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、多価アルコール類、ピロリドン誘導体等が挙げられる。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられる。多価アルコール類は、インクの紙に対する濡れ性を高めたり、記録ヘッドのノズルの保湿性を高める等の機能を備える。多価アルコール類を含有する場合には、インクの全質量に対して、2質量%以上30質量%以下とすることができる。
ピロリドン誘導体としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。ピロリドン誘導体は、樹脂の良好な溶解剤として作用することができる。ピロリドン誘導体を含有する場合には、インクの全質量に対して、0.5質量%以上6質量%以下とすることができる。
1.6.2.樹脂
樹脂は、インクの定着性を向上させるという機能を備える。樹脂としては、アクリル系樹脂、フルオレン系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、ロジン変性樹脂、テルペン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。樹脂には、エマルジョンタイプのものを用いてもよいし、溶液タイプのものを用いてもよい。樹脂を含有する場合には、その含有量を0.1質量%以上6質量%以下とすることができる。
1.6.3.その他の界面活性剤
本実施形態に係るインクセットを構成するインクは、その他の界面活性剤(上記特定構造のアセチレングリコール系界面活性剤以外の界面活性剤)を含有してもよい。このような界面活性剤としては、上記一般式(1)および一般式(2)に該当しないアセチレングリコール系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、およびフッ素系界面活性剤等を挙げることができる。
1.6.4.pH調整剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤
pH調整剤としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(THAM)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、モルホリノエタンス
ルホン酸(MES)、カルバモイルメチルイミノビス酢酸(ADA)、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、コラミン塩酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエ
チル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、アセトアミドグリシン、トリシン、グリシンアミド、ビシン等のグッドバッファー、リン酸緩衝液、トリス緩衝液などが挙げられる。
防腐剤、防かび剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンゾイソチアゾリン−3−オン(ゼネカ社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL.2、プロキセルTN、プロキセルLV)、4−クロロ−3−メチルフェノール(バイエル社のプリベントールCMK等)などが挙げられる。
防錆剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
キレート化剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸およびそれらの塩類(エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム塩等)等が挙げられる。
1.7.インクの調製方法
本実施形態に係るインクセットを構成するインクは、前述した成分を任意の順序で混合し、必要に応じて濾過等をして不純物を除去することにより得られる。各成分の混合方法としては、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法としては、遠心濾過、フィルター濾過等を必要に応じて行なうことができる。
1.8.物性
本実施形態に係るインクセットを構成するインクは、画像品質とインクジェット記録用のインクとしての信頼性とのバランスの観点から、20℃における表面張力が20mN/m以上40mN/mであることが好ましく、25mN/m以上35mN/m以下であることがより好ましい。なお、表面張力の測定は、例えば、自動表面張力計CBVP−Z(商品名、協和界面科学株式会社製)を用いて、20℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
また、低粘度で高速浸透化を可能とするために、インクの20℃における粘度は、2.0mm/s以上4.0mm/s以下であることが好ましく、2.8mm/s以上3.2mm/s以下であることがより好ましい。なお、粘度の測定は、例えば、粘弾性試験機MCR−300(商品名、Pysica社製)を用いて、20℃の環境下での粘度を測定することができる。
以上示したように、本実施形態によれば、インクセットを構成するインク種毎に水分量を調整することにより、インク転写と紙変形を抑制し、両面印刷の高速化が可能なインクセットを提供することが可能となる。
2.両面印刷方法
本発明の一実施形態に係る両面印刷方法は、表面印字開始から裏面印字開始まで3秒以内である紙搬送機構を備えるインクジェット記録装置に上述したインクセットを搭載し、当該インクセットを構成するインクのインク滴を吐出させて、該インク滴を記録媒体に付着させることで記録媒体である紙の両面に印刷するものである。本実施形態に係る両面印刷方法では、上述のインクセットを使用しているので、紙搬送機構へのインク転写を抑制すると共に、紙搬送性を向上させて、両面印刷の高速化を可能とする。
2.1.装置構成
本実施形態に係る両面印刷方法に用いるインクジェット記録装置としては、例えば、公知のインクジェットプリンター等を用いて行われる。このようなインクジェットプリンターとしては、記録ヘッドとしてシリアルヘッドを採用したシリアル型のインクジェット記録装置、および記録ヘッドとしてラインヘッドを採用したライン型のインクジェット記録装置のいずれでも使用することができる。ここでは、ラインヘッドを採用したライン型のインクジェット記録装置を例に挙げて詳細を説明する。
図1に本実施形態に用いるインクジェット記録装置の側面断面構造を示す。インクジェット記録装置は、四角箱状の本体フレーム10を備える。以下では、同図における右方をインクジェット記録装置の前方とし、同図における左方をインクジェット記録装置の後方とする。
本体フレーム10の前方側面には、ユーザーインターフェイスとなる操作パネル11が設けられている。操作パネル11には、操作スイッチや液晶パネルが設けられている。また、本体フレーム10の前部には、印刷された用紙Pが載置される、伸縮式の排紙トレイ25が設けられている。さらに、本体フレーム10の上部後方には、開閉式の手差し給紙口カバー12が設けられている。そして、この手差し給紙口カバー12を開くことで、用紙Pを手差し挿入するための手差し給紙口22が開口されるようになっている。
本体フレーム10の下部には、多数の用紙Pをスタックした状態で収容可能な用紙トレイ13が着脱可能に設けられている。また、本体フレーム10における用紙トレイ13の上部には、用紙トレイ13内の用紙Pをフィードするフィード機構34が設けられている。フィード機構34は、本体フレーム10に揺動可能に軸支された揺動アーム14、その揺動アーム14の先端部に設けられたピックアップローラー15を有している。ピックアップローラー15は、その回転に応じて、用紙トレイ13に収容された用紙Pのスタックから最上位のものを後方に送り出す。用紙トレイ13の後方の壁面は、上に向うほど後方に傾斜した分離斜面16となっている。
このインクジェット記録装置では、用紙トレイ13より給紙された用紙Pの搬送経路C1は、用紙トレイ13の用紙Pのスタックから分離斜面16に向い、その分離斜面16にて上方に向った後、前方に折り返して排紙トレイ25に向うように形成されている。また、手差し給紙口22より給紙された用紙Pの搬送経路C2は、手差し給紙口22から搬送経路C1の折り返し直後の部分に合流した後は、搬送経路C1と共通となっている。なお、以下では、搬送経路C1,C2における給紙側をそれら搬送経路C1,C2の上流といい、排紙側をそれら搬送経路C1,C2の下流という。
搬送経路C1における分離斜面16の下流には、第2搬送ローラーの一例としての中間ローラー17が設けられている。中間ローラー17には、中間ローラー17の回転に従動して回転する分離ローラー18が隣接して設けられている。分離ローラー18の外周面は、弾性材により形成され、規定の力で中間ローラー17に押し付けられている。これにより、中間ローラー17と分離ローラー18の間を通過する用紙Pに適宜な回転抵抗を付与することで、用紙Pの重送を防止している。
さらに、搬送経路C1における分離ローラー18の下流には、中間ローラー17の回転に従動して回転する中間アシストローラー19が、中間ローラー17に圧接された状態で設けられている。
また、搬送経路C1,C2における中間アシストローラー19の下流には、第1搬送ローラーの一例としての紙送りローラー20が設けられている。紙送りローラー20には、
紙送りローラー20の回転に従動して回転する紙送りアシストローラー21が圧接されている。なお、搬送経路C1,C2の上流側における紙送りローラー20の近傍には、その位置における用紙Pの存在の有無を検出する用紙検出センサーが設けられている。用紙検出センサー40としては、例えば光学式のセンサーが用いられる。
さらに、搬送経路C1,C2における紙送りローラー20の下流には、排紙ローラー23が設けられている。排紙ローラー23には、排紙ローラー23の回転に従動して回転する排紙アシストローラー24が圧接されている。
本体フレーム10の内部には、支持手段26により支持されたヘッドユニット27が設けられている。ヘッドユニット27の下部には、インクジェット式の記録ヘッド28が設けられている。記録ヘッド28は、用紙Pの幅方向の全幅に亘る長さのノズル列を備えたライン型インクジェットヘッドである。カラー印刷を行う場合には、ライン型インクジェットヘッドのノズル面には、各色のインク液滴を吐出するための各色のノズル列が形成されている。あるいは、各色のインク液滴を吐出するノズル列を備えた各色のライン型インクジェットヘッドを備えた構成とされる。ここでは、ライン型インクジェットヘッドは、これらのいずれの場合も含む意味で用いている。なお、記録ヘッド28は、印刷時には、搬送経路C1,C2における紙送りローラー20と排紙ローラー23との間の区間の上方に位置されるようになっている。
本体フレーム10の内部における記録ヘッド28と対向する位置には、用紙Pを支持する支持台29が設けられている。なお、ヘッドユニット27は、図中上下方向に昇降可能に設けられており、その昇降に応じて記録ヘッド28と支持台29との間隔の調整(以下、ギャップ調整と記載する)が可能となっている。
このインクジェット記録装置は、図示しないモーターを動力源として備え、このモーターにより、紙送りローラー20及び排紙ローラー23を回転させる。紙送りローラー20及び排紙ローラー23の回転方向は、該モーターの回転方向に応じて切り換えられる。また、該モーター31の動力は中間ローラー17にも伝達され、中間ローラー17の回転方向を一定に維持するように構成されている。
また、インクジェット記録装置の各種制御を司る、図示しないコントローラーを備えている。コントローラーは、操作パネル11に接続され、その操作パネル11に設けられた操作スイッチの操作状況を確認するとともに、同操作パネル11に設けられた液晶パネルの表示制御を実施する。
本実施形態では、中間ローラー17、分離ローラー18、中間アシストローラー19、紙送りローラー20、紙送りアシストローラー21、排紙ローラー23、排紙アシストローラー24等により紙搬送機構を構成する。本実施形態では、この紙搬送機構により、用紙Pの表面印字開始から裏面印字開始までを3秒以内で行うように設定されている。つまり、普通紙を用紙Pとして用いた場合に、用紙P全面ベタ印字の両面印刷速度(ページ/分)が、片面印刷のみを行う片面印字速度の30%以上100%以下となるように設定されている。
2.2.両面印刷
続いて、本実施形態の両面印刷方法の詳細を説明する。操作パネル11に設けられた操作スイッチの操作状況に応じて、コントローラーは印刷条件を決定する。例えば、印刷条件情報に含まれる給紙方式の情報からは、手差し給紙を行うかトレイ給紙を行うかが決定される。また、印刷条件情報に含まれる用紙種や印刷品質などの情報からは、印刷時の記録ヘッド28、支持台29間のギャップの大きさが決定される。
続いて、コントローラーは、記録ヘッド28の状態を確認し、ギャップ調整を行う。ここで、トレイ給紙を行う場合には、コントローラーは、ギャップ調整の完了後、モーターを正転させて、ピックアップローラー15を回転させることで、用紙トレイ13内のスタックから用紙Pを送り出させる。送り出された用紙Pは、中間ローラー17及び紙送りローラー20により、その前端が印刷開始位置に達するまで、搬送経路C1を通って給送される。
一方、手差し給紙を行う場合には、コントローラーは、ギャップ調整の完了後、ユーザーが操作パネル11に設けられた給紙開始ボタンを操作するまで待機する。そして、給紙開始ボタンの操作が行われると、モーターを正転させて、中間ローラー17及び紙送りローラー20によって、用紙Pをその前端が印刷開始位置に達するまで給送する。用紙Pの前端が印刷開始位置に達すると、コントローラーは、表面の印刷を開始する。
用紙Pの表面印刷の完了後、コントローラーは、用紙Pの印刷面の反転動作を行わせる。反転動作は、モーターを逆転させることで行われる。モーターが逆転されると、逆転する紙送りローラー20により、表面が印刷された用紙Pは、印刷装置の後方に送られる。送り出された用紙Pは、まず中間ローラー17の下側に入り、正転する中間ローラー17によって、その周囲を回った後、同中間ローラー17の上側の部分から紙送りローラー20側に戻される。これにより、用紙Pの印刷面が表面から裏面へと反転される。そして、コントローラーは、用紙Pの全体が紙送りローラー20を通過した後、モーターの回転方向を反転させ、前端が印刷開始位置に達するまで用紙Pを給送した上で、裏面の印刷を開始する。裏面の印刷が完了すると、コントローラーは、印刷済みの用紙Pを排紙トレイ25に排出させて印刷操作を終了する。
以上示したように、本実施形態によれば、インクセットを構成するインク種毎に水分量を調整することにより紙変形が抑制される。また、表面印字開始から裏面印字開始される間に、インクが紙に浸透して乾燥するため、インク転写が抑制される。このため、両面印刷の高速化が可能となる。
3.実施例
以下、本発明を実験例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに何ら限定されるものではない。
3.1.インクの調製
表1に示す各材料を特開2011−178916号公報に記載の通りインクを調製し、表2に示すように、本実施例では、各インクの水分量を57質量%から84質量%の間で調整した。また、本実施例では、顔料の種類のみを変更した4つのインク(自己分散ブラックインク、自己分散シアンインク、自己分散マゼンダインク、樹脂分散イエローインク)を作製し、4つのインクのそれぞれについて、単独で評価を行った。
Figure 0006582615
なお、表1中、化合物名以外で記載した材料は、次の通りである。
・顔料(インク毎に、S170(自己分散ブラックインク用)、C.I.ピグメントブルー15:4(自己分散シアンインク用)、C.I.ピグメントレッド122(自己分散マゼンタインク用)、またはC.I.ピグメントイエロー74(樹脂分散イエローインク用)を使用した。)
・サーフィノール104(商品名、日信化学工業社製、上記式(1)に該当するアセチレングリコール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール)
・オルフィンE1004(商品名、日信化学工業社製、上記式(2)に該当するアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物)
・オルフィンE1010(商品名、日信化学工業社製、上記式(2)に該当するアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数:10))
3.2.評価試験
以下の評価試験は、次のようにして得られたサンプルを用いて行った。まず、インクジェットプリンターPX−M7050F(セイコーエプソン株式会社製)の記録ヘッドをラインヘッドに改造し、片面両面の印字間隔は、紙搬送経路の速度を可変できるように改造して実験を行った。その後、上記のように調製したインクを充填したインクカートリッジを上記プリンターに搭載して、各インクを記録ヘッドのノズルから吐出させて、記録媒体に画像を記録した。
3.2.1.紙搬送の可否
セイコーエプソン製A4ビジネス普通紙に、Jカラーディジタル標準画像データISO/JIS−SCIDのN6A.Tifパターンを、計200ページ計100枚を両面印字し、紙ジャムの発生の有無で判断した。評価基準は次の通りである。
◎:表面印字開始から裏面印字開始まで1秒で紙ジャム無
○:表面印字開始から裏面印字開始まで3秒で紙ジャム無
×:表面印字開始から裏面印字開始まで3秒で紙ジャム有
3.2.2.両面搬送ローラーへのインク転写
セイコーエプソン製A4ビジネス普通紙に、カラーディジタル標準画像データISO/JIS−SCIDのN6A.Tifパターンを、計200ページ計100枚を両面印字し、紙にインク転写した両面搬送ローラーの跡の付着の有無で判断した。評価基準は次の通りである。
◎:両面搬送ローラーの跡の付着が認められない
○:両面搬送ローラーの跡の付着がわずかに認められる
×:両面搬送ローラーの跡の付着が認められる
3.2.3.永久カールの有無
セイコーエプソン製A4ビジネス普通紙に、カラーディジタル標準画像データISO/JIS−SCIDのN6A.Tifパターンを片面に全面印字し、24℃湿度40%24h放置後のA4の4隅の紙カールの有無で判断した。評価基準は次の通りである。
○:持ち上がり2cm未満
×:持ち上がり2cm以上
3.3.評価結果
以上の評価結果を表2に示す。自己分散ブラックおよび樹脂分散イエローでは、水分量が73質量%以下の場合にはいずれも表面印字開始から裏面印字開始まで1秒で紙ジャムが発生せず、水分量が74質量%および75質量%のときには表面印字開始から裏面印字開始まで3秒で紙ジャムが発生しなかった。これに対し、水分量が76質量%以上では表面印字開始から裏面印字開始まで3秒で紙ジャムが発生した。両面搬送ローラーへのインク転写については、水分量が67質量%以下ではインク転写が認められたが、水分量が68質量%および69質量%ではわずかに認められたのみであり、水分量が70質量%以上ではインク転写が認められなかった。永久カールの有無については、自己分散ブラックは水分量72質量%以下では永久カールは発生せず、樹脂分散イエローでは分量73質量%以下では永久カールは発生しなかった。以上により、自己分散ブラックおよび樹脂分散イエローでは、水分量が68質量%以上75質量%以下の場合に、紙搬送性がよく、両面搬送ローラーへのインク転写が抑制されることが分かった。
また、自己分散シアンおよび自己分散マゼンダでは、水分量が70質量%以下の場合にはいずれも表面印字開始から裏面印字開始まで1秒で紙ジャムが発生せず、水分量が71質量%および72質量%のときには表面印字開始から裏面印字開始まで3秒で紙ジャムが発生しなかった。これに対し、水分量が73質量%以上では表面印字開始から裏面印字開始まで3秒で紙ジャムが発生した。両面搬送ローラーへのインク転写については、水分量が61質量%以下ではインク転写が認められたが、水分量が62質量%以上65質量%以下ではわずかに認められたのみであり、水分量が66質量%以上ではインク転写が認められなかった。永久カールの有無については、水分量74質量%以下では永久カールは発生しなかった。以上により、自己分散シアンおよび自己分散マゼンダでは、水分量が62質量%以上72質量%以下の場合に、紙搬送性がよく、両面搬送ローラーへのインク転写が抑制されることが分かった。
Figure 0006582615
3.4.両面高速化の検討
次に、両面高速化についてさらに検討した。4色のインクを用い、表面印字開始から裏面印字開始までの間隔を1〜10秒に設定して両面印刷した場合における紙ジャム発生の有無について検討した。下記3種の記録媒体に、Jカラーディジタル標準画像データIS
O/JIS−SCIDのN6A.Tifパターンを、計200ページ計100枚を両面印字し、紙ジャムの発生の有無で判断した。評価基準は次の通りである。
◎:紙ジャム無
×:紙ジャム有
なお、使用した記録媒体は、次の通りである。
・普通紙A(商品名「両面上質普通紙」、セイコーエプソン株式会社製)
・普通紙B(商品名「CopyPlusPaper」、Hammermill社製)
・印刷用微塗工紙(商品名「OKトップコート+」、王子製紙株式会社製)
また、上記実施例1および比較例1について、普通紙Aの両面印刷速度(ページ/分)が、片面印字速度の0%以上100%以下となるように両面印刷した場合における紙ジャム発生の有無について検討した。
3.5.評価結果
以上の評価結果を表3および表4に示す。表3に示すように、4色のインクの水分量が70質量%である実施例1、2では、いずれも表面印字開始から裏面印字開始までの間隔を1秒であっても紙ジャムが発生せず、両面印刷の高速化が可能であることがわかった。これに対し、4色のインクの水分量が本発明の範囲より多い比較例1と、本発明の範囲より少ない比較例2では、表面印字開始から裏面印字開始までの間隔を4秒以上では紙ジャムが発生しないものの、3秒以下では紙ジャムが発生し、実施例1、2と比較すると両面印刷の高速化ができなかった。また、実験例として示したように、記録媒体として印刷用微塗工紙した場合には、インクが記録媒体に浸透しないため、表面印字開始から裏面印字開始までの間隔が10秒であっても紙ジャムが発生した。
また、表4に、片面印字速度に対する両面印刷速度の割合で示した結果を示す。4色のインクの水分量が70質量%である実施例1では、いずれも紙ジャムが発生せず、両面印刷速度を落とさなくても紙ジャムが発生していないが、4色のインクの水分量が本発明の範囲より多い比較例1では、両面印刷速度を片面印字速度の20%以下に落とさなければ紙ジャムが発生した。
このように、インクの水分量が本発明の範囲に含まれる場合には、インク付着量の多いフルカラー印刷においても両面印刷の高速化が可能であることがわかった。このように、顔料種によって水分量を規定し、本発明の組成とすることで、ライン型インクジェットプリンターであっても、レーザープリンター並みの両面高速印刷が可能となることがわかった。
Figure 0006582615
Figure 0006582615
以上示したように、本実施形態によれば、インクセットを構成するインク種毎に水分量を調整することにより、インク転写と紙変形を抑制し、両面印刷の高速化が可能なインクセットおよび両面印刷方法を提供することが可能となる。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は
、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
C1…搬送経路(トレイ給紙時)、C2…搬送経路(手差し給紙時)、P…用紙、10…本体フレーム、11…操作パネル、12…手差し給紙口カバー、13…用紙トレイ、14…揺動アーム、15…ピックアップローラー、16…分離斜面、17…中間ローラー、18…分離ローラー、19…中間アシストローラー、20…紙送りローラー、21…紙送りアシストローラー、22…手差し給紙口、23…排紙ローラー、24…排紙アシストローラー、25…排紙トレイ、26…支持手段、27…ヘッドユニット、28…記録ヘッド、29…支持台、34…フィード機構、40…用紙検出センサー

Claims (8)

  1. 分量が68質量%以上75重量%以下のブラック顔料インクと、水分量が62質量%以上72質量%以下の自己分散型カラー顔料インクと、水分量が68質量%以上75質量%以下の樹脂分散型カラー顔料インクと、を記録紙に吐出し、
    前記記録紙を表面印刷開始から裏面印刷開始まで3秒以内に搬送する両面印刷方法であって、
    前記ブラック顔料インク、前記自己分散型カラー顔料インク、および前記樹脂分散型カラー顔料インクは、アセチレングリコール、およびアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物からなる群より選択されるアセチレングリコール系界面活性剤を3種類以上、およびトリメチルグリシンを含む、両面印刷方法。
  2. 請求項1において、
    記アセチレングリコール系界面活性剤の含有量の合計が、前記ブラック顔料インク、前記自己分散型カラー顔料インク、および前記樹脂分散型カラー顔料インクのそれぞれの全質量に対して、0.1質量%以上3質量%以下である、両面印刷方法
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記ブラック顔料インク、前記自己分散型カラー顔料インク、および前記樹脂分散型カラー顔料インクの全ての粘度が2.0mm/s以上4.0mm/s以下である、両面印刷方法
  4. 請求項1ないし請求項のいずれか1項において、
    前記ブラック顔料インク、前記自己分散型カラー顔料インク、および前記樹脂分散型カラー顔料インクの全てが、さらに、アルキレングリコールモノアルキルエーテルを含む、両面印刷方法
  5. 請求項1ないし請求項のいずれか1項において、
    前記ブラック顔料インク、前記自己分散型カラー顔料インク、および前記樹脂分散型カラー顔料インクの全てが、さらに、1,2−アルカンジオールを含む、両面印刷方法
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    普通紙全面ベタ印字の両面印刷速度(ページ/分)が、片面印字速度の30%以上100%以下である、両面印刷方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
    前記ブラック顔料インクは自己分散顔料からなる、両面印刷方法。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の両面印刷方法に使用する、前記ブラックインクと、前記自己分散型カラー顔料インクと、前記樹脂分散型カラー顔料インクと、を含む、インクセット。
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