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JP6413787B2 - 通信装置、プログラム及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、通信装置、プログラム及び方法に関し、例えば、間欠的にフレームを受信する通信装置に適用し得るものである。
例えば、IEEE802.15.4では、MAC層への様々な追加機能が規定されており、省電力化を図るために、間欠的にフレームを受信する間欠受信方式の1つとして、Coordinated Sampled Listening(CSL)CSLという技術がある(非特許文献1参照)。
CSLに対応可能な通信装置を有する送信機と受信機との間のデータフレームの通信手順を簡単に説明する。
データフレームを含む信号を送信しようとする送信機は、まず、非同期送信モードで、最大CSL受信周期(maxCSLPeriod)の間、データフレームの送信開始時刻(ランデブー時間)が記述されたウェイクアップフレーム(WakeUPフレーム)を含む信号を連続送信し、最大CSL受信周期の期間が経過すると、送信機はデータフレームを送信する。
受信機は、CSL受信周期のうち、ウェイクアップフレーム受信区間の時間だけ受信待機状態となり、それ以外の時間は受信動作を行わない。受信待機中に、受信機がウェイクアップフレームを受信できれば、ランデブー時間の直前から受信待機状態に遷移することで、送信機からのデータフレームを受信することができる。
受信機は、受信したデータフレームにAcknow1edgement(ACK)返送要求がある場合、当該受信機のCSL受信周期と、受信したウェイクアップフレーム中のランデブー時間(つまり、ウェイクアップフレーム中の同期情報の時刻と受信時刻とのずれを表すCSLフェーズ(CSLPhase))とを含むACKを返送する。
送信機は、受信機からACKを受信しなければ、次のデータフレーム送信時も再び非同期通信モードで、ウェイクアップフレーム及びデータフレームを受信機に送信する。
一方、送信機は、受信機からACKを受信すれば、受信機のCSL受信周期、CSLフェーズを保持して、受信機との間の同期補正を行う。そして、次のデータフレーム送信時に、送信機は、補正後の送信タイミングに、同期通信モードで、ウェイクアップフレーム及びデータフレームの送信を行う。
非特許文献1には、同期通信モード時のウェイクアップフレームの送信回数について特に規定されていない。同期通信期間は、非同期通信期間に比べて、ウェイクアップフレームの送信回数が大幅に短くて良い。なぜなら、同期補正が可能な回数だけウェイクアップフレームを送信することができればよいからである。例えば、非同期通信モードでウェイクアップフレーム送信時間が1000ミリ秒であるとすると、同期通信モードでのウェイクアップフレーム送信時間は、100ミリ秒以下等のように、非同期通信モード時の10分の1〜100分の1程度にすることができる。また、例えば、送信機がウェイクアップフレームの送信を3回行い、2番目のフレームでCSLフェーズのACK応答がなされて同期が取れているとする。ことき1番目のフレームなら送信機側の方が遅れている、3番目のフレームなら送信機側が進んでいると判断できる。
IEEE Std 802.15.4eTM−2012(IEEE Standard for Local and metropolitan area networks−Part15.4:Low−Rate Wireless Personal Area Networks(LR−WPANs)Amendment 1:MAC sublayer)5.1.11.1章 Coordinated sampled 1istening(CSL)
しかしながら、ウェイクアップフレーム送信時間が短いと、送信機と受信機との間のわずかな同期ずれで、データフレームの送信が失敗してしまうことが生じ得る。
また、ウェイクアップフレーム送信時間は、同期通信モードに比べ非同期通信モードの方がはるかに長いため、非同期通信時によるフレーム送信が頻発すると送信機の電力が消費し、更にネットワーク全体における通信負荷も増大してしまうという問題も生じ得る。
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、同期通信を維持したまま、トータルでの制御フレーム送信時間(ウェイクアップフレーム送信時間)の短縮化を図る通信装置、プログラム及び方法を提供しようとするものである。
かかる課題を解決するために、第1の本発明に係る通信装置は、データフレームを間欠受信する受信側の他の通信装置との間で、所定の制御フレーム送信期間に亘ってデータフレームの送信に先立って同期を取るための制御フレームを連続送信する通信装置において、(1)データフレームの要求先に対して、制御フレーム送信時間に亘って制御フレームを送信させ、制御フレームの送信完了後にデータフレームを送信させる通信制御手段と、(2)制御フレーム又は上記データフレームを送信する送信手段と、(3)他の通信装置から送信されたフレームを受信する受信手段と、(4)少なくとも、データフレームの送信のたびに制御フレームを送信した制御フレーム送信期間及びデータフレームの送信結果を宛先アドレス毎に保存する制御フレーム送信情報保存手段と、(5)制御フレーム送信情報保存手段を参照して、過去の制御フレーム送信期間及びデータフレームの送信結果に基づいて、次回の制御フレーム送信時間を決定する制御フレーム送信制御手段とを備えることを特徴とする。
第2の本発明に係る通信プログラムは、データフレームを間欠受信する受信側の他の通信装置との間で、所定の制御フレーム送信期間に亘ってデータフレームの送信に先立って同期を取るための制御フレームを連続送信する通信プログラムにおいて、コンピュータを、(1)データフレームの要求先に対して、制御フレーム送信時間に亘って制御フレームを送信させ、制御フレームの送信完了後にデータフレームを送信させる通信制御手段と、(2)制御フレーム又はデータフレームを送信する送信手段と、(3)他の通信装置から送信されたフレームを受信する受信手段と、(4)少なくとも、データフレームの送信のたびに制御フレームを送信した制御フレーム送信期間及びデータフレームの送信結果を宛先アドレス毎に保存する制御フレーム送信情報保存手段と、(5)制御フレーム送信情報保存手段を参照して、過去の制御フレーム送信期間及びデータフレームの送信結果に基づいて、次回の制御フレーム送信時間を決定する制御フレーム送信制御手段として機能させることを特徴とする。
第3の本発明に係る通信方法は、データフレームを間欠受信する受信側の他の通信装置との間で、所定の制御フレーム送信期間に亘ってデータフレームの送信に先立って同期を取るための制御フレームを連続送信する通信方法において、(1)通信制御手段が、データフレームの要求先に対して、制御フレーム送信時間に亘って制御フレームを送信させ、制御フレームの送信完了後にデータフレームを送信させ、(2)送信手段が、制御フレーム又はデータフレームを送信し、(3)受信手段が、他の通信装置から送信されたフレームを受信し、(4)制御フレーム送信情報保存手段が、少なくとも、データフレームの送信のたびに制御フレームを送信した制御フレーム送信期間及びデータフレームの送信結果を宛先アドレス毎に保存し、(5)制御フレーム送信制御手段が、制御フレーム送信情報保存手段を参照して、過去の制御フレーム送信期間及びデータフレームの送信結果に基づいて、次回の制御フレーム送信時間を決定することを特徴とする。
本発明によれば、上記課題に鑑み、同期通信を維持したまま、トータルでの制御フレーム送信時間の短縮化を図ることができる。
第1の実施形態に係る通信装置の内部構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る通信装置におけるフレームの送信処理の動作を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係るウェイクアップフレーム送信時間の変更処理を説明する説明図である。 図3の送信ノード(ノードA)の受信ノード(ノードB)に対する同期フレーム送信情報の構成を説明する説明図である。 第2の実施形態に係る通信装置の内部構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る通信装置におけるフレームの送信処理の動作を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係るウェイクアップフレーム送信時間の変更処理を説明する説明図である(その1)。 第2の実施形態に係るウェイクアップフレーム送信時間の変更処理を説明する説明図である(その2)。 図7及び図8の送信ノード(ノードA)の受信ノード(ノードB)に対する同期フレーム送信情報の構成を説明する説明図である。
(A)第1の実施形態
以下では、本発明に係る通信装置、プログラム及び方法の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
第1の実施形態は、間欠受信方式としてCSLを採用した通信装置に本発明を適用した実施形態を例示する。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態に係る通信装置の内部構成を示すブロック図である。図1において、第1の実施形態に係る通信装置1は、通信制御部11、フレーム受信部12、フレーム解析部13、同期フレーム送信制御部14、フレーム送信時間判定部15、フレーム生成部16、フレーム送信部17、同期情報保存部18、同期フレーム送信情報保存部19を有する。
通信装置1は、例えば、対向するノードに対して情報を送受信するノードに搭載されるものである。ノードは、通信機能を有するものであり、例えば、センサーデータを送受信する送受信機、データフレームを中継する中継装置(ゲートウェイ、ルータ、スイッチ装置等を含む。)、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、携帯端末、ウェラブル端末等を適用することができる。また、通信装置1のハードウェアは、CPU、ROM、RAM、EEPROM、通信インタフェース等を有する装置を適用でき、CPUが、必要なデータを用いてROMに格納される処理プログラムを実行することにより、各種機能が実現される。また、通信装置1の各種機能の処理プログラムをインストールすることにより実現するようにしても良く、その場合でも処理プログラムは図1の処理ブロックとして表わすことができる。
通信制御部11は、フレームの送受信処理を制御するものである。通信制御部11は、例えば、IEEE Std 802.15.4eに規定されている省電力無線通信方式を採用し、間欠受信方式としてCSLを採用する。
通信制御部11は、上位レイヤからデータフレームの送信要求があると、その送信要求に係る宛先ノードのアドレス情報を同期フレーム送信制御部14に与える。また、通信制御部11は、同期フレーム送信制御部14からウェイクアップフレーム送信完了通知を受けると、フレーム生成部17に対して要求された宛先ノードのアドレスを付与させたデータフレームの送信要求を与える。さらに、通信制御部11は、同期フレーム送信制御部14からのフレーム送信結果や、フレーム解析部13からの受信フレームの解析結果情報を、上位レイヤに渡すものである。
フレーム受信部12は、接続しているネットワークからフレームを受信し、受信フレームをフレーム解析部13に与えるものである。
フレーム解析部13は、フレーム受信部12から取得した受信フレームを解析し、当該受信フレームの送信先が自ノード宛か否かを判断し、自ノード宛の受信フレームであれば、当該受信フレームを通信制御部11及び同期フレーム送信制御部14に通知する。
同期フレーム送信制御部14は、通信制御部11からデータフレームの送信要求に係る宛先アドレスを取得すると、その宛先アドレスに基づいて、同期フレーム送信情報保存部19に保存されている同期フレーム送信情報を読み出し、当該宛先ノードとの間で同期がとれているか否かを判断する。また、同期フレーム送信制御部14は、宛先ノードのとの間で同期がとれているか否かの判断結果に応じて、フレーム送信時間判定部15により決定されたウェイクアップフレーム(WakeUpフレーム)送信時間の間、フレーム生成部16に対して、ウェイクアップフレームの送信要求を連続して通知するものである。
ここで、ウェイクアップフレームは、データフレームに先立って、宛先の通信装置との間で同期をとるためのフレームであり、データフレーム送信時刻までの残り時間を示すランデブー時間(RZTime)を含むものである。
また、同期フレーム送信制御部14は、ウェイクアップフレーム送信時間の間、ウェイクアップフレームの送信が完了すると、ウェイクアップフレーム送信完了通知を通信制御部11に与える。
フレーム送信時間判定部15は、同期フレーム送信情報保存部19に保存されている情報を用いて、宛先アドレス毎に前回のフレーム送信が成功したか否かを判断して、ウェイクアップフレーム送信時間を宛先アドレス毎に決定又は変更するものである。
ここで、フレーム送信時間判定部15によるウェイクアップフレーム送信時間の算出方法は、同期フレーム送信情報保存部19に保存されている前回のフレーム送信の成否に基づいてなされる。つまり、同期フレーム送信情報保存部19には、宛先アドレス毎のウェイクアップフレーム送信時間が保存されている。また、当初のウェイクアップフレーム送信時間として初期値が設定されていても良い。フレーム送信時間判定部15は、宛先ノードのアドレス情報に対応する前回のウェイクアップフレーム送信時間を読み出して、次回のウェイクアップフレーム送信時間を決定する。
前回のフレーム送信が成功した場合(宛先ノードからACKフレームの受信があった場合)には、フレーム送信時間判定部15は、前回のウェイクアップフレーム送信時間を参照して、次回のウェイクアップフレーム送信時間を決定する。また、フレーム送信時間判定部15は、必要に応じて、次回のウェイクアップフレーム送信時間を短縮したり又は同値としたりする。
一方、前回のフレーム送信が失敗した場合(宛先ノードからACKフレームの受信がなかった場合)、フレーム送信時間判定部15は、当該宛先ノードのウェイクアップ送信時間の時間長が前回よりも長くなるように、次回のウェイクアップフレーム送信時間を変更するものである。例えば、フレーム送信時間判定部15は、前回のウェイクアップフレーム送信時間に対して所定の倍数を乗じた値を、次回のウェイクアップフレーム送信時間として更新する。これにより、対向するノード(受信ノード)がウェイクアップフレームの受信可能性を高めることができる。ただし、非同期通信時のウェイクアップフレームの送信時間よりかは短い時間とする。
なお、この実施形態では、宛先アドレスへの前回のフレーム送信が失敗した場合に、次回のウェイクアップフレーム送信時間を延長するために、現在のウェイクアップフレーム送信時間に所定値を乗じた値(すなわち、所定倍数にした時間)を、次回のウェイクアップフレーム送信時間とするが、ウェイクアップフレーム送信時間を延長することができるのであれば、所定時間だけ加算するようにしても良いし、又所定の演算式を用いて、時間長を長くしたウェイクアップフレーム送信時間を算出するようにしても良い。
フレーム生成部16は、通信制御部11から送信要求を受けると、送信フレームを生成して、その生成したフレームをフレーム送信部17に与える。
フレーム送信部17は、フレーム生成部16により生成されたフレームをネットワークに送信するものである。
同期情報保存部18は、宛先ノードのアドレス毎に、CSLフェーズ、最終送信時刻等の同期情報を保存するものである。
同期フレーム送信情報保存部19は、条件毎のウェイクアップフレーム送信時間の相関性に関する情報を保存するものである。例えば、同期フレーム送信情報は、送信エラーが1回ならばウェイクアップフレーム送信時間は50ミリ秒、2回連続なら100ミリ秒といった内容を記述しておく。
同期情報保存部18と同期フレーム送信情報保存部19とは兼用したものであってもよい。つまり、同期フレーム送信情報保存部19内は全て宛先アドレス毎に管理するようにしてもよい。例えば、図4のように宛先アドレスと、CSLフェーズ、最終送信時刻、ウェイクアップフレーム送信時間といった同期情報を記述する。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係る通信装置1におけるフレームの送信処理の動作を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は、第1の実施形態に係る通信装置1におけるフレームの送信処理の動作を示すフローチャートである。
図2において、データの宛先ノードに対するフレーム送信要求が、上位レイヤから通信制御部11に与えられると(S101)、通信制御部11は、当該宛先ノードに対するフレーム送信処理を開始する。
フレーム送信要求に係る宛先ノードのアドレス情報(以下、宛先アドレスという。)が、通信制御部11から同期フレーム送信制御部14に与えられる。同期フレーム送信制御部14では、取得した宛先アドレスに基づいて、対応する同期情報の有無を同期情報保存部18から検索する(S102)。すなわち、宛先アドレスのノードとの間で同期状態が取れているか否かを確認する。このとき、同期情報がある場合、処理はS103に移行し、同期情報がない場合、処理はS104に移行する。
例えば、同期情報保存部18には、宛先アドレス毎に、当該ノードと宛先ノードとの間の同期ずれ時間を示すCSLフェーズが保存される。すなわち、前回のフレーム送信処理で、宛先ノードからCSLフェーズを取得した場合、そのCSLフェーズを当該宛先アドレスに対応付けて同期情報保存部18に保存される。なお、宛先ノードからCSLフェーズを取得していない場合には、当該宛先アドレスにCSLフェーズを対応付けて保持することができないため、例えばブランクとしてもよい。
同期情報保存部18から当該宛先アドレスに対応付けられた同期情報(CSLフェーズ)が存在する場合、同期フレーム送信制御部14により、同期フレーム送信情報保存部19から当該宛先アドレスに対応する同期フレーム送信情報が取得される(S103)。
ここで、同期フレーム送信情報保存部19には、前回の宛先ノードから取得したCSLフェーズ、最終送信時刻、ウェイクアップフレーム送信時間が、宛先アドレスに対応付けられて保存されている。従って、同期フレーム送信制御部14は、読み出した同期フレーム送信情報から、CSLフェーズ、最終送信時刻、ウェイクアップフレーム送信時間を抽出する。
S104では、同期フレーム送信制御部14により、宛先ノードとの間の同期ずれの時間を示すCSLフェーズと最終送信時刻とに基づき、次回のデータフレーム送信時刻が算出される。そして、次回のデータフレーム送信時刻から、同期フレーム送信情報に含まれるウェイクアップフレーム送信時間を逆算して、ウェイクアップフレームの送信開始時刻が算出される(S104)。
同期フレーム送信制御部14により算出されたウェイクアップフレームの送信開始時刻からウェイクアップフレーム送信時間の間、同期フレーム送信制御部14からフレーム生成部16に対して、当該宛先ノード宛のウェイクアップフレームの送信要求が連続して通知される。これを受けて、フレーム生成部16において、当該宛先アドレスを付与したウェイクアップフレームが作成され、このウェイクアップフレームがフレーム送信部17から送信される(S105)。
なお、S102において同期情報がない場合も、同期フレーム送信制御部14は、現在の時刻から、初期値として設定されているウェイクアップフレーム送信時間の間、ウェイクアップフレームの送信要求を連続して通知するようにしても良い。つまり、同期情報保存部18には、宛先ノードからCSLフェーズの取得をしていない場合でも、ウェイクアップフレーム送信時間に初期値を設定しておく。
ウェイクアップフレームの初期値は、従来の非同期送信時のウェイクアップフレーム送信時間(最大CSL受信周期 maxCSLPeriod)よりも短い時間とする。これにより、従来の非同期送信時のウェイクアップフレーム送信時間よりも短い時間で、ウェイクアップフレームの送信を行なうことができる。
ウェイクアップフレームの送信が完了すると、ウェイクアップフレーム送信完了通知が、同期フレーム送信制御部14から通信制御部11に通知される。そうすると、通信制御部11は、フレーム生成部16に対してデータフレームを生成させる。そして、フレーム生成部16により、ACK要求を付与したデータフレームが生成され、ACK要求を付与したデータフレームがフレーム送信部17から送信される(S106)。このとき、通信制御部11は、宛先ノードのCLSフェーズ及び最終送信時刻に基づいて同期補正したタイミングで、データフレームを送信させる。
データフレームの送信後所定期間の間に、通信制御部11は、宛先ノードからのACKフレームの返信があるか否かを判断する(S107)。
ここで、宛先ノードからのACKフレームには、少なくとも当該ノード(宛先ノード)のCSL受信周期(CSLPeriod)及びCSLフェーズが含まれている。同期フレーム送信制御部14は、受信したACKフレームに含まれているCSL受信周期及びCSLフェーズと、次回のデータフレームの送信時刻を最終送信時刻として、当該宛先アドレスに対応付けて同期情報、同期フレーム送信情報として保存する。
また、ACKフレームが受信されると、フレーム送信時間判定部15は次回のフレーム送信が成功したものと判断し、同期フレーム送信情報保存部19の同期フレーム送信情報のうち、ウェイクアップフレーム送信時間を更新する。このとき、フレーム送信時間判定部15は、当該宛先ノードへの次回のウェイクアップフレーム送信時間を短縮するように、当該ウェイクアップフレーム送信時間を更新する。
例えば、図2に例示するように、フレーム送信時間判定部15は、当該ウェイクアップフレーム送信時間が初期値であるか否かを判断し(S108)、ウェイクアップフレーム送信時間が初期値でない場合、次回のウェイクアップフレーム送信時間を短縮する(S109)。また、ウェイクアップフレーム送信時間が初期値である場合、フレーム送信時間判定部15は、次回のウェイクフレーム送信時間を初期値のままとする(S110)。そして、フレーム送信時間判定部15は、次回のウェイクアップフレーム送信時間を同期フレーム送信情報保存部19に保存する(S113)。
ウェイクアップフレーム送信時間の短縮方法は、例えば、ウェイクアップフレーム送信時間を初期値としても良いし、また例えば、現在のウェイクアップフレーム送信時間に所定値を減算したり又は所定値で除算したりしても良い。これは、次回の宛先ノードとの間のフレーム送信処理が成功したため、少なくとも次回のウェイクアップフレーム送信時間で宛先ノードを起動させれば、宛先ノードとの間で同期を取ってデータフレームの送信が可能となり得る。そのため、ウェイクアップフレーム送信時間をなるべく短い時間とするため、次回のウェイクアップフレーム送信時間又はさらに短縮した時間で、ウェイクアップフレームを送信するようにする。
一方、ACKフレームが受信されない場合、フレーム送信時間判定部15は次回のフレーム送信が失敗したものと判断する。フレーム送信時間判定部15は、ACKフレームの受信がない回数(すなわちフレーム送信の失敗した回数)が所定回数を超えるか否かを判断する(S111)。そして、失敗回数が所定回数未満のとき、フレーム送信時間判定部15は、前回のウェイクアップフレーム送信時間の時間長よりも長くなるように、次回のウェイクアップフレーム送信時間を延長する(S112)。そして、フレーム送信時間判定部15は、次回のウェイクアップフレーム送信時間を同期フレーム送信情報保存部19に保存する(S113)。
なお、失敗回数が所定回数を超える場合、従来と同様に、非同期送信モードで、ウェイクアップフレーム及びデータフレームの送信を行なうようにする。このように、従来は、受信ノードからACKフレームの返信がない場合は、非同期送信モードで、ウェイクアップフレーム及びデータフレームの送信を行なっていた。しかし、この実施形態では、ACKフレームの返信がない場合であっても、すぐに非同期送信モードに遷移するのではなく、所定回数だけ連続して同期送信モードでウェイクアップフレーム及びデータフレームの送信を繰り返し、所定回数を超えた場合に、非同期送信モードに遷移する。なお、所定回数は、適宜設定又は変更することができ、例えば5回などと設定することができる。
図3は、第1の実施形態に係るウェイクアップフレーム送信時間の変更処理を説明する説明図である。図4は、図3の送信ノード(ノードA)の受信ノード(ノードB)に対する同期フレーム送信情報の構成を説明する説明図である。
なお、図3及び図4において、ノードB(受信ノード)のアドレスは、「2222」であるとする。また、ウェイクアップフレーム送信時間の初期値は10m秒とする。
図3及び図4において、時刻ts1の以前は、ノードAはノードBからACKフレームを受信していない。時刻ts1で、ノードAがノードBからACKフレームを受信したとする。そうすると、フレーム送信判定部15は、ウェイクアップフレーム送信時間を初期値(この場合、例えば10ミリ秒)に更新し、更新後のウェイクアップフレーム送信時間が同期フレーム送信情報に保存される。
時刻ts2では、同期フレーム送信制御部14が、同期フレーム送信情報から前回(すなわち、時刻ts1)のウェイクアップフレーム送信時間を読み出し、前回のウェイクアップフレーム送信時間の10ミリ秒の間、ウェイクアップフレームの送信を連続して送信させる。図3に示すように、時刻ts2で、ノードBからACKフレームを受信できなかったとする。そうすると、フレーム送信判定部15は、ウェイクアップフレーム送信時間の時間長が長くなるように、前回のウェイクアップフレーム送信時間の10ミリ秒を2倍して、次回のウェイクアップフレーム送信時間を20ミリ秒に延長(更新)し、更新後のウェイクアップフレーム送信時間を同期フレーム送信情報に保存する。
時刻ts3では、同期フレーム送信制御部14が、同期フレーム送信情報から前回(すなわち、時刻ts2)のウェイクアップフレーム送信時間を読み出し、前回のウェイクアップフレーム送信時間の10ミリ秒の間、ウェイクアップフレームの送信を連続して送信させる。時刻ts2で、10ミリ秒のウェイクアップフレーム送信でエラーとなっているため、次回(時刻ts3)も10ミリ秒のウェイクアップフレーム送信をすると、ACKフレームの受信ができず、エラーとなる可能性が高い。そこで、20ミリ秒のウェイクアップフレーム送信時間の間、ウェイクアップフレームを送信することで、ノードAはノードBとの間で同期を取りやすくなる。時刻ts3でノードBからACKフレームを受信したとすると、フレーム送信判定部15は、ウェイクアップフレーム送信時間の時間長を初期値に短縮し、更新後のウェイクアップフレーム送信時間を同期フレーム送信情報保存する。
時刻ts4では、同期フレーム送信制御部14が、同期フレーム送信情報から前回(すなわち、時刻ts3)のウェイクアップフレーム送信時間を読み出し、前回のウェイクアップフレーム送信時間の10ミリ秒の間、ウェイクアップフレームの送信を連続して送信させる。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、フレーム送信エラーがあった、次のフレーム送信時に、ウェイクアップフレーム送信時間を長くすることにより、同期補正が取れていなかったり、又は周囲の環境による一時的なフレーム送信タイミングが前後してずれてしまったりする場合でも、フレーム送信が成功する確率が高くなり、非同期通信モードに遷移する確率が減少する。その結果、トータルでのフレーム送信回数は減少できるという効果が得られる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明に係る通信装置、プログラム及び方法の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(B−1)第2の実施形態の構成
図5は、第2の実施形態に係る通信装置の内部構成を示すブロック図である。図5において、第2の実施形態に係る通信装置1Aは、通信制御部11、フレーム受信部12、フレーム解析部13、同期フレーム送信制御部14A、フレーム送信時間判定部15、フレーム生成部16、フレーム送信部17、同期情報保存部18、同期フレーム送信情報保存部19、同期確率判定部21を有する。第2の実施形態に係る通信装置1Aは、第1の実施形態に係る図1の通信装置1の内部構成に加えて、同期確率判定部21を有する。
同期フレーム送信制御部14Aは、第1の実施形態と同様に、ウェイクアップフレーム送信時間を算出して、そのウェイクアップフレーム送信時間の間、フレーム生成部16に対して、ウェイクアップフレームの送信要求を行うものである。同期フレーム送信制御部14Aは、同期情報保存部18に保存されている同期情報から、前回データフレームの最終送信時刻から、今回のデータフレームの送信時刻までの間の時間長(これをデータフレーム送信間隔とも呼ぶ。)を求める。そして、前回のデータフレームを送信した時点で同期情報として保存されている前回送信間隔と、今回のデータフレーム送信間隔とを比較し、その比較結果に応じて、ウェイクアップフレーム送信時間を変更する。
また、同期フレーム送信制御部14Aは、同期確率判定部21により判定された同期ずれ量と閾値との比較結果に応じて、次回のウェイクアップフレーム送信時間を変更する。
同期確率判定部21は、同期ずれ範囲の予測値を計算し、その同期ずれ範囲の予測値を同期フレーム送信制御部14Aに与えるものである。この同期ずれ範囲の予測値の計算方法は、ACKフレームを受信できているか、またCSLフェーズから同期ずれ状態を判定することで行う。すなわち、ACKフレームを受信したときに、同期確率判定部21は、受信したACKフレームに含まれているCSLフェーズを抽出して同期ずれ状態を判定する。同期ずれ状態は、抽出したCSLフェーズから、最も同期がとれたタイミングからどれだけ同期ずれが生じているか否かを同期ずれ量として求める。
同期フレーム送信情報保存部19に保存される同期フレーム送信情報として、宛先アドレス毎に、前回データフレーム送信間隔を保存しておく。前回のデータフレーム送信間隔ではなく、同期通信時の最大データフレーム送信間隔を保存しておいてもよい。
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態に係る通信装置1Aにおけるフレームの送信処理の動作を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図6は、第2の実施形態に係る通信装置1におけるフレームの送信処理の動作を示すフローチャートである。図6では、ウェイクアップフレーム送信時間を変更しながら、データフレーム送信する動作を示している。
図6において、第1の実施形態と同様に、上位レイヤからフレーム送信要求があると、通信制御部11は、当該宛先ノードに対するフレーム送信処理を開始する。
第1の実施形態と同様に、フレーム送信要求に係る宛先アドレスが、通信制御部11から同期フレーム送信制御部14Aに与えられ(S201)、同期フレーム送信制御部14Aは、取得した宛先アドレスに基づいて、対応する同期情報の有無を同期情報保存部18から検索する(S202)。同期情報がある場合、処理はS203に移行し、同期情報がない場合、処理はS206に移行する。
同期情報保存部18に、当該宛先アドレスに対応付けられた同期情報(CSLフェーズ)が存在する場合、同期フレーム送信制御部14Aにより、同期フレーム送信情報保存部19から当該宛先アドレスに対応する同期フレーム送信情報が取得される(S203)。このとき、同期フレーム送信制御部14Aは、取得した同期フレーム送信情報から、前回のデータフレーム送信時刻(最終送信時刻)と今回のデータフレーム送信時刻(次の最終送信時刻)との差分(時間差)をとり、前回のデータフレームを送信し終えてから、次にデータフレームの送信時刻までの時間である前回送信間隔を求める。
ここで、同期フレーム送信情報保存部19には、前回送信間隔、宛先ノードから取得したCSLフェーズ、最終送信時刻、ウェイクアップフレーム送信時間が、宛先ノードのアドレス情報に対応付けられて保存されている。従って、同期フレーム送信制御部14は、読み出した同期フレーム送信情報から、前回送信間隔、CSLフェーズ、最終送信時刻、ウェイクアップフレーム送信時間を抽出する。
同期フレーム送信制御部14Aは、同期フレーム情報保存部18に保存されている前回のデータフレーム送信間隔(前回送信間隔)と、今回のデータフレーム送信間隔とを比較する(S204)。
そして、今回のデータフレーム送信間隔が前回のデータフレーム送信間隔よりも長い場合、同期フレーム送信制御部14Aは、ウェイクアップフレーム送信時間が長くなるように、前回のウェイクアップ送信時間に所定値(例えば、所定値「2」とする。)を乗じて、次回のウェイクアップフレーム送信時間を算出する(S205)。
今回のデータフレーム送信間隔が前回のデータフレーム送信間隔よりも短い場合、S206に移行する。S206において、今回のウェイクアップフレーム送信時間を、前回のウェイクアップ送信時間と同じ時間長とする。つまり、同期情報保存部18に保存されているウェイクアップフレーム送信時間を、今回のウェイクアップフレーム送信時間とする。なお、第1の実施形態と同様に、ウェイクアップ送信時間を所定の時間長だけ短縮したり又は初期値に戻したりしても良い。この実施形態では、前回のウェイクアップ送信時間のままとする場合を例示する。
同期フレーム送信制御部14Aは、フレーム生成部16に対して、S204で算出したウェイクアップフレーム送信時間の間、ウェイクアップフレームを連続して送信させる(S207)。ウェイクアップフレームの送信完了後、同期フレーム送信制御部14Aは、ウェイクアップフレーム送信完了通知を通信制御部11に与え、通信制御部11は、フレーム生成部16に対してデータフレームの送信を要求し、データフレームが送信される(S208)。
データフレームの送信後所定期間の間に、通信制御部11は、宛先ノードからのACKフレームの返信があるか否かを判断し(S209)、ACKフレームが受信されると、処理はS210に移行し、ACKフレームが受信されない場合、処理はS213に移行する。
ACKフレームが受信されると、同期フレーム送信制御部14Aは、受信したACKフレームに含まれているCSLフェーズを抽出し(S210)、抽出したCSLフェーズを同期フレーム情報保存部19に更新する。
S211では、同期確率判定部21が、CSLフェーズから、最も同期の取れたタイミングから、どれだけずれているかを表す同期ずれ量(同期ずれを示す時間)を計算する。同期確率判定部21は、算出した同期ずれ量と閾値とを比較し、その比較結果を同期フレーム送信制御部14Aに与える(S211)。
同期ずれ量が閾値を超えている場合、同期フレーム送信制御部14Aは、次回のウェイクアップフレーム送信時間が長くなるように、前回のウェイクアップフレーム送信時間に所定値を乗じて、次回のウェイクアップフレーム送信時間を求める(S213)。
一方、同期ずれ量が閾値以下の場合、同期フレーム送信制御部14Aは、次回のウェイクアップフレーム送信時間を初期値とする(S212)。なお、ここでも、次回のウェイクアップフレーム送信時間を所定時間長だけ短縮するようにしても良い。
なお、同期確率判定部21は、1回の同期ずれ量と閾値との比較を行うようにしても良いし、1回の同期ずれ量に限定されず、複数回の同期ずれ量を統計的な演算を行い(例えば、複数回の同期ずれ量の平均的な値を求め)、その演算結果(例えば、平均値)と閾値とを比較するようにしても良い。つまり、1回の同期ずれ量でウェイクアップの送信時間をもとめるのではなく、複数回の平均値が閾値を超えたときに、ウェイクアップフレームの送信時間を長くするようにしてもよい。
また、ウェイクアップフレーム送信時間の算出では、第1の実施形態で説明したように、宛先ノードからのACKフレームの受信状況に応じて、ウェイクアップフレーム送信時間を変更するようにしても良い。つまり、ACKフレームを受信しなかった場合に、次回のウェイクアップフレーム送信時間が長くなるように、前回のウェイクアップフレーム送信時間に所定値を乗じて、次回のウェイクアップフレーム送信時間を算出するようにしても良い。
図7及び図8は、第2の実施形態に係るウェイクアップフレーム送信時間の変更処理を説明する説明図である。図9は、図7及び図8の送信ノード(ノードA)の受信ノード(ノードB)に対する同期フレーム送信情報の構成を説明する説明図である。
なお、ここでは、ウェイクアップフレーム送信時間の初期値が10ミリ秒としている場合を例示する。また、同期ずれ量と比較する閾値が3ミリ秒とし、同期ずれ量が閾値(例えば3ミリ秒)を超えている場合、ウェイクアップフレーム送信時間を2倍の長さにするものとする。
また、ウェイクアップフレーム送信時間が初期値より長くなっている場合であって、同期ずれ量が閾値以下のとき、ウェイクアップフレーム送信時間を初期値にするものとする。
図7は、時刻ts1から時刻ts5までのウェイクアップフレーム送信時間の変更処理を例示しており、短期間のうちに連続してデータフレームを送信する場合を例示している。つまり、前回のデータフレームの送信時刻と次回のデータフレームの送信時刻との時間差である前回送信間隔が非常に短い時間であり、図9ではブランクとしている。時刻ts1から時刻ts5までの間では、前回送信間隔と所定値との比較結果に応じてウェイクアップフレーム送信時間の変更がなされない場合を例示している。
時刻ts1は、非同期通信モードから同期通信モードに遷移した最初(第1回目)の状態である。このとき、同期フレーム送信制御部14Aは、同期フレーム送信情報の「前回送信間隔」には値を書き込まない。また、ACKフレームの受信がない場合には、「CSLフェーズ」には値を書き込まず、同期通信モードへの最初の状態であるため、同期フレーム送信制御部14Aは、図9の次回(「時刻ts2」)の「ウェイクアップフレーム送信時間」に初期値の10ミリ秒を書き込む。
時刻ts2では、同期フレーム送信制御部14Aが、図9の「時刻ts2」の「ウェイクアップフレーム送信時間」に書き込まれている10ミリ秒を読み出して、10ミリ秒の間、ウェイクアップフレームの送信をフレーム生成部16に行なう。ノードBから受信したACKフレームに含まれているCSLフェーズが1ミリ秒であるとすると、同期確率判定部21は、CSLフェーズ1ミリ秒と閾値(例えば3ミリ秒)とを比較する。このとき、CSLフェーズは閾値以下であるため、同期フレーム送信制御部14Aは、次回のウェイクアップフレーム送信時間を長くせず10ミリ秒とする。つまり、同期フレーム送信制御部14Aは、「時刻ts2」の「CSLフェーズ」に「1」と、次回(「時刻ts3」)の「ウェイクアップフレーム送信時間」に初期値の10ミリ秒を書き込む。
時刻ts3では、同期フレーム送信制御部14Aが、図9の「時刻ts3」の「ウェイクアップフレーム送信時間」に書き込まれている10ミリ秒を読み出して、10ミリ秒の間、ウェイクアップフレームの送信をフレーム生成部16に行なう。受信したACKフレームに含まれているCSLフェーズが4ミリ秒であるとすると、同期確率判定部21は、CSLフェーズ4ミリ秒と閾値(例えば3ミリ秒)とを比較する。このとき、CSLフェーズは閾値を超えているため、同期フレーム送信制御部14Aは、次回のウェイクアップフレーム送信時間に2を乗じて20ミリ秒とする。つまり、同期フレーム送信制御部14Aは、「時刻ts3」の「CSLフェーズ」に「4」と、次回(「時刻ts4」)の「ウェイクアップフレーム送信時間」に初期値の20ミリ秒を書き込む。
時刻ts4では、同期フレーム送信制御部14Aが、図9の「時刻ts4」の「ウェイクアップフレーム送信時間」に書き込まれている20ミリ秒を読み出して、20ミリ秒の間、ウェイクアップフレームの送信をフレーム生成部16に行なう。時刻ts3において同期ずれ量が閾値以上であり、送信ノードと受信ノードとの間の同期ずれ量が大きいことになる。これは、時刻ts4においても、同期ずれ量が大きくなり、送信ノードにおける同期ずれ補正が正常になされない可能性が生じ得る。そこで、時刻ts4では、ウェイクアップフレーム送信時間を長くすることにより、受信ノードにおけるウェイクアップフレームの受信をしやすくなる。
受信したACKフレームに含まれているCSLフェーズが2ミリ秒であるとすると、同期確率判定部21は、CSLフェーズ2ミリ秒と閾値(例えば3ミリ秒)とを比較し、CSLフェーズは閾値以下であるため、同期フレーム送信制御部14Aは、次回のウェイクアップフレーム送信時間を初期値の10ミリ秒とする。つまり、同期フレーム送信制御部14Aは、「時刻ts4」の「CSLフェーズ」に「2」と、次回(「時刻ts5」)の「ウェイクアップフレーム送信時間」に初期値の10ミリ秒を書き込む。
時刻ts5では、同期フレーム送信制御部14Aが、図9の「時刻ts5」の「ウェイクアップフレーム送信時間」に書き込まれている10ミリ秒を読み出して、10ミリ秒の間、ウェイクアップフレームの送信をフレーム生成部16に行なう。受信したACKフレームに含まれているCSLフェーズが0ミリ秒であるとすると、CSLフェーズは閾値以下であるから、同期フレーム送信制御部14Aは、次回のウェイクアップフレーム送信時間を初期値の10ミリ秒とする。
図8は、時刻ts6から時刻ts10までのウェイクアップフレーム送信時間の変更処理を例示している。この例では、前回のデータフレームの送信時刻と次回のデータフレームの送信時刻との時間差である前回送信間隔が大きい場合を例示している。
時刻ts6では、同期フレーム送信制御部14Aが、前回のデータフレームの最終送信時刻(時刻ts5)とデータフレーム送信時刻(時刻ts6)との時間差(前回送信間隔)を求める。このとき、この前回送信間隔が30分であるとすると、同期フレーム送信制御部14Aは、図9の「時刻ts6」の「前回送信間隔」に「30」を書き込む。同期フレーム送信制御部14Aが、図9の「時刻ts6」の「ウェイクアップフレーム送信時間」に書き込まれている10ミリ秒を読み出して、10ミリ秒の間、ウェイクアップフレームの送信をフレーム生成部16に行なう。また、ACKフレームの受信がない場合には、「CSLフェーズ」には値を書き込まず、同期フレーム送信制御部14Aは、図9の次回(「時刻ts7」)の「ウェイクアップフレーム送信時間」に10ミリ秒を書き込む。
時刻ts7では、同期フレーム送信制御部14Aが、前回のデータフレームの最終送信時刻(時刻ts6)とデータフレーム送信時刻(時刻ts7)との時間差(前回送信間隔)を求める。このとき、この前回送信間隔が30分であるとすると、同期フレーム送信制御部14Aは、図9の「時刻ts7」の「前回送信間隔」に「30」を書き込む。同期フレーム送信制御部14Aが、図9の「時刻ts7」の「ウェイクアップフレーム送信時間」に書き込まれている10ミリ秒を読み出す。前回(時刻ts5から時刻ts6まで)のデータフレーム送信間隔「30(分)」と、次回(時刻ts6から時刻ts7まで)のデータフレーム送信間隔「30(分)」とを比較し、次回のデータフレーム送信間隔が前回のデータフレーム送信間隔を超えていない。したがって、同期フレーム送信制御部14Aは、ウェイクアップフレーム送信時間「10ミリ秒」の間、ウェイクアップフレームの送信をフレーム生成部16に行なう。また、受信したACKフレームに含まれているCSLフェーズが「1」のとき、CSLフェーズ「1」は閾値以下であるから、次回のウェイクアップフレーム送信時間を10ミリ秒とする。そして、同期フレーム送信制御部14Aは、「CSLフェーズ」に「1」を書き込み、図9の次回(「時刻ts8」)の「ウェイクアップフレーム送信時間」に10ミリ秒を書き込む。
時刻ts8では、同期フレーム送信制御部14Aが、前回のデータフレームの最終送信時刻(時刻ts7)とデータフレーム送信時刻(時刻ts8)との時間差(前回送信間隔)を求める。このとき、この前回送信間隔が60分であるとすると、同期フレーム送信制御部14Aは、図9の「時刻ts8」の「前回送信間隔」に「60」を書き込む。同期フレーム送信制御部14Aが、図9の「時刻ts8」の「ウェイクアップフレーム送信時間」に書き込まれている10ミリ秒を読み出す。前回(時刻ts6から時刻ts7まで)のデータフレーム送信間隔「30(分)」と、次回(時刻ts7から時刻ts8まで)のデータフレーム送信間隔「60(分)」とを比較し、次回のデータフレーム送信間隔が前回のデータフレーム送信間隔を超えている。したがって、同期フレーム送信制御部14Aは、ウェイクアップフレーム送信時間「10ミリ秒」に「2」を乗じて、ウェイクアップフレーム送信時間を2倍の時間長とし、20ミリ秒の間、ウェイクアップフレームの送信をフレーム生成部16に行なう。また、受信したACKフレームに含まれているCSLフェーズが「2」のとき、CSLフェーズ「2」は閾値以下であるから、次回のウェイクアップフレーム送信時間を20ミリ秒とする。そして、同期フレーム送信制御部14Aは、「CSLフェーズ」に「2」を書き込み、図9の次回(「時刻ts9」)の「ウェイクアップフレーム送信時間」に20ミリ秒を書き込む。
時刻ts9では、同期フレーム送信制御部14Aが、前回のデータフレームの最終送信時刻(時刻ts8)とデータフレーム送信時刻(時刻ts9)との時間差(前回送信間隔)を求める。このとき、この前回送信間隔が60分であるとすると、同期フレーム送信制御部14Aは、図9の「時刻ts9」の「前回送信間隔」に「60」を書き込む。同期フレーム送信制御部14Aが、図9の「時刻ts9」の「ウェイクアップフレーム送信時間」に書き込まれている20ミリ秒を読み出す。前回(時刻ts7から時刻ts8まで)のデータフレーム送信間隔「60(分)」と、次回(時刻ts8から時刻ts9まで)のデータフレーム送信間隔「60(分)」とを比較し、次回のデータフレーム送信間隔が前回のデータフレーム送信間隔を超えていない。したがって、同期フレーム送信制御部14Aは、ウェイクアップフレーム送信時間「20ミリ秒」の間、ウェイクアップフレームの送信をフレーム生成部16に行なう。また、受信したACKフレームに含まれているCSLフェーズが「4」のとき、CSLフェーズ「4」は閾値を超えているから、次回のウェイクアップフレーム送信時間を20ミリ秒とする。そして、同期フレーム送信制御部14Aは、「CSLフェーズ」に「4」を書き込み、図9の次回(「時刻ts10」)の「ウェイクアップフレーム送信時間」に20ミリ秒を書き込む。
時刻ts10では、同期フレーム送信制御部14Aが、前回のデータフレームの最終送信時刻(時刻ts9)とデータフレーム送信時刻(時刻ts10)との時間差(前回送信間隔)を求める。このとき、この前回送信間隔が90分であるとすると、同期フレーム送信制御部14Aは、図9の「時刻ts10」の「前回送信間隔」に「90」を書き込む。同期フレーム送信制御部14Aが、図9の「時刻ts10」の「ウェイクアップフレーム送信時間」に書き込まれている20ミリ秒を読み出す。前回(時刻ts8から時刻ts9まで)のデータフレーム送信間隔「60(分)」と、次回(時刻ts9から時刻ts10まで)のデータフレーム送信間隔「90(分)」とを比較し、次回のデータフレーム送信間隔が前回のデータフレーム送信間隔を超えている。したがって、同期フレーム送信制御部14Aは、ウェイクアップフレーム送信時間「20ミリ秒」に「2」を乗じて、ウェイクアップフレーム送信時間を2倍の時間長とし、ウェイクアップフレーム送信時間を40ミリ秒とし、40ミリ秒の間、ウェイクアップフレームの送信をフレーム生成部16に行なう。また、受信したACKフレームに含まれているCSLフェーズが「0」のとき、CSLフェーズ「0」は閾値を超えていないから、次回のウェイクアップフレーム送信時間を40ミリ秒とする。そして、同期フレーム送信制御部14Aは、「CSLフェーズ」に「0」を書き込み、次回の「ウェイクアップフレーム送信時間」に40ミリ秒を書き込む。
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、前回までのフレーム送信間隔と同期ずれの関係から、次回フレーム送信時のウェイクアップ送信時間を決定するようにした。同期ずれ補正の信頼度が低い時はウェイクアップ送信時間を長くすることで、受信機は受信しやすくなり、同期通信を保持できる確率が高くなるという効果が得られる。
また、第2の実施形態によれば、同期ずれの判定の判定信頼度が閾値に比べて高いときは、ウェイクアップ送信時間を短くすることで、受信確率を高めながら、省電力効果が上がり、ネットワークの負荷も下げることができるという効果が得られる。
(C)他の実施形態
上述した各実施形態においても本発明の種々の変形実施形態を言及したが、本発明は以下の変形実施形態にも適用できる。
(C−1)上述した各実施形態では、非同期通信モードと同期通信モードとを切り替えて間欠受信に対応したフレーム送信処理を例示した。しかし、これに限定されるものではなく、CSLモードとCSLモード以外の通信モードとを切り替えることができる通信装置に適用してもよい。
また、CSLモードだけでなく、データフレーム送信以外に同期用フレームの送信を行う通信方式に本発明を適用できる。
(C−2)上述した各実施形態では、ウェイクアップフレームの送信時間を変更する場合を例示したが、ウェイクアップフレームとデータフレームとを含むフレーム(すなわち、ウェイクアップフレームとデータフレームとが兼用されたフレーム)の送信時間を変更するようにしても良い。
(C−3)上述した第2の実施形態では、第1の実施形態のようにACKフレームの受信の有無に応じて、次回のウェイクアップフレーム送信時間を変更することについて記載していないが、第2の実施形態においても第1の実施形態のウェイクアップフレーム送信時間の変更を行うようにしても良い。
また、上述した第2の実施形態では、同期ずれ量に応じて次回のウェイクアップフレーム送信時間の変更を行う場合と、データフレーム送信間隔に応じてウェイクアップフレーム送信時間を変更する場合とを例示したが、いずれか一方の機能を備えるものであっても良い。
(C−4)上述した各実施形態では、ウェイクアップフレーム送信時間を短縮する際に、ウェイクアップフレーム送信時間を初期値に変更する場合を例示したが、これは前回のデータフレームの送信の際に、対向ノードとの間で同期がとれている可能性が高いので、ウェイクアップフレーム送信時間の短縮化を図るために、ウェイクアップフレーム送信時間を短縮している。そのため、初期値に変更することに限定されるものではない。
また、ウェイクアップフレーム送信時間を長くする際に、上述した各実施形態では、現在のウェイクアップフレーム送信時間に、所定値として整数値を乗じる場合を例示した。これは前回のデータフレームの送信の際に、同期が取れていないため、今回のデータフレームの送信でも同期がとなれないことを考慮したためである。従って、対向ノードとの間で同期を取ることができるように、ウェイクアップフレーム送信時間を長くすることができれば、所定の演算式を用いたり、又は、整数値以外の値を用いたりしても良い。
1及び1A…通信装置、11…通信制御部、12…フレーム受信部、13…フレーム解析部、14及び14A…同期フレーム送信制御部、15…フレーム送信時間判定部、16…フレーム生成部、17…フレーム送信部、18…同期情報保存部、19…同期フレーム送信情報保存部、21…同期確率判定部。

Claims (12)

  1. データフレームを間欠受信する受信側の他の通信装置との間で、所定の制御フレーム送信期間に亘ってデータフレームの送信に先立って同期を取るための制御フレームを連続送信する通信装置において、
    データフレームの要求先に対して、上記制御フレーム送信時間に亘って上記制御フレームを送信させ、上記制御フレームの送信完了後にデータフレームを送信させる通信制御手段と、
    上記制御フレーム又は上記データフレームを送信する送信手段と、
    他の通信装置から送信されたフレームを受信する受信手段と、
    少なくとも、上記データフレームの送信のたびに上記制御フレームを送信した上記制御フレーム送信期間及び上記データフレームの送信結果を宛先アドレス毎に保存する制御フレーム送信情報保存手段と、
    上記制御フレーム送信情報保存手段を参照して、過去の上記制御フレーム送信期間及び上記データフレームの送信結果に基づいて、次回の上記制御フレーム送信時間を決定する制御フレーム送信制御手段と
    を備えることを特徴とする通信装置。
  2. 上記制御フレーム送信制御手段が、前回の上記データフレームの送信の成否に応じて、次回の上記制御フレーム送信時間を変更するものであることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 上記制御フレーム送信制御手段が、他の通信装置から受信した上記データフレームに対する応答フレームに含まれる、上記データフレームの送信タイミングと間欠受信タイミングとの同期ずれ量に基づいて、次回の上記制御フレーム送信時間を変更するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
  4. 上記制御フレーム送信制御手段が、上記同期ずれ量が閾値を超えている場合に、上記次回の制御フレーム送信時間を直前の制御フレーム送信時間よりも長く変更することを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
  5. 上記制御フレーム送信制御手段が、上記同期ずれ量が閾値以下の場合に、上記次回の制御フレーム送信時間を直前の制御フレーム送信時間よりも短くすることを特徴とする請求項3又は4に記載の通信装置。
  6. 上記制御フレーム送信情報保存手段が、上記データフレームの送信時刻を保存するものであり、
    上記制御フレーム送信制御手段が、上記制御フレーム送信情報保存手段を参照して、前回の上記データフレームの送信時刻から今回の上記データフレームの送信時刻までの送信間隔時間に基づいて、上記制御フレーム送信時間を変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の通信装置。
  7. 上記制御フレーム送信制御手段が、今回の上記送信間隔時間が閾値を超えている場合、上記制御フレーム送信時間を直前の制御フレーム送信時間よりも長くすることを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
  8. 上記制御フレーム送信制御手段が、今回の上記送信間隔時間が閾値以下の場合、上記制御フレーム送信時間を直前の制御フレーム送信時間よりも短くすることを特徴とする請求項6又は7に記載の通信装置。
  9. 上記制御フレーム送信制御手段が、今回の上記送信間隔時間が閾値以下の場合、上記制御フレーム送信時間の値を上記閾値とすることを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
  10. 上記制御フレーム送信制御手段が、上記制御フレームと上記データフレームとが含まれるフレーム送信時間を決定することを特徴とする請求項1〜10に記載の通信装置。
  11. データフレームを間欠受信する受信側の他の通信装置との間で、所定の制御フレーム送信期間に亘ってデータフレームの送信に先立って同期を取るための制御フレームを連続送信する通信プログラムにおいて、
    コンピュータを、
    データフレームの要求先に対して、上記制御フレーム送信時間に亘って上記制御フレームを送信させ、上記制御フレームの送信完了後にデータフレームを送信させる通信制御手段と、
    上記制御フレーム又は上記データフレームを送信する送信手段と、
    他の通信装置から送信されたフレームを受信する受信手段と、
    少なくとも、上記データフレームの送信のたびに上記制御フレームを送信した上記制御フレーム送信期間及び上記データフレームの送信結果を宛先アドレス毎に保存する制御フレーム送信情報保存手段と、
    上記制御フレーム送信情報保存手段を参照して、過去の上記制御フレーム送信期間及び上記データフレームの送信結果に基づいて、次回の上記制御フレーム送信時間を決定する制御フレーム送信制御手段と
    して機能させることを特徴とする通信プログラム。
  12. データフレームを間欠受信する受信側の他の通信装置との間で、所定の制御フレーム送信期間に亘ってデータフレームの送信に先立って同期を取るための制御フレームを連続送信する通信方法において、
    通信制御手段が、データフレームの要求先に対して、上記制御フレーム送信時間に亘って上記制御フレームを送信させ、上記制御フレームの送信完了後にデータフレームを送信させ、
    送信手段が、上記制御フレーム又は上記データフレームを送信し、
    受信手段が、他の通信装置から送信されたフレームを受信し、
    制御フレーム送信情報保存手段が、少なくとも、上記データフレームの送信のたびに上記制御フレームを送信した上記制御フレーム送信期間及び上記データフレームの送信結果を宛先アドレス毎に保存し、
    制御フレーム送信制御手段が、上記制御フレーム送信情報保存手段を参照して、過去の上記制御フレーム送信期間及び上記データフレームの送信結果に基づいて、次回の上記制御フレーム送信時間を決定する
    ことを特徴とする通信方法。
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