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JP6404532B1 - コールドスプレー用ノズル及びコールドスプレー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コールドスプレー用ノズル内壁部への粉末材料の付着による閉塞を防止するとともに、高硬度の粉末材料を使用してもノズルが摩耗しないコールドスプレー用ノズル及びコールドスプレー装置を提供する。【解決手段】本発明に係る粉末材料吹付用のコールドスプレー用ノズルは、縮小部1と、のど部2と末広状の拡大部3と、粉末材料投入口4を形成したノズル本体12を備え、該ノズル本体12の材質が170kcal/g-atom以上の凝集エネルギーを有する金属又は合金から構成されている。コールドスプレー装置は、このように構成されたコールドスプレー用ノズルを用いて、コールドスプレーを行う装置である。【選択図】図1

Description

本発明は、コールドスプレーの使用に適したノズル及びこのノズルを装着したコールドスプレー装置に関する。
コールドスプレー法は、粉末材料(金属粉末)を溶融温度以下の固相状態で基材に衝突させて基材に成膜する技術であり、固相状態の粉末状態を用いて成膜する点において、材料を溶融させて基材に付着させる溶射法とは本質的に異なる。
コールドスプレー法は、大気中で酸化の無い緻密な皮膜が得られる、材料粒子への熱影響が少なく熱変質を抑えられる、成膜速度が速い、厚膜化が可能である、付着効率が高いなど、溶射法では得られない優れた利点を有している。
このことから、この皮膜を形成した金属材料を各種の構造材料に有効に適用することに注目が集まっている。
他方、従来のコールドスプレー法は、ノズルの材質や使用する粉末材料によりノズル内壁部に粉末材料が付着して閉塞するという問題がある。特に、付着効率を高めるために吹付温度を500℃以上の高温側で行う場合には、ノズル内壁面の温度が上昇し、粉末材料とノズル材料との原子間結合が容易に進むことからノズルへの付着が早くなる。
例えば、図3(a)はノズルの材質にステンレス鋼を用いて粉末材料にマルエージング鋼を使用し、吹付圧力3.0MPaおよび吹付温度800℃にて120分間連続運転した際のノズル内部の状態を示す。図3(a)において、破線部が粉末材料の付着箇所を示すが、断面積で15%もの閉塞が生じることが確認されている。
このように、従来のコールドスプレー法では、短時間でノズルが閉塞するために、頻繁にノズルの交換作業を必要とする。この結果、300分以上の運転を必要とした連続被覆法の実用化において障害となっていた。
以下、コールドスプレー法及び溶射法に言及した公知文献について説明する。
特許文献1には、粒子付着の起こり易いノズル内壁面の部位を、石英ガラス又はホウケイ酸ガラスの何れかで構成することで、原料粉末の付着を効果的に防止できると記載されているが、ガラス素材はマルエージング鋼など高硬度の粉末材料の吹付により摩耗が進行するといった問題がある。例えば、図3(b)は粉末材料にマルエージング鋼を使用し、外径φ8で内径φ6の石英ガラスの管に吹付圧力3.0MPaおよび吹付温度800℃にて15分間連続運転した際の状態を示し、体積あたり40%もの摩耗が生じることが確認されている。
また、特許文献1ではダイバージェント部の全体をホウケイ酸ガラスで構成し、インコネルの粉末材料を用いて作動ガス温度800℃、粉末供給量200g/分、チャンバーガス圧力3MPaにて300分間のコールドスプレー操作の実施例が開示されているが、評価は粉末材料の噴出流の乱れの観察とノズル内壁部の粉末材料付着の確認及び皮膜形成効率に関するもので、ノズルの摩耗度合については開示されていない。
特許文献2には、溶射ガン用のノズルではあるが、ノズル表面部にタングステン、モリブデン、銀又はイリジウムの何れかで構成することで、熱の動的影響によってプラズマ・アーク付着領域を制御できると開示されている。しかし、コールドスプレー法が粉末材料を溶融温度以下の固相状態で基材へ衝突させるのに対し、溶射法は吹付ける材料を溶融させて基材に付着させるため、ノズル内壁部に対する摩耗または付着の発生については、全く異なるメカニズムで進行する。
例えば、コールドスプレー法と同じく超音速域で作動させる溶射法として、高速フレーム溶射およびプラズマ溶射が挙げられる。高速フレーム溶射は、ノズルの出口側の内壁面が閉塞し易いが、原因は高速フレームに突入した粉末材料が粉砕して微細化し、極端に流動性が悪くなるためである。このような場合、燃焼室圧力を下げる、粉末材料の粒径を上げる、ノズルの長さを短くする、粉末材料の供給量を下げるといった対策が有効である。
また、プラズマ溶射では、ノズル内壁面が損耗することにより電荷集中が生じ、銅などの陽極素材に付着が生じるが、特許文献2に開示されているように、プラズマ・アークとの直接接触による損耗に耐えられるタングステンやモリブデンなど融点が1900℃以上の高融点材料もしくは銀などの高い熱伝導率材料をライニング素材にすることで防止できる。
しかし、すでに述べたように、プラズマ溶射と本発明に係るコールドスプレーとはその成膜メカニズムが全く異なり、プラズマ溶射の手法を適用して、本発明の課題を解決することはできない。
特許文献3には、ノズルの拡大部とされるダイバージェント部の一部又は全部をガラス材で構成することで、ノズルの閉塞を防止する方法が開示されている。また、ノズルの縮小部とのど部においては、金属や耐熱樹脂など異なる材質を使用することでダイバージェント部の交換作業効率を上げている。しかし、特許文献3にも記載されている通り、線膨張係数に差がある部材同士の組み合わせは熱衝撃による界面剥離などの他、接合面の熱拡散不均一により空隙が生じる恐れがある。
特許文献4には、マイクロコールドスプレー直接書き込みシステムの直線収れんノズルにタングステンカーバイドが使用されている。タングステンカーバードのノズル成形は、焼結法が一般的であることから仕上がりの表面粗さが粗くなる特徴がある。そのため、焼結後は表面研磨などの機械加工によりノズル内部を平滑にする必要がある。しかし、タングステンカーバイドは炭化物であることから加工性が非常に悪く、音速ノズル内部の必要寸法精度である±2.0μm以内を満足することが困難である。
WO2012/086037 WO2014/120357 WO2012/086037 特表2015-511270
先に説明したように、粉末材料の付着防止にガラス素材を使用した場合では、高硬度の粉末材料の吹付によりノズルの摩耗が進行する問題がある。例えば、ビッカース硬度でHV300を超えるようなマルエージング鋼やタングステン及びモリブデンなどの高硬度の粉末材料は、更にノズルの摩耗を早めてしまう。ノズルの摩耗が促進されると、ノズル内壁部に凹凸が形成されることにより衝撃波が生じるため、粉末材料の流れが不均一になる。これにより、粉末材料が基材に皮膜を形成する位置が乱れ、ロケーション精度が悪化することで皮膜厚みにバラつきが生じる問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ノズルの素材として、ノズル内壁部への粉末材料の付着による閉塞を防止するとともに、高硬度の粉末材料を使用してもノズルが摩耗しないコールドスプレー用ノズル及びコールドスプレー装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決する為、鋭意研究を行い、長時間のコールドスプレーを行ってもノズル内壁部へ粉末材料が付着せず、高硬度の粉末材料を使用してもノズルが摩耗しない製造方法を得るには、後述するように、ノズルの材質および形状の設計の検討が特に重要であることを見出した。
まず、本発明者らは、ノズルの材質を凝集エネルギーが170kcal/g-atom以上の値を有する金属およびその合金を用いることで、長時間のコールドスプレーを行ってもノズル内壁部に粉末材料が付着せず、高硬度の粉末材料を使用してもノズルが摩耗しないことを見出した。すなわち、粉末材料がノズルに付着しない原因は、固体の構成原子同士を引き離すための力である凝集エネルギーが高い金属ほど固体として安定しており、粉末材料とノズル素材との原子間結合が生じ難いことが挙げられる。図4は、周期表における各周期と凝集エネルギーの関係を示したグラフである。また、ノズルが摩耗しない原因は、該ノズル素材が高融点および高硬度の特性を有することが挙げられる。
特に、付着効率を高めるために吹付温度を500℃以上の高温側で行う場合には、ノズル内壁面の温度が上昇し、温度が高いほどノズル素材の脆化が進んで摩耗し易くなる。凝集エネルギーが高い金属は、1900℃以上の高融点を有する特徴があり、高温下において脆化し難い。また、HV150以上の素材をノズルに選定することで、更にノズルの摩耗を防止できる。
例えば、タンタルの硬度はHV220、タングステンはHV350、オスミウムはHV410と高い硬度を有し摩耗し難いが、HV120のバナジウムなどは摩耗が進行し易い。
なお、タングステンに関しては特許文献2の溶射ガン用のノズルに開示されているが、該文献の目的はプラズマ・アークとの直接接触による耐えられる高融点材料を用いることである。しかしながら、コールドスプレー法はこの限りではなく、特許文献2に開示の高融点材料であるモリブデンおよびイリジウムは凝集エネルギーが170kcal/mol未満であることから使用することはできない。各々の凝集エネルギーについては、モリブデンが155kcal/mol、イリジウムが165kcal/molである。
例えば、図3(c)はノズルの材質にモリブデンを用いて粉末材料にマルエージング鋼を使用し、吹付圧力3.0MPaおよび吹付温度800℃にて120分間連続運転した際のノズル内部の状態を示すが、断面積で5%もの閉塞が生じることを確認している。このように、高融点材料であっても凝集エネルギーが170kcal/mol未満であると、粉末材料とノズル素材との原子間結合が生じ付着し易いと言える。
本発明は以上の知見を総合してなされたもので、以下の構成からなる。
[1] 粉末材料加速用且つ粉末材料加熱用のガスが供給されるノズル入口部と、このノズル入口部に続くノズル縮小部と、このノズル縮小部に続く末広状のノズル拡大部と、このノズル拡大部に設けられた粉末材料投入口と、この粉末材料投入口から投入され、前記ガスにて当該粉末材料の融点以下に加熱された粉末材料が前記ガスに搬送されて、超音速で基材に吹付けられるノズル出口部とを形成したコールドスプレー用ノズルであって、
前記ノズルは、その材質が170kcal/g-atom以上の凝集エネルギーを有する金属または合金から構成されていることを特徴とするコールドスプレー用ノズル。
[2] 前記の凝集エネルギーが170kcal/g-atomを有する金属又は合金は、ニオブ、タンタル、タングステンの群から選択された金属又はその合金である[1]に記載のコールドスプレー用ノズル。
[3] 前記ノズルを構成する金属又は合金の融点は、1900℃以上であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のコールドスプレー用ノズル。
[4] 前記ノズルを構成する金属又は合金は、HV150以上の硬度を有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のコールドスプレー用ノズル。
[5] 前記ノズルは一体のノズル構造であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のコールドスプレー用ノズル。
[6] [1]〜[5]のいずれか記載されたコールドスプレー用ノズルと、前記粉末材料加速用且つ粉末材料加熱用のガスをノズル入口部からノズル内に供給する手段と、粉末材料を前記粉末材料投入口からノズル内に供給する手段とを備えたコールドスプレー装置。
本発明によれば、凝集エネルギーが170kcal/g-atom以上の値を有する金属又は合金をノズルの素材とすることで、ノズル内壁部への粉末材料の付着を防止するとともに、高硬度の粉末材料を使用してもノズルが摩耗することなくコールドスプレー皮膜の製造が可能となり、この結果、硬度に関係なく全ての粉末材料について、300分以上の運転を必要とした連続被覆製造を実施できるとともに高い皮膜位置精度を得ることができる。

また、ノズルの材質が、特許文献4の発明のようにタングステンカーバイドではなく、金属又は合金であるので、成形性がよく、ノズル内部を平滑にすることができる。
さらに、同一の材質の金属又は合金を用いて一体にノズルを構成することが可能なので、特許文献3に記載された発明のように、線膨張係数に差がある部材同士を組み合わせる必要はなく、その結果、熱衝撃による界面剥離や接合面の熱拡散不均一により空隙が生じることがない。
図1は、本発明に係るコールドスプレー用ノズルの本体部分の一例を示す概略断面図である。 図2は、コールドスプレー装置の全体概要を示す説明図である。 図3は本発明から外れる材質のノズルを用いて連続運転した場合のノズル内部の状態を示した写真で、破線領域は材料粉末の付着箇所を示す。 図3(a)は、ノズルの材質にステンレス鋼を用いて粉末材料にマルエージング鋼を使用し、吹付圧力3.0MPaおよび吹付温度800℃にて120分間連続運転した際のノズル内部の状態を示す写真、 図3(b)は、粉末材料にマルエージング鋼を使用し、外径φ8で内径φ6の石英ガラスの管に吹付圧力3.0MPaおよび吹付温度800℃にて15分間連続運転した際の状態を示す写真、 図3(c)は、ノズルの材質にモリブデンを用いて粉末材料にマルエージング鋼を使用し、吹付圧力3.0MPaおよび吹付温度800℃にて120分間連続運転した際のノズル内部の状態を示す写真である。 図4は、周期表における各周期と凝集エネルギーの関係を示したグラフであり、一番ピークの高い実線は、周期表における第6周期目を示す。なお、この表は、モノづくりの原点―科学の世界vol30”金属の中の鉄”2006/10文献からの引用である。 図5は、基材を巻取りながら該基材の幅中心部に粉末材料を吹付ける巻替え装置を示す。
まず、本発明に係るノズルの形態について、図1に示すノズル本体の断面図に基づいて説明する。図1において、ノズル本体は加速用ガス(流動方向を矢印で示す)が供給されるノズル入口部11aに続く縮小部1と、該縮小部1にのど部2(最小縮小部)を介して続く長尺末広状の拡大部3とノズル出口部11bから構成される。本発明に係るノズルは、ノズル入口部11aとノズル出口部11bとの間に、縮小部1と、のど部2と、拡大部3を有していればよく、その他の形状は任意である。例えば、拡大部3は円錐状の他に四角錐状の末広形でもよく、また、拡大部3よりノズル出口側に平行部を設けてもよい。
拡大部3には、粉末材料が投入される粉末投入口4が設けられている。粉末投入口4は、拡大部3のうち、のど部2に近い位置が好ましい。
なお、図1に示したコールドスプレー用ノズル(ノズル本体)は、粉末投入口4を1個設けた例であるが、必要に応じて複数個設けることができる。例えば、異なる粉末材料を混合する場合は、必要台数の粉末供給装置を用いて、複数個設けた粉末投入口4から粉末材料を供給するようにしてもよい。
本発明では、上記縮小部1とのど部2と拡大部3の全てが170kcal/g-atom以上の凝集エネルギーを有する金属又は合金から形成され、その結果、ノズル内壁部の付着と摩耗を防止することができる。
ノズルを構成する金属又は合金が上記凝集エネルギーを有していれば、複数の金属又は合金を組み合わせてノズル本体を構成してもよいが、高い吹付温度の際に素材同士の熱膨張差によりノズルの寸法精度が低くなり、超音速を保つことができない可能性があるので、いずれか1種類に限定したほうが好ましい。
該ノズルの製造方法は、特に限定されないが、マシニングなどの工作機械による加工やプレスによる加工等が一般的である。
また、ノズル本体は複数の部材を組み合わせて製作してもよいが、接合面の熱拡散不均一により空隙が生じる恐れがあるため、ノズル全体が一体型であることが好ましい。
ノズル(ノズル本体)の素材は、170kcal/g-atom以上の凝集エネルギーを有するタングステン、タンタル、レニウム、ハフニウム、ニオブ及びその合金等から選択されるが、特に、加工のし易さからタングステン、タンタル、ニオブが好ましい。また合金としては、固溶のし易さからタングステン-ニオブ、タンタル-タングステン、タンタル-ニオブなどの合金が好ましい。
加速用ガスとしては、例えば、空気、窒素、ヘリウム、アルゴンまたはそれらの混合気等が挙げられる。粉末材料が酸化し易い銅等は、加速用ガスとしてヘリウムを用いることで付着効率を向上することができるので、粉末材料および積層させる基材の材質によって、適宜な加速用ガスを選択することが好ましい。
図2は、本発明に係るコールドスプレー装置の全体概略図である。加速用ガスは圧縮ボンベ5、搬送パイプ6の順で供給されるが、必要に応じて搬送パイプに設けられたヒーター7で加熱される。加熱温度は、温度が高いほど付着効率が増すため、下限は100℃以上で上限は用いる材料粉末の融点以下の範囲であることが好ましい。
粉末材料は、粉末供給装置8、搬送パイプ9の順で供給されるが、複数の粉末材料を混合する場合は、必要台数の粉末供給装置を用意する必要がある。
粉末投入口4から供給された粉末材料は、チャンバー10内に搬送された加速用ガスがノズルのど部2を通過して超音速に加速した状態でノズル出口11から噴出する。「超音速」とは、音速1225km/hより大きい速度であり、本発明における作動上限は3960km/hである。
次に、本発明の実施例を本発明の条件から外れる比較例と共に説明する。
表1に示すノズル素材(ノズル本体の素材)と表2に示す粉末材料を用い、ノズルの出口内径を5mmで構成し、作動条件として吹付圧力を3MPa、吹付温度を800℃、加速用ガスを窒素、粉末供給速度を200g/minに設定して300分間稼働した。吹付けて皮膜を形成する基材と皮膜形成方法は、300分間の稼働と皮膜位置精度を評価するために、厚み0.5mm、幅50mm、長さ400m以上の純ニッケルのコイルを用い、図5に示すように、巻替え装置にて基材を巻取りながら該基材の幅中心部に粉末材料を吹付けた。なお、図5中、符号12はノズル本体、13は巻き替え装置である。
表3に前記積層条件に対する、ノズル閉塞および付着効率、ロケーション精度の評価結果について示す。
(ノズル閉塞の評価)
ノズル閉塞の評価は、300分間の稼働後にノズル内壁部を観察し、材料粉末の付着が確認されなかった場合を合格「〇」とし、300分間の稼働中に粉末材料が閉塞により出なくなった場合を不合格「×」とした。
(付着効率の評価)
付着効率の評価は、吹き付け前の粉末材料と吹き付け後の純ニッケルのコイルに付着した粉末材料の重量から付着率を算出し、付着率が70%以上であれば合格「〇」とし、70%未満であれば不合格「×」とした。
(皮膜位置精度の評価)
皮膜位置精度の評価は、吹き付け開始後の長さ1メートル経過時点と吹き付け終了後の長さ1メートル遡った時点における純ニッケル基材幅中心部分の積層位置と積層幅を計測し、前記双方の積層位置または積層幅の差が0.5mm以下の場合を合格「〇」とし、0.5mmを超える場合を不合格「×」とした。
表1
Figure 0006404532
表2
Figure 0006404532
表3
Figure 0006404532
(実施例)
表3において、本発明例(No1〜3)は、HV300を超える粉末材料を使用しても付着効率および皮膜位置精度に優れ、300時間の稼働においてもノズルが閉塞しないことが確認された。
(比較例)
これに対し、比較例:No4〜6は、稼働300時間に到達する前にノズルが閉塞し、粉末材料を吹き付けできないという不具合が生じた。
比較例:No7〜9は、HV300を超える材料粉末を使用するとノズル内壁部に摩耗が生じ、付着効率および皮膜位置精度を満足することができなかった。
比較例:No10〜11は、各素材のガラス転移温度に吹付温度が達した際にノズルの溶融が生じた。
以上の実験結果から分かるように、本発明によれば、凝集エネルギーが170kcal/g-atom以上の値を有する金属又は合金をノズル本体の素材とすることで、ノズル内壁部への粉末材料の付着を防止するとともに、高硬度の粉末材料を使用してもノズルが摩耗することなく、300分以上の運転を必要とした連続被覆製造を実施できるとともに高い皮膜位置精度を得ることができる。
1・・・縮小部
2・・・のど部
3・・・拡大部
4・・・粉末材料投入口
5・・・圧縮ボンベ
6・・・搬送パイプ
7・・・ヒーター
8・・・粉末供給装置
9・・・搬送パイプ
10・・・チャンバー
11a・・・ノズル入口
11b・・・ノズル出口
12・・・ノズル本体
13・・・巻替え装置

Claims (6)

  1. ノズル本体に、粉末材料加速用且つ粉末材料加熱用のガスを供給するノズル入口部と、このノズル入口部に続くノズル縮小部と、このノズル縮小部に続く末広状のノズル拡大部と、このノズル拡大部に設けられた粉末材料投入口と、この粉末材料投入口から投入され、前記ガスにて前記ノズル本体内を搬送されかつ、当該粉末材料の融点以下に加熱された粉末材料を、超音速で基材に吹付けるノズル出口部とを形成したコールドスプレー用ノズルであって、
    前記ノズル本体は、その材質が170kcal/g-atom以上の凝集エネルギーを有する金属または合金から構成されていることを特徴とするコールドスプレー用ノズル。
  2. 前記の凝集エネルギーが170kcal/g-atomを有する金属又は合金は、ニオブ、タンタル、タングステンの群から選択された金属、又はその合金である請求項1に記載のコールドスプレー用ノズル。
  3. 前記ノズル本体を構成する金属又は合金の融点は、1900℃以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコールドスプレー用ノズル。
  4. 前記ノズル本体を構成する金属又は合金は、HV150以上の硬度を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコールドスプレー用ノズル。
  5. 前記ノズル本体は一体のノズル構造であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコールドスプレー用ノズル。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載されたコールドスプレー用ノズルと、前記粉末材料加速用且つ粉末材料加熱用のガスをノズル入口部からノズル内に供給する手段と、粉末材料を前記粉末材料投入口からノズル内に供給する手段とを備えたコールドスプレー装置。
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