Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP6217965B2 - 皮下埋込型ポート - Google Patents

皮下埋込型ポート Download PDF

Info

Publication number
JP6217965B2
JP6217965B2 JP2013129196A JP2013129196A JP6217965B2 JP 6217965 B2 JP6217965 B2 JP 6217965B2 JP 2013129196 A JP2013129196 A JP 2013129196A JP 2013129196 A JP2013129196 A JP 2013129196A JP 6217965 B2 JP6217965 B2 JP 6217965B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
barrier
lumen
base housing
implantable port
peripheral wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013129196A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015002822A (ja
Inventor
雄規 衣川
雄規 衣川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nipro Corp
Original Assignee
Nipro Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nipro Corp filed Critical Nipro Corp
Priority to JP2013129196A priority Critical patent/JP6217965B2/ja
Publication of JP2015002822A publication Critical patent/JP2015002822A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6217965B2 publication Critical patent/JP6217965B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)
  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)

Description

本発明は、医療分野において患者の皮膚下に埋め込まれて用いられ、血管や腹腔などの体内管腔への薬液等の注入に際して利用される薬液注入用の皮下埋込型ポートに関する。
従来から、薬液等を長期間に亘って繰り返し体内へ注入する治療を行うに際しては、人体への繰り返しの穿刺による負担を軽減するために、薬液注入用のポートを患者の皮下に埋設しておくことが検討される。
かかるポートは、特開平6−105915号公報(特許文献1)に示されているように、例えば略カップ形状とされたベースハウジングの開口部が弾性体からなる栓体で塞がれて薬液貯留用の内腔が形成された構造とされている。そして、皮膚を貫通して栓体に穿刺したニードルにより内腔に注入された薬液が、ベースハウジングの外周部分に設けられた薬液流出用の流路から更にカテーテルを通じて、血管や腹腔などへ導かれて注入されるようになっている。
ところで、このような皮下埋込型ポートでは、内腔における薬液の滞留や付着を防止することが必要であり、それが、細菌増殖を抑える等の衛生的な観点のみならず、薬液の経時的な変成等を防止したり、薬液の流動抵抗を低減して薬液をスムーズに体内へ注入することについても有効である。
しかしながら、皮下埋込型ポートは、皮下への埋設状態で長期間に亘って用いられることから、取り出して洗浄等の処理をすることができず、内腔の隅部などに薬液が滞留したり内面に付着し易いという問題があった。特に高粘性の薬液は内腔の内面との界面抵抗等による滞留が発生し易く、長期に亘って薬液が内腔に残留するおそれが大きい。そして、内腔に残留したり付着してしまった薬液は、皮下に埋設された皮下埋込型ポートにおいて、それを解消する措置が極めて困難であり、内腔への薬液滞留に対する有効な解決策がなかったのである。
なお、特開平6−277298号公報(特許文献2)には、薬液流出用の流路を大口径として内腔に向かって延び出させることにより、薬液の流出用流路への流入口における滞留を軽減するようにした構造が提案されている。しかし、この特許文献2に開示された発明は、単に薬液の流出用流路の構造のみに関するものであって、流出用流路を通じての薬液の流動抵抗の低減には効果があるかもしれないが、内腔における薬液の滞留に関して十分な効果を発揮するものではなかった。
特開平6−105915号公報 特開平6−277298号公報
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、内腔への薬液の滞留が効果的に防止または解消され得る、新規な構造の皮下埋込型ポートを提供することにある。
かかる課題を解決するために為された本発明の第1の態様は、ベースハウジングの開口部が栓体で塞がれることにより、該栓体に穿通されるニードルを通じて薬液注入される内腔が形成されていると共に、該ベースハウジングの周壁部に薬液流出用流路が設けられた皮下埋込型ポートであって、前記内腔において前記ニードルが穿通される中央領域と前記薬液流出用流路の流出口との間に障壁設けられており、該障壁における該ベースハウジングの底面からの突出高さが該流出口の形成位置よりも高く且つ該栓体に達しない高さとされていることを、特徴とする。
本態様に係る皮下埋込型ポートでは、ニードルから内腔の中央領域に注入された薬液が流出口に向かって直線的な流路を経て流出することが、障壁の存在によって防止される。その結果、内腔に注入された薬液が、内腔の広い領域を通る非直線的な流路を経て流出口から流出することとなり、このような薬液の非直線的な流動によって内腔の内部に存在する薬液に撹拌作用が及ぼされて、内腔における薬液の滞留や付着が防止または解消されることとなる。
すなわち、従来では特許文献2に記載されているように、内腔に注入された薬液が流出口からできるだけ小さな抵抗でスムーズに流出されるようにすることで内腔への薬液の滞留や付着を防止するという技術思想であったのに対して、本発明者は逆転的な発想の転換により、内腔に注入された薬液に対して積極的な乱れを生じさせて撹拌作用を及ぼすことで、内腔における薬液の滞留や付着を防止することに着眼し、本発明を完成したのである。
また、本発明における薬液の滞留防止等の効果は、内腔へ注入される薬液自体の流動エネルギーを巧く活用した撹拌作用に基づいて発揮されるものであることから、作業者に特別な操作や高度な技能を要求するものでなく、また患者に対して苦痛を伴うものでもない。
本発明の第2の態様は、前記第1の態様の皮下埋込型ポートであって、前記障壁が、前記ベースハウジングの前記底面から突出して該ベースハウジングに一体形成されているものである。
本態様に係る皮下埋込型ポートでは、ベースハウジングの成形時の型割方向を考慮して障壁を容易に設けることが可能であると共に、一般にベースハウジングの周壁部において底壁部に近接して開口形成されることが多い薬液流出用流路の流出口を効果的に覆うように障壁を形成することも可能となる。
本発明の第3の態様は、前記第1又は2の態様の皮下埋込型ポートにおいて、前記障壁が、前記内腔の中心と前記流出口とを結ぶ直線方向での投影において該流出口を全体に亘って覆うようにされているものである。
本態様に係る皮下埋込型ポートでは、内腔の中心から流出口に向かって直線的に流れる薬液の流動が障壁により略完全に防止されて、薬液の注入時における障壁による撹拌作用が一層効果的に発揮され得る。
本発明の第4の態様は、前記第1〜3の何れかの態様の皮下埋込型ポートにおいて、前記障壁が、前記ベースハウジングの周壁部の内面から離隔して且つ該周壁部の内面に沿って広がる板状とされているものである。
本態様に係る皮下埋込型ポートでは、流出口が開口形成されたベースハウジングの周壁部を覆うように障壁が形成されることにより、内腔に注入された薬液の流出口に至るまでの流路長が効果的に大きくされて内腔における薬液の滞留や付着の防止効果の向上が図られ得る。なお、ベースハウジングの内面と略平行に広がることが一層好適であるが、例えばベースハウジングの内面が湾曲している場合には、その湾曲方向に沿って広がる湾曲板状の他に弦方向に延びる平板状の障壁体を採用しても良い。
本発明の第5の態様は、前記第1〜4の何れかの態様の皮下埋込型ポートにおいて、前記障壁が前記ベースハウジングの周方向に1/6周以上で且つ1/3周以下の長さを有しており、該障壁の周方向の中央部分に前記薬液流出用流路の開口部が位置しているものである。
本態様によれば、障壁がベースハウジングの周方向で1/6周以上とされることにより、内腔における薬液撹拌効果が一層有効に発揮されると共に、1/3周以下とされることにより、障壁による薬液流動の阻害が一層回避されて、更なる流動抵抗の減少が図られ得る。
本発明の第6の態様は、前記第1〜5の何れかの態様の皮下埋込型ポートにおいて、前記ベースハウジングの周壁が円形の内周面形状とされているものである。
本態様に係る皮下埋込型ポートでは、周壁の内周面に沿って円滑な薬液の流れが生ぜしめられ易いから、流出口付近に設けられた障壁の周方向両側におけるハウジングの周壁との間の隙間の開口に対して、周壁の内周面に沿って薬液が一層円滑に導かれてよりスムーズな流動が実現され得る。その結果、周壁の内周面における薬液の滞留や付着が一層効果的に防止される。
本発明の第7の態様は、前記第1〜6の何れかの態様の皮下埋込型ポートにおいて、前記障壁外面と前記ベースハウジングの周壁内面との対向面間距離が1〜2mmとされているものである。
本態様によれば、障壁とベースハウジングとの対向面間距離が1mm以上とされることにより、更なる流動抵抗の減少が図られ得る。一方、障壁とベースハウジングとの対向面間距離が2mm以下とされることにより、流路が広くなり過ぎることが回避されて薬液の流動に対する撹拌効果の低下が更に抑制され得る。
本発明に従う構造とされた皮下埋込型ポートにおいては、内腔に注入されて流出口から体内に導かれる薬液の流動を巧く利用することで、作業者に特別な操作を要求したり患者に苦痛を強いることもなく、内腔に注入された薬液等に対して撹拌作用が及ぼされて、内腔における薬液の滞留を効果的に防止することが可能になる。
本発明の第1の実施形態としての皮下埋込型ポートを示す縦断面図であって、図4におけるI−I断面に相当する図。 図1に示された皮下埋込型ポートの平面図。 図1に示された皮下埋込型ポートの斜視図。 図1に示された皮下埋込型ポートの正面図。 図4におけるV−V断面図。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1〜5には、本発明の第1の実施形態としての皮下埋込型ポート10が示されている。この皮下埋込型ポート10は、ベースハウジング12に設けられた開口部14を閉塞するように栓体16が組み付けられることによって構成されている。そして、かかる皮下埋込型ポート10の内部には薬液や輸液等が注入される内腔18が形成されていると共に、ベースハウジング12の周壁を貫通して薬液流出用流路20が形成されている。なお、以下の説明において上下方向とは、原則として図1中の上下方向をいう。
より詳細には、本実施形態のベースハウジング12は分割構造とされており、ベース側分割体22とアウタ側分割体24から構成されている。かかるベース側分割体22には、上方に開口する中央凹部26が形成されている。即ち、ベース側分割体22は、略平板形状の底壁28と、底壁28の外周から上方に突出する略環状の周壁30とを有しており、底壁28と周壁30により中央凹部26が形成されている。なお、本実施形態では、図5に示されているように、ベース側分割体22が、中央凹部26を含めて略円形の平面形状とされている。
また、周壁30の上端面には、上方に向かって突出する環状突起32が、先細断面形状で全周に亘って連続して形成されている。更にまた、周壁30の下端には、外周面に突出する鍔状の外周突部34が設けられている。
一方、アウタ側分割体24は、上下方向に貫通孔36が設けられた中空の略台地形状とされており、それぞれ略平坦面とされた下面および上面を有していると共に、それら下面と上面の各外周縁部を繋ぐ外周面を備えている。かかる外周面は、全体的に穏やかな傾斜面38aとされているが、図1,2中の右側部分だけが略垂直に立ち上がる鉛直外周面38bとされている。この鉛直外周面38bとされた周壁部分には、下端面に開口する切欠状の側方開口部40が形成されており、貫通孔36が側方開口部40を通じて鉛直外周面38bに開口している。
また、貫通孔36の内周面には、段差42が形成されており、段差42よりも下側の開口部分が大径とされている。また、貫通孔36の上側開口部分には、内周側に向かってフランジ状に突出する環状シール部44が設けられており、この環状シール部44によって貫通孔36の上側開口部が狭窄されている。更にまた、環状シール部44には、下方に向かって突出する環状突起46が、先細断面形状で全周に亘って連続して形成されている。
而して、アウタ側分割体24の貫通孔36に対して、その下側開口部からベース側分割体22が嵌め入れられて互いに組み付けられることによりベースハウジング12が構成されている。即ち、本実施形態のベースハウジング12では、アウタ側分割体24における貫通孔36の上側開口部がベースハウジング12の開口部14とされていると共に、かかる開口部14を通じて上方に開口する凹所がベース側分割体22の中央凹部26により形成されている。なお、アウタ側分割体24とベース側分割体22は、圧入により固定される他、例えば接着や溶着等により強固に固着されていても良い。
また、ベース側分割体22は、その外周突部34がアウタ側分割体24の段差42に重ね合わされることにより嵌め入れ方向で位置決めされている。そして、ベース側分割体22とアウタ側分割体24の両底面が略同一平面上に設定されている。また、ベース側分割体22は、アウタ側分割体24よりも高さ寸法が小さくされている。これにより、ベース側分割体22の周壁30の上端面と、アウタ側分割体24の環状シール部44の下面とが、貫通孔36内で互いに所定距離を隔てて対向位置しており、各対向面に設けられた環状突起32,46が上下方向で対峙している。
さらに、かかるベースハウジング12には、凹所を構成する開口部14に対して栓体16が組み付けられている。栓体16は、全体として厚肉の板形状とされており、シリコンゴム等の弾性材で形成されている。そして、栓体16が、ベース側分割体22の周壁30の上に重ね合わされて、ベース側分割体22の中央凹部26を覆蓋する状態で組み付けられている。
なお、栓体16の外周部分は、アウタ側分割体24の貫通孔36の上方への開口部14近くの内周面形状に対応した外周面形状とされており、栓体16の外周縁部が、ベース側分割体22の周壁30とアウタ側分割体24の環状シール部44との間で上下に挟まれている。更に、栓体16の外周縁部には、上下面にそれぞれ環状溝が設けられており、これらの環状溝に対して、ベース側分割体22とアウタ側分割体24の各環状突起32,46が係合されている。これにより、本実施形態では、ベースハウジング12における貫通孔36の上方の開口周縁部において、栓体16の外周縁部を上下方向で締め付けると共に径方向に位置決めして流体密に支持するシール部48が構成されている。
また、ベースハウジング12への栓体16の組み付けは、例えば、ベース側分割体22の上に栓体16を重ね合わせた状態で、これらを覆うようにアウタ側分割体24を上方から重ね合わせることで、ベースハウジング12が構成されると同時に栓体16が組み付けられることから、容易に実現可能とされる。
このようにして、栓体16がベースハウジング12に組み付けられることにより、ベース分割体22の中央凹部26に薬液注入用の内腔18が形成されている。即ち、かかる内腔18は、ベース側分割体22における底壁28と周壁30、および栓体16により画成されて、外部空間から遮断された密閉状の領域とされている。
そして、この内腔18に対して、図中に二点鎖線で示されているようなカテーテル50等の外部管路を接続するための流路が、ベース側分割体22の周壁30に設けられている。即ち、ベース側分割体22の周壁30には、アウタ側分割体24の側方開口部40に嵌まり込んで鉛直外周面38bに露呈する厚肉部52が形成されており、この厚肉部52を貫通して貫通路54が設けられている。更に、貫通路54には、管状の外部ポート部材56が一方の端部において嵌め入れられて固着されている。これにより、外部ポート部材56の内孔58が貫通路54を通じて内腔18へ連通されており、内腔18に連通する薬液流出用の流路20が、貫通路54と内孔58によって構成されている。また、外部ポート部材56は、ベースハウジング12の外周面に突出しており、その先端部分に対して、カテーテル50等の外部管路が接続されるようになっている。
なお、上述のベースハウジング12を構成するベース側分割体22やアウタ側分割体24、外部ポート部材56は、材質が限定されるものでないが、例えば硬質の合成樹脂、特に熱可塑性樹脂等が好適に採用される。また、栓体16は弾性体が好適に採用されて、本実施形態ではシリコンゴムにより形成されている。
ここにおいて、内腔18内には障壁60が設けられている。本実施形態では、障壁60が、内腔18における貫通路54の開口部である流出口62側の周壁30内面から近い位置に形成されており、かかる内面から所定距離を隔てて設けられている。かかる障壁60は板状とされており、ベース側分割体22の底壁28から鉛直方向上方に突出して一体形成されている。また、障壁60は、内腔18の内面、即ちベースハウジング12の周壁30内面に沿って周方向に延びて形成されていると共に、障壁60の周方向中央部分が流出口62と内腔18の中心を結ぶ軸線上に位置するように設けられている。
さらに、かかる障壁60の周方向寸法は好適には1/6周以上且つ1/3周以下とされており、更に好適には、障壁60の周方向寸法は1/4周程度とされる。蓋し、障壁60の周方向寸法が1/6周以上とされることにより、流出口62が障壁60により十分に覆われて、薬液撹拌および滞留防止効果が一層有効に発揮されるからである。また、障壁60の周方向寸法が1/3周以下とされることにより、障壁60に対して周方向から回り込む流動が安定して実現されて、薬液撹拌および滞留防止効果が一層有効に発揮されるからである。一方、本実施形態では、障壁60の突出高さ寸法が、内腔18における流出口62の形成位置よりも高くされていると共に、中央凹部26の深さ寸法よりも小さくされて、障壁60に対する栓体16の干渉ができるだけ回避されるようになっている。更に、本実施形態では、障壁60における周縁部および上端縁部は滑らかな曲線で形成されており、安定した薬液の流動が実現され得る。
ここで、内腔18内において、中央凹部26の内面と障壁60の内面との間に形成される領域、即ち図5中で障壁60よりも左側に位置する領域が、中央領域64とされている。これにより、内腔18において、ニードル66が穿通される中央領域64と薬液流出用流路20の流出口62との間に、障壁60が設けられている。特に、本実施形態では、ベースハウジング12における開口部14の下方に、平面視において開口部14と略等しい大きさで中央領域64が設けられるように、障壁60が形成されている。これにより、後述する皮下埋込型ポート10の栓体16に対するニードル66の穿通時において、ニードル66の先端が障壁60に干渉したり中央領域64から外れてしまう等の不具合が防止されている。
さらに、障壁60の周方向寸法は周方向において1/6周以上で形成されており、流出口62の周方向寸法より大きくされていると共に、障壁60の周方向中央部分に薬液流出用流路20が形成されている。これにより、内腔18の中心と流出口62とを結ぶ直線方向の投影(図1中の左方から右方を見る方向の投影)において、障壁60が流出口62を全体に亘って覆うようにされている。
ここにおいて、ベースハウジング12の周壁30内面と障壁60の外面との離隔距離は1〜2mmとされていることが好ましい。蓋し、かかる離隔距離が1mm以上とされることにより、障壁60から流出口62に至る流路が十分に確保されて、薬液の流出が一層安定して実現されるからである。また、離隔距離が2mm以下とされることにより、障壁60から流出口62に至る流路が広くなり過ぎることが回避されて、流路中における薬液の滞留が一層効果的に防止されるからである。
また、本実施形態の障壁60は型成形等により、中央凹部26の底壁28から開口方向に向かって突出して形成されていることから、ベース側分割体22の製造時において、成形金型からの脱型が容易とされる。なお、障壁60は、底壁28とは別体として形成されて後固着されても良い。
上述の如き構造とされた皮下埋込型ポート10は、患者の胸部や腹部、大腿部等の皮下に埋め込まれて、皮下埋込型ポート10から延び出すカテーテル50等の他方の端部が目的とする血管内や腹腔内に挿入される。このような装着状態下で薬液を注入するに際しては、図1に二点鎖線で示すようにニードル66を、患者の皮膚を通じて皮下埋込型ポート10の栓体16に穿刺して内腔18にまで到達させる。そして、ニードル66が装着されたシリンジ等を操作することにより、外部から注入される薬液を、内腔18を経て薬液流出用流路20からカテーテル50を通じて目的の血管内や腹腔内に導入することができる。
なお、薬液の注入後は、ニードル66を抜針することにより、栓体16における穿刺孔が、栓体16の弾性復元作用で自動的に閉塞される。
ここにおいて、栓体16に穿刺したニードル66を通じて中央領域64に注入され、内腔18内を流動した後に流出口62から流出される薬液等に対して、内腔18内に突設された障壁60により、内腔18内での撹拌作用が及ぼされる。
すなわち、例えば内腔内に障壁が設けられていない従来構造の皮下埋込型ポートにおいては、内腔内に注入された薬液等は薬液流出用流路を通じて血管等の内部に到達するという直線的且つ短絡的な一方向の流れしか殆ど発生しない。このため、内腔内における薬液流出用流路と反対側の隅部等においては、薬液等の滞留が発生し易い。これに対して、本実施形態では、中央領域64と流出口62との間に障壁60を設けることにより、中央領域64に注入された薬液等の流れが、障壁60を乗り越える方向や障壁60を回り込む方向等の複数方向において発生する。更に、薬液等の流れが障壁60によって跳ね返されること等によって、中央領域64内に効果的に対流が惹起されて、従来滞留が発生し易かった薬液流出用流路と反対側の隅部等においても、薬液等の流れが発生することから、かかる滞留が効果的に防止される。
従って、上述の如き障壁60を設けることにより、従来の皮下埋込型ポートに比べて、広範囲に、且つ複雑な薬液等の流れを内腔18内に発生させることが出来て、この結果、内腔18内の薬液等の滞留や付着が抑制、或いは解消され得るのである。
また、上述の如き効果は、内腔18への薬液等の注入に伴って自動的に発揮されることとなり、本発明のような皮膚の下に埋設されている皮下埋込型ポートであっても非侵襲的に効果を得ることが出来る。しかも、血管内や腹腔内への薬液等の導入時において滞留が防止され得るだけでなく、生理食塩水等を用いることにより皮下埋込型ポートの洗浄作用も、障壁60による撹拌作用等に基づいて一層効果的に得ることができる。
特に、本実施形態では、薬液流出用流路20が内腔18における底壁28の近くに開口していると共に、障壁60が底壁28から上方に突設されて、栓体16との間に間隙を有しつつ流出口62を覆うように形成されている。このことから、薬液等は中央領域64から流出口62へ向かって、障壁60を上側から大きく乗り越えたり周方向から回り込んだりする方向へ一層効果的に導かれることとなる。その結果、内腔18内で薬液等に一層複雑な流れが惹起されることとなり、内腔18内に効果的に対流等が発生して、より一層優れた薬液等の滞留防止効果が発揮され得る。
さらに、本実施形態では、障壁60がベースハウジング12の周方向において、1/6周以上かつ1/3周以下の周方向寸法で形成されており、且つ障壁60の周方向中央部分に薬液流出用流路20の流出口62が位置している。これにより、障壁60が流出口62を安定して覆うことが出来て、薬液流動が直線的となることが防止され得る。また、薬液流動において、障壁60に対して周方向一方の側への回り込みなどの特定の方向のみが流れ易いといった不具合が防止され得て、撹拌作用が広い範囲に亘って一層効果的に発揮されると共に、円滑および安定した薬液流動が実現され得る。
更にまた、本実施形態では、ベース側分割体22の周壁30が円形の内周面形状とされていることにより、内周面が多角形とされている場合に比べて、薬液等の滞留が発生し易い隅部等の領域を減少させることが出来る。また、円形の内周面に沿って薬液等が流動するため、円滑な薬液流動が実現され得て、内腔18内における薬液撹拌および滞留防止効果が、より一層発揮され得る。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明は上述の解決手段や実施形態における具体的な記載によって限定的に解釈されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜に修正,改良などを加えた態様で実施され得る。
例えば、前記実施形態では、障壁60は底壁28から上方へ突出するように形成されていたが、障壁は下方へ突出するように形成されていても良い。即ち、栓体16の下面に形成されて内腔18内へ突出する態様とされても良いし、周壁30内面から内腔18内部側に突出して、その先端で下方へ折れ曲がるような鉤型の障壁とされても良い。
また、前記実施形態では、障壁60は底壁28と一体形成されていたが、別体で形成されて、後固着されても良い。更に、障壁は硬質材で形成される必要はなく、例えば弾性材により形成されても良い。その際、障壁が弾性材とされる場合には、薬液等の流動作用等に応じて障壁を積極的に弾性変形させることで、内腔18内における薬液等の撹拌作用の更なる向上を図ることも可能である。
さらに、障壁60の形状や大きさ等は、採用される薬液等に応じて適宜に変更可能であり、例えば障壁60の高さ寸法を中央凹部26の深さ寸法と略等しくして、突出先端部が栓体16にまで至る高さで形成することも可能である。
また、周方向に延びる態様の他、内腔18の径方向や径方向に直交又は適宜に傾斜する方向などをもって、障壁を形成しても良い。
更にまた、内腔18内に障壁を複数形成することも可能である。障壁が複数形成される場合は、各障壁の形状や寸法、延びる方向などを互いに異ならせても良い。
また、障壁には、板厚方向に貫通する貫通孔や貫通窓が形成されても良く、これらの形状や寸法等を、採用される薬液等の種類や流動状態に応じて適宜設定することも可能である。
また、内腔18内には、本発明に係る障壁に加えて、別の突起等を必要に応じて形成することも可能である。例えば、障壁を形成することによる内腔18内での薬液の流動状態を検討し、滞留等が発生するおそれが認められる場合には、障壁に加えて更に突起等を設けて薬液流動状態を調節してかかる滞留等を防止や低減することも可能である。なお、かかる突起等は障壁自体に設けられても良い。
10:皮下埋込型ポート、12:ベースハウジング、14:開口部、16:栓体、18:内腔、20:薬液流出用流路、22:ベース側分割体、24:アウタ側分割体、28:底壁、30:周壁、54:貫通路、58:内孔、60:障壁、62:流出口、64:中央領域

Claims (7)

  1. ベースハウジングの開口部が栓体で塞がれることにより、該栓体に穿通されるニードルを通じて薬液注入される内腔が形成されていると共に、該ベースハウジングの周壁部に薬液流出用流路が設けられた皮下埋込型ポートであって、
    前記内腔において前記ニードルが穿通される中央領域と前記薬液流出用流路の流出口との間に障壁設けられており、該障壁における該ベースハウジングの底面からの突出高さが該流出口の形成位置よりも高く且つ該栓体に達しない高さとされていることを特徴とする皮下埋込型ポート。
  2. 前記障壁が、前記ベースハウジングの前記底面から突出して該ベースハウジングに一体形成されている請求項1に記載の皮下埋込型ポート。
  3. 前記障壁が、前記内腔の中心と前記流出口とを結ぶ直線方向での投影において該流出口を全体に亘って覆うようにされている請求項1又は2に記載の皮下埋込型ポート。
  4. 前記障壁が、前記ベースハウジングの周壁部の内面から離隔して且つ該周壁部の内面に沿って広がる板状とされている請求項1〜3の何れか1項に記載の皮下埋込型ポート。
  5. 前記障壁が前記ベースハウジングの周方向に1/6周以上で且つ1/3周以下の長さを有しており、該障壁の周方向の中央部分に前記薬液流出用流路の開口部が位置している請求項1〜4の何れか1項に記載の皮下埋込型ポート。
  6. 前記ベースハウジングの周壁が円形の内周面形状とされている請求項1〜5の何れか1項に記載の皮下埋込型ポート。
  7. 前記障壁外面と前記ベースハウジングの周壁内面との対向面間距離が1〜2mmとされている請求項1〜6の何れか1項に記載の皮下埋込型ポート。
JP2013129196A 2013-06-20 2013-06-20 皮下埋込型ポート Active JP6217965B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013129196A JP6217965B2 (ja) 2013-06-20 2013-06-20 皮下埋込型ポート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013129196A JP6217965B2 (ja) 2013-06-20 2013-06-20 皮下埋込型ポート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015002822A JP2015002822A (ja) 2015-01-08
JP6217965B2 true JP6217965B2 (ja) 2017-10-25

Family

ID=52299260

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013129196A Active JP6217965B2 (ja) 2013-06-20 2013-06-20 皮下埋込型ポート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6217965B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101785827B1 (ko) 2016-02-17 2017-10-16 아주대학교산학협력단 도관의 길이 조절이 가능한 리저버 장치

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4129782C1 (ja) * 1991-09-07 1992-10-08 Hans Dipl.-Ing. Dr.Med. 3015 Wennigsen De Haindl
US5951512A (en) * 1996-05-28 1999-09-14 Horizon Medical Products, Inc. Infusion port with modified drug reservoir
WO2006066023A2 (en) * 2004-12-14 2006-06-22 C. R. Bard, Inc. Fast clear port
WO2006116438A2 (en) * 2005-04-27 2006-11-02 C.R. Bard, Inc. Infusion apparatuses and related methods
JP4769113B2 (ja) * 2005-12-02 2011-09-07 日本シャーウッド株式会社 コネクタ
EP1998842B1 (en) * 2006-03-29 2012-10-24 Medical Components, Inc. Venous access port base
JP5606855B2 (ja) * 2010-09-29 2014-10-15 日本コヴィディエン株式会社 皮下埋込ポート及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015002822A (ja) 2015-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6527754B1 (en) Implantable vascular access device
US8585661B2 (en) Mixture injection port
US5792104A (en) Dual-reservoir vascular access port
RU2424003C2 (ru) Устройства, системы и способы доставки жидкостей
JP4425546B2 (ja) 低抵抗の隔壁を有するカテーテル
US6290677B1 (en) Medicinal liquid injection port
US20040204692A1 (en) Implantable vascular access device
MX2012012359A (es) Puerto de acceso implantable con deposito doble.
KR20110000795A (ko) 약물 주입 포트
JP2023118957A (ja) 薬物移送アセンブリ
KR102085062B1 (ko) 혈관 접근 포트 및 이의 제조방법
JP5559524B2 (ja) 薬液注入具
JP6217965B2 (ja) 皮下埋込型ポート
JP6365810B2 (ja) 皮下埋込型ポート
JP2021534942A (ja) カテーテルシステムのための低引張セプタム
KR20220043332A (ko) 밸브요소를 구비하고 카테터가 연결된 케모포트 조립체
JP6337651B2 (ja) 薬液注入ポートおよび薬液注入ポートの製造方法
JPH08215319A (ja) 皮下埋込みポート
US11813424B1 (en) Inline injection port assembly
JP2013078532A (ja) 皮下埋め込み型薬液注入具
ITUA20164485A1 (it) Dispositivo per la somministrazione/drenaggio di fluidi nel/dal corpo umano

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160315

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170316

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170831

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170913

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6217965

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250