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JP6125842B2 - エレベータ運転制御装置 - Google Patents

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本発明は、エレベータ運転制御装置に係り、特にエレベータの通過運転制御に関する。
エレベータの運転制御の1つとしてかご満員時の通過運転がある。これは、乗客の重量が積載の閾値例えば80%程度になった場合、それ以上かごに乗れない状態であると判断して新たな乗客の追加となるホール側の呼びには直行せず、乗客を降ろすかご呼びのみに直行する方式(通過運転方式)である。かごにこれ以上乗れない状態の時に満員通過運転を行うのは、各階床での無駄な停止を防げるので運転効率を向上させることができる。
しかし、例えば車いすの乗客や密度の低い荷物がかご内にある場合にはかごの占有面積が高くなり新たな乗客が乗り込めない。この場合には積載重量が閾値超過でないにも拘わらず、積載が閾値を超えていないために満員通過運転が行えず、運転効率の低下を招く。
このような課題を解決するため、特許文献1には、乗場に乗かごが停止する以前の積載荷重を記憶装置に記憶し、乗場に乗かごが走行したときの積載荷重と記憶装置に記憶された積載荷重とを比較し、積載変化がないとき通過運転を行なわせる荷重比較装置を備えて、かごの占有密度を測定せずに満員通過の指令を行なうエレベータの運転制御装置が開示されている。
これによって荷重に余裕がある場合でも、通過運転ができるので、かごの積載荷重に余裕があるが新たな乗客が乗れない状態にも拘わらず各階止まりが発生して運転効率が低下することが回避できる。
特開平06−115833号公報
一般に通過運転方式はホール側の乗客を運ぶことができないので、運転効率が低下してしまう。そのため、かごに積載の余力がある場合には不必要な通過運転はできるかぎり避けたい。
しかしながら、例えば子供がかごに乗る意思が無いにも拘わらずいたずらにホール側のボタンを押したり、或いはホール側のボタンを押したがホール側の乗客の気持ちが変って階段等で移動することに変えた場合にはホール側での呼びが生成する。その後乗客がホールから離れ或いは呼びは生成したが乗客がホールに居ない場合でも、かごは乗り場に停止する。しかし、かごが停止した前と後でその積載荷重が変化せず、特許文献1の技術では誤って満員通過運転を行ってしまう。
本発明の課題は、エレベータの運転効率をより向上させた通過運転制御を実現することにある。
本発明に係るエレベータの運転制御装置は、好ましくは、ホール側呼び階およびかご側呼び階に停止する通常運転制御と、ホール側呼び階を通過してかご側呼び階に直行する通過運転制御により、かごを昇降制御するエレベータ運転制御装置であって、今回停止した階での当該かご内の荷重が所定の閾値未満であり、かつ、前回停止した階と今回停止した階で当該かご内の積載に実質的な変化がなかった場合、前記今回停止した階出発後の一定時間内に当該今回停止した階から当該かごの進行方向と同方向のホール呼びがあれば、当該かごの進行方向のホール側呼び階を通過する前記通過運転制御で当該かごを制御し、前記今回停止した階出発後の一定時間内に当該今回停止した階から当該かごの進行方向と同方向のホール呼びがなければ、前記通常運転制御で当該かごを制御するエレベータ運転制御装置として構成される。
好ましい例によれば、上記エレベータ運転制御装置は、前記通過運転制御を指示する通過運転制御部と、前記通常運転制御を指示する通常運転制御部と、前記ホール側呼びがあるかを判定する呼び判定部と、前回停止した階における当該かご内の積載と今回停止した階における当該かご内の積載に実質的な変化があるかを判定する変化判定部とを有し、該変化判定部が実質的な変化なしと判定し、かつ、一定時間内に前記呼び判定部が当該かごの進行方向のホール側呼びがあると判定した場合、前記通過運転制御部は前記通過運転制御を指示し、前記変化判定部が実質的な変化なしと判定し、かつ、一定時間内に前記呼び判定部が当該かごの進行方向側のホール側呼びが無いと判定した場合、前記通常運転制御部は前記通常運転制御を指示する
本発明によれば、エレベータの運転効率をより向上した通過運転制御を実現できる。
乗りかご及び乗り場階から成るエレベータシステムの概略を示す図である。 一実施例(実施例1)におけるエレベータ制御装置の構成例を示すブロック図である。 一実施例におけるエレベータの運転制御動作を示すフローチャート図である。 一実施例のデジタルカメラで撮影した乗りかご内床面の概念図である。 一実施例の乗り場側から見た光センサおよびその照射状況を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
まず、図1を参照して、乗りかご及び乗り場階から成るエレベータシステムについて説明する。エレベータシステムは主に、かご10、エレベータ制御装置11、及び乗り場階のホールに設置されたホール呼びボタン12A〜12C(総じて12で示す)から構成される。
昇降路内にロープ107で吊られたかご10内には、かご側呼びボタン102、カメラ103が設置され、その下部にはかご内の荷重を検知する荷重センサ104が設置される。かご側呼びボタン102の信号(呼び情報)はかご呼び通信装置106を介してエレベータ制御装置11に転送される。また、荷重センサ104の検知信号(荷重値)は通信線105を介してエレベータ制御装置11に転送される。
エレベータ制御装置11は、かご側呼びボタン102からの信号及びホール側呼びボタン12からの信号(呼び情報)に基づいて、最適な運転効率を実現するようにかご10の運転制御を行う。エレベータ制御装置11はまた、荷重センサ104からの検知信号に従って、かごの通過運転制御を行う。例えば、荷重センサ104がかご10の定格積載荷重(例えば1000kgの80%である800kg)以上を検出すると、エレベータ制御装置11は通過運転制御を行う。
エレベータ制御装置11の出力信号はエレベータ基本運転制御装置(不図示)に転送され、このエレベータ基本運転制御装置によってかご10の昇降制御を行なわれる。
エレベータ制御装置11は、一種のコンピュータであり、メモリ112及びプログラムを実行するプロセッサ(不図示)を有していて、メモリ112は荷重センサ104で検知された荷重値を記憶する。また、プロセッサはプログラムを実行することで、上記の通過運転制御を行う。
図2は、エレベータ制御装置の制御ブロック図を示す。
エレベータ制御装置11は、呼び判定部203と、荷重値制御部204と、メモリ112と、荷重変化判定部205と、通過運転制御部206と、通常運転制御部208を有する。ここで、メモリ112以外の各部の機能は、プロセッサでプログラムを実行することで実現される。
荷重値制御部204は、荷重センサ104で検知される荷重値104´をメモリ112に転送する。メモリ112は、予め決められた定格積載荷重値及び荷重センサ104で検知される荷重値104´を記憶する。
呼び判定部203は、ホール呼びボタン12からのホール側呼び12´及びかご側呼びボタン102からのかご側呼び102´を入力として、ホール側からの呼びか又はかご側からの呼びか判定し、ホール側からの呼びの場合呼びのあった階床を判定する。
荷重変化判定部205は、前回のかごの着床時からの荷重値の変化を判定する。前回の荷重値はメモリ112に格納されているので、メモリ112から読み出した前回の荷重値と今回着床した時に検知された荷重値104´とを比較して、その差が所定以上の場合、荷重値に変化があったと判定する。
荷重変化判定部205による荷重変化の判定の結果、荷重に変化が無いと判定された場合、通過運転制御部206は呼び階があってもその階を通過運転するように(通過運転モード)、エレベータ基本運転制御装置に指示する。通常運転制御部208は呼び階に停止するような通常運転(通常運転モード)を、エレベータ基本運転制御装置に指示する。
次に、図3のフローチャートを参照して、エレベータの運転制御動作について説明する。
例えば、A階のホール側呼びボタン12Aでホール呼び12´が生じてかごがその階に着床して、乗客P1がかご10に乗込んで扉が閉まった(乗込み完了)とする(S301)。この時、かご10内はホール側乗客P2がこれ以上乗りたくないと感じるほどの心理的満員の状態とする。またB階のホール側乗客P2がホール側呼びボタン12Bを操作してホール呼びが生じているものとする。
乗客P1がかご10に乗込み完了すると、荷重センサ104はかごの荷重値104´を検知して通信線105を介してエレベータ制御装置11へ転送する。荷重値制御部204は、受信した荷重値104´をメモリ112に格納する(S302)。
そして、荷重変化判定部205は、受信した荷重値104´が、かご10の定格積載荷重の80%以上かを判定する(S303)。この判定の結果、80%以上であれば、通過運転制御部206がエレベータ基本運転制御装置へ通過運転モードを指示する(S309)。かごは最寄りのかご呼び階に移動する(S62)。一方、判定の結果、80%以上でなければ、通常運転制御部208がエレベータ基本運転制御装置へ通常運転モードを指示し、エレベータ基本運転制御装置は、ホール呼び12´が生じた最寄りの呼び階にかごを移動する(S61)。
最寄りの呼び階(B階)に着床するとかごの扉を開き、その階のホールにいる乗客P2がかご10に乗込めず扉が閉まる(S304)。そして、上記と同様にして、荷重センサ104はかごの荷重値104´を検知して通信線105を介してエレベータ制御装置11へ転送し、荷重値制御部204は受信した荷重値104´をメモリ112に格納する(S305)。
そして、荷重変化判定部205は、受信した荷重値104´が、かご10の定格積載荷重の80%以上かを判定する(S306)。判定の結果、80%以上であれば、通過運転制御部206がエレベータ基本運転制御装置へ通過運転モードを指示する(S309)。一方、判定の結果、80%以上でなければ(S306:N)、荷重変化判定部205が、前回検知されてメモリ112に格納された荷重値と今回検知された荷重値とを比較する(S307)。この比較の結果、不一致であれば(即ち乗客の乗降があったとき)、通常運転制御部208は通常運転モードを指示し、エレベータ基本運転制御装置はかごを最寄りの階に移動する(S63)。
一方、この比較の結果、一致であれば(即ち乗客の乗降がないとき)、呼び判定部203は、かごに乗れなかった乗客P2などによりB階から出発後の一定時間内にホール側の呼びボタン12Bが再登録されたかを確認する(S308)。この確認の結果、一定時間内にそのかごの進行方向と同方向のホール側の呼びボタン12Bが再登録されなければ、通常運転制御部208が通常運転モードを指示する(S63)。一方、この確認の結果、一定時間内にそのかごの進行方向と同方向のホール側の呼びボタン12Bが再登録されれば、通過運転制御部206が通過運転モードを指示する(S62)。
なお、通過運転判断部206による乗り過ごし判定は、ホール側乗客が1回ないし複数回乗り過すことで判定する検知後に通過運転の指令をエレベータ基本制御装置へ送っても良い。その結果、例えばC階で呼びボタン12Cが生じた場合であっても、かご側の呼び102を優先してC階を通過する。この通過運転は、かご10の荷重センサの値がメモリ112に格納された、前回の荷重値と今回の荷重値との間に有意な差が出るまで継続して、有意な差が出た場合(乗客の乗降があった場合)、呼び判定部203がホール側呼び12´にも応答するように制御する。それまでは通過運転制御部206はエレベータ基本制御装置へ通過運転指示を送る。
実施例2は、かご10にVIPが乗っている場合など、同じかごに相乗りしたくない乗客がかご10内にいる場合にも拘わらず各階に止まって運転効率を下げるという課題を解決するものである。
この場合も実施例1と同様に、メモリ112に格納された前回検知された荷重値と、荷重センサ104が検知した現在の荷重値を比較して、荷重変化判定部205が両者に有意な差がないと判断し、かつ呼び判定部203がかご進行方向と同方向のホール側呼びボタン12によるホール側呼び12´を検出すると、通過運転制御部206が通過運転の指示をエレベータ基本制御装置(不図示)に送る。この場合、かごの荷重値が所定値以上であるか否かに拘わらず行われる。
通過運転制御部206による乗り過ごし判定は、ホール側乗客が1回ないし複数回乗り過ごすことを検知することで、通過運転制御部206から通過運転の指示エレベータ基本制御装置へ送信する。
実施例1では、荷重センサ104によって検知される荷重値を用いてかご10の積載変化を判断した。
これに代わって、実施例3では、かご10の天井付近にカメラ103を設置し、このカメラで取得したデジタル画像をエレベータ制御装置10のプロセッサで解析して、かご10内の床占有面積401の変化を計算することで、かご10の積載変化を測定することができる。
更に他の例として、図4に示すように、カメラ103で取得したかご内の画像401に対してエレベータ制御装置10のプロセッサの処理によってハフ変換を実施し、円形(P1−A〜P1−C)の個数(即ちかご内の人の数)を測定し、その個数の変化により乗客の変化を測定するこができる。
更に他の例として、図4に示すように、かご側ドア42とホール側ドア43の間に光学センサ44を配置して、この光センサ44によってかご10に出入りする乗客の変化を計測することで、乗客の変化を測定するこができる。
上記のように測定された、かご10内の乗客の変化は荷重変化判定部205による判定と同様に、変化ありと判定すれば、通常運転制御部208による制御、変化無しと判定すれば、通過運転制御部206による制御を行うことができる。
実施例1では、荷重センサ104を用いてかごの積載変化を把握した。
これに代わって、実施例4では、図4のかご側ドア42とホール側ドア43の間に配置した光学センサ44の検知信号と、図5に示すホール側ドアの上部に設置した光センサ501の検知信号を用いることによって、乗客の乗降(かご内の人の変化)を検知することができる。光センサ501はその照射領域503に人がいるかを検知する。
即ち、人変化判定部(荷重変化判定部205に対応する)は、ドアの間に取付けられた光センサ44からの信号で人を先に検知して、その後にドア上部の光センサ501からの信号で人を検知すると、かご内の乗客が一人降りたと判断する。逆に、光センサ501からの信号で人を先に検知してその後に光センサ44からの信号で人を検知した場合、かごに乗客が1人乗ったと判断する。このようにして、かご内の乗客の数の変化を測定することができる。このようにして、かご内の人数に変化無しと判断した場合、通過運転制御部206による制御を行うことができる。
以上説明したように、本発明の上記実施例によれば、かごの積載変化、人数変化に加えて、かごに乗らないと判断したホール側の乗客が、かごが出発後に再び生成したホール側の呼びを検知することで、精度の高い通過運転を行うことができ、運転効率を向上させることができる。
例えば、ホール側でいたずら呼びが発生した場合でも、ホールに乗客が居ないため、かごが出発した後にホール側の呼びが生成されないので、いたずら呼びによる誤判定は排除でき、不必要な通過運転を防ぐことができる。また、荷重の絶対値で判定せずにその場の乗客の判断に基づく通過指示を行えるために、適切に通過運転を行うことができる。
10:かご 102:かご側呼びボタン 103:カメラ
104:荷重センサ 105:通信線 106:通信装置
11:エレベータ制御装置 112:メモリ
12:ホール側呼びボタン P1:かご内の乗客 P2:ホール側の乗客
12´:ホール側呼び 102´:かご側呼び 104´:荷重値
203:呼び判定部 204:加重値制御部 205:加重変化判定部
206:通過運転判定部 208:通常運転制御部

Claims (3)

  1. ホール側呼び階およびかご側呼び階に停止する通常運転制御と、ホール側呼び階を通過してかご側呼び階に直行する通過運転制御により、かごを昇降制御するエレベータ運転制御装置であって、
    今回停止した階での当該かご内の荷重が所定の閾値未満であり、かつ、前回停止した階と今回停止した階で当該かご内の積載に実質的な変化がなかった場合、
    前記今回停止した階出発後の一定時間内に当該今回停止した階から当該かごの進行方向と同方向のホール呼びがあれば、当該かごの進行方向のホール側呼び階を通過する前記通過運転制御で当該かごを制御し、
    前記今回停止した階出発後の一定時間内に当該今回停止した階から当該かごの進行方向と同方向のホール呼びがなければ、前記通常運転制御で当該かごを制御することを特徴とするエレベータ運転制御装置。
  2. 請求項1に記載のエレベータ運転制御装置において、さらに、
    前記通過運転制御を指示する通過運転制御部と、
    前記通常運転制御を指示する通常運転制御部と、
    前記ホール側呼びがあるかを判定する呼び判定部と、
    前回停止した階における当該かご内の積載と今回停止した階における当該かご内の積載に実質的な変化があるかを判定する変化判定部とを有し、
    該変化判定部が実質的な変化なしと判定し、かつ、一定時間内に前記呼び判定部が当該かごの進行方向側のホール側呼びがあると判定した場合、前記通過運転制御部は前記通過運転制御を指示し、
    前記変化判定部が実質的な変化なしと判定し、かつ、一定時間内に前記呼び判定部が当該かごの進行方向側のホール側呼びが無いと判定した場合、前記通常運転制御部は前記通常運転制御を指示することを特徴とするエレベータ運転制御装置。
  3. 請求項2に記載のエレベータ運転制御装置において、
    前記変化判定部は、当該かごに設置した荷重センサが検知した、前回停止した階での荷重値と今回停止した階での荷重値を比較することにより、当該かご内の積載の変化を判定する、
    又は当該かご内に設置したカメラによって取得された、当該かご内の画像を処理して人数を算出することで、当該かご内の積載の変化を判定する、
    又は当該かごのドア又はホール階側に設置された光センサによって検知された、当該かごへの乗降者の変化を検知することで、当該かご内の積載の変化を判定する
    ことを特徴とするエレベータ運転制御装置。
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