JP6187563B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Description
また、本発明では、ブッシュは、固定コアとは別体のため、固定コアと異なる材料で形成することが可能である。例えばブッシュを固定コアよりも硬度が高い材料で形成すれば、ニードルの大径部との摺接に伴うブッシュの摩耗を抑制することができる。
また、例えばブッシュをニードルと硬度が同等の材料で形成すれば、ブッシュとニードルの大径部との摺接に伴うブッシュおよびニードル両方の摩耗を抑制することができる。
請求項2に記載の発明では、シール部が弁座から離座してから可動コアが固定コアまたはブッシュに当接するまでの間、内側突出部と大径部との軸方向の摺接長は一定である。
請求項3に記載の発明では、シール部が弁座に着座しているとき、内側突出部の噴孔とは反対側の端面と、大径部の噴孔とは反対側の端面とは、ニードルの軸方向において略同じ位置にある。
請求項4に記載の発明では、内側突出部の軸方向の長さは、大径部の軸方向の長さより短い。
請求項6に記載の発明では、ブッシュは、ニードルと硬度が同等の材料で形成されている。よって、ブッシュとニードルの大径部との摺接に伴うブッシュおよびニードル両方の摩耗を抑制することができる。
また、可動コアが第2溝を有することで、可動コアとブッシュまたは固定コアとの当接面積を小さくすることができる。よって、ブッシュまたは固定コアと可動コアとの間に生じるリンキング力を小さくすることができる。したがって、ニードル閉弁時の応答性を向上することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料噴射弁を図1に示す。燃料噴射弁10は、例えば図示しない直噴式ガソリンエンジンの燃料噴射装置に用いられ、燃料としてのガソリンをエンジンに噴射供給する。
図1に示すように、ハウジング20は、第1筒部材21、第2筒部材22、第3筒部材23および噴射ノズル30から構成されている。第1筒部材21、第2筒部材22および第3筒部材23は、いずれも略円筒状に形成され、第1筒部材21、第2筒部材22、第3筒部材23の順に同軸となるよう配置され、互いに接続している。
また、可動コア50のシール部41側端部は、内径が軸方向の他の部分より大きく形成されている。これにより、可動コア50の内側に環状の段差面54が形成されている(図1および2参照)。
本実施形態では、スプリング81の付勢力は、スプリング82の付勢力よりも大きく設定されている。そのため、コイル70に電力が供給(通電)されていない状態では、ニードル40のシール部41は、弁座312に着座した状態、すなわち閉弁状態となる。
また、上述のように、ニードル40は、ハウジング20内で往復移動するとき、摺接部42(噴孔311側の端部)が噴射ノズル30の筒部32によって支持される。このように、本実施形態では、ニードル40は、軸方向の2箇所(大径部43および摺接部42)を支持され、ハウジング20の内側を往復移動する。
また、上述のように、可動コア50の外径は、ハウジング20の内径、すなわち第1筒部材21の第2筒部材22側端部、および、第2筒部材22の内径より小さく形成されている。そのため、可動コア50は、内壁51がニードル40の外壁46と摺接するものの、外壁52はハウジング20の内壁24と摺接することなく、ハウジング20の内側で往復移動可能である。
図3(C)および(D)に示すように、可動コア50は、ブッシュ90側の端面53に、ブッシュ90とは反対側へ凹むよう形成される第2溝55を有している。第2溝55は、例えば切削あるいは型抜き等により形成されている。第2溝55は、可動コア50の中心穴(内壁51)から径外方向へ延びるよう、周方向に等間隔で4つ形成されている。また、本実施形態では、第2溝55は、可動コア50の軸に平行な仮想平面による断面の形状が矩形状となるよう形成されている。よって、第2溝55を形成する壁面同士のなす角、および、第2溝55を形成する壁面と端面53とのなす角は、概ね90度となる(図3(D)参照)。また、第2溝55の深さは、第2溝55を流体(燃料)が流れる場合に流体抵抗が生じない程度の深さに設定されている。
コイル70に通電されると、可動コア50は固定コア60に吸引される。これにより、ニードル40は、可動コア50とともに固定コア60側へ移動し、シール部41が弁座312から離座する。これにより、噴孔311は開放された状態(開弁状態)となる。燃料導入パイプ12の導入口14から流入した燃料は、燃料通路18を流通し、噴孔311から噴射される。一方、コイル70への通電がオフされると、ニードル40のシール部41が弁座312に着座し、閉弁する。これにより、燃料噴射が遮断される。
また、本実施形態では、可動コア50とニードル40とによりダンパ機構を構成することにより、ニードル40のシート部41が弁座312に着座したとき、および、可動コア50がブッシュ90に衝突したときのニードル40の過度のバウンスを抑制することができる。
また、本実施形態では、ブッシュ90は、ニードル40と硬度が同等の材料で形成されている。よって、ブッシュ90とニードル40の大径部43との摺接に伴うブッシュ90およびニードル40両方の摩耗を抑制することができる。
本発明の第2実施形態による燃料噴射弁を図4に基づき説明する。第2実施形態では、ブッシュ90の形状が第1実施形態と異なる。
本発明の第3実施形態による燃料噴射弁を図5に基づき説明する。第5実施形態では、可動コア50の第2溝55の形状が第1実施形態と異なる。
本発明の第4実施形態による燃料噴射弁を図6に基づき説明する。第4実施形態では、ブッシュ90の形状が第1実施形態と異なる。
上述の実施形態では、ブッシュおよびニードルをマルテンサイト系ステンレスで形成する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、ブッシュおよびニードルを二相系、析出硬化系またはフェライト系のステンレス、あるいは、鉄等の磁性材料で形成してもよい。また、ブッシュおよびニードルをオーステナイト系ステンレス、アルミニウム、チタン、銅、セラミック等の非磁性材料で形成してもよい。ただし、フェライト系ステンレスおよび鉄は比較的硬度が低いこと、ならびに、鉄は燃料に対する耐腐食(錆)性が低いことから、ブッシュおよびニードルは、比較的硬度が高く、かつ、耐腐食(錆)性が高いマルテンサイト系、二相系、析出硬化系またはオーステナイト系のステンレス、チタン、セラミック等で形成することが望ましい。なお、ブッシュとニードルとは、異なる材料で形成されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、ブッシュに形成される流通溝または流通孔は、4つに限らず、いくつであってもよい。
また、本発明の他の実施形態では、可動コアは、外径がハウジングの内径と略同じに形成され、ハウジングの内壁と摺接可能に設けられていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、第1筒部材と噴射ノズルとは、同一の材料で一体に形成されていてもよい。
本発明の燃料噴射弁は、直噴式のガソリンエンジンに限らず、例えばポート噴射式のガソリンエンジンやディーゼルエンジン等に適用してもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
18 ・・・・燃料通路
20 ・・・・ハウジング
21 ・・・・第1筒部材(ハウジング)
22 ・・・・第2筒部材(ハウジング)
23 ・・・・第3筒部材(ハウジング)
30 ・・・・噴射ノズル(ハウジング)
311 ・・・噴孔
312 ・・・弁座
40 ・・・・ニードル
41 ・・・・シール部
43 ・・・・大径部
50 ・・・・可動コア
60 ・・・・固定コア
70 ・・・・コイル
81 ・・・・スプリング(第1付勢部材)
90 ・・・・ブッシュ
Claims (14)
- 軸方向の一端に形成され燃料が噴射される噴孔、当該噴孔の周囲に形成される弁座、および、前記噴孔への燃料が流通する燃料通路を有する筒状のハウジングと、
前記ハウジング内に往復移動可能に設けられ、前記弁座側の端部に形成されるシール部、および、径外方向へ延びるよう形成される大径部を有し、前記シール部が前記弁座から離座または前記弁座に着座することで前記噴孔を開閉する棒状のニードルと、
外径が前記大径部の外径より大きく、前記ニードルとは別体に形成され、前記大径部の前記シール部側に設けられる可動コアと、
前記可動コアの開弁方向側に設けられる筒状の固定コアと、
通電により前記可動コアと前記固定コアとの間に磁気吸引力を発生させることで、前記可動コアを前記ニードルとともに開弁方向に吸引するコイルと、
前記ニードルを閉弁方向に付勢する第1付勢部材と、
前記固定コアと別体に形成され、前記固定コアの内側に設けられ、筒部及び当該筒部の内壁から径内方向へ突出するよう形成される内側突出部を有し、当該内側突出部の内壁が、前記ニードルの一部である前記大径部の外壁と摺接することで前記ニードルを往復移動可能に支持する筒状のブッシュと、
を備えることを特徴とする燃料噴射弁。 - 前記ブッシュは、前記可動コアの開弁方向への移動を規制可能であることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
- 前記ブッシュの前記可動コア側の端面の外径は、前記ブッシュの前記可動コアとは反対側の端面の外径と同じであり、
前記ブッシュの前記可動コア側の端面の内径は、前記ブッシュの前記可動コアとは反対側の端面の内径より小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射弁。 - 前記シール部が前記弁座から離座してから前記可動コアが前記固定コアまたは前記ブッシュに当接するまでの間、前記内側突出部と前記大径部との軸方向の摺接長は一定であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記シール部が前記弁座に着座しているとき、前記内側突出部の前記噴孔とは反対側の端面と、前記大径部の前記噴孔とは反対側の端面とは、前記ニードルの軸方向において略同じ位置にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記内側突出部の軸方向の長さは、前記大径部の軸方向の長さより短いことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記ブッシュは、前記固定コアよりも硬度が高い材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記ブッシュは、前記ニードルと硬度が同等の材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記ブッシュは、前記可動コア側の端面が、前記固定コアの前記可動コア側の端面よりも前記可動コア側に位置するよう設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記ブッシュは、前記固定コアよりも飽和磁束密度が低い材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記ブッシュは、前記可動コア側の端面に、前記可動コアとは反対側へ凹むよう形成される第1溝を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記可動コアは、前記ブッシュ側の端面に、前記ブッシュとは反対側へ凹むよう形成される第2溝を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記可動コアは、外径が前記ハウジングの内径より小さく形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記可動コアを前記ニードルとともに開弁方向に付勢する第2付勢部材をさらに備え、
前記可動コアは、前記ニードルとは別体、かつ、前記ニードルに対し相対移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
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