JP2016125360A - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ニードルに作用する開弁方向の力を大きくし、可動コアの摩耗を低減可能な燃料噴射弁を提供する。【解決手段】 燃料噴射弁1の噴孔を開閉するニードル40は、開弁時に可動コア50と衝突する鍔部43を有している。鍔部43の径方向外側には閉弁時に可動コア50と鍔部43との間に隙間430を形成する隙間形成部材60が設けられている。可動コア50が開弁方向に加速しつつ移動し鍔部43に衝突すると、ニードル40には比較的大きな開弁力が作用する。また、隙間形成部材60は、鍔部43と固定コア30とに摺動しており、ニードル40の往復移動は、隙間形成部材60を介して固定コア30に案内される。ニードル40が挿通される可動コア50の往復移動は、ニードル40及び隙間形成部材60を介して固定コア30に案内される。このとき、可動コア50の外壁505とハウジング20との間には隙間200が形成されている。【選択図】 図2
Description
本発明は、内燃機関(以下、「エンジン」という)に燃料を噴射供給する燃料噴射弁に関する。
従来、ハウジングが有する噴孔をニードルの往復移動によって開閉しハウジング内の燃料を外側に噴射する燃料噴射弁が知られている。例えば、特許文献1には、コイル、コイルの内側に設けられる固定コア、固定コアの噴孔側に設けられる可動コア、可動コアとは別体に設けられるニードル、可動コア及びニードルを閉弁方向に付勢するスプリングを備え、ニードルが弁座に当接しているときニードルが有するストッパと可動コアとの間に隙間が形成される燃料噴射弁が記載されている。
特許文献1に記載の燃料噴射弁では、コイルが形成する磁界によって可動コアが固定コアに吸引されると、可動コアは、ニードルのストッパと可動コアとの間の隙間を利用して加速しつつ開弁方向に移動した後、ニードルのストッパに衝突する。これにより、特許文献1に記載の燃料噴射弁では、ニードルに作用する開弁方向の力(以下、「開弁力」という)が比較的大きくなる。しかしながら、特許文献1に記載の燃料噴射弁では、可動コアは、外壁がハウジングの内壁に摺動し内壁がニードルの外壁に摺動しつつニードルのストッパに衝突するため、可動コアが当該隙間を利用して加速するとき、ハウジングの内壁との摺動、及び、ニードルの外壁との摺動による摩擦抵抗が可動コアに作用する。このため、開弁力を大きくすることが困難になるおそれがある。
また、特許文献1の燃料噴射弁では、可動コアの外壁がハウジングの内壁と摺動するため、可動コアの外壁が摺動により摩耗するおそれがある。可動コアが摩耗すると、可動コアの吸引特性が変化したり、可動コアの摩耗により発生する摩耗粉がニードルと弁座との間に噛み込まれたりするおそれがある。また、ニードルは、噴孔とは反対側の端部より噴孔側に位置するニードルの中間部と噴孔側の端部とがハウジングに摺動しているため、ニードルの往復移動が不安定になるおそれがある。
本発明の目的は、ニードルに作用する開弁方向の力を大きくし、可動コアの摩耗を低減可能な燃料噴射弁を提供することにある。
本発明は、燃料噴射弁であって、燃料が噴射される噴孔及び噴孔の周囲に形成される弁座を有するハウジングと、往復移動可能なようハウジングに収容され弁座から離間または弁座に当接すると噴孔を開閉するニードル部と、ニードル部の弁座に当接可能な端部とは反対側の端部の径方向外側に設けられる鍔部と、ハウジング内に固定される筒状の固定コアと、固定コアの噴孔側に設けられニードル部が挿通される挿通孔を有し外壁がハウジングの内壁との間に第一隙間を形成しつつ挿通孔の内壁がニードル部の外壁と摺動可能な可動コアと、電力が供給されると可動コアを固定コア側に吸引可能なコイルと、内壁が鍔部の外壁と摺動し外壁が固定コアの内壁と摺動可能なよう鍔部に径方向外側に設けられ鍔部と可動コアとの間に第二隙間を形成可能な隙間形成部材と、隙間形成部材を介して可動コアを閉弁方向に付勢可能かつ鍔部を介してニードル部を閉弁方向に付勢可能な第一付勢部材と、第一付勢部材の付勢力より小さい付勢力で可動コアを開弁方向に付勢する第二付勢部材と、を備える。
本発明の燃料噴射弁は、ニードル部と弁座とが当接し、かつ、第一付勢部材がニードル部及び隙間形成部材を閉弁方向に付勢しているとき、鍔部の噴孔側の端面と可動コアの噴孔とは反対側の端面との間に第二隙間が形成されることを特徴とする。
本発明の燃料噴射弁は、ニードル部と弁座とが当接し、かつ、第一付勢部材がニードル部及び隙間形成部材を閉弁方向に付勢しているとき、鍔部の噴孔側の端面と可動コアの噴孔とは反対側の端面との間に第二隙間が形成されることを特徴とする。
本発明の燃料噴射弁では、隙間形成部材は、鍔部と可動コアとの間に第二隙間を形成する。コイルに電力が供給され可動コアが固定コアに吸引されると、可動コアは、当該隙間を利用して開弁方向に加速しつつ移動し、鍔部に当接する。これにより、鍔部の径方向内側に設けられているニードル部に比較的大きな開弁力を作用させることができる。
また、本発明の燃料噴射弁では、隙間形成部材は鍔部の外壁と固定コアの内壁とに摺動している。これにより、鍔部が径方向外側に設けられるニードル部は、隙間形成部材を介して固定コアに案内される。また、挿通孔を有する可動コアは、挿通孔に挿通されているニードル部の外壁に摺動しており、可動コアのハウジング内での往復移動はニードル部によって案内される。さらに、可動コアの外壁とハウジングの内壁との間には第一隙間が形成されている。これにより、可動コアのハウジング内での往復移動をハウジングによって案内する場合に比べ、可動コアに作用する摩擦抵抗が小さくなる。したがって、摩擦抵抗によって可動コアの開弁方向への移動速度が遅くなることを防止し、開弁力をさらに大きくすることができる。
また、本発明の燃料噴射弁では、可動コアの外壁とハウジングの内壁との間に第一隙間が形成されているため、可動コアの外壁の摩耗を低減することができる。これにより、可動コアの外壁の摩耗によって可動コアと固定コアとの間の吸引特性が変化したり、可動コアの外壁の摩耗によって発生する摩耗粉がニードルと弁座との間に噛み込まれたりすることを防止することができる。
また、本発明の燃料噴射弁では、ニードル部は、ニードル部の鍔部が設けられている側の端部が隙間形成部材を介して固定コアに往復移動が案内されている。これにより、ニードル部は、ハウジング内で安定して往復移動することができる。
以下、本発明の複数の実施形態について図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態による燃料噴射弁1を図1〜4に示す。なお、図1〜4には、ニードル40が弁座250から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル40が弁座250に当接する方向である閉弁方向を図示する。
本発明の第一実施形態による燃料噴射弁1を図1〜4に示す。なお、図1〜4には、ニードル40が弁座250から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル40が弁座250に当接する方向である閉弁方向を図示する。
燃料噴射弁1は、例えば図示しない直噴式ガソリンエンジンの燃料噴射装置に用いられ、燃料としてのガソリンを高圧でエンジンに噴射供給する。燃料噴射弁1は、ハウジング20、ニードル40、可動コア50、固定コア30、隙間形成部材60、コイル35、「第一付勢部材」としての第一スプリング31、「第二付勢部材」としての第二スプリング32などを備える。
ハウジング20は、図1に示すように、第一筒部材21、第二筒部材22、第三筒部材23及び噴射ノズル25から構成されている。第一筒部材21、第二筒部材22及び第三筒部材23は、いずれも円筒状に形成され、第一筒部材21、第二筒部材22、第三筒部材23の順に同軸となるよう配置され、互いに接続している。
噴射ノズル25は、第一筒部材21の第二筒部材22とは反対側の端部に設けられている。噴射ノズル25は、例えばマルテンサイト系ステンレスなどの金属により有底筒状に形成されており、第一筒部材21に溶接されている。噴射ノズル25は、所定の硬度を有するよう焼入れ処理が施されている。
噴射ノズル25は、ハウジング20の中心軸CA0を対称軸として線対称に形成されている。噴射ノズル25は、ハウジング20の内側と外側とを連通する噴孔26が複数有する。噴孔の内側開口の縁には、弁座250が形成されている。
ニードル40は、例えばマルテンサイト系ステンレスなどの金属により形成されている。ニードル40は、噴射ノズル25の硬度と同程度の硬度を有するよう焼入れ処理が施されている。
ニードル40は、ハウジング20の内側に往復移動可能に収容されている。ニードル40は、軸部41、「ニードル部の弁座に当接可能な端部」としてのシール部42、摺接部44、鍔部43などを有する。軸部41、シール部42、摺接部44及び鍔部43は、一体に形成される。軸部41、シール部42及び摺接部44は、特許請求の範囲に記載の「ニードル部」に相当する。
軸部41は、固定コア30側の端部が筒状に形成されている棒状の部位である。軸部41の固定コア30側の端部は、噴射ノズル25の内側に向かう燃料が流れる流路400を有する。流路400は、流路400の噴孔26側において軸部41が有する孔411と連通している。すなわち、孔411は、流路400と軸部41の外側とを連通する。
シール部42は、軸部41の噴孔26側の端部に弁座250に当接可能に設けられている。ニードル40は、シール部42が弁座250から離間または弁座250に当接すると噴孔26を開閉し、ハウジング20の内側と外側とを連通または遮断する。
軸部41とシール部42との間には摺接部44が設けられている。摺接部44は、円筒状に形成され、外壁441の一部が面取りされている。摺接部44は、外壁441の面取りされていない部分が噴射ノズル25の内壁と摺接可能である。これにより、ニードル40は、噴孔26側の端部の往復移動が案内される。
鍔部43は、略円環状に形成され、軸部41のシール部42が設けられる側とは反対側の端部の径方向外側に設けられている。鍔部43の外径は軸部41の外径より大きい。鍔部43の噴孔26とは反対側の外縁部433は、噴孔26側から噴孔26とは反対側に向かうにつれて外径が小さくなるよう形成されている。
可動コア50は、例えばフェライト系ステンレスなどの磁性材料により略筒状に形成されている。可動コア50は、固定コア30の噴孔26側にハウジング20に対して往復移動可能に設けられている。可動コア50の外壁505と第一筒部材21の内壁211及び第二筒部材22の内壁221との間には「第一隙間」としての隙間200が形成されている。
可動コア50は、軸部41が挿通される挿通孔500を有している。挿通孔500の内壁は、軸部41の外壁412と摺動している。
挿通孔500の固定コア30側は、鍔部43の噴孔26側の「鍔部の噴孔側の端面」としての鍔部端面431及び固定コア30の噴孔26側の端面に対向する「可動コアの噴孔とは反対側の端面」としての可動コア当接面501を有する。可動コア当接面501には、耐摩耗性に優れた膜、例えば、硬質クロムめっき膜が施されている。可動コア50は、可動コア50の固定コア30側と噴孔26側とを連通する複数の連通路502を有する。複数の連通路502は、中心軸CA0上の点を中心とする仮想円の円周上に等間隔に位置する。
挿通孔500の固定コア30側は、鍔部43の噴孔26側の「鍔部の噴孔側の端面」としての鍔部端面431及び固定コア30の噴孔26側の端面に対向する「可動コアの噴孔とは反対側の端面」としての可動コア当接面501を有する。可動コア当接面501には、耐摩耗性に優れた膜、例えば、硬質クロムめっき膜が施されている。可動コア50は、可動コア50の固定コア30側と噴孔26側とを連通する複数の連通路502を有する。複数の連通路502は、中心軸CA0上の点を中心とする仮想円の円周上に等間隔に位置する。
固定コア30は、ハウジング20の第三筒部材23と溶接され、ハウジング20の内側に固定されるよう設けられている。固定コア30は、固定コア本体部301及び固定コア摺動部302を有している。
固定コア本体部301は、例えばフェライト系ステンレスなどの磁性材料から形成されている。固定コア本体部301は、磁気安定化処理が施され、後述するコイル35が形成する磁界内に設けられている。
固定コア摺動部302は、固定コア本体部301の噴孔26側の端部の内側に設けられている筒状部材である。固定コア摺動部302は、表面に例えばクロムめっきを施し、隙間形成部材60や可動コア当接面501の硬度と同程度の硬度を有している。固定コア摺動部302は、図2に示すように、噴孔26側の端面303が固定コア本体部301の噴孔26側の端面304より噴孔26側に位置している。これにより、可動コア50が開弁方向に移動すると、可動コア50の可動コア当接面501と固定コア摺動部302の端面303とが当接し、可動コア50の開弁方向への移動が規制される。
隙間形成部材60は、鍔部43の径方向外側に設けられる環状の部材である。隙間形成部材60の噴孔26側の端面600は、可動コア当接面501に当接している。また、隙間形成部材60の噴孔26とは反対側の端面609は、第一スプリング31の一端が当接している。
隙間形成部材60の外壁601は、固定コア摺動部302の内壁305に摺動する。隙間形成部材60の内壁602は、鍔部43の径方向外側の外壁434に摺動する。隙間形成部材60の噴孔26側の内縁部603は、噴孔26側から噴孔26とは反対側に向かうにつれて内径が小さくなるよう形成されている。また、隙間形成部材60の噴孔26側の外縁部604は、噴孔26側から噴孔26とは反対側に向かうにつれて外径が大きくなるよう形成されている。また、隙間形成部材60の噴孔26とは反対側の内縁部605は、噴孔26側から噴孔26とは反対側に向かうにつれて内径が大きくなるよう形成されている。また、隙間形成部材60の噴孔26とは反対側の外縁部606は、噴孔26側から噴孔26とは反対側に向かうにつれて外径が小さくなるよう形成されている。
隙間形成部材60の外壁601は、固定コア摺動部302の内壁305に摺動する。隙間形成部材60の内壁602は、鍔部43の径方向外側の外壁434に摺動する。隙間形成部材60の噴孔26側の内縁部603は、噴孔26側から噴孔26とは反対側に向かうにつれて内径が小さくなるよう形成されている。また、隙間形成部材60の噴孔26側の外縁部604は、噴孔26側から噴孔26とは反対側に向かうにつれて外径が大きくなるよう形成されている。また、隙間形成部材60の噴孔26とは反対側の内縁部605は、噴孔26側から噴孔26とは反対側に向かうにつれて内径が大きくなるよう形成されている。また、隙間形成部材60の噴孔26とは反対側の外縁部606は、噴孔26側から噴孔26とは反対側に向かうにつれて外径が小さくなるよう形成されている。
隙間形成部材60は、径方向外側の端部に「第一流路」としての連通路607を有する。連通路607は、隙間形成部材60の噴孔26とは反対側と噴孔26側とを連通する。また、隙間形成部材60は、噴孔26側の端部に「第二流路」としての連通路608を有する。連通路608は、隙間形成部材60の内側と外側とを連通する。
隙間形成部材60の中心軸CA0方向の長さは、鍔部43の中心軸CA0方向の長さより長い。これにより、燃料噴射弁1では、シール部42と弁座250とが当接し、かつ、後述する第一スプリング31がニードル40及び隙間形成部材60を閉弁方向に付勢しているとき、鍔部端面431と可動コア当接面501との間には「第二隙間」としての隙間430が形成される。
コイル35は、筒状に形成され、主に第二筒部材22及び第三筒部材23の径方向外側を囲むよう設けられている。コイル35は、電力が供給されると周囲に磁界を形成する。磁界が形成されると、固定コア30、可動コア50、第一筒部材21、第三筒部材23及びホルダ17の内部に磁気回路が形成される。
第一スプリング31は、一端が隙間形成部材60に可動コア50とは反対側の端部及び鍔部43の可動コア50とは反対側の端部に当接可能に設けられている。第一スプリング31の他端は、固定コア30の内側に圧入固定されているアジャスティングパイプ11の噴孔26側の端面111に当接している。第一スプリング31は、隙間形成部材60を弁座250の方向、すなわち、閉弁方向に付勢しつつ、ニードル40を閉弁方向に付勢可能に設けられている。
第二スプリング32は、一端が第一筒部材21の内壁に当接するよう設けられている。第二スプリング32の他端は、可動コア50の噴孔26側の端面503に当接している。第二スプリング32は、可動コア50を弁座250とは反対の方向、すなわち、開弁方向に付勢している。
本実施形態では、第二スプリング32の付勢力は、第一スプリング31の付勢力より小さくなるよう設定されている。これにより、コイル35に電力が供給されていないとき、ニードル40のシール部42は、弁座250に当接した状態、すなわち、閉弁状態となる。
第三筒部材23の第二筒部材22側とは反対の端部には、筒状の燃料導入パイプ12が圧入及び溶接されている。燃料導入パイプ12の内側には、フィルタ13が設けられている。フィルタ13は、燃料導入パイプ12の導入口14から流入した燃料に含まれる異物を捕集する。
燃料導入パイプ12及び第三筒部材23の径方向外側は、樹脂によりモールドされている。当該モールドされている部分はコネクタ15を有する。コネクタ15には、コイル35へ電力を供給するための端子16がインサート成形されている。また、コイル35の径方向外側には、コイル35を覆うよう筒状のホルダ17が設けられている。
燃料導入パイプ12の導入口14からハウジング20の内側に流入する燃料は、固定コア30の内側、アジャスティングパイプ11の内側、流路400、孔411、第一筒部材21と軸部41との間を流れ、噴射ノズル25の内側に導かれる。また、アジャスティングパイプ11の内側を流れる燃料の一部は、連通路607、可動コア50と固定コア30との間、連通路502、第一筒部材21と軸部41との間を流れ、噴射ノズル25の内部に導かれる。
次に、燃料噴射弁1の製造方法について、特に、隙間形成部材60が関連する工程について説明する。
ハウジング20の内側に設けられる可動コア50の挿通孔500に挿通されているニードル40に隙間形成部材60を組み付ける。具体的には、隙間形成部材60を第三筒部材23の燃料導入パイプ12が設けられる側の開口からハウジング20の内側に入れ、先にハウジング20の内側に固定されている固定コア30が有する固定コア摺動部302の内壁305に摺動させつつ鍔部43の外壁434に摺動するよう隙間形成部材60を組み付ける。
その後、第三筒部材23の燃料導入パイプ12が設けられる側の開口から第一スプリング31及びアジャスティングパイプ11をハウジング20の内側に入れる。第一スプリング31の一端をニードル40及び隙間形成部材60の噴孔26と反対側の端面に当接させる。第一スプリング31の他端をアジャスティングパイプ11の端面111に当接させた後、固定コア30に対するアジャスティングパイプ11の位置を調整する。
ハウジング20の内側に設けられる可動コア50の挿通孔500に挿通されているニードル40に隙間形成部材60を組み付ける。具体的には、隙間形成部材60を第三筒部材23の燃料導入パイプ12が設けられる側の開口からハウジング20の内側に入れ、先にハウジング20の内側に固定されている固定コア30が有する固定コア摺動部302の内壁305に摺動させつつ鍔部43の外壁434に摺動するよう隙間形成部材60を組み付ける。
その後、第三筒部材23の燃料導入パイプ12が設けられる側の開口から第一スプリング31及びアジャスティングパイプ11をハウジング20の内側に入れる。第一スプリング31の一端をニードル40及び隙間形成部材60の噴孔26と反対側の端面に当接させる。第一スプリング31の他端をアジャスティングパイプ11の端面111に当接させた後、固定コア30に対するアジャスティングパイプ11の位置を調整する。
次に、燃料噴射弁1の作用について、図2〜4に基づいて説明する。
コイル35に電力が供給されていないとき、ニードル40のシール部42は、弁座250に当接している。このとき、ニードル40、可動コア50、及び、隙間形成部材60は、図2に示す位置関係となっている。具体的には、固定コア30と可動コア50との間には磁気吸引力が発生していないため、固定コア30と可動コア50との間には隙間が形成されている。このとき、第一スプリング31は、隙間形成部材60だけでなくニードル40にも当接しニードル40を閉弁方向に付勢しており、隙間430が形成されている。隙間430には燃料通路18を流れる燃料が満たされている。
コイル35に電力が供給されていないとき、ニードル40のシール部42は、弁座250に当接している。このとき、ニードル40、可動コア50、及び、隙間形成部材60は、図2に示す位置関係となっている。具体的には、固定コア30と可動コア50との間には磁気吸引力が発生していないため、固定コア30と可動コア50との間には隙間が形成されている。このとき、第一スプリング31は、隙間形成部材60だけでなくニードル40にも当接しニードル40を閉弁方向に付勢しており、隙間430が形成されている。隙間430には燃料通路18を流れる燃料が満たされている。
コイル35に電力が供給され固定コア30と可動コア50との間に磁気吸引力が発生すると、可動コア50は、隙間430の中心軸CA0方向の長さに相当する距離を加速しつつ開弁方向に移動し、可動コア当接面501が鍔部端面431に衝突する(図3参照)。このとき、隙間430の燃料は、連通路608を通って固定コア30と可動コア50との間に速やかに流出する。また、第一スプリング31は、隙間形成部材60にのみ当接している。
さらに、可動コア50は、固定コア30と可動コア50との間の磁気吸引力によって可動コア当接面501と鍔部端面431とが当接したまま開弁方向に移動する。これにより、シール部42が弁座250から離間し、噴孔26が開く。噴孔26が開くと、噴射ノズル25の内側に導かれている燃料が噴孔26を通って外部に噴射される。開弁方向に移動する可動コア50が図4に示すように固定コア摺動部302に当接すると、可動コア50の開弁方向への移動が停止する。
コイル35への電力の供給が停止すると、固定コア30と可動コア50との間に発生している磁気吸引力が消滅するため、隙間形成部材60及び可動コア50は、第一スプリング31の付勢力と第二スプリング32の付勢力との差によって閉弁方向に移動する。このとき、ニードル40は、閉弁方向に作用する燃料の圧力によって図4に示す可動コア50、隙間形成部材60との相対的な位置関係を維持したまま閉弁方向に移動する。
ニードル40がさらに閉弁方向に移動しシール部42と弁座250が当接すると、ニードル40の閉弁方向への移動が停止し噴孔26が閉じられる。隙間形成部材60及び可動コア50は、シール部42と弁座250が当接した後も閉弁方向に移動し、第一スプリング31の付勢力によって図2に示す状態に戻る。
第一実施形態による燃料噴射弁1は、シール部42が弁座250に当接し、かつ、第一スプリング31がニードル40及び隙間形成部材60を閉弁方向に付勢しているとき、鍔部端面431と可動コア当接面501との間に隙間430を有している。燃料噴射弁1では、可動コア50は、コイル35に電力が供給されると隙間430の中心軸CA0方向の長さに相当する距離を加速した後、ニードル40に衝突する。これにより、燃料噴射弁1では、ニードル40に比較的大きな開弁力を作用させることができる。
また、ニードル40の鍔部43を有する側の端部の往復移動は、隙間形成部材60を介して固定コア30に案内されている。また、可動コア50は、挿通孔500に挿通されているニードル40の外壁412に摺動しており、可動コア50の往復移動はニードル40によって案内されている。これにより、可動コア50の外壁505と第一筒部材21の内壁211及び第二筒部材22の内壁221との間には隙間200を有しているように、可動コア50の往復移動を案内するために可動コア50をハウジング20の内壁に摺動させることが不要となり、可動コアの外壁とハウジングの内壁とが摺動する場合に比べ、可動コア50に作用する摩擦抵抗を小さくすることができる。したがって、ハウジング20との摩擦によって可動コア50の開弁方向への移動速度が遅くなることを防止し、ニードル40に作用する可動コア50の開弁力を大きくすることができる。
また、可動コア50において摩擦抵抗が小さくなるため、可動コア50の摩耗を低減することができる。これにより、可動コア50の摩耗によって変形する可動コア50と固定コア30との吸引特性の変化を防止するととともに、可動コア50の摩耗によって発生する摩耗粉がニードル40と弁座250との間に噛み込まれたりすることを防止することができる。
特許文献1に記載の燃料噴射弁では、ニードルの往復移動は、噴孔とは反対側の端部より噴孔側に位置するニードルの中間部と噴孔側の端部とがハウジングに摺動することによって案内されている。また、ニードルの噴孔とは反対側の端部は、可動コアを介して案内されている。可動コアは、外壁がハウジングの内壁と摺動しているため、摩耗するおそれがある。可動コアが摩耗すると、ニードルの噴孔とは反対側の端部の往復移動が不安定になり、所望の燃料噴射ができないおそれがある。
第一実施形態による燃料噴射弁1では、ニードル40は、噴孔26側の端部に位置する摺接部44が第一筒部材21に摺動している。また、鍔部43が設けられる側の端部の往復移動は、隙間形成部材60を介して固定コア30に案内されている。したがって、ニードル40の二つの端部は、ハウジング20または固定コア30によって往復移動が案内されるため、ニードル40の往復移動を安定させることができる。
第一実施形態による燃料噴射弁1では、ニードル40は、噴孔26側の端部に位置する摺接部44が第一筒部材21に摺動している。また、鍔部43が設けられる側の端部の往復移動は、隙間形成部材60を介して固定コア30に案内されている。したがって、ニードル40の二つの端部は、ハウジング20または固定コア30によって往復移動が案内されるため、ニードル40の往復移動を安定させることができる。
隙間形成部材60は、噴孔26側の外縁部604が噴孔26側から噴孔26とは反対側に向かうにつれて外径が大きくなるよう形成されている。これにより、燃料噴射弁1を製造するとき、隙間形成部材60を固定コア摺動部302の内壁305に容易に摺動させることができる。
隙間形成部材60は、噴孔26側の内縁部603が噴孔26側から噴孔26とは反対側に向かうにつれて内径が小さくなるよう形成されている。また、鍔部43は、噴孔26とは反対側の外縁部433が噴孔26側から噴孔26とは反対側に向かうにつれて外径が小さくなるよう形成されている。これにより、燃料噴射弁1を製造するとき、鍔部43に隙間形成部材60を容易に摺動させることができる。
また、隙間形成部材60は、噴孔26側の内縁部603及び外縁部604、並びに、噴孔26とは反対側の内縁部605及び外縁部606が噴孔26側から噴孔26とは反対側に向かうにつれて内径または外径が変化するよう形成されている。これにより、隙間形成部材60をハウジング20の内側に入れるとき、隙間形成部材60の方向を確認しなくても隙間形成部材60を容易に固定コア摺動部302の内壁305および鍔部43の外壁434に摺動させることができる。したがって、燃料噴射弁1の製造工数を低減することができる。
また、燃料噴射弁1を製造するとき、隙間形成部材60は、外壁601が固定コア摺動部302の内壁305に摺動した後に内壁602が鍔部43の外壁434に摺動するようニードル40に組み付けられる。これにより、隙間形成部材60を組み付ける前のニードル40が中心軸CA0に対して傾いていても隙間形成部材60の二箇所の摺動する部位が順番に摺動していくため、隙間形成部材60を容易に組み付けることができる。
隙間形成部材60が有する連通路607は、隙間形成部材60の噴孔26とは反対側と隙間形成部材60の噴孔26側とを連通する。これにより、導入口14側の燃料と固定コア30と可動コア50との間の燃料とが確実に行き来するようになり、隙間形成部材60が中心軸CA0方向に移動するときの燃料による粘性抵抗を低減することができる。したがって、当該連通路を有しない場合に比べ、噴孔26の開閉における応答性を向上することができる。
隙間形成部材60が有する連通路608は、隙間430と連通可能に形成されている。隙間形成部材60に対するニードル40の移動によって隙間430の体積が変化するとき、連通路608を介して隙間430から隙間形成部材60の外側に燃料が流出または隙間形成部材60の外側から隙間430に流入する。これにより、ニードル40が中心軸CA0方向に移動するときの燃料による粘性抵抗を低減することができる。したがって、当該連通路を有しない場合に比べ、燃料の粘性抵抗によって可動コア50の開弁方向への移動速度が遅くなることを防止し、ニードル40に作用する可動コア50の開弁力をさらに大きくすることができる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態による燃料噴射弁を図5に基づいて説明する。第二実施形態は、付勢力伝達部材を備える点が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、図5には、ニードル40が弁座250から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル40が弁座250に当接する方向である閉弁方向を図示する。
次に、本発明の第二実施形態による燃料噴射弁を図5に基づいて説明する。第二実施形態は、付勢力伝達部材を備える点が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、図5には、ニードル40が弁座250から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル40が弁座250に当接する方向である閉弁方向を図示する。
第二実施形態による燃料噴射弁2の要部断面図を図5に示す。燃料噴射弁2は、付勢力伝達部材65などを備える。
付勢力伝達部材65は、第一スプリング31と隙間形成部材60との間に設けられる略円環状の部材である。付勢力伝達部材65の内壁651は、後述する突出部45の外壁451との間に隙間を形成している。また、付勢力伝達部材65の外壁652は、固定コア摺動部302の内壁305と隙間を形成している。付勢力伝達部材65は、隙間形成部材60の端面609に当接しつつ、鍔部43の噴孔26とは反対側の端面432と当接可能に設けられている。付勢力伝達部材65は、シール部42と弁座250とが当接しかつ第一スプリング31がニードル40及び隙間形成部材60を閉弁方向に付勢しているとき、隙間形成部材60の端面609及び鍔部43の噴孔26とは反対側の端面432に当接する。
ニードル40は、軸部41、シール部42、摺接部44、鍔部43、突出部45などを有する。軸部41、シール部42、摺接部44、鍔部43及び突出部45は、一体に形成される。
突出部45は、軸部41の噴孔26とは反対側の端部から噴孔26とは反対の方向に突出するよう設けられている。突出部45は、流路400と連通する連通路450を有している。突出部45の噴孔26とは反対側の外縁部452は、噴孔26側から噴孔26とは反対側に向かうにつれて外径が小さくなるよう形成されている。
突出部45は、軸部41の噴孔26とは反対側の端部から噴孔26とは反対の方向に突出するよう設けられている。突出部45は、流路400と連通する連通路450を有している。突出部45の噴孔26とは反対側の外縁部452は、噴孔26側から噴孔26とは反対側に向かうにつれて外径が小さくなるよう形成されている。
第二実施形態による燃料噴射弁2は、シール部42と弁座250とが当接しかつ第一スプリング31がニードル40及び隙間形成部材60を閉弁方向に付勢しているとき、鍔部端面431と可動コア当接面501との間に隙間430を有している。これにより、ニードル40に比較的大きな開弁力を作用させることができる。
また、ニードル40の鍔部43を有する側の端部は、隙間形成部材60を介して固定コア30に案内されている。また、可動コア50は、ニードル40によって案内されている。これにより、ハウジング20との摩擦によって可動コア50の開弁方向への移動速度が遅くなることを防止することができる。したがって、第二実施形態は、第一実施形態の効果を奏する。
また、ニードル40の鍔部43を有する側の端部は、隙間形成部材60を介して固定コア30に案内されている。また、可動コア50は、ニードル40によって案内されている。これにより、ハウジング20との摩擦によって可動コア50の開弁方向への移動速度が遅くなることを防止することができる。したがって、第二実施形態は、第一実施形態の効果を奏する。
また、燃料噴射弁2では、第一スプリング31が当接する付勢力伝達部材65は、隙間形成部材60を開弁方向に付勢しつつ、ニードル40を閉弁方向に付勢可能なよう設けられている。これにより、第一スプリング31の付勢力を隙間形成部材60及びニードル40に安定して伝達し、燃料噴射弁2における噴孔26の開閉を安定して行うことができる。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態による燃料噴射弁を図6に基づいて説明する。第三実施形態は、付勢力伝達部材の形状が第二実施形態と異なる。なお、第二実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、図6には、ニードル40が弁座250から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル40が弁座250に当接する方向である閉弁方向を図示する。
次に、本発明の第三実施形態による燃料噴射弁を図6に基づいて説明する。第三実施形態は、付勢力伝達部材の形状が第二実施形態と異なる。なお、第二実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、図6には、ニードル40が弁座250から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル40が弁座250に当接する方向である閉弁方向を図示する。
第三実施形態による燃料噴射弁3の要部断面図を図6に示す。燃料噴射弁3は、付勢力伝達部材75などを備える。
付勢力伝達部材75は、第一スプリング31と隙間形成部材60との間に設けられる部材である。付勢力伝達部材75は、円環部751と「内側摺動部」としての円筒部752とから形成される。
円環部751は、第一スプリング31と隙間形成部材60との間に位置する。円環部751は、隙間形成部材60の端面609に当接しつつ、鍔部43の噴孔26とは反対側の端面432と当接可能に設けられている。シール部42と弁座250とが当接しかつ第一スプリング31がニードル40及び隙間形成部材60を閉弁方向に付勢しているとき、円環部751は、隙間形成部材60の端面609及び鍔部43の噴孔26とは反対側の端面432に当接している。
円筒部752は、円環部751の径方向内側の端部から開弁方向に延びるよう設けられている筒状の部位である。円筒部752の内壁753は、突出部45の外壁451に摺動するよう設けられている。
第三実施形態による燃料噴射弁3は、シール部42と弁座250とが当接しかつ第一スプリング31がニードル40及び隙間形成部材60を閉弁方向に付勢しているとき、鍔部端面431と可動コア当接面501との間に隙間430を有している。これにより、ニードル40に比較的大きな開弁力を作用させることができる。
また、ニードル40の鍔部43を有する側の端部は、隙間形成部材60を介して固定コア30に案内されている。また、可動コア50は、ニードル40によって案内されている。これにより、ハウジング20との摩擦によって可動コア50の開弁方向への移動速度が遅くなることを防止することができる。
また、付勢力伝達部材75は、第一スプリング31の付勢力を隙間形成部材60及びニードル40に安定して伝達することができる。したがって、第三実施形態は、第二実施形態の効果を奏する。
また、ニードル40の鍔部43を有する側の端部は、隙間形成部材60を介して固定コア30に案内されている。また、可動コア50は、ニードル40によって案内されている。これにより、ハウジング20との摩擦によって可動コア50の開弁方向への移動速度が遅くなることを防止することができる。
また、付勢力伝達部材75は、第一スプリング31の付勢力を隙間形成部材60及びニードル40に安定して伝達することができる。したがって、第三実施形態は、第二実施形態の効果を奏する。
また、燃料噴射弁3では、円筒部752が突出部45に摺動している。これにより、付勢力伝達部材75の位置が安定し、第一スプリング31の付勢力を隙間形成部材60及びニードル40に安定して伝達することができる。したがって、燃料噴射弁3における噴孔26の開閉をさらに安定して行うことができる。
(第四実施形態)
次に、本発明の第四実施形態による燃料噴射弁を図7に基づいて説明する。第四実施形態は、ニードル及び付勢力伝達部材の形状が第二実施形態と異なる。なお、第二実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、図7には、ニードル40が弁座250から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル40が弁座250に当接する方向である閉弁方向を図示する。
次に、本発明の第四実施形態による燃料噴射弁を図7に基づいて説明する。第四実施形態は、ニードル及び付勢力伝達部材の形状が第二実施形態と異なる。なお、第二実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、図7には、ニードル40が弁座250から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル40が弁座250に当接する方向である閉弁方向を図示する。
第四実施形態による燃料噴射弁4の要部断面図を図7に示す。燃料噴射弁4は、燃料噴射弁4は、付勢力伝達部材85などを備える。
付勢力伝達部材85は、第一スプリング31と隙間形成部材60との間に設けられる部材である。付勢力伝達部材85は、円環部851と「外側摺動部」としての円筒部852とから形成される。
円環部851は、第一スプリング31と隙間形成部材60との間に位置する。円環部851は、隙間形成部材60の端面609に当接しつつ、鍔部43の噴孔26とは反対側の端面432と当接可能に設けられている。シール部42と弁座250とが当接しかつ第一スプリング31がニードル40及び隙間形成部材60を閉弁方向に付勢しているとき、円環部851は、隙間形成部材60の端面609及び鍔部43の噴孔26とは反対側の端面432に当接している。
円筒部852は、円環部851の径方向外側の端部から閉弁方向に延びるよう設けられている筒状の部位である。円筒部852の外壁853は、固定コア摺動部302の内壁305に摺動するよう設けられている。
ニードル40は、軸部41、シール部42、摺接部44、鍔部43、突出部45、ばね座部46などから形成されている。
ばね座部46は、摺接部44と鍔部43との間であって軸部41の径方向外側に設けられる略環状の部位である。ばね座部46は、軸部41と一体となって往復移動可能に軸部41に固定されている。ばね座部46は、「第二付勢部材」としての第二スプリング33の一端を支持する。第二スプリング33の他端は、可動コア50の端面503に当接している。第二スプリング33は、第二実施形態と比較して連通路502を有していない可動コア50を弁座250とは反対の方向に付勢している。
本実施形態では、第二スプリング33の付勢力は、第一スプリング31の付勢力より小さくなるよう設定されている。これにより、コイル35に電力が供給されていないとき、ニードル40のシール部42は、弁座250に当接した状態、すなわち、閉弁状態となる。
ばね座部46は、摺接部44と鍔部43との間であって軸部41の径方向外側に設けられる略環状の部位である。ばね座部46は、軸部41と一体となって往復移動可能に軸部41に固定されている。ばね座部46は、「第二付勢部材」としての第二スプリング33の一端を支持する。第二スプリング33の他端は、可動コア50の端面503に当接している。第二スプリング33は、第二実施形態と比較して連通路502を有していない可動コア50を弁座250とは反対の方向に付勢している。
本実施形態では、第二スプリング33の付勢力は、第一スプリング31の付勢力より小さくなるよう設定されている。これにより、コイル35に電力が供給されていないとき、ニードル40のシール部42は、弁座250に当接した状態、すなわち、閉弁状態となる。
第四実施形態による燃料噴射弁4は、シール部42と弁座250とが当接しかつ第一スプリング31がニードル40及び隙間形成部材60を閉弁方向に付勢しているとき、鍔部端面431と可動コア当接面501との間に隙間430を有している。これにより、ニードル40に比較的大きな開弁力を作用させることができる。
また、ニードル40の鍔部43を有する側の端部は、隙間形成部材60を介して固定コア30に案内されている。また、可動コア50は、ニードル40によって案内されている。これにより、ハウジング20との摩擦によって可動コア50の開弁方向への移動速度が遅くなることを防止することができる。
また、付勢力伝達部材85は、第一スプリング31の付勢力を隙間形成部材60及びニードル40に安定して伝達することができる。したがって、第四実施形態は、第二実施形態の効果を奏する。
また、ニードル40の鍔部43を有する側の端部は、隙間形成部材60を介して固定コア30に案内されている。また、可動コア50は、ニードル40によって案内されている。これにより、ハウジング20との摩擦によって可動コア50の開弁方向への移動速度が遅くなることを防止することができる。
また、付勢力伝達部材85は、第一スプリング31の付勢力を隙間形成部材60及びニードル40に安定して伝達することができる。したがって、第四実施形態は、第二実施形態の効果を奏する。
また、燃料噴射弁4では、円筒部852が固定コア摺動部302に摺動している。これにより、付勢力伝達部材85の位置が安定し、第一スプリング31の付勢力を隙間形成部材60及びニードル40に安定して伝達することができる。したがって、燃料噴射弁4における噴孔26の開閉をさらに安定して行うことができる。
(その他の実施形態)
(ア)上述の実施形態では、隙間形成部の噴孔側の内縁部及び外縁部、並びに、噴孔とは反対側の内縁部及び外縁部は、噴孔側から噴孔とは反対側に向かうにつれて内径または外径が変化する、いわゆる、テーパ状に形成されているとした。しかしながら、これらのうちの少なくとも一つがテーパ状に形成されていてもよいし、これらが全てテーパ状に形成されていなくてもよい。
(ア)上述の実施形態では、隙間形成部の噴孔側の内縁部及び外縁部、並びに、噴孔とは反対側の内縁部及び外縁部は、噴孔側から噴孔とは反対側に向かうにつれて内径または外径が変化する、いわゆる、テーパ状に形成されているとした。しかしながら、これらのうちの少なくとも一つがテーパ状に形成されていてもよいし、これらが全てテーパ状に形成されていなくてもよい。
(イ)上述の実施形態では、隙間形成部材は、「第一流路」及び「第二流路」を有するとした。しかしながら、隙間形成部材は、これらの流路を有していなくてもよい。
(ウ)上述の実施形態では、軸部と鍔部とは一体に形成されるとした。しかしながら、別部材であってもよい。
(エ)第一〜三実施形態では、可動コアは連通路を有するとした。しかしながら、第四実施形態のように連通路を有していなくてもよい。
(オ)第一〜三実施形態では、第二スプリングは、噴孔側の一端が第一筒部材の内壁に当接するよう設けられているとした。しかしながら、第四実施形態のように、摺接部と鍔部との間であって軸部の径方向外側に設けられる規制部に当接するようにしてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1、2、3、4・・・燃料噴射弁、
20 ・・・ハウジング、
200 ・・・隙間(第一隙間)、
26 ・・・噴孔、
30 ・・・固定コア、
35 ・・・コイル、
41 ・・・軸部(ニードル部)、
42 ・・・シール部(ニードル部の弁座に当接可能な端部)、
43 ・・・鍔部、
430 ・・・隙間(第二隙間)、
431 ・・・鍔部端面(鍔部の噴孔側の端面)、
44 ・・・摺接部(ニードル部)、
50 ・・・可動コア、
500 ・・・挿通孔、
501 ・・・可動コア当接面(可動コアの噴孔とは反対側の端面)、
60 ・・・隙間形成部材、
65、75、85・・・付勢力伝達部材。
20 ・・・ハウジング、
200 ・・・隙間(第一隙間)、
26 ・・・噴孔、
30 ・・・固定コア、
35 ・・・コイル、
41 ・・・軸部(ニードル部)、
42 ・・・シール部(ニードル部の弁座に当接可能な端部)、
43 ・・・鍔部、
430 ・・・隙間(第二隙間)、
431 ・・・鍔部端面(鍔部の噴孔側の端面)、
44 ・・・摺接部(ニードル部)、
50 ・・・可動コア、
500 ・・・挿通孔、
501 ・・・可動コア当接面(可動コアの噴孔とは反対側の端面)、
60 ・・・隙間形成部材、
65、75、85・・・付勢力伝達部材。
Claims (9)
- 燃料が噴射される噴孔(26)、及び、前記噴孔の周囲に形成される弁座(250)を有するハウジング(20)と、
往復移動可能なよう前記ハウジングに収容され、前記弁座から離間または前記弁座に当接すると前記噴孔を開閉するニードル部(41、42、44)と、
前記ニードル部の前記弁座に当接可能な端部(42)とは反対側の端部の径方向外側に設けられる鍔部(43)と、
前記ハウジング内に固定される筒状の固定コア(30)と、
前記固定コアの前記噴孔側に設けられ、前記ニードル部が挿通される挿通孔(500)を有し、外壁(505)が前記ハウジングの内壁(211、221)との間に第一隙間(200)を形成しつつ前記挿通孔の内壁が前記ニードル部の外壁(412)と摺動可能な可動コア(50)と、
電力が供給されると前記可動コアを前記固定コア側に吸引可能なコイル(35)と、
内壁が前記鍔部の外壁(434)と摺動し外壁が前記固定コアの内壁(305)と摺動可能なよう前記鍔部に径方向外側に設けられ、前記鍔部と前記可動コアとの間に第二隙間(430)を形成可能な隙間形成部材(63)と、
前記隙間形成部材を介して前記可動コアを閉弁方向に付勢可能、かつ、前記鍔部を介して前記ニードル部を閉弁方向に付勢可能な第一付勢部材(31)と、
前記第一付勢部材の付勢力より小さい付勢力で前記可動コアを開弁方向に付勢する第二付勢部材(32、33)と、
を備え、
前記ニードル部と前記弁座とが当接し、かつ、前記第一付勢部材が前記ニードル部及び前記隙間形成部材を閉弁方向に付勢しているとき、前記鍔部の前記噴孔側の端面(431)と前記可動コアの前記噴孔とは反対側の端面(501)との間に前記第二隙間が形成されることを特徴とする燃料噴射弁。 - 前記隙間形成部材と前記第一付勢部材との間に設けられ、前記第一付勢部材の付勢力を前記隙間形成部材および前記鍔部に伝達可能な付勢力伝達部材(65、75、85)をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
- 前記付勢力伝達部材は、前記固定コアの内壁(305)に摺動する外側摺動部(852)を有することを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射弁。
- 前記ニードル部の前記噴孔とは反対側の端部から前記噴孔とは反対の方向に突出する突出部(45)をさらに備え、
前記付勢力伝達部材は、前記突出部の外壁(451)に摺動する内側摺動部(752)を有することを特徴とする請求項2または3に記載の燃料噴射弁。 - 前記隙間形成部材は、前記噴孔側の端部の内縁部(603)及び前記噴孔とは反対側の端部の外縁部(606)の前記ハウジングの中心軸(CA0)に垂直な方向の大きさが前記中心軸に沿って前記噴孔側から前記噴孔とは反対側に向かうにつれて小さくするよう形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記隙間形成部材は、前記噴孔側の端部の外縁部(604)及び前記噴孔とは反対側の端部の内縁部(605)の前記ハウジングの中心軸(CA0)に垂直な方向の大きさが前記中心軸に沿って前記噴孔側から前記噴孔とは反対側に向かうにつれて大きくするよう形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記隙間形成部材は、前記噴孔とは反対側と前記噴孔側とを連通する第一流路(607)を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記隙間形成部材は、内側と外側とを連通する第二流路(608)を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記ニードル部の前記弁座に当接可能な端部と前記鍔部との間であって前記ニードル部の径方向外側に設けられ、前記ニードル部と一体に往復移動可能なばね座部(46)を備え、
前記第二付勢部材は、一端が前記可動コアに当接し、他端が前記ばね座部に当接するよう設けられることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
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- 2014-12-26 JP JP2014264411A patent/JP2016125360A/ja active Pending
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