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JP5927693B2 - プロテクタ及びワイヤハーネス - Google Patents

プロテクタ及びワイヤハーネス Download PDF

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Description

本発明は、プロテクタ及びこのプロテクタを含むワイヤハーネスに関する。
ハイブリッド自動車や電気自動車の機器、具体的にはモータユニットやインバータユニット、バッテリーなどの機器を電気的に接続するためとして、高圧のワイヤハーネスが用いられる。
下記特許文献1に開示されたワイヤハーネスは、機器間を電気的に接続する三本の電線と、三本の電線をこの全長の大半にわたって収容し且つシールドする金属パイプとを備えて構成される。
特開2004−171952号公報
上記従来技術のように、ワイヤハーネスの構成に金属パイプを含む場合、金属パイプはこれを必要長さに切断してから使用することになる。従って、金属パイプの端末開口縁には、エッジ部分(バリ等を含む)が生じてしまう虞がある。このエッジ部分は、電線の被覆に接触すると被覆を傷付けてしまう虞がある。
ところで、ワイヤハーネスを構成する電線(導電路)は、金属パイプの端末から所定長さで引き出されるようになることが好ましい。何故ならば、短い場合に電気的な接続に支障を来してしまうからである。また、長い場合には、所定長さにするための追加工が必要になってしまうからである。尚、電線引き出し長さを維持することは、次工程や寸法保証のために重要である。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、導電路における引き出し部分の保護を可能にするとともに、導電路の引き出し長さを安定させて寸法保証も可能にするプロテクタ及びワイヤハーネスの提供を課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明のプロテクタは、一又は複数本の導体を束ねた導電路を挿通する管体の端末に係合する端末係合部を有し、該端末係合部は、前記導電路を引き出す部分として前記導電路の断面形状に合わせて開口形成された導電路引出孔を形成するとともに、該導電路引出孔の開口縁から前記導電路の引き出し方向に前記導電路引出孔を筒孔の形状とする筒形状にのびる導電路固定部と、前記管体の外面に沿ってのびる管体固定部と、前記管体の軸に直交して該軸の直交方向での前記導電路固定部と前記管体固定部との外幅の差を変化させる壁であり、内面が前記管体の端面が突き当たる面となり、かつ、外面が前記端面に略平行で前記管体への加工の際に基準となる基準面となる端末開口覆い部と、を有することを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、管体の端末に仮にエッジ部分が生じていても、エッジ部分からの影響を受けることはない。これは管体の端末に係合する端末係合部を有するからである。また、本発明によれば、導電路の引き出し長さが維持される。これは導電路を固定する導電路固定部と管体を固定する管体固定部とを端末係合部に更に有するからである。
また、このような特徴を有する本発明によれば、管体への加工が必要な場合において、管体の端末にプロテクタが係合していても加工の位置ズレは防止される。これは加工の際に基準となる基準面を有するからである。
請求項2に記載の本発明のプロテクタは、請求項1に記載のプロテクタに係り、前記端末係合部には、前記管体の前記端末を全周に渡り囲う端末挿入溝を形成することを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、管体の端末に仮にエッジ部分が生じていても、エッジ部分からの影響を受けることはない。これは管体の端末に係合する端末係合部に端末挿入溝を形成して端末を全周に渡り囲うからである。
請求項3に記載の本発明のプロテクタは、請求項2に記載のプロテクタに係り、前記端末係合部には、前記管体の前記端末を外方から臨む確認窓を形成することを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、管体の端末への係合が不完全になることはない。これは確認窓を介して管体の端末位置が分かるからである。
請求項4に記載の本発明のプロテクタは、請求項1、2又は3に記載のプロテクタに係り、前記導電路固定部及び前記管体固定部の端部を舌片形状に形成することを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、導電路との固定及び管体との固定が容易になる形状に、また、安価な固定方法を採用することが可能な形状に導電路固定部及び管体固定部が形成される。これはテープや結束バンド等の固定方法を採用した場合に有効な舌片形状に形成されるからである。
また、上記課題を解決するためになされた請求項5に記載の本発明のワイヤハーネスは、一又は複数本の導体を束ねた導電路と、該導電路を挿通する管体とを含むワイヤハーネスにおいて、前記管体の一端末に、請求項1、2、3又は4に記載のプロテクタを係合させるとともに、該プロテクタを用いて前記導電路と前記管体とを固定してなることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、導電路を管体の端末から引き出しても導電路に損傷が生じることはなく、また、導電路の引き出し長さに係り寸法保証もなされるワイヤハーネスになる。これは請求項1、2、3又は4に記載のプロテクタを構成に含む からである。
請求項6に記載の本発明のワイヤハーネスは、請求項5に記載のワイヤハーネスに係り、前記管体の他端末にも前記プロテクタを係合させるとともに、前記管体に対し曲げ加工を施した後、前記他端末においても前記プロテクタにて前記導電路と前記管体とを固定してなることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、管体の一端末及び他端末のそれぞれにプロテクタを係合させたワイヤハーネスになる。
請求項1に記載された本発明によれば、管体の端末に係合する端末係合部と、導電路を固定する導電路固定部と、管体を固定する管体固定部とを有するプロテクタであることから、導電路における引き出し部分の保護をすることができるという効果や、導電路の引き出し長さを安定させて寸法保証をすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、管体に導電路を挿通する作業の際や、次工程での製造・加工の際の、導電路の損傷を防止することができるという効果も奏する。損傷を防止することができれば、作り直しがなくなるのは勿論のこと、品質向上や信頼性を高めることができるという効果も奏する。
また、請求項1に記載された本発明によれば、端末係合部に基準面を形成することから、管体への加工の際に基準面を用いれば、加工での位置ズレを防止することができるという効果を奏する。具体的には、ベンダーなどによる曲げ位置の基準や固定位置の基準となることから、管体の端末にプロテクタが係合していても加工での位置ズレを防止することができるという効果を奏する。この他、加工の際の位置決めを容易にすることができるという効果も奏する。
請求項2に記載された本発明によれば、管体の端末を全周に渡り囲う端末挿入溝を端末係合部に形成することから、導電路における引き出し部分を一層確実に保護することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、端末挿入溝を管体の端末に挿入する構造のプロテクタになることから、挿入構造により端末におけるプロテクタの係合状態を安定させることができるという効果も奏する。
請求項3に記載された本発明によれば、管体の端末を臨む確認窓を有することから、端末挿入溝が端末に挿入されて係合状態にあるか否かを容易に判断することができる。従って、作業性の向上を図ることができるという効果を奏する。係合状態にあるか否かを容易に判断できれば、プロテクタの外れや空き、寸法がでないなどの不具合を防止し、品質向上や信頼性を高めることができるという効果も奏する。また、本発明によれば、管体の端末における位置が安定し、寸法保証に寄与することができるという効果も奏する。
請求項4に記載された本発明によれば、舌片形状に導電路固定部及び管体固定部の端部を形成することから、テープや結束バンド等を用いての固定が可能になり、結果、導電路との固定及び管体との固定を容易にして作業性の向上を図ることができるという効果を奏する。また、テープや結束バンド等を用いての固定が可能になることから、安価な固定方法を採用することができるという効果も奏する。
請求項5に記載された本発明によれば、請求項1、2、3又は4に記載のプロテクタを構成に含むことから、上記効果が得られるワイヤハーネスを提供をすることができるという効果を奏する。本発明によれば、より良いワイヤハーネスを提供することができるという効果も奏する。
請求項6に記載された本発明によれば、管体の一端末及び他端末のそれぞれにプロテクタを係合させたワイヤハーネスであり、この場合も、より良いワイヤハーネスを提供することができるという効果を奏する。
本発明のプロテクタを含むワイヤハーネスの配索状態を示す概略図である。 プロテクタと管体と導電路の断面図である。 プロテクタと管体と導電路の斜視図である。 プロテクタの斜視図である。 寸法保証がされた状態を示すプロテクタと管体と導電路の斜視図である。 プロテクタ及び導電路の他の例を示す図である。
プロテクタは、管体の端末に係合する端末係合部と、導電路を固定する導電路固定部と、管体を固定する管体固定部とを有する。また、ワイヤハーネスは、導電路と、この導電路を挿通する管体と、管体の少なくとも一端末に係合する上記プロテクタとを含む。
以下、図面を参照しながら実施例1を説明する。図1は本発明のプロテクタを含むワイヤハーネスの配索状態を示す概略図である。また、図2はプロテクタと管体と導電路の断面図、図3はプロテクタと管体と導電路の斜視図、図4はプロテクタの斜視図、図5は寸法保証がされた状態を示すプロテクタと管体と導電路の斜視図である。
本実施例においては、ハイブリッド自動車(電気自動車や一般的な自動車であってもよいものとする)に配索されるワイヤハーネスに対し本発明を採用するものとする。
図1において、引用符号1はハイブリッド自動車を示す。ハイブリッド自動車1は、エンジン2及びモータユニット3の二つの動力をミックスして駆動する車両であって、モータユニット3にはインバータユニット4を介してバッテリー5(電池パック)からの電力が供給される。エンジン2、モータユニット3、及びインバータユニット4は、本実施例において前輪等がある位置のエンジンルーム6に搭載される。また、バッテリー5は、後輪等がある自動車後部7に搭載される(エンジンルーム6の後方に存在する自動車室内に搭載してもよいものとする)。
モータユニット3とインバータユニット4は、高圧のワイヤハーネス8により接続される。また、バッテリー5とインバータユニット4も高圧のワイヤハーネス9により接続される。ワイヤハーネス9は、この中間部10が車体床下11の地面側に配索される。また、車体床下11に沿って略平行に配索される。車体床下11は、公知のボディであるとともに所謂パネル部材であって、所定位置には貫通孔(符号省略)が形成される。この貫通孔には、ワイヤハーネス9が挿通される。
ワイヤハーネス9とバッテリー5は、このバッテリー5に設けられるジャンクションブロック12を介して接続される。ジャンクションブロック12には、ワイヤハーネス9の後端13が公知の方法で電気的に接続される。ワイヤハーネス9の前端14側は、インバータユニット4に対し公知の方法で電気的に接続される。
モータユニット3は、モータ及びジェネレータを構成に含むものとする。また、インバータユニット4は、インバータ及びコンバータを構成に含むものとする。モータユニット3は、シールドケースを含むモータアッセンブリとして形成されるものとする。また、インバータユニット4もシールドケースを含むインバータアッセンブリとして形成されるものとする。バッテリー5は、Ni−MH系やLi−ion系のものであって、モジュール化してなるものとする。尚、例えばキャパシタのような蓄電装置を使用することも可能であるものとする。バッテリー5は、ハイブリッド自動車1や電気自動車に使用可能であれば特に限定されないものとする。
先ず、ワイヤハーネス9の構成及び構造について説明をする。
図2及び図3において、ワイヤハーネス9は、導電路15と、この導電路15を挿通する管体16と、管体16の少なくとも一端末17に係合するプロテクタ18と、図示しない機器接続部とを含んで構成される。本実施例のワイヤハーネス9は、特に図示しないが管体16の他端末にもプロテクタ18が係合するものとする。
導電路15としては、本実施例において断面形状が長円形状となる高圧のキャブタイヤケーブルが用いられる。導電路15は、二本の導体と、この二本の導体をそれぞれ被覆する絶縁体と、これら高圧電線を一括して被覆するシースとを含んで構成される。導電路15は、電気的な接続に必要な長さを有するように形成される。
尚、上記導体及び絶縁体からなる高圧電線も導電路として見ることができるものとする。導電路15以外としては、公知の高圧電線をはじめ、公知のバスバーに絶縁体を設けて高圧の導電路としたものや、n系統の回路(n個の回路)を同軸で一本に構成することによりなる高圧同軸複合導電路等が挙げられるものとする(高圧同軸複合導電路に関しては実施例2で説明するものとする)。上記高圧電線の導体構造は、素線を撚り合わせてなる導体構造のものや、例えば断面丸形となる棒状の導体構造(例えば丸単心となる導体構造)のもののいずれであってもよいものとする。導体は、銅や銅合金、アルミニウムやアルミニウム合金により製造される。
導電路15の端末には、端子金具が設けられる。端子金具は、図示しない機器接続部を構成する。このような端子金具は、インバータユニット4等のシールドケース内部に差し込まれた後に、電気接続部に対し公知の方法で接続される。導電路15は、電気的な接続のために管体16の端末(一端末17及び図示しない他端末)から所定長さで引き出される必要がある。
管体16は、ワイヤハーネス9における外装部材であって、本実施例においては金属パイプ(例えばアルミニウムパイプ)が採用される。管体16は、導電路15を収容するのに必要な長さと内径寸法とを有するように形成される。また、管体16は、保護機能を発揮させるのに必要な厚みに形成される。
尚、管体16は、金属パイプに限らず樹脂製の管体であってもよいものとする。管体16は、本実施例において断面円形状に形成される(断面形状は一例であり、楕円形状や長円形状、矩形状であってもよいものとする)。
このような管体16は、ワイヤハーネス9の配索経路に合わせて曲げ加工が施される。引用符号19(図1及び図5参照)は曲げ部を示す。曲げ加工は、例えば図示しないベンダーを用いるものとする。
管体16は、この端末(一端末17及び図示しない他端末)が長尺管体から切断したままの状態であっても問題がなく、端末開口縁のエッジ部分(バリ等を含む)は、プロテクタ18の係合により覆われる。管体16の端面は、管体16の軸に直交方向の面となり、このような端面に対し突き当たるようにプロテクタ18が形成される。以下、管体16の一端末17に係合するプロテクタ18について詳細に説明をする。
図2ないし図4において、プロテクタ18は、上記の如く管体16の一端末17(端末)に係合する部材であって、係合部分としては端末係合部20を有する。この端末係合部20は、一端末17を覆う略キャップ形状に形成される。具体的には、内側挿入部21と、外側挿入部22と、端末挿入溝23と、確認窓24と、端末開口覆い部25と、導電路引出孔26とを有して略キャップ形状に形成される。
内側挿入部21は、一端末17への係合時に管体16の内面側に挿入及び配置される部分として形成される。内側挿入部21は、環状に形成される。内側挿入部21の一部は、導電路15に対する支持部27(図2参照)として形成される。支持部27は、図中下側に配置形成される。
外側挿入部22は、一端末17への係合時に管体16の外面側に挿入及び配置される部分として形成される。外側挿入部22は、環状に形成される。
内側挿入部21と外側挿入部22との間は、端末挿入溝23として形成される。端末挿入溝23は、一端末17を全周に渡り囲う形状に形成される。端末挿入溝23の溝底は、プロテクタ18の完全な係合状態において、一端末17の端面が突き当たる形状に形成される。尚、上記溝底は、端末開口覆い部25の内面位置に配置される。
外側挿入部22の図中上側であって端末開口覆い部25との連続位置には、確認窓24が配置形成される。確認窓24は、端末挿入溝23に連通し、管体16の一端末17を外方から臨むことができる形状に形成される。プロテクタ18は、確認窓24を形成することにより、一端末17が突き当たっているか否かを容易に確認することができる。従って、一端末17への係合が不完全になることはなく、また、係合に係る作業性も良好になる。
正常な係合状態にあるか否かを容易に判断できれば、プロテクタ18の外れや空き、寸法がでないなどの不具合を防止し、品質向上や信頼性を高めることができる。また、正常な係合状態にあれば、管体16の一端末17における位置が安定し、後述する寸法保証にも寄与する。
端末開口覆い部25は、管体16の軸に直交方向の壁として形成される。また、管体16の端末開口を覆う部分として形成される。本実施例の端末開口覆い部25における外面は、基準面28として形成される。基準面28は、管体16への曲げ加工の際に基準となる面である(基準面28は、ベンダーなどによる曲げ位置の基準や固定位置の基準となる)。このような基準面28を有する端末開口覆い部25の中央位置には、導電路引出孔26が形成される。
導電路引出孔26は、導電路15の断面形状に合わせて開口形成される。本実施例においては、長円形状に開口形成される。また、導電路引出孔26は、本実施例において管体16の軸に沿って突出する筒形状に形成される。尚、筒形状に形成することにより、導電路15の支持部分を増やすことができる。
管体16の一端末17にプロテクタ18を係合させることにより、導電路15は導電路引出孔26から引き出されるようになる。
以上のような略キャップ形状の端末係合部20には、導電路固定部29と、管体固定部30とが更に形成される。導電路固定部29は、導電路15を固定する部分であって、導電路引出孔26の突出先端位置にある開口縁下部から導電路15の引き出し方向にのびる舌片形状に形成される。一方、管体固定部30は、管体16を固定する部分であって、外側挿入部22の突出先端位置下部から管体16の外面に沿ってのびる舌片形状に形成される。
導電路固定部29及び管体固定部30は、固定方法に応じて適宜形状に形成されるものとする。本実施例においては、テープ31や結束バンド等の安価な固定方法を採用することができる形状に形成される。テープ31に関しては、アセテートテープ、ポリエステルテープ等が一例として挙げられるものとする。
尚、端末係合部20における引用符号32は転がり防止部を示す。この転がり防止部32は、平面形状に形成される。転がり防止部32は、端末係合部20の下部に配置形成される(転がり防止部32の配置及び数は一例であるものとする)。
本実施例においては、平面形状の転がり防止部32を端末係合部20に形成することから、断面円形状の管体16に係合する端末係合部20の外周位置には、外側へ若干突出するフランジ部33も形成される。
次に、上記構成及び構造に基づきながら、プロテクタ18の係合等について説明をする。
図2、図3及び図5において、管体16の一端末17にプロテクタ18を係合させる。この係合により一端末17の端末開口縁のエッジ部分が覆われる。すなわち、エッジ部分にバリ等があっても導電路15への影響はない。プロテクタ18と管体16は、プロテクタ18の管体固定部30の位置でテープ31を巻き付けることにより固定状態となる。
一端末17にプロテクタ18を係合させた後は、図示しない他端末側から導電路15を管体16に挿通する。導電路15の挿通は、プロテクタ18の導電路引出孔26を介して所定長さL分だけ引き出されるまで行われる。プロテクタ18と導電路15は、プロテクタ18の導電路固定部29の位置でテープ31を巻き付けることにより固定状態となる。
プロテクタ18は、上記の如く管体16との間でも固定状態となることから、導電路15及び管体16の両者も固定状態となる。
図5において、導電路引出孔26を介して所定長さL分だけ引き出された導電路15は、上記固定状態から分かるように寸法が保証される。
プロテクタ18の基準面28を利用してベンダーによる曲げ加工を管体16に対し施すと、管体16には曲げ部19が形成される。尚、曲げ部19の形成の際に、所定長さL分だけ引き出された導電路15の寸法が保証されるのは勿論である。
ベンダーによる曲げ加工の後は、管体16の図示しない他端末側で導電路15と管体16とを固定状態にする。これは他端末に係合させたプロテクタ18を介して固定状態にする。
以上、図1ないし図5を参照しながら説明してきたように、管体16の端末(一端末17及び他端末)に係合する端末係合部20と、導電路15を固定する導電路固定部29と、管体16を固定する管体固定部30とを有するプロテクタ18であることから、導電路15における引き出し部分の保護をすることができるという効果や、導電路15の引き出し長さを安定させて寸法保証をすることができるという効果を奏する。
また、管体16に導電路15を挿通する作業の際や、次工程での製造・加工の際の、導電路15の損傷を防止することができるという効果も奏する。損傷を防止することができれば、作り直しがなくなるのは勿論のこと、品質向上や信頼性を高めることができるという効果も奏する。
以下、図面を参照しながら実施例2を説明する。図6はプロテクタ及び導電路の他の例を示す図である。実施例2も実施例1と同様の効果を奏するのは勿論である。
図6(a)において、プロテクタ18は、この導電路引出孔26を仮想線Pで示す如くの円筒形状に形成してもよいものとする。この場合、図6(b)で示す如くの導電路、すなわち高圧同軸複合導電路34を適用することが可能になる。
高圧同軸複合導電路34は、この一本でプラス回路及びマイナス回路を有するように構成される。すなわち、二系統の回路を有するように構成される。具体的には、高圧同軸複合導電路34の中心に位置する断面円形状の第一導電路35と、この第一導電路35の外周を所定厚さで被覆する第一絶縁体36と、第一絶縁体36の外側に設けられる第二導電路37と、この第二導電路37の外周を所定厚さで被覆する第二絶縁体38とを含んで構成される。
尚、上記二系統の回路に限らないものとする。同軸で一本構成であれば三系統の回路(三つの回路)、四系統の回路(四つの回路)、…n系統の回路(n個の回路)であってもよいものとする。
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
1…ハイブリッド自動車、 2…エンジン、 3…モータユニット、 4…インバータユニット、 5…バッテリー、 6…エンジンルーム、 7…自動車後部、 8、9…ワイヤハーネス、 10…中間部、 11…車体床下、 12…ジャンクションブロック、 13…後端、 14…前端、 15…導電路、 16…管体、 17…一端末(端末)、 18…プロテクタ、 19…曲げ部、 20…端末係合部、 21…内側挿入部、 22…外側挿入部、 23…端末挿入溝、 24…確認窓、 25…端末開口覆い部、 26…導電路引出孔、 27…支持部、 28…基準面、 29…導電路固定部、 30…管体固定部、 31…テープ、 32…転がり防止部、 33…フランジ部、 34…高圧同軸複合導電路(導電路)、 35…第一導電路、 36…第一絶縁体、 37…第二導電路、 38…第二絶縁体

Claims (6)

  1. 一又は複数本の導体を束ねた導電路を挿通する管体の端末に係合する端末係合部を有し、
    該端末係合部は、
    前記導電路を引き出す部分として前記導電路の断面形状に合わせて開口形成された導電路引出孔を形成するとともに、該導電路引出孔の開口縁から前記導電路の引き出し方向に前記導電路引出孔を筒孔の形状とする筒形状にのびる導電路固定部と、前記管体の外面に沿ってのびる管体固定部と、
    前記管体の軸に直交して該軸の直交方向での前記導電路固定部と前記管体固定部との外幅の差を変化させる壁であり、内面が前記管体の端面が突き当たる面となり、かつ、外面が前記端面に略平行で記管体への加工の際に基準となる基準面となる端末開口覆い部と、
    を有する
    ことを特徴とするプロテクタ。
  2. 請求項1に記載のプロテクタにおいて、
    前記端末係合部には、前記管体の前記端末を全周に渡り囲う端末挿入溝を形成する
    ことを特徴とするプロテクタ。
  3. 請求項2に記載のプロテクタにおいて、
    前記端末係合部には、前記管体の前記端末を外方から臨む確認窓を形成する
    ことを特徴とするプロテクタ。
  4. 請求項1、2又は3に記載のプロテクタにおいて、
    前記導電路固定部及び前記管体固定部の端部を舌片形状に形成する
    ことを特徴とするプロテクタ。
  5. 一又は複数本の導体を束ねた導電路と、該導電路を挿通する管体とを含むワイヤハーネスにおいて、
    前記管体の一端末に、請求項1、2、3又は4に記載のプロテクタを係合させるとともに、該プロテクタを用いて前記導電路と前記管体とを固定してなる
    ことを特徴とするワイヤハーネス。
  6. 請求項5に記載のワイヤハーネスにおいて、
    前記管体の他端末にも前記プロテクタを係合させるとともに、前記管体に対し曲げ加工を施した後、前記他端末においても前記プロテクタにて前記導電路と前記管体とを固定してなる
    ことを特徴とするワイヤハーネス。
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