JP5820964B2 - 無線装置 - Google Patents
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Description
本発明は、通信技術に関し、特に所定の情報が含まれた信号を受信する無線装置に関する。
緊急車両通過支援サービスは、本車両が緊急車両と接近した場合に、緊急車両を通過させるための回避行動を運転者に促す。緊急車両の接近は、両車両の速度・位置・進行方向を用いた演算によって予測される(例えば、特許文献1参照)。
これまでは、本車両と緊急車両が遭遇する位置関係であり、かつ本車両と緊急車両が遭遇するまでの時間が所定時間以内である場合に、運転支援がなされていた。しかしながら、本車両との緊急車両との相対速度が遅い場合に、本車両と緊急車両が接近しているにも関わらず、支援が発生しないおそれがある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、緊急車両の接近を正確に通知する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の無線装置は、車両に搭載可能な無線装置であって、他の無線装置からのパケット信号であって、かつ当該他の無線装置が搭載される他の車両の位置情報を少なくとも含んだパケット信号を受信する受信部と、本無線装置が搭載される車両の位置情報を取得する取得部と、取得部において取得した位置情報と、受信部において受信したパケット信号に含まれた位置情報とをもとに、車両と他の車両とが遭遇するまでの時間を推定する推定部と、取得部において取得した位置情報と、受信部において受信したパケット信号に含まれた位置情報とをもとに、車両と他の車両との間の距離を導出する導出部と、推定部において推定した時間が第1しきい値以下である場合、あるいは導出部において導出した距離が第2しきい値以下である場合、他の車両との遭遇を通知する判定部と、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、緊急車両の接近を正確に通知できる。
(実施例1)
本発明の実施例を具体的に説明する前に、基礎となった知見を説明する。本発明の実施例1は、車両に搭載された端末装置間において車車間通信を実行するとともに、交差点等に設置された基地局装置から端末装置へ路車間通信も実行する通信システムに関する。このような通信システムは、ITS(Intelligent Transport Systems)とも呼ばれる。通信システムは、IEEE802.11等の規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)と同様に、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)と呼ばれるアクセス制御機能を使用する。そのため、複数の端末装置によって同一の無線チャネルが共有される。一方、ITSでは、不特定多数の端末装置へ情報を送信する必要がある。そのような送信を効率的に実行するために、本通信システムは、パケット信号をブロードキャスト送信する。
本発明の実施例を具体的に説明する前に、基礎となった知見を説明する。本発明の実施例1は、車両に搭載された端末装置間において車車間通信を実行するとともに、交差点等に設置された基地局装置から端末装置へ路車間通信も実行する通信システムに関する。このような通信システムは、ITS(Intelligent Transport Systems)とも呼ばれる。通信システムは、IEEE802.11等の規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)と同様に、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)と呼ばれるアクセス制御機能を使用する。そのため、複数の端末装置によって同一の無線チャネルが共有される。一方、ITSでは、不特定多数の端末装置へ情報を送信する必要がある。そのような送信を効率的に実行するために、本通信システムは、パケット信号をブロードキャスト送信する。
つまり、車車間通信として、端末装置は、車両の速度あるいは位置等の情報を格納したパケット信号をブロードキャスト送信する。また、他の端末装置は、パケット信号を受信するとともに、前述の情報をもとに車両の接近等を認識する。ここで、路車間通信と車車間通信との干渉を低減するために、基地局装置は、複数のサブフレームが含まれたフレームを繰り返し規定する。基地局装置は、路車間通信のために、複数のサブフレームのいずれかを選択し、選択したサブフレームの先頭部分の期間において、制御情報等が格納されたパケット信号をブロードキャスト送信する。
制御情報には、当該基地局装置がパケット信号をブロードキャスト送信するための期間(以下、「路車送信期間」という)に関する情報が含まれている。端末装置は、制御情報をもとに路車送信期間を特定し、路車送信期間以外の期間(以下、「車車送信期間」という)においてCSMA方式にてパケット信号をブロードキャスト送信する。その結果、路車間通信と車車間通信とが時分割多重される。なお、基地局装置からの制御情報を受信できない端末装置、つまり基地局装置によって形成されたエリアの外に存在する端末装置は、フレームの構成に関係なくCSMA方式にてパケット信号を送信する。
端末装置は、他の端末装置からのパケット信号を受信し、パケット信号に含まれた存在位置に関する情報であって、かつ他の端末装置が搭載された他の車両の存在位置に関する情報をもとに、他の車両の接近を検出する。端末装置は、他の車両の接近を検出すると、その旨を運転者に通知する。これに加えて、緊急車両通過支援では、本車両が緊急車両に接近しそうな場合、その旨が運転者に通知される。さらに詳しく説明すると、緊急車両通過支援では、本車と緊急車両との直線距離が、300m以内である場合に、情報を提供することが規定されている。例えば、車両に搭載されたカーナビゲーションシステムの地図上において、緊急車両が存在する位置に緊急車両のアイコンを表示することによって、緊急車両の存在が通知される。
さらに、運転者に対する支援をより効果的にするために、本車両と緊急車両が遭遇(交差、すれ違い、追越)する場合に、緊急車両接近情報が提供される。例えば、カーナビゲーションシステムに、前述したアイコンよりも強調したアイコンと、緊急車両が接近する方向(後方から、前方から、右から、左からなど)を表示することによって、緊急車両の接近が通知される。ここでは、このような支援の発生タイミングに着目する。
本車両と緊急車両の位置・速度・進行方向によって、本車両と緊急車両が所定時間以内に遭遇すると判定した場合に運転者に情報提供がなされる。このような処理では、前述のごとく、本車両との緊急車両との相対速度が遅い場合に、本車両と緊急車両が接近しているにも関わらず、支援が発生しないおそれがある。これに対応するために、本実施例に係る端末装置は、遭遇の発生が所定時間より遅い場合でも、本車両と緊急車両間の距離が所定距離以下である場合に、運転者に情報提供を行う。
図1は、本発明の実施例1に係る通信システム100の構成を示す。これは、ひとつの交差点を上方から見た場合に相当する。通信システム100は、基地局装置10、車両12と総称される第1車両12a、第2車両12b、第3車両12c、第4車両12d、第5車両12e、第6車両12f、第7車両12g、第8車両12h、ネットワーク202を含む。ここでは、第1車両12aのみに示しているが、各車両12には、端末装置14が搭載されている。また、エリア212が、基地局装置10の周囲に形成され、エリア外214が、エリア212の外側に形成されている。
図示のごとく、図面の水平方向、つまり左右の方向に向かう道路と、図面の垂直方向、つまり上下の方向に向かう道路とが中心部分で交差している。ここで、図面の上側が方角の「北」に相当し、左側が方角の「西」に相当し、下側が方角の「南」に相当し、右側が方角の「東」に相当する。また、ふたつの道路の交差部分が「交差点」である。第1車両12a、第2車両12bが、左から右へ向かって進んでおり、第3車両12c、第4車両12dが、右から左へ向かって進んでいる。また、第5車両12e、第6車両12fが、上から下へ向かって進んでおり、第7車両12g、第8車両12hが、下から上へ向かって進んでいる。
通信システム100において、基地局装置10は、交差点に固定して設置される。基地局装置10は、端末装置間の通信を制御する。基地局装置10は、図示しないGPS(Global Positioning System)衛星から受信した信号、あるいは図示しない他の基地局装置10にて形成されたフレームをもとに、複数のサブフレームが含まれたフレームを繰り返し生成する。ここで、各サブフレームの先頭部分に路車送信期間が設定可能であるような規定がなされている。
基地局装置10は、フレーム中の複数のサブフレームのうち、他の基地局装置10によって路車送信期間が設定されていないサブフレームを選択する。基地局装置10は、選択したサブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。基地局装置10は、設定した路車送信期間においてパケット信号を報知する。路車送信期間において、複数のパケット信号が報知されることもある。また、パケット信号には、例えば、事故情報、渋滞情報、信号情報等が含まれる。なお、パケット信号には、路車送信期間が設定されたタイミングに関する情報およびフレームに関する制御情報も含まれる。
端末装置14は、前述のごとく、車両12に搭載され移動可能である。端末装置14は、基地局装置10からのパケット信号を受信すると、エリア212に存在すると推定する。端末装置14は、エリア212に存在する場合、パケット信号に含まれた制御情報、特に路車送信期間が設定されたタイミングに関する情報およびフレームに関する情報をもとに、フレームを生成する。その結果、複数の端末装置14のそれぞれにおいて生成されるフレームは、基地局装置10において生成されるフレームに同期する。端末装置14は、路車送信期間とは異なった期間である車車送信期間においてパケット信号を報知する。ここで、車車送信期間においてCSMA/CAが実行される。一方、端末装置14は、エリア外214に存在していると推定した場合、フレームの構成に関係なく、CSMA/CAを実行することによって、パケット信号を報知する。
端末装置14は、他の端末装置14からのパケット信号をもとに、他の端末装置14が搭載された車両12の接近を認識する。特に、車両12のうちのひとつ、例えば、第1車両12aが本車両であり、残りのひとつ、例えば、第8車両12hが緊急車両である場合、第1車両12aに搭載された端末装置14は、緊急車両との遭遇を通知する。
図2は、基地局装置10の構成を示す。基地局装置10は、アンテナ20、RF部22、変復調部24、処理部26、制御部28、ネットワーク通信部30を含む。また、処理部26は、フレーム規定部32、選択部34、生成部36を含む。
RF部22は、受信処理として、図示しない端末装置14あるいは他の基地局装置10からのパケット信号をアンテナ20にて受信する。RF部22は、受信した無線周波数のパケット信号に対して周波数変換を実行し、ベースバンドのパケット信号を生成する。さらに、RF部22は、ベースバンドのパケット信号を変復調部24に出力する。一般的に、ベースバンドのパケット信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、ふたつの信号線が示されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするためにひとつの信号線だけを示すものとする。RF部22には、LNA(Low Noise Amplifier)、ミキサ、AGC、A/D変換部も含まれる。
RF部22は、送信処理として、変復調部24から入力したベースバンドのパケット信号に対して周波数変換を実行し、無線周波数のパケット信号を生成する。さらに、RF部22は、路車送信期間において、無線周波数のパケット信号をアンテナ20から送信する。また、RF部22には、PA(Power Amplifier)、ミキサ、D/A変換部も含まれる。
変復調部24は、受信処理として、RF部22からのベースバンドのパケット信号に対して、復調を実行する。さらに、変復調部24は、復調した結果を処理部26に出力する。また、変復調部24は、送信処理として、処理部26からのデータに対して、変調を実行する。さらに、変復調部24は、変調した結果をベースバンドのパケット信号としてRF部22に出力する。ここで、通信システム100は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式に対応するので、変復調部24は、受信処理としてFFT(Fast Fourier Transform)も実行し、送信処理としてIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)も実行する。
フレーム規定部32は、図示しないGPS衛星からの信号を受信し、受信した信号をもとに時刻の情報を取得する。なお、時刻の情報の取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。フレーム規定部32は、時刻の情報をもとに、複数のフレームを生成する。例えば、フレーム規定部32は、時刻の情報にて示されたタイミングを基準にして、「1sec」の期間を10分割することによって、「100msec」のフレームを10個生成する。このような処理を繰り返すことによって、フレームが繰り返されるように規定される。なお、フレーム規定部32は、復調結果から制御情報を検出し、検出した制御情報をもとにフレームを生成してもよい。このような処理は、他の基地局装置10によって形成されたフレームのタイミングに同期したフレームを生成することに相当する。
図3(a)−(d)は、通信システム100において規定されるフレームのフォーマットを示す。図3(a)は、フレームの構成を示す。フレームは、第1サブフレームから第Nサブフレームと示されるN個のサブフレームによって形成されている。これは、端末装置14が報知に使用可能なサブフレームを複数時間多重することによってフレームが形成されているといえる。例えば、フレームの長さが100msecであり、Nが8である場合、12.5msecの長さのサブフレームが規定される。Nは、8以外であってもよい。図3(b)−(d)の説明は、後述し、図2に戻る。
選択部34は、フレームに含まれた複数のサブフレームのうち、路車送信期間を設定すべきサブフレームを選択する。具体的に説明すると、選択部34は、フレーム規定部32にて規定されたフレームを受けつける。また、選択部34は、図示しないインターフェイスを介して、選択したサブフレームに関する指示を受けつける。選択部34は、指示に対応したサブフレームを選択する。これとは別に、選択部34は、自動的にサブフレームを選択してもよい。その際、選択部34は、RF部22、変復調部24を介して、図示しない他の基地局装置10あるいは端末装置14からの復調結果を入力する。選択部34は、入力した復調結果のうち、他の基地局装置10からの復調結果を抽出する。選択部34は、復調結果を受けつけたサブフレームを特定することによって、復調結果を受けつけていないサブフレームを特定する。
これは、他の基地局装置10によって路車送信期間が設定されていないサブフレーム、つまり未使用のサブフレームを特定することに相当する。未使用のサブフレームが複数存在する場合、選択部34は、ランダムにひとつのサブフレームを選択する。未使用のサブフレームが存在しない場合、つまり複数のサブフレームのそれぞれが使用されている場合に、選択部34は、復調結果に対応した受信電力を取得し、受信電力の小さいサブフレームを優先的に選択する。
図3(b)は、図示しない第1基地局装置10aによって生成されるフレームの構成を示す。第1基地局装置10aは、第1サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第1基地局装置10aは、第1サブフレームにおいて路車送信期間につづいて車車送信期間を設定する。車車送信期間とは、端末装置14がパケット信号を報知可能な期間である。つまり、第1基地局装置10aは、第1サブフレームの先頭期間である路車送信期間においてパケット信号を報知可能であり、かつフレームのうち、路車送信期間以外の車車送信期間において端末装置14がパケット信号を報知可能であるような規定がなされる。さらに、第1基地局装置10aは、第2サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間のみを設定する。
図3(c)は、図示しない第2基地局装置10bによって生成されるフレームの構成を示す。第2基地局装置10bは、第2サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第2基地局装置10bは、第2サブフレームにおける路車送信期間の後段、第1サブフレーム、第3サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間を設定する。図3(d)は、図示しない第3基地局装置10cによって生成されるフレームの構成を示す。第3基地局装置10cは、第3サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第3基地局装置10cは、第3サブフレームにおける路車送信期間の後段、第1サブフレーム、第2サブフレーム、第4サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間を設定する。このように、複数の基地局装置10は、互いに異なったサブフレームを選択し、選択したサブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。図2に戻る。選択部34は、選択したサブフレームの番号を生成部36へ出力する。
生成部36は、選択部34から、サブフレームの番号を受けつける。生成部36は、受けつけたサブフレーム番号のサブフレームに路車送信期間を設定し、路車送信期間において報知すべきパケット信号を生成する。ひとつの路車送信期間において複数のパケット信号が送信される場合、生成部36は、それらを生成する。パケット信号は、制御情報、ペイロードによって構成されている。制御情報には、路車送信期間を設定したサブフレーム番号等が含まれる。また、ペイロードには、例えば、事故情報、渋滞情報、信号情報等が含まれる。これらのデータは、ネットワーク通信部30によって、図示しないネットワーク202から取得される。処理部26は、変復調部24、RF部22に対して、路車送信期間においてパケット信号をブロードキャスト送信させる。制御部28は、基地局装置10全体の処理を制御する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図4は、端末装置14の構成を示す。端末装置14は、アンテナ50、RF部52、変復調部54、処理部56、制御部58を含む。処理部56は、タイミング特定部60、転送決定部62、位置情報取得部64、生成部66、状態決定部76、通知部70を含み、タイミング特定部60は、抽出部72、キャリアセンス部74を含む。状態決定部76は、推定部78、導出部80、記憶部82、判定部84を含む。端末装置14は、前述のごとく、車両12に搭載可能である。車両12が緊急車両であってもよい。アンテナ50、RF部52、変復調部54は、図2のアンテナ20、RF部22、変復調部24と同様の処理を実行する。ここでは差異を中心に説明する。
変復調部54、処理部56は、受信処理において、図示しない他の端末装置14あるいは基地局装置10からのパケット信号を受信する。なお、前述のごとく、変復調部54、処理部56は、路車送信期間において、基地局装置10からのパケット信号を受信し、車車送信期間において、他の端末装置14からのパケット信号を受信する。他の端末装置14からのパケット信号には、当該他の端末装置14が搭載される他の車両12の存在位置、進行方向、移動速度等(以下、「位置情報」と総称する)が少なくとも含まれる。他の端末装置14における位置情報の取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。
なお、パケット信号には、端末装置14が搭載された車両12の種別を示すための種別情報が含まれている。特に、他の車両12が緊急車両である場合、緊急車両に搭載された他の端末装置14から送信されたパケット信号に含まれた種別情報は、緊急車両を示す。
抽出部72は、変復調部54からの復調結果が、図示しない基地局装置10からのパケット信号である場合に、路車送信期間が配置されたサブフレームのタイミングを特定する。その際、抽出部72は、図1のエリア212内に存在すると推定する。抽出部72は、サブフレームのタイミングと、パケット信号のメッセージヘッダの内容、具体的には、路車送信期間長の内容をもとに、フレームを生成する。なお、フレームの生成は、前述のフレーム規定部32と同様になされればよいので、ここでは説明を省略する。その結果、抽出部72は、基地局装置10において形成されたフレームに同期したフレームを生成する。パケット信号の報知元が、他の端末装置14である場合、抽出部72は、同期したフレームの生成処理を省略するが、パケット信号に含まれた位置情報、種別情報を抽出する。ここでは、緊急車両通過支援を説明の対象にするので、以下では、種別情報が緊急車両を示す。抽出部72は、緊急車両の位置情報を状態決定部76へ出力する。
一方、抽出部72は、基地局装置10からのパケット信号を受信していない場合、図1のエリア外214に存在すると推定する。抽出部72は、エリア212に存在していることを推定した場合、車車送信期間を選択する。抽出部72は、エリア外214に存在していることを推定すると、フレームの構成と無関係のタイミングを選択する。抽出部72は、車車送信期間を選択した場合、フレームおよびサブフレームのタイミング、車車送信期間に関する情報をキャリアセンス部74へ出力する。抽出部72は、フレームの構成と無関係のタイミングを選択すると、キャリアセンスの実行をキャリアセンス部74に指示する。
キャリアセンス部74は、抽出部72から、フレームおよびサブフレームのタイミング、車車送信期間に関する情報を受けつける。キャリアセンス部74は、車車送信期間内でCSMA/CAを開始することによって送信タイミングを決定する。一方、キャリアセンス部74は、抽出部72から、フレームの構成に関係のないキャリアセンスの実行を指示された場合、フレームの構成を考慮せずに、CSMA/CAを実行することによって、送信タイミングを決定する。キャリアセンス部74は、決定した送信タイミングを変復調部54、RF部52へ通知し、パケット信号をブロードキャスト送信させる。
転送決定部62は、制御情報の転送を制御する。転送決定部62は、制御情報のうち、転送対象となる情報を抽出する。転送決定部62は、抽出した情報をもとに、転送すべき情報を生成する。ここでは、この処理の説明を省略する。転送決定部62は、転送すべき情報、つまり制御情報のうちの一部を生成部66に出力する。
位置情報取得部64は、図示しないGPS受信機、ジャイロスコープ、車速センサ等を含んでおり、それらから供給されるデータによって、図示しない車両12、つまり端末装置14が搭載された車両12の存在位置、進行方向、移動速度等(前述のごとく、「位置情報」と総称する)を取得する。なお、存在位置は、緯度・経度によって示される。これらの取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。位置情報取得部64は、位置情報を生成部66、状態決定部76へ出力する。
生成部66は、位置情報取得部64から位置情報を受けつけ、転送決定部62から制御情報の一部を受けつける。生成部66は、これらが含まれたパケット信号を生成するとともに、キャリアセンス部74において決定した送信タイミングにて、変復調部54、RF部52、アンテナ50を介して、生成したパケット信号をブロードキャスト送信する。これは、車車間通信に相当する。また、生成部66は、パケット信号に種別情報を含めるが、ここでの種別情報は、例えば、一般車両を示す。
推定部78は、転送決定部62からの位置情報を受けつけるとともに、抽出部72からの位置情報を受けつける。推定部78は、緊急車両の位置情報と、本車両12の位置情報とをもとに、本車両12と緊急車両とが遭遇するまでの時間を推定する。時間の推定には公知の技術が使用されればよい。例えば、推定部78は、第1段階として、両者の存在位置と進行方向とをもとに、遭遇するかを推定する。推定部78は、第2段階として、遭遇すると推定した場合に、移動速度をもとに遭遇する時間を推定する。推定部78は、推定した時間を判定部84へ出力する。
記憶部82は、車両12が走行している道路の道路情報を記憶する。道路情報には、交差点の位置情報が含まれる。道路情報は、公知の技術である。また、道路情報は、端末装置14内に記憶されずに、車両12に搭載されたカーナビゲーションシステムに記憶されてもよい。導出部80は、推定部78と同様に、転送決定部62からの位置情報を受けつけるとともに、抽出部72からの位置情報を受けつける。導出部80は、緊急車両の位置情報と、本車両12の位置情報とをもとに、本車両と緊急車両との間の距離を導出する。ここで、導出部80は、車両と緊急車両との間の直線距離を導出してもよいし、記憶部82に記憶された道路情報も使用して、車両と緊急車両との間の道程距離を導出してもよい。
また、導出部80は、道程距離を導出する場合であって、かつ両者の間に交差点が存在する場合、本車両と緊急車両との間の距離の代わりに、本車両の存在位置と交差点の存在位置とをもとに、本車両と交差点との間の距離を導出する。これは、本車両と緊急車両とが対面・追従走行の位置関係である場合であって、かつ本車両と緊急車両とが交差する位置関係である場合、本車両と緊急車両の距離を本車両と交差地点までの距離と読みかえることに相当する。図5は、通信システム100による処理概要を示す。図中の車両12が本車両に相当し、下から上へ向かって進んでおり、緊急車両16は、左から右へ向かって進んでいる。両者の進行方向は、交差点で交差しているので、緊急車両16の存在位置が、仮想緊急車両18の存在位置であるとされる。導出部80は、車両12と仮想緊急車両18との間の距離を導出する。図4に戻る。このような処理によって、本車両と緊急車両との間の距離が、実際の距離よりも短くされる。導出部80は、導出した距離を判定部84へ出力する。
判定部84は、推定部78から時間を受けつけるとともに、導出部80から距離を受けつける。判定部84は、推定部78において推定した時間が第1しきい値以下である場合、あるいは導出部80において導出した距離が第2しきい値以下である場合、緊急車両と遭遇すると判定する。これら以外の場合、判定部84は、緊急車両とは非遭遇であると判定する。第1しきい値と第2しきい値は、シミュレーション計算あるいは実験等によって予め定められる。図6は、判定部84に保持されるテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、条件欄300、状態欄302が含まれる。条件欄300に示された条件に該当する場合、状態欄302に示された状態と判定される。また、接近が前述の遭遇に相当し、非接近が前述の非遭遇に相当する。
これは、遭遇するまでの時間が第1しきい値以下である場合、支援が発生するとともに、遭遇までの時間が第1しきい値より長い場合でも、両者の距離が第2しきい値以内の領域では支援が発生することに相当する。さらに、両者の距離が第2しきい値以内の領域では支援が発生するとともに、両者の距離が第2しきい値以内の領域でなくても、遭遇するまでの時間が第1しきい値以下である場合、支援が発生することにも相当する。図4に戻る。
通知部70は、図示しないディスプレイなどに、受信したパケット信号の内容を表示する。通知部70は、判定部84からの判定結果を入力する。通知部70は、モニタあるいはスピーカを介して、判定結果を運転者に通知する。さらに、通知部70は、基地局装置10からのパケット信号に含まれた情報も運転者へモニタやスピーカを介して通知する。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図7は、端末装置14による判定手順を示すフローチャートである。推定部78は、時間を推定する(S10)。導出部80は、距離を導出する(S12)。時間が第1しきい値以下であれば(S14のY)、判定部84は接近と判定する(S20)。時間が第1しきい値以下でなくても(S14のN)、距離が第2しきい値以下であれば(S16のY)、判定部84は接近と判定する(S20)。距離が第2しきい値以下でなければ(S16のN)、判定部84は非接近と判定する(S18)。
図8は、端末装置14による距離の導出手順を示すフローチャートである。車両12と緊急車両との間に交差点があれば(S40のY)、判定部84は、緊急車両の位置を交差点の位置に変更する(S42)。一方、車両12と緊急車両との間に交差点がなければ(S40のN)、ステップ42はスキップされる。導出部80は、距離を導出する(S44)。
本発明の実施例によれば、緊急車両に遭遇するまでの時間と、緊急車両との距離をもとに、遭遇することを通知するので、緊急車両の接近を正確に通知できる。また、時間と距離といったふたつの条件の論理和で遭遇の有無を判定するので、各条件を厳しくすることができる。また、各条件が厳しくなるので、誤判定を低減できる。また、緊急車両との間に交差点が存在すれば、緊急車両との距離を短くするので、通知の可能性を向上できる。
(実施例2)
次に、本発明の実施例2を説明する。実施例2も、実施例1と同様に、緊急車両通過支援を実行する通信システムに関する。実施例1では、時間と第1しきい値、距離と第2しきい値とを比較することによって、接近か否かが判定される。特に、第1しきい値、第2しきい値は、固定値である。実施例2に係る端末装置は、緊急車両が接近する方向に応じて、第1しきい値および第2しきい値を変更する。例えば、緊急車両が後方から接近する場合、後方に注意する必要があるので、通常よりも不安全運転になりやすい。そのため、接近の判定を早くして、支援発生を早くする必要がある。また、緊急車両が前方から接近する場合、視線移動が小さいので、運転への影響が小さい。そのため、接近の判定を遅くし、後方から接近する場合よりも支援発生を遅くすることが可能である。さらに、緊急車両と交差する場合、緊急車両を視認しにくいので、急制動となりかねない。そのため、接近の判定を早くして、支援発生を早くする必要がある。実施例2に係る通信システム100は、図1と同様のタイプであり、実施例2に係る基地局装置10は、図2と同様のタイプであり、実施例2に係る端末装置14は、図4と同様のタイプであり、ここでは差異を中心に説明する。
次に、本発明の実施例2を説明する。実施例2も、実施例1と同様に、緊急車両通過支援を実行する通信システムに関する。実施例1では、時間と第1しきい値、距離と第2しきい値とを比較することによって、接近か否かが判定される。特に、第1しきい値、第2しきい値は、固定値である。実施例2に係る端末装置は、緊急車両が接近する方向に応じて、第1しきい値および第2しきい値を変更する。例えば、緊急車両が後方から接近する場合、後方に注意する必要があるので、通常よりも不安全運転になりやすい。そのため、接近の判定を早くして、支援発生を早くする必要がある。また、緊急車両が前方から接近する場合、視線移動が小さいので、運転への影響が小さい。そのため、接近の判定を遅くし、後方から接近する場合よりも支援発生を遅くすることが可能である。さらに、緊急車両と交差する場合、緊急車両を視認しにくいので、急制動となりかねない。そのため、接近の判定を早くして、支援発生を早くする必要がある。実施例2に係る通信システム100は、図1と同様のタイプであり、実施例2に係る基地局装置10は、図2と同様のタイプであり、実施例2に係る端末装置14は、図4と同様のタイプであり、ここでは差異を中心に説明する。
図4の判定部84は、位置情報取得部64からの位置情報のうちの存在位置、進行方向と、抽出部72からの位置情報のうちの存在位置、進行方向とを比較する。判定部84は、緊急車両に遭遇する際の相対的方向を推定する。ここで、本車両12の進行方向を0度として、時計回りに角度が増加する座標を規定する。その際、90度が真右に相当し、180度が真後ろに相当し、270度が真左に相当するとともに、360度が0度に一致する。判定部84は、例えば、350度から360度、0度から10度を前方領域と規定し、170度から190度を後方領域と規定する。さらに、判定部84は、このような座標系における角度によって相対的方向を導出する。判定部84は、相対的方向が前方領域に含まれる場合に、「前方から接近」と特定し、相対的方向が後方領域に含まれる場合に、「後方から接近」と特定する。さらに、判定部84は、前述の導出部80と同様に、記憶部82に記憶された道路情報をもとに、「前方の交差点で接近」することも特定する。
判定部84は、特定した内容に応じて第1しきい値および第2しきい値を調節する。図9は、本発明の実施例2に係る判定部84に保持されるテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、条件欄310、処理欄312が含まれる。判定部84は、条件欄310に示された条件を満足する場合に、処理欄312に示されるように第1しきい値および第2しきい値を変更する。図4に戻る。第1しきい値および第2しきい値が小さくなるほど、緊急車両の接近を検出しにくくなり、第1しきい値および第2しきい値が大きくなるほど、緊急車両の接近を検出しやすくなる。
本発明の実施例によれば、相対的方向に応じて第1しきい値および第2しきい値を調節するので、状況に応じた通知を実行できる。また、前方から接近する場合、第1しきい値と第2しきい値とを小さくするので、緊急車両の接近を検出しにくくできる。また、緊急車両の接近が検出されにくくなるので、不要な通知の発生を抑制できる。また、後方から接近する場合、あるいは前方の交差点で接近する場合、第1しきい値と第2しきい値とを大きくするので、緊急車両の接近を検出しやすくできる。また、緊急車両の接近が検出されやすくなるので、運転者に注意を喚起できる。
(実施例3)
次に、本発明の実施例3を説明する。実施例3も、実施例1と同様に、第1しきい値および第2しきい値を変更することに関する。車両が走行している前方の信号の灯色が青色である場合、緊急車両の接近の認知が遅れると、交差点手前での急制動が必要になる。実施例3は、本車両と緊急車両が交差する場合において、交差予測地点が交差点で、かつ本車両の進行方向の信号が「青色」である場合に、支援を発生させるタイミングが早くなるように、第1しきい値および第2しきい値を変更する。実施例3に係る通信システム100は、図1と同様のタイプであり、実施例3に係る基地局装置10は、図2と同様のタイプであり、実施例3に係る端末装置14は、図4と同様のタイプであり、ここでは差異を中心に説明する。
次に、本発明の実施例3を説明する。実施例3も、実施例1と同様に、第1しきい値および第2しきい値を変更することに関する。車両が走行している前方の信号の灯色が青色である場合、緊急車両の接近の認知が遅れると、交差点手前での急制動が必要になる。実施例3は、本車両と緊急車両が交差する場合において、交差予測地点が交差点で、かつ本車両の進行方向の信号が「青色」である場合に、支援を発生させるタイミングが早くなるように、第1しきい値および第2しきい値を変更する。実施例3に係る通信システム100は、図1と同様のタイプであり、実施例3に係る基地局装置10は、図2と同様のタイプであり、実施例3に係る端末装置14は、図4と同様のタイプであり、ここでは差異を中心に説明する。
図4の変復調部54、処理部56は、前述のごとく、基地局装置10からのパケット信号を受信する。当該パケット信号には、交差点等に設置された信号機の灯色に関する情報(以下、「灯色情報」という)と、信号機を識別するための情報(以下、「信号機情報」)とが対応づけられながら含まれる。灯色情報では、「赤色」、「黄色」、「青色」が示されたり、「灯色が変更するスケジュール」が示されたりする。また、信号機情報では、信号機が設置されている位置の情報が含まれていたり、信号機を識別するための識別情報が含まれていたりする。抽出部72は、パケット信号から、灯色情報と信号機情報とを抽出し、それらを判定部84へ出力する。つまり、抽出部72は、車両12の進行方向に設置された信号機の灯色情報を受けつける。
判定部84は、抽出部72から、灯色情報と信号機情報とを受けつける。判定部84は、信号機情報をもとに、信号機情報に対応した信号機がこれから通過する信号機であるかを判定する。そのために、信号機情報に位置の情報が含まれている場合、それが利用され、信号機情報に識別情報が含まれている場合、識別情報をもとに位置を特定し、特定した位置が利用される。なお、識別情報をもとに位置を特定するために、それらを対応づけたテーブルが判定部84に予め記憶されている。判定部84は、これから通過する信号機であることを判定した場合、灯色情報で示された灯色を特定する。
図10は、本発明の実施例3に係る判定部84に保持されるテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、条件欄320、処理欄322が示される。条件欄320に示された条件を示す場合に、処理欄322に示された処理がなされる。図4に戻る。判定部84は、灯色が青色である場合に、第1しきい値および第2しきい値を大きくする。つまり、判定部84は、灯色情報に応じて第1しきい値および第2しきい値を調節する。なお、緊急車両において、緊急車両進路上の交差点の信号情報を取得し、その情報をパケット信号に付加して送信してもよい。その際、本車両側は、緊急車両の進路に対し、交差するか、同方向であるかを判定し、本車両の進路側の信号灯色を判断する。
本発明の実施例によれば、灯色に応じて第1しきい値および第2しきい値を調節するので、灯色に応じた通知を実行できる。また、青色の場合に、第1しきい値および第2しきい値を大きくするので、通知する可能性を高くできる。また、通知する可能性が高くなるので、安全性を向上できる。
(実施例4)
次に、本発明の実施例4を説明する。実施例4は、これまでと同様に、緊急車両に搭載された端末装置と、車両に搭載された端末装置との間の通信に関する。緊急車両が交差点を通過する場合、進行方向の灯色が赤色であれば、青色であるときよりも、危険性が増加する。実施例4は、灯色が赤色である交差点に緊急車両が進入する場合に、衝突の危険性を低減することを目的とする。実施例4に係る端末装置、特に緊急車両に搭載された端末装置は、緊急車両が交差点進入時、進入側方路の信号が赤色である場合、赤信号での進入であることが示された情報(以下、「赤信号進入中情報」という)をパケット信号に含めて送信する。実施例4に係る通信システム100は、図1と同様のタイプであり、実施例4に係る基地局装置10は、図2と同様のタイプであり、実施例4に係る端末装置14は、図4と同様のタイプであり、ここでは差異を中心に説明する。
次に、本発明の実施例4を説明する。実施例4は、これまでと同様に、緊急車両に搭載された端末装置と、車両に搭載された端末装置との間の通信に関する。緊急車両が交差点を通過する場合、進行方向の灯色が赤色であれば、青色であるときよりも、危険性が増加する。実施例4は、灯色が赤色である交差点に緊急車両が進入する場合に、衝突の危険性を低減することを目的とする。実施例4に係る端末装置、特に緊急車両に搭載された端末装置は、緊急車両が交差点進入時、進入側方路の信号が赤色である場合、赤信号での進入であることが示された情報(以下、「赤信号進入中情報」という)をパケット信号に含めて送信する。実施例4に係る通信システム100は、図1と同様のタイプであり、実施例4に係る基地局装置10は、図2と同様のタイプであり、実施例4に係る端末装置14は、図4と同様のタイプであり、ここでは差異を中心に説明する。
図4に示された端末装置14、特に緊急車両に搭載された端末装置14の変復調部54、処理部56は、実施例3と同様に、灯色情報と信号機情報とが含まれたパケット信号を基地局装置10から受信する。抽出部72は、パケット信号から、灯色情報と信号機情報とを抽出し、それらを生成部66へ出力する。生成部66は、抽出部72から、灯色情報と信号機情報とを受けつける。生成部66は、信号機情報をもとに、信号機情報に対応した信号機がこれから通過する信号機であるかを判定する。これは、実施例3の判定部84においてなされる処理と同様である。生成部66は、これから通過する信号機であることを判定した場合、灯色情報で示された灯色を特定する。特定した灯色が赤色である場合、生成部66は、赤信号進入中情報をパケット信号に挿入する。図11は、本発明の実施例4に係るパケット信号に含まれた情報を示す。図示のごとく、「赤信号進入中」情報がパケット信号に含まれる。
図4に示された端末装置14、特に緊急車両以外の車両12に搭載された端末装置14の変復調部54、処理部56は、緊急車両に搭載された端末装置14からのパケット信号を受信する。抽出部72は、パケット信号から、赤信号進入中情報を抽出する。抽出部72は、赤信号進入中情報を通知部70へ出力する。通知部70は、赤信号進入中情報をもとに、赤信号であっても、緊急車両が交差点に進入することを運転者に通知する。
本発明の実施例によれば、赤信号進入中情報がパケット信号に含まれるので、赤信号で交差点に進入する場合であっても、周囲の車両の運転者にその旨を知らせることができる。また、周囲の車両の運転者に赤信号での交差点への進入を知らせるので、衝突事故発生の可能性を低減できる。
(実施例5)
次に、本発明の実施例5を説明する。実施例5は、これまでと同様に、緊急車両に搭載された端末装置と、車両に搭載された端末装置との間の通信に関する。特に、現場急行支援システム(FAST:Fast Emergency Vehicle Preemption Systems)が実行されている場合を対象にする。現場急行支援システムは、緊急車両を優先的に走行させるための信号制御を行うシステムであり、現場に到着する時間短縮と、緊急走行起因の交通事故防止を目的としたシステムである。例えば、現場急行支援システムには、交差点前後に設置されている光ビーコン(光学式車両感知器)が使用されている。具体的には、発信機を取り付けた緊急車両が緊急走行すると、道路上に設置した受信機がこれを感知する。その結果が交通管制センターに伝送され、車両の進行方向の赤信号が短縮されたり、青信号が延長されたりする。
次に、本発明の実施例5を説明する。実施例5は、これまでと同様に、緊急車両に搭載された端末装置と、車両に搭載された端末装置との間の通信に関する。特に、現場急行支援システム(FAST:Fast Emergency Vehicle Preemption Systems)が実行されている場合を対象にする。現場急行支援システムは、緊急車両を優先的に走行させるための信号制御を行うシステムであり、現場に到着する時間短縮と、緊急走行起因の交通事故防止を目的としたシステムである。例えば、現場急行支援システムには、交差点前後に設置されている光ビーコン(光学式車両感知器)が使用されている。具体的には、発信機を取り付けた緊急車両が緊急走行すると、道路上に設置した受信機がこれを感知する。その結果が交通管制センターに伝送され、車両の進行方向の赤信号が短縮されたり、青信号が延長されたりする。
しかしながら、現場急行支援システムが実行されている場合、緊急車両以外の車両の運転者は、信号の灯色の変更間隔が通常とは異なることによって、違和感を抱くおそれがある。そのため、現場急行支援システムが実行されている場合、そのことが、緊急車両以外の車両の運転者に知らされる方が望ましい。それに対応するために、実施例5に係る端末装置、特に緊急車両に搭載された端末装置は、FAST制御中であることが示された情報(以下、「FAST制御中情報」)をパケット信号に含めて送信する。実施例5に係る通信システム100は、図1と同様のタイプであり、実施例5に係る基地局装置10は、図2と同様のタイプであり、実施例5に係る端末装置14は、図4と同様のタイプであり、ここでは差異を中心に説明する。
図4に示された端末装置14、特に緊急車両に搭載された端末装置14の生成部66は、FAST制御中であることを検出する。これに応じて、生成部66は、FAST制御中情報をパケット信号に挿入する。図12は、本発明の実施例5に係るパケット信号に含まれた情報を示す。図示のごとく、「FAST制御中」情報がパケット信号に含まれる。
図4に示された端末装置14、特に緊急車両以外の車両12に搭載された端末装置14の変復調部54、処理部56は、緊急車両に搭載された端末装置14からのパケット信号を受信する。抽出部72は、パケット信号から、FAST制御中情報を抽出する。抽出部72は、FAST制御中情報を通知部70へ出力する。通知部70は、FAST制御中情報をもとに、FAST制御中であることを運転者に通知する。端末装置14は、FAST制御中情報を受けつけると、緊急車両の進路と同方向(真逆方向)に走行している場合、本車両12がFAST制御中の路線を走行していることを運転者に示すとともに、緊急車両が通常より早い速度で走行している可能性があることを通知する。一方、端末装置14は、本車両12の進路が、緊急車両の進路に対し交差している場合、前方の交差点の信号がFAST制御により赤色に固定され、緊急車両が通過するまで青色に変わらないことを運転者に通知する。
本発明の実施例によれば、FAST制御中情報がパケット信号に含まれるので、緊急車両以外の車両の運転者に状況を知らせることができる。
(実施例6)
次に、本発明の実施例6を説明する。実施例6は、これまでと同様に、緊急車両に搭載された端末装置と、車両に搭載された端末装置との間の通信に関する。車両に搭載された端末装置は、位置情報をもとに、緊急車両との遭遇を通知している。例えば、緊急車両と対向して遭遇する場合、緊急車両と正面衝突するおそれがあることが通知される。しかしながら、走行している道路に中央分離帯が設けられている場合、そのような通知が不要になる。これに対応するために、実施例6に係る端末装置、特に緊急車両に搭載された端末装置は、中央分離帯があることが示された情報(以下、「中央分離帯あり情報」)をパケット信号に含めて送信する。実施例6に係る通信システム100は、図1と同様のタイプであり、実施例6に係る基地局装置10は、図2と同様のタイプであり、実施例6に係る端末装置14は、図4と同様のタイプであり、ここでは差異を中心に説明する。
次に、本発明の実施例6を説明する。実施例6は、これまでと同様に、緊急車両に搭載された端末装置と、車両に搭載された端末装置との間の通信に関する。車両に搭載された端末装置は、位置情報をもとに、緊急車両との遭遇を通知している。例えば、緊急車両と対向して遭遇する場合、緊急車両と正面衝突するおそれがあることが通知される。しかしながら、走行している道路に中央分離帯が設けられている場合、そのような通知が不要になる。これに対応するために、実施例6に係る端末装置、特に緊急車両に搭載された端末装置は、中央分離帯があることが示された情報(以下、「中央分離帯あり情報」)をパケット信号に含めて送信する。実施例6に係る通信システム100は、図1と同様のタイプであり、実施例6に係る基地局装置10は、図2と同様のタイプであり、実施例6に係る端末装置14は、図4と同様のタイプであり、ここでは差異を中心に説明する。
図4に示された端末装置14、特に緊急車両に搭載された端末装置14の変復調部54、処理部56は、道路情報が含まれたパケット信号を基地局装置10から受信する。道路情報では、例えば、中央分離帯が道路に設けられていることが示されている。抽出部72は、パケット信号から、道路情報を抽出し、それを生成部66へ出力する。生成部66は、抽出部72から、道路情報を受けつける。生成部66は、道路情報をもとに、走行している道路に中央分離帯が設けられていることを特定する。中央分離帯が設けられている場合、生成部66は、中央分離帯あり情報をパケット信号に挿入する。図13は、本発明の実施例6に係るパケット信号に含まれた情報を示す。図示のごとく、「中央分離帯あり」情報がパケット信号に含まれる。
図4に示された端末装置14、特に緊急車両以外の車両12に搭載された端末装置14の変復調部54、処理部56は、緊急車両に搭載された端末装置14からのパケット信号を受信する。抽出部72は、パケット信号から、中央分離帯あり情報を抽出する。抽出部72は、中央分離帯あり情報を判定部84へ出力する。判定部84は、中央分離帯あり情報を受けた場合であって、かつ緊急車両に対し対向直進走行である場合、回避支援を実行しない。これは、緊急車両の接近情報を提供しないことに相当する。
図14は、本発明の実施例6に係る端末装置14による判定手順を示すフローチャートである。判定部84は、前方からの接近を検出する(S60)。中央分離帯があれば(S62のY)、判定部84は、通知部70に通知を実行させない(S64)。一方、中央分離帯がなければ(S62のN)、判定部84は、通知部70に通知を実行させる(S66)。
本発明の実施例によれば、中央分離帯がある場合、支援を実行しないので、余計な支援を抑制できる。
(実施例7)
次に、本発明の実施例7を説明する。実施例7は、実施例1から実施例3と同様に、緊急車両通過支援を実行する通信システムに関する。緊急車両に搭載された端末装置が無線通信によりその位置、進行方向、速度といった情報とともに「緊急走行中」であることを送信する。それを受信した端末装置であって、かつ車両に搭載された端末装置は、当該緊急車両が一定時間内に自車付近に到達すると判定される場合、あるいは両者が一定距離内に存在する場合、運転者にその旨を通知する。ここで、緊急車両が交差点進入等に際して一時的に速度を落とした場合、受信側車両では到達時間が長くなると判断し、緊急車両が接近しているという状況にもかかわらず、運転者への支援が一時的に途絶えてしまう。
次に、本発明の実施例7を説明する。実施例7は、実施例1から実施例3と同様に、緊急車両通過支援を実行する通信システムに関する。緊急車両に搭載された端末装置が無線通信によりその位置、進行方向、速度といった情報とともに「緊急走行中」であることを送信する。それを受信した端末装置であって、かつ車両に搭載された端末装置は、当該緊急車両が一定時間内に自車付近に到達すると判定される場合、あるいは両者が一定距離内に存在する場合、運転者にその旨を通知する。ここで、緊急車両が交差点進入等に際して一時的に速度を落とした場合、受信側車両では到達時間が長くなると判断し、緊急車両が接近しているという状況にもかかわらず、運転者への支援が一時的に途絶えてしまう。
これを防止するために、本実施例に係る端末装置であって、車両に搭載された端末装置は、緊急車両との位置関係、例えば、緊急車両が接近しているのか、またどの方向にいるのかを管理し、一旦支援が発生したら、位置関係が維持される限り、緊急車両の速度が極端に落ちても支援を維持する。これにより、緊急車両の接近中は支援が途切れることなく継続される。実施例7に係る通信システム100は、図1と同様のタイプであり、実施例7に係る基地局装置10は、図2と同様のタイプであり、実施例7に係る端末装置14は、図4と同様のタイプであり、ここでは差異を中心に説明する。
図4の推定部78は、前述のごとく、本車両12と緊急車両とが遭遇するまでの時間を推定し、推定した時間を判定部84へ出力する。導出部80は、前述のごとく、本車両と緊急車両との間の距離を導出し、導出した距離を判定部84へ出力する。判定部84は、推定部78から時間を受けつけるとともに、導出部80から距離を受けつける。判定部84は、推定部78において推定した時間が第1しきい値以下である場合、あるいは導出部80において導出した距離が第2しきい値以下である場合、緊急車両と遭遇すると判定する。これら以外の場合、判定部84は、緊急車両とは非遭遇であると判定する。
ここで、判定部84は、遭遇すると判定した場合、本車両12と緊急車両とが遭遇する際の位置関係を取得する。位置関係は、本車両12と緊急車両とが遭遇するときの相対的な角度に相当する。具体的に説明すると、本車両12の進行方向を0度とし、時計回りの方向に角度が増加する座標系を規定した場合に、緊急車両が進入してくる角度が、相対的な角度として示される。判定部84は、その際の位置関係、つまり相対的な角度を「初期角度」として記憶する。この後、判定部84は、定期的に取得した時間および距離をもとに、判定を継続して実行する。
最初の遭遇の判定が、推定部78において推定した時間が第1しきい値以下であることによってなされた場合、緊急車両の走行速度が下がると、推定部78において推定する時間が第1しきい値より大きくなることがあり得る。なお、その際、導出部80において導出した距離が第2しきい値以下ではないとする。その場合、遭遇と判定された状態が非遭遇に遷移する。その後、緊急車両の走行速度が上がって推定部78において推定する時間が第1しきい値以下、もしくは、緊急車両が進行して導出部80において導出する距離が第2しきい値以下となれば、非遭遇と判定された状態から遭遇に遷移する。すなわち、自車に緊急車両が接近しているという状況にもかかわらず、判定部84において遭遇→非遭遇→遭遇と判定され、運転者への支援が一時的に途絶えることになる。これを防止するために、遭遇判定がなされた後、判定部84は、推定部78において推定する時間が第1しきい値より大きくなった場合に、その際の位置関係(以下、「対象角度」という)を取得する。また、導出部80は、初期角度を含むような角度の範囲を規定する。角度の範囲は、例えば、初期角度を中心にして±15度のように定められる。角度の範囲に対象角度が含まれる場合、導出部80は、車両と緊急車両との位置関係が維持されていると判定し、遭遇の状態を継続させる。一方、角度の範囲に対象角度が含まれない場合、導出部80は、位置関係が維持されていないと判定し、遭遇の状態を非遭遇に変える。
図15は、本発明の実施例7に係る端末装置14による判定手順を示すフローチャートである。判定部84は、本車両12と緊急車両とが接近していると判定する(S80)。接近の状態を満たさない場合(S82のN)であっても、関係を維持すれば(S84のY)、判定部84は、接近を維持して、ステップ82に戻る。接近の状態を満たしている場合(S82のY)、判定部84は、接近を維持して、ステップ82に戻る。一方、関係を維持しなければ(S84のN)、判定部84は、非接触と判定する(S86)。
本発明の実施例によれば、一旦遭遇判定がなされた後は、車両と緊急車両との位置関係(初期角度)を維持すれば接近していると判定するので、接近している緊急車両が交差点進入等で一時的に速度を落としても、支援が途絶えることなく接近の旨を継続的に運転者に通知できる。また、接近の旨を継続的に運転者に通知するので、緊急車両の接近を確実に通知することができる。
(実施例8)
次に、本発明の実施例8を説明する。実施例8は、実施例1から3と同様に、複数の端末装置間において位置情報とを送信することによって、車両の接近を判定する通信システムに関する。特に、遭遇するまでの時間と、車両間の距離とをもとに、接近が判定される。一方、実施例1から3においては、車両と緊急車両とが接近する場合を想定しているが、実施例8では、緊急車両でない車両同士が接近する場合を想定する。ここでは、特に2つの場合を説明する。1つ目は、走行車線を走行している車両が追越し車線に車線変更する場合であり、2つ目は、合流車線を走行している車両が走行車線に合流する場合である。実施例8に係る通信システム100は、図1と同様のタイプであり、実施例8に係る基地局装置10は、図2と同様のタイプであり、実施例8に係る端末装置14は、図4と同様のタイプであり、ここでは差異を中心に説明する。
次に、本発明の実施例8を説明する。実施例8は、実施例1から3と同様に、複数の端末装置間において位置情報とを送信することによって、車両の接近を判定する通信システムに関する。特に、遭遇するまでの時間と、車両間の距離とをもとに、接近が判定される。一方、実施例1から3においては、車両と緊急車両とが接近する場合を想定しているが、実施例8では、緊急車両でない車両同士が接近する場合を想定する。ここでは、特に2つの場合を説明する。1つ目は、走行車線を走行している車両が追越し車線に車線変更する場合であり、2つ目は、合流車線を走行している車両が走行車線に合流する場合である。実施例8に係る通信システム100は、図1と同様のタイプであり、実施例8に係る基地局装置10は、図2と同様のタイプであり、実施例8に係る端末装置14は、図4と同様のタイプであり、ここでは差異を中心に説明する。
図16(a)−(b)は、本発明の実施例8に係る通信システム100の構成を示す。図16(a)は、第1車両12aが走行車線を走行しており、第2車両12bは、第1車両12aの後方において、追越し車線を走行している。ここでは、第1車両12aに搭載された端末装置14(図示せず)での通知を説明の対象にする。第1車両12aに搭載された端末装置14の構成は、前述のごとく、図4に示されているが、状態決定部76には、図示しない獲得部が含まれる。
獲得部は、本端末装置14を搭載した車両12が走行している車線を変更するトリガを獲得する。車線変更のトリガの獲得として、ここでは、3種類の方法を例示する。1つ目は、運転者が方向指示器を使用して右側への進行方向変更を指示した場合である。獲得部は、方向指示器あるいはそれを制御する制御装置に接続されており、進行方向変更の指示を受けつける。獲得部は、進行方向変更の指示を受けつけると、車線変更のトリガを獲得したと認識する。なお、進行方向変更の指示は、右側への変更ではなく、左側への変更であってもよい。これは、追越し車線を走行している車両12が走行車線に車線変更する場合に相当する。
2つ目は、獲得部が図示しない車載カメラに接続されており、車載カメラによって撮像された画像をもとに判定した場合である。具体的に説明すると、車載カメラは、車両12の進行方向から90度あるいは270度付近を撮像可能なように車両12に搭載される。そのため、車載カメラは、車両12が走行している車線に沿って設けられた白線(連続線、破線)あるいは黄線(以下、「白線」と総称する)を撮像する。獲得部は、画像認識処理によって、撮像された画像から、進行方向右側の白線との距離を測定する。このような距離の測定は継続して実行される。獲得部は、継続した測定によって、車両12が白線に近づいていることを検出する。例えば、距離が一定期間にわたって短くなっており、かつ最終的な距離がしきい値よりも短ければ、獲得部は、車線変更のトリガを獲得したと認識する。
3つ目は、ステアリングからの回転角度と、車載カメラにおいて撮像した画像との組合せを使用する場合である。この場合、獲得部は、これまでと同様に車載カメラによって撮像された画像を受けつける。ここで、車載カメラは、車両12の進行方向を撮像可能なように車両12に搭載される。獲得部は、画像認識処理によって、撮像された画像から、車両12が走行している車線が直線であるか否か、何度でカーブしているかを検出する。また、獲得部は、ステアリングあるいはそれを制御する制御装置に接続されており、ステアリングの回転角度の情報を受けつける。
獲得部は、ステアリングの回転角度とカーブの角度が同一方向を向いている場合に、ステアリングの回転角度からカーブの角度を減算した角度(以下、「評価角度」という)を導出する。一方、獲得部は、ステアリングの回転角度とカーブの角度が逆方向を向いている場合に、ステアリングの回転角度にカーブの角度を加算した角度(以下、「評価角度」という)を導出する。また、獲得部は、車線が直線である場合に、ステアリングの回転角度を「評価角度」とする。これらの評価角度は、車線に対して車両12が傾いている角度に相当する。獲得部は、評価角度の絶対値がしきい値よりも大きい場合に、車線変更のトリガを獲得したと認識する。判定部84は、獲得部においてトリガを獲得した場合、前述の通知を開始する。
図16(a)において、第1車両12aが時速60kmで走行し、第2車両12bが時速100kmで走行しているとする。このような状況下において、第1車両12aの獲得部がトリガを獲得した場合、両方の時速の差が大きく、かつ距離も長いので、第1車両12aの判定部84は、接近するまでの時間で判定処理を実行する。また、図16(a)において、第1車両12aが時速60kmで走行し、第2車両12bも時速60kmで走行しているとする。このような状況下において、第1車両12aの獲得部がトリガを獲得した場合、両方の時速の差が小さいので、第1車両12aの判定部84は、両者の距離で判定処理を実行する。
図16(b)において、第1車両12aは、合流車線を時速60kmで走行し、第2車両12bが、第1車両12aの後方において、走行車線を時速100kmで走行している。このような状況下において、第1車両12aの獲得部がトリガを獲得した場合、両者の時速の差が大きいので、第1車両12aの判定部84は、接近するまでの時間で判定処理を実行する。また、図16(b)において、第1車両12aが時速60kmで走行し、第2車両12bも時速60kmで走行しているとする。このような状況下において、第1車両12aの獲得部がトリガを獲得した場合、両方の時速の差が小さいので、第1車両12aの判定部84は、両者の距離で判定処理を実行する。
図17は、本発明の実施例8に係る端末装置14による判定手順を示すフローチャートである。獲得部がトリガを受けつけると(S100のY)、判定部84は、通知を実行する(S102)。獲得部がトリガを受けつけないと(S100のN)、ステップ102はスキップされる。
本発明の実施例によれば、車両が走行している車線を変更するトリガを獲得すると通知を開始するので、誤判定が低減され、緊急車両以外の車両の接近を通知する場合であっても、車両の接近を正確に通知できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例2、3において、判定部84は、第1しきい値および第2しきい値を調節している。しかしながらこれに限らず例えば、判定部84は、第1しきい値および第2しきい値のうちの一方だけを調節してもよい。本変形例によれば、処理を簡易にできる。
実施例3において、判定部84は、基地局装置10からのパケット信号に含まれた灯色情報をもとに、信号の灯色を特定している。しかしながらこれに限らず例えば、車両12には、前方の信号機を撮像する撮像装置が備えられており、判定部84は、撮像装置にて撮像した画像を分析することによって、画像に含まれた信号機の灯色を特定してもよい。本変形例によれば、基地局装置10からのパケット信号を受信しない状況下において、灯色に応じた第1しきい値および第2しきい値の調節を実行できる。
実施例1から8の任意の組合せも有効である。本変形例によれば、実施例1から8を任意に組み合わせた効果を得ることができる。
本発明の一態様の概要は、次の通りである。本発明のある態様の無線装置は、車両に搭載可能な無線装置であって、他の無線装置からのパケット信号であって、かつ当該他の無線装置が搭載される他の車両の位置情報を少なくとも含んだパケット信号を受信する受信部と、本無線装置が搭載される車両の位置情報を取得する取得部と、取得部において取得した位置情報と、受信部において受信したパケット信号に含まれた位置情報とをもとに、車両と他の車両とが遭遇するまでの時間を推定する推定部と、取得部において取得した位置情報と、受信部において受信したパケット信号に含まれた位置情報とをもとに、車両と他の車両との間の距離を導出する導出部と、推定部において推定した時間が第1しきい値以下である場合、あるいは導出部において導出した距離が第2しきい値以下である場合、他の車両との遭遇を通知する判定部と、を備える。
この態様によると、他の車両に遭遇するまでの時間と、他の車両との距離をもとに、遭遇することを通知するので、他の車両の接近を正確に通知できる。
交差点の位置情報を記憶する記憶部をさらに備えてもよい。導出部は、車両と他の車両との間に交差点が存在する場合、車両と他の車両との間の距離の代わりに、取得部において取得した位置情報と、記憶部において記憶した位置情報とをもとに、車両と交差点との距離を導出してもよい。この場合、他の車両との間に交差点が存在すれば、他の車両との距離を短くするので、通知の可能性を向上できる。
受信部において受信したパケット信号には、他の車両の進行方向に関する情報も含まれており、取得部は、車両の進行方向に関する情報も取得し、判定部は、取得部において取得した進行方向に関する情報と、受信部において受信したパケット信号に含まれた進行方向に関する情報とをもとに、他の車両に遭遇する際の相対的方向を推定し、推定した相対的方向に応じて第1しきい値および第2しきい値を調節してもよい。この場合、相対的方向に応じて第1しきい値および第2しきい値を調節するので、状況に応じた通知を実行できる。
車両の進行方向に設置された信号機の灯色に関する情報を受けつける受付部をさらに備えてもよい。判定部は、受付部において受けつけた灯色に関する情報に応じて第1しきい値および第2しきい値を調節してもよい。この場合、灯色に応じて第1しきい値および第2しきい値を調節するので、灯色に応じた通知を実行できる。
本無線装置を搭載した車両が走行している車線を変更するトリガを獲得する獲得部をさらに備えてもよい。判定部は、獲得部においてトリガを獲得した場合、通知を開始してもよい。この場合、トリガを獲得した場合に通知を開始するので、誤判定が低減され、緊急車両以外の車両の接近を通知する場合であっても、車両の接近を正確に通知できる。
10 基地局装置、 12 車両、 14 端末装置、 16 緊急車両、 18 仮想緊急車両、 20 アンテナ、 22 RF部、 24 変復調部、 26 処理部、 28 制御部、 30 ネットワーク通信部、 32 フレーム規定部、 34 選択部、 36 生成部、 50 アンテナ、 52 RF部、 54 変復調部、 56 処理部、 58 制御部、 60 タイミング特定部、 62 転送決定部、 64 位置情報取得部、 66 生成部、 70 通知部、 72 抽出部、 74 キャリアセンス部、 76 状態決定部、 78 推定部、 80 導出部、 82 記憶部、 84 判定部、 100 通信システム、 202 ネットワーク、 212 エリア、 214 エリア外。
Claims (4)
- 車両に搭載可能な無線装置であって、
他の無線装置からのパケット信号であって、かつ当該他の無線装置が搭載される他の車両の位置情報を少なくとも含んだパケット信号を受信する受信部と、
本無線装置が搭載される車両の位置情報を取得する取得部と、
前記取得部において取得した位置情報と、前記受信部において受信したパケット信号に含まれた位置情報とをもとに、車両と他の車両とが遭遇するまでの時間を推定する推定部と、
前記取得部において取得した位置情報と、前記受信部において受信したパケット信号に含まれた位置情報とをもとに、車両と他の車両との間の距離を導出する導出部と、
前記推定部において推定した時間が第1しきい値以下である場合、あるいは前記導出部において導出した距離が第2しきい値以下である場合、他の車両との遭遇を通知する判定部と、
を備え、
前記受信部において受信したパケット信号には、他の車両の進行方向に関する情報も含まれており、
前記取得部は、車両の進行方向に関する情報も取得し、
前記判定部は、前記取得部において取得した進行方向に関する情報と、前記受信部において受信したパケット信号に含まれた進行方向に関する情報とをもとに、他の車両に遭遇する際の相対的方向を推定し、推定した相対的方向に応じて第1しきい値および第2しきい値を調節することを特徴とする無線装置。 - 交差点の位置情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記導出部は、車両と他の車両との間に交差点が存在する場合、車両と他の車両との間の距離の代わりに、前記取得部において取得した位置情報と、前記記憶部において記憶した位置情報とをもとに、車両と交差点との距離を導出することを特徴とする請求項1に記載の無線装置。 - 車両の進行方向に設置された信号機の灯色に関する情報を受けつける受付部をさらに備え、
前記判定部は、前記受付部において受けつけた灯色に関する情報に応じて第1しきい値および第2しきい値を調節することを特徴とする請求項1または2に記載の無線装置。 - 本無線装置を搭載した車両が走行している車線を変更するトリガを獲得する獲得部をさらに備え、
前記判定部は、前記獲得部においてトリガを獲得した場合、通知を開始することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の無線装置。
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