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JP2016103199A - 無線装置 - Google Patents

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JP2016103199A
JP2016103199A JP2014241858A JP2014241858A JP2016103199A JP 2016103199 A JP2016103199 A JP 2016103199A JP 2014241858 A JP2014241858 A JP 2014241858A JP 2014241858 A JP2014241858 A JP 2014241858A JP 2016103199 A JP2016103199 A JP 2016103199A
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Teppei Shibata
鉄兵 柴田
孝夫 水口
Takao Mizuguchi
孝夫 水口
浩司 武村
Koji Takemura
浩司 武村
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Abstract

【課題】支援に対する運転者の応答に応じて、支援のタイミングを調節する技術を提供する。【解決手段】端末装置14は、車両に搭載可能である。抽出部72は、他の無線装置からのパケット信号を受信する。取得部64は、本端末装置14が搭載される車両の情報を取得する。第1処理部80は、取得部64において取得した情報と、抽出部72において受信したパケット信号に含まれた情報と、判定しきい値とをもとに、車両を運転する運転者に提供すべき支援を決定する。表示部70は、第1処理部80において決定した支援を表示する。受付部82は、表示部70において表示した支援に応じて運転者が運転した結果の情報を受けつける。第2処理部84は、受付部82において受けつけた情報と、第1処理部80において決定した支援に対する基準値とをもとに、第1処理部80において使用される判定しきい値を調節する。【選択図】図4

Description

本発明は、通信技術に関し、特に所定の情報が含まれた信号を受信する無線装置に関する。
無線通信装置は、走行中の他の車両から送信された情報を受信する。無線通信装置は、受信した情報をもとに、運転支援の要否を判定し、運転者に運転支援を提供する(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−247656号公報
運転支援が提供された場合であっても、運転者の熟練度や反応速度、システムへの習熟度により、システムが期待する動作を運転者が行えない場合がある。これにより運転支援の効果が少なくなってしまう。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、支援に対する運転者の応答に応じて、支援のタイミングを調節する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の無線装置は、車両に搭載可能な無線装置であって、他の無線装置からのパケット信号を受信する受信部と、本無線装置が搭載される車両の情報を取得する取得部と、取得部において取得した情報と、受信部において受信したパケット信号に含まれた情報と、判定しきい値とをもとに、車両を運転する運転者に提供すべき支援を決定する第1処理部と、第1処理部において決定した支援を表示する表示部と、表示部において表示した支援に応じて運転者が運転した結果の情報を受けつける受付部と、受付部において受けつけた情報と、第1処理部において決定した支援に対する基準値とをもとに、第1処理部において使用される判定しきい値を調節する第2処理部と、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、支援に対する運転者の応答に応じて、支援のタイミングを調節できる。
本発明の実施例に係る通信システムの構成を示す図である。 図1の基地局装置の構成を示す図である。 図3(a)−(d)は、図1の通信システムにおいて規定されるフレームのフォーマットを示す図である。 図1の端末装置の構成を示す図である。 図4の第1処理部における(1)右折時衝突防止/右折先歩行者横断見落とし防止支援の概要を示す図である。 図4の第1処理部における(2)右折時衝突防止支援の概要を示す図である。 図4の第1処理部における(3)左折時衝突防止/左折先歩行者横断見落とし防止支援の概要を示す図である。 図4の第1処理部における(4)左折時衝突防止支援の概要を示す図である。 図4の第1処理部における(5)出会い頭衝突防止支援の概要を示す図である。 図4の第1処理部における(6)追突防止支援、(10)緊急ブレーキ通知支援の概要を示す図である。 図4の第1処理部における(7)信号見落とし防止支援、(11)信号通過/赤信号減速支援の概要を示す図である。 図4の第1処理部における(8)緊急車接近情報提供支援の概要を示す図である。 図4の第1処理部における(9)周辺事象情報提供支援の概要を示す図である。 図4の第1処理部における(12)アイドリングストップ支援、(13)発進遅れ防止支援の概要を示す図である。 図4の第1処理部における(14)発進時加速抑制支援の概要を示す図である。 図4の端末装置における処理部の別の構成を示す図である。 図4の端末装置による判定しきい値の調節手順を示すフローチャートである。
本発明の実施例を具体的に説明する前に、基礎となった知見を説明する。本発明の実施例は、車両に搭載された端末装置間において車車間通信を実行するとともに、交差点等に設置された基地局装置から端末装置へ路車間通信も実行する通信システムに関する。このような通信システムは、ITS(Intelligent Transport Systems)とも呼ばれる。通信システムは、IEEE802.11等の規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)と同様に、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)と呼ばれるアクセス制御機能を使用する。そのため、複数の端末装置によって同一の無線チャネルが共有される。一方、ITSでは、不特定多数の端末装置へ情報を送信する必要がある。そのような送信を効率的に実行するために、本通信システムは、パケット信号をブロードキャスト送信する。
つまり、車車間通信として、端末装置は、車両の位置・速度・進行方向等の情報を格納したパケット信号をブロードキャスト送信する。また、他の端末装置は、パケット信号を受信するとともに、前述の情報をもとに車両の接近等を認識する。ここで、路車間通信と車車間通信との干渉を低減するために、基地局装置は、複数のサブフレームが含まれたフレームを繰り返し規定する。基地局装置は、路車間通信のために、複数のサブフレームのいずれかを選択し、選択したサブフレームの先頭部分の期間において、制御情報等が格納されたパケット信号をブロードキャスト送信する。
制御情報には、当該基地局装置がパケット信号をブロードキャスト送信するための期間(以下、「路車送信期間」という)に関する情報が含まれている。端末装置は、制御情報をもとに路車送信期間を特定し、路車送信期間以外の期間(以下、「車車送信期間」という)においてCSMA方式にてパケット信号をブロードキャスト送信する。その結果、路車間通信と車車間通信とが時分割多重される。なお、基地局装置からの制御情報を受信できない端末装置、つまり基地局装置によって形成されたエリアの外に存在する端末装置は、フレームの構成に関係なくCSMA方式にてパケット信号を送信する。
このような状況下において、本実施例に係る端末装置は、他の端末装置あるいは基地局装置から受信したパケット信号に含まれた情報をもとに、支援発生条件を満足した支援を導出する。なお、端末装置と基地局装置は、「無線装置」と総称され、基地局装置は、路側機と呼ばれることもある。本端末装置および本端末装置が搭載された車両は、「自車」と総称され、他の端末装置および他の端末装置が搭載された車両は、「他車」と総称される。また、パケット信号に含まれた情報の一例は、他の端末装置からの車両の状態等の情報などであり、基地局装置からの車両の状態等の情報、道路形状、信号情報などである。さらに、支援とは、運転者に対して運転を支援することであり、例えば、自車の右折時に、対向して走行している他車の存在を通知することである。
このような支援は複数種類規定されており、各支援に対して支援発生条件が規定されている。しかしながら、運転者の熟練度や反応速度、システムへの習熟度によって、支援に対してシステムが期待する動作が、運転者によってなされない場合がある。そのとき、効果的に支援が働かない。これに対応するために、本実施例に係る端末装置は、提供された支援に対する運転者の行動を分析し、基準となる動作に対し有意な差異がある場合、支援を決定するための次回以降の判定において、判定しきい値を変える。判定しきい値が変わることによって、支援を適用する範囲が変更され、これは、支援の提供タイミングが変更されることに相当する。
図1は、本発明の実施例に係る通信システム100の構成を示す。これは、1つの交差点を上方から見た場合に相当する。通信システム100は、基地局装置10、車両12と総称される第1車両12a、第2車両12b、第3車両12c、第4車両12d、第5車両12e、第6車両12f、第7車両12g、第8車両12h、ネットワーク202を含む。ここでは、第1車両12aのみに示しているが、各車両12には、端末装置14が搭載されている。また、エリア212が、基地局装置10の周囲に形成され、エリア外214が、エリア212の外側に形成されている。
図示のごとく、図面の水平方向、つまり左右の方向に向かう道路と、図面の垂直方向、つまり上下の方向に向かう道路とが中心部分で交差している。ここで、図面の上側が方角の「北」に相当し、左側が方角の「西」に相当し、下側が方角の「南」に相当し、右側が方角の「東」に相当する。また、2つの道路の交差部分が「交差点」である。第1車両12a、第2車両12bが、左から右へ向かって進んでおり、第3車両12c、第4車両12dが、右から左へ向かって進んでいる。また、第5車両12e、第6車両12fが、上から下へ向かって進んでおり、第7車両12g、第8車両12hが、下から上へ向かって進んでいる。
通信システム100において、基地局装置10は、交差点に固定して設置される。基地局装置10は、端末装置間の通信を制御する。基地局装置10は、図示しないGPS(Global Positioning System)衛星から受信した信号、あるいは図示しない他の基地局装置10にて形成されたフレームをもとに、複数のサブフレームが含まれたフレームを繰り返し生成する。ここで、各サブフレームの先頭部分に路車送信期間が設定可能であるような規定がなされている。
基地局装置10は、フレーム中の複数のサブフレームのうち、他の基地局装置10によって路車送信期間が設定されていないサブフレームを選択する。基地局装置10は、選択したサブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。基地局装置10は、設定した路車送信期間においてパケット信号を報知する。路車送信期間において、複数のパケット信号が報知されることもある。また、パケット信号には、例えば、事故情報、渋滞情報、信号情報等が含まれる。なお、パケット信号には、路車送信期間が設定されたタイミングに関する情報およびフレームに関する制御情報も含まれる。
端末装置14は、前述のごとく、車両12に搭載され移動可能である。端末装置14は、基地局装置10からのパケット信号を受信すると、エリア212に存在すると推定する。端末装置14は、エリア212に存在する場合、パケット信号に含まれた制御情報、特に路車送信期間が設定されたタイミングに関する情報およびフレームに関する情報をもとに、フレームを生成する。その結果、複数の端末装置14のそれぞれにおいて生成されるフレームは、基地局装置10において生成されるフレームに同期する。端末装置14は、路車送信期間とは異なった期間である車車送信期間においてパケット信号を報知する。ここで、車車送信期間においてCSMA/CAが実行される。一方、端末装置14は、エリア外214に存在していると推定した場合、フレームの構成に関係なく、CSMA/CAを実行することによって、パケット信号を報知する。端末装置14は、他の端末装置14からのパケット信号をもとに、他の端末装置14が搭載された他の車両12の接近等を認識する。
図2は、基地局装置10の構成を示す。基地局装置10は、アンテナ20、RF部22、変復調部24、処理部26、制御部28、ネットワーク通信部30を含む。また、処理部26は、フレーム規定部32、選択部34、生成部36を含む。
RF部22は、受信処理として、図示しない端末装置14あるいは他の基地局装置10からのパケット信号をアンテナ20にて受信する。RF部22は、受信した無線周波数のパケット信号に対して周波数変換を実行し、ベースバンドのパケット信号を生成する。さらに、RF部22は、ベースバンドのパケット信号を変復調部24に出力する。一般的に、ベースバンドのパケット信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、2つの信号線が示されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするために1つの信号線だけを示すものとする。RF部22には、LNA(Low Noise Amplifier)、ミキサ、AGC、A/D変換部も含まれる。
RF部22は、送信処理として、変復調部24から入力したベースバンドのパケット信号に対して周波数変換を実行し、無線周波数のパケット信号を生成する。さらに、RF部22は、路車送信期間において、無線周波数のパケット信号をアンテナ20から送信する。また、RF部22には、PA(Power Amplifier)、ミキサ、D/A変換部も含まれる。
変復調部24は、受信処理として、RF部22からのベースバンドのパケット信号に対して、復調を実行する。さらに、変復調部24は、復調した結果を処理部26に出力する。また、変復調部24は、送信処理として、処理部26からのデータに対して、変調を実行する。さらに、変復調部24は、変調した結果をベースバンドのパケット信号としてRF部22に出力する。ここで、通信システム100は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式に対応するので、変復調部24は、受信処理としてFFT(Fast Fourier Transform)も実行し、送信処理としてIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)も実行する。
フレーム規定部32は、図示しないGPS衛星からの信号を受信し、受信した信号をもとに時刻の情報を取得する。なお、時刻の情報の取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。フレーム規定部32は、時刻の情報をもとに、複数のフレームを生成する。例えば、フレーム規定部32は、時刻の情報にて示されたタイミングを基準にして、「1sec」の期間を10分割することによって、「100msec」のフレームを10個生成する。このような処理を繰り返すことによって、フレームが繰り返されるように規定される。なお、フレーム規定部32は、復調結果から制御情報を検出し、検出した制御情報をもとにフレームを生成してもよい。このような処理は、他の基地局装置10によって形成されたフレームのタイミングに同期したフレームを生成することに相当する。
図3(a)−(d)は、通信システム100において規定されるフレームのフォーマットを示す。図3(a)は、フレームの構成を示す。フレームは、第1サブフレームから第Nサブフレームと示されるN個のサブフレームによって形成されている。これは、端末装置14が報知に使用可能なサブフレームを複数時間多重することによってフレームが形成されているといえる。例えば、フレームの長さが100msecであり、Nが8である場合、12.5msecの長さのサブフレームが規定される。Nは、8以外であってもよい。図3(b)−(d)の説明は、後述し、図2に戻る。
選択部34は、フレームに含まれた複数のサブフレームのうち、路車送信期間を設定すべきサブフレームを選択する。具体的に説明すると、選択部34は、フレーム規定部32にて規定されたフレームを受けつける。また、選択部34は、図示しないインターフェイスを介して、選択したサブフレームに関する指示を受けつける。選択部34は、指示に対応したサブフレームを選択する。これとは別に、選択部34は、自動的にサブフレームを選択してもよい。その際、選択部34は、RF部22、変復調部24を介して、図示しない他の基地局装置10あるいは端末装置14からの復調結果を入力する。選択部34は、入力した復調結果のうち、他の基地局装置10からの復調結果を抽出する。選択部34は、復調結果を受けつけたサブフレームを特定することによって、復調結果を受けつけていないサブフレームを特定する。
これは、他の基地局装置10によって路車送信期間が設定されていないサブフレーム、つまり未使用のサブフレームを特定することに相当する。未使用のサブフレームが複数存在する場合、選択部34は、ランダムに1つのサブフレームを選択する。未使用のサブフレームが存在しない場合、つまり複数のサブフレームのそれぞれが使用されている場合に、選択部34は、復調結果に対応した受信電力を取得し、受信電力の小さいサブフレームを優先的に選択する。
図3(b)は、図示しない第1基地局装置10aによって生成されるフレームの構成を示す。第1基地局装置10aは、第1サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第1基地局装置10aは、第1サブフレームにおいて路車送信期間につづいて車車送信期間を設定する。車車送信期間とは、端末装置14がパケット信号を報知可能な期間である。つまり、第1基地局装置10aは、第1サブフレームの先頭期間である路車送信期間においてパケット信号を報知可能であり、かつフレームのうち、路車送信期間以外の車車送信期間において端末装置14がパケット信号を報知可能であるような規定がなされる。さらに、第1基地局装置10aは、第2サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間のみを設定する。
図3(c)は、図示しない第2基地局装置10bによって生成されるフレームの構成を示す。第2基地局装置10bは、第2サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第2基地局装置10bは、第2サブフレームにおける路車送信期間の後段、第1サブフレーム、第3サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間を設定する。図3(d)は、図示しない第3基地局装置10cによって生成されるフレームの構成を示す。第3基地局装置10cは、第3サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第3基地局装置10cは、第3サブフレームにおける路車送信期間の後段、第1サブフレーム、第2サブフレーム、第4サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間を設定する。このように、複数の基地局装置10は、互いに異なったサブフレームを選択し、選択したサブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。図2に戻る。選択部34は、選択したサブフレームの番号を生成部36へ出力する。
生成部36は、選択部34から、サブフレームの番号を受けつける。生成部36は、受けつけたサブフレーム番号のサブフレームに路車送信期間を設定し、路車送信期間において報知すべきパケット信号を生成する。1つの路車送信期間において複数のパケット信号が送信される場合、生成部36は、それらを生成する。パケット信号は、制御情報、ペイロードによって構成されている。制御情報には、路車送信期間を設定したサブフレーム番号等が含まれる。また、ペイロードには、例えば、事故情報、渋滞情報、信号情報等が含まれる。これらのデータは、ネットワーク通信部30によって、図示しないネットワーク202から取得される。処理部26は、変復調部24、RF部22に対して、路車送信期間においてパケット信号をブロードキャスト送信させる。制御部28は、基地局装置10全体の処理を制御する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図4は、端末装置14の構成を示す。端末装置14は、アンテナ50、RF部52、変復調部54、処理部56、制御部58、記憶部86を含む。処理部56は、タイミング特定部60、転送決定部62、取得部64、生成部66、表示部70、第1処理部80、受付部82、第2処理部84を含む。また、タイミング特定部60は、抽出部72、キャリアセンス部74を含む。端末装置14は、前述のごとく、車両12に搭載可能である。アンテナ50、RF部52、変復調部54は、図2のアンテナ20、RF部22、変復調部24と同様の処理を実行する。ここでは差異を中心に説明する。
変復調部54、処理部56は、700MHz帯の周波数での受信処理において、図示しない他の端末装置14あるいは基地局装置10からのパケット信号を受信する。なお、前述のごとく、変復調部54、処理部56は、路車送信期間において、基地局装置10からのパケット信号を受信し、車車送信期間において、他の端末装置14からのパケット信号を受信する。他の端末装置14からのパケット信号には、当該他の端末装置14が搭載される他の車両12の存在位置、進行方向、移動速度等(以下、「位置情報」と総称する)が少なくとも含まれる。
抽出部72は、変復調部54からの復調結果が、図示しない基地局装置10からのパケット信号である場合に、路車送信期間が配置されたサブフレームのタイミングを特定する。その際、抽出部72は、図1のエリア212内に存在すると推定する。抽出部72は、サブフレームのタイミングと、パケット信号のメッセージヘッダの内容、具体的には、路車送信期間長の内容をもとに、フレームを生成する。なお、フレームの生成は、前述のフレーム規定部32と同様になされればよいので、ここでは説明を省略する。その結果、抽出部72は、基地局装置10において形成されたフレームに同期したフレームを生成する。パケット信号の報知元が、他の端末装置14である場合、抽出部72は、同期したフレームの生成処理を省略するが、パケット信号に含まれた位置情報等を抽出し、それを第1処理部80に出力する。また、抽出部72は、パケット信号に含まれた制御情報を転送決定部62に出力する。
一方、抽出部72は、基地局装置10からのパケット信号を受信していない場合、図1のエリア外214に存在すると推定する。抽出部72は、エリア212に存在していることを推定した場合、車車送信期間を選択する。抽出部72は、エリア外214に存在していることを推定すると、フレームの構成と無関係のタイミングを選択する。抽出部72は、車車送信期間を選択した場合、フレームおよびサブフレームのタイミング、車車送信期間に関する情報をキャリアセンス部74へ出力する。抽出部72は、フレームの構成と無関係のタイミングを選択すると、キャリアセンスの実行をキャリアセンス部74に指示する。
キャリアセンス部74は、抽出部72から、フレームおよびサブフレームのタイミング、車車送信期間に関する情報を受けつける。キャリアセンス部74は、車車送信期間内でCSMA/CAを開始することによって送信タイミングを決定する。一方、キャリアセンス部74は、抽出部72から、フレームの構成に関係のないキャリアセンスの実行を指示された場合、フレームの構成を考慮せずに、CSMA/CAを実行することによって、送信タイミングを決定する。キャリアセンス部74は、決定した送信タイミングを変復調部54、RF部52へ通知し、パケット信号をブロードキャスト送信させる。
転送決定部62は、制御情報の転送を制御する。転送決定部62は、制御情報のうち、転送対象となる情報を抽出する。転送決定部62は、抽出した情報をもとに、転送すべき情報を生成する。ここでは、この処理の説明を省略する。転送決定部62は、転送すべき情報、つまり制御情報のうちの一部を生成部66に出力する。
取得部64は、図示しないGPS受信機、ジャイロスコープ、車速センサ等を含んでおり、それらから供給されるデータによって、図示しない車両12、つまり端末装置14が搭載された車両12の存在位置、進行方向、移動速度等(前述のごとく、「位置情報」と総称する)を取得する。なお、存在位置は、緯度・経度によって示される。進行方向は、方位角によって示され、北を基準方位(0度)として時計回りを正の角度としている。これらの取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。また、取得部64は、車両12の方向指示器に接続され、方向指示器によって示された方向の情報(以下、「ウインカ情報」という)も取得する。取得部64は、位置情報、ウインカ情報を生成部66、第1処理部80へ出力する。
生成部66は、取得部64から位置情報、ウインカ情報を受けつけ、転送決定部62から制御情報の一部を受けつける。生成部66は、これらが含まれたパケット信号を生成するとともに、キャリアセンス部74において決定した送信タイミングにて、変復調部54、RF部52、アンテナ50を介して、生成したパケット信号をブロードキャスト送信する。これは、車車間通信に相当する。
第1処理部80は、取得部64において取得した情報と、抽出部72からの情報と、判定しきい値とをもとに、複数種類規定された支援の中から、本端末装置14が搭載された車両12を運転する運転者に提供すべき支援を決定する。ここで、第1処理部80は、第2処理部84において算出された判定しきい値を受けつけている場合、受けつけた判定しきい値を使用し、受けつけていない場合、予め設定されたしきい値(基準値)を使用する。第1処理部80は、決定した支援を表示部70に出力する。
なお、1つの他車が2つ以上の支援に該当する場合もある。複数種類の支援は、例えば、(1)右折時衝突防止/右折先歩行者横断見落とし防止支援、(2)右折時衝突防止支援、(3)左折時衝突防止/左折先歩行者横断見落とし防止支援、(4)左折時衝突防止支援、(5)出会い頭衝突防止支援、(6)追突防止支援、(7)信号見落とし防止支援、(8)緊急車接近情報提供支援、(9)周辺事象情報提供支援、(10)緊急ブレーキ通知支援、(11)信号通過/赤信号減速支援、(12)アイドリングストップ支援、(13)発進遅れ防止支援、(14)発進時加速抑制支援のように規定される。以下では、各支援に対して、支援の概要、使用される情報、支援発生条件を説明する。
(1)右折時衝突防止/右折先歩行者横断見落とし防止支援(路車間通信)
この支援では、自車が右折するとき、対向車両が接近している場合に接近車両(対向車両)の存在を運転者に通知したり、右折先の横断歩道上に歩行者が存在する場合に歩行者の存在を運転者に通知したりする。図5は、第1処理部80における(1)右折時衝突防止/右折先歩行者横断見落とし防止支援の概要を示す。交差点の近傍に基地局装置10が設置されている。自車300は、図の左から右の方向に移動し、他車302は、図の右から左に移動している。また、自車300の進行方向に対して、起点ノード310、分岐ノード312、停止線ノード314、交差点中心ノード316、右折先横断歩道ノード318、右折終点ノード320が規定されている。また、道路上にセンサ検知エリア322、歩行者検知エリア324が設定されている。
ここで、第1処理部80は、自車300からの情報として、(i)GPSまたは車載ネットワーク、例えばCAN(Controller Area Network)からの自車300の位置/速度/加速度/方位角、(ii)CANまたはその他の手段からの自車300のウインカ情報を取得する。また、第1処理部80は、基地局装置10からの情報として、(i)交差点の位置や方路形状の情報である道路線形情報、(ii)提供されているサービス、提供対象の方路情報であるサービス支援情報、(iii)現在の信号灯色とその表示残秒数、次に表示される信号灯色などである信号情報、(iv)基地局装置10に接続されたセンサ(画像/ミリ波など)により検知した車両情報(交差点中心ノード316近傍までの距離と速度)である車両検知情報、(v)基地局装置10に接続されたセンサにより検知した歩行者検知エリア324上の歩行者の存在情報である歩行者検知情報を取得する。
これらの情報をもとに、第1処理部80は、次の支援発生条件に該当するかを判定する。まず、支援発生条件のうちの(i)自車300が交差点中心ノード316周辺に存在し、(ii)自車300の速度が所定速度以下であり、(iii)自車300の流入方路を対象とする信号が青であり、(iv)自車300の右ウインカがオンになっているかが判定される。(i)から(iv)が満たされている状況下において、第1処理部80は、(v)対向の他車302が存在し、(vi)対向の他車302が所定時間以内にセンサ検知エリア322近端(交差点中心ノード316側の端部)に到達する場合に、右折時衝突防止支援を決定する。また、(i)から(iv)が満たされている状況下において、第1処理部80は、歩行者検知エリア324に歩行者が存在する場合に、右折先横断歩行者見落とし防止支援を決定する。
なお、(vi)の所定時間は、自車300が交差点中心ノード316から右折終点ノード320に到達するまでの時間であり、決められた速度・加速度をもとに算出される。交差点中心ノード316から右折終点ノード320の距離は、道路線形情報・サービス支援情報から取得される。また、(vi)の対向の他車302がセンサ検知エリア322に到達するかの判定では、センサ検知エリア322近端から他車302までの距離と速度をもとに、到達までの時間(検知車両到達時間)が算出される。ここで、検知車両到達時間−上記所定時間≦しきい値A(sec)のとき、支援が提供される。なお、しきい値A(sec)が判定しきい値に相当する。なお、検知車両到達時間は、対向の他車302が交差点に到達するまでの第1時間に相当し、所定時間は、自車300が交差点から抜け出すまでの第2時間に相当する。
また、支援発生の対象となった他車302が交差点(遭遇予想地点またはセンサ検知エリア322近端)を通過し、これに続く支援発生の対象となる後続車(別の他車302)が存在しない場合には、右折時衝突防止支援は終了する。支援発生の対象となる後続車(別の他車302)が存在する場合には、新たな右折時衝突防止支援として運転者に支援が提供される。
(2)右折時衝突防止支援(車車間通信)
この支援では、自車が右折するとき、対向車両が接近している場合に接近車両(対向車両)の存在を運転者に通知する。図6は、第1処理部80における(2)右折時衝突防止支援の概要を示す。自車300は、図の左から右の方向に移動してから右折の開始を待っており、他車302は、図の右から左に移動している。ここで、第1処理部80は、自車300からの情報として、(i)GPSまたはCANからの自車300の位置/速度/加速度/方位角、(ii)CANまたはその他の手段からの自車300のウインカ情報を取得する。
また、第1処理部80は、他車302からの情報として、他車302の位置/速度/加速度/方位角/ウインカ情報を取得する。これらの情報をもとに、第1処理部80は、(i)自車300の速度が所定速度以下であり、(ii)自車300の右ウインカがオンとなっており、(iii)自車300と他車302との位置関係がすれ違いであり、(iv)自車300と他車302とが所定時間以内に遭遇する場合に、右折時衝突防止支援を決定する。なお、(iv)の所定時間は、自車300および他車302が遭遇予想地点に到達するまでの時間であり、取得した各車両の情報をもとに算出される。自車300が遭遇予想地点に到達すまでの時間を「Ta(sec)」、他車302が遭遇予想地点に到達するまでの時間を「Tb(sec)」とした場合、|Tb−Ta|≦しきい値B(sec)のとき、支援が提供される。ここで、しきい値B(sec)が判定しきい値に相当する。
また、支援発生の対象となった他車302が交差点(遭遇予想地点)を通過し、これに続く支援発生の対象となる後続車(別の他車302)が存在しない場合には、右折時衝突防止支援は終了する。支援発生の対象となる後続車(別の他車302)が存在する場合には、新たな右折時衝突防止支援として運転者に支援が提供される。
(3)左折時衝突防止/左折先歩行者横断見落とし防止支援(路車間通信)
この支援では、自車が左折するとき、後続二輪車が接近している場合に接近車両(二輪車)の存在を運転者に通知したり、左折先の横断歩道上に歩行者が存在する場合に歩行者の存在を運転者に通知したりする。図7は、第1処理部80における(3)左折時衝突防止/左折先歩行者横断見落とし防止支援の概要を示す。交差点の近傍に基地局装置10が設置されている。自車300は、図の左から右の方向に移動し、二輪車304は、自車300の後方において、図の左から右の方向に移動している。また、自車300の進行方向に対して、起点ノード310、分岐ノード312、停止線ノード314、操舵開始位置ノード326、左折先横断歩道ノード328、左折終点ノード330が規定されている。また、道路上に歩行者検知エリア324が設定されている。
ここで、第1処理部80は、自車300からの情報として、(i)GPSまたはCANからの自車300の位置/速度/加速度/方位角、(ii)CANまたはその他の手段からの自車300のウインカ情報を取得する。また、第1処理部80は、基地局装置10からの情報として、(i)交差点の位置や方路形状の情報である道路線形情報、(ii)提供されているサービス、提供対象の方路情報であるサービス支援情報、(iii)現在の信号灯色とその表示残秒数、次に表示される信号灯色などである信号情報、(iv)基地局装置10に接続されたセンサ(画像/ミリ波など)により検知した車両情報(操舵開始位置ノード326近傍までの距離と速度)である車両検知情報、(v)基地局装置10に接続されたセンサにより検知した歩行者検知エリア324上の歩行者の存在情報である歩行者検知情報を取得する。
これらの情報をもとに、第1処理部80は、次の支援発生条件に該当するかを判定する。まず、支援発生条件のうちの(i)自車300が交差点に接近し、(ii)自車300の速度が所定速度以下であり、(iii)自車300の流入方路を対象とする信号が青または左折矢印であり、(iv)自車300の左ウインカがオンになっているかが判定される。(i)から(iv)が満たされている状況下において、第1処理部80は、自車300が操舵開始位置ノード326に到達するタイミング+α時間以内で、後続の二輪車304が操舵開始位置ノード326に到達する場合に、左折時衝突防止支援を決定する。ここで、「α」が判定しきい値に相当する。また、(i)から(iv)が満たされている状況下において、第1処理部80は、歩行者検知エリア324に歩行者が存在する場合に、左折先横断歩行者見落とし防止支援を決定する。
(4)左折時衝突防止支援(車車間通信)
この支援では、自車が左折するとき、後続二輪車が接近している場合に接近車両(二輪車)の存在を運転者に通知する。図8は、第1処理部80における(4)左折時衝突防止支援の概要を示す。自車300は、図の左から右の方向に移動し、二輪車304は、自車300の後方において、図の左から右の方向に移動している。ここで、第1処理部80は、自車300からの情報として、(i)GPSまたはCANからの自車300の位置/速度/加速度/方位角、(ii)CANまたはその他の手段からの自車300のウインカ情報を取得する。
また、第1処理部80は、二輪車304からの情報として、(i)二輪車304の位置/速度/加速度/方位角/ウインカ情報、(ii)二輪車であることを示す識別情報を取得する。これらの情報をもとに、第1処理部80は、(i)自車300の速度が所定速度以下であり、(ii)自車300の左ウインカがオンとなっており、(iii)他車が二輪車304であり、(iv)二輪車304が自車300の後方を走行しており、(v)自車300と二輪車304とが所定時間以内に遭遇する場合に、左折時衝突防止支援を決定する。なお、(v)の所定時間は、自車300および二輪車304が遭遇予想地点に到達するまでの時間であり、取得した各車両の情報をもとに算出される。自車300が遭遇予想地点に到達すまでの時間を「Ta(sec)」、二輪車304が遭遇予想地点に到達するまでの時間を「Tb(sec)」とした場合、|Tb−Ta|≦しきい値C(sec)のとき、支援が提供される。ここで、しきい値C(sec)が判定しきい値に相当する。
また、支援発生の対象となった二輪車304が交差点または自車300(遭遇予想地点)を通過し、これに続く支援発生の対象となる後続車(別の二輪車304)が存在しない場合には、左折時衝突防止支援は終了する。支援発生の対象となる後続車(別の二輪車304)が存在する場合には、新たな左折時衝突防止支援として運転者に支援が提供される。
(5)出会い頭衝突防止支援(車車間通信)
この支援では、自車が直進するとき、他車が交差するように接近している場合に接近車両の存在を運転者に通知する。図9は、第1処理部80における(5)出会い頭衝突防止支援の概要を示す。自車300は、図の下から上の方向に移動し、他車302は、図の右から左の方向に移動している。ここで、第1処理部80は、自車300からの情報として、GPSまたはCANからの自車300の位置/速度/加速度/方位角を取得する。
また、第1処理部80は、他車302からの情報として、他車302の位置/速度/加速度/方位角/ウインカ情報を取得する。これらの情報をもとに、第1処理部80は、(i)自車300と他車302との位置関係が交差であり、(ii)自車300と他車302とが所定時間以内に遭遇する場合に、出会い頭衝突防止支援を決定する。なお、出会い頭衝突防止支援の発生条件には、自車300の速度が所定速度以下であることが追加されてもよい。なお、(ii)の所定時間は、自車300および他車302が遭遇予想地点に到達するまでの時間であり、取得した各車両の情報をもとに算出される。自車300が遭遇予想地点に到達すまでの時間を「Ta(sec)」、他車302が遭遇予想地点に到達するまでの時間を「Tb(sec)」とした場合、|Tb−Ta|≦しきい値D(sec)のとき、支援が提供される。ここで、しきい値D(sec)が判定しきい値に相当する。
また、支援発生の対象となった他車302が交差点(遭遇予想地点)を通過し、これに続く支援発生の対象となる後続車(別の他車302)が存在しない場合には、出会い頭衝突防止支援は終了する。支援発生の対象となる後続車(別の他車302)が存在する場合には、新たな出会い頭衝突防止支援として運転者に支援が提供される。
(6)追突防止支援(車車間通信)
この支援では、自車が前方車両に追突しそうであると判断したとき、前方車両の存在を運転者に通知する。図10は、第1処理部80における(6)追突防止支援、(10)緊急ブレーキ通知支援の概要を示す。自車300は、図の左から右の方向に移動し、他車302は、自車300の前方において、図の左から右の方向に移動している。ここで、第1処理部80は、自車300からの情報として、GPSまたはCANからの自車300の位置/速度/加速度/方位角を取得する。
また、第1処理部80は、他車302からの情報として、他車302の位置/速度/加速度/方位角を取得する。これらの情報をもとに、第1処理部80は、(i)位置関係が、自車300が他車302に追従(自車300が他車302の後方を走行中)で、(ii)自車300の加速度が0以上で、(iii)自車300が所定時間以内に他車302に追いつく場合に、追突防止支援を決定する。なお、(iii)の所定時間は、自車300および他車302が追突予想地点で追いつくまでの時間であり、取得した各車両の情報をもとに算出される。自車300が追突予想地点に到達すまでの時間を「Ta(sec)」、他車302が追突予想地点に到達するまでの時間を「Tb(sec)」とした場合、|Tb−Ta|≦しきい値E(sec)のとき、支援が提供される。ここで、しきい値E(sec)が判定しきい値に相当する。
(7)信号見落とし防止支援(路車間通信)
この支援では、自車が交差点に進入するとき、自車が交差点の停止線到達時に、信号灯色が赤となる場合で、自車の現在速度が、停止線で安全に停止できる速度を超えている場合、信号の存在を運転者に通知する。図11は、第1処理部80における(7)信号見落とし防止支援、(11)信号通過/赤信号減速支援の概要を示す。交差点の近傍に基地局装置10が設置されている。自車300は、図の左から右の方向に移動する。また、自車300の進行方向に対して、起点ノード310、分岐ノード312、停止線ノード314が規定されている。
ここで、第1処理部80は、自車300からの情報として、GPSまたはCANからの自車300の位置/速度/加速度/方位角を取得する。また、第1処理部80は、基地局装置10からの情報として、(i)交差点の位置や方路形状の情報である道路線形情報、(ii)提供されているサービス、提供対象の方路情報であるサービス支援情報、(iii)現在の信号灯色とその表示残秒数、次に表示される信号灯色などである信号情報を取得する。
これらの情報をもとに、第1処理部80は、(i)自車300が現在速度で等速走行したと仮定したときの、停止線ノード314到達までにかかる時間Tc(sec)を算出した場合、Tc(sec)経過後の信号灯色が赤で交差点に進入できないときであり、(ii)自車300の現在速度で安全に停止できる距離が、自車位置から停止線ノード314までの距離を超過する場合に、信号見落とし防止支援を決定する。ここでは、(ii)をさらに詳細に説明する。なお、第1処理部80は、信号機の灯色の情報と、信号機までの距離の情報とを取得している。
現在の自車300の速度が「Vnow」と示され、現在の自車300から停止線ノード314までの距離が「Lnow」と示される。車載システム処理時間が「Tp」(設定可能:初期値1秒)、ドライバ反応時間が「Td」(設定可能:3.2秒)であれば、システム設計空走時間Tは、Tp+Tdと示される。システム設計減速度が「D」(設定可能:初期値1.8m/秒)であれば、制動距離「L」は、Vnow /2Dと示され、制動開始までの移動距離「L」は、Vnow×Tと示される。その結果、自車300が安全に停止できる距離「L」は、L+Lと示される。また、現在の速度で走行した場合に、停止線ノード314に到達するまでの時間は「Tc(sec)」は、Lnow/Vnowと示される。さらに、Tc(sec)後の信号灯色は、信号情報から取得される。そのため、Lnow<Lを満たし、かつTc(sec)後の信号灯色が赤色のときに、支援が決定される。ここで、自車300が安全に停止できる距離「L」が判定しきい値に相当する。
(8)緊急車接近情報提供支援(路車間通信・車車間通信)
この支援では、自車が、緊急車両または路側機から、緊急車両の接近情報を受信したとき、緊急車両の接近情報を運転者に通知する。図12は、第1処理部80における(8)緊急車接近情報提供支援の概要を示す。基地局装置10として、2つの交差点のそれぞれの近傍に第1基地局装置10a、第2基地局装置10bが設置されている。自車300は、図の下から上の方向に移動し、緊急車両306は、図の右から左に移動している。
ここで、第1処理部80は、自車300からの情報として、GPSまたはCANからの自車300の位置/速度/加速度/方位角を取得する。また、第1処理部80は、緊急車両306からの情報として、緊急車両306の位置/速度/加速度/方位角を取得する。さらに、第1処理部80は、基地局装置10からの情報として、緊急車両306から送信された情報である緊急車接近情報を取得する。あるいは、第1処理部80は、緊急車接近情報として、車車間通信により、緊急車両306から、緊急車両306の位置/速度/方位角と、送信元が緊急車両であることを示す種別情報(識別情報)とを直接取得してもよい。
第1処理部80は、緊急車接近情報を受信したときに、自車300の運転者に対して情報を提供する。また、第1処理部80は、自車300の位置/速度/方位角と、緊急車接近情報に含まれる緊急車両306の位置/速度/方位角をもとに、自車300と緊急車両306が次の位置関係であり、所定時間以内に遭遇すると判定したときに、自車300の運転者に対して注意を喚起する。位置関係は、自車300と緊急車両306の進路が交差、自車300と緊急車両306がすれ違い、自車300を緊急車両306が追越しする関係である。また、ここでの情報提供、注意喚起が緊急車接近情報提供支援に相当する。なお、緊急車接近情報提供支援は、車車間通信によって、直接緊急車両306から取得した情報をもとに判定して行ってもよい。
(9)周辺事象情報提供支援(車車間通信)
この支援では、自車が走行中、自車の進路上の事象を運転者に通知する。図13は、第1処理部80における(9)周辺事象情報提供支援の概要を示す。自車300は、図の左から右の方向に移動する。他車302は、自車300の進行方向に存在する。ここで、第1処理部80は、自車300からの情報として、GPSまたはCANからの自車300の位置/速度/加速度/方位角を取得する。
また、第1処理部80は、他車302からの情報として、(i)他車302の位置/速度/加速度/方位角、(ii)機器セットアップ時に車両に合わせて設定される他車302の車両用途種別、(iii)運転者が状態に合わせて設定する他車302の状態情報を取得する。(iii)は、乗降中、停止作業中などの情報を含み、ドアの開閉状態に合わせて自動で設定されても構わない。これらの情報をもとに、第1処理部80は、(i)自車300と他車302の位置関係が、すれ違い、あるいは自車300を他車302が追越しに該当し、(ii)自車300と他車302とが所定時間内に遭遇し、(iii)他車302が、条件1:自家用自動車で、乗降中である、条件2:旅客運送事業者用自動車で、乗降中である、条件3:道路維持作業車で、停止作業中か、低速作業中か、事故処理中か、前方渋滞中であるとのいずれかを満たす場合に、周辺事象情報提供支援を決定する。なお、周辺事象情報提供支援は、他車302からの情報として、自車300に対して先行する他車302が取得した、走行道路上での他車停車中情報、工事中情報、事故情報、渋滞情報などの直接的な情報をもとに判定して行ってもよい。
(10)緊急ブレーキ通知支援(車車間通信)
この支援では、自車の前方の車両が急ブレーキをかけたとき、その情報を運転者に通知する。図10は、第1処理部80における(6)追突防止支援、(10)緊急ブレーキ通知支援の概要を示す。図10は、既に説明したので、ここでは説明を省略する。ここで、第1処理部80は、自車300からの情報として、GPSまたはCANからの自車300の位置/速度/加速度/方位角を取得する。
また、第1処理部80は、他車302からの情報として、他車302の位置/速度/加速度/方位角を取得する。これらの情報をもとに、第1処理部80は、(i)位置関係が、自車300が他車302に追従(自車300が他車302の後方を走行中)で、(ii)自車300と他車302の距離が、所定距離以内で、(iii)他車302が急ブレーキをかけた場合に、緊急ブレーキ通知支援を決定する。なお、(iii)の急ブレーキは、加速度情報である減速度であって、かつ他車302の減速度が所定値以上である場合に相当する。あるいは、他車302からの情報として、他車302のブレーキ操作情報(特に急ブレーキ情報)を合わせて取得して判定してもよい。ここで、所定距離が判定しきい値に相当する。
(11)信号通過/赤信号減速支援(路車間通信)
この支援では、自車が交差点に進入するとき、自車が交差点の停止線到達時に、信号灯色が赤となると予測される場合に、運転者にアクセルオフによる減速を推奨する。図11は、第1処理部80における(7)信号見落とし防止支援、(11)信号通過/赤信号減速支援の概要を示す。図11は、既に説明したので、ここでは説明を省略する。ここで、第1処理部80は、自車300からの情報として、GPSまたはCANからの自車300の位置/速度/加速度/方位角を取得する。
また、第1処理部80は、基地局装置10からの情報として、(i)交差点の位置や方路形状の情報である道路線形情報、(ii)提供されているサービス、提供対象の方路情報であるサービス支援情報、(iii)現在の信号灯色とその表示残秒数、次に表示される信号灯色などである信号情報を取得する。これらの情報をもとに、第1処理部80は、自車300が現在速度で等速走行したと仮定したときの、停止線ノード314到達までにかかる時間Tc(sec)を算出し、Tc(sec)経過後の信号灯色が赤で交差点に進入できない場合に、信号通過/赤信号減速支援を決定する。
(12)アイドリングストップ支援(路車間通信)
この支援では、自車が交差点で停止し、信号灯色が赤で、青になるまでの時間が所定時間未満である場合に、運転者にアイドリングストップしないことを推奨する。図14は、第1処理部80における(12)アイドリングストップ支援、(13)発進遅れ防止支援の概要を示す。交差点の近傍に基地局装置10が設置されている。自車300は、停止線ノード314で停止する。また、自車300の進行方向に対して、起点ノード310、分岐ノード312、停止線ノード314が規定されている。
ここで、第1処理部80は、自車300からの情報として、GPSまたはCANからの自車300の位置/速度/加速度/方位角を取得する。また、第1処理部80は、基地局装置10からの情報として、(i)交差点の位置や方路形状の情報である道路線形情報、(ii)提供されているサービス、提供対象の方路情報であるサービス支援情報、(iii)現在の信号灯色とその表示残秒数、次に表示される信号灯色などである信号情報を取得する。
これらの情報をもとに、第1処理部80は、(i)自車300が、停止線ノード314で停止しており、(ii)自車300の進行方向の信号の現在灯色が赤であり、青になるまでの時間が所定時間未満である場合に、アイドリングストップ支援を決定する。なお、所定時間以上であるとき、第1処理部80は、アイドリングストップを促してもよい。また、自動でアイドリングストップを行う自車300においては、赤から青になるまでの時間に応じて、アイドリングストップが自動で制御される。自動でアイドリングストップをかけられる自車300においては、所定速度以下でアイドリングストップがかかることから、判定条件の(i)を「自車300が、停止線ノード314から所定距離以下で、速度が所定速度以下である場合」に変更する。
(13)発進遅れ防止支援(路車間通信)
この支援では、自車が交差点で停止し、信号灯色が赤から青になるまでの時間が所定時間未満である場合に、運転者に発進準備を促す。図14は、第1処理部80における(12)アイドリングストップ支援、(13)発進遅れ防止支援の概要を示す。図14は、既に説明したので、ここでは説明を省略する。ここで、第1処理部80は、自車300からの情報として、GPSまたはCANからの自車300の位置/速度/加速度/方位角を取得する。
また、第1処理部80は、基地局装置10からの情報として、(i)交差点の位置や方路形状の情報である道路線形情報、(ii)提供されているサービス、提供対象の方路情報であるサービス支援情報、(iii)現在の信号灯色とその表示残秒数、次に表示される信号灯色などである信号情報を取得する。これらの情報をもとに、第1処理部80は、(i)自車300が、停止線ノード314で停止しており、(ii)自車300の進行方向の信号の現在灯色が赤であり、青になるまでの時間が所定時間未満である場合に、発進遅れ防止支援を決定する。
(14)発進時加速抑制支援(路車間通信)
この支援では、自車が交差点を発進したときに、次の交差点の到達時に、信号灯色が赤となると予想される場合に、運転者に加速を抑制することを推奨する。図15は、第1処理部80における(14)発進時加速抑制支援の概要を示す。基地局装置10として、2つの交差点のそれぞれの近傍に第1基地局装置10a、第2基地局装置10bが設置されている。自車300は、図の左から右の方向に移動する。また、自車300の進行方向に対して、起点ノード310、分岐ノード312、第1停止線ノード314a、第2停止線ノード314bが規定されている。第1基地局装置10aには、起点ノード310、分岐ノード312、第1停止線ノード314aが設定され、第2基地局装置10bには、第2停止線ノード314bが設定される。
ここで、第1処理部80は、自車300からの情報として、GPSまたはCANからの自車300の位置/速度/加速度/方位角を取得する。また、第1処理部80は、基地局装置10(第1基地局装置10a、第2基地局装置10b)からの情報として、(i)交差点の位置や方路形状の情報である道路線形情報、(ii)提供されているサービス、提供対象の方路情報であるサービス支援情報、(iii)現在の信号灯色とその表示残秒数、次に表示される信号灯色などである信号情報、(iv)先頭の交差点につづく、後続の信号交差点の信号情報である路線信号情報を取得する。
これらの情報をもとに、第1処理部80は、(i)自車300が、交差点を発進し、(ii)自車300の進行方向にある次の交差点までの距離と、次の信号の灯色情報をもとに、自車300が次の交差点に到達すると予測されるタイミングで、自車300の進行方向の信号灯色が赤となると予想される場合に、発進時加速抑制支援を決定する。図4に戻る。
表示部70は、第1処理部80において判定した運転支援の要否の判定結果にしたがって、その支援の内容を表示する。また、第1処理部80において決定された支援は、スピーカを介して、運転者に通知されてもよく、他のアプリケーションプログラムを起動させてもよい。受付部82は、記憶部86から、表示部70において表示した支援に関する自車300の運転者の運転行動履歴情報(運転者に提供した支援に応じて、運転者が過去に運転行動した結果の情報)を受けつける。運転行動履歴情報の具体例は後述する。受付部82は、受けつけた運転行動履歴情報を第2処理部84に出力する。
第2処理部84は、受付部82において受けつけた運転行動履歴情報と、第1処理部80において決定した支援に対する基準値とを比較する。第2処理部84は、運転行動履歴情報が基準値から離れている場合、運転行動履歴情報が基準値に近づくように、第1処理部80において使用される判定しきい値を調節する。第2処理部84は、調節した判定しきい値を第1処理部80に出力する。基準値の具体例は後述する。なお、第2処理部84は、第1処理部80が支援を決定する範囲が、所定の範囲よりも広がるように判定しきいを調節する。これは、支援を決定する範囲が安全サイドに広がるように、判定しきい値が調節されることに相当する。
記憶部86は、表示部70に表示した支援に対して、運転者が実際に運転行動した結果(例えば、運転者の行動開始反応時間、右折時の交差点横断時間、交差点横断時の速度・加速度、減速開始までの時間など)を、支援が発生した日時・位置情報とともに運転行動履歴情報として記憶する。
以下では、第1処理部80において説明した各支援に対応づけながら、第2処理部84における処理を説明する。なお、(8)緊急車接近情報提供支援、(9)周辺事象情報提供支援、(11)信号通過/赤信号減速支援、(12)アイドリングストップ支援、(13)発進遅れ防止支援、(14)発進時加速抑制支援については、判定しきい値の調節がなされないので、ここでは説明を省略する。
(1)右折時衝突防止/右折先歩行者横断見落とし防止支援
受付部82は、記憶部86から該当交差点での運転行動履歴情報を受けつける。運転行動履歴情報としては、例えば、過去に該当支援の提供を受けた際の、交差点中心ノード316に停止している自車300が、右折先横断歩道ノード318、右折終点ノード320に向かって発進し、右折終点ノード320に到達するまでの時間である。第2処理部84は、受付部82が受けつけた時間が基準値以上である場合、判定しきい値であるしきい値Aを大きくする。なお、基準値は、標準的な運転者を想定し、決められた速度・加速度をもとに算出され予め定められている。判定しきい値が大きくなると、支援開始のタイミングが早くなる。
また、自車300が右折終点ノード320に到達した後に、自車300が停止している交差点中心ノード316から右折終点ノード320に到達するまでに実際に要した時間を、交差点位置情報とともに運転行動履歴情報として記憶部86に記憶する。なお、自車300が交差点中心ノード316に停止していること、自車300が発進開始していること、自車300が右折終点ノード320に到達していることは、取得部64において取得された位置情報から判定される。
受付部82で受け付ける運転行動履歴情報の別の例としては、例えば、交差点中心ノード316から右折終点ノード320に到達するまでの間の、自車300の速度・加速度の情報である。第2処理部84は、受付部82が受け付けた速度・加速度の情報を算出パラメータとして、基準値算出と同様に、交差点中心ノード316に停止している自車300が、右折終点ノード320に到達するまでの時間を算出する。第2処理部84は、算出した時間が基準値以上である場合、判定しきい値であるしきい値Aを大きくする。
また、自車300が右折終点ノード320に到達した後に、自車300が停止している交差点中心ノード316から右折終点ノード320に到達するまでに実際に取得される速度・加速度の情報を、交差点位置情報とともに運転行動履歴情報として記憶部86に記憶する。なお、自車300の速度・加速度の情報は、取得部64において取得された位置情報から判定される。
受付部82で受け付ける運転行動履歴情報のさらなる別の例としては、例えば、右折待ちの状態で、支援対象となる他車302が交差点を通過して表示部70の支援が終了した場合(通過した他車302に続く支援対象となる別の他車302が存在していない場合)において、支援が終了してから自車300が発進開始するまでの時間である。これは自車300の運転者の反応時間に相当する。第2処理部84は、受付部82が受けつけた時間(反応時間)が基準値以上である場合、判定しきい値であるしきい値Aを大きくする。
また、自車300が右折終点ノード320に到達した後に、支援が終了してから自車300が発進開始するまでの時間(反応時間)を、交差点位置情報とともに運転行動履歴情報として記憶部86に記憶する。なお、自車300が交差点中心ノード316に停止していること、自車300が発進開始していることは、取得部64において取得された位置情報から判定される。
(2)右折時衝突防止支援
第2処理部84は、路車間通信における(1)右折時衝突防止支援の判定結果(支援が終了してから自車300が発進開始するまでの時間)の情報を使用する。発進開始までの時間が基準値より遅れているようであれば、第2処理部84は、判定しきい値を大きくする。
(3)左折時衝突防止/左折先歩行者横断見落とし防止支援
受付部82は、記憶部86から運転行動履歴情報として、表示部70が支援を終了してから自車300が発進開始するまでの時間を受けつける。これは、前述の通りなので、説明を省略する。第2処理部84は、受付部82が受けつけた時間が基準値以上である場合、判定しきい値であるαを大きくする。また、自車300が、表示部70が支援を表示してから、操舵開始位置ノード326に到達するまでの時間から、第2処理部84は、速度・加速度を算出してもよい。この速度・加速度は、判定しきい値の算出パラメータとしてフィードバックされる。
(4)左折時衝突防止支援
第2処理部84は、路車間通信における(3)左折時衝突防止支援の判定結果(支援が終了してから自車300が発進開始するまでの時間)の情報を使用する。発進開始までの時間が基準値より遅れているようであれば、第2処理部84は、判定しきい値を大きくする。
(5)出会い頭衝突防止支援、(6)追突防止支援、(10)緊急ブレーキ通知支援
受付部82は、記憶部86から運転行動履歴情報として、表示部70が支援を表示してから自車300が減速開始するまでの時間を受けつける。この時間は、これまでと同様に導出されればよい。第2処理部84は、受付部82が受けつけた時間が基準値以上である場合、判定しきい値を大きくする。
(7)信号見落とし防止支援
受付部82は、記憶部86から運転行動履歴情報として、表示部70が支援を表示してから自車300が減速開始するまでの時間を受けつける。第2処理部84は、受付部82が受けつけた時間が基準値以上である場合、ドライバ反応時間「Td」の値を大きくする。ドライバ反応時間「Td」の値が大きくなると、判定しきい値である「L」も大きくなる。また、第2処理部84は、表示部70が支援を表示してから自車300が実際に停止するまでに走行した距離が、「L」を超えた場合、そのときの減速度を求め、システム設計減速度「D」にフィードバックしてもよい。
ここでは、判定しきい値を導出する際の、第2処理部84における処理をさらに詳細に説明する。第2処理部84は、受付部82において受けつけた情報(記憶部86からの運転行動履歴情報)をもとに、判定しきい値を導出するためのフィードバック値を算出している。その際、受けつけた1つの情報からフィードバック値を算出すると、1つの情報に含まれた雑音等の影響が大きくなる。これを改善するために、受付部82は、過去にわたって受けつけた複数の情報からフィードバック値を算出する。ここで、フィードバック値を算出するために使用すべき複数の情報の範囲は、例えば、次のいずれかのように設定される。1つ目は、車両12に端末装置14を搭載した後、記憶部86に記憶した情報のうち、受付部82が受けつけたすべての情報を対象とする。2つ目は、受付部82が受けつけた情報のうち、直近までの所定期間の情報を対象とする。3つ目は、受付部82が受けつけた情報のうち、直近N個の情報を対象とする。4つ目は、車両12のエンジン始動後、記憶部86に記憶した情報のうち、受付部82が受けつけたすべての情報を対象とする。なお、フィードバック値を算出するために使用すべき複数の情報の範囲は、全支援共通で設定してしてもよいし、支援毎に設定してもよい。受付部82は、こうした情報の範囲で導出したフィードバック値を運転行動履歴情報として第2処理部84に出力する。
また、受付部82においてフィードバック値を算出するための処理は、次のいずれかのように分類されてもよい。1つ目の処理は、車両12を運転する運転者毎に、支援発生場所に関係なく、同一の支援での情報(運転行動履歴情報)をもとに、フィードバック値を算出する。2つ目の処理は、運転者毎に、支援発生場所毎に、同一の支援での情報をもとに、フィードバック値を算出する。3つ目の処理は、運転者毎に、各支援での共通情報(例えば、支援が終了してから自車が発進開始するまでの反応時間)をもとに、フィードバック値を算出する。上記のように、運転者毎にフィードバック値を算出する場合には、より精度よく支援の発生タイミングを調整することができる。ここでの説明において、運転者の識別は、車両12に搭載されたセンサ、例えば、指紋センサ、顔センサによってなされる。また、運転者が運転開始前に行う識別ID等の入力によってなされてもよい。なお、運転者の識別情報は、運転行動履歴情報として記憶部86に記憶される。
4つ目の処理は、車両12を運転する運転者に関係なく、支援発生場所に関係なく、同一の支援での情報をもとに、フィードバック値を算出する。5つ目の処理は、運転者に関係なく、支援発生場所毎に、同一の支援での情報をもとに、フィードバック値を算出する。6つ目の処理は、運転者に関係なく、各支援での共通情報をもとに、フィードバック値を算出する。上記処理では、支援の発生タイミングを調整精度は悪くなるものの、運転者の識別処理が不要になり、より簡易的にシステムの構築が可能となる。
また、上記以外のフィードバック値の算出処理としては、例えば、集中管理センターが、基地局装置10が設置された特定交差点での他車302の、特定支援(例えば、右折支援/左折支援)に対する挙動情報を、ネットワーク等を通じて収集し、その情報を分析し、フィードバック値を算出する。集中管理センターは、こうしたフィードバック値を、基地局装置10を介して端末装置14を搭載する車両12に情報提供する。このようにすることで、端末装置14自体にフィードバック値の算出機能がなくても、特定交差点での支援の発生タイミングを調整することが可能となる。特定交差点としては、例えば、事故多発交差点や重点管理交差点などが挙げられる。
また、フィードバック値は、平均値であってもよく、移動平均値(単純、加重、指数)であってもよい。また、基準値に対する差異に応じて、固定値が加減されてもよく、統計的解析の後、差異を最小化するように計算されてもよい。さらに、これらを組み合わせることによってフィードバック値が算出されてもよい。
図16は、端末装置14における処理部56の別の構成を示す図である。これは、受付部82からの情報を受けつけない場合の構成である。ここでは、図16を使用しながら処理部56の処理を説明する。抽出部72、取得部64、第2処理部84、第1処理部80、表示部70を含む。また、取得部64は、車両情報取得部90、車両周辺情報取得部92、運転者状況取得部94を含む。
抽出部72は、前述のごとく、ITSシステムからの情報を取得しており、他車の情報、道路の情報を出力する。車両情報取得部90は、CAN、GPSに接続されており、位置、速度、加速度、重量、車長、車両性能の情報を出力する。車両周辺情報取得部92は、周辺検知カメラ、照度センサ、時計、外部ネットワークに接続され、周辺検知情報、時間帯(昼、夜)、天候情報、道路情報、路面情報を出力する。運転者状況取得部94は、バイタルセンサ等に接続され、運転者の年齢、性別、覚醒度、緊張度、視線方向の情報を出力する。
第2処理部84は、抽出部72および取得部64からの情報をもとに、判定しきい値を算出する。判定しきい値の算出に使用すべきパラメータは、運転手の反応速度(自車位置、速度により判定)、運転手全般の同一地点・同一支援での反応速度(クラウド等により情報を取得)、車長・車重・制動距離、天候不順・夜間・夕暮れなど、道路情報(交差点の規模、中央分離帯の有無、信号の有無など)、路面情報(乾燥、湿潤、凍結、積雪)、運転手の年齢(高齢者である場合に優先する)、運転手の覚醒度・緊張度、運転手の視線方向、運転歴・運転頻度・運転習熟度のうちの少なくとも1つである。なお、図16の第2処理部84に対して、受付部82からの情報を受け付けるように構成し、抽出部72、取得部64、受付部82からの情報をもとに、判定しきい値を算出するようにしてもよい。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図17は、端末装置14による判定しきい値の調節手順を示すフローチャートである。支援の条件を満たす場合(S10のY)、第1処理部80は、支援を決定する(S12)。受付部82は、結果の情報を受けつける(S14)。結果が基準値より悪化している場合(S16のY)、第2処理部84は、支援の範囲を広めるように判定しきい値を調節する(S18)。結果が基準値より悪化していない場合(S16のN)、支援の範囲が最も狭くなければ(S20のN)、第2処理部84は、支援の範囲を狭めるように判定しきい値を調節する(S22)。支援の範囲が最も狭ければ(S20のY)、ステップ22はスキップされる。支援の条件を満たさない場合(S10のN)、処理は終了される。
本発明の実施例によれば、支援に応じた結果と基準値とを比較し、支援に応じた結果が基準値よりも悪化している場合に、支援のタイミングを早くするように判定しきい値を調節するので、運転者の応答に応じて支援のタイミングを調節できる。また、運転者の反応が遅い場合に、支援のタイミングを早くするので、運転者に対して支援に応じた動作を促すことができる。また、運転者に対して支援に応じた動作が促されるので、安全性を向上できる。また、支援に応じた結果と基準値とをもとに判定しきい値を調節するので、運転者の応答に応じて支援のタイミングを調節できる。また、支援を決定する範囲が最も狭くなる所定の範囲よりも広がる方向に判定しきい値を調節するので、支援のタイミングが遅れる状況の発生を抑制できる。また、支援のタイミングが遅れる状況の発生が抑制されるので、安全性を確保できる。また、支援毎に定められたパラメータに対して処理を実行するので、支援毎の判定しきい値を調節できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の一態様の概要は、次の通りである。本発明のある態様の無線装置は、車両に搭載可能な無線装置であって、他の無線装置からのパケット信号を受信する受信部と、本無線装置が搭載される車両の情報を取得する取得部と、取得部において取得した情報と、受信部において受信したパケット信号に含まれた情報と、判定しきい値とをもとに、車両を運転する運転者に提供すべき支援を決定する第1処理部と、第1処理部において決定した支援を表示する表示部と、表示部において表示した支援に応じて運転者が運転した結果の情報を受けつける受付部と、受付部において受けつけた情報と、第1処理部において決定した支援に対する基準値とをもとに、第1処理部において使用される判定しきい値を調節する第2処理部と、を備える。
この態様によると、支援に応じた結果と基準値とをもとに判定しきい値を調節するので、運転者の応答に応じて支援のタイミングを調節できる。
第2処理部は、第1処理部が支援を決定する範囲が、所定の範囲よりも広がるように判定しきいを調節してもよい。この場合、支援を決定する範囲が最も狭くなる所定の範囲よりも広がる方向に判定しきい値を調節するので、支援のタイミングが遅れる状況の発生を抑制できる。
受信部において受信したパケット信号には、信号機の灯色の情報が含まれ、取得部は、信号機までの距離の情報を取得し、第1処理部は、取得部において取得した信号機までの距離の情報が、判定しきい値よりも短く、かつ信号機の灯色が赤色である場合に、信号の見落としを防止するための支援を決定し、受付部は、表示部が支援を表示してから車両が減速開始するまでの時間を受けつけ、第2処理部は、受付部が受けつけた時間が基準値以上である場合、判定しきい値を大きくしてもよい。この場合、信号の見落としを防止するための支援に対して、判定しきい値を調節できる。
受信部において受信したパケット信号には、他の無線装置が搭載された対向車両の速度の情報が含まれ、取得部は、車両の速度の情報を取得し、第1処理部は、車両の速度と対向車両の速度とをもとに、対向車両が交差点に到達するまでの第1時間と、車両が交差点から抜け出すまでの第2時間とを導出し、第1時間と第2時間との差異が判定しきい値以下である場合に、右折時の衝突を防止するための支援を決定し、受付部は、表示部が支援を停止してから車両が発進開始するまでの時間を受けつけ、第2処理部は、受付部が受けつけた時間が基準値以上である場合、判定しきい値を大きくしてもよい。この場合、右折時の衝突を防止するための支援に対して、判定しきい値を調節できる。
10 基地局装置、 12 車両、 14 端末装置、 20 アンテナ、 22 RF部、 24 変復調部、 26 処理部、 28 制御部、 30 ネットワーク通信部、 32 フレーム規定部、 34 選択部、 36 生成部、 50 アンテナ、 52 RF部、 54 変復調部、 56 処理部、 58 制御部、 60 タイミング特定部、 62 転送決定部、 64 取得部、 66 生成部、 70 表示部、 72 抽出部、 74 キャリアセンス部、 80 第1処理部、 82 受付部、 84 第2処理部、 100 通信システム。

Claims (4)

  1. 車両に搭載可能な無線装置であって、
    他の無線装置からのパケット信号を受信する受信部と、
    本無線装置が搭載される車両の情報を取得する取得部と、
    前記取得部において取得した情報と、前記受信部において受信したパケット信号に含まれた情報と、判定しきい値とをもとに、車両を運転する運転者に提供すべき支援を決定する第1処理部と、
    前記第1処理部において決定した支援を表示する表示部と、
    前記表示部において表示した支援に応じて運転者が運転した結果の情報を受けつける受付部と、
    前記受付部において受けつけた情報と、前記第1処理部において決定した支援に対する基準値とをもとに、前記第1処理部において使用される判定しきい値を調節する第2処理部と、
    を備えることを特徴とする無線装置。
  2. 前記第2処理部は、前記第1処理部が支援を決定する範囲が、所定の範囲よりも広がるように判定しきいを調節することを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
  3. 前記受信部において受信したパケット信号には、信号機の灯色の情報が含まれ、
    前記取得部は、信号機までの距離の情報を取得し、
    前記第1処理部は、前記取得部において取得した信号機までの距離の情報が、判定しきい値よりも短く、かつ信号機の灯色が赤色である場合に、信号の見落としを防止するための支援を決定し、
    前記受付部は、前記表示部が支援を表示してから車両が減速開始するまでの時間を受けつけ、
    前記第2処理部は、前記受付部が受けつけた時間が基準値以上である場合、判定しきい値を大きくすることを特徴とする請求項1または2に記載の無線装置。
  4. 前記受信部において受信したパケット信号には、他の無線装置が搭載された対向車両の速度の情報が含まれ、
    前記取得部は、車両の速度の情報を取得し、
    前記第1処理部は、車両の速度と対向車両の速度とをもとに、対向車両が交差点に到達するまでの第1時間と、車両が交差点から抜け出すまでの第2時間とを導出し、第1時間と第2時間との差異が判定しきい値以下である場合に、右折時の衝突を防止するための支援を決定し、
    前記受付部は、前記表示部が支援を停止してから車両が発進開始するまでの時間を受けつけ、
    前記第2処理部は、前記受付部が受けつけた時間が基準値以上である場合、判定しきい値を大きくすることを特徴とする請求項1または2に記載の無線装置。
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