JP5703689B2 - 車両用走行制御装置 - Google Patents
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Description
一方、コースト状態でエンジンの始動および変速の要求が共に発生した場合、エンジン始動に伴う駆動力の変動や変速ショック等を生じさせることがないように、これらの制御を両立させる必要がある。
即ち、従来の技術においては、コースト状態においてエンジンの始動と変速の制御とを行う上で改善の余地があった。
本発明の課題は、コースト状態においてエンジンの始動と変速の制御とをより適切に行うことである。
したがって、コースト状態においてエンジンの始動と変速の制御とをより適切に行うことができる。
(第1実施形態)
図1は本発明の車両用走行制御装置を適用したハイブリッド車両の概要構成図である。図1に示すハイブリッド車両は後輪駆動の例であるが、前輪駆動であっても本発明は適用可能である。
(駆動系の構成)
まず駆動系(パワートレーン)の構成について説明する。
本実施形態のパワートレーンは、図1に示すように、エンジン1から左右後輪(駆動輪)までのトルク伝達経路の途中に、モータ2及び自動変速機3(AT=トランスミッションT/M)を介装する。エンジン1とモータ2との間に、第1クラッチ4を介装する。また、モータ2と駆動輪(後輪)との間のトルク伝達経路に第2クラッチ5を介装する。この例では、第2クラッチ5は、自動変速機3(AT=トランスミッションT/M)の一部を構成する。自動変速機3は、プロペラシャフト、ディファレンシャル6、及びドライブシャフトを介して駆動輪7(後輪)に接続する。
上記モータ2は、例えばロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルを巻き付けた同期型モータである。モータ2は、後述するモータコントローラ23からの制御指令に基づき、後述のインバータ8で作り出した三相交流を印加することで制御出来る。このモータ2は、後述のバッテリ9からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできる(この状態を「力行」と呼ぶ)。また、モータ2は、ロータが外力により回転している場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能してバッテリ9を充電することもできる(この動作状態を「回生」と呼ぶ)。このモータ2のロータは、図外のダンパーを介して自動変速機3の入力軸に連結する。
上記自動変速機3は、例えば、前進7速後退1速や前進6速後退1速等の有段階の変速比を、車速や後述の統合コントローラ21から入力した変速用アクセル開度等に応じて自動的に切り換える変速機である。ここで、上記第2クラッチ5は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機3の各変速段にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、いくつかの摩擦締結要素を流用して構成する。
また、各輪には、それぞれブレーキユニット(不図示)を備える。各ブレーキユニットは、例えばディスクブレーキやドラムブレーキからなる。各ブレーキユニットは、油圧ブレーキ装置であっても、電動ブレーキ装置であっても良い。各ブレーキユニットは、ブレーキコントローラ25からの指令に応じて、対応する車輪に制動力を付与する。なお、ブレーキユニットは、全ての車輪に設ける必要はない。
符号33は運転者によって操作されるアクセルペダル33である。このアクセルペダル33のアクセル開度APOは、アクセルセンサ20によって検出され、アクセルセンサ20は、検出したアクセル開度APO情報を統合コントローラ21に出力する。
また、符号34はペダルアクチュエータ34である。ペダルアクチュエータ34は、車間制御コントローラ31からの指令に応じたペダル反力をアクセルペダル33に付与するアクチュエータである。
また符号27は車輪速センサである。車輪速センサ27は、検出した車輪速情報をブレーキコントローラ25に出力する。また、車輪速情報から求まる車速情報は、ブレーキコントローラ25から統合コントローラ21及び車間制御コントローラ31に出力される。
また符号35は、運転者に走行状態を提示するためのメータである。メータ35は、オートクルーズの情報などを表示する。
符号28は、ステアリングスイッチである。ステアリングスイッチ28は、自動走行制御であるオートクルーズ走行の起動や走行条件(目標車速等)の変更指示あるいはマニュアル操作によるシフトアップおよびシフトダウンの切り替え指示を運転者が行うための操作子である。ここで、本実施形態のクルーズ走行は、定速走行制御(定速クルーズ)及び車間制御制御(車間クルーズ)の両方を含む。
符号18はバッテリ9の電圧を検出する電圧センサである。符号19はバッテリ9の電流を検出する電流センサである。
上記ハイブリッド車両の制御系は、図2に示すように、エンジンコントローラ22と、モータコントローラ23と、インバータ8と、バッテリコントローラ26と、ATコントローラ24と、ブレーキコントローラ25と、統合コントローラ21と、を有する。また、本実施形態のハイブリッド車両の制御系は、車間制御コントローラ31を有する。
なお、エンジンコントローラ22と、モータコントローラ23と、ATコントローラ24と、ATコントローラ24と、ブレーキコントローラ25と、車間制御コントローラ31と、統合コントローラ21とは、互いに情報交換が可能なCAN通信線(不図示)を介して接続する。
バッテリコントローラ26は、バッテリ9の充電状態をあらわすバッテリSOCを監視している。バッテリコントローラ26は、バッテリSOC情報を、モータ2の制御情報等として、CAN通信線を介して統合コントローラ21へ供給する。
本実施形態においては、コースト走行中に変速要求とエンジン1の始動要求が同時に生じた場合、後述するエンジン始動判定処理によって統合コントローラ21がエンジン1の始動を領域Aの完了まで遅延させ、ATコントローラ24による変速制御を優先する。
上記統合コントローラ21は、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ10、モータ回転数Nmを検出するモータ回転センサ11、変速機入力回転数を検出するAT入力回転センサ12、変速機出力回転数を検出するAT出力回転センサ13からの情報を入力する。また、統合コントローラ21は、アクセルセンサ20からアクセル開度APO情報、バッテリコントローラ26からバッテリ9の蓄電状態SOCの情報を入力する。また、上記統合コントローラ21は、CAN通信線を介して取得した情報を出力する。
車両停止中において、バッテリSOCの低下時であれば、エンジン1を始動して発電を行い、バッテリ9を充電する。そして、バッテリSOCが通常範囲になれば、第1クラッチ4は締結で第2クラッチ5は解放のままでエンジン1を停止する。
エンジン1による発進時には、アクセル開度APOとバッテリSOC状態によって、モータ2を連れ回し、力行/発電に切り替える。
ブレーキON減速時には、運転者のブレーキ操作に応じた減速力を回生協調ブレーキ制御にて得る。
エンジン走行やモータ走行中における変速時には、加減速中の変速に伴う回転数合わせのために、モータ2を回生/力行させ、トルクコンバータ無しでのスムーズな変速を行う。
図3は、本実施形態の統合コントローラ21の制御における指令値の基本的な流れを示す概要構成図を例示するものである。また、図4は本実施形態の統合コントローラ21の制御を機能的に説明する機能ブロック図である。
統合コントローラ21は、図4に示すように、要求発電トルク演算部21A、要求エンジントルク演算部21B、モータ出力可能トルク演算部21C、目標駆動トルク演算部21D、車両状態モード決定部21E、エンジン始動制御部21F、エンジン停止制御部21G、目標エンジントルク算出部21H、目標モータトルク算出部21J、目標クラッチトルク算出部21Kを備える。
要求エンジントルク演算部21Bは、車速などの走行状態や要求発電トルク演算部21Aが演算した要求発電トルク等に基づき、エンジン1で発生すべき要求エンジントルクを演算する。
モータ出力可能トルク演算部21Cは、バッテリコントローラ26からのSOCなどのバッテリ情報や、車速などに基づき、モータ2が出力可能なモータ出力可能トルクを演算する。
ドライバ要求トルク演算部21Daは、少なくともアクセルペダル33のアクセル開度APO情報及び車速に基づき、ドライバ要求トルクを演算する。ドライバ要求トルク演算部21Daは、図3に示す例では、アクセル開度APO及び変速機入力回転数を入力し、ベーストルクマップを参照して基本ドライバ要求トルクを演算する。また、車速に基づき、クリープ・コースト駆動力テーブルを参照して第1の補正トルクを演算する。また、アクセル開度APO情報、変速機入力回転数、SOC等に基づく電力制限情報に基づき、MGアシストトルクMAPを参照して、第2の補正トルクを算出する。そして、ドライバ要求トルク演算部21Daは、演算した基本ドライバ要求トルク、第1の補正トルク、第2の補正トルクに基づき、最終的なドライバ要求トルクを求める。
車速リミッタトルク演算部21Ddは、ステアリングスイッチ28によって設定される設定車速及び現在の車速に基づき、上限の車速以下とするための車速リミッタトルクを演算する。
最終目標駆動トルク演算部21Deは、第1目標駆動トルク演算部21Dcが出力する第1目標駆動トルクと、車速リミッタトルク演算部21Ddが演算した車速リミッタトルクとのセレクトローを実施する。すなわち、第1目標駆動トルクを車速リミッタトルクで制限して、目標駆動トルクを求める。
エンジン始動判定処理部21Eaは、エンジン始動について判定する。本実施形態のエンジン始動判定処理部21Eaでは、アクセル開度APOに基づくエンジン始動要求、システムによるエンジン始動要求(バッテリSOCの低下時等)、クルーズによるエンジン始動要求等に対して、エンジン始動の判定を行い、エンジン始動要求をONにする。
また、本実施形態のエンジン始動判定処理部21Eaは、EVモードでエンジン始動要求が生じた場合、後述するエンジン始動判定処理を行う。
・アクセル開度APOが予め設定したエンジン停止開度以下
・クルーズ要求トルク(目標駆動トルク)が予め設定したエンジン停止トルク以下
ただし、システム要求による停止禁止要求がある場合には、エンジン停止要求をOFFとする。システム要求による停止禁止要求とは、例えばSOCが予め設定した値以下に低下している場合、水温が予め設定した温度以下の場合、モータ2の許容回転数以上の車速などの場合である。
エンジン停止制御部21Gは、エンジン停止指令(エンジン停止フラグがON)を取得すると起動し、エンジン走行から、モータ2を駆動してEVモードへの移行処理を行う。
なお、図3におけるVAPO演算21Lは、クルーズ要求トルクから逆算して対応する推定アクセル開度を演算して、演算した推定アクセル開度を変速用アクセル開度としてATコントローラ24に出力する。
エンジン始動判定処理部21Eaの処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。
図8は統合コントローラ21のエンジン始動判定処理部21Eaが実行するエンジン始動判定処理を示すフローチャートである。なお、エンジン始動判定処理は、EVモードにおいてエンジン1の始動要求が発生した場合に実行する処理である。
エンジン始動判定処理を開始すると、エンジン始動判定処理部21Eaは、現在の走行状態がコースト状態であるか否かの判定を行う(ステップS101)。コースト状態であるか否かは、アクセル開度APOがゼロであるか否かによって判定できる。
一方、ステップS101において、コースト状態であると判定した場合、エンジン始動判定処理部21Eaは、自動変速機3の変速要求があるか否かの判定を行い(ステップS102)、変速要求がないと判定した場合、エンジン始動判定処理を終了する。この場合も、車速および要求トルク等に応じたエンジン始動シーケンス(基本エンジン始動シーケンス)に移行する。
一方、ステップS102において、自動変速機3の変速要求があると判定した場合、エンジン始動判定処理部21Eaは、ATコントローラ24に対し、変速の制御指令を出力する(ステップS103)。
例えば、始動目標回転数は、(目標変速段のギヤ比×第2クラッチ5の出力回転数×設定した係数)として定めることができる。ただし、このときの係数は、目標変速段に対して(−)側の回転数となるように定める。
なお、目標回転数は、エンジン始動を伴わないコーストダウン変速時の目標回転数に設定しても良い。
ステップS106において、第2クラッチ5の掛け替えが完了していないと判定した場合、エンジン始動判定処理部21Eaは、ステップS106の判定を繰り返し、第2クラッチ5の掛け替えが完了したと判定した場合、エンジン1の始動禁止フラグを解除(始動禁止フラグ=OFF)する(ステップS107)。
次に、エンジン始動判定処理部21Eaは、エンジン回転数が変速目標の変速段に対応する変速目標回転数に到達したか否かの判定を行い(ステップS110)、エンジン回転数が変速目標回転数に到達していないと判定した場合、ステップS110の判定を繰り返す。
一方、エンジン回転数が変速目標回転数に到達したと判定した場合、エンジン始動判定処理部21Eaは、エンジン始動フラグを解除(エンジン始動フラグ=OFF)し(ステップS111)、エンジン始動判定処理を終了する。
次に、ATコントローラ24が実行する変速制御処理について説明する。
図9は、ATコントローラ24が実行する変速制御処理を示すフローチャートである。
ATコントローラ24は、エンジン始動判定処理のステップS103において、エンジン始動判定処理部21Eaが変速の制御指令を入力することに対応して、変速制御処理を開始する。
変速制御処理を開始すると、ATコントローラ24は、変速制御のフェーズのうち、領域Aのトルク制御を開始する(ステップS201)。
一方、ステップS202において、第2クラッチ5の掛け替えが完了したと判定した場合、ATコントローラ24は、領域Aのフェーズが完了したことを示す領域A完了通知を統合コントローラ21に出力する(ステップS203)。
そして、ATコントローラ24は、モータ回転数Nmがエンジン1の始動目標回転数となっているか否かの判定を行う(ステップS205)。
ステップS205において、モータ回転数Nmがエンジン1の始動目標回転数となっていないと判定した場合、ATコントローラ24は、設定した変化率でモータ2によって回転数を変化させる制御を行う(ステップS206)。ステップS206の制御はフィードバック制御によって実行し、フィードバック制御が終了すると、ステップS205の判定に移行する。
ステップS207において、始動目標回転数到達通知が入力していないと判定した場合、ATコントローラ24は、ステップS207の判定を繰り返す。
一方、ステップS207において、始動目標回転数到達通知が入力したと判定した場合、ATコントローラ24は、第1クラッチ4の締結力を上昇させ、設定した変化率でモータ2の回転数を変化させる(ステップS208)。ステップS208の制御はフィードバック制御によって実行する。
ステップS209において、モータ2の回転数が変速目標回転数となっていないと判定した場合、ATコントローラ24は、ステップS209の判定を繰り返す。
一方、ステップS209において、モータ2の回転数が変速目標回転数となっていると判定した場合、ATコントローラ24は、エンジン始動制御部21Fからエンジン1の回転数が変速目標回転数に到達していることを示す変速目標回転数到達通知が入力したか否かの判定を行う(ステップS210)。
一方、ステップS210において、変速目標回転数到達通知が入力したと判定した場合、ATコントローラ24は、変速制御のフェーズのうち、領域B,Cの回転数制御から領域Dのトルク制御に移行する(ステップS211)。領域Dでは、変速ショックが生じない変化率で第2クラッチ5の入力側締結要素と出力側締結要素との締結力を上昇させ、最終的に完全締結した状態とする。
ステップS211の後、ATコントローラ24は、変速制御処理を終了する。
次に、エンジン始動制御部21Fが実行するエンジン始動制御処理について説明する。
図10は、エンジン始動制御部21Fが実行するエンジン始動制御処理を示すフローチャートである。
エンジン始動制御部21Fは、エンジン始動判定処理のステップS109において、エンジン始動判定処理部21Eaがエンジン始動シーケンスを起動することに対応して、エンジン始動制御処理を開始する。
エンジン始動制御処理を開始すると、エンジン始動制御部21Fは、エンジン始動時の始動目標回転数を設定する(ステップS301)。なお、始動目標回転数は、統合コントローラ21から入力する。
次に、エンジン始動制御部21Fは、エンジン回転数Neが始動目標回転数となっているか否かの判定を行う(ステップS303)。
一方、ステップS303において、エンジン回転数Neが始動目標回転数となっていると判定した場合、エンジン始動制御部21Fは、ATコントローラ24に対し、始動目標回転数到達通知を出力する(ステップS304)。
次に、エンジン始動制御部21Fは、エンジン回転数Neが変速目標回転数となっているか否かの判定を行う(ステップS305)。
ステップS305において、エンジン回転数Neが変速目標回転数となっていないと判定した場合、エンジン始動制御部21Fは、ステップS305の判定を繰り返す。
次に、エンジン始動制御部21Fは、要求エンジントルクおよび目標回転数に基づくエンジン制御を行う状態(通常の走行状態)に移行する(ステップS307)。
そして、エンジン始動制御部21Fは、エンジン始動制御処理を終了する。
次に、図11のタイムチャートを参照してハイブリッド車両の動作を説明する。
図11は、本発明におけるハイブリッド車両の動作を示すタイムチャートを示す図である。
図11では、EVモードにおいてエンジン始動要求が発生した場合(図8のエンジン始動判定処理が起動する場合)で、コースト状態のときのタイムチャートを示している。
時刻t3において、21フェーズが終了し、自動変速機3の掛け替えが完了すると、締結側締結要素の締結圧Apply_PRS及び解放側締結要素の締結圧Release_PRSを保持状態として、イナーシャフェーズを進行させる(図11(f),(g))。イナーシャフェーズの進行は回転数制御によって実行する。即ち、動力源の制御をトルク制御から回転数制御(領域B)に切り換える(31フェーズ)。
このような制御とすることで、ハイブリッド車両は、目標値のコースト駆動力(図11(c))に従った負側の駆動力を常に発生することとなる(図11(j))。
エンジン1が始動すると、エンジン回転数制御用フラグSIP:6からエンジン回転数制御用フラグSIP:4に設定を変更し、通常の変速制御におけるエンジン回転数制御を実行する(図11(d))。
また、自動変速機3の掛け替えを行わずに、現在の変速段に対応する回転状態に対して(−)側に滑り締結させると、変速後の回転変化方向((+)側)とは反対に変化することとなり、エンジン始動と変速制御とを行うときのレスポンスが低下することとなる。さらに、変速段によっては、ワンウェイクラッチの状態となるため、(−)側に滑り締結できず、始動ショックが生じることとなる。
さらに、上述のように、自動変速機3の掛け替えを行った後にイナーシャフェーズに移行させることにより、第1クラッチ4と第2クラッチ5とが同時にスリップし、内部回転関係が不明となって変速ショックを生じる事態を回避できる。
41フェーズが終了すると、エンジン回転数制御用フラグSIP:4を解除する(図11(d))。
時刻t5において、モータ2の回転数が変速目標回転数に到達し、イナーシャフェーズが完了すると、締結側締結要素の締結圧Apply_PRSを完全締結となるまで徐々に増加させると共に、解放側締結要素の締結圧Release_PRSを完全解放となるまで徐々に減少させる(411フェーズ)。
以上のように、本実施形態に係るハイブリッド車両は、コースト状態でエンジン1が停止しているときに、変速要求とエンジン始動要求とが発生すると、エンジン始動を禁止し、自動変速機3の掛け替えを行って出力軸の回転数を目標変速段に対応するものとする。そして、自動変速機3の掛け替え完了後に、エンジン1を始動する。
また、出力軸が高回転数の状態で第1クラッチ4を締結することから、始動時のエンジン回転数を変速前の変速段の回転数と変速後の変速段の回転数との間に設定できる。
そのため、エンジン始動および変速制御のレスポンスを向上させることができる。
そのため、始動目標回転数を現在の変速段の(+)側に設定しても、入力軸の回転数は出力軸の回転数に対して(−)側とできるため、本実施形態では負側の駆動力を維持することができる。
なお、本実施形態において、モータ2がモータに対応し、自動変速機3が変速機に対応し、統合コントローラ21がエンジン始動制御手段に対応する。また、統合コントローラ21およびATコントローラ24が変速制御手段に対応し、統合コントローラ21が始動判定手段に対応する。
(1)始動判定手段は、自車両がモータのみを駆動源として走行し、かつ、コースト状態であるときに、エンジンの始動要求と変速機の変速要求とが発生しているか否かを判定する。その判定条件に一致する場合、エンジン始動制御手段は、変速制御手段が現在の変速段から目標変速段に掛け替えを完了するまで前記エンジンの始動を禁止し、該掛け替えの完了後に、前記エンジンを始動させる。
したがって、本発明によれば、コースト状態においてエンジンの始動と変速の制御とをより適切に行うことができる。
したがって、出力軸に対し、エンジン始動時にも負側の駆動力を維持できる。また、始動後のエンジン回転数が変速後の出力時うの回転数に近いものとなるため、変速およびエンジン始動のレスポンスを向上させることができる。
Claims (2)
- 駆動源となるエンジンおよびモータと、
駆動源からの駆動力を異なるギヤ比で車輪に伝達する変速機と、
前記エンジンの始動を制御するエンジン始動制御手段と、
前記変速機の変速を制御する変速制御手段と、
自車両が前記モータのみを駆動源として走行し、かつ、コースト状態であるときに、前記エンジンの始動要求と前記変速機の変速要求とが発生しているか否かを判定する始動判定手段と、
を備え、
前記始動判定手段が、自車両が前記モータのみを駆動源として走行し、かつ、コースト状態であるときに、前記エンジンの始動要求と前記変速機の変速要求とが発生していると判定した場合に、前記エンジン始動制御手段は、前記変速制御手段が現在の変速段から目標変速段に掛け替えを完了するまで前記エンジンの始動を禁止し、該掛け替えの完了後に、前記エンジンを始動させるようになっており、
前記エンジン始動制御手段は、前記変速機のトルク制御が完了してイナーシャフェーズに移行するタイミングで前記掛け替えが完了したと判断することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 前記エンジン始動制御手段は、前記エンジンの始動要求が発生したときの変速段に対応する出力軸の回転数と、前記目標変速段に対応する出力軸の回転数との間の始動目標回転数で、前記エンジンを始動することを特徴とする請求項1記載の車両用走行制御装置。
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