JP5754930B2 - トナー担持体、プロセスカ−トリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1では、メチルメタクリレ−トモノマ−と含窒素ビニルモノマ−の共重合体を含有するトナー担持体が報告されている。また特許文献2では、炭素数4以上のアルキル鎖を有するメタクリル酸エステルモノマ−とアミノ基を有するメタクリル酸エステルモノマ−との共重合体を含有するトナー担持体が報告されている。さらに特許文献3ではアミノ基を含有するモノマ−とフッ素基を含有するモノマ−、及びビニル基を有するカップリング剤とのブロック共重合体を含有するトナー担持体が報告されている。
しかし特許文献1及び2では、高温高湿環境下に長期間放置した際に、帯電付与性の不足が生じる可能性がある。また特許文献3では、高温高湿環境下と低温低湿環境下での帯電付与性の差が大きく、特に低温低湿環境下での過剰な帯電付与による画像不具合が起こる可能性があり、環境変動の点において改良の余地がある。
さらに本発明の他の目的は、高品位な電子写真画像の安定的な提供に資するプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
該表面層は、
下記化学式(1)で示される構造と下記化学式(2)で示される構造から選ばれる少なくとも一方の構造を有する主鎖に、下記化学式(3)で示される構造を有しており、かつ、該主鎖よりも重合度が小さい重合体からなる側鎖が結合したグラフト共重合体、
および
ポリオールとイソシアネートとを反応させてなる樹脂、ポリオールとメラミンとを反応させてなる樹脂およびフェノール樹脂から選ばれる何れかの樹脂を含むことを特徴とするトナー担持体:
さらに本発明の他の態様によれば、潜像を担持する感光体に対向した状態でトナーを担持するトナー担持体を備え、該トナー担持体が前記感光体にトナーを付与することにより該潜像を現像する電子写真装置において、該トナー担持体が上記のトナー担持体である電子写真装置が提供される。
<基体>
基体2は、トナー担持体1の電極及び支持部材として機能するもので、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼の如き金属又は合金;クロム、又はニッケルで鍍金(めっき)処理を施した鉄;導電性を有する合成樹脂の如き導電性の材質で構成される。
非磁性一成分接触現像系プロセスでは、弾性層を有するトナー担持体が好適に用いられる。
弾性層3中には、導電性付与剤、非導電性充填剤、架橋剤、触媒の如き各種添加剤が適宜配合される。導電性付与剤としては、カ−ボンブラック;アルミニウム、銅の如き導電性金属;酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタンの如き導電性金属酸化物の微粒子を用いることができる。このうち、カ−ボンブラックは比較的容易に入手でき、良好な導電性が得られるので特に好ましい。導電性付与剤としてカ−ボンブラックを用いる場合は、ゴム材中のゴム100質量部に対して10〜80質量部配合される。非導電性充填剤としては、シリカ、石英粉末、酸化チタン、酸化亜鉛又は炭酸カルシウムが挙げられる。架橋剤としては、ジ−t−ブチルパ−オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ−オキシ)ヘキサン又はジクミルパ−オキサイドが挙げられる。
表面層4は、下記化学式(1)および下記化学式(2)で示される構造から選ばれる少なくとも一方の構造を有する重合体からなる主鎖と、該主鎖よりも重合度が小さく、かつ、下記化学式(3)で示される構造を有する重合体からなる側鎖が該主鎖に結合してなるグラフト共重合体を含有する。
当該重合体中に、化学式(1)で示される構造を与えるモノマ−の具体例を以下に挙げる。
N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、N,N−メチルラウリルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリレ−ト」はメタクリレ−トあるいはアクリレ−トを意味する(以下、同様)。
(メタ)アクリル酸トリメチルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸トリメチルアミノメチルカチオン、(メタ)アクリル酸ジメチルブチルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸トリエチルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸ジメチルオクチルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸ジエチルオクチルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸ジメチルラウリルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸トリブチルアミノエチルカチオン等の臭化物、塩化物、パラトルエンスルホン酸塩、ナフチルスルホン酸塩等が挙げられる。
なお、「(メタ)アクリル酸」はメタクリル酸あるいはアクリル酸を意味する(以下、同様)。
上記の3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するモノマ−を主鎖成分とするグラフト共重合体は、高い帯電付与性を示し、またバインダ−樹脂に対し、適度な極性差を生じるため、トナー担持体として好適である。
メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、n−ブチル(メタ)アクリレ−ト、tert−ブチル(メタ)アクリレ−ト、iso−ブチル(メタ)アクリレ−ト、n−アミル(メタ)アクリレ−ト、n−ヘキシル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、n−オクチル(メタ)アクリレ−ト、iso−オクチル(メタ)アクリレ−ト、n−ノニル(メタ)アクリレ−ト、n−ラウリル(メタ)アクリレ−ト、n−トリデシル(メタ)アクリレ−ト、n−ステアリル(メタ)アクリレ−ト、イソボニル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト。
該グラフト共重合体の重量平均分子量は8000〜100000が好ましい。重量平均分子量がこの範囲であると、合成の際、主鎖、側鎖の比率制御が容易であり、バインダ−樹脂との相溶性が良好となる。
本発明において、表面層4に含有されるバインダ−樹脂成分は、ポリオールとイソシアネートとを反応させてなる樹脂、ポリオールとメラミンとを反応させてなる樹脂およびフェノール樹脂から選ばれる何れかの樹脂を含む。
ここで、ポリオールとしては、脂肪族ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリブタジエンジオール、ポリイソプレンジオールおよびアクリルポリオールから選ばれる何れかを好適に用いることができる。
さらに具体的には、該脂肪族ポリエステルジオールとしては、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、1,4−ブタンジオール又は3−メチル−1,5−ペンタンジオールと、アジピン酸又はセバシン酸との縮合反応により得られるものが挙げられる。
また、ポリカーボネートジオールとしては、1,6−ヘキサンジオールまたは3−メチル−1,5−ペンタンジオールと、アジピン酸とホスゲンとの縮合反応により得られるポリカーボネートジオールが挙げられる。
さらに、アクリルポリオールとしては、水酸基を含有する(メタ)アクリレートと炭素数が8以下であるアルキル基の(メタ)アクリル酸エステルとの二元共重合体、および、水酸基を含有する(メタ)アクリレートと炭素数が8以下であるアルキル基の(メタ)アクリル酸エステルとスチレンとの三元共重合体が挙げられる。
特にポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル系ポリウレタン樹脂及び/又は脂肪族系ポリエステルポリウレタン樹脂を用いた場合、トナー由来の付着物(いわゆるフィルミング)が特に少なく、帯電付与剤添加の効果が長期に渡って持続する。このため、これらの樹脂が好ましい。
またポリエステルポリオ−ルとしては、1,4−ブタンジオ−ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオ−ルと、アジピン酸、セバシン酸等のジカルボン酸との縮合反応により得られる脂肪族ポリエステルポリオ−ルが挙げられる。これらのポリオ−ル成分は必要に応じてあらかじめ2,4−トリレンジイソシアネ−ト(TDI)、1,4ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(MDI)、イソホロンジイソシアネ−ト(IPDI)の如きイソシアネ−トにより鎖延長したプレポリマ−としてもよい。
さらにアクリル系であれば、水酸基を含有するメタクリレート又は水酸基を含有するアクリレート、炭素数が8以下であるアルキル基のメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステル及び/又はスチレンを共重合して得られるアクリルポリオールを用いると、該グラフト共重合体との極性差が適当となり、高い帯電付与性と帯電付与性の環境変化抑制が両立できる。
さらにフェノール樹脂も上記の如きポリウレタン樹脂、メラミン硬化樹脂と同程度の極性を呈するため、好ましく用いることが可能である。
本発明のプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置は、上記本発明のトナー担持体を有するものであれば、複写機、ファクシミリ、又はプリンタ−に限定されるものではない。
紙22の搬送経路上には、転写されたトナー像を紙22の上に定着させる定着装置15が配置される。
以下にグラフト共重合体合成の参考として合成例を示す。
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレ−ト/メチルアクリレ−ト グラフト共重合体(グラフト共重合体A−1)の合成;
1−1. 片末端にアクリロイル基を有するメチルアクリレ−トマクロモノマ−の合成;
アルゴン雰囲気下で、無水THF 400ml中に表1に記載の材料を加えた。
、Mw/Mn=1.10の片末端に水酸基を有するポリメチルアクリレ−トを得た。
更に、このポリメチルアクリレ−ト77.4gを無水THF
450mlに溶解し、トリエチルアミン 38.4g (0.38mol)、塩化アクリロイル
34.6g (0.38mol)を加え、室温で6時間反応させた。この反応物をメタノ−ル2L中に加え、沈殿物をメタノ−ルで洗浄した後、減圧下でメタノ−ルを留去し、片末端にアクリロイル基を有するメチルアクリレ−トマクロモノマ−を得た。
グラフト共重合体の合成;
アルゴン雰囲気下で、表2に記載の材料を、メチルエチルケトン 873.5g に溶解させ、温度80℃で3時間反応させた。
グラフト共重合体A−1(50%メチルエチルケトン溶液)を得た。得られたグラフト共重合体の重量平均分子量は88000であった。
N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレ−ト/2−エチルヘキシルメタクリレ−ト
グラフト共重合体(グラフト共重合体A−7)の合成;
2−1. 片末端にアクリロイル基を有する2−エチルヘキシルメタクリレ−トマクロモノマ−の合成;
アルゴン雰囲気下で、無水THF400ml中に、表3に記載の材料を加えた。
、Mw/Mn =1.16の片末端に水酸基を有するポリ2−エチルヘキシルメタクリレ−トを得た。
さらに、このポリ2−エチルヘキシルメタクリレ−ト178.2g を無水THF 450mlに溶解し、トリエチルアミン 7.07g(70.0mmol)、塩化アクリロイル
6.37g(70.0mmol)を加え室温で6時間反応させた。この反応物をメタノ−ル2L中に加え、沈殿物をメタノ−ルで洗浄した後、減圧下でメタノ−ルを留去し、片末端にアクリロイル基を有する2−エチルヘキシルメタクリレ−トマクロモノマ−を得た。
グラフト共重合体の合成;
アルゴン雰囲気下で 、上記2−1で合成した、片末端にアクリロイル基を有するポリ2−エチルヘキシルメタクリレ−トマクロモノマ−277.2g、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレ−ト370.0g、過酸化ベンゾイル1.90gをメチルエチルケトン647.2gに溶解した。そして、80℃で3時間反応させた。この反応物を0℃に冷却し、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト/2−エチルヘキシルメタクリレ−ト
グラフト共重合体A−7(50%メチルエチルケトン溶液)を得た。得られたグラフト共重合体の重量平均分子量は29000であった。
メタクリル酸ジエチルオクチルアミノエチルブロマイド/ブチルメタクリレ−ト グラフト共重合体(グラフト共重合体A−13)の合成;
3−1. 片末端にアクリロイル基を有するブチルメタクリレ−トマクロモノマ−の合成;
アルゴン雰囲気下で無水THF 400ml中に、表4に記載の材料を加え、さらにブチルメタクリレ−ト284.0g(2.0mol) を滴下し、5℃で1時間反応させた。
、Mw/Mn =1.10の片末端に水酸基を有するポリブチルメタクリレ−トを得た。さらにこのポリブチルメタクリレ−ト127.8gを無水THF 450mlに溶解し、トリエチルアミン 38.4g(0.38mol)、塩化アクリロイル
34.6g(0.38mol)を加え室温で6時間反応させた。この反応物をメタノ−ル2L中に加え、沈殿物をメタノ−ルで洗浄した後、減圧下でメタノ−ルを留去し、片末端にアクリロイル基を有するブチルメタクリレ−トマクロモノマ−を得た。
グラフト共重合体の合成;
回転機構付オ−トクレ−ブ中で乾燥エタノ−ル 600gにジエチルアミノエチルメタクリレ−ト
407.0g、臭化n−オクチル467.1gを加え、80℃の温度で3時間反応させた。次に反応混合物を5℃に冷却し、メタクリル酸ジエチルオクチルアミノエチルブロマイドを得た。
反応容器の内部をアルゴン置換した後、乾燥エタノ−ル 241.0g、前述の片末端にアクリロイル基を有するポリブチルメタクリレ−トマクロモノマ−9.37g
、過酸化ベンゾイル 2.50g を加え、80℃で3時間反応させた。この反応物を0℃に冷却し、メタクリル酸ジエチルオクチルアミノエチルブロマイド/ブチルメタクリレ−ト
グラフト共重合体A−13(50%エタノ−ル溶液)を得た。得られたグラフト共重合体の重量平均分子量は96000であった。
メタクリル酸ジメチルオクチルアミノエチルブロマイド/ブチルメタクリレ−ト グラフト共重合体(グラフト共重合体A−36)の合成;
4−1. 片末端にアクリロイル基を有するブチルメタクリレ−トマクロモノマ−の合成;
アルゴン雰囲気下で無水THF400ml中に、トリメチルシロキシエチルトリメチルシリルジメチルケテンアセタ−ル4.48g(16.0mmol)とトリスジメチルアミノスルファ−トリメチルシリルビフルオライド0.048g(0.176mmol)を加えた。さらにブチルメタクリレ−ト284.0g(2.0mol)を滴下し、5℃で2時間反応させた。次いでこの重合物を5%塩酸を添加したメタノ−ル3L中に加え、沈殿物をメタノ−ルで洗浄した。減圧下で溶媒を留去し、Mn=1050
、Mw/Mn =1.20の片末端に水酸基を有するポリブチルメタクリレ−トを得た。さらにこのポリブチルメタクリレ−ト127.8gを無水THF 450mlに溶解し、トリエチルアミン 19.2g(0.19mol)、塩化アクリロイル
17.3g(0.19mol)を加え室温で6時間反応させた。この反応物をメタノ−ル2L中に加え、沈殿物をメタノ−ルで洗浄した後、減圧下でメタノ−ルを留去し、片末端にアクリロイル基を有するブチルメタクリレ−トマクロモノマ−を得た。
グラフト共重合体の合成
回転機構付オ−トクレ−ブ中で乾燥エタノ−ル 600gにジメチルアミノエチルメタクリレ−ト
314.0g、臭化n−オクチル424.6gを加え、80℃の温度で3時間反応させた。次に反応混合物を5℃に冷却し、メタクリル酸ジメチルオクチルアミノエチルブロマイドを得た。
反応容器の内部をアルゴン置換した後、乾燥エタノ−ル 227.8g、前述の片末端にアクリロイル基を有するポリブチルメタクリレ−トマクロモノマ−127.8g
、過酸化ベンゾイル 2.50g を加え、80℃で3時間反応させた。この反応物を0℃に冷却し、メタクリル酸ジメチルオクチルアミノエチルブロマイド/ブチルメタクリレ−ト
グラフト共重合体A−36(50%エタノ−ル溶液)を得た。得られたグラフト共重合体の重量平均分子量は41000であった。
アルゴン雰囲気下で、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト314.0g(2.0mol)、メチルメタクリレ−ト160.0g(1.6mol)、過酸化ベンゾイル 1.42gを乾燥MEK(メチルエチルケトン)474.0gに溶解し、80℃で3時間反応させた。この反応物を0℃に冷却し、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト/メチルメタクリレ−ト
ランダム共重合体A−37(50%メチルエチルケトン溶液)を得た。得られたランダム共重合体の重量平均分子量は38000であった。
アルゴン雰囲気下で、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト314.0g(2.0mol)、過酸化ベンゾイル 0.94gを乾燥MEK 474.0gに溶解し、80℃で3時間反応させた。ついで第二段階としてメチルメタクリレ−ト160.0g(1.6mol)を20分間かけて滴下し、再び80℃で2.5時間反応させた。この反応物を0℃に冷却し、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト/メチルメタクリレ−ト ABジブロック共重合体A−39(50%メチルエチルケトン溶液)を得た。得られたブロック共重合体の重量平均分子量は46000であった。
メチルメタクリレ−ト/N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ−トグラフト共重合体(グラフト共重合体A−41)の合成(比較例6);
7−1. 片末端にアクリロイル基を有するN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ−トマクロモノマ−の合成;
アルゴン雰囲気下で、無水THF 400ml中に、トリメチルシロキシエチルトリメチルシリルジメチルケテンアセタ−ル4.48g(16.0mmol)とトリスジメチルアミノスルファ−トリメチルシリルビフルオライド0.048g(0.176mmol)を加えた。さらにN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト314.0g(2.0mol)を滴下し、5℃で1.5時間反応させた。次いでこの重合物を5%塩酸を添加したメタノ−ル3L中に加え、沈殿物をメタノ−ルで洗浄した。減圧下で溶媒を留去し、Mn=1600、Mw/Mn=1.28の片末端に水酸基を有するポリN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ−トを得た。さらにこのポリメチルメタクリレ−ト141.3gを無水THF450mlに溶解し、トリエチルアミン13.1g(0.13mol)、塩化アクリロイル11.8g(0.13mol)を加え、室温で6時間反応させた。この反応物をメタノ−ル2L中に加え、沈殿物をメタノ−ルで洗浄した後、減圧下でメタノ−ルを留去し、片末端にアクリロイル基を有するN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ−トマクロモノマ−を得た。
アルゴン雰囲気下で 、メチルメタクリレ−ト160.0g(1.6mol)、前述の片末端にアクリロイル基を有するポリN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ−トマクロモノマ−75.4g、過酸化ベンゾイル1.90gをメチルエチルケトン235.4gに溶解した。さらに、80℃で3時間反応させた。この反応物を0℃に冷却し、メチルメタクリレ−ト/N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ−トグラフト共重合体A−41(50%メチルエチルケトン溶液)を得た。得られたグラフト共重合体の重量平均分子量は33000であった。
8−1. 片末端にアクリロイル基を有するメチルメタクリレ−トマクロモノマ−の合成;
アルゴン雰囲気下で、無水THF 400ml中に、表5に記載の材料を加えた。
さらにこのポリメチルメタクリレ−ト90.0gを無水THF450mlに溶解し、トリエチルアミン11.1g(0.11mol)、塩化アクリロイル10.0g(0.11mol)を加え、室温で6時間反応させた。この反応物をメタノ−ル2L中に加え、沈殿物をメタノ−ルで洗浄した後、減圧下でメタノ−ルを留去し、片末端にアクリロイル基を有するメチルメタクリレ−トマクロモノマ−を得た。
グラフト共重合体の合成;
アルゴン雰囲気下で、乾燥エタノ−ル348.0g中に、アミノエチルメタクリレ−ト258.0g(2.0mol)、前述の片末端にアクリロイル基を有するポリメチルメタクリレ−トマクロモノマ−90.0g、過酸化ベンゾイル2.50gを加え、80℃で3時間反応させた。この反応物を0℃に冷却し、アミノエチルメタクリレ−ト/メチルメタクリレ−トグラフト共重合体A−43(50%エタノ−ル溶液)を得た。得られたグラフト共重合体の重量平均分子量は27000であった。
(実施例1)
−軸芯体2の調製−
軸芯体2として、SUS304製の直径6mmの芯金にプライマ−(商品名:DY35−051;東レ・ダウコ−ニング社製)を塗布、焼付けしたものを用意した。
ついで、軸芯体2を金型に配置し、表9に記載の材料を混合した付加型シリコ−ンゴム組成物を金型内に形成されたキャビティに注入した。
表面層4の材料として、表10に記載の材料をを撹拌混合し、総固形分比が30質量%になるようにMEKに溶解、混合した後、サンドミルにて均一に分散し、表面層形成用塗料B−1を得た。
グラフト共重合体A−1をA−2〜A−8に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜8のトナー担持体を得た。
表11に記載の材料を撹拌混合し、総固形分比が30質量%になるようにMEKに溶解、混合した後、サンドミルにて均一に分散し、表面層形成用塗料B−2を得た。
表12に記載の材料を撹拌混合し、総固形分比が30質量%になるようにMEKに溶解、混合した後、サンドミルにて均一に分散し、表面層形成用塗料B−3を得た。その後は、実施例9と同様にして実施例10のトナー担持体を得た。
表13に記載の材料を撹拌混合し、総固形分比が30質量%になるようにMEKに溶解、混合した後、サンドミルにて均一に分散し、表面層形成用塗料B−4を得た。
表14に記載の材料を撹拌混合し、総固形分比が30質量%になるようにMEKに溶解、混合した後、サンドミルにて均一に分散し、表面層形成用塗料B−5を得た。
表15に記載の材料を撹拌混合し、総固形分比が30質量%になるようにトルエンに溶解、混合した後、サンドミルにて均一に分散し、表面層形成用塗料B−6を得た。
表16に記載の材料を撹拌混合し、総固形分比が30質量%になるようにトルエンに溶解、混合した後、サンドミルにて均一に分散し、表面層形成用塗料B−7を得た。
表17に記載の材料を撹拌混合し、総固形分比が30質量%になるようにMEKに溶解、混合した後、サンドミルにて均一に分散し、表面層形成用塗料B−8を得た。
表18に記載の材料を撹拌混合し、総固形分比が30質量%になるようにトルエンに溶解、混合した後、サンドミルにて均一に分散し、表面層形成用塗料B−9を得た。
表19に記載の材料を撹拌混合し、総固形分比が30質量%になるようにメタノ−ルに溶解、混合した後、サンドミルにて均一に分散し、表面層形成用塗料B−10を得た。
グラフト共重合体A−1をA−9〜A−16に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例18〜25のトナー担持体を得た。
実施例8〜17において、グラフト共重合体A−8をA−17に変更した以外は実施例8〜17と同様にして実施例26〜35のトナー担持体を得た。
グラフト共重合体A−8をA−18〜A−36に変更した以外は実施例11と同様にして、実施例36〜54のトナー担持体を得た。
グラフト共重合体A−8をA−20に変更した以外は実施例10と同様にして、実施例55のトナー担持体を得た。
表20に記載の材料を撹拌混合し、総固形分比が30質量%になるようにMEKに溶解、混合した後、サンドミルにて均一に分散し、表面層形成用塗料B−11を得た。
表21に記載の材料を撹拌混合し、総固形分比が30質量%になるようにMEKに溶解、混合した後、サンドミルにて均一に分散し、表面層形成用塗料B−12を得た。
グラフト共重合体A−8をA−36に変更した以外は実施例10と同様にして、実施例58のトナー担持体を得た。
(実施例59)
グラフト共重合体A−20をA−36に変更した以外は実施例56と同様にして、実施例59のトナー担持体を得た。
(実施例60)
グラフト共重合体A−20をA−36に変更した以外は実施例57と同様にして、実施例60のトナー担持体を得た。
実施例1の表面層形成用塗料B−1にグラフト共重合体を添加せず、それ以外は実施例1と同様にして、比較例1のトナー担持体を得た。
(比較例2〜8)
グラフト共重合体A−1をランダム共重合体A−37〜A−43に変更した以外は実施例1と同様にして比較例2〜8のトナー担持体を得た。
表22に記載の材料を撹拌混合し、総固形分比が30質量%になるようにMEKに溶解、混合した後、サンドミルにて均一に分散し、表面層形成用塗料B−13を得た。
表23に記載の材料を撹拌混合し、総固形分比が30質量%になるようにトルエンに溶解、混合した後、サンドミルにて均一に分散し、表面層形成用塗料B−14を得た。
表24に記載の材料を撹拌混合し、総固形分比が30質量%になるようにMEKに溶解、混合した後、サンドミルにて均一に分散し、表面層形成用塗料B−15を得た。
以上のようにして得られた実施例1〜60及び比較例1〜11のトナー担持体について以下の項目を評価した。
トナー担持体の上に担持されたトナーを、金属円筒管と円筒フィルタ−により吸引捕集し、その際に金属円筒管を通じてコンデンサ−に蓄えられた電荷量Q、及び吸引したトナーの重量Mを測定した。これらの値から、単位面積当たりの電荷量Q/M(μC/g)を算出した。
本実施例中における数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)の測定に用いた装置、並びに条件は以下の通りである。
測定機器:HLC−8120GPC(東ソ−社製)
カラム:TSKgel SuperHZM−M(東ソ−社製)×2本
溶媒:THF(20mmol/L トリエチルアミン添加)
温度:40℃
THFの流速:0.6ml/分。
なお測定サンプルは0.1質量%のTHF溶液とした。更に検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いて測定を行った。
検量線作成用の標準試料として、TSK標準ポリスチレンA−1000、A−2500、A−5000、F−1、F−2、F−4、F−10、F−20、F−40、F−80、F−128(東ソ−社製)を用いて検量線の作成を行った。そして、これを基に得られた測定サンプルの保持時間から重量平均分子量を求めた。
低温低湿環境下における画像耐久性の評価は、以下の方法で行った。即ち、気温15℃、相対湿度10%RHの環境(以下、L/Lとも記す)下で、ブラックトナーで画像パタ−ンとして、1枚内で先端部に15mm角のベタ黒、その後に全面ハ−フト−ンの画像を印字した。次にハ−フト−ン部分に現れるトナー担持体周期の濃度ムラを目視評価し、以下の基準でゴ−ストの評価とした。
[L/Lゴ−スト評価]
A:ゴ−ストが全く認められない
B:極軽微なゴ−ストが認められる
C:顕著なゴ−ストが認められる
[フィルミング評価]
A:ロ−ラの表面にフィルミングがほぼ認められない
B:ロ−ラの表面に軽微なフィルミングが認められる
C:ロ−ラの表面に顕著なフィルミングが認められる
気温30℃、相対湿度80%RHの環境(以下、H/Hとも記す)下で、ブラックトナーで印字率2%にて12000枚連続印刷後、白ベタ画像出力中にプリンタ−を停止した。このとき、感光体の上に付着したトナーをテ−プではがし取り、反射濃度計(商品名:TC−6DS/A;東京電色社製)にて基準に対する反射率の低下量(%)を測定し、カブリ値とした。
[H/Hカブリ評価]
A:3%未満
B:3%以上5%未満
C:5%以上
以上の結果を表25〜表27に示す。
特にグラフト共重合体を構成するモノマ−が化学式(4)、(5)に示す構造を有する実施例51〜54、58〜60のトナー担持体は、帯電付与性と帯電付与性の環境依存性の低減が高いレベルで両立されている。さらに表面層4のバインダ−成分としてポリエ−テルポリウレタン樹脂及び/又は脂肪族系ポリエステルポリウレタン樹脂を含有する実施例55〜60は耐久後においても帯電付与性と帯電付与性の環境依存性の低減が高いレベルで両立されている。
またABジブロック型である比較例4、1級アミノ基を含有する比較例8はL/Lでの過剰な帯電付与性のため、画像弊害が認められた。
2:導電性軸芯体
3:弾性層
4:表面層
5:感光体
6:クリ−ニング部材
7:トナー供給ロ−ラ
8:トナー
9:規制ブレ−ド
10:現像装置
11:レ−ザ−光(画像露光光)
12:帯電部材
13:クリ−ニング装置
14:クリ−ニング用帯電装置
15:定着装置
16:駆動ロ−ラ
17:転写ロ−ラ
18:バイアス電源
19:テンションロ−ラ−
20:転写搬送ベルト
21:従動ロ−ラ
22:紙
23:給紙ロ−ラ
24:吸着ロ−ラ
25:浸漬槽
26:液送ポンプ
27:撹拌タンク
28:昇降装置
Claims (8)
- 基体と、導電性を有する表面層とを有するトナー担持体であって、
該表面層は、
下記化学式(1)で示される構造と下記化学式(2)で示される構造から選ばれる少なくとも一方の構造を有する主鎖に、下記化学式(3)で示される構造を有しており、かつ、該主鎖よりも重合度が小さい重合体からなる側鎖が結合したグラフト共重合体、
および
ポリオールとイソシアネートとを反応させてなる樹脂、ポリオールとメラミンとを反応させてなる樹脂およびフェノール樹脂から選ばれる何れかの樹脂を含む
ことを特徴とするトナー担持体:
- 前記ポリオールが、
脂肪族ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリブタジエンジオール、ポリイソプレンジオールおよびアクリルポリオールから選ばれる何れかである請求項1に記載のトナー担持体。 - 前記脂肪族ポリエステルジオールが、
ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、1,4−ブタンジオール又は3−メチル−1,5−ペンタンジオールと、アジピン酸又はセバシン酸との縮合反応により得られるものである請求項2に記載のトナー担持体。 - 前記ポリカーボネートジオールが、
1,6−ヘキサンジオールまたは3−メチル−1,5−ペンタンジオールと、アジピン酸と、ホスゲンとの縮合反応により得られるものである請求項2に記載のトナー担持体。 - 前記アクリルポリオールが、
水酸基を含有する(メタ)アクリレートと、炭素数が8以下であるアルキル基の(メタ)アクリル酸エステルを共重合して得られるものであるアクリルポリオールである請求項2に記載のトナー担持体。 - 少なくともトナー担持体を備え、電子写真装置に着脱可能なプロセスカ−トリッジにおいて、
前記トナー担持体が請求項1乃至6のいずれか一項に記載のトナー担持体であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。 - 潜像を担持する感光体に対向した状態でトナーを担持するトナー担持体を備え、該トナー担持体が前記感光体にトナーを付与することにより該潜像を現像する電子写真装置において、
前記トナー担持体が請求項1乃至6のいずれか一項に記載のトナー担持体であることを特徴とする電子写真装置。
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