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JP5750586B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、液体が入った容器が載置されるトッププレートを有する加熱調理器に関する。
従来より、トッププレートを有する加熱調理器は、トッププレート上のなべなどの容器からふきこぼれた液体を検出するために、容器が載置されるトッププレートの部分(すなわち、容器を加熱する加熱デバイスの上方に位置する部分)を囲む円形状または多角形状の電極を有する(例えば特許文献1参照)。
特開昭61−243690号公報
ところで、電極の静電容量の変化に基づいてふきこぼれた液体を高精度に検知するためには、ふきこぼれた液体によって生じる電極の静電容量の微小な変化を検知する必要がある。しかしながら、生産された複数の加熱調理器は、電極の抵抗値が異なることにより、ふきこぼれた液体によって生じる静電容量の微小な変化が異なることがある。そのため、同一量の液体が容器からふきこぼれた場合、ふきこぼれた液体を検知できることによって容器の加熱を停止するまたは加熱出力を低下させる制御を実行する加熱調理器と、ふきこぼれた液体を検知できずに該制御を実行しない加熱調理器とがあった。
そこで、本発明は、生産された複数の加熱調理器それぞれがふきこぼれた液体を高精度に且つ略同一の精度で検知できる構成の加熱調理器を提供することを課題とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1の態様によれば、容器を加熱する加熱調理器であって、前記容器が載置されるセラミック製のトッププレートと、前記トッププレートの下方に設けられて前記容器を加熱する加熱デバイスと、前記加熱デバイスの上方に位置する前記トッププレートの部分の外周に沿って配置された帯状のふきこぼれ検知部、交流電流を前記ふきこぼれ検知部に供給するための接点部、および前記接点部と前記ふきこぼれ検知部の一端とを電気的に接続する接続部を備えて前記トッププレートの下面に設けられた導電体の電極と、前記接点部を介して前記ふきこぼれ検知部に交流電圧を供給し、前記ふきこぼれ検知部の静電容量の増加または減少を検知する静電容量検知デバイスと、前記静電容量検知デバイスが検知する静電容量の変化に基づいて前記容器から液体がふきこぼれたことを検知すると、前記加熱デバイスに供給する電力を減少させるまたは電力供給を停止する制御デバイスと、を有し、前記電極の接点部が、前記ふきこぼれ検知部に比べて前記加熱デバイスから離れた位置であって且つ加熱調理器の正面側に設けられ、前記接続部が、少なくとも一部が前記ふきこぼれ検知部を挟んで前記加熱デバイスの上方に位置する前記トッププレートの部分に対向しつつ延在するように、前記ふきこぼれ検知部の外周側を通過して前記接点部に接続され、前記接続部の幅は、前記ふきこぼれ検知部および前記接点部の幅に比べて狭くされていることを特徴とする、加熱調理器が提供される。
本発明の第の態様によれば、前記ふきこぼれ検知部が、前記加熱デバイスの上方に位置する前記トッププレートの部分を囲む、加熱調理器の奥側に配置された奥側ふきこぼれ検知部と、前記奥側ふきこぼれ検知部に比べて加熱調理器の正面側に配置された正面側ふきこぼれ検知部とを含み、前記奥側ふきこぼれ検知部の一端と電気的に接続する前記接続部は、前記正面側ふきこぼれ検知部の外周側を通過する、第1の態様に記載の加熱調理器が提供される。
本発明によれば、ふきこぼれ検知部の一端に接続部を介して電気的に接続された接点部とふきこぼれ検知部の他端とを用いて電極の抵抗値を容易に検査できるため、電極の抵抗値が略同一である複数の加熱調理器を生産することが可能である。また、接点部と接続部とがふきこぼれ検知部に比べて加熱デバイスから離れているため、加熱デバイスの上方の容器から液体がふきこぼれた場合、接点部と接続部の静電容量は、ふきこぼれ検知部に比べて大きく変化しない。そのため、ふきこぼれ検知部の上方に位置するトッププレートの部分にふきこぼれた液体を高精度に検知することができる。これらにより、生産された複数の加熱調理器それぞれが、液体がふきこぼれたことを高精度に且つ略同一の精度で検知できる。
本発明のこれらの態様と特徴は、添付された図面についての好ましい実施形態に関連した次の記述から明らかになる。この図面においては、
本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の斜視図 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のトッププレートが分離した状態を示す斜視図 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のトッププレートを除いた状態を示す斜視図 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のトッププレートの下面を示す図 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の断面図 本発明の実施の形態2に係る加熱調理器のトッププレートの下面を示す図 本発明の実施の形態2に係る加熱調理器のトッププレートを除いた状態を示す斜視図
第1の発明は、容器を加熱する加熱調理器であって、前記容器が載置されるセラミック製のトッププレートと、前記トッププレートの下方に設けられて前記容器を加熱する加熱デバイスと、前記加熱デバイスの上方に位置する前記トッププレートの部分の外周に沿って配置された帯状のふきこぼれ検知部、交流電流を前記ふきこぼれ検知部に供給するための接点部、および前記接点部と前記ふきこぼれ検知部の一端とを電気的に接続する接続部を備えて前記トッププレートの下面に設けられた導電体の電極と、前記接点部を介して前記ふきこぼれ検知部に交流電圧を供給し、前記ふきこぼれ検知部の静電容量の増加または減少を検知する静電容量検知デバイスと、前記静電容量検知デバイスが検知する静電容量の変化に基づいて前記容器から液体がふきこぼれたことを検知すると、前記加熱デバイスに供給する電力を減少させるまたは電力供給を停止する制御デバイスと、を有し、前記電極の接点部が、前記ふきこぼれ検知部に比べて前記加熱デバイスから離れた位置であって且つ加熱調理器の正面側に設けられ、前記接続部が、少なくとも一部が前記ふきこぼれ検知部を挟んで前記加熱デバイスの上方に位置する前記トッププレートの部分に対向しつつ延在するように、前記ふきこぼれ検知部の外周側を通過して前記接点部に接続され、前記接続部の幅は、前記ふきこぼれ検知部および前記接点部の幅に比べて狭くされていることを特徴とする、加熱調理器である。
第1の発明によれば、ふきこぼれ検知部の一端に接続部を介して電気的に接続された接点部とふきこぼれ検知部の他端とを用いて電極の抵抗値を容易に検査できるため、電極の抵抗値が略同一である複数の加熱調理器を生産することが可能である。また、接点部と接続部とがふきこぼれ検知部に比べて加熱デバイスから離れているため、加熱デバイスの上方の容器から液体がふきこぼれた場合、接点部と接続部の静電容量は、ふきこぼれ検知部に比べて大きく変化しない。そのため、ふきこぼれ検知部の上方に位置するトッププレートの部分にふきこぼれた液体を高精度に検知することができる。これらにより、生産された複数の加熱調理器それぞれが、ふきこぼれた液体を高精度に且つ略同一の精度で検知できる。
また、の発明は、前記接続部の幅が、前記ふきこぼれ検知部および前記接点部の幅に比べて狭くされている。接続部の幅がふきこぼれ検知部の幅に比べて狭いため、すなわちふきこぼれ検知部は、接続部に比べて静電容量が敏感に変化しやすい。したがって、ふきこぼれ検知部の上方に位置するトッププレートの部分にふきこぼれた液体をさらに高精度に検知することができる。
の発明は、前記ふきこぼれ検知部が、前記加熱デバイスの上方に位置する前記トッププレートの部分を囲む、加熱調理器の奥側に配置された奥側ふきこぼれ検知部と、前記奥側ふきこぼれ検知部に比べて加熱調理器の正面側に配置された正面側ふきこぼれ検知部とを含み、前記奥側ふきこぼれ検知部の一端と電気的に接続する前記接続部が、前記正面側ふきこぼれ検知部の外周側を通過する、第1の発明の加熱調理器である。奥側ふきこぼれ検知部に接続する接続部が正面側ふきこぼれ検知部の外周側を通過するため、ふきこぼれた液体は、接続部の上方に到達する前に、正面側ふきこぼれ検知部の上方を通過する。そして、正面側ふきこぼれ検知部の静電容量の変化に基づいて、加熱デバイスは、その加熱出力が減少されるまたは停止される。そのため、接続部の上方にふきこぼれた液体が到達する可能性が低く、それにより接続部の静電容量が大きく変化しない。その結果、正面側または奥側ふきこぼれ検知部の静電容量の変化に基づいて、ふきこぼれた液体を検出することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本実施の形態に係る加熱調理器の斜視図、図2は本実施の形態に係る加熱調理器のトッププレートが分離した状態を示す斜視図、図3は本実施の形態に係る加熱調理器のトッププレートを除いた状態を示す斜視図である。また、図4は、本実施の形態に係る加熱調理器のトッププレートの下面を示す図である。さらに、図5は、本実施の形態に係る加熱調理器上の容器から液体がふきこぼれた状態を示す断面図である。
図1および図2に示すように、加熱調理器は、上部に開口部を有する本体1と、本体1の開口部を覆うセラミック製のトッププレート2とを有する。トッププレート2の上面には、鍋などの容器3が載置される位置を示す加熱位置表示部4が設けられている。トッププレート2の上面にはまた、加熱位置表示部4に対して加熱調理器の正面側に、加熱を開始するおよび加熱を停止するためなどの操作表示部5と、加熱状態などを表示する加熱状態表示部6とが設けられている。
図2および図3に示すように、本体1内において、トッププレート2の加熱位置表示部4の下方に加熱コイルなどの加熱デバイス7,8が設けられ、加熱デバイス7,8の下方に該加熱デバイス7,8の加熱出力を制御する制御デバイス9が配置されている。
また、本体1の外郭を構成する筐体は、電源コードを介してアースに接続されている。
本体1内において、加熱デバイス7,8に対して加熱調理器の正面側に、加熱出力又は加熱状態を示すための表示基板10が配置されている。表示基板10は、制御デバイス9と接続されている。
表示基板10は、加熱状態に基づいて発光するLEDやLCDなどを有する。このLEDやLCDが発光することにより、トッププレート2の加熱状態表示部6が加熱状態を表示することができる。
表示基板10はまた、操作用静電容量検知デバイス11を備えており、その操作用静電容量検知デバイス11は操作用接続端子12に接続されている。操作用静電容量検知デバイス11は、操作用接続端子12に交流電圧を供給し、操作用接続端子12に接続される操作用電極27の静電容量の増加または減少を検知するように構成されている。
さらに、表示基板10は、電極用静電容量検知デバイス13を備えており、その電極用静電容量検知デバイス13は電極用接続端子14に接続されている。電極用静電容量検知デバイス13はまた、電極用接続端子14を介して後述する電極15,16に交流電流を供給し、電極15,16の静電容量の増加または減少を検知するように構成されている。電極用静電容量検知デバイス13はさらに、静電容量の検知結果に基づいた信号を制御デバイス9に送信するように構成されている。
図4に示すように、トッププレート2下面には、電極15,16が設けられている。電極15,16は、トッププレート2の下面にカーボンを印刷することによって形成されている。代わりとして、予め形成された薄い銅板の電極15,16をトッププレート2の下面に貼り付けてもよい。
電極15は、加熱デバイス7の上方に加熱デバイス7と対向するように位置し、加熱デバイス7の上面と略同形状である範囲17で示されるトッププレート2の下面の部分の外周近傍に配置され且つ範囲17の外周に沿った略円弧形状に形成された帯状のふきこぼれ検知部18と、ふきこぼれ検知部18の一端に設けられてふきこぼれ検知部18に比べて幅が広い検査点部19と、ふきこぼれ検知部18の他端に接続された一端を備える接続部20と、接続部20の他端に設けられた接点部21とを備える。
電極15の接点部21は、ふきこぼれ検知部18に比べて加熱デバイス7(範囲17)から離れた位置であって且つ加熱調理器の正面側に設けられている。
また、電極15の接続部20は、ふきこぼれ検知部18の外周側(ふきこぼれ検知部18に比べて範囲17から遠い部分)を通過して、ふきこぼれ検知部18の他端と接点部21とを電気的に接続している。接続部20の幅は、ふきこぼれ検知部18、検査点部19、および接点部21の幅に比べて狭くされている。
このような電極15により、図5に示すように、加熱デバイス7に加熱されることによって容器3内の液体(調理対象)29がトッププレート2上にふきこぼれた場合、液体29はふきこぼれ検知部18の上方に位置するトッププレート2の部分またはその近傍にふきこぼれる。
同様に、電極16は、加熱デバイス8の上方に位置する範囲22の外周近傍に配置され且つ範囲22の外周に沿った略円弧形状に形成された帯状のふきこぼれ検知部23と、ふきこぼれ検知部23の一端に設けられてふきこぼれ検知部23に比べて幅が広い検査点部24と、ふきこぼれ検知部23の他端に接続された接続部25と、接続部25の他端に設けられた接点部26とを備える。
電極16の接点部26は、ふきこぼれ検知部23に比べて加熱デバイス8(範囲22)から離れた位置であって且つ加熱調理器の正面側に設けられている。
また、電極16の接続部25は、ふきこぼれ検知部23の外周側(ふきこぼれ検知部23に比べて範囲22から遠い部分)を通過して、ふきこぼれ検知部23の他端と接点部26とを電気的に接続している。接続部25の幅は、ふきこぼれ検知部23、検査点部24、および接点部26の幅に比べて狭くされている。
このような電極16により、加熱デバイス8によって加熱される容器3からふきこぼれた液体は、ふきこぼれ検知部23の上方に位置するトッププレート2の部分またはその近傍にふきこぼれる。
なお、ふきこぼれ検知部18,23と接続部20,25との表面上に、耐磨耗性、耐熱性、および/または絶縁性を備える材料を印刷してもよい。これにより、電極15,16の抵抗および静電容量の経時的な変化または組み立て作業時のこすれによる損傷を抑制することができる。
また、操作表示部5の下方に位置するトッププレート2の下面の部分には、操作用電極27が設けられている。補助電極28は、操作用電極27の一部である。
本体1上にトッププレート2が配置されると、電極15の接点部21と電極16の接点部26は、2つの電極用接続端子14とそれぞれ接触する。
また、本体1にトッププレート2が配置されたとき、補助電極28は、操作用接続端子12と接触する。
以上のような構成の本実施の形態に係る加熱調理器について、その動作、作用を説明する。
ユーザーが、例えば、範囲17上に範囲17に対向して設けられた加熱位置表示部4で示されるトッププレート2の部分に容器3を載置し、加熱デバイス7側の操作表示部5の加熱開始のためのボタンを選択して押すと、操作用電極27の静電容量が変化する。そして、操作用電極27の補助電極28と接触する操作用接続端子12に静電容量の変化が電圧の変化として伝わる。操作用接続端子12の電圧の変化に基づいて、操作用静電容量検知デバイス11は、ユーザーがボタンを押したことを認識し、制御デバイス9に加熱を開始するための信号を送信する。なお、容器3は水などの液体29の入った鍋などである。
その信号にしたがって制御デバイス9が加熱デバイス7への電力供給を制御することにより、加熱デバイス7が、容器3の加熱を開始する。加熱によって容器3内の液体29の温度が上昇する。加熱デバイス7の加熱出力が強い場合、液体29は、沸騰し、容器3の外にふきこぼれる。
ふきこぼれた液体29は、容器3の外面上を流れ、容器3の周囲のトッププレート2の部分に流れる。電極15のふきこぼれ検知部18の上方に位置するトッププレート2の部分に液体29が流れると、ふきこぼれ検知部18の静電容量は液体29の影響を受けて変化する。
電極用接続端子14を介して電極15に接続されている電極用静電容量検知デバイス13は、容器3の加熱中に、電極15のふきこぼれ検知部18の静電容量の変化量(増加量または減少量)が所定量を超えると、容器3から液体29がふきこぼれていると判定する。その判定後、電極用静電容量検知デバイス13は、加熱デバイス7の加熱出力を減少させるための信号または加熱デバイス7を停止させるための信号を制御デバイス9に送信する。信号を受け取った制御デバイス9は、加熱デバイス7の加熱出力を減少させるまたは加熱デバイス7を停止させる。
なお、厳密に言えば、電極用静電容量検知デバイス13は、電極用接続端子14を介して、ふきこぼれ検知部18と接続部20の両方の静電容量の変化を別々に検知している。
範囲17上の容器3から液体がふきこぼれた場合、ふきこぼれ検知部18に比べて範囲17から離れている接続部20は、ふきこぼれ検知部18に比べて、静電容量が大きく変化しない。また、ふきこぼれ検知部18は、接続部20の幅に比べて幅が広いため、接続部20に比べて静電容量が敏感に変化しやすい。したがって、電極用静電容量検出デバイス13は、ふきこぼれ検知部18の静電容量の変化を検出しているとみなすことができる。これにより、ふきこぼれ検知部18の上方に位置するトッププレート2の部分にふきこぼれた液体29を高精度に検知することができる。
補足すると、電極15の検査点部19は、電極15の先端であるため、ふきこぼれ検知部18に比べて静電容量は小さい。また、接点部21は、加熱デバイス7(その上方に位置する範囲17)に対して加熱調理器の正面側の離れた位置に配置されているため、容器3が範囲17の中心からずれて載置された場合であっても、ふきこぼれ検知部18に比べてその静電容量変化は小さい。
なお、ここまでは加熱デバイス7によって容器3を加熱する例を挙げたが、加熱デバイス8によって容器3を加熱する場合も同様である。
また、電極用静電容量検知デバイス13は、電極15,16の静電容量の変化量(増加量または減少量)が所定量を超えると容器3から液体29がふきこぼれていると判定するため、精度よく静電容量の変化を検知する必要がある。そのためには、電極15,16それぞれの抵抗値を、予め決められた抵抗値以下にする必要がある。
生産上のばらつきを考慮すると、電極15,16が予め決められた範囲内の抵抗値であるトッププレート2を得るためには、生産された複数のトッププレート2全ての電極15,16の抵抗値を検査することが望ましい。その検査を容易にするために、電極15,16は、2つの先端に、検査点部19,24と接点部21,26とを備える。電極15,16の抵抗値は、検査点部19,24と接点部21,26とに、抵抗値を測定する検査機(例えばテスターのテスター棒)を接触させることにより容易に測定することができる。これにより、電極15,16それぞれの抵抗値が予め決められた抵抗値である加熱調理器を実現することができる。その結果、ふきこぼれた液体29の検出精度が高く且つ略同一の検出精度の複数の加熱調理器を生産することができる。
なお、電極15の検査点部19、電極16の検査点部24は、検査機の先端(テスターのテスター棒)が接触可能な大きさ(例えば、幅5ミリ)であればよい。また、ふきこぼれ検知部18,23の先端を、検査点部として使用してもよい。
また、電極15,16の抵抗値の検査後に、電極15の接点部21以外の部分と、電極16の接点部26以外の部分とを絶縁塗膜によってコーティングしてもよい。これにより、結露によって電極15,16の抵抗値が変化することを抑制することができる。
(実施の形態2)
図6は本実施の形態に係る加熱調理器のトッププレート2の下面を示す図であり、図7は本実施の形態に係る加熱調理器のトッププレート2を除いた状態を示す斜視図である。
なお、実施の形態1と同一の部分の説明は省略し、異なる点を説明する。また、実施の形態1と同じ構成要素は、同じ符号が付されている。また、加熱デバイス7と加熱デバイス8は同一の構成であるため、加熱デバイス7についてのみ説明する。
図6に示すように、加熱デバイス7の上方に加熱デバイス7と対向するように位置し、加熱デバイス7の上面と略同形状であるトッププレート2の範囲17で示されるトッププレート2の下面の部分の外周近傍に、複数のふきこぼれ検知部が設けてられている。
ふきこぼれ検知部30は範囲17に対して加熱調理器の奥側に設けられ、ふきこぼれ検知部31は範囲17に対して加熱調理器の正面側に設けられ、ふきこぼれ検知部32は範囲17に対して加熱調理器の中央側に設けられている。
ふきこぼれ検知部30は、帯状であって、範囲17の外周近傍に配置され、且つ範囲17の外周に沿った略円弧形状である。ふきこぼれ検知部30の一端に、ふきこぼれ検知部30に比べて幅が広い検査点部33が設けられている。また、ふきこぼれ検知部30の他端は、範囲17に対して加熱調理器の正面側に位置する接点部35と、接続部34を介して電気的に接続されている。
ふきこぼれ検知部31は、帯状であって、範囲17の外周近傍に配置され、且つ範囲17の外周に沿った略円弧形状である。ふきこぼれ検知部31の一端に、ふきこぼれ検知部31に比べて幅が広い検査点部36が設けられている。また、ふきこぼれ検知部31の他端は、範囲17に対して加熱調理器の正面側に位置する接点部38と、接続部37を介して電気的に接続されている。
ふきこぼれ検知部32は、帯状であって、範囲17の外周近傍に配置され、且つ範囲17の外周に沿った略円弧形状である。ふきこぼれ検知部32の一端に、ふきこぼれ検知部32に比べて幅が広い検査点部39が設けられている。また、ふきこぼれ検知部32の他端は、範囲17に対して加熱調理器の正面側に位置する接点部41と、接続部40を介して電気的に接続されている。
図7に示す複数の電極用接続端子42は、電極用静電容量検知デバイス13に接続されている。そして、本体1上にトッププレート2が配置されると、接点部35,38,41それぞれは、電極用接続端子42と接触する。
このように、1つの加熱デバイスに対して複数のふきこぼれ検知部30,31,32が設けられるため、ふきこぼれ検知部30,31,32それぞれを短くすることができる。また、ふきこぼれ検知部30,31,32のようにふきこぼれ検知部が短くなればなるほど、抵抗値が小さくなり、ふきこぼれた液体29によって生じるその静電容量の変化量は大きくなる。そのため、少量のふきこぼれた液体29を検知することや、ふきこぼれの多少の識別が可能になる。これにより、容器3から液体29がトッププレート2にふきこぼれてすぐに、加熱デバイス7を停止するまたは加熱デバイス7の加熱出力を減少させることができる。あるいは、静電容量の変化を検知しても、その大小や静電容量の時間的変化を観測することにより、ふきこぼれでないことを識別して不必要に加熱出力を抑制したり加熱動作を停止したりすることを避けることができる。
また、加熱調理器の奥側に配置されたふきこぼれ検知部30に接続された接続部34は、他のふきこぼれ検知部31,32に接続された接続部37,40に比べて長いため、その上方に位置するトッププレート2の部分にふきこぼれた液体29が付着する確率が高い。そのため、接続部34は、ふきこぼれ検知部31,32の静電容量変化に無視できない影響を与える可能性が高い。
この対処として、接続部34をふきこぼれ検知部32の外周側(範囲17から遠い側)に配置する。ふきこぼれた液体29は、接続部34の上方に到達する前に、ふきこぼれ検知部32の上方を通過する。それにより、ふきこぼれ検知部32の静電容量の変化に基づいて、加熱デバイス7は、その加熱出力が減少されるまたは停止される。その結果、接続部34の存在によるふきこぼれの検知動作に与える影響を低くすることができる。これにより、ふきこぼれ検知部30,31,32の静電容量の変化に基づいて、液体29がふきこぼれたことをふきこぼれの方向に依存しない安定した感度で、精度良く検出することができる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
2010年1月29日に同日出願された日本国特許出願第2010−018168号、日本国特許出願第2010−018170号、日本国特許出願第2010−018171号、日本国特許出願第2010−018172号、および日本国特許出願第2010−018173号の明細書、図面、及び特許請求の範囲の開示内容は、全体として参照されて本明細書の中に取り入れられるものである。
以上のように、本発明により、液体が容器からふきこぼれたことを高精度に且つ略同一の精度で検知することができる複数の加熱調理器を生産することができる。また、本発明は、図6に示すように複数の電極を設けた場合であっても、電極の抵抗値を容易に短時間で検査することが可能なため、家庭用あるいは業務用に限らず、様々なデザインの加熱調理器に実施可能である。さらに、電極は、液体がふきこぼれたことを検知するため以外にも、ふきこぼれでなく使用者が容器をずらしたりしたことを検知するために使用できる。
1 本体
2 トッププレート
3 容器
4 加熱位置表示部
5 操作表示部
6 加熱状態表示部
7 加熱デバイス
8 加熱デバイス
9 制御デバイス
10 表示基板
11 操作用静電容量検知デバイス
12 操作用接続端子
13 静電容量検知デバイス
14 電極用接続端子
15 電極
16 電極
17 範囲
18 ふきこぼれ検知部
19 検査点部
20 接続部
21 接点部
22 範囲
23 ふきこぼれ検知部
24 検査点部
25 接続部
26 接点部
27 操作用電極
28 補助電極
29 液体
30,31,32 ふきこぼれ検知部
33 検査点部
34 接続部
35 接点部
36 検査点部
37 接続部
38 接点部
39 検査点部
40 接続部
41 接点部
42 電極用接続端子

Claims (2)

  1. 容器を加熱する加熱調理器であって、
    前記容器が載置されるセラミック製のトッププレートと、
    前記トッププレートの下方に設けられて前記容器を加熱する加熱デバイスと、
    前記加熱デバイスの上方に位置する前記トッププレートの部分の外周に沿って配置された帯状のふきこぼれ検知部、交流電流を前記ふきこぼれ検知部に供給するための接点部、および前記接点部と前記ふきこぼれ検知部の一端とを電気的に接続する接続部を備えて前記トッププレートの下面に設けられた導電体の電極と、
    前記接点部を介して前記ふきこぼれ検知部に交流電圧を供給し、前記ふきこぼれ検知部の静電容量の増加または減少を検知する静電容量検知デバイスと、
    前記静電容量検知デバイスが検知する静電容量の変化に基づいて前記容器から液体がふきこぼれたことを検知すると、前記加熱デバイスに供給する電力を減少させるまたは電力供給を停止する制御デバイスと、を有し、
    前記電極の接点部は、前記ふきこぼれ検知部に比べて前記加熱デバイスから離れた位置であって且つ加熱調理器の正面側に設けられ、
    前記接続部は、少なくとも一部が前記ふきこぼれ検知部を挟んで前記加熱デバイスの上方に位置する前記トッププレートの部分に対向しつつ延在するように、前記ふきこぼれ検知部の外周側を通過して前記接点部に接続され
    前記接続部の幅は、前記ふきこぼれ検知部および前記接点部の幅に比べて狭くされていることを特徴とする加熱調理器。
  2. 前記ふきこぼれ検知部は、前記加熱デバイスの上方に位置する前記トッププレートの部分を囲む、加熱調理器の奥側に配置された奥側ふきこぼれ検知部と、前記奥側ふきこぼれ検知部に比べて加熱調理器の正面側に配置された正面側ふきこぼれ検知部とを含み、
    前記奥側ふきこぼれ検知部の一端と電気的に接続する前記接続部は、前記正面側ふきこぼれ検知部の外周側を通過する請求項1に記載の加熱調理器。
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