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JP5664095B2 - スキュー検出方法、スキュー検出装置およびこれを備えた印刷装置 - Google Patents

スキュー検出方法、スキュー検出装置およびこれを備えた印刷装置 Download PDF

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JP5664095B2 JP2010225430A JP2010225430A JP5664095B2 JP 5664095 B2 JP5664095 B2 JP 5664095B2 JP 2010225430 A JP2010225430 A JP 2010225430A JP 2010225430 A JP2010225430 A JP 2010225430A JP 5664095 B2 JP5664095 B2 JP 5664095B2
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Description

本発明は、印刷に供される記録媒体のスキューを検出するスキュー検出方法、スキュー検出装置およびこれを備えた印刷装置に関する。
従来、この種のスキュー検出方法として、記録ヘッド(印刷ヘッド)を備えるキャリッジに搭載された光学センサーによって、印刷に供される用紙(記録媒体)の先端における2箇所の先端検出位置を検出し、用紙のスキュー(傾き)方向およびスキュー量を検出する方法が提案されている(特許文献1参照)。
この方法では、用紙に対面する光学センサーに対し、用紙を搬送方向に送って1つ目の先端検出位置を検出し、用紙を反搬送方向(搬送逆方向)に送って元の位置に戻すと共に光学センサーを搬送方向に直交する方向に所定距離移動させ、再び用紙を搬送方向に送って2つ目の先端検出位置を検出する。すなわち、光学センサーに対して用紙を搬送方向に往復動させることによって2つの先端検出位置を検出している。
特開2008−221748号公報
しかし、上記のようなスキュー検出方法では、1つの光学センサーによって用紙の先端の2箇所を検出するために、少なくとも1回は用紙を反搬送方向に送らなければならない。よって、印刷動作が開始される前の用紙の送り動作が複雑になると共に、用紙の送り方向を逆転させるためにスキュー検出動作の途中に用紙のスキュー量が変化する可能性もある。また、装置に用紙の送り方向を逆転させる機能が備えられていない場合は、スキュー検出を行うことができないという問題がある。
本発明は、上記の問題に鑑み、記録媒体の送り方向を逆転させることなく記録媒体のスキューを適切に検出することのできるスキュー検出方法、スキュー検出装置およびこれを備えた印刷装置を提供することを課題とする。
本発明のスキュー検出方法は、幅方向に直交する方向に送られる記録媒体に対して固定的に設けられ、記録媒体の先端をエッジ検出するための第1検出手段と、第1検出手段から記録媒体の送り方向下流側に離れた位置に設けられ、幅方向に走査されて記録媒体の側端をエッジ検出するための第2検出手段と、を用い、第2検出手段を、第1検出手段から幅方向に離れた検出位置まで移動させる第2検出手段移動工程と、第2検出手段移動工程の後、記録媒体を送り方向に送り、第1検出手段によって記録媒体の先端に対する第1のエッジ検出を行う第1検出工程と、第1検出工程の後、記録媒体をさらに送り方向に送り、第2検出手段によって記録媒体の先端に対する第2のエッジ検出を行う第2検出工程と、第2検出工程の後、第1のエッジ検出から第2のエッジ検出までに記録媒体が送られた送り距離を取得する送り距離取得工程と、送り距離と、送り方向における第1検出手段と第2検出手段との離間距離と、の差、および幅方向における第1検出手段と第2検出手段との離間距離に基づいて、記録媒体の傾き値を算出する傾き値算出工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明のスキュー検出装置は、幅方向に直交する方向に記録媒体を送る媒体送り手段と、固定的に設けられ、記録媒体の先端をエッジ検出するための第1検出手段と、記録媒体の側端をエッジ検出するための第2検出手段と、第1検出手段から記録媒体の送り方向下流側に離れた位置に設けられ、第2検出手段を幅方向に走査する走査手段と、媒体送り手段、第1検出手段、第2検出手段および走査手段と、を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、第2検出手段を、第1検出手段から前記幅方向に離れた検出位置まで移動させ、記録媒体を送り方向に送り、第1検出手段によって記録媒体の先端に対する第1のエッジ検出を行い、第1のエッジ検出の後、記録媒体をさらに送り方向に送り、第2検出手段によって記録媒体の先端に対する第2のエッジ検出を行い、第2のエッジ検出の後、第1のエッジ検出から第2のエッジ検出までに記録媒体が送られた送り距離を取得し、送り距離と、送り方向における第1検出手段と第2検出手段との離間距離と、の差、および幅方向における第1検出手段と第2検出手段との離間距離に基づいて、記録媒体の傾き値を算出することを特徴とする。
これらの構成によれば、記録媒体の送り方向および幅方向に離間した第1検出手段および第2検出手段を用いて記録媒体の先端の2箇所を検出するため、記録媒体の送り方向を逆転させることなくスキュー検出を行うことができる。よって、スキュー検出における記録媒体の送り動作を単純化することができると共に、記録媒体の送り方向を逆転させることによる記録媒体の傾き量の変化を抑制することができ、適切に記録媒体のスキューを検出することができる。また、記録装置に一般的に備えられている記録媒体の先端検出手段(先端検出センサー)と、側端(幅)検出手段(幅検出センサー)と、を用いてスキュー検出を行うことができるため、スキュー検出のための検出手段を設ける必要がなく、コストアップを抑えることができる。さらに、制御系のソフトウェアを変更するだけで、既存の印刷装置にも搭載することができる。
この場合、上記の工程を、記録媒体の印刷開始位置が印刷ヘッドに達するまで記録媒体を送る動作中に行うことが好ましい。
この構成によれば、スキュー検出を印刷動作を開始するまでの送り動作中に行うため、印刷動作が開始される前にスキュー検出を終了することができる。よって、続く印刷動作に影響を与えることがなく、スキュー検出によって記録媒体が顕著に傾いていることが検出された旨を報知する機能を備えれば、傾いて送られた記録媒体に誤って印刷を行うことを防ぐことができる。
これらの場合、第2検出手段移動工程では、幅方向における第1検出手段および第2検出手段との離間距離が最大となるように第2検出手段を移動させることが好ましい。
この構成によれば、記録媒体に傾きが生じていた場合、第1のエッジ検出から第2のエッジ検出までに記録媒体が送られた送り距離と、送り方向における第1検出手段と第2検出手段との離間距離と、の差を大きくとることができるため、記録媒体の傾き値を適切に(精度よく)算出することができる。
また、これら場合、第2検出手段は、印刷ヘッドを備え、記録媒体に対して幅方向に走査するキャリッジに搭載されていることが好ましい。
この構成によれば、幅方向の移動軸を第2検出手段のために設ける必要がなく、装置構造の複雑化を抑制することができる。
また、これら場合、傾き値算出工程の後に、傾き値が所定の閾値を超えたか否かを判定する傾き値判定工程と、傾き値判定工程において傾き値が所定の閾値を超えたと判定した場合、印刷動作をキャンセルして記録媒体を排出する媒体排出工程と、をさらに備えていることがこのましい。
この構成によれば、傾いて送られた記録媒体に対して誤って印刷を行うことを防ぐため、記録媒体を無駄に消費することがない。また、ユーザーが印刷媒体のスキューの検出に気づかない場合でも、傾いて送られた記録媒体が自動的に排出されるため、利便性がよい。
本発明の印刷装置は、上記のスキュー検出装置と、記録媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、印刷ヘッドと第2検出手段とを搭載したキャリッジと、キャリッジを記録媒体の送り方向に直交する幅方向に移動させるキャリッジ移動手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、記録媒体のスキューを適切に検出することのできる印刷装置を提供することができる。
一実施形態にかかる印刷装置の外観斜視図である。 印刷装置のキャリッジおよび記録媒体の搬送系の模式平面図である。 印刷装置の制御構成を示したブロック図である。 スキュー検出処理を示したフローチャートである。 スキュー検出における記録媒体およびキャリッジの動作を示した図である。 傾き値算出処理を示したフローチャートである。 傾きを有した記録媒体の検出例を示した概念図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態にかかるスキュー検出方法、スキュー検出装置およびこれを備えた印刷装置について説明する。図1は、本実施形態にかかる印刷装置1の上ケースを除外した状態の斜視図である。図示のように、印刷装置1は、印刷に供する記録媒体2を給紙する給紙口11と、印刷ヘッド22を搭載したキャリッジユニット12と、キャリッジユニット12を、給紙された記録媒体2に対してX軸方向(記録媒体2の幅方向)に移動させるキャリッジ移動機構13(キャリッジ移動手段)と、記録媒体2をY軸方向に送る媒体送り機構14(媒体送り手段)と、記録媒体2を排紙する排紙口15と、を有している。また、図示では省略したが、この印刷装置1は、印刷ヘッド22を保全するキャップ付きの吸引装置およびワイピング装置を有している。なお、以下の説明では、Y軸方向(記録媒体2の送り方向)においてリニアエンコーダー23側を「上流側」、排紙口15側を「下流側」とする。また、X軸方向(キャリッジユニット12の移動方向)において、図1におけるキャリッジユニット12の位置(ホーム位置)側を「第1の端側」、第1の端側の反対側を「第2の端側」とする。
キャリッジ移動機構13は、X軸方向において下ケース16に架設され、キャリッジユニット12をX軸方向にスライド自在に支持するガイド軸31およびサブガイド片31aと、第1の端側に配設した駆動プーリー(図示省略)および第2の端側に配設した従動プーリー33と、駆動プーリーおよび従動プーリー33間においてX軸方向に掛け渡したタイミングベルト32と、駆動プーリーに連結したキャリッジモーター34(図5参照)と、を備えている。キャリッジユニット12は、タイミングベルト32の一部に固定されており、キャリッジモーター34が正逆回転すると、タイミングベルト32を介してキャリッジユニット12がX軸方向に往復動する。そして、このX軸方向の往復動が印刷動作における印刷ヘッド22の主走査となる。
図2に示すように、キャリッジユニット12は、キャリッジ20と、キャリッジ20に搭載され、キャリッジ20の下面から下向きに突出する印刷ヘッド22と、印刷ヘッド22の上側においてキャリッジ20に搭載され、色別インクを供給するインクカートリッジ(図示省略)と、キャリッジ20の下面に下向きに取り付けられたエッジ検出センサーと、を有している。印刷ヘッド22は、いわゆるインクジェットヘッドであり、例えばY(イエロー)・M(マゼンタ)・C(シアン)・K(ブラック)等のノズル列を有し、これらノズル列に色別のインクカートリッジが接続されている。なお、以下の説明では、上記のエッジ検出センサーを、キャリッジ20の移動に伴って記録媒体2の端を検出する「可動型エッジ検出センサー21(第2検出手段)」と称して説明する。
可動型エッジ検出センサー21は、キャリッジ20の下部において、印刷ヘッド22のやや上流側且つ第2の端側に配設された(図2参照)反射型光学センサー(フォトセンサー)で構成されている。すなわち、可動型エッジ検出センサー21は、可動型エッジ検出センサー21の直下に位置する記録媒体2からの反射光を検出することによって、記録媒体2の有無を検出する。実際には、送りが停止されている記録媒体2に対して可動型可動型エッジ検出センサー21をX軸方向に走査して記録媒体2の側端(反射光の有無が変化(光−電変換した後の電圧の変化)した位置)を検出する。また、本実施形態の可動型可動型エッジ検出センサー21は、移動を停止している可動型エッジ検出センサー21に対し、先端位置が可動型エッジ検出センサー21の上流側に位置した記録媒体2をY軸方向に送ることによって、記録媒体2の先端も検出することができる(後述する)。すなわち、可動型エッジ検出センサー21は、記録媒体2の幅検出および記録媒体2のスキュー検出等に用いられる。
媒体送り機構14は、リニアエンコーダー23側にX軸方向に延設された給紙ローラー14aと、排紙口15側にX軸方向に延設された排紙ローラー(図示省略)と、を有している。給紙ローラー14aは、いわゆるニップローラーであり、キャリッジユニット12の下方において、記録媒体2を印刷裏面側に臨む駆動ローラー36と、記録媒体2を印刷面側から押さえる従動ローラー37と、で構成されている。印刷動作において媒体送り機構14は、副走査として記録媒体2を間欠送り(改行送り)する。駆動ローラー36の軸端には、減速歯車列を介して媒体送りモーター35(図3参照)が連結されており、媒体送りモーター35の回転により、駆動ローラー36を介して記録媒体2がY軸方向に搬送される。一方、排紙ローラーは、給紙ローラー14aと同様の構成で、駆動ローラーおよび従動ローラーで構成されている。排紙ローラーは、給紙ローラー14aと同期して回転するが、副走査の主体となる給紙ローラー14aに対し、記録媒体2に張り(テンション)を与えるべく、スリップ回転可能に構成されている。
図2に示すように、印刷装置1は、上記の構成の他にキャリッジユニット12のX軸方向における位置を検出するリニアエンコーダー23と、媒体送りローラー(駆動ローラー36)の回転量を検出するロータリエンコーダー24と、を備えている。リニアエンコーダー23は、ガイド軸31の下流側に沿って延在するリニアスケール23a(図1参照)と、リニアスケール23aに臨むようにキャリッジユニット12に搭載したフォトセンサー(図示省略)とで構成されており、フォトセンサーは、リニアスケール23aの目盛りを読み取って移動距離に比例するパルスを出力する。リニアエンコーダー23が出力したパルス数に基づいて、キャリッジユニット12のX軸方向における位置を検出する。実際には、リニアエンコーダー23が出力するパルス数に基づいて、任意の基準位置からのキャリッジ20の走査距離を算出することによって、キャリッジ20のX軸方向における位置を検出している。一方、ロータリエンコーダー24は、給紙ローラー14a(駆動ローラー36)の駆動軸38或いは媒体送りモーター35の主軸に設けたスリット円板(図示省略)と、スリット円板に臨むフォトセンサー(図示省略)とで構成されており、フォトセンサーは、スリット円板のスリットを読み取って、給紙ローラー14aの回転量に比例するパルスを出力する。そして、ロータリエンコーダー24が出力したパルス数に基づいて、記録媒体2のY軸方向における送り量を算出する。
また、給紙ローラー14aのやや上流側且つ第1の端側には、固定的に設けられた固定型エッジ検出センサー25(第1検出手段)を備えている。固定型エッジ検出センサー25は、記録媒体2の印刷裏面側から記録媒体2の有無を検出する接触式センサーで構成され、記録媒体2が用紙トレイ(図示省略)から給紙されたことを検出するためのセンサーである。すなわち、固定型エッジ検出センサー25は、記録媒体2の先端を検出するセンサーである。本印刷装置1は、固定型エッジ検出センサー25が可動型エッジ検出センサー21(キャリッジ20がX軸方向に往復動する位置)に対してY軸方向上流側に配置されているため、送られる記録媒体2の先端は、先ず固定型エッジ検出センサー25を通過して、その後、可動型エッジ検出センサー21を通過する。なお、固定型エッジ検出センサー25は、記録媒体2の有無を検出可能なものであれば、フォトセンサー等、他のセンサーで構成してもよい。
続いて、図3を参照し、印刷装置1の制御構成について説明する。印刷装置1は、外部装置3(ホストPC等)のプリンタドライバー4からの印刷指令情報を入力するためのI/F部51と、印刷を実行する印刷部52と、印刷部52を構成する各機構を駆動させる駆動部53と、キャリッジ20の位置および記録媒体2の送り量を取得する位置取得部54と、記録媒体2の端を検出する検出部55と、各構成を統括制御する制御部56(制御手段)と、を備えている。
図3に示すように、印刷部52は、印刷ヘッド22、キャリッジモーター34および媒体送りモーター35で構成され、駆動部53は、ヘッドドライバー61、キャリッジモータードライバー62および媒体送りモータードライバー63で構成され、位置取得部54は、リニアエンコーダー23およびロータリエンコーダー24で構成され、検出部55は、固定型エッジ検出センサー25および可動型エッジ検出センサー21で構成される。一方、制御部56は、CPU65(Central Processing Unit)、ROM66(Read Only Memory)およびRAM67(Random Access Memory)を備えている。
CPU65は、上記した各検出結果から記録媒体2の傾き値を算出する傾き値算出部72と、算出した傾き値が閾値を超えているか否かを判定する傾き値判定部73と、を有している。RAM67は、CPU65が各種処理を実行するための作業領域として使用される。ROM66は、CPU65が各種制御を行うための制御プログラムおよび制御データを記憶している。なお、請求項における「スキュー検出装置」は、主に検出部55、駆動部53、位置取得部54および制御部56を指す。
印刷装置1により制御動作では、中央揃えで給紙された記録媒体2を、媒体送り機構14により記録媒体2の印刷開始位置が印刷ヘッド22に達するまで送って停止させ(頭出し)、キャリッジユニット12をホーム位置から第2の端側に移動させながら印刷ヘッド22を駆動して記録媒体2上にインクを吐出させる。そして、記録媒体2をさらにY軸方向に送りながら、キャリッジユニット12を第1の端側に移動させる。すなわち、キャリッジユニット12の往復動作による主走査と、記録媒体2の間欠送り(改行送り)による副走査と、が繰り返されることによって、印刷動作が実行される。上記の動作を繰り返して所望の印刷が終了すると、印刷ヘッド22の駆動を停止し、媒体送り機構14により記録媒体2を排紙する。なお、本発明の印刷装置1は、給紙された記録媒体2をその印刷開始位置が印刷ヘッド22に達するまで送る送り動作の中で、記録媒体2のスキュー検出を行う。
以下、図4ないし図7を参照し、本発明のスキュー検出方法について説明する。図4は、制御部56のスキュー検出処理を示したフローチャートであり、図5は、スキュー検出時のキャリッジユニット12および記録媒体2の位置関係を示した模式図である。
先ず、印刷装置1(制御部56)は、プリンタドライバー4からの印刷指令情報を受け取ると、キャリッジ20をホーム位置から第2側端側に移動させる(S01:第2検出手段移動工程)。図5(a)に示すように、X軸方向において可動型エッジ検出センサー21および固定型エッジ検出センサー25は、所定の離間距離を有した状態でスキュー検出を行う。このとき、制御部56は、可動型エッジ検出センサー21が記録媒体2の先端を検出可能であって、X軸方向における2つのセンサー間距離が最大となる位置まで、可動型エッジ検出センサー21を移動させる。この可動型エッジ検出センサー21の送り距離は、記録媒体2のサイズによって異なる位置に決定される。これにより、記録媒体2のサイズ応じて精度の良いスキュー検出を行うことができる。
キャリッジ20を第2の端側に移動させた後、記録媒体2をY軸方向に送り、固定型エッジ検出センサー25によって第1のエッジ検出を行う(S02:第1検出工程)。図5(b)に示すように、送られた記録媒体2の先端が固定型エッジ検出センサー25に達することで先端を検出する。その後、さらに記録媒体2をY軸方向に送り、可動型エッジ検出センサー21によって第2のエッジ検出を行う(S03:第2検出工程)。同図(c)に示すように、送られた記録媒体2の先端が可動型エッジ検出センサー21に達することで先端を検出する。
ここで、第1のエッジ検出および第2のエッジ検出の検出結果から、傾き値算出部72により、記録媒体2の傾き値を算出する(S04:傾き値算出処理、後述する)。そして、傾き値判定部73により、算出された傾き値が予め設定された閾値を超えたか否かを判定する(S05:傾き値判定工程)。傾き値が閾値以下であった場合は(S05:NO)、印刷開始位置が印刷ヘッド22に達する位置まで記録媒体2を送ると共に、キャリッジ20をホーム位置に移動させて(S06)、公知の印刷処理(S07)を行う。
一方、傾き値が閾値を超えた場合は(S07:YES)、印刷動作をキャンセルし、記録媒体2を白紙のまま強制排出する(S08:媒体排出工程)。なお、記録媒体2が傾いて給紙された旨をアラーム、ランプの点灯、警告メッセージ等によってユーザーに報知する報知工程を、この媒体排出工程に替えて、あるいは、媒体排出工程の後に備えてもよい。また、媒体排出工程を行わず、記録媒体2の傾きに合わせて、印刷画像を傾けて印刷することも考えられる。
続いて、図6および図7を参照し、スキュー検出における制御部56の傾き値算出処理について説明する。図6は、制御部56の傾き値算出処理を示すフローチャートであり、図7は、記録媒体2が傾きを有していた場合の検出例を示した図である。先ず、制御部56は、固定型エッジ検出センサー25が先端を検出(第1のエッジ検出)してから、可動型エッジ検出センサー21が先端を検出(第2のエッジ検出)するまでの記録媒体2の送り距離aを取得する(S21:送り距離取得工程)。そして、取得した送り距離aと、Y軸方向における固定型エッジ検出センサー25および可動型エッジ検出センサー21のセンサー間距離bと、の差cを算出する(S22)。ここで、X軸方向における固定型エッジ検出センサー25および可動型エッジ検出センサー21のセンサー間距離dを取得する(S23)。上記のY軸方向におけるセンサー間距離bは、固定型エッジ検出センサー25およびキャリッジ20のY軸方向の配設位置に基づくものであり、予め定められた固定値である。一方、X軸方向におけるセンサー間距離dは、キャリッジ20の第2側端側への移動距離に基づくものであり、記録媒体2のサイズにより異なる値となる。そして、算出した差cと、取得したX軸方向におけるセンサー間距離dと、に基づいて、傾き値を算出する(S24:傾き値算出工程)。傾き値は、tanΘ=c/dとして算出される。
これまで、説明したスキュー検出方法によれば、X軸方向およびY軸方向に離間した2つのエッジ検出センサーによって記録媒体2の先端2箇所を検出し、この検出結果によって記録媒体2の傾きを検出するため、記録媒体2の送り方向を逆転させる必要がない。よって、本実施形態のような、記録媒体2を逆方向に送ることができない印刷装置1においても適応することができ、汎用性の高いスキュー検出方法を提供することができる。
また、本スキュー検出は、印刷開始位置が印刷ヘッド22に達するまでの、記録媒体2の送り動作中に実施されるため、印刷動作が開始される前に記録媒体2の傾きを検出することができる。よって、記録媒体2に画像が傾いて印刷されるミスプリントを事前に防止することができる。また、スキュー検出において可動型エッジ検出センサー21の移動は最初の一度のみのため、短時間でスキュー検出を行うことができ、印刷動作開始までの時間を短縮することができる。
また、本スキュー検出は、通常、印刷装置1に備わっている記録媒体2の側端を検出するための可動型エッジ検出センサー21、および記録媒体2の先端を検出するための固定型エッジ検出センサー25を用いるため、スキュー検出専用のセンサーを設けることなくスキュー検出を実行可能な印刷装置1を提供することができる。
1:印刷装置 2:記録媒体 12:キャリッジユニット 13:キャリッジ移動機構 14:媒体送り機構 20:キャリッジ 21:可動型エッジ検出センサー 22:印刷ヘッド 23:リニアエンコーダー 24:ロータリエンコーダー 25:固定型エッジ検出センサー 56:制御部 72:傾き値算出部 73:傾き値判定部 a:送り距離 b:センサー間距離 c:差 d:センサー間距離

Claims (7)

  1. 幅方向に直交する方向に送られる記録媒体に対して固定的に設けられ、前記記録媒体の先端エッジ検出するための第1検出手段と、前記第1検出手段から前記記録媒体の送り方向下流側に離れた位置に設けられ、前記幅方向に走査されて前記記録媒体の先端のエッジおよび両側端エッジ検出するための第2検出手段と、を用い、
    前記第2検出手段を、前記第1検出手段から前記幅方向に離れた検出位置まで移動させる第2検出手段移動工程と、
    第2検出手段移動工程の後、前記記録媒体を前記送り方向に送り、前記第1検出手段によって前記記録媒体の先端に対する第1のエッジ検出を行う第1検出工程と、
    前記第1検出工程の後、前記記録媒体をさらに前記送り方向に送り、前記第2検出手段によって前記記録媒体の先端に対する第2のエッジ検出を行う第2検出工程と、
    前記第2検出工程の後、前記第1のエッジ検出から前記第2のエッジ検出までに前記記録媒体が送られた送り距離を取得する送り距離取得工程と、
    前記送り距離と、前記送り方向における前記第1検出手段と前記第2検出手段との離間距離と、の差、および前記幅方向における前記第1検出手段と前記第2検出手段との離間距離に基づいて、前記記録媒体の傾き値を算出する傾き値算出工程と、を備えたことを特徴とするスキュー検出方法。
  2. 前記記録媒体の印刷開始位置が印刷ヘッドに達するまで前記記録媒体を送る動作中に行うことを特徴とする請求項1に記載のスキュー検出方法。
  3. 前記第2検出手段移動工程では、前記幅方向における前記第1検出手段および前記第2検出手段との離間距離が最大となるように前記第2検出手段を移動させることを特徴とする請求項1または2に記載のスキュー検出方法。
  4. 前記第2検出手段は、前記印刷ヘッドを備え、前記記録媒体に対して前記幅方向に走査するキャリッジに搭載されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスキュー検出方法。
  5. 前記傾き値算出工程の後に、前記傾き値が所定の閾値を超えたか否かを判定する傾き値判定工程と、
    前記傾き値判定工程において前記傾き値が前記所定の閾値を超えたと判定した場合、印刷動作をキャンセルして前記記録媒体を排出する媒体排出工程と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のスキュー検出方法。
  6. 幅方向に直交する方向に記録媒体を送る媒体送り手段と、
    固定的に設けられ、前記記録媒体の先端エッジ検出するための第1検出手段と、
    前記記録媒体の先端のエッジおよび両側端エッジ検出するための第2検出手段と、
    前記第1検出手段から前記記録媒体の送り方向下流側に離れた位置に設けられ、前記第2検出手段を前記幅方向に走査する走査手段と、
    前記媒体送り手段、前記第1検出手段、前記第2検出手段および走査手段と、を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記第2検出手段を、前記第1検出手段から前記幅方向に離れた検出位置まで移動させ、
    前記記録媒体を前記送り方向に送り、前記第1検出手段によって前記記録媒体の先端に対する第1のエッジ検出を行い、
    前記第1のエッジ検出の後、前記記録媒体をさらに前記送り方向に送り、前記第2検出手段によって前記記録媒体の先端に対する第2のエッジ検出を行い、
    前記第2のエッジ検出の後、前記第1のエッジ検出から前記第2のエッジ検出までに前記記録媒体が送られた送り距離を取得し、
    前記送り距離と、前記送り方向における前記第1検出手段と前記第2検出手段との離間距離と、の差、および前記幅方向における前記第1検出手段と前記第2検出手段との離間距離に基づいて、前記記録媒体の傾き値を算出することを特徴とするスキュー検出装置。
  7. 請求項6に記載のスキュー検出装置と、
    前記記録媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドと前記第2検出手段とを搭載したキャリッジと、
    前記キャリッジを前記記録媒体の送り方向に直交する幅方向に移動させるキャリッジ移動手段と、を備えたことを特徴とする印刷装置。
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