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JP5566071B2 - コイル巻回体およびモータ - Google Patents

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Description

本発明は、コイルボビンにコイル線が巻き回されたコイル巻回体、およびモータに関するものである。
一般的に、ステッピングモータのステータは、図7に示すように、コイル線1110とコイルボビン1120とを備えるコイル巻回体1011を有している。コイルボビン1120は、コイル線1110を巻き回す巻線部1121と、巻線部1121の径方向外側に設けられた端子台部1122と、端子台部1122から径方向外側に起立したピン状端子1123、1124とを備えており、ピン状端子1123、1124にはコイル線1110の端部が絡げられている。端子台部1122では、径方向外側に向く面全体により、配線基板1010が重ねて配置される基板受け面1122aが構成されており、ピン状端子1123、1124は、基板受け面1122aにおいて縁部分よりも内側位置で起立している。かかる構成のコイルボビン1120において、配線基板1010に形成された貫通穴1102にピン状端子1123、1124を通しながら配線基板1010を基板受け面1122aに重ねれば、配線基板1010を安定した姿勢に保持した状態でコイル線1110と配線基板1010のランド部とを半田付けすることができる。
ここで、コイル巻回体1011のコイル線1110において、巻線部1121からピン状端子1123、1124に向けて引き出される引き出し部1110b、1110dには、端子台部1122において巻回部1121側に位置する角部分1122rとピン状端子1123、1124との間に、基板受け面1122aからの浮き部分1110xが発生している。このため、配線基板1010を基板受け面1122a上に載置した際、引き出し部1110b、1110dの浮き部分1110xを配線基板1010と基板受け面1122aとの間に挟み込んでしまい、この浮き部分1110xが押される。その結果、コイル線1110が引っ張られて切断してしまうという問題点がある。特許文献1には、コイルボビンにコイル線を巻回した際のコイル線の断線を防止するための構造として、端子台部の角部にコイル線を通す切り欠き溝を形成することが提案されている。
特開2007−259543号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、切り欠き溝を形成しても、切り欠き溝によって形成された新たな角部分とピン状端子との間において、基板受け面からの浮き部分が発生するため、図7を参照して説明した問題点を解消することができない。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、基板受け面を備えた端子台部で起立するピン状端子までコイル線を引き回した後、基板受け面に配線基板を重ねて配置したときでもコイル線に断線や損傷が発生しにくいコイル巻回体およびモータを提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、コイルボビンにコイル線が巻回されたコイル巻回体において、前記コイルボビンは、前記コイル線が巻回された巻線部と、前記巻線部から径方向外側に突出した端子台部と、前記端子台部において径方向外側に位置するとともに配線基板が重ねて配置される基板受け面と、該基板受け面と比較して径方向外側に位置するとともに、側面の少なくとも一部が前記基板受け面と繋がった状態で当該基板受け面から径方向外側に突出しているピン状端子と、を備え、前記コイル線は、前記巻線部に巻回された巻回部と、該巻回部から前記ピン状端子に接するまで引き出された引き出し部と、該引き出し部より先端側で前記ピン状端子の周りに絡げられた絡げ部と、を備え、前記コイルボビンは、前記巻線部から前記基板受け面よりも径方向内側を通って前記ピン状端子において前記側面と前記基板受け面とが繋がっている根元部分に達しているコイル線引き出し用経路を備え、前記引き出し部は、前記コイル線引き出し用経路を通ることによって前記基板受け面に対して径方向外側で重なる位置を通らずに延在して、前記引き出し部において前記絡げ部との間に位置する先端部が前記ピン状端子に接していることを特徴とする。
本発明において、前記引き出し部は、前記コイル線引き出し用経路を通ることによって前記基板受け面に対して径方向外側で重なる位置を通らずに延在して、前記先端部が前記ピン状端子の前記根元部分に到達し、前記絡げ部は、前記先端部が前記根元部分に接する状態で前記ピン状端子の周りに絡げられている構成を採用することができる。
本発明において、「引き出し部」とは、ピン状端子に絡げていない部分、すなわち、巻回部からピン状端子に接するまでの部分を意味する。
本発明では、コイル線の引き出し部は、コイル線引き出し用経路を通ることによって基板受け面に対して径方向外側で重なる位置を通らずに、ピン状端子に接する。すなわち、コイル線は、巻線部から引き出されてピン状端子に絡げられるまでの間に基板受け面の径方向外側に位置することがなく、引き出し部(引き回し部)が基板受け面上を通過することもない。この結果、コイル線に基板受け面からの浮き部分が存在しないので、配線基板を端子台部に載置した場合でも、コイル線が配線基板で押されることがない。従って、コイル線が配線基板に接触したり、配線基板の押し下げによってコイル線が引っ張られたりすることに起因した断線や損傷を防止することができる。また、基板受け面上にコイル線が存在しないので、コイル線による配線基板の傾きが生じないだけでなく、面接触できる状態で配線基板を受けることが可能になる。従って、配線基板を安定した状態に受けることができる。
本発明において、前記ピン状端子は、前記端子台部の周方向の両側端部よりも内側に設けられ、前記コイル線引き出し用経路は、周方向において前記端子台部の周方向の両側端部よりも内側の範囲内に構成されていることが好ましい。このように構成すると、コイル線の引き出し部を端子台部の周方向側面を通らずに、ピン状端子まで引き回すことができる。このため、コイル線を巻回した後に、端子台部の側面に何かが接触した場合でも、コイル線の断線や損傷を防止することができる。また、コイル線の引き出し部を端子台部の周方向側面を通過していないので、コイル巻回体を取り扱う際に端子台部の両側端部を手で持っても、手とコイル線とが接触することがなく、コイル線が断線することがない。従って、コイル巻回体の取り扱いが容易になる。
本発明において、前記引き出し部は、弛んでいない緊張で引き出されていることが好ましい。このように構成すると、引き出し部は、コイルボビンにおいて所定の位置のみを通り、引き出し位置などがずれることがない。また、コイル線の引き出し部に弛みが生じていなければ、この引き出し部が配線基板と基板受け面との間に挟まれることなどを回避することができる。さらに、コイル線において巻回部が弛むこともない。
本発明において、前記コイルボビンにおいて、前記コイル線引き出し用経路は前記ピン状端子に対して前記巻線部が位置する前側を通るように構成されており、前記端子台部において、前記ピン状端子より前側は、前記基板受け面よりも径方向内側に位置して前記コイル線引き出し用経路を構成する第1内側領域になっており、前記ピン状端子に対して周方向で隣接する両側のうち、当該ピン状端子に対して前記巻線部からの前記引き出し部の延在方向で隣接する一方側の領域は、前記基板受け面よりも径方向内側に位置して前記コイル線引き出し用経路を構成する第2内側領域になっていることが望ましい。このようにすれば、コイル線の引き出し部を、基板受け面に対して径方向外側で重なる位置を通さずに引き出して、ピン状端子の前側あるいは一方側に接触させることができる。この場合においても、引き回し部が基板受け面上を通過することがないので、引き回し部に基板受け面からの浮き部分が存在することがない。よって、配線基板を端子台部に載置したときに配線基板の押し下げに起因した断線や損傷を防止することができる。
本発明において、前記ピン状端子に対して前記巻線部からの前記引き回し部分の延在方向で隣接する前記一方側の領域は、前記巻線部に向けて下方に傾斜して前記第2内側領域を構成する傾斜部になっていることが好ましい。この場合、前記傾斜部は、前記ピン状端子において前記巻回部側とは反対側に位置する後面に対して周方向で隣接する位置を起点にして前記巻回部に向けて傾斜していることが好ましい。このようにすれば、引き出し部を第2内側領域に通過させやすい。
本発明において、前記コイルボビンにおいて、前記コイル線引き出し用経路は前記ピン状端子に対して前記巻線部が位置する前側を通るように構成されているとともに、前記ピン状端子より前記巻線部が位置する前側は、前記基板受け面よりも径方向内側に位置して前記コイル線引き出し用経路を構成する内側領域になっているように構成してもよい。このようにすれば、コイル線の引き出し部を、基板受け面に対して径方向外側で重なる位置を通さずに引き出して、ピン状端子の前側に接触させることができる。また、この構成においても、引き回し部が基板受け面上を通過することがないので、引き回し部に基板受け面からの浮き部分が存在することがない。よって、配線基板を端子台部に載置したときに配線基板の押し下げに起因した断線や損傷を防止することができる。さらに、ピン状端子の前側のみにコイル線引き出し用経路を構成できるので、端子台部における基板受け面の面積を広く確保することができる。従って、配線基板を安定した状態で受けることができる。
本発明において、前記コイルボビンにおいて、前記コイル線引き出し用経路は、前記ピン状端子に対して周方向で隣接する両側のうち、当該ピン状端子に対して前記巻線部からの前記引き出し部の延在方向とは反対側で隣接する他方側の領域を通っており、前記端子台部において、前記ピン状端子の前記他方側の領域、および該他方側の領域より前記巻線部側の前側領域は、前記基板受け面よりも径方向内側に位置して前記コイル線引き出し用経路を構成する内側領域になっているように構成してもよい。このようにすれば、コイル線の引き出し部を、基板受け面に対して径方向外側で重なる位置を通さずに引き出して、ピン状端子の他方側に接触させることができる。また、この構成においても、引き回し部が基板受け面上を通過することがないので、引き回し部に基板受け面からの浮き部分が存在することがない。よって、配線基板を端子台部に載置したときに配線基板の押し下げに起因した断線や損傷を防止することができる。
この場合において、前記ピン状端子に対して前記巻線部からの前記引き回し部分の延在方向とは反対側で隣接する前記他方側の領域は、前記巻線部に向けて下方に傾斜して前記内側領域を構成する傾斜部になっていることが好ましい。このようにすれば、このようにすれば、引き出し部を第2内側領域に通過させやすい。
この場合において、前記傾斜部は、前記ピン状端子において前記巻回部側とは反対側に位置する後面に対して周方向で隣接する位置を起点にして前記巻回部に向けて傾斜していることが望ましい。このようにすれば、引き出し部を傾斜部に沿うように引き出すことができるので、引き出し部を安定した状態でピン状端子まで導くことができる。また、引き出し部を傾斜部に沿うように引き出すことができるので、引き出し部に余計な浮きが発生しにくい。それ故、引き出し部に何かが引っ掛かってコイル線が断線するという事態を回避することができる。
本発明において、前記ピン状端子は、前記端子台部と一体に樹脂から形成されていることが好ましい。このように構成すると、端子台部と別体のピン状端子を用いた場合と違って、コイル線の断線を防止することを目的に端子台部の形状をどのように設計した場合でも、ピン状端子が端子台部から抜けるという不具合が発生しない。
本発明を適用したコイル巻回体を用いてモータを構成する場合、モータは、前記コイル巻回体を備えたステータと、ロータマグネットを備えたロータとを有している。
本発明では、コイル線の引き出し部は、コイル線引き出し用経路を通ることによって基板受け面に対して径方向外側で重なる位置を通らずに、ピン状端子に接する。すなわち、コイル線は、巻線部から引き出されてピン状端子に絡げられるまでの間に基板受け面の径方向外側に位置することがなく、引き出し部(引き回し部)が基板受け面上を通過することもない。この結果、コイル線に基板受け面からの浮き部分が存在しないので、配線基板を端子台部に載置した場合でも、コイル線が配線基板で押されることがない。従って、コイル線が配線基板に接触したり、配線基板の押し下げによってコイル線が引っ張られたりすることに起因した断線や損傷を防止することができる。また、基板受け面上にコイル線が存在しないので、コイル線による配線基板の傾きが生じないだけでなく、面接触できる状態で配線基板を受けることが可能になる。従って、配線基板を安定した状態に受けることができる。
本発明の実施の形態1に係るモータの一部を切り欠いて示す側面図である。 本発明の実施の形態1に係るモータに用いたコイル巻回体を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るモータに用いたコイル巻回体の端子台部周辺を拡大して示す斜視図である。 (a)〜(d)は、本発明の実施の形態1に係るモータに用いたコイル巻回体をモータの反出力側からみた背面図、側面図、モータの出力側からみた正面図、および端子台部の平面図である。 本発明の実施の形態2に係るモータに用いたコイル巻回体の端子台部周辺を拡大して示す斜視図である。 本発明の実施の形態3に係るモータに用いたコイル巻回体の端子台部周辺を拡大して示す斜視図である。 従来のコイル巻回体の説明図である。
以下に、図面を参照して、本発明を適用したコイル巻回体およびステッピングモータを説明する。なお、以降の説明では、回転軸の出力側を前側とし、反出力側を後側として説明する。また、端子台部の説明では、ピン状端子が突出している方向を高さ方向とし、コイルボビンにおいて巻線部が位置する側を下側として説明する。
[実施の形態1]
(モータ)
図1は本発明の実施の形態1に係るモータの一部を切り欠いて示す側面図である。本形態のモータ1はステッピングモータであり、円筒状のステータ2と、ステータ2の内周側に配置されたロータ3とを備えている。ロータ3は、回転軸31と、回転軸31の外周側に同軸に取り付けられた円筒状のロータマグネット32とを備えている。ステータ2において、出力側の端面2aには第1端板4が固定され、かかる第1端板4には、回転軸31を軸線L1周りに回転可能に支持する第1軸受5が保持されている。ステータ2において、反出力側の端面2bには第2端板6が固定され、かかる第2端板6には、回転軸31を軸線L1周りに回転可能に支持する第2軸受7が保持されている。
ステータ2は、回転軸31の軸線L1に沿って前後に配置された第1ステータ組21および第2ステータ組22を備えている。第1ステータ組21は、コイル線110がコイルボビン120に巻回された第1コイル巻回体11を備えており、第1コイル巻回体11に対して軸線L1方向の両側に円環状の外ステータコア211および円環状の内ステータコア212を備えている。外ステータコア211および内ステータコア212はいずれも磁性金属部材で形成されており、磁路を形成している。外ステータコア211および内ステータコア212は各々、内周縁から起立する極歯213を備えている。外ステータコア211の極歯213と、内ステータコア212の極歯213とは、第1コイル巻回体11の内周側で周方向に交互に並んでおり、ロータマグネット32の外周面に対向している。第2ステータ組22も、第1ステータ組21と同様、コイル線140がコイルボビン150に巻回された第2コイル巻回体12を備えており、第2コイル巻回体12に対して軸線L1方向の両側に円環状の外ステータコア221および円環状の内ステータコア222を備えている。外ステータコア221および内ステータコア222はいずれも磁性金属部材で形成されており、磁路を形成している。外ステータコア221および内ステータコア222は各々、内周縁から起立する極歯223を備えている。外ステータコア221の極歯223と、内ステータコア222の極歯223とは、第2コイル巻回体12の内周側で周方向に交互に並んでおり、ロータマグネット32の外周面に対向している。本形態において、外ステータコア211、221の外周縁は、それぞれ軸線L1方向に向けて折り曲げられており、この部分がコイル線110、140を覆うケース8、9となっている。
第1コイル巻回体11は、コイルボビン120と、コイルボビン120に巻回されたコイル線110とを備えている。コイルボビン120は、コイル線110が巻き回された巻線部121と、巻線部121から径方向外側(上方)に突出した端子台部122と、端子台部122から径方向外側(上方)に向けて起立した2本のピン状端子(第1ピン状端子123および第2ピン状端子124)とを備えている。端子台部122において径方向外側に向く面は、配線基板10が重ねて配置される基板受け面122aになっている。かかる端子台部122、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124は、ケース8の開口から径方向外側に突出している。
第2コイル巻回体12も、第1コイル巻回体11と同様、コイルボビン150と、コイルボビン150に巻回されたコイル線140とを備えている。コイルボビン150は、コイル線140が巻き回された巻線部151と、巻線部151から径方向外側(上方)に突出した端子台部152と、端子台部152から径方向外側(上方)に向けて起立した2本のピン状端子(第1ピン状端子153および第2ピン状端子154)とを備えている。また、端子台部152において径方向外側に向く面は、配線基板10が重ねて配置される基板受け面152aになっている。端子台部152、第1ピン状端子153および第2ピン状端子154は、ケース9の開口から径方向外側に突出している。
このように構成したモータ1では、配線基板10からコイル線110、140に給電するとともに、その際の電流を制御することにより、ロータ3の回転が駆動制御される。配線基板10としてはリジッド基板およびフレキシブル基板のいずれを用いてよいが、本形態では、配線基板10としてはフレキシブル基板が用いられている。
(コイル巻回体の構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係るモータに用いたコイル巻回体を示す斜視図である。図3は、本発明の実施の形態1に係るモータに用いたコイル巻回体の端子台部周辺を拡大して示す斜視図である。図4(a)〜(d)は、本発明の実施の形態1に係るモータに用いたコイル巻回体をモータの反出力側からみた背面図、側面図、モータの出力側からみた正面図、および端子台部の平面図である。なお、第1コイル巻回体11と第2コイル巻回体12とは同一の構成を備えているので、以下、第1コイル巻回体11のみを説明して、第2コイル巻回体12の説明を省略する。
図2、図3および図4に示すように、第1コイル巻回体11において、コイルボビン120は、コイル線110が巻回された巻線部121を備えており、巻線部121は、円筒状の胴部121aと、胴部121aの出力側の端部(前端部)で拡径した円環状の前側鍔部121bと、胴部121aの反出力側の端部(後端部)で拡径した円環状の後側鍔部121cとを備えている。かかる巻線部121では、胴部121aの周りにおいて、前側鍔部121bと後側鍔部121cとによって挟まれた領域内にコイル線110が巻回されている。コイルボビン120において、後側鍔部121cの外周縁には、周方向の一部分からさらに径方向外側に向けて突出するように肉厚の端子台部122が形成されており、かかる端子台部122は、巻線部121から径方向外側に突出した形状になっている。
端子台部122において、径方向において最も外側の部分で外側に向く面は、配線基板10が重ねて配置される基板受け面122aになっている。ここで、配線基板10には一対のランド部101が形成されており、かかるランド部101の中央には貫通孔102が形成されている。端子台部122には、基板受け面122aと比較して径方向外側に位置するとともに、径方向外側に突出した第1ピン状端子123および第2ピン状端子124が形成されている。かかる第1ピン状端子123および第2ピン状端子124は、樹脂製であり、コイルボビン120を樹脂成形する際に一体に形成されている。すわち、コイルボビン120は、巻線部121、端子台部122、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124が一体の樹脂成形品である。
コイル線110は、巻線部121に巻き回された巻回部110cと、巻回部110cから第1ピン状端子123に向けて引き出された第1引き出し部110bと、第1引き出し部110bの先端側で第1ピン状端子123の周りに絡げられた第1絡げ部110aを備えている。第1引き出し部110bは弛みのない状態で引き出されている。また、コイル線110は、巻回部110cから第2ピン状端子124に向けて引き出された第2引き出し部110dと、第2引き出し部110dの先端側で第2ピン状端子124の周りに絡げられた第2絡げ部110eを備えている。第2引き出し部110dは弛みのない状態で引き出されている。
なお、本形態において、絡げ部(第1絡げ部110aおよび第2絡げ部110e)とは、コイル線110においてピン状端子(第1ピン状端子123および第2ピン状端子124)の側面周りに巻き回されている部分を意味する。また、引き出し部(第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110d)とは、巻線部121から、ピン状端子(第1ピン状端子123および第2ピン状端子124)の側面に接するまでの部分を意味する。また、コイル線110において、第2絡げ部110eおよび第2引き出し部110dの側がコイル線110をコイルボビン120に巻回する際の、巻き始め側であり、第1絡げ部110aおよび第1引き出し部110bの側がコイル線110をコイルボビン120に巻回した際の巻き終わり側である。
(コイルボビンの詳細構成)
図3に示すように、本形態の第1コイル巻回体11において、コイルボビン120の端子台部122は、軸線L1の側から見たときに、コイルボビン120の周方向(左右方向L2)に長く形成されており、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124はいずれも、端子台部122の周方向の両側の端部122c、122dから内側位置で起立している。また、第1ピン状端子123と第2ピン状端子124とは周方向で離間した位置で起立している。また、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124は、端子台部122の径方向外側の端部において軸線L1方向の略中央位置に設けられている。
端子台部122において、後側鍔部121cから径方向外側(上側)に連続して起立する前面壁128の上端部には、巻線部121に向けて斜め下向きに傾斜する傾斜部125aが形成されている。傾斜部125aは、端子台部122の第1ピン状端子123および第2ピン状端子124の前側を切り欠くようにして形成されており、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124において巻線部121が位置する側の前面123a、124aの真下位置を起点にして、巻線部121に向けて延在している。傾斜部125aの後端縁から上方には、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124の根元部分の前面123a、124aへ連続する壁面127が形成されている。従って、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124より前方は、壁面127の前方空間、傾斜部125aの前方空間、および前面壁128の前方空間からなる第1内側領域129aになっており、かかる第1内側領域129aは、第1ピン状端子123、第2ピン状端子124および基板受け面122aよりも径方向内側(下側)に位置している。
また、端子台部122において、第1ピン状端子123に対して周方向で隣接する両側のうち、巻回部110cからの第1引き出し部110bの延在方向(反時計周りCCWの方向)の側で隣接する一方側の領域は、巻線部121に向けて傾斜する傾斜部125bとなっている。傾斜部125bは、端子台部122のうち、第1ピン状端子123の一方側を切り欠くようにして形成されており、かかる傾斜部125bによって、基板受け面122aよりも径方向内側(下側)に位置する第2内側領域129bが構成されている。ここで、傾斜部125bは、第1ピン状端子123において巻線部121側とは反対側に位置する後面123bに対して周方向で隣接する位置を起点にして巻線部121の側に向けて傾斜している。また、傾斜部125bにおいて第1ピン状端子123側の縁から上には、第1ピン状端子123の根元部分の一方側の側面123cへ連続する壁面130が形成されている。
また、端子台部122において、第2ピン状端子124に対して周方向で隣接する両側のうち、巻回部110cからの第2引き出し部110dの延在方向(時計周りCWの方向)の側で隣接する他方側の領域は、巻線部121に向けて傾斜する傾斜部125cになっている。傾斜部125cは、端子台部122のうち、第2ピン状端子124の他方側を切り欠くようにして形成されており、かかる傾斜部125cによって、基板受け面122aよりも径方向内側(下側)に位置する第2内側領域129cが構成されている。ここで、傾斜部125cは、第2ピン状端子124において巻線部121側とは反対側に位置する後面124bに対して周方向で隣接する位置を起点にして巻線部121の側に向けて傾斜している。また、傾斜部125cにおいて第2ピン状端子124側の縁から上には、第2ピン状端子124の根元部分の一方側の側面124cへ連続する壁面131が形成されている。さらに、傾斜部125b、125cの下側は、傾斜部125aと繋がっており、傾斜部125a、125b、125cは連続する傾斜部を構成している。
このように構成したコイルボビン120の端子台部122では、第1ピン状端子123と第2ピン状端子124とによって挟まれた領域と、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124に対して巻線部121が位置する側とは反対側の領域と、傾斜部125b、125cに対して巻線部121が位置する側とは反対側の領域のみに平坦面が残っている。かかる平坦面が基板受け面122aとなっている。
(コイル線の構成)
本形態において、コイル線110の第1引き出し部110bは、巻回部110cからの延在方向が反時計周りCCWの方向であり、コイル線110は、第1ピン状端子123に対して反時計周りCCWの側を通って第1ピン状端子123に絡げられている。また、第2引き出し部110dは、巻回部110cから引き出し方向が時計周りCWの方向であり、コイル線110は、第2ピン状端子124に対して時計周りCWの側を通って第2ピン状端子124に絡げられている。第1引き出し部110bと第2引き出し部110dとは、前面壁128の前方空間で交差している。
第1引き出し部110bは、巻回部110cから、第1内側領域129aおよび第2内側領域129bからなるコイル線引き出し用経路180aを通って第1ピン状端子123の根元部分まで引き出されて、第1ピン状端子123に絡げられている。第2引き出し部110dは、巻回部110cから、第1内側領域129aおよび第2内側領域129cからなるコイル線引き出し用経路180bを通って第2ピン状端子124の根元部分まで引き出されて、第2ピン状端子124に絡げられている。
より具体的には、第1引き出し部110bは、巻回部110cから反時計周りCCWの方向に延在した後、第1内側領域129aにおいて、前面壁128に沿って斜め上方に延在し、次に、前面壁128と傾斜部125aとの角部分128aに接し、その後に、第1内側領域129aの壁面127と第2内側領域129bの壁面130との間の角部分127aに接している。しかる後に、第1引き出し部110bは第2内側領域129b内を延在し、第1引き出し部110bの先端部(第1引き出し部110bと第1絡げ部110aとの間に位置する部分)110sが、第1ピン状端子123の一方側の側面123cの根元部分の後面123b側の端縁に接している。ここで、第1引き出し部110bにおける角部分127aへの接触部110tは、基板受け面122aよりも径方向内側(下側)に位置している。また、第1引き出し部110bの先端部110sは、基板受け面122aと同一の高さに位置している。その後、コイル線110において第1引き出し部110bより先端側(第1絡げ部110a)は、後面123bに接しながら周方向に延在させられ、しかる後に第1ピン状端子123の周りを周回している。
また、第2引き出し部110dは、巻回部110cから時計周りCWの方向に延在した後、第1内側領域129aにおいて、前面壁128に沿って斜め上方に延在し、次に、前面壁128と傾斜部125aとの角部分128aに接し、その後に、第1内側領域129aの壁面127と第2内側領域129cの壁面131との間の角部分127bに接している。しかる後に、第2引き出し部110dは第2内側領域129c内を延在し、第2引き出し部110dの先端部(第2引き出し部110dと第2絡げ部110eとの間に位置する部分)先端部110uが、第2ピン状端子124の根元部分の他方側の側面124cの後面124b側の端縁に接している(図4(a)、図4(d)参照)。ここで、第2引き出し部110dにおける角部分127bへの接触部110vは、基板受け面122aよりも径方向内側(下側)に位置している。また、第2引き出し部110dの先端部110uは、基板受け面122aと同一の高さに位置している。その後、コイル線110において第2引き出し部110dより先端側(第2絡げ部110e)は、後面124bに接しながら周方向に延在させられ、しかる後に第2ピン状端子124の周りを周回している。
ここで、図3において、第1コイル巻回体11に対してコイル線110を巻き回すためには、例えば、コイル線110の一方の端部を第2ピン状端子124の根元側から先端側に向かって絡げてコイル線110の一方の端部を第2ピン状端子124に保持させる。その結果、第2絡げ部110eが形成される。次に、コイル線110をコイルボビン120の巻線部121に巻回した後、コイル線110を第1ピン状端子123に向けて引き回し、しかる後に、第1ピン状端子123に絡げる。
なお、第2コイル巻回体12も、第1コイル巻回体11と同様な方法で製作される。
また、図1および図2に示す配線基板10をコイルボビン120に取り付ける。かかる取り付け工程は、例えば、第1コイル巻回体11および第2コイル巻回体12を用いてステッピンモータ1を組み立てた後に行なわれる。その際、配線基板10の2つの貫通孔102に第1ピン状端子123および第2ピン状端子124が各々貫通させて、配線基板10を第1コイル巻回体11の基板受け面122aおよび第2コイル巻回体12の基板受け面152a上に隙間なく載置した後、コイル線110の第1絡げ部110a、第2絡げ部110eをランド部101に半田付けする。同様な方法で、配線基板10を第2コイル巻回体12の基板受け面152aの基板受け面152a上に隙間なく載置した後、コイル線140の絡げ部をランド部101に半田付けする。
(本形態の主な効果)
本形態では、引き出し部(第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110d)は、コイル線引き出し用経路180a、180bを通ることによって基板受け面122aに対して径方向外側で重なる位置を通らずに各ピン状端子123、124に接している。従って、コイル線110は、巻回部110cから引き出されて各ピン状端子123、124に絡げられるまでの間に基板受け面122aの径方向外側に位置することがなく、引き回し部(第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110d)が基板受け面122a上を通過することもない。この結果、コイル線110に基板受け面122aからの浮き部分が存在しないので、配線基板10を端子台部122に載置した場合でも、コイル線110が配線基板10で押されることがない。従って、コイル線110が配線基板10に接触したり、配線基板10の押し下げによってコイル線110が引っ張られたりすることに起因した断線や損傷を防止することができる。また、基板受け面122a上にコイル線110が存在しないので、コイル線110による配線基板10の傾きが生じないだけでなく、面接触できる状態で配線基板10を受けることが可能になる。従って、配線基板10を安定した状態に受けることができる。
また、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124は、端子台部122の周方向の両側端部122c,122dよりも内側に設けられ、コイル線引き出し用経路180は、周方向において端子台部122の周方向の両側端部122c,122dよりも内側の範囲内に構成されている。このため、コイル線110の引き出し部(第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110d)を端子台部122の周方向側面を通らずに、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124まで引き出すことができる。従って、コイル線110を巻回した以降、端子台部122の側面(端部122c,122d)に何かが接触した場合でも、コイル線110が断線しない。また、コイル線110の引き出し部(第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110d)が端子台部122の周方向側面を通過していないので、第1コイル巻回体11を取り扱う際に端子台部122の両側端部122c,122dを手で持っても、手とコイル線110とが接触することがなく、コイル110が断線することがない。従って、第1コイル巻回体11の取り扱いが容易である。
また、引き出し部(第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110d)は、弛みのない状態で引き出されているとともに、ピン状端子(123、124)に絡げられるまでの間に角部分(127a、127b)との接触部(110t、110v)を備えている。この結果、接触部(110t、110v)が径方向に移動してしまうことが回避あるいは低減されているので、引き出し部(第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110d)は、コイルボビン120の所定の位置のみを引き出され、浮き上がることがない。
また、コイルボビン120において、巻線部121の後側鍔部121cから連続して起立する前面壁128の上端部には、端子台部122の第1ピン状端子123および第2ピン状端子124の前側を切り欠くようにして形成された傾斜部125aと、この傾斜部125aの後端縁から上に延びて第1ピン状端子123および第2ピン状端子124の根元部分の前面123a、124aへ連続する壁面127が形成されており、コイルボビン120を巻線部121の側から見たときに、壁面127は前面壁128よりも一段後退している。この結果、巻線部121にコイル線110を巻き回すときに、コイル線110が端子台部122、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124に引っ掛かり難くなっている。また、前面壁128の上端部が傾斜部125aとなっているので、巻線部121にコイル線110を巻き回すときにコイル線110の部分が端子台部122の側にはみ出した場合でも、はみ出したコイル線110の部分が端子台部122に引っ掛かることなく巻線部121の側に戻る。従って、コイル線110を巻線部121へ巻き回す際にも、コイル線110の断線を回避できる。
また、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124は、端子台部122と一体に樹脂から形成されている。このため、端子台部122と別体のピン状端子を用いた場合と違って、コイル線110の断線を防止することを目的に端子台部122の形状をどのように設計した場合でも、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124が端子台部122から抜けるという不具合が発生しない。
(実施の形態1の変形例)
上記実施の形態1では、第1引き出し部110bの先端部110sおよび第2引き出し部110dの先端部110uは、ピン状端子123、124の根元部分に接しているが、第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110dは、基板受け面122aに対して径方向外側で重なる位置を通らずにピン状端子123、124に接していればよいので、先端部110s、110uの接触位置は、ピン状端子123、124の根元部分に限られない。
従って、例えば、図3中において点線で示すように、第1引き出し部110b´は、前面壁128に沿って斜め上方に延在した後、前面壁128と傾斜部125bとの角部分128aに接し、その後に、第1内側領域129aの壁面127と第2内側領域129bの壁面130との間の角部分127aに接し、しかる後に、第1引き出し部110b´の先端部110s´が、第1ピン状端子123の一方側の側面123cの後面123b側の端縁において、基板受け面122aよりも径方向外側(上側)に接するように引き出してもよい。第2引き出し部110d´についても、同様にして、先端部110u´が、第2ピン状端子124の他方側の側面124cの後面124b側の端縁において、基板受け面122aよりも径方向外側(上側)に接するように引き出してもよい。
また、図3中において一点鎖線で示すように、第1引き出し部110b´´は、前面壁128に沿って斜め上方に延在した後、前面壁128と傾斜部125bとの角部分128aに接し、その後に、第1引き出し部110b´´の先端部110s´´が、第1ピン状端子123の前面123aの一方側の側面123c側の端縁において、基板受け面122aよりも径方向外側(上側)に接するように引き出してもよい。第2引き出し部110d´´についても、同様にして、先端部110u´´が、第2ピン状端子124の前面124aの他方側の側面124c側の端縁において、基板受け面122aよりも径方向外側(上側)に接するように引き出してもよい。
さらに、図示は省略するが、第1引き出し部110bは、前面壁128に沿って斜め上方に延在した後、前面壁128と傾斜部125bとの角部分128aに接し、その後に、第1内側領域129aの壁面127と第2内側領域129bの壁面130との間の角部分127aの下端に接し、しかる後に、傾斜部125b上を傾斜部125bに沿うように引き出して、第1引き出し部110bの先端部110sが、第1ピン状端子123の一方側の側面123cの根元部分の後面123b側の端縁に接するように引き出してもよい。第2引き出し部110d´についても、同様にして、傾斜部125c上を傾斜部125cに沿うように引き出して、先端部110uが第2ピン状端子124の他方側の側面124cの根元部分の後面124b側の端縁に接するように引き出してもよい。
いずれの変形例でも、コイル線110は、巻回部110cから引き出されて各ピン状端子123、124に絡げられるまでの間に基板受け面122aの径方向外側に位置することがなく、引き回し部(第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110d)が基板受け面122a上を通過することもない。この結果、コイル線110に基板受け面122aからの浮き部分が存在しないので、配線基板10を端子台部122に載置した場合でも、コイル線110が配線基板10で押されることがない。従って、コイル線110が配線基板10に接触したり、配線基板10の押し下げによってコイル線110が引っ張られたりすることに起因した断線や損傷を防止することができる。また、基板受け面122a上にコイル線110が存在しないので、コイル線110による配線基板10の傾きが生じないだけでなく、面接触できる状態で配線基板10を受けることが可能になる。従って、配
線基板10を安定した状態に受けることができる。
なお、上記実施の形態1において、傾斜部125b、125cは、第1ピン状端子123の後面123bおよび第1ピン状端子123の後面124bに対して周方向で隣接する位置を起点にして巻線部121の側に向けて傾斜していたが、これら傾斜部125b、125cについては、第1ピン状端子123の後面123bおよび第2ピン状端子124の後面124bに対して周方向で隣接する位置より前側あるいは後側を起点にして巻線部121の側に向けて傾斜している構成を採用してもよい。換言すれば、第2内側領域129b、129cを、それぞれ第1ピン状端子123の後面123bおよび第2ピン状端子124の後面124bに対して周方向で隣接する位置より前側あるいは後側から形成してもよい。
また、上記実施の形態1において、第2内側領域129b、129cを構成するにあたって、傾斜部125b、125cを垂直に凹んだ凹部とすることもできる。
さらに、上記実施の形態1において、ピン状端子123、124は樹脂製であり、巻線部121、端子台部122と一体に成形されていたが、これらピン状端子123、124を金属製のピンとしてもよい。この場合には、例えば、インサート成形により、端子台部122と一体に成形することができる。なお、ピン状端子を金属ピンなどから構成した場合には、基板受け面122aと比較して径方向外側に位置する部分をピン状端子とする。基板受け面122aより径方向内側において露出している部分は、端子台部122の一部であるとする。
[実施の形態2]
図5は、本発明の実施の形態2に係るモータに用いたコイル巻回体の端子台部周辺を拡大して示す斜視図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの詳細な説明を省略する。
(コイルボビンの詳細構成)
図5に示すように、本形態でも、実施の形態1と同様、第1コイル巻回体11のコイルボビン120では、巻線部121から径方向外側に突出するように肉厚の端子台部122が形成されている。端子台部122において、径方向において最も外側の部分で外側に向く面は、配線基板10が重ねて配置される基板受け面122aになっている。端子台部122の基板受け面122aからは、角棒状の2本の第1ピン状端子123および第2ピン状端子124が径方向外側に向けて起立している。第1ピン状端子123および第2ピン状端子124は、樹脂製であり、コイルボビン120を樹脂成形する際に、一体に形成されてなる。第1ピン状端子123および第2ピン状端子124はいずれも、端子台部122の周方向の両側の端部122c、122dから内側位置で起立して、基板受け面122aの径方向外側に突出している。また、第1ピン状端子123と第2ピン状端子124とは周方向で離間した位置で起立している。
本形態において、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124は、端子台部122の径方向外側の端部において、前端縁122eから起立しており、前面壁128は、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124の前面123a、124aへ連続している。また、端子台部122の径方向外側の端部においては、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124が起立している領域以外の平面全体が基板受け面122aになっている。このように構成したコイルボビン120では、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124より前側全体が基板受け面122aより径方向内側の内側領域129dになっている。
(コイル線の構成)
コイル線110の第1引き出し部110bは、巻回部110cから、この内側領域129dからなるコイル線引き出し用経路180cを通って第1ピン状端子123の根元部分まで引き出されて、第1ピン状端子123に絡げられている。第2引き出し部110dも同様に、巻回部110cから、この内側領域129dからなるコイル線引き出し用経路180cを通って第2ピン状端子124の根元部分まで引き出されて、第2ピン状端子124に絡げられている。
より具体的には、第1引き出し部110bは、巻回部110cから反時計周りCCWの方向に延在した後、内側領域129dにおいて、前面壁128に沿って斜め上方に延在している。しかる後に、第1引き出し部110bの先端部(第1引き出し部110bと第1絡げ部110aとの間に位置する部分)110sが、第1ピン状端子123の前面123aの根元部分の一方側の側面123c側の端縁に接している。第1引き出し部110bの先端部110sは、基板受け面122aと同一の高さに位置している。その後、コイル線110において第1引き出し部110bより先端側(第1絡げ部110a)は、一方側の側面123cに接しながら後方に延在させられ、しかる後に第1ピン状端子123の周りを周回している。
また、第2引き出し部110dは、巻回部110cから時計周りCWの方向に延在した後、内側領域129dにおいて、前面壁128に沿って斜め上方に延在している。しかる後に、第2引き出し部110dの先端部(第2引き出し部110dと第2絡げ部110eとの間に位置する部分)110uが、第2ピン状端子124の前面124aの根元部分の他方側の側面124c側の端縁に接している。第2引き出し部110dの先端部110uは、基板受け面122aと実質的に同一の高さに位置している。その後、コイル線110において第2引き出し部110dより先端側(第2絡げ部110e)は、他方側の側面124cに接しながら後方に延在させられ、しかる後に第2ピン状端子124の周りを周回している。
本形態においても、引き出し部(第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110d)は、コイル線引き出し用経路180cを通ることによって基板受け面122aに対して径方向外側で重なる位置を通らずに各ピン状端子123、124に接している。従って、コイル線110は、巻回部110cから引き出されて各ピン状端子123、124に絡げられるまでの間に基板受け面122aの径方向外側に位置することがなく、引き回し部(第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110d)が基板受け面122a上を通過することもない。この結果、コイル線110に基板受け面122aからの浮き部分が存在しないので、配線基板10を端子台部122に載置した場合でも、コイル線110が配線基板10で押されることがない。従って、コイル線110が配線基板10に接触したり、配線基板10の押し下げによってコイル線110が引っ張られたりすることに起因した断線や損傷を防止することができる。また、基板受け面122a上にコイル線110が存在しないので、コイル線110による配線基板10の傾きが生じないだけでなく、面接触できる状態で配線基板10を受けることが可能になる。従って、配線基板10を安定した状態で受けることができる。
また、本形態では、ピン状端子123、124の前側のみにコイル線引き出し用経路180cが構成されているので、端子台部122における基板受け面122aの面積を広く確保することができる。従って、配線基板10を安定した状態で受けることができる。
(実施の形態2の変形例)
本形態においても、第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110dは、基板受け面122aに対して径方向外側で重なる位置を通らずにピン状端子123、124に接していればよいので、先端部110s、110uの接触位置は、ピン状端子123、124の根元部分に限られない。
例えば、図5中において点線で示すように、第1引き出し部110b´の先端部110s´が、第1ピン状端子123の前面123aの一方側の側面123c側の端縁において、基板受け面122aよりも径方向外側(上側)に接するように引き出してもよい。同様に、第2引き出し部110d´の先端部110u´が第2ピン状端子124の前面124aの他方側の側面124c側の端縁において、基板受け面122aよりも径方向外側(上側)に接するように引き出してもよい。このようにしても、本実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上記実施の形態2においても、ピン状端子123、124は樹脂製であり、巻線部121、端子台部122と一体に成形されていたが、これらピン状端子123、124を金属製のピンとしてもよい。この場合には、例えば、インサート成形により、端子台部122と一体に成形することができる。
[実施の形態3]
図6は、本発明の実施の形態3に係るモータに用いたコイル巻回体の端子台部周辺を拡大して示す斜視図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの詳細な説明を省略する。実施の形態1、2では、コイル線がピン状端子の外側から絡げられていたが、本形態では、以下に説明するように、コイル線をピン状端子の内側から絡げる構成になっている。
(コイルボビンの詳細構成)
図6に示すように、本形態でも、実施の形態1と同様、第1コイル巻回体11のコイルボビン120では、巻線部121から径方向外側に突出するように肉厚の端子台部122が形成されている。端子台部122において、径方向において最も外側の部分で外側に向く面は、配線基板10が重ねて配置される基板受け面122aになっている。端子台部122の基板受け面122aからは、角棒状の2本の第1ピン状端子123および第2ピン状端子124が径方向外側に向けて起立している。第1ピン状端子123および第2ピン状端子124は、樹脂製であり、コイルボビン120を樹脂成形する際に、一体に形成されてなる。第1ピン状端子123および第2ピン状端子124はいずれも、端子台部122の周方向の両側の端部122c、122dから内側位置で起立して、基板受け面122aの径方向外側に突出している。また、第1ピン状端子123と第2ピン状端子124とは周方向で離間した位置で起立している。また、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124は、端子台部122の径方向外側の端部において軸線L1方向の略中央位置に設けられている。
端子台部122において、第1ピン状端子123に対して周方向で隣接する両側のうち、巻回部110cからの第1引き出し部110bの延在方向(反時計周りCCWの方向)とは反対側で隣接する領域は、巻線部121に向けて傾斜する傾斜部125eとなっている。また、第2ピン状端子124に対して周方向で隣接する両側のうち、巻回部110cからの第2引き出し部110dの延在方向(時計周りCWの方向)とは反対側で隣接する領域は、巻線部121に向けて傾斜する傾斜部125eになっている。すなわち、端子台部122の第1ピン状端子123と第2ピン状端子124との間は前側に向かって切り欠かれており、巻線部121に向けて傾斜する傾斜部125eが形成されている。傾斜部125eは、第1ピン状端子123の後面123bおよび第2ピン状端子124の後面124bに対して周方向で隣接する位置を起点にして巻線部121の側に向けて傾斜している。
また、傾斜部125eは前面壁128と繋がっている。従って、第1ピン状端子123と第2ピン状端子124とに挟まれた領域、およびそれより前側領域は、基板受け面122aよりも径方向内側(下側)に位置する内側領域129eになっている。傾斜部125eにおいて第1ピン状端子123側の縁から上には、第1ピン状端子123の他方側の側面123dへ連続する壁面132が形成されている。傾斜部125eにおいて第2ピン状端子124側の縁から上には、第2ピン状端子124の一方側の側面124dへ連続する壁面133が形成されている。
なお、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124に対して外側で隣接する領域にも、巻線部121に向けて傾斜する傾斜部125f、125gが形成されており、かかる傾斜部125f、125gの下端側は傾斜部125eに繋がっている。このため、第1ピン状端子123および第2ピン状端子124より前側も傾斜部なっている。
このように構成した端子台部122では、外側端部のうち、第1ピン状端子123、第2ピン状端子123および傾斜部125e〜125gが形成されていない平坦面が基板受け面122aになっている。
(コイル線の構成)
本形態において、第1引き出し部110bは、巻回部110cからの延在方向が反時計周りCCWの方向であり、コイル線110は、第1ピン状端子123に対して時計周りCWの側(第1引き出し部110bの巻回部110cからの延在方向とは反対側)を通って第1ピン状端子123に絡げられている。このため、第1引き出し部110bは、第1ピン状端子123と第2ピン状端子124との間を通っている。また、第2引き出し部110dは、巻回部110cから引き出し方向が時計周りCWの方向であり、コイル線110は、第2ピン状端子124に対して反時計周りCCWの側(第2引き出し部110dの巻回部110cからの延在方向とは反対側)を通って第2ピン状端子124に絡げられている。このため、第2引き出し部110dは、第1ピン状端子123と第2ピン状端子124との間を通っている。第1引き出し部110bと第2引き出し部110dとは、前面壁128の前方空間で交差している。
より具体的には、第1引き出し部110bは、巻回部110cから、内側領域129eからなるコイル線引き出し用経路180dを通って第1ピン状端子123の根元部分まで引き出されて、第1ピン状端子123に絡げられている。すなわち、第1引き出し部110bは、巻回部110cから前面壁128に沿って反時計周りCCWの方向に延在した後、前面壁128と傾斜部125eとの角部分128aに接し、次に、傾斜部125eに沿って延在し、しかる後に、第1引き出し部110bの先端部(第1引き出し部110bと第1絡げ部110aとの間に位置する部分)110sが、第1ピン状端子123の他方側の側面123dの根元部分の後面123b側の端縁に接している。第1引き出し部110bの先端部110sは、基板受け面122aと実質的に同一の高さに位置している。その後、コイル線110において第1引き出し部110bより先端側(第1絡げ部110a)は、後面123bに接しながら周方向に延在させられ、しかる後に第1ピン状端子123の周りを周回している。
また、第2引き出し部110dは、内側領域129eからなるコイル線引き出し用経路180dを通って第2ピン状端子124の根元部分まで引き出されて、第2ピン状端子124に絡げられている。すなわち、第2引き出し部110dは、巻回部110cから前面壁128に沿って時計周りCWの方向に延在した後、前面壁128と傾斜部125eとの角部分128aに接し、次に、傾斜部125eに沿って延在し、しかる後に、第2引き出し部110dの先端部(第2引き出し部110dと第2絡げ部110eとの間に位置する部分)110uが、第2ピン状端子124の一方側の側面124dの根元部分の後面124b側の端縁に接している。第2引き出し部110dの先端部110uは、基板受け面122aと実質的に同一の高さに位置している。その後、コイル線110において第2引き出し部110dより先端側(第2絡げ部110e)は、後面124bに接しながら周方向に延在させられ、しかる後に第2ピン状端子124の周りを周回している。
本形態においても、引き出し部(第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110d)は、コイル線引き出し用経路180d通ることによって基板受け面122aに対して径方向外側で重なる位置を通らずにピン状端子123、124に接している。従って、コイル線110は、巻回部110cから引き出されて各ピン状端子123、124に絡げられるまでの間に基板受け面122aの径方向外側に位置することがなく、引き回し部(第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110d)が基板受け面122a上を通過することもない。この結果、コイル線110に基板受け面122aからの浮き部分が存在しないので、配線基板10を端子台部122に載置した場合でも、コイル線110が配線基板10で押されることがない。従って、コイル線110が配線基板10に接触したり、配線基板10の押し下げによってコイル線110が引っ張られたりすることに起因した断線や損傷を防止することができる。また、基板受け面122a上にコイル線110が存在しないので、コイル線110による配線基板10の傾きが生じないだけでなく、面接触できる状態で配線基板10を受けることが可能になる。従って、配線基板10を安定した状態に受けることができる。
また、第1ピン状端子123と第2ピン状端子124との間は傾斜部125eになっているので、引き出し部(第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110d)を傾斜部125eに沿うように引き出すことができ、引き出し部(第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110d)が安定した状態で引き出される。また、引き出し部(第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110d)を傾斜部に沿うように引き出すことができるので、引き出し部(第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110d)に余計な浮きが発生しにくい。しかも、傾斜部125eは、第1ピン状端子123の後面123bおよび第2ピン状端子124の後面124bに対して周方向で隣接する位置を起点にして巻回部121に向けて傾斜している。このため、端子台部122上では、引き出し部(第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110d)全体を傾斜部125eに沿うように引き回すことができ、引き出し部に余計な浮きが発生しにくい。それ故、引き出し部に何かが引っ掛かってコイル線が断線するという事態を回避することができる。
(実施の形態3の変形例)
本形態においても、第1引き出し部110bおよび第2引き出し部110dは、基板受け面122aに対して径方向外側で重なる位置を通らずにピン状端子123、124に接していればよいので、先端部110s、110uの接触位置は、ピン状端子123、124の根元部分に限られない。
例えば、図6中において点線で示すように、第1引き出し部110b´は、前面壁128に沿って斜め上方に延在した後、前面壁128と傾斜部125eとの角部分128aに接し、その後に、先端部110s´が第1ピン状端子123の他方側の側面123dの後面123b側の端縁において、基板受け面122aよりも径方向外側(上側)に接するように引き出してもよい。同様に、第2引き出し部110dは、前面壁128に沿って斜め上方に延在した後、前面壁128と傾斜部125eとの角部分128aに接し、その後に、先端部110u´が第2ピン状端子124の一方側の側面124dの後面124b側の端縁において、基板受け面122aよりも径方向外側(上側)に接するように引き出してもよい。このようにしても、本実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上記実施の形態3では、傾斜部125eは、第1ピン状端子123の後面123bおよび第2ピン状端子124の後面124bに対して周方向で隣接する位置を起点にして巻線部121の側に向けて傾斜していたが、傾斜部125eについては、第1ピン状端子123の後面123bおよび第2ピン状端子124の後面124bに対して周方向で隣接する位置より後側を起点にして巻線部121の側に向けて傾斜している構成を採用してもよい。換言すれば、内側領域129eを、第1ピン状端子123の後面123bおよび第2ピン状端子124の後面124bに対して周方向で隣接する位置より後側から形成してもよい。
上記実施の形態3において、第1ピン状端子123と第2ピン状端子124との間に内側領域129eを構成するにあたって傾斜部125eを形成したが、垂直に凹んだ凹部によって内側領域129eを構成してもよい。
上記実施の形態3において、ピン状端子123、124は樹脂製であり、巻線部121、端子台部122と一体に成形されていたが、これらピン状端子123、124を金属製のピンとしてもよい。この場合には、例えば、インサート成形により、端子台部122と一体に成形することができる。なお、ピン状端子を金属ピンなどから構成した場合には、基板受け面122aと比較して径方向外側に位置する部分をピン状端子とする。基板受け面122aより径方向内側において露出している部分は端子台部122の一部であるとする。
1 モータ
2 ステータ
3 ロータ
10 配線基板
11 第1コイル巻回体
12 第2コイル巻回体
110 コイル線
110a 第1絡げ部
110b 第1引き出し部
110c 巻き回し部分
110d 第2引き出し部
110e 第2絡げ部
120 コイルボビン
121 巻線部
122 端子台部
122a 基板受け面
123 第1ピン状端子
124 第2ピン状端子
125a〜125g 傾斜部
129a、第1内側領域
129b、129c 第2内側領域
129d、129e 内側領域
180a〜180d コイル線引き出し用経路

Claims (13)

  1. コイルボビンにコイル線が巻回されたコイル巻回体において、
    前記コイルボビンは、前記コイル線が巻回された巻線部と、前記巻線部から径方向外側に突出した端子台部と、前記端子台部において径方向外側に位置するとともに配線基板が重ねて配置される基板受け面と、該基板受け面と比較して径方向外側に位置するとともに、側面の少なくとも一部が前記基板受け面と繋がった状態で当該基板受け面から径方向外側に突出しているピン状端子と、を備え、
    前記コイル線は、前記巻線部に巻回された巻回部と、該巻回部から前記ピン状端子に接するまで引き出された引き出し部と、該引き出し部より先端側で前記ピン状端子の周りに絡げられた絡げ部と、を備え、
    前記コイルボビンは、前記巻線部から前記基板受け面よりも径方向内側を通って前記ピン状端子において前記側面と前記基板受け面とが繋がっている根元部分に達しているコイル線引き出し用経路を備え、
    前記引き出し部は、前記コイル線引き出し用経路を通ることによって前記基板受け面に対して径方向外側で重なる位置を通らずに延在して、前記引き出し部において前記絡げ部との間に位置する先端部が前記ピン状端子に接していることを特徴とするコイル巻回体。
  2. 請求項1に記載のコイル巻回体において、
    前記引き出し部は、前記コイル線引き出し用経路を通ることによって前記基板受け面に対して径方向外側で重なる位置を通らずに延在して、前記先端部が前記ピン状端子の前記根元部分に到達し、
    前記絡げ部は、前記先端部が前記根元部分に接する状態で前記ピン状端子の周りに絡げられていることを特徴とするコイル巻回体。
  3. 請求項1または2に記載のコイル巻回体において、
    前記ピン状端子は、前記端子台部の周方向の両側端部よりも内側に設けられ、
    前記コイル線引き出し用経路は、周方向において前記端子台部の周方向の両側端部よりも内側の範囲内に構成されていることを特徴とするコイル巻回体。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のコイル巻回体において、
    前記引き出し部は、弛んでいない状態で引き出されていることを特徴とするコイル巻回体。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のコイル巻回体において、
    前記コイルボビンにおいて、前記コイル線引き出し用経路は前記ピン状端子に対して前記巻線部が位置する前側を通るように構成されており、
    前記端子台部において、前記ピン状端子より前側は、前記基板受け面よりも径方向内側に位置して前記コイル線引き出し用経路を構成する第1内側領域になっており、前記ピン状端子に対して周方向で隣接する両側のうち、当該ピン状端子に対して前記巻線部からの前記引き出し部の延在方向で隣接する一方側の領域は、前記基板受け面よりも径方向内側に位置して前記コイル線引き出し用経路を構成する第2内側領域になっていることを特徴とするコイル巻回体。
  6. 請求項5に記載のコイル巻回体において、
    前記ピン状端子に対して前記巻線部からの前記引き出し部の延在方向で隣接する前記一方側の領域は、前記巻線部に向けて下方に傾斜して前記第2内側領域を構成する傾斜部になっていることを特徴とするコイル巻回体。
  7. 請求項に記載のコイル巻回体において、
    前記傾斜部は、前記ピン状端子において前記巻回部側とは反対側に位置する後面に対して周方向で隣接する位置を起点にして前記巻回部に向けて傾斜していることを特徴とするコイル巻回体。
  8. 請求項1ないしのいずれかに記載のコイル巻回体において、
    前記コイルボビンにおいて、前記コイル線引き出し用経路は前記ピン状端子に対して前記巻線部が位置する前側を通るように構成されているとともに、前記ピン状端子より前記巻線部が位置する前側は、前記基板受け面よりも径方向内側に位置して前記コイル線引き出し用経路を構成する内側領域になっていることを特徴とするコイル巻回体。
  9. 請求項1ないし4のいずれかに記載のコイル巻回体において、
    前記コイルボビンにおいて、前記コイル線引き出し用経路は、前記ピン状端子に対して周方向で隣接する両側のうち、当該ピン状端子に対して前記巻線部からの前記引き出し部の延在方向とは反対側で隣接する他方側の領域を通っており、
    前記端子台部において、前記ピン状端子の前記他方側の領域、および該他方側の領域より前記巻線部側の前側領域は、前記基板受け面よりも径方向内側に位置して前記コイル線引き出し用経路を構成する内側領域になっていることを特徴とするコイル巻回体。
  10. 請求項9に記載のコイル巻回体において、
    前記ピン状端子に対して前記巻線部からの前記引き出し部の延在方向とは反対側で隣接する前記他方側の領域は、前記巻線部に向けて下方に傾斜して前記内側領域を構成する傾斜部になっていることを特徴とするコイル巻回体。
  11. 請求項10に記載のコイル巻回体において、
    前記傾斜部は、前記ピン状端子において前記巻回部側とは反対側に位置する後面に対して周方向で隣接する位置を起点にして前記巻回部に向けて傾斜していることを特徴とするコイル巻回体。
  12. 請求項1ないし11のうちのいずれかの項に記載のコイル巻回体において、
    前記ピン状端子は、前記端子台部と一体に樹脂から形成されていることを特徴とするコイル巻回体
  13. 請求項1ないし12のうちのいずれかの項に記載のコイル巻回体を備えたモータであって、
    前記コイル巻回体を備えたステータと、ロータマグネットを備えたロータと、を有していることを特徴とするモータ。
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