JP5301799B2 - 摺動性樹脂組成物及びこれから形成された成形品 - Google Patents
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Description
(A成分:芳香族ポリカーボネート樹脂)
本発明でA成分として使用される芳香族ポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものである。反応方法の一例として界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。
例えば、2価フェノール成分の一部又は全部として、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(以下“BPM”と略称することがある)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(以下“Bis−TMC”と略称することがある)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン及び9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下“BCF”と略称することがある)を用いたポリカーボネ−ト(単独重合体又は共重合体)は、吸水による寸法変化や形態安定性の要求が特に厳しい用途に適当である。これらのBPA以外の2価フェノールは、該ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分全体の5モル%以上、特に10モル%以上、使用するのが好ましい。
(1)該ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分100モル%中、BPMが20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつBCFが20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
(2)該ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分100モル%中、BPAが10〜95モル%(より好適には50〜90モル%、さらに好適には60〜85モル%)であり、かつBCFが5〜90モル%(より好適には10〜50モル%、さらに好適には15〜40モル%)である共重合ポリカーボネート。
(3)該ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分100モル%中、BPMが20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつBis−TMCが20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
(i)吸水率が0.05〜0.15%、好ましくは0.06〜0.13%であり、かつTgが120〜180℃であるポリカーボネート、あるいは
(ii)Tgが160〜250℃、好ましくは170〜230℃であり、かつ吸水率が0.10〜0.30%、好ましくは0.13〜0.30%、より好ましくは0.14〜0.27%であるポリカーボネート。
さらにポリオルガノシロキサン単位を共重合した、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の使用も可能である。
前記以外の反応形式の詳細についても、成書および特許公報などで良く知られている。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mを算出する。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4M0.83
c=0.7
本発明におけるB成分は、下記一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンに(メタ)アクリル酸エステルおよび共重合可能な他の単量体、好ましくは(メタ)アクリル酸エステルのみをグラフト共重合してなるアクリル変性ポリオルガノシロキサンである。
本発明のC成分として使用する有機リン化合物系難燃剤としては赤燐、有機リン酸エステル系難燃剤等を挙げることかできる。その中でも有機リン酸エステル系難燃剤が好ましく、特に下記式(2)で表される1種または2種以上のリン酸エステルが好ましい。
本発明のD成分として使用する含フッ素滴下防止剤としては、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン等が例示される。
フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は極めて高い分子量を有し、せん断力などの外的作用によりPTFE同士を結合して繊維状になる傾向を示すものである。その分子量は、標準比重から求められる数平均分子量において100万〜1000万、より好ましく200万〜900万である。かかるPTFEは、固体形状の他、水性分散液形態のものも使用可能である。またかかるフィブリル形成能を有するPTFEは樹脂中での分散性を向上させ、更に良好な難燃性および機械的特性を得るために他の樹脂との混合形態のPTFE混合物を使用することも可能である。かかるフィブリル形成能を有するPTFEの市販品としては例えば三井・デュポンフロロケミカル(株)のテフロン(登録商標)6J、ダイキン化学工業(株)のポリフロンMPA FA500、F−201Lなどを挙げることができる。PTFEの水性分散液の市販品としては、旭アイシーアイフロロポリマーズ(株)製のフルオンAD−1、AD−936、ダイキン工業(株)製のフルオンD−1、D−2、三井・デュポンフロロケミカル(株)製のテフロン(登録商標)30Jなどを代表として挙げることができる。
、更に該混合分散液中でビニル系単量体を重合し、その後混合物を得る方法(特開平11−29679号などに記載された方法)により得られたものが使用できる。これらの混合形態のPTFEの市販品としては、三菱レイヨン(株)の「メタブレン A3000」(商品名)、およびGEスペシャリティーケミカルズ社製 「BLENDEX B449」(商品名)などを挙げることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、通常ポリカーボネート樹脂に配合される各種の添加剤、強化剤などを配合することができる。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、更にリン系安定剤を含有することが好ましい。かかるリン系安定剤は製造時または成形加工時の熱安定性を向上させ、機械的特性、色相、および成形安定性を向上させる。また紫外線劣化においても少なからず酸化劣化を伴うことから、かかる劣化の抑制にも補助的な効果を奏する。かかるリン系安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステルなどが例示される。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、更にヒンダードフェノール系安定剤を含有することができ、かかる含有は特にその乾熱劣化の防止において効果を奏する。また紫外線劣化においても少なからず酸化劣化を伴うことからかかる劣化の抑制にも効果的である。かかるヒンダードフェノール系安定剤としては、例えば、α−トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、シナピルアルコール、ビタミンE、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−ジメチレン−ビス(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−へキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−tert−ブチル−4−メチル6−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、4,4’−ジ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−トリ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2−チオジエチレンビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアヌレート、およびテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが例示される。これらはいずれも入手容易である。上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、単独でまたは2種以上を組合せて使用することができる。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、強化フィラーとして公知の各種充填材を配合することができる。かかる充填材としては、例えば、タルク、ワラストナイト、マイカ、クレー、モンモンリロナイト、スメクタイト、カオリン、炭酸カルシウム、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスミルドファイバー、ガラスフレーク、炭素繊維、炭素フレーク、カーボンビーズ、カーボンミルドファイバー、金属フレーク、金属繊維、金属コートガラス繊維、金属コート炭素繊維、金属コートガラスフレーク、シリカ、セラミック粒子、セラミック繊維、セラミックバルーン、グラファイト、アラミド繊維、並びに各種ウイスカー(チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、および塩基性硫酸マグネシウムなど)などが例示される。これらの強化フィラーは1種もしくは2種以上を併用して含むものであってもよい。充填材は、A成分100重量部当たり1〜50重量部の範囲が好ましい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は白色顔料の配合によっても、より良好な特性を有する樹脂組成物を提供する。白色顔料としては二酸化チタン(特にシリコーンなど有機表面処理剤により処理された二酸化チタン)顔料が特に好ましく、その割合はA成分100重量部に対し1〜30重量部、より好ましくは2〜20重量部が好ましい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、ラジカル発生剤を含有することができる。好ましいラジカル発生剤としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(ジクミル)等が挙げられ、これらは日本油脂(株)製パーヘキシン25B、パークミルD、ノフマーBC等の商品名で市販されており容易に入手できる。特に溶融混練時にはラジカルの発生が極力少なく、燃焼時に有効にある程度安定したラジカルを発生するものが好ましいため、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(ジクミル)をより好ましいラジカル発生剤として挙げることができる。難燃性が必要とされる場合、かかるラジカル発生剤により難燃性を更に向上可能である。その割合はA成分100重量部に対し0.001〜0.3重量部、より好ましくは0.01〜0.1重量部が好ましい。
また本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ{[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]}、およびポリメチルプロピル3−オキシ−[4−(2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジニル]シロキサンなどに代表されるヒンダードアミン系の光安定剤も含むことができる。
上記光安定剤は単独であるいは2種以上の混合物を用いてもよい。光安定剤の使用量は芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して0.0005〜3重量部が好ましく、0.01〜2重量部がより好ましく、0.02〜1重量部が更に好ましい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、他の樹脂やエラストマーを本発明の目的が損なわれない範囲で少割合使用することもできる。
かかる他の樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリメタクリレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
かかる添加剤としては、着色剤(例えばカーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、染料)、無機系蛍光体(例えばアルミン酸塩を母結晶とする蛍光体)、帯電防止剤、流動改質剤、結晶核剤、無機および有機の抗菌剤、光触媒系防汚剤(例えば微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛)、グラフトゴムに代表される衝撃改質剤、赤外線吸収剤(熱線吸収剤)、およびフォトクロミック剤が挙げられる。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造するには、任意の方法が採用される。例えばA成分〜D成分、および任意に他の成分をそれぞれV型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、押出混合機などの予備混合手段を用いて充分に混合した後、場合により押出造粒器やブリケッティングマシーンなどにより造粒を行い、その後ベント式二軸ルーダーに代表される溶融混練機で溶融混練、およびペレタイザー等の機器によりペレット化する方法が挙げられる。
各成分の溶融混練機への供給方法としては、(i)A成分〜D成分および他の成分はそれぞれ独立に溶融混練機に供給する方法、(ii)A成分〜D成分および他の成分の一部を予備混合した後、残りの成分と独立に溶融混練機に供給する方法が例示される。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品は、通常そのペレットを射出成形して得ることができる。かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体を注入する方法を含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形などを挙げることができる。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。
さらに本発明の成形品には、各種の表面処理を行うことが可能である。表面処理としては、ハードコート、撥水・撥油コート、親水性コート、帯電防止コート、紫外線吸収コート、赤外線吸収コート、並びにメタライジング(蒸着など)などの各種の表面処理を行うことができる。表面処理方法としては、液剤のコーティングの他、蒸着法、溶射法、およびメッキ法が挙げられる。蒸着法としては物理蒸着法および化学蒸着法のいずれも使用できる。物理蒸着法としては真空蒸着法、スパッタリング、およびイオンプレーティングが例示される。化学蒸着(CVD)法としては、熱CVD法、プラズマCVD法、および光CVD法などが例示される。
表1に記載の樹脂組成物を以下の要領で作成した。表1の割合の各成分を計量して、タンブラーを用いて均一に混合し、かかる混合物を押出機に投入して樹脂組成物の作成を行った。押出機としては径30mmφのベント式二軸押出機((株)神戸製鋼所KTX−30)を使用した。シリンダ−温度およびダイス温度が280℃、およびベント吸引度が3000Paの条件でストランドを押出し、水浴において冷却した後ペレタイザーでストランドカットを行い、ペレット化した。得られたペレットは120℃で6時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥し、射出成形機[東芝機械(株)IS150EN−5Y]によりシリンダー温度280℃、金型温度70℃で試験片を成形し、下記の方法で評価を行った。
(1)動摩擦係数
評価機器として(株)オリエンテック製往復動摩擦摩耗試験機AFT−15Mを使用した。直径5mmφの半球と直径5mmφ、長さ30mmφの円柱とを円断面部分で結合した先端に球面を有するピン状試験片(材質:スチール)を固定側試験片ホルダーに装着した。一方実施例および比較例の樹脂組成物より長さ150mm×幅150mm×厚さ2mmの平板状試験片(ゲートは辺の一端より幅40mm×厚み1mmのフィンゲート)を射出成形により作成し、中心部を長さ50mm×幅100mmに切削し、かかる切削試験片を往復動作する台座上に固定した。上記ピン状試験片の先端球面部分をかかる平板状試験片の切削試験片の平面部分に、ピン状試験片の円柱軸方向と平板状試験片の平面法線方向が平行となる状態で負荷荷重9.8Nの荷重をかけた状態で接触させた。かかる接触状態で、23℃、相対湿度50%RHの雰囲気中で平面内の1直線上を1往復2秒の割合で片道25mmの距離を1000回往復動作させ、ピン状試験片側に接続した容量49Nのロードセルにより1000回動作後の摩擦力を測定し、前記負荷荷重との関係より動摩擦係数を算出した。
外径25mm、内径20mmの円筒状試験片を成形し、摩擦試験機[(株)オリエンテック製フリクトロン摩擦摩耗試験機]を用いてスラスト摩擦摩耗試験(円筒状試験片を一定荷重下で、相手材料の端面に接触、回転させる)を行った。相手材料としては、機械構造用炭素鋼(S−45C)を用い無潤滑の状態で行い、すべり速度20cm/sec(回転数167rpm)の条件下で加圧荷重を3分毎に0から500kgまで段階的に変化させて限界PV値の測定を行った。ここで言う限界PV値とは、材料の摺動表面が摩擦発熱によって変形(溶融)し、破壊する限界の加圧荷重(P)とすべり速度(V)を掛け合わせた値を示す。
ISO 179に従い、ノッチ付きのシャルピー衝撃強度の測定を実施した。
ISO 75−1および75−2に従い、荷重たわみ温度を測定した。なお、測定荷重は1.80MPaで実施した。
UL規格に従って作成した1.5mmの厚みの試験片を用いてUL規格94に基づく垂直燃焼試験により評価を行った。
幅50mm×長さ80mm×厚み2mmの角板を目視にて測定した。表面外観が良好なものを○、成形品表面にて相分離することによる光沢ムラ等を生じたもの、または射出成形時に成形品表面からアクリル変性ポリオルガノシロキサン成分が剥離したものを×で示した。
(A成分)
PC−1:芳香族ポリカーボネート樹脂
[帝人化成(株)製L−1225WP、粘度平均分子量22,400]
PC−2:芳香族ポリカーボネート樹脂
[帝人化成(株)製L−1225WX、粘度平均分子量19,700]
(B成分)
R−170:アクリル変性ポリオルガノシロキサン
[日信化学工業(株)製シャリーヌR−170、ポリシ゛メチルシロキサン含量70重量%]
(B成分以外)
PTFE:ポリテトラフルオロエチレン樹脂
[ダイキン工業(株)製ルブロンL−5、平均粒子径約7μm]
(C成分)
PX−200:レゾルノールビス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート]を主成分とするリン酸エステル
[大八化学工業(株)製PX−200]
(D成分)
FA500:フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン
[ダイキン工業(株)製ポリフロンMP FA500]
(その他成分)
IRX: ホスファイト化合物
[チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製Irgafos168]
Claims (5)
- 芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、(B)アクリル変性ポリオルガノシロキサン(B成分)3.0〜7.0重量部、(C)有機リン化合物系難燃剤(C成分)4.0〜9.0重量部、および(D)含フッ素滴下防止剤(D成分)0.01〜1重量部を含有してなり、アクリル変性ポリオルガノシロキサン(B成分)が(B1)下記一般式(1)で示されるポリオルガノシロキサン(B1成分)に、(B2)(メタ)アクリル酸エステル(B2−1成分)70重量%〜100重量%および共重合可能な他の単量体(B2−2成分)0重量%〜30重量%からなる混合物(B2成分)をB2成分/B1成分の重量比で表して5/95〜95/5の割合でグラフト共重合してなるアクリル変性ポリオルガノシロキサンであり、かつシリコーンオイルを含有しないことを特徴とする難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- B2−1成分がメタクリル酸メチル及び/又はメタクリル酸−2−ヒドロキシエチルである請求項1に記載の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- B2成分/B1成分の重量比が20/80〜60/40の割合である請求項1または2に記載の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 有機リン化合物系難燃剤が下記式(2)で表されるリン酸エステルである請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物より形成された成形品。
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