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JP2000302958A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物

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Publication number
JP2000302958A
JP2000302958A JP11116724A JP11672499A JP2000302958A JP 2000302958 A JP2000302958 A JP 2000302958A JP 11116724 A JP11116724 A JP 11116724A JP 11672499 A JP11672499 A JP 11672499A JP 2000302958 A JP2000302958 A JP 2000302958A
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JP
Japan
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polycarbonate resin
resin composition
weight
silicone oil
meth
Prior art date
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Pending
Application number
JP11116724A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Kurasawa
義博 倉沢
Naoto Obayashi
直人 大林
Takashi Miyajima
崇 宮島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Engineering Plastics Corp filed Critical Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度、耐熱性の優れたポリカーボネー
ト樹脂本来の性質を損なうことなく、摺動性に優れたポ
リカーボネート樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 ポリカーボネート樹脂(A)100重量
部に対して、25℃での粘度が10,000mm2/s
以上のシリコーンオイル(B)0.05〜10重量部、
及び(メタ)アクリル酸エステルをグラフト共重合して
なるポリオルガノシロキサン(C)0.5〜30重量部
を含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的強度、耐熱
性といったポリカーボネート樹脂本来の性質を損なうこ
となく、摺動性に優れたポリカーボネート樹脂組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、OA機器や電子機器の小型軽量化
や部品点数の削減の目的から、合成樹脂が摺動部材に使
われるケースが増えてきており、ポリカーボネート樹脂
もその優れた寸法精度や機械的強度から歯車等の摺動部
材の部品に用いられている。しかしながら、ポリカーボ
ネート樹脂は本来、摺動性が良くない樹脂であるため、
その改良のため摺動剤を添加することが行われている。
例えば、特開昭63−213555号公報や特開平4−
136065号公報にはポリカーボネート樹脂にフッ素
樹脂、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル等の
樹脂を摺動性改良材として添加することが記載されてい
る。しかしながら、ポリカーボネート樹脂にフッ素樹脂
を添加すると、成形時に微量のフッ素ガスが生じ、金型
や成形機を腐食するといった問題が発生する他、親和性
の無いフッ素樹脂を大量に添加する必要があるため、成
形時に層剥離やモールドデポジットといった問題も発生
していた。また、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエ
ステルといった他の熱可塑性樹脂を多量に添加すると、
機械的強度や耐熱性、あるいは難燃性といったポリカー
ボネート樹脂が本来持っている特性を損なうばかりか、
層剥離といった問題も生じてしまう。
【0003】一方、ポリカーボネート樹脂に、化学的、
物理的に安定な潤滑剤であるシリコーンオイルを添加す
ることも行われているが、成形品表面のシリコーンオイ
ルが、短時間にしみ出し消費されてしまうため、初期に
おいては優れた摺動性を発現するものの、長期的な摺動
性は不十分であり、また表面がべたつく等の問題もあ
り、満足できるものではなかった。これを解決する為
に、例えば、高分子量のシリコーンオイルを用いる試み
もなされている。この場合には確かにオイルの成形品ヘ
のブリードアウトや、長期的な摺動性は改良されている
ものの、必ずしも満足のいくものではなく、そのため充
分な摺動性を得るためにはシリコーンオイルを多量に添
加せざるを得なく、その結果、成形品表面ではシリコー
ンオイルが相分離することによる光沢ムラ等も生じやす
く、実用上満足のいくものでは無かった。また、特開平
9−255864号公報には、ポリカーボネート樹脂と
高粘度のシリコーンオイルからなる組成物に、ポリオレ
フィン樹脂、ポリスチレン樹脂等の他の熱可塑性樹脂を
添加することにより外観が向上するとの記載がなされて
いるが、その改良効果は充分なものでは無かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもと、ポリカーボネート樹脂本来の機械的強度や
耐熱性を損なうことなく、摺動性を改良し、かつ成形品
外観に優れたポリカーボネート樹脂組成物を提供するこ
とを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリカーボ
ネート樹脂に高粘度シリコーンオイルと、(メタ)アク
リル酸エステルをグラフト共重合してなるポリオルガノ
シロキサンを添加してなる樹脂組成物が、機械的強度、
耐熱性、及び摺動性に優れていることを見出し、本発明
に到達した。すなわち本発明は、ポリカーボネート樹脂
(A)100重量部に対して、25℃での粘度が10,
000mm2/s以上のシリコーンオイル(B)0.0
5〜10重量部、及び(メタ)アクリル酸エステルをグ
ラフト共重合してなるポリオルガノシロキサン(C)
0.5〜30重量部を含有することを特徴とするポリカ
ーボネート樹脂組成物を提供しようとするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明では、ポリカーボネート樹
脂(A)として、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリ
カーボネート、芳香族−脂肪族ポリカーボネートを用い
ることができるが、芳香族ポリカーボネートが好まし
い。本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂として
は、芳香族ジヒドロキシ化合物、またはこれと少量のポ
リヒドロキシ化合物をホスゲンまたは炭酸のジエステル
と反応させることによって作られる、分岐していてもよ
い熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合
体である。製造方法については、特に限定されるもので
は無く、ホスゲン法(界面重合法)あるいは、溶融法
(エステル交換法)等で製造することができる。さら
に、溶融法で製造された末端のOH基量を調整した芳香
族ポリカーボネート樹脂も使用することができる。該芳
香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノール
A)、テトラメチルビスフェノールA、、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−P−ジイソプロピリデンベンゼ
ン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒド
ロキシジフェニルなどが挙げられ、好ましくはビスフェ
ノールAが挙げられる。さらに、難燃性をさらに高める
目的で上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テ
トラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物、
及び/又はシロキサン構造を有する両末端フェノール性
OH基含有のポリマーあるいはオリゴマーを使用するこ
とができる。
【0007】分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂を得
るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,
6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、
4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシ
フェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−
トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,
3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、
1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)
−4−メチルフェノール、α,α’,α”−トリ(4−
ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピル
ベンゼンなどで示されるポリヒドロキシ化合物、あるい
は3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシイン
ドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサ
チンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフ
ェノール、5−ブロムイサチンビスフェノールなどを前
記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部として用いればよ
く、使用量は芳香族ジヒドロキシ化合物の0.01〜1
0モル%であり、好ましくは0.1〜2モル%である。
分子量を調節するには、一価芳香族ヒドロキシ化合物を
用いればよく、mー及びp−メチルフェノール、m−及
びp−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェ
ノール及びp−長鎖アルキル置換フェノールなどが挙げ
られる。芳香族ポリカーボネート樹脂としては、好まし
くは、芳香族ジヒドロキシ化合物としてビスフェノール
Aから誘導されるポリカーボネート樹脂、またはビスフ
ェノールAと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導
されるポリカーボネート共重合体が挙げられる。さら
に、難燃性を高める目的でシロキサン構造を有するポリ
マーあるいはオリゴマーを共重合することができる。芳
香族ポリカーボネート樹脂としては、2種以上の樹脂を
混合して用いてもよい。
【0008】芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、
溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測
定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、1
6,000〜30,000である。より好ましくは1
7,000〜25,000であり、最も好ましくは1
8,000〜23,000である。粘度平均分子量が1
6,000未満だと機械的強度が不足し、30,000
を越えると成形品外観に不良を生じやすく好ましくな
い。本発明で用いられるシリコーンオイル(B)とは、
25℃における粘度が10,000mm2/s以上のシ
リコーンオイルであり、一般に知られるものの中から任
意に選ぶことができる。例えば、ポリジメチルシロキサ
ンからなるもの、ポリジメチルシロキサンのメチル基の
一部または全部がフェニル基、水素、炭素数2以上のア
ルキル基、ハロゲン化フェニル基、フルオロエステル基
で置換されたシリコーンオイル、エポキシ基を有するエ
ポキシ変性シリコーンオイル、アミノ基を有するアミノ
変性シリコーンオイル、アルコール性水酸基を有するア
ルコール変性シリコーンオイル、ポリエーテル構造を有
するポリエーテル変性シリコーンオイル等が挙げられ、
これらは単独または二種類以上を組み合わせて用いる。
シリコーンオイルの25℃での粘度は好ましくは10
0,000mm2/s以上、より好ましくは500,0
00mm2/s以上で、とりわけ好ましくは1,00
0,000mm2/s以上である。シリコーンオイルの
粘度が10,000mm2/s未満だと長期的な摺動性
が不満足である。本発明において用いられる(メタ)ア
クリル酸エステルをグラフト共重合してなるポリオルガ
ノシロキサン(C)は、下記一般式(1)で表されるポ
リオルガノシロキサンに(メタ)アクリル酸エステルを
グラフト共重合してなるものが挙げられる。
【0009】
【化1】
【0010】[式中、R1,R2,R3は独立にメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のア
リール基で例示される炭素数1〜20の1価の炭化水素
基、又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の少
なくとも一つをハロゲン原子で置換した基を表す。Yは
ビニル基、アリル基、γ−メタクリロキシプロピル基で
例示されるラジカル反応性基、又はγ−メルカプトプロ
ピル基で例示される−SH基含有有機基を表す。Z1,
Z2は独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基等の低級アルキル基、又は−SiR4R5
R6(R4,R5は独立にR1〜R3で例示された炭素
数1〜20の1価の炭化水素基、炭素数1〜20の1価
のハロゲン化炭化水素基を表し、R6は炭素数1〜20
の1価の炭化水素基、炭素数1〜20の1価のハロゲン
化炭化水素基、又はYで例示されたラジカル反応性基も
しくは−SH基を持つ有機基を表す。)で示されるトリ
オルガノシリル基を表す。mは10,000以下の正の
整数を表し、nは1以上の整数を表す。なお、1分子中
で、R1〜R6、Yの各々は同一でも異なっていてもよ
い。] このようなポリオルガノシロキサンは公知の方法で製造
することができる。例えば、前記の基を有する鎖状や環
状の低分子量ポリオルガノシロキサンやアルコキシシラ
ンを用いて、加水分解や重合、平衡化の手段を組み合わ
せることにより製造することができる。加水分解や重
合、平衡化は公知の技術により、水中に分散した状態で
も行うことができる。また、(メタ)アクリル酸エステ
ルとは、(メタ)アクリル酸の、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル,t−ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシ
ル、ラウリル、ステアリル等のアルキルエステル、メト
キシエチル、ブトキシエチル等のアルコキシアルキルエ
ステル、シクロヘキシル等のシクロアルキルエステル、
フェニル等のアリールエステルが例示され、これらのう
ち1種または2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0011】また、本発明では、(メタ)アクリル酸エ
ステルはこれと共重合可能な他のビニルモノマーの1種
又は2種以上と混合して用いることができる。これら共
重合可能な他のビニルモノマーは、(メタ)アクリル酸
エステルとの合計量を100重量%として、30重量%
以下であることが好ましい。グラフト共重合は公知の技
術により行うことができる。例えば、ポリオルガノシロ
キサンと(メタ)アクリル酸エステル又はこれと他のビ
ニルモノマーの混合物を水中に乳化分散し、ラジカル重
合開始剤の存在下に重合させ、グラフト共重合を行うこ
とができる。この方法で用いる乳化剤やラジカル重合開
始剤は、乳化重合用として公知のものでよい。重合終了
後、塩析、濾過、水洗、乾燥によりグラフト共重合体を
得ることができる。なお、この乳化グラフト共重合にお
いては、前記のようにポリオルガノシロキサンを水中に
分散した状態で製造すれば、得られたポリオルガノシロ
キサンの乳化液をそのままグラフト共重合用原料として
用いることができる。本発明ではポリオルガノシロキサ
ンに対し(メタ)アクリル酸エステルを重量比で90:
10〜20:80でグラフト共重合することが好まし
く、より好ましくは85:15〜30:70、とりわけ
好ましくは80:20〜40:60である。この重量比
において、(メタ)アクリル酸エステルが10未満であ
ると、ポリカーボネートとの相溶性が不十分で機械的強
度や成形品外観に難があり、(メタ)アクリル酸エステ
ルが80を超えると、摺動性が不十分である。
【0012】かかる(メタ)アクリル酸エステルをグラ
フト共重合してなるポリオルガノシロキサンは、例え
ば、日信化学(株)から「シャリーヌ」の商品名で販売
されており、市場から容易に入手することもできる。ま
た、本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、必要に
応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤等の安定剤、顔料、染
料、滑剤、難燃剤、離型剤等の添加剤、ガラス繊維、ガ
ラスフレーク、炭素繊維等の強化材あるいはチタン酸カ
リウム、ホウ酸アルミニウム等のウィスカー、ポリカー
ボネート樹脂以外の樹脂等を添加配合することができ
る。ポリカーボネート樹脂以外の樹脂としては、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートの
ようなポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ハイインパ
クトポリスチレン(HIPS)樹脂あるいはABS樹脂
等のスチレン系樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性
樹脂が挙げられ、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂の配
合量は、好ましくはポリカーボネート樹脂とポリカーボ
ネート樹脂以外の樹脂の合計量の40重量%以下、より
好ましくは30重量%以下である。以上詳述した本発明
のポリカーボネート樹脂組成物において、ポリカーボネ
ート樹脂(A)、シリコーンオイル(B)、(メタ)ア
クリル酸エステルをグラフト共重合したポリオルガノシ
ロキサン(C)の組成比は、ポリカーボネート樹脂
(A)を100重量部としたとき、前記シリコーンオイ
ル(B)が0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜
4重量部、とりわけ好ましくは0.2〜3重量部であ
り、且つ前記ポリオルガノシロキサン(C)が0.5〜
30重量部、好ましくは1〜20重量部、とりわけ好ま
しくは1〜15重量部である。
【0013】該ポリカーボネート樹脂(A)の割合が小
さいと、機械的強度、耐熱性、成形品外観が不満足であ
り、また多すぎるとでは摺動性が不十分である。またポ
リカーボネート樹脂(A)100重量部としたとき、シ
リコーンオイル(B)の割合が0.05重量部未満で
は、摺動性が不満足であり、10重量部を越えると、成
形品外観が不満足であり、(メタ)アクリル酸エステル
をグラフト共重合したポリオルガノシロキサン(C)の
割合が0.5重量部未満では、摺動性の改良効果が不満
足であり、30重量部を越えると、機械的強度が低下
し、好ましくない。また、シリコーンオイル(B)と、
(メタ)アクリル酸エステルをグラフト共重合したポリ
オルガノシロキサン(C)の配合比も重量比で、5:1
〜1:50であることが好ましく、より好ましくは2:
1〜1:30である。、シリコーンオイル(B)と、
(メタ)アクリル酸エステルをグラフト共重合したポリ
オルガノシロキサン(C)の配合比がこの範囲を超える
と、機械的強度や成形品外観が低下し好ましくない。本
発明のポリカーボネート樹脂組成物を得るための方法と
しては、各種混練機、例えば、一軸および多軸混練機、
バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグ
ラフ等で、上記成分を混練した後、冷却固化する方法や
適当な溶媒、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の炭化水素およびその誘導体に上
記成分を添加し、溶解する成分同志あるいは、溶解する
成分と不溶解成分を懸濁状態でまぜる溶液混合法等が用
いられる。工業的コストからは溶融混練法が好ましい
が、これに限定されるものではない。本発明のポリカー
ボネート樹脂組成物の成形方法も特に限定されるもので
なく、熱可塑性樹脂組成物について一般に用いられてい
る成形法、例えば、射出成形、中空成形、押し出し成
形、シート成形、熱成形、回転成形、積層成形等の成形
方法が適用できる。
【0014】
【実施例】以下に本発明を実施例及び比較例によって、
詳しく説明するが、本発明はこれらの範囲内に限定され
るものでは無い。なお、本実施例及び比較例において、
各成分として、次に示すものを用いた。 (A)ポリカーボネート樹脂: ポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネー
ト 商品名:ユーピロンS−3000、三菱エンジニア
リングプラスチックス(株)製品、粘度平均分子量2
1,000(以下、「PC」と称することもある。) (B)シリコーンオイル: B−1 ポリジメチルシロキサン 商品名:VRS−0
1、信越シリコーン(株)製品、25℃での粘度:6,
000,000mm2/s B−2 ポリジメチルシロキサン 商品名:KF−9
6、信越シリコーン(株)製品、25℃での粘度:50
0mm2/s (C)メタクリル酸エステルをグラフト共重合したポリ
オルガノシロキサンメチルメタクリレートをグラフト共
重合したポリジメチルシロキサン 商品名:シャリーヌ
R170、日信化学(株)製品、ポリジメチルシロキサ
ン含量:70重量%
【0015】[実施例1〜4及び比較例1〜5]表1に
示す成分と組成で、ポリカーボネートとシリコーンオイ
ルの割合が重量比で90:10になる組成物をミキサー
にて均一に混合したのち、二軸押出機(日本製鋼所製
品)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回
転数250rpmでペレット化した。続いて、このペレ
ットと残りの成分を所定の割合になるようにミキサーに
て均一に混合したのち、二軸押出機(日本製鋼所製品)
を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数
250rpmでペレット化した。次にこの樹脂組成物
を、射出成形機(日本製鋼所製品、型締め力:50T)
を用い、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条
件で、射出成形し、成形品を作成し、以下の方法で評価
を行った。 (評価方法) (1)アイゾット衝撃試験 ASTM D256に従い、切り欠き付きアイゾット衝
撃試験を行った。 (2)曲げ弾性率 ASTM D790による曲げ試験法に従い、三点曲げ
試験を行った。
【0016】(3)熱変形温度 ASTM D648に従い、1.82MPaの条件で、
荷重たわみ試験を行った。 (4)繰り返し曲げ疲労 ASTM D671に従い、TypeA試験片を用いて
23℃、実応力19MPaで試験を行い、破壊に至る回
数を評価した。 (5)摺動性 JIS K7218 A法に従い、相手材としてS45
C製のリングを用い、荷重5kg(面圧2.5kg/c
2)、周速度10cm/sec、走行時間10時間の条件
で摺動試験を行い、摩耗量から次式により比摩耗量を算
出した。 比摩耗量(mm3/kg・km)=摩耗量(g)/密度(g/mm3)・荷重
(kg)・走行距離(km) (6)成形品外観 繰り返し曲げ疲労試験に用いる試験片の外観を目視にて
観察し、下記段階で評価した。 ○:良好 △:若干不良 ×:不良
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート樹脂組成物
は、ポリカーボネート樹脂の特徴である機械的強度、耐
熱性に優れる上、かつ従来低いとされていた摺動性が改
良されていることから、特に歯車を始めとする各種摺動
用途に有用であり、その工業的有用性は大きく、電気電
子分野、OA機器用部品等、多くの分野に有用なもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大林 直人 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 宮島 崇 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 Fターム(参考) 4J002 BN173 CG001 CP032 GM00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂(A)100重量
    部に対して、25℃での粘度が10,000mm2/s
    以上のシリコーンオイル(B)0.05〜10重量部、
    及び(メタ)アクリル酸エステルをグラフト共重合して
    なるポリオルガノシロキサン(C)0.5〜30重量部
    を含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 シリコーンオイル(B)の25℃の粘度
    が100,000mm 2/s以上であることを特徴とす
    る請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 シリコーンオイル(B)の25℃の粘度
    が1,000,000mm2/s以上であることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載のポリカーボネー
    ト樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均
    分子量が16,000〜30,000であることを特徴
    とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のポリ
    カーボネート樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (メタ)アクリル酸エステルをグラフト
    共重合してなるポリオルガノシロキサン(C)が、ポリ
    オルガノシロキサンに対し(メタ)アクリル酸エステル
    を重量比で90:10〜20:80でグラフト共重合し
    たものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4
    のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 シリコーンオイル(B)と、(メタ)ア
    クリル酸エステルをグラフト共重合してなるポリオルガ
    ノシロキサン(C)の割合が重量比で5:1〜1:50
    であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいず
    れかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
JP11116724A 1999-04-23 1999-04-23 ポリカーボネート樹脂組成物 Pending JP2000302958A (ja)

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