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JP5266943B2 - 転がり軸受用の樹脂製保持器及びその製造方法 - Google Patents

転がり軸受用の樹脂製保持器及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、転がり軸受用の樹脂製保持器、及び、その製造方法に関し、特にオルタネータ等の各種自動車補機等に用いられて高温・高速回転環境下で使用されると好適な転がり軸受用の樹脂製保持器、及び、その製造方法に関する。
一般的な玉軸受として、外輪と、内輪と、外輪軌道面および内輪軌道面を転動する複数の玉と、これら複数の玉を転動自在に保持している合成樹脂製の保持器とを備えたものがある。前記保持器としては、冠型保持器(例えば特許文献1の図21)と、もみ抜き型保持器(特許文献1の図2)とが知られている。
冠型保持器は、軸方向一方側に開口したポケットが周方向に複数形成されていて、ポケットの開口側に一対の爪部を有しており、これら爪部によってポケット内に配置した玉が抜け出ることを防止している。
もみ抜き型保持器は、軸方向に間隔をあけて同心上に設けられた第一環状部(リム部)及び第二環状部(リム部)と、周方向に間隔をあけて複数設けられ前記第一環状部と前記第二環状部とを連結している柱部とを備えている。第一環状部、第二環状部及び周方向に隣り合う柱部によって囲まれた領域が、玉を回転自在に保持するポケットとして形成されている。
前記玉軸受が回転すると、これに伴って保持器も回転するため、当該保持器に遠心力が作用する。特に玉軸受が高速、高温の環境下で使用されると、冠型保持器の場合、開口部側(爪部側)は剛性が低い形状となっているため、遠心力によって開口部側が径方向外側へ変形し、爪部が玉に局部的に接触することがある。この場合、玉に形成されている油膜(潤滑油)が掻き取られ、玉軸受における潤滑状態が悪化し、玉軸受が焼き付くおそれがある。
これに対し、もみ抜き型保持器では、第一環状部および第二環状部が補剛リングとして機能するため、保持器に遠心力が作用しても冠型保持器のような偏った変形は生じず、ポケットの一部が玉に局部的に接触しないため、玉に形成されている油膜が掻き取られることを防止することができる。このように、高速回転で使用される場合、もみ抜き型保持器のほうが有利な場合がある。
特許文献1のもみ抜き型保持器は、第一環状部側と第二環状部側とに二分割されていて、これらが組み付けられて一体となっている。第一環状部側と第二環状部側とを連結している一つの柱部は、二つの柱部素が周方向に重ね合わされることによって構成されている。また、柱部素それぞれの先端に爪が設けられ、第一環状部と第二環状部に、軸方向に貫通した貫通孔が設けられていて、爪が貫通孔に係合することで、第一環状部側と第二環状部側とが一体となっている。また、特許文献1には、前記柱部素と第一と第二の環状部とを超音波により溶着することが開示されている。
特開2007−113592号公報(図2、図21参照)
特許文献1のように、柱部素の先端の爪を環状部の貫通孔に挿入し、爪を挿入した部分を超音波によって溶着すると、溶着した樹脂が貫通孔からはみ出し、固化するとバリとなって残る。つまり、バリが保持器の表面に出現してしまう。このためにバリを除去する工程が必要となり、保持器の製造コストが高くなってしまう。
そこで、本発明は、溶着によって生じるバリが樹脂製保持器の表面に出現することを防止できる構成を備えた転がり軸受用の樹脂製保持器、及び、これを防止することができる転がり軸受用の樹脂製保持器の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の転がり軸受用の樹脂製保持器は、軸方向に間隔をあけて同心上に設けられた環状の第一環状部及び第二環状部と、周方向に間隔をあけて複数設けられ前記第一環状部と前記第二環状部とを連結している柱部とを備え、前記第一環状部、前記第二環状部及び周方向に隣り合う前記柱部によって囲まれた領域が転動体を回転自在に保持するポケットとして形成された転がり軸受用の樹脂製保持器であって、前記柱部は、二つに分割されかつ相互が接合されている第一分割部と第二分割部とからなり、前記第一分割部と前記第二分割部との内の一方の接合面に凹部が形成され、他方の接合面に前記凹部に嵌合する凸部が形成され、前記凹部の底部と前記凸部の先部とが溶着されている。
本発明によれば、第一分割部と第二分割部とが溶着によって接合されて一つの柱部が形成され、第一環状部と第二環状部とが一体となっている。そして、凹部の底部と凸部の先部とが溶着されているので、溶着によって生じるバリは、凹部の底部と凸部の先部との間で生じる。したがって、溶着によって生じるバリは、樹脂製保持器(柱部)の内部で生じて、樹脂製保持器の表面に出現することを防止することができる。
また、前記第一分割部と前記第二分割部との内の、前記透過性樹脂によって形成されている分割部側から、前記吸収性樹脂によって形成されている分割部に向かって、前記界面にレーザ光を照射したことで発生した熱によって、前記底部と前記先部とが溶着されているのが好ましい。
また、本発明の製造方法は、環状の第一環状部、この第一環状部から軸方向に突出しかつ周方向に間隔をあけて設けられた複数の第一分割部を有する第一半割部材と、環状の第二環状部、この第二環状部から軸方向に突出しかつ前記第一分割部と周方向に同じピッチで設けられた複数の第二分割部を有する第二半割部材とを同心上に設け、前記第一分割部と前記第二分割部との内の一方の接合面に形成した凹部の底部と、他方の接合面に形成し前記凹部と嵌合する凸部の先部とを溶着し、前記第一半割部材と前記第二半割部材とを一体とする。
本発明によれば、第一半割部材と第二半割部材とを一体とするために、第一分割部と第二分割部との内の一方の接合面に形成した凹部の底部と、他方の接合面に形成し前記凹部と嵌合する凸部の先部とを溶着しているので、溶着によって生じるバリが、凹部の底部と凸部の先部との間で生じる。したがって、溶着によって生じるバリは、樹脂製保持器(柱部)の内部で生じて、樹脂製保持器の表面に出現することを防止することができる。
また、前記第一半割部材と前記第二半割部材との内の、前記透過性樹脂によって形成されている半割部材側から、前記吸収性樹脂によって形成されている半割部材に向かって、前記界面にレーザ光を照射するのが好ましい。
本発明によれば、溶着によって生じるバリが、樹脂製保持器の内部で生じて、樹脂製保持器の表面に出現することを防止することができるので、バリを除去する工程が不要となり、製造コストの低減が可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の樹脂製保持器4が取り付けられた状態にある玉軸受の断面図である。この玉軸受は、外輪1と、この外輪1と同心上に設けられている内輪2と、外輪1および内輪2の間に設けられた複数の玉(転動体)3と、これら複数の玉3を等間隔で保持する樹脂製保持器4(以下、保持器4という)とを備えている。
外輪1の内周面に外輪軌道面11が形成されており、内輪2の外周面に内輪軌道面12が形成されている。複数の玉3それぞれの中心は、玉軸受の軸心Cを中心とする一つのピッチ円上に配置されており、これらの玉3は、外輪軌道面11および内輪軌道面12を転動する。そして、保持器4は、ピッチ円上にあるこれら複数の玉3を転動自在として保持している。なお、玉3は全て同じものである。
図2は保持器4の斜視図である。図1および図2に示しているように、この保持器4は、環状の第一環状部21及び環状の第二環状部22と、第一環状部21と第二環状部22とを連結している柱部23とを備えている。第一環状部21と第二環状部22とは、互いに軸方向に間隔をあけて同じ軸心C上に設けられていて、柱部23は、周方向に間隔をあけて、第一環状部21と第二環状部22とを連結するようにして複数設けられている。また、この保持器4は、軸方向に二分割されている第一半割部材5と第二半割部材6とからなり、第一半割部材5と第二半割部材6とが接合されて一体となっている。
第一半割部材5は、前記第一環状部21と、周方向に複数設けられた第一分割部24とを有していて、第二半割部材6は、前記第二環状部22と、周方向に複数設けられた第二分割部25とを有している。そして、一つの第一分割部24と一つの第二分割部25とが接合されることによって、一つの前記柱部23が構成され、保持器4は一体となる。第一環状部21、第二環状部22及び周方向に隣り合う柱部23,23によって囲まれた領域が、玉3を回転自在に保持するポケット7として形成されている。
第一環状部21と第二環状部22とは、直径および厚さが同じ環状の部分であり、保持器4の軸方向両側の部分を構成している。
柱部23それぞれは、軸方向に二つに分割された第一分割部24と第二分割部25とが接合されて構成されている。第一分割部24は、第一環状部21から軸方向に突出しかつ周方向に等間隔をあけて設けられた部分である。複数の第一分割部24と第一環状部21とは同じ樹脂製の材料によって一体成形されている。第二分割部25は、第二環状部22から軸方向に突出しかつ前記第一分割部24と周方向に同じピッチで設けられた部分である。複数の第二分割部25と第二環状部22とは同じ樹脂製の材料によって一体成形されている。
第一分割部24の周方向に面する側面24bは円弧形状でありかつ球面を形成している。周方向に隣り合う第一分割部24,24間における第一環状部21の軸方向に面する側面21bも円弧形状でありかつ球面を形成している。これら側面24b,24b,21bによって、ポケット7の内面の半分が構成されている。同様に、第二分割部25の周方向に面する側面25bは、全体が円弧形状でありかつ球面を形成している。周方向に隣り合う第二分割部25,25間における第二環状部22の軸方向に面する側面22bも、円弧形状でありかつ球面を形成している。これら側面25b,25b,22bによって、ポケット7の内面の残りの半分が構成されている。ポケット7の内面は、玉3と同心であり当該玉3の直径よりも僅かに大きい直径を有する球面に沿って形成されている。
図3は柱部23の拡大断面図であり(a)は第一分割部24と第二分割部25とが分離している状態を示していて、(b)は第一分割部24と第二分割部25とが接合された状態を示している。なお、複数の柱部23それぞれは全て同じ構成となっている。第一分割部24はその軸方向先端側に、第二分割部25側へ向く先端面24aを有し、第二分割部25はその軸方向先端側に、第一環状部24側へ向く先端面25aを有している。そして、第一分割部24の先端面24aと第二分割部25の先端面25aとが突き合わされた状態で接合されることで(図3(b)参照)、柱部23は構成されている。つまり、先端面24aおよび先端面25aが、第一分割部24と第二分割部25との接合面となり、具体的には先端面24aおよび先端面25aは突き合わせ面となっている。
そして、第一分割部24の先端面24a(一方の接合面)に、凹部15が形成されていて、第二分割部25の先端面25a(他方の接合面)に、凹部15に嵌合する凸部16が形成されている。凹部15は、軸心C(図2参照)に平行な軸方向に凹んで形成されていて、凸部16は軸心Cに平行な軸方向に突出して形成されている。凹部15と凸部16とは密着した状態で嵌合する形状となっている。
凹部15はその開口部から奥部15aへ向かって最初断面が縮小しているが、奥部15a側で断面が拡大している。これに対して、凸部16はその基部から先部16aへ向かって最初断面が縮小しているが、先部16a側で断面が拡大している。つまり、凹部15の側壁には、対向する側壁に向かって湾曲して隆起している隆起部41が形成されていて、凸部16の側壁には、湾曲してくぼんでいるくぼみ部42が形成されている。この構成によれば、凸部16のくぼみ部42に、凹部15の隆起部41が嵌り込むため、凸部16は凹部15から抜け出にくくなる。つまり、凸部16と凹部15との間で、物理的な(機械的な)係合が行われている。また、凹部15および凸部16は軸心Cに平行な軸方向に延びて形成され、相互が嵌合していることから、第一半割部材5と第二半割部材6とが周方向で位置ずれするのを防止することができる。この位置ずれを防止することで、回転時における保持器4での異音および振動の発生を防止することができる。
さらに、図3(b)に示しているように、柱部23には、凹部15の底部15aと凸部16の先部16aとが溶着している溶着部17が形成されている。つまり、第一分割部24と第二分割部25とが溶着されている。この溶着は超音波によって実行されてもよいが、溶融した樹脂がはみ出し難くするためにレーザ光によって溶着されるのが好ましい。レーザ光によって第一分割部24と第二分割部25とを溶着接合するために、第一分割部24を有する第一半割部材5と第二分割部25を有する第二半割部材6との内の一方は、レーザ光を透過させる透過性樹脂によって形成され、他方は、レーザ光を吸収する吸収性樹脂によって形成されている。これにより、透過性樹脂側にレーザ光を照射すると、当該透過性樹脂を通過したレーザ光が吸収性樹脂に吸収され、その部分で発熱する。つまり、凹部15の底部15aと凸部16の先部16aとの間の界面において熱を発生させている。そして、この熱によって前記界面を含む吸収性樹脂および透過性樹脂が溶融し、溶着し、溶着部17が形成される。
図3の実施形態では、第一半割部材5が透過性樹脂からなる透過性部材であり、第二半割部材6が吸収性樹脂からなる吸収性部材である。材質に関してさらに説明すると、透過性部材および吸収性部材は、結晶性熱可塑性樹脂やポリマーアロイであり、例えば、PA6、PA66、PA46、PA6T、PA9T、PPS、PPS/PI、PPS/PAIまたはPEEKとすることができる。透過性部材(第一半割部材5)は、溶着強度を確保する観点からレーザ光の透過率が高い材質とするのが好ましい。このために、透過性部材の内の、溶着を行う部分における厚さt(軸方向寸法)を4mm以下とするのが好ましい。
吸収性部材(第二半割部材6)は、樹脂に例えばカーボンブラックを添加することによって、レーザ光を吸収する性能を有する。カーボンブラックは、添加させる樹脂量に対して0.005wt%以上が好ましく、3wt%以下とするのが好ましい。0.005wt%未満であると、レーザ光の吸収性能が劣り、3wt%を超えると材料の衝撃強度が低下してしまう。また、保持器4は高速回転、高温の環境下で使用されることから、第一半割部材5および第二半割部材6の剛性、強度を高くする必要があり、このために繊維(ガラス繊維)を添加して強化している。吸収性部材および透過性部材のガラス繊維量は、添加させる樹脂量に対して10wt%以上が好ましく、50wt%以下とするのが好ましい。特に透過性部材の場合、強度確保の観点から繊維量は多い(10wt%以上)のが好ましいが、多すぎると(50wt%を超えると)レーザ透過率が低下する。
また、保持器4は、軸方向の一方側からのみレーザ光を照射することによって、全ての柱部23における溶着が可能となる構成となっている。つまり、全ての柱部23において、凹部15の底部15a(底面)および凸部16の先部16a(先端面)は、軸方向へ向く面として形成されているので、この軸方向へ向く面(界面)に対してレーザ光を軸方向の一方側から照射すれば、全ての柱部23において溶着が行われる。
次に、前記実施形態の保持器4の製造方法について説明する。レーザ光を透過させる透過性樹脂によって、第一環状部21および周方向に複数設けられた第一分割部24を有する第一半割部材5を成形し、この第一半割部材5とは別体として、レーザ光を吸収する吸収性樹脂によって、第二環状部22および周方向に複数設けられた第二分割部25を有する第二半割部材6を成形する。
そして、図4に示しているように、外輪1と内輪2との間(図1参照)に複数の玉3を介在させた状態で、当該玉3を軸方向両側から挟むようにして、第一半割部材5と第二半割部材6とをレーザ溶着によって接合する。つまり、玉3を軸方向の間に介在させて、第一半割部材5と第二半割部材6とを同心(軸線C)上に設け、第一分割部24の接合面に形成した凹部15の底部15aと、第二分割部25の接合面に形成した凸部16の先部16aとを溶着し、第一半割部材5と第二半割部材6とを一体とする。
この製造方法をさらに詳しく説明すると、凹部15の底部15aと凸部16の先部16aとを溶着する前、凹部15に凸部16を挿入し、凹部15と凸部16とを密着嵌合させた状態とする。そして、第一半割部材5の軸方向外側(図4では上側)から当該第一半割部材5に向かって(図4では下側に向かって)、レーザ光を軸心C(図2参照)に平行な軸方向に照射する。なお、レーザ光を照射する部分は、凸部16の先部16aと凹部15の奥部15aとの界面である。また、図4に示しているように、レーザ光を照射する際、凹部15と凸部16とを嵌合させた状態にある第一半割部材5および第二半割部材6は、クランプ部材30によって、軸方向の両側から挟んだ状態で保持されている。
以上の製造方法によれば、第一分割部24と第二分割部25とが溶着によって接合されて一つの柱部23が形成され、第一半割部材5と第二半割部材6とが一体となる。そして、溶着部17は、凹部15の底部15aと凸部16の先部16aとの溶着によって形成されているので、溶着によって生じるバリは、凹部15の底部15aと凸部16の先部16aとの間で生じる。つまり、バリが、柱部23の内部で生じて保持器4の表面に出現することを防止することができる。このため、バリを除去する工程が不要となり、製造コストの低減が可能となる。また、凸部16と凹部15との物理的な嵌合に加えて、樹脂同士の溶着によって保持器4を一体としているので、第一半割部材5と第二半割部材6との接合強度を高くすることができる。
また、図3(b)に示したように、凸部16のくぼみ部42に、凹部15の隆起部41が嵌り込む構成となっているため、凹部15と凸部16との物理的な係合は強固に行われ、さらに、この係合に加えて、凹部15と凸部16とは溶着によって接合されていることから、第一半割部材5と第二半割部材6との結合を強めることができ、保持器4は高速回転(例えば15000rpm以上)で使用されるだけの強度を有することが可能となる。また、高温(例えば150℃)の環境で使用される場合、冠型の樹脂製保持器では、高温での耐クリープ性に富んだ材質を使用する必要があり、この場合、製造コストが高くなるが、本発明のようなもみ抜き型保持器4の構成によれば、安価な材質を用いることも可能となり、製造コストの低減が可能となる。
また、レーザ光の照射を軸方向から実行することにより、第一半割部材5と第二半割部材6との接合を迅速に行うことができる。すなわち、製造する保持器4の軸方向一方側(第一半割部材5)が前記透過性樹脂からなり、他方側(第二半割部材6)が前記吸収性樹脂からなり、レーザ光によって溶着が行われる界面は軸方向に向く面となっているので、レーザ光を軸方向の一方の外側からのみ照射すれば、溶着が可能となる。つまり、軸方向の両側からレーザ光を照射する必要がない。
さらに、柱部23は周方向に複数箇所設けられていて、これら柱部23それぞれに前記凹部15と前記凸部16とが設けられている。そして、これら柱部23それぞれにレーザ光によって前記溶着部17が形成される。このために、図4の二点鎖線で示しているように、保持器4のレーザ照射側にある軸方向側面、つまり、第一半割部材5の軸方向外側の側面にマスク部材31を設けてもよい。マスク部材31はレーザ光を透過させない部材であるが、マスク部材31には厚さ方向に貫通した貫通穴32が複数設けられている。この貫通穴32は、凹部15および凸部16が存在している位置と、軸方向で重なる位置に形成されている。これにより、保持器4の全体に対してレーザ光を照射すれば、当該レーザ光は、貫通穴32を通過し、凹部15の底部15aと凸部16の先部16aとの界面に到達することができる。これにより、複数の凹部15および凸部16を同時に溶着することができ、第一半割部材5と第二半割部材6との接合を迅速に行うことができる。
また、本発明の転がり軸受用の樹脂製保持器は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであっても良い。前記実施形態では、転がり軸受を玉軸受として説明したが、つまり、転動体を玉として説明したが、転動体は(円筒)ころであってもよい。円筒ころを保持する保持器の場合、当該保持器にはころ抜け止め部が設けられる。従来、保持器成形時において、このころ抜け止め部は無理抜き形状となるため、抜け止め部の厚さを、無理抜き可能な寸法とする必要がある。つまり、従来では、その寸法を大きくすることが困難である。しかし、本発明のように溶着によって一対の半割部材を接合する方法によれば、無理抜き部は発生せず、抜け止め部の厚さを大きくすることが可能となる。このため、高速回転する環境下でもこれに耐え得る剛性を有した保持器を得ることができる。
本発明の樹脂製保持器が取り付けられた状態にある玉軸受の断面図である。 保持器の斜視図である。 柱部の拡大断面図であり、(a)は第一分割部と第二分割部とが分離した状態を示し、(b)は第一分割部と第二分割部とが接合された状態を示している。 保持器の製造方法を説明する説明図である。
符号の説明
3 玉(転動体)
4 樹脂製保持器
5 第一半割部材
6 第二半割部材
7 ポケット
15 凹部
15a 奥部
16 凸部
16a 先部
17 溶着部
21 第一環状部
22 第二環状部
23 柱部
24 第一分割部
24a 先端面(接合面)
25 第二分割部
25a 先端面(接合面)
C 軸心

Claims (4)

  1. 軸方向に間隔をあけて同心上に設けられた環状の第一環状部及び第二環状部と、周方向に間隔をあけて複数設けられ前記第一環状部と前記第二環状部とを連結している柱部と、を備え、
    前記第一環状部、前記第二環状部及び周方向に隣り合う前記柱部によって囲まれた領域が転動体を回転自在に保持するポケットとして形成された転がり軸受用の樹脂製保持器であって、
    前記柱部は、二つに分割されかつ相互が接合されている第一分割部と第二分割部とからなり、
    前記第一分割部と前記第二分割部との内の一方は、レーザ光を透過させる透過性樹脂によって形成され、他方は、レーザ光を吸収する吸収性樹脂によって形成されており、
    前記第一分割部と前記第二分割部との内の一方の接合面に凹部が形成され、他方の接合面に前記凹部に嵌合する凸部が形成され、
    前記凹部の底部と前記凸部の先部との間の界面にレーザ光を照射したことで発生した熱によって、当該底部と当該先部とが溶着されていることを特徴とする転がり軸受用の樹脂製保持器。
  2. 環状の第一環状部、この第一環状部から軸方向に突出しかつ周方向に間隔をあけて設けられた複数の第一分割部を有する第一半割部材と、
    環状の第二環状部、この第二環状部から軸方向に突出しかつ前記第一分割部と周方向に同じピッチで設けられた複数の第二分割部を有する第二半割部材と、
    を同心上に設け、
    前記第一半割部材と前記第二半割部材との内の一方は、レーザ光を透過させる透過性樹脂によって形成され、他方は、レーザ光を吸収する吸収性樹脂によって形成されており、
    前記第一分割部と前記第二分割部との内の一方の接合面に形成した凹部の底部と、他方の接合面に形成し前記凹部と嵌合する凸部の先部との間に構成した界面にレーザ光を照射して発生した熱によって、当該底部と当該先部とを溶着し、
    前記第一半割部材と前記第二半割部材とを一体とすることを特徴とする転がり軸受用の樹脂製保持器の製造方法。
  3. 前記第一分割部と前記第二分割部との内の、前記透過性樹脂によって形成されている分割部側から、前記吸収性樹脂によって形成されている分割部に向かって、前記界面にレーザ光を照射したことで発生した熱によって、前記底部と前記先部とが溶着されている請求項1に記載の転がり軸受用の樹脂製保持器。
  4. 前記第一半割部材と前記第二半割部材との内の、前記透過性樹脂によって形成されている半割部材側から、前記吸収性樹脂によって形成されている半割部材に向かって、前記界面にレーザ光を照射する請求項2に記載の転がり軸受用の樹脂製保持器の製造方法。
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