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JP4910894B2 - 半導体装置の製造方法および半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法および半導体装置 Download PDF

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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Description

本発明は、半導体装置の製造方法および半導体装置に関し、特に絶縁ゲート型バイポーラトランジスタと還流用ダイオードを同一半導体基板上に集積した半導体装置の製造方法および半導体装置に関する。
近年、パワーデバイスおよびパワーエレクトロニクス技術は、その進展により、車両用および産業用の用途のみならず、家電などの民生機器にも適用範囲を広げている。たとえば、エアコンディショナーなどのように電動機を有する機器では、インバータおよび交流型電動機を用いることにより、よりきめの細かい制御をおこなうことができるようになっている。
インバータ等の電力変換装置では、パワーデバイスとして絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、IGBTとする)、およびこれに対して逆方向に並列接続される還流用ダイオード(以下、FWDとする)が用いられている。インバータ等の省電力および小型化を実現するため、IGBTおよびFWDを小型化し、かつ低損失化する必要がある。また、環境面への配慮から、電力機器から放射されるノイズを抑える必要もある。
そこで、600Vクラスや1200VクラスのIGBTでは、ゲート部をトレンチ構造にしたり、ドリフト層とコレクタ層の間にフィールドストップ層を設けることにより、低損失化が急速に進められている。一方、FWDに関して、少数キャリアの低注入化や電界強度分布の制御等によって、逆回復の高速化とソフトリカバリー化の両立が進められている。
また、IGBTやパワーMOSFETとFWDとを別々のチップに製造し、それらを実装基板上で組み合わせるという従来の構成に対して、IGBTやパワーMOSFETとFWDを同一チップに集積することにより小型化を図る提案がなされている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照。)。また、このような提案において、本来は基板裏面に形成されるN+カソード領域を、基板表面に設けられる耐圧構造のN+ストッパー部と兼用する提案もなされている(たとえば、特許文献3参照。)。また、IGBTセルごとに裏面にN型領域を形成してドリフト層をコレクタ電極にショートするという、いわゆるアノードショート型(またはコレクターショート型)IGBTが公知である(たとえば、特許文献4参照。)。
一般に、IGBTには、パンチスルー型(以下、PT型とする)、ノンパンチスルー型(以下、NPT型とする)およびフィールドストップ型(以下、FS型とする)の3種類がある。これら3種類のIGBTについて、耐圧クラスが600Vの場合を例として説明する。図36は、PT型IGBTのセル(同図(a))、NPT型IGBTのセル(同図(b))、FS型IGBTのセル(同図(c))およびFWD(同図(d))の断面構成を示す図である。
図36(a)に示すように、PT型IGBTでは、基板裏面のP型コレクタ層1は厚く、高濃度である。チップの厚さは350μm以上である。PT型IGBTは、ボロンをドープしたP型のCZウェハー上に、リンをドープしながらN型バッファ層2およびN型ドリフト層3をそれぞれ10μmおよび65μmの厚さにエピタキシャル成長させたウェハーを用いて作製される。
一般に、CZウェハーの比抵抗は10mΩcm以下である。N型バッファ層2およびN型ドリフト層3の比抵抗はそれぞれ0.1Ωcmおよび40Ωcmである。PT型IGBTでは、電流阻止状態で基板裏面の図示しないコレクタ電極に正の高電圧を印加すると、空乏層がN型ドリフト層3の中に広がる。そして、降伏電圧に達するときには、空乏層の伸びはN型バッファ層2で止まる。
ところで、PT型IGBTでは、基板裏面からのホールの注入効率(以下、γEとする)が高く、0.99以上である。そのため、電子線照射等によるライフタイム制御をおこなって、N型ドリフト層3における輸送効率(以下、αTとする)を下げ、それによってトータルのベース接地電流利得(以下、αPNPとする)を0.3程度になるように調整している。
図36(b)に示すように、NPT型IGBTでは、N型バッファ層を設けずに、N型ドリフト層3をPT型IGBTよりも厚くすることにより、高電圧印加時にP型コレクタ層1に空乏層が届かないようになっている。NPT型IGBTは、N型ドリフト層3となるFZウェハーの表面に絶縁ゲート部などの表面素子構造4を形成した後、ウェハー裏面を研削して厚さを100μmとし、その後、ウェハー裏面からのボロンのイオン注入および活性化熱処理によりP型コレクタ層1を形成することにより、作製される。
FZウェハーの比抵抗は28Ωcm程度である。ボロンのドーズ量は1015cm-2である。また、熱処理温度は350℃である。NPT型IGBTでは、γEは0.3程度である。ライフタイム制御はおこなわれない。αTは1程度である。このようにすることによって、PT型IGBTと同じαPNPでも、キャリア分布が最適化され、PT型IGBTよりも損失特性が改善されている。
図36(c)に示すように、FS型IGBTは、NPT型IGBTの裏面にPT型IGBTのN型バッファ層2と同様のN型フィールドストップ層(以下、FS層とする)5を形成し、N型ドリフト層3をNPT型IGBTよりも薄くしたものである。このような構成によって、NPT型IGBTよりも損失特性が改善されている。
FS層5は、NPT型IGBTと同様に、ウェハー裏面の研削による薄ウェハー化の後、ウェハー裏面からリンを深めにイオン注入し、活性化熱処理をおこなうことによって形成される。リンのドーズ量は1014cm-2である。FS型IGBTでは、γEおよびαTはNPT型IGBTとほぼ同程度であるか、γEがNPT型IGBTよりも少し低い程度である。なお、600V以外の耐圧クラス、たとえば1200Vや1700V以上の高耐圧、あるいは500V以下の低耐圧についても同様である。
図36(d)に示すように、FWDでは、N型ドリフト層3の表面にP型アノード層6が形成され、N型ドリフト層3の裏面側に高濃度のN型カソード層7が形成されている。P型アノード層6に接触する図示しないアノード電極は、各種IGBTの図示しないエミッタ電極に電気的に接続される。また、N型カソード層7に接触する図示しないカソード電極は、各種IGBTの図示しないコレクタ電極に電気的に接続される。
図37は、前記特許文献1に開示された従来の半導体装置の要部を示す断面図である。図37に示すように、FWDを内蔵させるため、ウェハーの裏面側には、P型コレクタ層1とN型カソード層7が選択的に形成されている。
特開昭61−15370号公報 特開平5−152574号公報 特開平11−243200号公報 特開平6−196705号公報
しかしながら、前記特許文献1に開示された従来の半導体装置では、つぎのような問題点がある。すなわち、IGBTは、MOSFETと異なり、基板裏面側にP型コレクタ層を有する。そのため、ウェハー裏面を研削して薄くした後に、ウェハー表面の素子構造等に対して位置合わせをおこないながら、ウェハー裏面に対してパターニングおよびイオン注入等の処理をおこなって、P型コレクタ層とN型カソード層を形成する必要がある。
600V耐圧クラスまたは1200V耐圧クラスのIGBTは、汎用用途として最も用いられている。半導体材料がシリコンである場合、600Vや1200Vの耐圧を担うために必要な厚さは50〜150μm程度である。このような薄いウェハーに対してイオン注入処理等をおこなうと、ウェハーに割れが発生しやすいため、極めて注意深くウェハーを取り扱う必要があり、技術的にも、歩留まり的にも実用的ではない。
また、前記特許文献3に開示された従来の半導体装置では、ダイオードの電流経路が素子表面のみの横型となるため、ダイオード電流密度が小さくなるという問題点がある。また、チップ面積に対するIGBT部やFWD部の面積が減るため、電流密度が小さくなるという問題点もある。さらに、素子裏面の電位が素子の表面にも印加されるため、IGBTモジュールを実装基板に実装する際の絶縁構造が複雑化し、ワイヤボンディングの手間が増えるという問題点もある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、IGBTとFWDを同一半導体チップに集積した半導体装置を容易に製造することを可能とする構成の半導体装置を提供することを目的とする。また、本発明は、IGBTとFWDを同一半導体チップに集積した半導体装置を容易に製造することができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかる半導体装置の製造方法は、第1導電型の半導体基板の第1の主面側から第1導電型の不純物を拡散させて第1導電型のカソード領域を選択的に形成する工程と、前記カソード領域を形成した前記半導体基板の第1の主面に第1導電型のエピタキシャル層を形成する工程と、前記エピタキシャル層の表面に第2導電型のアノード領域および第2導電型のチャネル領域を形成し当該チャネル領域内に第1導電型のソース領域を形成する工程と、前記半導体基板を第2の主面側から研削して前記カソード領域を露出させる工程と、前記半導体基板の研削された面に第2導電型の不純物を注入して、少なくとも前記チャネル領域と対峙する領域にコレクタ領域を形成する工程と、前記コレクタ領域に電気的に接続するコレクタ電極を形成する工程と、を含み、前記チャネル領域が形成される絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ領域と、電界強度を緩和するため前記半導体基板のチップ側面に沿って設けられる電界緩和部と、に挟まれ、前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ領域に接して前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ領域を囲むダイオード領域に前記アノード領域を形成し、前記電界緩和部は、前記ダイオード領域の外周を囲み、かつ前記ダイオード領域に接しており、前記カソード領域の前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ領域側の端部が、前記アノード領域の前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ領域側の端部から100μm以上、前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ領域から遠ざかる方向に、離れており、前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ領域が電流阻止状態にあるときに前記コレクタ電極に正の降伏電圧が印加されたときの実効ベース接地電流利得が0.5以上であり、前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ領域は、前記ダイオード領域との境界から100μm以上離れたところまで続いていることを特徴とする。
この発明によれば、半導体基板に選択的にカソード領域を形成し、その表面にエピタキシャル層を形成し、エピタキシャル層の表面にチャネル領域、ソース領域を形成する。その後、半導体基板の裏面を研削してカソード領域を露出させ、チャネル領域と対峙する領域にコレクタ領域を形成する。
また、本発明にかかる半導体装置は、第1導電型の高比抵抗ドリフト層を有する半導体基板、前記半導体基板の第1の主面側に選択的に設けられた第2導電型の高濃度チャネル領域、前記チャネル領域内に選択的に設けられた第1導電型の高濃度ソース領域、前記半導体基板の第1の主面側に設けられたゲート絶縁膜およびゲート電極を備えた絶縁ゲート部、前記チャネル領域と前記ソース領域の両方に電気的に接続するエミッタ電極、前記半導体基板の第2の主面側に設けられた第2導電型の高濃度コレクタ領域、および前記高濃度コレクタ領域に電気的に接続するコレクタ電極を備えた絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部と、前記半導体基板の第1の主面側に設けられ、かつ前記エミッタ電極に電気的に接続する第2導電型の高濃度アノード領域、および前記半導体基板の第2の主面側に設けられ、かつ前記コレクタ電極に電気的に接続する第1導電型の高濃度カソード領域を備えた還流用ダイオード部と、電界強度を緩和するため前記半導体基板のチップ側面に沿って設けられた電界緩和部と、が同一半導体チップに設けられている半導体装置であって、前記還流用ダイオード部は、前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部と前記電界緩和部とに挟まれるように設けられており、前記高濃度カソード領域の不純物濃度が前記半導体基板と接する側から前記コレクタ電極に向かって減少し、かつ前記高濃度カソード領域の厚さが前記高濃度コレクタ領域の厚さよりも厚く、前記還流用ダイオード部は、前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部の外周を囲み、かつ前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部に接し、前記電界緩和部は、前記還流用ダイオード部の外周を囲み、かつ前記還流用ダイオード部に接し、前記高濃度カソード領域の前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部側の端部が、前記高濃度アノード領域の前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部側の端部から100μm以上、前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部から遠ざかる方向に、離れており、前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部が電流阻止状態にあるときに前記コレクタ電極に正の降伏電圧が印加されたときの実効ベース接地電流利得が0.5以上であり、前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部は、前記還流用ダイオード部との境界から100μm以上離れたところまで続いていることを特徴とする。また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記高濃度カソード領域の、前記半導体基板の第2の主面における第1導電型不純物の最大濃度は1.0×1019cm-3以上であり、前記高濃度コレクタ領域の、前記半導体基板の第2の主面における活性化された第2導電型不純物の最大濃度は1.0×1018cm-3以下であることを特徴とするまた、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部は、前記半導体チップの60%以上の面積を占めることを特徴とする
この発明によれば、チップ表面側にIGBTの表面素子構造およびFWDのアノード領域を有し、チップ裏面側にIGBTのコレクタ領域およびFWDのカソード領域を有し、チップ側面に電界緩和部を有する半導体装置において、カソード領域の不純濃度が半導体基板と接する側からコレクタ電極に向かって減少し、かつカソード領域の厚さがコレクタ領域の厚さよりも厚い半導体装置が得られる。
本発明によれば、チップ表面側にIGBTの表面素子構造およびFWDのアノード領域を有し、チップ裏面側にIGBTのコレクタ領域を有し、チップ側面にFWDのカソード領域を有し、FWDのアノード領域とカソード領域の間に電界緩和部を有する半導体装置を、製造段階においてウェハー割れを起こすことなく、容易に得ることができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
実施の形態1.
実施の形態1にかかる半導体装置は、IGBT部と電界緩和部(以下、エッジ部とする)とFWD部が同一半導体チップに形成されており、チップ側面にFWD部のカソード部が設けられ、このカソード部とFWD部のアノード部との間にエッジ部が設けられた構成となっている。IGBT部は、NPT型IGBT、PT型IGBTまたはFS型IGBTにより構成される。
(NPT型IGBTの場合)
まず、IGBT部がNPT型IGBTにより構成される場合について説明する。図1は、NPT型IGBTとFWDを一体化した半導体装置の構成を示す断面図である。図1において、10は半導体チップ、11はIGBT部、12はFWDアノード部、13はFWDカソード部、14はエッジ部である。
FWDカソード部13は、半導体チップ10の相対する二辺のうちの一方の辺(図示例では左端の辺)に沿って設けられている。FWDアノード部12は、エッジ部14を挟んで、FWDカソード部13に沿うように設けられている。エッジ部14は半導体チップ10の周縁に沿って、IGBT部11を囲むように設けられている。
IGBT部11では、N型の高比抵抗ドリフト層21を挟んで、基板表面側にIGBTの表面素子構造22が形成されており、基板裏面側にP型のコレクタ領域23が設けられている。IGBTの表面素子構造22は、ドリフト層21の表面に選択的に形成されたP型の高濃度チャネル領域24、このチャネル領域24内に選択的に形成されたN型の高濃度ソース領域25、チャネル領域24の表面上に形成されたゲート絶縁膜26およびゲート電極27よりなる絶縁ゲート部28を備えている。
FWDアノード部12では、P型の高濃度アノード領域31が前記ドリフト層21の表面に設けられている。FWDカソード部13では、N型の高濃度カソード領域32が、チップ側面において基板表面から基板裏面に達するように設けられている。なお、図示省略したが、カソード領域32が基板表面に露出する部分は、酸化膜等の絶縁膜により被覆されている。エッジ部14では、ガードリング構造やRESURF構造などの周知のエッジ構造が前記ドリフト層21の表面に形成されている。したがって、FWDは、FWDアノード部12のアノード領域31、エッジ部14のエッジ構造の下のドリフト層21およびFWDカソード部13のカソード領域32によって構成されている。
表面電極41は、IGBT部11のチャネル領域24およびソース領域25の両方に電気的に接続するエミッタ電極と、FWDアノード部12のアノード領域31に電気的に接続するアノード電極を兼ねている。裏面電極42は、IGBT部11のコレクタ領域23に電気的に接続するコレクタ電極と、FWDカソード部13のカソード領域32に電気的に接続するカソード電極を兼ねている。特に限定しないが、ドリフト層21とコレクタ領域23を合わせた厚さは、たとえば100μmである。
ここで、IGBTがオフ状態のときにコレクタに正のバイアスを印加していくと、空乏層がエミッタ側からドリフト層21中を広がるので、印加電圧の増加に伴ってドリフト層21中の中性領域幅が減少する。したがって、PNPトランジスタ部の実効的なベース幅が小さくなり、γEが増加するので、αPNPが増加する。このように印加電圧に伴って変化するαPNPを、静的なαPNPと区別するため、本明細書では実効ベース接地電流利得と呼び、以下、αPNP-effとする。
図1に示す構成の半導体装置において、IGBT部11が電流阻止状態にあるとき、コレクタ電極である裏面電極42に正の降伏電圧が印加されたときのαPNP-effは0.5以上である。その理由については後述する。また、IGBT部11の差し渡し長さは100μm以上であるが、その理由については後述する。IGBT部11の差し渡し長さとは、半導体チップ10の一辺に沿って設けられたFWDによって還流電流が流れることの影響を受けるIGBT部11の、そのFWDアノード部12との境界からの長さのことである。
つまり、図1に示すように、半導体チップ10の相対する二辺のうちの一方にのみ沿ってFWDが設けられている場合には、IGBT部11は、IGBT部11とFWDアノード部12との境界から100μm以上離れたところまで続いている。また、図3に示すように、半導体チップ10の相対する二辺にともにFWDが設けられている場合には、図3の左側のFWDに対するIGBT部11の差し渡し長さが100μm以上であり、かつ図3の右側のFWDに対するIGBT部11の差し渡し長さも100μm以上であるので、左右のFWDに挟まれるIGBT部11は200μm以上の長さが必要である。
また、IGBT部11の平面における面積は、半導体チップ10の平面における面積の60%以上である。その理由については後述する。また、コレクタ領域23の基板裏面における活性化されたp型不純物の最大表面濃度は、1015cm-3以上1018cm-3以下である。その理由については後述する。各種設計値等を上述したような範囲に設定することによって、FWD部がIGBT部11のオン動作に及ぼす影響を少なくすることができる。
上述した構成によって、つぎのようにFWDの電流経路ができる。エミッタ電極である表面電極41に正のバイアス電圧を印加すると、アノード領域31からホールが注入される。そのホールは、エッジ部14の下を流れてカソード領域32に達する。一方、電子は、裏面電極42からカソード領域32を経由してエッジ部14の下のドリフト層21を通り、アノード領域31に至る。
図1に破線で示す矢印のように、FWDによる電流経路は半導体基板の垂直方向(深さ方向)に対して斜めに角度をなしているので、還流電流はIGBT部11の外側に向かって流れる。したがって、アノード領域31とIGBT部11との間に絶縁性トレンチなどの非干渉領域を設けてもよいが、特に非干渉領域を設けなくても、ラッチアップ等の寄生効果はほとんどない。
つぎに、図1(厳密には図3)に示す半導体装置の製造プロセスについて説明する。図2は、図1に示す半導体装置の製造プロセスを説明するための図である。まず、たとえば比抵抗が28Ωcmで、厚さが625μmのN型FZウェハーよりなる半導体基板51の表面に、たとえば24000オングストロームの厚さの熱酸化膜52を形成する。そして、この熱酸化膜52をパターニングして、スクライブライン53(破線で示す)を中心としてカソード領域32を形成するのに十分な開口幅のスクライブ領域54を開口する(図2(a))。
ついで、熱酸化膜52よりなるマスクおよびスクライブ領域54の開口部上に、リンを含む酸化膜を堆積する。そのリンを含む酸化膜のみを除去した後、たとえば1300℃で170時間のドライブ熱処理をおこなう。これによって、リンがスクライブ領域54の開口部から約200μmの深さまで拡散し、深さXjがおおよそ200μmのカソード領域32が形成される(図2(b))。
熱酸化膜52を除去した後、フィールド酸化やゲート酸化膜の形成やポリシリコン等のパターニングなどの表面プロセスをおこない、IGBT部11の表面素子構造22やFWDアノード部12の表面素子構造を形成する(図2(c))。表面プロセス等の詳細については、本発明の要旨ではないので、説明を省略する。
表面プロセス終了後、半導体基板51の裏面を研削して、最終的な基板厚さを100μmとする。このように薄ウェハー化することによって、基板表面からの拡散により形成されたカソード領域32が基板裏面(研削面)に露出する。その後、基板裏面にP型不純物としてたとえばボロンを1.0×1015cm-2のドーズ量でイオン注入し、たとえば350℃で熱処理する。これによって、基板裏面にコレクタ領域23が形成される(図2(d))。
なお、ボロンのドーズ量を、IGBT部11のオン電圧値が所定の値になるよう調整する。また、熱処理温度は、基板表面側のメタル層、すなわち表面電極41の融点よりも低い温度とする。たとえば表面電極41が1.0%のシリコンを含むアルミニウムのシリサイドの場合には、融点が660℃であるので、それよりも低い温度で熱処理をおこなう。上述した製造条件によれば、200A/cm2の電流密度でのオン電圧は1.62Vとなる。
その後、基板裏面にたとえばアルミニウム、チタン、ニッケルおよび金を蒸着して4層構造の裏面電極42を形成する。最後にダイシングをおこない、スクライブライン53で個々のチップに切り離すことによって、図1に示す構成の半導体装置が完成する。
なお、図4に示すように、ドリフト層21においてFWDによる電流経路となる領域43(図4においてハッチングを付した領域)にのみ選択的ライフタイム制御をおこなうようにしてもよい。このようにすれば、IGBT部11のオン電圧を低くするとともに、FWD部を高速リカバリー特性とすることができる。また、たとえば本実施の形態の半導体装置をインバータに適用した場合、そのインバータ動作においてIGBT部11がターンオンする際に、別アームの半導体装置のFWD部が逆回復するときの逆回復ピーク電流と逆回復電荷を小さくすることができるので、ターンオン損失を低減することができる。
選択的ライフタイムキラーを導入するにはつぎのようにすればよい。たとえば、表面プロセスの途中で基板表面側を全面、酸化膜で覆い、その酸化膜をパターニングしてFWD部のみを開口させる。そして、その酸化膜の開口部から白金を870℃の温度で拡散させることによって、FWD部近傍にだけライフタイムキラーが導入されるので、FWD部のみのライフタイムを低減させることができる。
あるいは、FWD部のみが開口するパターンの厚さ50μm程度のレジスト等をマスクとして、FWD部に1〜30MeVの加速電圧でヘリウム等の軽イオンを照射し、FWD部に欠陥を生成させる。その後、330℃程度の温度で熱処理をおこない、所定のダイオード順電圧とする。
いずれの方法によっても、IGBT部11にライフタイム制御を導入せずにIGBTのαTを1程度としたまま、FWD部の蓄積キャリアを低減させることができるので、FWDの逆回復を高速にすることができる。なお、ウェハーまたは半導体チップ10の全面に電子線を照射してIGBT部11のオン電圧をある程度増加させることにより、FWD部の蓄積キャリアを低減させるようにしてもよい。
(FS型IGBTの場合)
つぎに、IGBT部がFS型IGBTにより構成される場合について説明する。図6は、FS型IGBTとFWDを一体化した半導体装置の構成を示す断面図である。図6に示すように、ドリフト層21とコレクタ領域23との間に、N型のFS層29が設けられている。このFS層29は、FWDアノード部12およびエッジ部14を通ってカソード領域32にまで達している。
ドリフト層21とFS層29とコレクタ領域23を合わせた厚さは、特に限定しないが、たとえば70μmである。その他の構成は、上述したNPT型IGBTを一体化させた場合と同様であるので、図1に示す構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図6に示す構成の半導体装置において、αPNP-eff、IGBT部11の差し渡し長さ、半導体チップ10の面積に対するIGBT部11の面積の比率、およびコレクタ領域23の基板裏面における活性化されたp型不純物の最大表面濃度のそれぞれについて、適当な範囲等は、上述したNPT型IGBTを一体化させた場合と同様である。それぞれの理由については後述する。
また、図6に示す構成の半導体装置において、FWDの電流経路は、上述したNPT型IGBTを一体化させた場合と同様である。また、製造プロセスも上述したNPT型IGBTを一体化させた場合とほぼ同様であるが、70μmの厚さまでウェハーの裏面を研削した後、FS層29を形成するためにウェハー裏面にリンを深めにイオン注入する工程が増える。また、上述したNPT型IGBTを一体化させた場合と同様に、FS型IGBTを一体化させた場合も、ドリフト層21においてFWDによる電流経路となる領域に選択的ライフタイムキラーを導入してもよい。
(PT型IGBTの場合)
つぎに、IGBT部がPT型IGBTにより構成される場合について説明する。図8は、PT型IGBTとFWDを一体化した半導体装置の構成を示す断面図である。図8に示すように、ドリフト層21とコレクタ領域23との間に、N型のバッファ層30が設けられている。このバッファ層30は、FWDアノード部12およびエッジ部14を通ってカソード領域32にまで達している。
ドリフト層21とバッファ層30を合わせた厚さは、特に限定しないが、たとえば70μmである。その他の構成は、上述したNPT型IGBTを一体化させた場合と同様であるので、図1に示す構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図8に示す構成の半導体装置において、αPNP-eff、IGBT部11の差し渡し長さ、半導体チップ10の面積に対するIGBT部11の面積の比率、およびコレクタ領域23の基板裏面における活性化されたp型不純物の最大表面濃度のそれぞれについて、適当な範囲等は、上述したNPT型IGBTを一体化させた場合と同様である。それぞれの理由については後述する。
また、図8に示す構成の半導体装置において、FWDの電流経路は、上述したNPT型IGBTを一体化させた場合と同様である。また、製造プロセスも上述したNPT型IGBTを一体化させた場合とほぼ同様である。ただし、コレクタ領域23となるP型CZウェハー上に、N型バッファ層30およびN型ドリフト層21をエピタキシャル成長させたウェハーを用いるので、ウェハー裏面の研削後、コレクタ領域23を形成するためのイオン注入処理およびに熱処理は不要である。また、上述したNPT型IGBTを一体化させた場合と同様に、PT型IGBTを一体化させた場合も、ドリフト層21においてFWDによる電流経路となる領域に選択的ライフタイムキラーを導入してもよい。
(αPNP-eff≧0.5の理由)
つぎに、IGBT部11が電流阻止状態にあるとき、裏面電極42に正の降伏電圧が印加されたときのαPNP-effが0.5以上である理由について説明する。図10は、実施の形態1にかかる3タイプの半導体装置(図1、図6、図8参照)の出力特性を示す図である。図10において、FWD内蔵NPT−IGBT、FWD内蔵FS−IGBTおよびFWD内蔵PT−IGBTは、それぞれ図1、図6および図8に示す半導体装置の出力特性である。また、比較例として、図10に、FWDを一体化させていないNPT−IGBT単独の素子の出力特性を従来NPT−IGBTとして示す。
図10より、FWD内蔵NPT−IGBTとFWD内蔵FS−IGBTの出力特性は、従来NPT−IGBTの出力特性とほぼ同じであることがわかる。それに対して、FWD内蔵PT−IGBTのオン電圧は、FWD内蔵NPT−IGBT、FWD内蔵FS−IGBTおよび従来NPT−IGBTのオン電圧よりも数倍高くなっており、いわゆる「とび(snap−back)」と呼ばれる現象が起こっていることがわかる。
図5、図7および図9は、それぞれ図1、図6および図8に示す半導体装置において、ゲートがオン状態のときに注入される電子およびホールの動きを模式的に示す断面図である。FWD内蔵NPT−IGBTの場合、図5に示すように、ゲートから注入された電子は、カソード領域32に向かって流れる。その際、電子(e-)が、コレクタ領域23の近傍のドリフト層21を通るときに電圧降下が生じる。
その電圧降下がコレクタ領域23とドリフト層21とのビルトイン電圧よりも大きくなれば、コレクタ領域23からホール(h+)が注入される。それによって、伝導度が変調し、オン電圧が低くなる。FWD内蔵NPT−IGBTの場合、28Ωcmの高比抵抗のドリフト層21とコレクタ領域23が接しているので、わずかな電流が流れるだけで容易に電圧降下が生じる。
FWD内蔵FS−IGBTの場合は、図7に示すように、ゲートから注入され、カソード領域32に向かって流れる電子がFS層29を通るときに電圧降下が生じる。その電圧降下がコレクタ領域23とFS層29とのビルトイン電圧よりも大きくなれば、コレクタ領域23からホール(h+)が注入される。それによって、伝導度が変調し、オン電圧が低くなる。
FWD内蔵FS−IGBTの場合には、FS層29がドリフト層21よりも高濃度であるため、FS層29の抵抗がドリフト層21の抵抗よりも小さくなる。したがって、ビルトイン電圧よりも大きくなるような電圧降下を生じるには、FWD内蔵NPT−IGBTよりも高い電流が必要になるので、FWD内蔵NPT−IGBTよりもオン電圧がわずかに高くなる。
FWD内蔵PT−IGBTの場合は、図9に示すように、ゲートから注入され、カソード領域32に向かって流れる電子がバッファ層30を通るときに電圧降下が生じる。その電圧降下がコレクタ領域23とバッファ層30とのビルトイン電圧よりも大きくなれば、コレクタ領域23からホール(h+)が注入され、伝導度が変調してオン電圧が低くなる。
しかし、FWD内蔵PT−IGBTの場合、バッファ層30がFS層29よりもドナー濃度が濃くなるように形成されているため、バッファ層30の抵抗はFS層29の抵抗よりも1桁以上小さい。したがって、電子がバッファ層30を通る際にPN接合のビルトイン電圧分だけ電圧降下を生じさせるには、FWD内蔵NPT−IGBTやFWD内蔵FS−IGBTよりも数倍高い電流が流れる必要がある。そのため、コレクタ領域23からホールが注入されず、IGBTがオンしづらい状態となり、出力特性に「とび」が生じる原因となっている。
FWD内蔵FS−IGBTとFWD内蔵PT−IGBTとで上述したような相違点が生じる原因は、主にγEとαTの違いである。いずれもαPNP(≒γEαT)は0.3程度である。γEについては、FWD内蔵PT−IGBTが0.99以上であるのに対して、FWD内蔵FS−IGBTは0.3程度である。また、αTについては、FWD内蔵PT−IGBTでは0.3程度まで小さくするが、FWD内蔵FS−IGBTではほぼ1である。
FWD内蔵PT−IGBTの場合、コレクタ領域23は高濃度のCZウェハーにより構成される。そのため、コレクタ領域23から注入される少数キャリアの量が多くなる。それをある程度を抑えるには、高濃度(5×1016cm-3)のバッファ層30を形成する必要がある。
それに対して、FWD内蔵FS−IGBTでは、コレクタ領域23はイオン注入により形成されるため、FWD内蔵PT−IGBTに比べて少数キャリアの注入量が少ない。したがって、FS層29の濃度は、空乏層の広がりを抑える程度(積分濃度で最低1×1012cm-2)でよい。FS層29の厚さが5μmであるとすれば、最大濃度は約5×1015cm-3で十分である。このような違いにより、上述したような出力特性の違いが生じる。
以上の内容から、本発明者らは、IGBT部11のタイプ別によりFWD部からのオン特性への影響を分ける指標の一つとして、IGBT部11がオフ状態にあるときに、正の降伏電圧をコレクタ電極(裏面電極42)に印加したときのαPNP-effが有効であることを導き出した。図11は、コレクタへの印加電圧VkaとαPNP-effとの関係を示す特性図である。
図11より、FWD内蔵PT−IGBTの場合、バッファ層30のドナー濃度が十分に高いので、コレクタへの印加電圧が大きくなって中性領域がバッファ層30だけになっても、αPNP-effの増加は緩慢である。したがって、コレクタへの印加電圧が降伏電圧(ここでは700Vとする)に達しても、電流利得はほとんど変化しない。
それに対して、FWD内蔵NPT−IGBTおよびFWD内蔵FS−IGBTの場合には、コレクタへの印加電圧が増大するのに伴って、αPNP-effも増大する。したがって、コレクタへの印加電圧が降伏電圧(700V)に達したときには、電流利得は3〜4倍程度に増加している。このことが、IGBT部11の出力特性に関係している。
つまり、コレクタに降伏電圧まで印加したことによって空乏層が広がっているにもかかわらず、αPNP-effが低いということは、コレクタ領域23の手前、すなわちコレクタ領域23よりもドリフト層21側に高濃度のN型領域が存在することを意味している。したがって、IGBT部11のゲートがオン状態のときに注入された電子の一部は、コレクタ領域23の手前の高濃度のN型領域を経由してカソード領域32へ流れる。そのときの電圧降下は、高濃度のN型領域の抵抗成分が低いため、大電流が流れないとPN接合のビルトイン電圧に到達しない。
一方、静的なαPNPに対して、コレクタに降伏電圧を印加したときのαPNP-effが高いということは、コレクタ領域23の手前にあるN型領域のドナー濃度が低いことを意味する。換言すれば、コレクタ領域23の手前のN型領域の抵抗成分は高い。したがって、IGBT部11のゲートがオン状態のときに注入された電子がカソード領域32に流れ込むときの電圧降下は、小電流でも容易にPN接合のビルトイン電圧に到達する。そのため、出力特性に「とび」が発生せずに、低いオン電圧となる。
図12は、コレクタに降伏電圧を印加したときのαPNP-effと、200A/cm2の電流密度におけるIGBT部11のオン電圧との関係を示す特性図である。図12より、αPNP-effが0.5より小さくなると、オン電圧が急激に増加するのがわかる。オン電圧が急激に増加する理由は、上述したように、コレクタ領域23の手前にあるN型領域のドナー濃度が高いことによって、電圧降下が小さくなり、それによって出力特性に「とび」が発生するからである。以上、詳述した理由により、実施の形態1にかかる半導体装置では、ゲートオフ時のコレクタに降伏電圧を印加したときのαPNP-effは0.5以上であるのが適当である。
(IGBT部11の差し渡し長さ≧100μmの理由)
つぎに、IGBT部11の差し渡し長さが100μm以上である理由について説明する。図13は、チップ内活性領域の面積に対するIGBT部11の面積比と、200A/cm2の電流密度におけるIGBT部11のオン電圧との関係を示す特性図である。図13には、IGBT部11の差し渡し長さを1〜1000μmとしたときの特性が示されている。なお、図13において、FWDを一体化させていないIGBTのオン電圧値をVdiodeとして示している。
図13より、たとえばIGBT部11の面積比を66%とした場合、IGBT部11の差し渡し長さが長いほど、FWDがない場合のオン電圧値Vdiodeに近づくが、IGBT部11の差し渡し長さが短いほどオン電圧が増加することがわかる。これは、IGBT部11の差し渡し長さが長いほど、カソード領域32ヘ到達するまでに電子が流れる距離が長くなり、その分、抵抗成分が増加するので、電子が流れる際の電圧降下が大きくなり、コレクタ領域23のPN接合ビルトイン電圧を超えることが可能となるからである。図13によれば、オン電圧がVdiodeに漸近するには、IGBT部11の差し渡し長さが100μm以上であればよいことがわかる。
ところで、前記特許文献4に開示されたアノードショート型構造では、IGBT部の差し渡し長さはおおよそ1〜10μmに相当する。ゲートから注入された電子がカソード(いわゆるショート部)に流れこむまでの長さが1〜10μm程度では、その際の電圧降下がPN接合のビルトイン電圧を超えることは困難であるため、出力特性に「とび」が発生してしまい、オン電圧が大きくなってしまう。
(IGBT部11の面積比≧60%の理由)
つぎに、IGBT部11の平面における面積が、半導体チップ10の平面における面積の60%以上である理由について説明する。従来の一般的な実機動作を考慮すると、IGBTモジュールにおけるIGBTチップとFWDチップの面積の比は、2対1程度である。これは、実機動作において、総合損失が最も小さくなるようにチップ面積等を決めていくと、ほぼこのような値となるからである。
また、動作環境によっては、IGBTチップの面積比がそれ以上の場合もある。したがって、実施の形態1にかかる半導体装置においても、IGBT部11の面積比は、実機の動作環境にもよるが、活性部全体の60%以上となるように設計する必要がある。このことと、上述したIGBT部11の差し渡し長さの検討内容とから、IGBT部11の面積比は60%以上であり、かつIGBT部11に差し渡し長さが100μm以上となる部分が含まれることが望ましい。
(エッジ部14の長さとダイオード逆回復損失との関係)
図1、図6または図8に示すように、FWDの電流経路はエッジ部14の下を通っている。そのため、エッジ部14の長さがFWD部の逆回復損失の特性に大きな影響を及ぼす。したがって、エッジ部14の長さは、設計耐圧が確保できる範囲内で、できるだけ短くするのが好ましい。エッジ部14の長さは、ガードリング構造やRESURF構造などのエッジ構造により決まるが、エッジ構造で決まる耐圧は、平面接合でのドリフト層厚で決まる降伏電圧よりは大きくならない。したがって、エッジ部14で設計耐圧を確保するには、エッジ部14の長さはドリフト層21の厚さよりも長くなる。
図14は、エッジ部14の長さに対するドリフト層21の厚さの比と、FWD部の逆回復損失との関係を示す特性図である。なお、縦軸については、従来のIGBTモジュールにおけるダイオード逆回復損失を1として規格化している。横軸の値については、ドリフト層21の厚さに対してエッジ部14の長さが長くなるほど小さくなる。図14に示す特性図では、ドリフト層21の厚さを100μmとし、エッジ部14の長さを230μm(フィールドプレート構造)から500μm(ガードリング構造)とした。
図14より、エッジ部14が長くなるほど、ダイオード逆回復損失が大きくなることがわかる。エッジ部14が最長のもの(ガードリング構造)では、逆回復損失が従来の3倍程度となるが、エッジ部14の長さがドリフト層21の厚さの2.5倍(すなわち、横軸の値が0.4)以下であれば、逆回復損失が従来の1.5倍以下になるので、望ましい。
(コレクタ領域23の最大表面濃度が1015〜1018cm-3である理由)
つぎに、コレクタ領域23の基板裏面における活性化されたp型不純物の最大表面濃度が、1015cm-3以上1018cm-3以下である理由について説明する。カソード領域32が裏面電極42にオーミック接触するには、カソード領域32の、裏面電極42に接触する面の表面濃度は、1.0×1018cm-3以上である必要があり、望ましくは1.0×1019cm-3以上であるとよい。なおかつ、カソード領域32の、裏面電極42に接触する面の表面濃度は、ボロンのイオン注入および熱処理により形成されるコレクタ領域23の表面濃度よりも高くなければならない。
図15は、カソード領域32の深さ方向の濃度分布を示す図である。図15より、基板表面から100μmの深さにおけるカソード領域32の濃度を1.0×1019cm-3とし、コレクタ領域23の活性化最大濃度を1.0×1019cm-3以下、望ましくは1.0×1018cm-3以下とすればよい。
上述した実施の形態1によれば、ウェハー表面側から不純物拡散によりカソード領域32を形成した後、ウェハー裏面を研削してその研削面にカソード領域32を露出させ、コレクタ領域23の形成後に裏面電極42を形成することによって、カソード領域32を裏面電極42にオーミック接触させることができる。したがって、従来のIGBTとFWDを一体化させた半導体装置のように薄ウェハー化した後に、ウェハー表面側の構造との位置合わせをおこなってマスクをパターニングする必要がないので、製造段階においてウェハー割れを起こすことなく、IGBTとFWDを一体化させた半導体装置を容易に作製することができる。また、カソード領域32をエッジストッパーとして兼用することもできる。また、アノード領域31をチャネル領域24と共有することもできる。
実施の形態2.
実施の形態2にかかる半導体装置は、IGBT部とエッジ部とFWD部が同一半導体チップに形成されており、チップの深さ方向、すなわち縦方向にFWDの電流経路を有する構成となっている。IGBT部は、NPT型IGBT、PT型IGBTまたはFS型IGBTにより構成される。
(NPT型IGBTの場合)
まず、IGBT部がNPT型IGBTにより構成される場合について説明する。図16は、NPT型IGBTとFWDを一体化した半導体装置の構成を示す断面図である。図16において、110は半導体チップ、111はIGBT部、112はFWD部、114はエッジ部である。
FWD部112は、半導体チップ110の相対する二辺のうちの一方の辺(図示例では左側の辺)に沿って設けられている。エッジ部114は半導体チップ110の周縁に沿って、IGBT部111を囲むように設けられている。
IGBT部111では、N型の高比抵抗ドリフト層121を挟んで、基板表面側にIGBTの表面素子構造122が形成されており、基板裏面側にP型のコレクタ領域123が設けられている。IGBTの表面素子構造122は、ドリフト層121の表面に選択的に形成されたP型の高濃度チャネル領域124、このチャネル領域124内に選択的に形成されたN型の高濃度ソース領域125、チャネル領域124の表面上に形成されたゲート絶縁膜126およびゲート電極127よりなる絶縁ゲート部128を備えている。特に限定しないが、IGBT部111におけるドリフト層121とコレクタ領域123を合わせた厚さは、たとえば100μmである。
FWD部112では、前記ドリフト層121を挟んで、基板表面側にP型の高濃度アノード領域131が設けられており、基板裏面側にN型の高濃度カソード領域132が設けられている。エッジ部114では、ガードリング構造やRESURF構造などの周知のエッジ構造が前記ドリフト層121の表面に形成されている。特に限定しないが、FWD部112におけるドリフト層121の厚さは、たとえば60μmである。
表面電極141は、IGBT部111のチャネル領域124およびソース領域125の両方に電気的に接続するエミッタ電極と、FWD部112のアノード領域131に電気的に接続するアノード電極を兼ねている。裏面電極142は、IGBT部111のコレクタ領域123に電気的に接続するコレクタ電極と、FWD部112のカソード領域132に電気的に接続するカソード電極を兼ねている。
なお、図19に示す変形例のように、IGBT部111とFWD部112とが入れ替わった構成としてもよい。図16に示す配置と図19に示す配置には、何ら特性上の違いはない。
図16または図19に示す構成の半導体装置において、IGBT部111が電流阻止状態にあるとき、コレクタ電極である裏面電極142に正の降伏電圧が印加されたときのαPNP-effは0.5以上である。その理由は、実施の形態1で説明した通りである。ただし、実施の形態1での説明を実施の形態2で引用する際には、実施の形態1の該当する説明の中で、図5の代わりに図21を参照するものとする。図21は、図19に示す半導体装置において、ゲートがオン状態のときに注入される電子およびホールの動きを模式的に示す断面図である。
また、IGBT部111の差し渡し長さは100μm以上である。実施の形態1の図3に示す例のように、半導体チップ110の相対する二辺にともにFWDが設けられている場合には、左右のFWDに挟まれるIGBT部111は200μm以上の長さが必要である。この差し渡し長さの理由も、実施の形態1で説明した通りである。
また、IGBT部111の平面における面積は、半導体チップ110の平面における面積の60%以上である。この理由も、実施の形態1で説明した通りである。また、FWD部112において、カソード領域132のIGBT部111側の端部は、アノード領域131のIGBT部111側の端部から100μm以上、IGBT部111から遠ざかる方向に、離れている。その理由については後述する。
また、コレクタ領域123の基板裏面における活性化されたp型不純物の最大表面濃度は、1018cm-3以下である。その理由については後述する。各種設計値等を上述したような範囲に設定することによって、FWD部112がIGBT部111のオン動作に及ぼす影響を少なくすることができる。
上述した構成によって、つぎのようにFWDの電流経路ができる。エミッタ電極である表面電極141に正のバイアス電圧を印加すると、アノード領域131からホールが注入される。そのホールは、ドリフト層121を流れてカソード領域132に達する。なお、アノード領域131とIGBT部111との間に絶縁性トレンチなどの非干渉領域を設けてもよい。
つぎに、図16に示す半導体装置(厳密には、チップの左右両端にFWDが配置された構成)の製造プロセスについて説明する。図17および図18は、図16に示す半導体装置の製造プロセスを説明するための図である。まず、たとえば比抵抗が28Ωcmで、厚さが625μmのN型FZウェハーよりなる半導体基板151の表面に、たとえば24000オングストロームの厚さの熱酸化膜152を形成する。そして、この熱酸化膜152をパターニングして、スクライブライン153(破線で示す)を中心としてカソード領域132を形成するのに十分な開口幅のスクライブ領域154を開口する(図17(a))。
ついで、熱酸化膜152よりなるマスクおよびスクライブ領域154の開口部上に、リンを含む酸化膜を堆積する。そのリンを含む酸化膜のみを除去した後、たとえば1300℃で80時間のドライブ熱処理をおこなう。これによって、リンがスクライブ領域154の開口部から約100μmの深さまで拡散し、深さXjがおおよそ100μmのカソード領域132が形成される(図17(b))。
熱酸化膜152を除去した後、リンをドープしながら、基板表面にたとえば厚さ60μmのエピタキシャル層155を成長させる(図17(c))。このエピタキシャル層155の比抵抗は、半導体基板151と同じ28Ωcmとする。ここまでで、カソード領域132が埋め込まれた状態となる。
ついで、フィールド酸化やゲート酸化膜の形成やポリシリコン等のパターニングなどの表面プロセスをおこない、IGBT部111の表面素子構造122やFWD部112の表面素子構造を形成する(図18(d))。表面プロセス等の詳細については、本発明の要旨ではないので、説明を省略する。
表面プロセス終了後、半導体基板151の裏面を研削して、最終的な基板厚さを100μmとする。このように薄ウェハー化することによって、カソード領域132が基板裏面(研削面)に露出する。その後、基板裏面にP型不純物としてたとえばボロンを1.0×1015cm-2のドーズ量でイオン注入し、たとえば350℃で熱処理する。これによって、基板裏面にコレクタ領域123が形成される(図18(e))。
なお、ボロンのドーズ量を、IGBT部111のオン電圧値が所定の値になるよう調整する。また、熱処理温度については、実施の形態1と同様に、基板表面側のメタル層、すなわち表面電極141の融点よりも低い温度とする。上述した製造条件によれば、200A/cm2の電流密度でのオン電圧は1.62Vとなる。
その後、基板裏面にたとえばアルミニウム、チタン、ニッケルおよび金を蒸着して4層構造の裏面電極142を形成する。最後にダイシングをおこない、スクライブライン153で個々のチップに切り離すことによって、図16に示す構成の半導体装置が完成する。
なお、図20に示すように、ドリフト層121においてFWDによる電流経路となる領域143(図20においてハッチングを付した領域)にのみ選択的ライフタイム制御をおこなうようにしてもよい。このようにすれば、IGBT部111のオン電圧を低くするとともに、FWD部112を高速リカバリー特性とすることができる。
また、たとえば本実施の形態の半導体装置をインバータに適用した場合、そのインバータ動作においてIGBT部111がターンオンする際に、別アームの半導体装置のFWD部112が逆回復するときの逆回復ピーク電流と逆回復電荷を小さくすることができるので、ターンオン損失を低減することができる。選択的ライフタイムキラーの導入方法については、実施の形態1において説明した通りである。
(FS型IGBTの場合)
つぎに、IGBT部がFS型IGBTにより構成される場合について説明する。図22は、FS型IGBTとFWDを一体化した半導体装置の構成を示す断面図である。図22に示すように、ドリフト層121とコレクタ領域123との間に、N型のFS層129が設けられている。なお、図22に示す例は、図19に示す変形例と同様に、IGBT部111とFWD部112とが入れ替わった構成となっているが、入れ替わっていない構成に対する特性上の違いはない。
ドリフト層121とFS層129とコレクタ領域123を合わせた厚さは、特に限定しないが、たとえば100μmである。その他の構成は、上述したNPT型IGBTを一体化させた場合と同様であるので、図16に示す構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図22に示す構成の半導体装置において、αPNP-eff、IGBT部111の差し渡し長さ、半導体チップ110の面積に対するIGBT部111の面積の比率のそれぞれについて、適当な範囲等は、上述したNPT型IGBTを一体化させた場合と同様であり、それぞれの理由については実施の形態1で説明した通りである。
ただし、αPNP-effの理由について、実施の形態1での説明を実施の形態2で引用する際には、実施の形態1の該当する説明の中で、図7の代わりに図23を参照するものとする。図23は、図22に示す半導体装置において、ゲートがオン状態のときに注入される電子およびホールの動きを模式的に示す断面図である。
また、カソード領域132とアノード領域131とのIGBT部111側の端部のずれ、およびコレクタ領域123の基板裏面における活性化されたp型不純物の最大表面濃度のそれぞれについて、適当な範囲等は、上述したNPT型IGBTを一体化させた場合と同様である。これらの理由については後述する。
また、図22に示す構成の半導体装置において、FWDの電流経路は、上述したNPT型IGBTを一体化させた場合と同様である。また、製造プロセスも上述したNPT型IGBTを一体化させた場合とほぼ同様であるが、ウェハー裏面を研削した後、FS層129を形成するためにウェハー裏面にリンを深めにイオン注入する工程が増える。また、上述したNPT型IGBTを一体化させた場合と同様に、FS型IGBTを一体化させた場合も、ドリフト層121においてFWDによる電流経路となる領域に選択的ライフタイムキラーを導入してもよい。
(PT型IGBTの場合)
つぎに、IGBT部がPT型IGBTにより構成される場合について説明する。図24は、PT型IGBTとFWDを一体化した半導体装置の構成を示す断面図である。図24に示すように、ドリフト層121とコレクタ領域123との間に、N型のバッファ層130が設けられている。なお、図24に示す例は、図19に示す変形例と同様に、IGBT部111とFWD部112とが入れ替わった構成となっているが、入れ替わっていない構成に対する特性上の違いはない。
ドリフト層121とバッファ層130を合わせた厚さは、特に限定しないが、たとえば100μmである。その他の構成は、上述したNPT型IGBTを一体化させた場合と同様であるので、図16に示す構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図24に示す構成の半導体装置において、αPNP-eff、IGBT部111の差し渡し長さ、半導体チップ110の面積に対するIGBT部111の面積の比率のそれぞれについて、適当な範囲等は、上述したNPT型IGBTを一体化させた場合と同様であり、それぞれの理由については実施の形態1で説明した通りである。
ただし、αPNP-effの理由について、実施の形態1での説明を実施の形態2で引用する際には、実施の形態1の該当する説明の中で、図9の代わりに図25を参照するものとする。図25は、図24に示す半導体装置において、ゲートがオン状態のときに注入される電子の動きを模式的に示す断面図である。
また、カソード領域132とアノード領域131とのIGBT部111側の端部のずれ、およびコレクタ領域123の基板裏面における活性化されたp型不純物の最大表面濃度のそれぞれについて、適当な範囲等は、上述したNPT型IGBTを一体化させた場合と同様である。これらの理由については後述する。
また、図24に示す構成の半導体装置において、FWDの電流経路は、上述したNPT型IGBTを一体化させた場合と同様である。また、製造プロセスも上述したNPT型IGBTを一体化させた場合とほぼ同様である。ただし、コレクタ領域123となるP型CZウェハー上に、N型バッファ層130およびN型ドリフト層121をエピタキシャル成長させたウェハーを用いるので、ウェハー裏面の研削後、コレクタ領域123を形成するためのイオン注入処理およびに熱処理は不要である。また、上述したNPT型IGBTを一体化させた場合と同様に、PT型IGBTを一体化させた場合も、ドリフト層121においてFWDによる電流経路となる領域に選択的ライフタイムキラーを導入してもよい。
(IGBT部111のオン機構)
つぎに、IGBT部111がオンする機構について説明する。図26は、NPT型IGBTよりなるIGBT部111がオンする機構を示す模式図である。また、図27は、PT型IGBTまたはFS型IGBTよりなるIGBT部111がオンする機構を示す模式図である。
実施の形態1においても説明したように、IGBT部111の面積比が同じであっても、IGBT部111の差し渡し長さが異なると、出力特性に「とび」が生じることがある。その理由は、IGBT部111の差し渡し長さが短いと、PN接合のビルトイン電圧を超えるだけの電圧降下が得られないからである。ここで、ビルトイン電圧をVbiとし、Vbiを超えるためのコレクク電流をIcとし、電子電流経路でのドリフト抵抗をRbとすると、(1)式が成り立つ。
c=Rb・Vbi ・・・(1)
図26および図27に示すように、素子の奥行きをZとし、IGBT部111の差し渡し長さをLとし、ドリフト層の、コレクタ近傍の領域の2次元伝導が主に寄与すると仮定して、その領域のシート抵抗をρbとすると、上記(1)式は(2)式のように表される。
c=Z・Vbi/(ρb・L) ・・・(2)
さらに、シート抵抗ρbについて、2次元伝導の領域の厚さをdとし、その領域の平均濃度をNdとし、電子の移動度を用いると、上記(2)式は(3)式のように表される。ここで、奥行きZ、IGBT部111の差し渡し長さLにおけるコレクク電流Icの電流密度をJcとする。
c=qμn・d・Nd・Vbi/L2 ・・・(3)
図28に、上記式(3)について具体的に計算して求めた、IGBT部11の差し渡し長さLとビルトイン電圧を超えるために必要な電流密度Jcとの関係を示す。ただし、その計算をおこなうにあたって、NPT型IGBTについては、図26に示す構成においてd=30μm、Nd=1×1014cm-3とした。また、PT型IGBTについては、図27に示す構成においてd=10μm、Nd=1×1016cm-3とした。また、FS型IGBTについては、図27に示す構成においてd=3μm、Nd=1×1015cm-3とした。
NPT型IGBTは、PT型IGBTと違い、n-バッファ層のような低抵抗の2次元伝導層がない。したがって、NPT型IGBTでは、電子もある程度広がり、電圧降下も高いと考えられる。一方、PT型IGBTは、n-バッファ層が低抵抗層であるため、十分な電圧降下が得られないので、オンしづらい。FS型IGBTでは、その形成条件にも依存するが、FS層の濃度はPT型IGBTのn-バッファ層よりは低くなるため、電子電流の電圧降下が高くなり、NPT型IGBTに近い出力特性を示す。
(カソード領域132の端部とアノード領域131の端部とのずれの理由)
つぎに、カソード領域132のIGBT部111側の端部が、アノード領域131のIGBT部111側の端部から100μm以上、IGBT部111から遠ざかる方向に、離れている理由について説明する。図29は、カソード領域132のIGBT部111側の端部がアノード領域131のIGBT部111側の端部から、IGBT部111から遠ざかる方向に離れるようにずれるときのずれ量と、200A/cm2の電流密度におけるIGBT部111のオン電圧との関係を示す特性図である。
図29より、ずれ量が100μm以下では、オン電圧が増加しているこがわかる。これは、ずれ量が小さいと、カソード領域132がIGBT部111のゲートに近すぎるため、ゲートから注入された電子が、十分な電圧降下を生じる前にカソード領域132へ到達してしまい、電圧降下がPN接合のビルトイン電圧を超えないからである。したがって、このずれ量は100μm以上あるのが適当である。
(コレクタ領域123の最大表面濃度≦1018cm-3である理由)
つぎに、コレクタ領域123の基板裏面における活性化されたp型不純物の最大表面濃度が、1018cm-3以下である理由について説明する。実施の形態1で説明した通り、カソード領域132の、裏面電極142に接触する面の表面濃度は、1.0×1018cm-3以上であり、望ましくは1.0×1019cm-3以上である。
図30は、カソード領域132の深さ方向の濃度分布を示す図である。図30の横軸のXaは、図18(e)に示すように半導体基板151の表面、すなわちFWD部112にけるドリフト層121とカソード領域132との界面の深さ位置に相当する。また、図30の横軸のXbは、図18(e)に示すように半導体基板151の裏面に露出したカソード領域132の露出面の深さ位置に相当する。
図30より、半導体基板151の表面Xaから40μmの深さにおけるカソード領域132の濃度を1.0×1019cm-3とし、コレクタ領域123の活性化最大濃度を1.0×1019cm-3以下、望ましくは1.0×1018cm-3以下とすればよい。
(チップレイアウト)
つぎに、実施の形態2にかかる半導体装置のチップ状の平面レイアウトについて説明する。図31〜図34は、4つのチップレイアウトの例を示す概略図である。いずれのレイアウト例も、半導体チップ110の最外周はエッジ部114である。図31に示すチップレイアウトでは、FWD部112は、エッジ部114に隣接してエッジ部114の内側に配置される。IGBT部111は、FWD部112に隣接してFWD部112の内側に配置される。
各IGBTセルのゲート電極は、IGBT部111の外周に沿って設けられるゲートランナー部115に接続される。そして、ゲートランナー部115はゲートパッド部116に接続される。エミッタパッド、すなわち表面電極141は、IGBT部111とFWD部112とにまたがるように形成される。このレイアウトでは、電流および発生熱が、図示しないワイヤボンディングやリードフレームを介して開放されやすくなる。
図32に示すチップレイアウトでは、IGBT部111は、エッジ部114に隣接してエッジ部114の内側に配置される。FWD部112は、IGBT部111に隣接してIGBT部111の内側に配置される。ゲートランナー部115は、IGBT部111の外周、すなわちエッジ部114との境界に沿って設けられる。このレイアウトでは、表面電極141をゲートランナー部115の内側に配置することができるので、表面電極141に段差ができず、またエレクトロマイグレーションなどの問題も起こさずに電流を流すことができる。
図33または図34に示すチップレイアウトは、IGBT部111およびFWD部112を、いずれか一方が他方の内側になるように配置するのではなく、隣り合わせに配置するものである。図32〜図34に示すレイアウトのように、IGBT部111の一部がエッジ部114に隣接していると、最も効率的に電極と接触することができるので、好ましい。
上述した実施の形態2によれば、ウェハー表面側から不純物拡散によりカソード領域132を形成した後、ウェハー表面にエピタキシャル成長をおこなって、カソード領域132を埋め込み、その後、ウェハー裏面を研削してその研削面にカソード領域132を露出させ、コレクタ領域123の形成後に裏面電極142を形成することによって、カソード領域132を埋め込むとともに裏面電極142にオーミック接触させることができる。したがって、従来のIGBTとFWDを一体化させた半導体装置のように薄ウェハー化した後に、ウェハー表面側の構造との位置合わせをおこなってマスクをパターニングする必要がないので、製造段階においてウェハー割れを起こすことなく、IGBTとFWDを一体化させた半導体装置を容易に作製することができる。
実施の形態3.
実施の形態3は、実施の形態1または実施の形態2にかかる半導体装置の適用例である。図35は、たとえばインバータ回路に適用した例を示す回路図である。図35に示すインバータ回路は、家庭用2層交流201を4個のコンバーターダイオード211,212,213,214により整流し、実施の形態1または実施の形態2の半導体装置よりなる6個のFWD内蔵IGBT221,222,223,224,225,226を用いて3層交流モーター202を駆動する構成となっている。
実施の形態3によれば、インバータ部を構成するFWD内蔵IGBTチップの数は6個でよいので、インバータ部に6個のIGBTチップと6個のFWDチップを用いていた従来に比べて、インバータ部を構成するチップの数を半分にすることができる。また、FWD内蔵IGBTチップでは、FWD部とIGBT部とでエッジ構造を共有するので、従来に比べて全チップ面積を最大で30%程度減らすことができる。したがって、汎用向け、家電向け、電鉄や高圧送電などの多くのパワーエレクトロニクス分野において、低損失で低コストのインバータを供給することができる。なお、インバータ回路以外の回路にも適用可能である。
以上において本発明は、上述した各実施の形態に限らず、種々変更可能である。たとえば、第1導電型をN型とし、第2導電型をP型としたが、本発明は逆の導電型でも同様である。また、本発明は、プレーナーゲート構造に限らず、トレンチゲート構造の半導体装置にも適用できる。
本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の一例を示す断面図である。 図1に示す半導体装置の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示す半導体装置においてチップ両端にFWD部がある例を示す断面図である。 図1に示す半導体装置においてライフタイム制御をおこなった例を示す断面図である。 図1に示す半導体装置のゲートオン時の電子およびホールの流れを模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の他の例を示す断面図である。 図6に示す半導体装置のゲートオン時の電子およびホールの流れを模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる半導体装置のさらに他の例を示す断面図である。 図8に示す半導体装置のゲートオン時の電子の流れを模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の出力特性を示す特性図である。 本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の印加電圧と実効ベース接地電流利得との関係を示す特性図である。 本発明の実施の形態1にかかる半導体装置のコレクタに降伏電圧を印加したときの実効ベース接地電流利得とIGBT部のオン電圧との関係を示す特性図である。 本発明の実施の形態1にかかる半導体装置のIGBT部の面積比とオン電圧との関係を示す特性図である。 本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の(ドリフト層厚/エッジ部長さ)とFWD部の逆回復損失との関係を示す特性図である。 本発明の実施の形態1にかかる半導体装置のカソード領域の深さ方向の濃度分布を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体装置の一例を示す断面図である。 図16に示す半導体装置の製造プロセスを説明するための図である。 図16に示す半導体装置の製造プロセスを説明するための図である。 図16に示す半導体装置の変形例を示す断面図である。 図19に示す半導体装置においてライフタイム制御をおこなった例を示す断面図である。 図19に示す半導体装置のゲートオン時の電子およびホールの流れを模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体装置の他の例を示す断面図である。 図22に示す半導体装置のゲートオン時の電子およびホールの流れを模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体装置のさらに他の例を示す断面図である。 図24に示す半導体装置のゲートオン時の電子の流れを模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体装置がオンする機構を示す模式図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体装置がオンする機構を示す模式図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体装置のIGBT部の差し渡し長さとビルトイン電圧を超えるために必要な電流密度との関係を示す特性図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体装置のカソード領域およびアノード領域の端部のずれ量とIGBT部のオン電圧との関係を示す特性図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体装置のカソード領域の深さ方向の濃度分布を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体装置のチップレイアウトを示す概略図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体装置のチップレイアウトを示す概略図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体装置のチップレイアウトを示す概略図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体装置のチップレイアウトを示す概略図である。 本発明の実施の形態3にかかるインバータ回路の構成を示す回路図である。 IGBTおよびFWDの概略構成を寸法比較をしながら示す断面図である。 従来のパワー半導体素子とFWDを一体化した半導体装置の構成を示す断面図である。
符号の説明
10 半導体チップ
11 IGBT部
12,13 FWD部
14 電界緩和部(エッジ部)
21 ドリフト層
22 IGBTの表面素子構造
23 コレクタ領域
24 チャネル領域
25 ソース領域
26 ゲート絶縁膜
27 ゲート電極
28 絶縁ゲート部
31 アノード領域
32 カソード領域
41 表面電極
42 裏面電極
51 半導体基板
52 マスク(熱酸化膜)
54 スクライブ領域

Claims (4)

  1. 第1導電型の半導体基板の第1の主面側から第1導電型の不純物を拡散させて第1導電型のカソード領域を選択的に形成する工程と、
    前記カソード領域を形成した前記半導体基板の第1の主面に第1導電型のエピタキシャル層を形成する工程と、
    前記エピタキシャル層の表面に第2導電型のアノード領域および第2導電型のチャネル領域を形成し当該チャネル領域内に第1導電型のソース領域を形成する工程と、
    前記半導体基板を第2の主面側から研削して前記カソード領域を露出させる工程と、
    前記半導体基板の研削された面に第2導電型の不純物を注入して、少なくとも前記チャネル領域と対峙する領域にコレクタ領域を形成する工程と、
    前記コレクタ領域に電気的に接続するコレクタ電極を形成する工程と、
    を含み、
    前記チャネル領域が形成される絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ領域と、電界強度を緩和するため前記半導体基板のチップ側面に沿って設けられる電界緩和部と、に挟まれ、前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ領域に接して前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ領域を囲むダイオード領域に前記アノード領域を形成し、
    前記電界緩和部は、前記ダイオード領域の外周を囲み、かつ前記ダイオード領域に接しており、
    前記カソード領域の前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ領域側の端部が、前記アノード領域の前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ領域側の端部から100μm以上、前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ領域から遠ざかる方向に、離れており、
    前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ領域が電流阻止状態にあるときに前記コレクタ電極に正の降伏電圧が印加されたときの実効ベース接地電流利得が0.5以上であり、
    前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ領域は、前記ダイオード領域との境界から100μm以上離れたところまで続いていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 第1導電型の高比抵抗ドリフト層を有する半導体基板、前記半導体基板の第1の主面側に選択的に設けられた第2導電型の高濃度チャネル領域、前記チャネル領域内に選択的に設けられた第1導電型の高濃度ソース領域、前記半導体基板の第1の主面側に設けられたゲート絶縁膜およびゲート電極を備えた絶縁ゲート部、前記チャネル領域と前記ソース領域の両方に電気的に接続するエミッタ電極、前記半導体基板の第2の主面側に設けられた第2導電型の高濃度コレクタ領域、および前記高濃度コレクタ領域に電気的に接続するコレクタ電極を備えた絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部と、
    前記半導体基板の第1の主面側に設けられ、かつ前記エミッタ電極に電気的に接続する第2導電型の高濃度アノード領域、および前記半導体基板の第2の主面側に設けられ、かつ前記コレクタ電極に電気的に接続する第1導電型の高濃度カソード領域を備えた還流用ダイオード部と、
    電界強度を緩和するため前記半導体基板のチップ側面に沿って設けられた電界緩和部と、
    が同一半導体チップに設けられている半導体装置であって、
    前記還流用ダイオード部は、前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部と前記電界緩和部とに挟まれるように設けられており、
    前記高濃度カソード領域の不純物濃度が前記半導体基板と接する側から前記コレクタ電極に向かって減少し、かつ前記高濃度カソード領域の厚さが前記高濃度コレクタ領域の厚さよりも厚く、
    前記還流用ダイオード部は、前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部の外周を囲み、かつ前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部に接し、
    前記電界緩和部は、前記還流用ダイオード部の外周を囲み、かつ前記還流用ダイオード部に接し、
    前記高濃度カソード領域の前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部側の端部が、前記高濃度アノード領域の前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部側の端部から100μm以上、前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部から遠ざかる方向に、離れており、
    前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部が電流阻止状態にあるときに前記コレクタ電極に正の降伏電圧が印加されたときの実効ベース接地電流利得が0.5以上であり、
    前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部は、前記還流用ダイオード部との境界から100μm以上離れたところまで続いていることを特徴とする半導体装置。
  3. 前記高濃度カソード領域の、前記半導体基板の第2の主面における第1導電型不純物の最大濃度は1.0×1019cm-3以上であり、
    前記高濃度コレクタ領域の、前記半導体基板の第2の主面における活性化された第2導電型不純物の最大濃度は1.0×1018cm-3以下であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ部は、前記半導体チップの60%以上の面積を占めることを特徴とする請求項2または3に記載の半導体装置
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