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JPH06196705A - 逆導通型絶縁ゲートバイポーラトランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

逆導通型絶縁ゲートバイポーラトランジスタ及びその製造方法

Info

Publication number
JPH06196705A
JPH06196705A JP34446992A JP34446992A JPH06196705A JP H06196705 A JPH06196705 A JP H06196705A JP 34446992 A JP34446992 A JP 34446992A JP 34446992 A JP34446992 A JP 34446992A JP H06196705 A JPH06196705 A JP H06196705A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
collector
insulated gate
base
igbt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34446992A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiteru Shimizu
喜輝 清水
Yoshitaka Sugawara
良孝 菅原
Yasumichi Yasuda
保道 安田
Yasuki Nakano
安紀 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP34446992A priority Critical patent/JPH06196705A/ja
Publication of JPH06196705A publication Critical patent/JPH06196705A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 IGBTとダイオードとの一体化を計るとと
もに、IGBTに生じる電流集中をなくすようにした逆
導通型IGBTを提供する。 【構成】 基体1と、基体1の第1主表面に設けたベー
ス層2と、その中に設けたソース層3と、基体1の第2
主表面に設けたコレクタ層4と、相隣れるソース層3間
に橋絡配置された絶縁ゲート電極5と、ソース層3及び
ベース層2に接触し、絶縁ゲート電極5の外側に設けた
ソース電極7と、コレクタ層4の表面に設けたコレクタ
電極8からなるIGBT、及び、相隣れるベース層2間
に設けたエミッタ層9と、コレクタ層4間に設けたコレ
クタ短絡層10と、エミッタ層4の表面に設けたソース
電極7と、コレクタ短絡層10の表面に設けたコレクタ
電極8からなるダイオードにより単位セルが構成され、
単位セルが基体1内に順に配置形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、逆導通型絶縁ゲートバ
イポーラトランジスタ及びその製造方法に係わり、特
に、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(以下、これを
IGBTという)と逆並列接続ダイオードをセル単位で
一体化した逆導通型絶縁ゲートバイポーラトランジスタ
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、制御端子に供給されるスイッチ
ング制御信号の極性に応じて、負荷電流をオン、オフさ
せることができる半導体開閉素子としては、バイポーラ
トランジスタや絶縁ゲート電界効果トランジスタ(以
下、これをMOSFETという)等のスイッチング素子
が知られている。ところがこれらのスイッチング素子
は、スイッチング動作を行う際に、それぞれ動作上で長
所と短所とを有しており、例えば、高電圧で、大電流の
スイッチング制御を行う場合には、そのオン時の抵抗損
失の比較的小さなバイポーラトランジスタが適してお
り、一方、高周波スイッチング動作を行う場合にはスイ
ッチング速度の速いMOSFETが適している。
【0003】また、近年においては、バイポーラトラン
ジスタにおけるオン時の低抵抗特性と、MOSFETに
おける高速スイッチング動作特性とを兼ね備えたものと
してIGBTが開発され、このIGBTは種々の分野に
おいて急速に使用されるようになってきた。
【0004】このIGBTは、インバータ回路等に使用
される場合、通常、逆並列接続ダイオード、いわゆるフ
リーホイルダイオードと組み合わせて使用されることが
多く、しかも、IGBTと逆並列接続ダイオードとは同
一半導体チップ内に形成された構造のものである。この
場合、IGBTと逆並列接続ダイオードとを組み合わせ
た逆導通型絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(以下、
これを逆導通型IGBTという)は、例えば、特開昭6
2ー109365号(前者という)に開示されている。
また、MOSFETとダイオードを逆並列に一体化した
構造は、例えば、特開平2ー45434号(後者とい
う)に開示されている。
【0005】ところで、前者に開示の逆導通型IGBT
の構成は、IGBT部分が、絶縁ゲート電極の下方に設
けたn、p+の2層部及びp、n+、p+の3層部から
なり、しかも、コレクタ層をベース層の下方全面に形成
せずに、絶縁ゲート電極の下方のみに設け、その他の部
分にn+短絡層を形成したものであり、また、ダイオー
ド部分が、IGBTのp層(pウエル層)をダイオード
のpエミッタ層として利用し、pエミッタ層、nベース
層、n+エミッタ層からなる(P+)−(n)−(n
+)の3層構造からなるものである。一方、後者に開示
の逆導通型MOSFETの構成は、構造的に前者に開示
の逆導通型IGBTに類似のものであるが、前者に開示
の逆導通型IGBTと異なる点は、MOSFETのp層
(pウエル層)をダイオードのpエミッタ層として利用
しておらず、前記p層(pウエル層)よりも薄い低不純
物濃度のpエミッタ層を新たに設けている点である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記開
示になる逆導通型IGBTは、そのダイオード部分が、
いわゆるPINダイオードとして広く知られている構造
のものである。そして、このPINダイオードは、高不
純物濃度のpn接合部を有しているため、高速化を計る
ために、金(Au)等の重金属ドーピングや放射線照射
等を行い、キャリヤのライフタイムを短縮する必要があ
る。ところが、前記PINダイオードを、ライフタイム
・キラーを用いて高速化を計れば、ターンオン電圧の増
大や高温による洩れ電流の増大等をもたらし、動作上不
都合を生じることになる。
【0007】また、前記開示になる逆導通型IGBT
は、その中のIGBTとダイオードとのライフタイムの
最適値が必ずしも一致しないため、IGBTとダイオー
ドの特性を同時に満足させることが難しく、しかも、ダ
イオードを導通させた後に、逆導通型IGBTに印加さ
れる電圧の極性が反転し、IGBTのアノード側に正、
カソード側に負の電圧が印加されると、ゲート電圧の印
加がない場合においても、逆導通型IGBTの内部に残
留しているキャリヤにより、n+ソース層、pベース
層、nードリフト層、p+エミッタ層からなる寄生サイ
リスタが誤動作する、即ち、ラッチアップする可能性が
大きくなる。
【0008】このように、前記開示になる逆導通型IG
BTは、高速動作可能なダイオードを得た上に、IGB
Tとダイオードとを一体化することが難しいという問題
を有するものである。
【0009】一方、IGBTとダイオードを同一チップ
内に各領域に分けて形成配置し、IGBTとダイオード
を一体化した構造のものは、例えば、特開昭61ー15
370号によって既に提案されているが、この構造のも
のも、以下に述べるような点が解決されていないもので
ある。
【0010】即ち、GTO(ゲートターンオフサイリス
タ)等のバイポーラ素子は、オン電圧の温度係数が負、
即ち、温度が高くなればなる程、オン電圧は低くなると
いう性質があり、一方、電力用MOSFET等のユニポ
ーラ素子は、オン電圧の温度係数が正、即ち、高温にな
ればなる程、オン電圧は高くなるという性質がある。こ
うした性質の相違から、バイポーラ素子においては、電
流集中が起こり易く、当該素子を並列動作させることが
難しいのに対し、ユニポーラ素子においては、電流集中
が起こり難く、当該素子を並列動作させることが容易で
あるという特性を備えているものである。この場合、I
GBTは、バイポーラ素子とユニポーラ素子の中間の特
性を有するものであるが、IGBTの構造や使用時の電
流密度如何によっては、電流集中が無視できない程大き
くなる場合もあり、前記提案によるものも、IGBTの
各セル間においては、前述のような理由から、それらセ
ル間に電流集中を生じる懸念があるものである。
【0011】本発明は、前記各問題点を除去するもので
あって、その目的は、IGBTとダイオードとの一体化
を計るとともに、IGBTに生じる電流集中をなくすよ
うにした逆導通型IGBTを提供することにある。
【0012】また、本発明の他の目的は、IGBTとダ
イオードとを一体化し、かつ、IGBTに電流集中を生
じない逆導通型IGBTを、通常の手段を用いて容易に
製造できる逆導通型IGBTの製造方法を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的の達成のため
に、本発明は、一対の主表面を有し、低不純物濃度の第
1導電型の基体と、前記基体の第1主表面に形成された
第2導電型のベース層と、前記ベース層内に形成された
第1導電型のソース層と、前記基体の第2主表面に形成
された第2導電型のコレクタ層と、相隣れる2つのソー
ス層間に橋絡配置され、周囲と絶縁された絶縁ゲート電
極と、前記ソース層及びベース層に接触するとともに、
前記絶縁ゲート電極の外側に配置形成されたソース電極
と、前記コレクタ層の表面に形成されたコレクタ電極と
からなるIGBT、及び、前記絶縁ゲート電極の非設置
領域における相隣れる2つのベース層間に形成され、前
記ベース層よりも薄い低不純物濃度の第2導電型のエミ
ッタ層と、前記第2主表面における前記コレクタ層間に
形成された第1導電型のコレクタ短絡層と、前記エミッ
タ層の表面に形成されたソース電極と、前記コレクタ短
絡層の表面に形成されたコレクタ電極とからなるダイオ
ードにより単位セルが構成され、前記単位セルが前記基
体内に順に配置形成されている第1の手段を備える。
【0014】また、前記他の目的の達成のために、本発
明は、1.第1及び第2主表面を有し、低不純物濃度の
第1導電型の基体の前記第2主表面に部分的に第1導電
型の不純物を導入して高不純物濃度のコレクタ短絡層を
形成する工程、2.前記第2主表面に第2導電型の不純
物を導入してコレクタ層を形成する工程、3.前記第1
主表面に絶縁物を介して部分的にゲート電極を形成する
工程、4.前記第1主表面に選択的に第1導電型の不純
物を打ち込んで高不純物濃度のベース層を形成する工
程、5.前記ベース層内に高不純物濃度の第1導電型の
ソース層を形成する工程、6.前記第1主表面に絶縁膜
を被着させ、続いて、前記ベース層及びソース層と接触
する部分の前記絶縁膜を開口する工程、7.前記第1主
表面にソース電極を被着させるとともに、その加熱被着
時にソース電極に直接接触する基体内にエミッタ層を形
成する工程、8.前記第2主表面にコレクタ電極を被着
させる工程を順に経て逆導通型IGBTを得るようにし
た第2の手段を備える。
【0015】
【作用】前記第1の手段によれば、この逆導通型IGB
Tは、IGBTとダイオードの各構成を、互いに独立に
設定することができるので、IGBTとダイオードにつ
いてそれぞれ最適な動作特性を持たせるようにすること
ができる。また、この逆導通型IGBTは、ダイオード
導通時におけるキャリヤ濃度を、従来のこの種のダイオ
ードに比べて小さくすることができるので、IGBTと
ダイオードとの間の相互干渉をきわめて少なくすること
ができる。さらに、この逆導通型IGBTは、IGBT
とダイオードとを単位セル毎にそれぞれ一体化するよう
に構成しているので、素子としての面積利用率を高める
ことができるとともに、電流分布が均一になるダイオー
ドがIGBTの電流集中を緩和する働きがあり、素子面
内における温度分布が均一化されて、電流集中による素
子破壊を抑えることができる。その他、この逆導通型I
GBTは、IGBTにおけるコレクタ短絡層がダイオー
ドのエミッタ層を兼ねた構成であるので、IGBTとダ
イオードとを個別に構成し、それらを組み合わせた構造
のもの比べ、素子面積を小さくすることができる。
【0016】前記第2の手段によれば、この逆導通型I
GBTを得る場合に、通常の手段を順に用いるだけであ
って、IGBTとダイオードとを一体化させ、かつ、I
GBTに電流集中を生じない逆導通型IGBTを容易に
製造することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例を図面を用いて詳細に
説明する。
【0018】図1は、本発明による逆導通型IGBTの
第1の実施例を示す構造図であり、図1(a)はその縦
断面図、同図(b)はその平面図である。
【0019】図1(a)及び(b)において、1は一方
導電型(例えば、n型)の低不純物濃度の基体(n−ド
リフト層)、2は他方導電型(例えば、p型)のベース
層、3は一方導電型(例えば、n型)の高不純物濃度の
ソース層、4は他方導電型(例えば、p型)の高不純物
濃度のコレクタ層、5は絶縁ゲート電極、6はゲート電
極絶縁層、7はソース電極、8はコレクタ電極、9は他
方導電型(例えば、p型)の低不純物濃度のエミッタ
層、10は一方導電型の(例えば、n型)の高不純物濃
度のコレクタ短絡層、11はIGBTチャネル、12は
ダイオードチャネル、13はMOS領域チャネルであ
る。
【0020】そして、基体1は、第1及び第2の主表面
を有し、その第1の主表面に所定間隔を置いてベース層
2が形成され、それらベース層2の中の中央部分にソー
ス層3が形成される。1つのベース層2とそれに隣合う
他のベース層2を橋絡するように絶縁ゲート電極5が設
けられ、この絶縁ゲート電極5の周囲はゲート電極絶縁
層6により隣接部材と電気的に絶縁されている。絶縁ゲ
ート電極5の外側にソース電極7が形成され、このソー
ス電極7の両端部はベース層2とソース層3に導電接触
している。絶縁ゲート電極5の下側の基体1の表面にI
GBTチャネル11が形成され、ベース層2からソース
層3を経てIGBTチャネル11に到る部分にMOS領
域チャネル13が形成される。基体1の第2の主表面の
絶縁ゲート電極5に略対向する位置にコレクタ層4が設
けられ、このコレクタ層4の外側にコレクタ電極8が形
成される。以上の構成によりIGBTが形成される。
【0021】また、基体1の第1の主表面における絶縁
ゲート電極5の橋絡されていない1つのベース層2とそ
れに隣合う他のベース層2との間にエミッタ層9が形成
され、そのエミッタ層9の外側にソース電極7が形成さ
れ、エミッタ層9の基体1側にダイオードチャネル12
が形成される。基体1の第2の主表面におけるコレクタ
層4間にはコレクタ短絡層10が形成され、そのコレク
タ短絡層10の外側にコレクタ電極8が形成される。以
上の構成によりダイオードが形成される。
【0022】さらに、平面的には、図1(b)に示すよ
うに、MOS領域チャネル13が細長い楕円形状を有す
るように構成され、そのMOS領域チャネル13内にソ
ース層3が設けられる。1つのMOS領域チャネル13
と隣接するMOS領域チャネル13間にエミッタ層9
(及びダイオードチャネル12)が形成され、前記2つ
のMOS領域チャネル13とエミッタ層9(及びダイオ
ードチャネル12)からなる部分は、1つのIGBTと
ダイオードとからなる単位セルを構成している。これら
単位セルは、ストライプ状に、基体1内に順に一体化形
成されているものである。
【0023】前記構成において、エミッタ層9及びベー
ス層2の横方向拡散領域におけるアノード側の投影部に
は、コレクタ短絡層10が形成配置され、ダイオードの
両エミッタ層を結ぶ線と電界の方向とが一致するように
構成されているので、ダイオードのオン電圧を最も低く
することができる。また、前記構成においては、ダイオ
ードのエミッタ層9とIGBTチャネル11が分かれて
いる、特に、エミッタ層9とIGBTチャネル11とが
ソース層3を隔てて離れているので、ダイオードとIG
BTとの相互干渉をこれまでのこの種の素子に比べて大
幅に低減させることができる。さらに、ダイオードのエ
ミッタ層9の不純物総量をこれまでのこの種の素子に比
べて少なくすることができるので、基体1内に存在する
過剰キャリア濃度は少なくなり、ダイオードとIGBT
との相互干渉を一層少なくすることができる。この他
に、IGBTとダイオードを一体化した場合の面積利用
率を最大とすることができる。
【0024】ところで、前記各単位セルは、前述のよう
に、基体1内に順に並置されているものであるが、ベー
ス層2は、IGBTのMOS領域チャネル13を形成す
るベース層として働くとともに、ダイオードチャネル1
2を形成する深い高不純物濃度層として働く。高不純物
濃度のコレクタ短絡層10は、pエミッタ層9ととも
に、ダイオードのコレクタ側のエミッタ層としての働き
も有し、IGBTのコレクタ層4と基体1とによって形
成されるpn接合をコレクタ電極8側に電気的に短絡さ
せる機能を有している。このため、IGBTとダイオー
ドとをそれぞれ独立に形成した場合に比べて、素子全体
の面積の縮小を図ることが可能になる。
【0025】ここで、本実施例におけるIGBT及びダ
イオードの各部の寸法及び特性の一例を挙げると、IG
BTチャネル11の幅は17μm、ダイオードチャネル
12の幅は5μmである。また、基体1の部分は、抵抗
率が30Ω・cm、厚さが50μmであり、ベース層2
は、表面濃度が5×1018個/cm3 、厚さが5μmで
あり、ソース層3は、表面濃度が5×1020個/cm
3 、厚さが1.5μmであり、コレクタ層4は、表面濃
度が3×1018個/cm3 、厚さが20μmであり、コ
レクタ短絡層10は、表面濃度が5×1020個/cm
3 、厚さが25μmである。さらに、平面パターンの寸
法は、図1(b)に示されたゲート長lは25μmであ
り、ゲート幅wは2000μmである。
【0026】続いて、図2乃至図6は、本発明による逆
導通型IGBTの製造方法の実施例を示す構成図であ
る。
【0027】図2乃至図6において、図1に示された構
成要素と同じ構成要素には同じ符号を付けている。
【0028】以下、図2乃至図6に基づいて前記逆導通
型IGBTの製造方法について説明する。
【0029】まず、図2に示すように、n型不純物、例
えばリンを含んだ低不純物濃度の基体(n−ドリフト
層)1を用意し、その基体1の第2の主表面にさらにn
型不純物、例えばリンを既知の選択拡散技術を用いてコ
レクタ短絡層10を形成する。
【0030】次に、図3に示すように、基体1の第2の
主表面にp型不純物、例えばボロンを投射挿入し、同じ
く既知の選択拡散技術を用いてコレクタ短絡層10より
も低不純物濃度のコレクタ層4を形成する。この場合、
p型不純物、例えば、ボロンを第2の主表面全体に投射
挿入しても、先に形成したコレクタ短絡層10の方が高
不純物濃度であるため、コレクタ層4はコレクタ短絡層
10の存在しない領域に選択的に形成される。
【0031】次いで、図4に示すように、基体1の第1
の主表面に適宜間隔をおいて、ゲート電極絶縁層6を介
して多結晶シリコンからなる絶縁ゲート電極5を形成
し、この絶縁ゲート電極5の形成後に、第1の主表面に
p型不純物、例えばボロンを絶縁ゲート電極5の両端部
分に選択的に打ち込みを行い、ベース層2を形成する。
【0032】続いて、図5に示すように、絶縁ゲート電
極5及びレジストをマスクとして、ベース層2の中にn
型不純物、例えばリンを打ち込み、高不純物濃度のソー
ス層3を選択的に形成する。
【0033】次に、図6に示すように、絶縁ゲート電極
5の周辺部分にゲート電極絶縁層6を被着させ、そのゲ
ート電極絶縁層6におけるソース層3及びベース層2の
コンタクト部分を開口し、その後に、第1の主表面の全
体にシリコンを含有するアルミニウムを、例えばスパッ
タ法等により被着させ、さらに、その被着部分を430
乃至577℃の範囲で熱処理することによってソース電
極7を形成させる。このとき、ソース電極7は、高不純
物濃度のソース層3及びベース層2とオーミック接触
し、また、ソース電極7が基体1と接触するダイオード
チャネル12の部分にアルミニウムが拡散し、100n
m程度の極めて薄いp型導電層、即ち、低不純物濃度の
エミッタ層9が形成され、ソース電極7とエミッタ層9
の界面にショットキバリアが形成される。一方、前述の
場合と同様に、第2の主表面の全体にシリコンを含有す
るアルミニウム膜をスパッタ法等により被着させ、その
被着部分を430乃至577℃の範囲で熱処理すること
によってコレクタ電極8を形成する。このコレクタ電極
8の形成時に、コレクタ層4の表面は高不純物濃度であ
るため、コレクタ電極8とコレクタ層4はオーミック接
触になる。
【0034】ここにおいて、低不純物濃度のエミッタ層
9は、キャリア濃度が1×1014/cm2 以下であっ
て、その厚さが100Å乃至100nmの範囲にあるこ
とが望ましい。
【0035】その理由は、キャリア濃度が1×1014
2 以上になると、エミッタ層9とソース電極7がオー
ミック接触に近づき、しかも、エミッタ層9が高不純物
濃度になるので、エミッタ層9から基体1にホールが注
入され易くなり、少数キャリアであるホール蓄積効果に
よりダイオードのリカバリ特性の高速度動作特性が損な
われることになる。
【0036】また、ショットキバリア界面に、例えばワ
イアボンディングにおける欠陥が生じると、逆バイアス
時に電子が前記欠陥に生じた再結合中心に流れ込み、漏
れ電流が増えて、結果として耐圧の低下が生じるように
なる。この場合、エミッタ層9の厚さをある程度厚く選
ぶようにすれば、電子が前記欠陥にトンネル電流等によ
り遷移する確率が格段に小さくなる。このときのエミッ
タ層9の厚さの最小限界は概ね100Å程度であり、従
って、エミッタ層9の厚さを100Å以上に選べば、漏
れ電流が少なくなり、ダイオードの高耐圧化を図ること
ができる。しかも、エミッタ層9とソース電極7との間
にショットキバリアが形成されているので、pn接合に
よる空乏層がソース電極7までパンチスルーを起こして
も、耐圧の劣化が生じないという利点を有する。一方、
エミッタ層9の厚さを必要以上に厚くすると、エミッタ
層9内の不純物総量が増大し、基体1へのホールの注入
が増加するため、ダイオードの高速度動作特性が損なわ
れる。この際、前述の温度430乃至577℃の範囲に
おける熱処理によって得られるエミッタ層9の厚さは、
100nm程度であり、この100nm以下であれば、
ダイオードの高速度動作特性が損なわれることがない。
【0037】次いで、図7は、本発明に係わる逆導電型
IGBTの第2の実施例を示す構造図であり、図7
(a)はその断面斜視図、同図(b)はその上面図であ
る。
【0038】図7(a)及び(b)において、14は一
方導電型の(例えば、n型)の高不純物濃度のコレクタ
バッファ層であり、その他、図1に示された構成要素と
同じ構成要素には同じ符号を付けている。
【0039】そして、本実施例と前述の第1の実施例と
の違いは、第1の実施例が、細長い楕円形状のMOS領
域チャネル13を有し、単位セルがそれぞれストライプ
状に形成されているのに対し、本実施例が、円形のMO
S領域チャネル13(図7の斜線を施した部分)を有
し、単位セルがそれぞれ同じく円形に形成されている
点、及び、第1の実施例が、各コレクタ層4間にコレク
タ短絡層10を形成したものであるのに対し、本実施例
が、各コレクタ層4間とコレクタ層4の基体1側背面に
コレクタバッファ層14を形成したものである点だけで
あって、その他、本実施例と第1の実施例との間には構
成上の差異はない。
【0040】本実施例の機能は、本質的に前述の第1の
実施例の機能とほぼ同じであるが、本実施例の円形形状
の単位セルにおいて、MOS領域チャネル13以外の部
分はダイオード形成領域になっており、MOS領域チャ
ネル13の形状を円形にすることにより、MOS領域チ
ャネル13部分の抵抗を小さくできるので、前述の第1
の実施例におけるストライプ状のものに比べ、単位面積
当りの電流を大きくすることができるという利点があ
る。
【0041】続いて、図8は、本発明に係わる逆導電型
IGBTの第3の実施例を示す構造図であり、図8
(a)はその断面斜視図、同図(b)はその上面図であ
る。
【0042】図8(a)及び(b)において、図7に示
された構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付けてい
る。
【0043】そして、本実施例と前述の第2の実施例と
の違いは、第2の実施例が、円形状の単位セルの外側部
分にダイオード領域が形成されているのに対し、本実施
例が、それとは逆に、円形状の単位セルの中心部分にダ
イオード領域が形成されている点だけであって、その
他、本実施例と第2の実施例との間に構成上の差異はな
い。
【0044】本実施例の構成にすれば、前述の第2の実
施例のものに比べ、MOS領域チャネル13の抵抗をさ
らに小さくすることができるという利点がある。この場
合、単位セルの構造としてどのような形状のものを選択
するかは、IGBTや逆並列ダイオードに流れる電流の
比等の使用条件により決めることができる。
【0045】また、図9は、本発明に係わる逆導電型I
GBTの第4の実施例を示す構造図である。
【0046】図9において、図1に示された構成要素と
同じ構成要素には同じ符号を付けている。
【0047】そして、本実施例は、ダイオードのエミッ
タ層9を形成する場合に、第1の実施例のように、単独
に不純物の打ち込み等の手段を用いて形成するのではな
く、互いに隣接する2つのベース層2における横方向不
純物拡散を利用して形成した点に違いがあるだけであっ
て、その他、本実施例と第1の実施例との間に構成上の
差異はない。
【0048】本実施例の構成にすれば、横方向不純物拡
散による不純物層の重なりにより、低濃度の接合を形成
することができ、かつ、空乏層のピンチオフ効果により
逆方向耐圧を十分に確保することができる。
【0049】さらに、図10は、本発明に係わる逆導電
型IGBTの第5の実施例を示す構造図である。
【0050】図10において、15はショットキバリア
であり、その他、図1に示された構成要素と同じ構成要
素には同じ符号を付けている。
【0051】そして、本実施例は、ダイオードのエミッ
タ層9を形成する場合に、第1の実施例のように、単独
に不純物の打ち込み等の手段を用いて形成するのではな
く、基体1とソース電極7間にショットキバリヤ15だ
けを形成した点に違いがあるだけであって、その他、本
実施例と第1の実施例との間に構成上の差異はない。
【0052】本実施例の構成にすれば、ダイオードの高
速度動作特性を高めることができるとともに、互いに隣
接するベース層2間の距離を狭めることにより、リーク
電流の低減を図ることができるものである。
【0053】以上の各実施例においては、第1の導電型
としてn型、第2の導電型としてp型であるnチャネル
型逆導通型IGBTについて説明したが、前記導電型と
しては前述のものに限られるものではなく、第1の導電
型としてp型、第2の導電型としてn型であるpチャネ
ル型逆導通型IGBTにおいても、前述のものと同様な
特性が得られることは明らかである。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
IGBTと逆並列ダイオードとを単位セルの形で基体1
内に一体化構成するようにしたので、基体1内にある前
記セル間の特性のばらつきによる電流集中を緩和させ、
素子の耐破壊限界を向上させることができるとともに、
素子の面積利用率を向上させ、同一面積に対して、より
大きな電流を流すことが可能な逆導通型絶縁ゲートバイ
ポーラトランジスタが得られるという効果がある。
【0055】また、本発明によれば、IGBTとダイオ
ードとを一体化し、かつ、IGBTに電流集中を生じな
い逆導通型IGBTを、通常の手段を用いて容易に製造
することができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる逆導電型IGBTの第1の実施
例を示す断面構造図及び平面図である。
【図2】図1に示された逆導電型IGBTの製造方法の
実施例を示す構成図であって、その最初の工程を示す構
成図である。
【図3】図2の製造方法の実施例における2番目の工程
を示す構成図である。
【図4】図2の製造方法の実施例における3番目の工程
を示す構成図である。
【図5】図2の製造方法の実施例における4番目の工程
を示す構成図である。
【図6】図2の製造方法の実施例における最後の工程を
示す構成図である。
【図7】本発明に係わる逆導電型IGBTの第2の実施
例を示す断面斜視図及び平面図である。
【図8】本発明に係わる逆導電型IGBTの第3の実施
例を示す断面斜視図及び平面図である。
【図9】本発明に係わる逆導電型IGBTの第4の実施
例を示す断面構造図である。
【図10】本発明に係わる逆導電型IGBTの第5の実
施例を示す断面構造図である。
【符号の説明】
1 基体(n−ドリフト層) 2 ベース層 3 ソース層 4 コレクタ層 5 絶縁ゲート電極 6 ゲート電極絶縁層 7 ソース電極 8 コレクタ電極 9 エミッタ層 10 コレクタ短絡層 11 IGBTチャネル 12 ダイオードチャネル 13 MOS領域チャネル 14 コレクタバッファ層 15 ショットキバリヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 安紀 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の主表面を有し、低不純物濃度の第
    1導電型の基体と、前記基体の第1主表面に形成された
    第2導電型のベース層と、前記ベース層内に形成された
    第1導電型のソース層と、前記基体の第2主表面に形成
    された第2導電型のコレクタ層と、相隣れる2つのソー
    ス層間に橋絡配置され、周囲と絶縁された絶縁ゲート電
    極と、前記ソース層及びベース層に接触するとともに、
    前記絶縁ゲート電極の外側に配置形成されたソース電極
    と、前記コレクタ層の表面に形成されたコレクタ電極と
    からなる絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、及び、前
    記絶縁ゲート電極の非設置領域における相隣れる2つの
    ベース層間に形成され、前記ベース層よりも薄い低不純
    物濃度の第2導電型のエミッタ層と、前記第2主表面に
    おける前記コレクタ層間に形成された第1導電型のコレ
    クタ短絡層と、前記エミッタ層の表面に形成されたソー
    ス電極と、前記コレクタ短絡層の表面に形成されたコレ
    クタ電極とからなるダイオードにより単位セルが構成さ
    れ、前記単位セルが前記基体内に順に配置形成されてい
    ることを特徴とする逆導通型絶縁ゲートバイポーラトラ
    ンジスタ。
  2. 【請求項2】 前記エミッタ層は、前記相隣れる2つの
    ベース層の横方向拡散の重なりによって形成したことを
    特徴とする請求項1記載の逆導通型絶縁ゲートバイポー
    ラトランジスタ。
  3. 【請求項3】 前記エミッタ層を形成する代わりに、前
    記エミッタ層形成部分のソース電極を前記基体に接触さ
    せ、そこにショットキバリアを形成したことを特徴とす
    る請求項1記載の逆導通型絶縁ゲートバイポーラトラン
    ジスタ。
  4. 【請求項4】 前記基体と前記コレクタ層間に、前記基
    体より高不純物濃度の第1導電型のコレクタバッファ層
    を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
    記載の逆導通型絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。
  5. 【請求項5】 前記エミッタ層は、キャリア濃度が1×
    1014/cm2 以下であって、その厚さが100Å乃至
    100nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記
    載の逆導通型絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。
  6. 【請求項6】 以下の各工程からなることを特徴とする
    逆導通型絶縁ゲートバイポーラトランジスタの製造方
    法。 1.第1及び第2主表面を有し、低不純物濃度の第1導
    電型の基体の前記第2主表面に部分的に第1導電型の不
    純物を導入して高不純物濃度のコレクタ短絡層を形成す
    る工程、 2.前記第2主表面に第2導電型の不純物を導入してコ
    レクタ層を形成する工程、 3.前記第1主表面に絶縁物を介して部分的にゲート電
    極を形成する工程、 4.前記第1主表面に選択的に第1導電型の不純物を打
    ち込んで高不純物濃度のベース層を形成する工程、 5.前記ベース層内に高不純物濃度の第1導電型のソー
    ス層を形成する工程、 6.前記第1主表面に絶縁膜を被着させ、続いて、前記
    ベース層及びソース層と接触する部分の前記絶縁膜を開
    口する工程、 7.前記第1主表面にソース電極を加熱被着させるとと
    もに、その加熱被着時にソース電極に直接接触する基体
    内にエミッタ層を形成する工程、 8.前記第2主表面にコレクタ電極を被着させる工程。
  7. 【請求項7】 前記エミッタ層のキャリア濃度を1×1
    14/cm2 以下にし、かつ、その厚さを100Å乃至
    100nmの範囲になるように形成したことを特徴とす
    る請求項6に記載の逆導通型絶縁ゲートバイポーラトラ
    ンジスタの製造方法。
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