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JP4978127B2 - 静電荷現像用不可視トナー、並びに、これを用いた静電荷現像用現像剤、静電荷現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷現像用不可視トナー、並びに、これを用いた静電荷現像用現像剤、静電荷現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真プロセスもしくは静電プロセスを利用した電子写真装置に利用し得る静電荷現像用不可視トナー、並びに、これを用いた静電荷現像用現像剤、静電荷現像用現像剤カートリッジ画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
セキュリティー強化や電子環境との融合などの目的で、紙上に不可視情報を埋め込む技術が注目されている。不可視情報として具体的には、例えば個人情報等の何らかの特定の情報を有する情報パターンや、検知マークのような非情報パターンなどが挙げられ、情報パターンとしては、例えばコードパターンを挙げることができる。コードパターンとしては、バーコードを例示でき、バーコードは1次元のバーコード以外に2次元コード等がある。また、検知マークは、光学的検知方法を用いた複写機にて画像を形成する際に、光学的に検知されない透明シートの紙送りタイミング等の設定のために設けられるマークである(例えば、特許文献1〜4参照)。
これらの不可視情報の形成には、赤外線吸収剤を含むトナーが好んで用いられる(例えば、特許文献5〜20)。さらに、複写機などのオンデマンドに印刷可能な機械を使用して赤外線吸収パターンを形成することにより、個々の文書にID番号や座標を印刷することなども可能となる。
特開昭58−106550号公報 特開昭58−105157号公報 特開昭59−7367号公報 特開平3−99878号公報 特開平6−210987号公報 特開2000−207512公報 特開2000−221637公報 特開2000−227950公報 特開2001−10266公報 特開2001−10267公報 特開2001−294785公報 特開2002−132103公報 特開2002−146254公報 特開2004−213253公報 特開2004−213259公報 特開2005−221891公報 特開2005−221892公報 特開2005−227370公報 特開2005−233990公報 特開2005−249968公報
赤外線吸収剤としては様々な色素分子が提案されているが、例えば不可視画像を形成させる際、機械による赤外線吸収パターンの検出を容易にするために、用いるトナーに含まれる赤外吸収剤の濃度を増加させると、トナーの可視光における吸収も増大するため、印刷画像に影響を与えるという問題があった。
印刷画像に影響しないように紙上に不可視画像を埋め込むためには、用いるトナーに含まれる赤外線吸収剤が、人間の視覚で認識しにくく、かつ、赤外線吸収パターン検出機器で容易に読み取ることができる必要がある。すなわち、可視光の吸収がほとんど無く、かつ、近赤外線の吸収強度が相対的に大きいような、赤外線吸収剤を用いたトナーが求められている。
そこで本発明は、上記従来の諸問題に鑑み、人間の視覚で認識しにくく、かつ、赤外線吸収パターン検出機器で容易に読み取ることができる、静電荷現像用不可視トナー、並びに、これを用いた静電荷現像用現像剤、静電荷現像用現像剤カートリッジ画像形成装置、及び画像形成方法を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1> 少なくとも結着樹脂と赤外線吸収剤とを含み、前記赤外線吸収剤の少なくとも1種は、下記構造式(1)で表される化合物であり、かつ、体積平均粒子径が0.3μm以下であることを特徴とする静電荷現像用不可視トナーである。
> 前記赤外線吸収剤は、アシッドペースト処理が施されてなることを特徴とする、<1>記載の静電荷現像用不可視トナーである。
> <1>又は<2>に記載の静電荷現像用不可視トナーを含むことを特徴とする静電荷現像用現像剤である。
> 画像形成装置に脱着可能であり、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための現像剤を収納し、前記現像剤は<>に記載の静電荷現像用現像剤であることを特徴とする静電荷現像用現像剤カートリッジである。
> 少なくとも、静電潜像保持体と、前記静電潜像保持体表面上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、加熱及び加圧により前記トナー像を前記記録媒体に定着する熱定着手段と、を備え、前記現像剤が、<>に記載の静電荷現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置である。
<6> 静電潜像保持体表面を帯電する帯電工程と、前記静電潜像保持体表面上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、加熱及び加圧により前記トナー像を前記記録媒体に定着する熱定着工程と、を備え、前記現像剤が、請求項3に記載の静電荷現像用現像剤であることを特徴とする画像形成方法である。
本発明によれば、人間の視覚で認識しにくく、かつ、赤外線吸収パターン検出機器で容易に読み取ることができる、赤外線吸収剤を用いた静電荷現像用不可視トナー、並びに、これを用いた静電荷現像用現像剤、静電荷現像用現像剤カートリッジ画像形成装置、及び画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[1]静電荷現像用トナー
本発明の静電荷現像用トナー(以下、トナーと略す場合がある)は、少なくとも結着樹脂と赤外線吸収剤とを含有している。また赤外線吸収剤は、下記「構造式(1)で表される化合物」を含有する。必要に応じてその他に、離型剤などの添加剤を含むことができる。なお、本発明のトナーは、不可視トナーに利用する
ここで「不可視」とは、目視で認識されにくいことをいう。
上記「構造式(1)で表される化合物」は、波長が400〜700nmの可視光をほとんど吸収せず、赤外線吸収パターン検出手段としてよく用いられる波長(850nm)の近赤外線を非常に強く吸収する。よって、上記「構造式(1)で表される化合物」を含有する赤外線吸収剤を含むトナーを用いて形成した赤外線吸収パターンは、人間の視覚で認識しにくく、かつ、赤外線吸収パターン検出機器で容易に読み取ることができる。
以下、各組成成分について説明する。
<赤外線吸収剤>
本発明のトナーに用いられる赤外線吸収剤は、上記のとおり、上記「構造式(1)で表される化合物」を含有する。
また、「構造式(1)で表される化合物」を含む赤外線吸収剤の体積平均粒子径は、0.3μm以下であ、0.05μm以上0.2μm以下であるのがより好ましく、0.08μm以上0.15μm以下であるのがさらに好ましい。赤外線吸収剤の体積平均粒子径が0.3μmより大きいと、赤外線吸収剤に含まれる「構造式(1)で表される化合物」の近赤外領域における極大吸収波長(850nm)の4分の1の長さより、赤外線吸収剤の体積平均粒子径の方が大きいこととなり、光の散乱による吸収コントラストの劣化や吸収スペクトル幅のブロード化が無視できなくなる場合がある。さらに赤外線吸収剤の体積平均粒子径が0.05μmより小さいと、二次凝集が起き易くなる可能性がある。
ここで、赤外線吸収剤の体積平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定する。測定法としては分散液となっている状態の赤外線吸収剤を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、2分間待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒子径を、体積平均子粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均子粒径とする。
赤外線吸収剤のトナーに対する含有量は、0.1質量%以上2質量%以下が好ましく、0.2質量%以上1質量%以下がより好ましく、0.3質量%以上0.7質量%以下がさらに好ましい。なお最も好ましくは、0.5質量%前後である。含有量が0.2質量%未満では、本発明のトナーを用いて形成した赤外線吸収パターンを機械で読み取るのが難しくなる可能性がある。また含有量が1質量%以上の場合は、赤外線吸収パターンを人間の視覚で認識できるようになってしまう可能性がある。ただし、感度のより高い赤外線吸収パターン検出機器を用いることができる場合には、含有量が0.2質量%未満であっても好ましい場合がある。
上記「構造式(1)で表される化合物」の調整方法は、従来用いられてきた赤外光吸収剤と同様に、一般的な合成方法により調製することができる。
具体的に例えば、上記「構造式(1)で表される化合物」は、2,3−ジシアノ−1−フェニルナフタレン(下記構造式(2)に示すジシアノ化合物)を、三塩化バナジルと共に、塩基性下、適当な溶媒中(好ましくは沸点130℃以上の有機溶媒中)にて、100〜300℃(より好ましくは130〜220℃)で反応させることにより製造することができる。
尚、三塩化バナジルの使用量は、2,3−ジシアノ−1−フェニルナフタレンに対して0.2〜0.6倍(モル比)であることが好ましく、更には0.25〜0.4倍(モル比)であることがより好ましい。
ここで、反応に使用される溶媒としては沸点100℃以上、好ましくは130℃以上の有機溶媒が用いられる。例として、n−アミルアルコール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノールらのアルコール溶媒、トリクロロベンゼン、クロロナフタレン、スルフォラン、ニトロベンゼン、キノリン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、尿素等の高沸点溶媒が挙げられる。
溶媒の使用量は、2,3−ジシアノ−1−フェニルナフタレンに対して1〜100倍(質量比)が好ましくは、更には5〜20倍(質量比)がより好ましい。
更に、反応終了後の後処理としては、反応後に溶媒を留去するか、または反応液を該化合物に対する貧溶媒に排出して析出物を濾過することにより目的化合物が得られる。
尚、得られた化合物を微粒化する方法としては、所望の微細化状態まで粉砕できるものであれば特に限定されるものではなく、ハンマーミルなどの機械式粉砕方法;ジェットミルなどの気流衝突式粉砕方法;アルティマイザー、アトライター、湿式ボールミルなどの湿式粉砕方法;を単独もしくは組み合わせて用いることができるが、好ましい体積平均粒子径の赤外線吸収剤を得るためには、アシッドペースト処理を用いて微粒化することが好ましい。
ここでアシッドペースト処理とは、具体的には例えば、得られた粗化合物を硫酸などの酸に溶解させたものあるいは硫酸塩などの酸塩としたものを、アルカリ水溶液、水又は氷水中に注ぎ、再結晶させることをいう。
アシッドペースティングに用いる酸としては、濃硫酸が好ましい。また濃硫酸の濃度としては、70〜100%が好ましく、95〜100%のものがより好ましい。さらに濃硫酸の量は、得られた化合物の結晶の質量に対して、好ましくは20〜500倍、より好ましくは50〜200倍(いずれも質量換算値)の範囲に設定される。
また、溶解温度は、好ましくは−20〜100℃、より好ましくは0〜60℃の範囲に設定される。
結晶を酸から析出させる際の溶剤としては、水、あるいは水と有機溶剤の混合溶剤が任意の量で用いられ、混合溶剤としては、水とアルコール系溶剤(例えば、メタノールやエタノールなど)、水と芳香族系溶剤(例えば、ベンゼンやトルエン等)との混合溶剤が特に好ましい。
析出させる温度については特に制限はないが、発熱を防ぐために、氷等で冷却することが好ましい。
また本発明のトナーにおいては、上記「構造式(1)で表される化合物」を含む赤外線吸収剤の他に、その他の赤外線吸収剤を併用することができる。その他の赤外線吸収剤としては、波長が800nm〜2000nmの範囲の近赤外領域に少なくとも1つ以上の強い光吸収ピークを有する材料で、有機物であっても無機物であっても使用可能である。具体例としては、公知の赤外線吸収剤を用いることができ、例えば、シアニン化合物、メロシアニン化合物、ベンゼンチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、芳香族ジアミン系金属錯体、ジイモニウム化合物、アミニウム化合物、ニッケル錯体化合物、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフタロシアニン系化合物(上記「構造式(1)で表される化合物」を除く)等を含んだ赤外線吸収剤を用いることができる。
<結着樹脂>
本発明のトナーには、公知の結着樹脂を使用することができる。
結着樹脂の主成分としては、ポリエステル、ポリオレフィンが好ましいが、スチレンとアクリル酸又はメタクリル酸との共重合体、スチレンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共重合体、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂等などを単独又は併用することができる。耐久性や透光性等の点から、ポリエステル系樹脂又はノルボルネンポリオレフィン樹脂を使用することが好ましい。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、好ましくは50〜120℃であり、より好ましくは60〜110℃である。ガラス転移点が50℃より低いと、トナーの保存性や、定着後のトナー画像の保存性が問題となる場合がある。またガラス転移点が120℃より高いと、低温定着性が得られない場合がある。
ここで結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC−50)を用いて昇温速度3℃/分の条件下で測定することによって求め、吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度をガラス転移点とする。
<その他の成分>
本発明のトナーには、目的に応じて適宜選択したその他の成分を添加剤として添加させてもよく、特に制限はない。ただし添加剤は、添加剤を添加した結果、波長が400〜700nmの可視光におけるトナーの吸収を増加させないものが好ましい。
具体的に例えば、本発明のトナーには、必要に応じて離型剤を添加させることができる。
離型剤としては、公知の離型剤であれば特に限定されない。具多的には例えば、エステルワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリエチレンとポリプロピレンの共重合物が最も好ましく用いられ、その他には、ポリグリセリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス、脱酸カルナバワックス、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類、ステアリンアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類などの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの、不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。また、これらの離型剤は、1種単独で用いても良く、2種以上併用してもよい。
離型剤の融点は、50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。離型剤の融点が50℃より低いと、保存性が悪くなる可能性があり、またトナーのブロッキングが起こる可能性がある。また離型剤の融点は、耐オフセット性の観点から、110℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。
ここで離型剤の融点は、示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC−50)を用いて昇温速度3℃/分の条件下で測定することによって求め、吸熱ピークの頂点の温度を融点とする。
離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、3〜20重量部の範囲内であることが好ましく、5〜18重量部の範囲内であることがより好ましい。
離型剤の含有量が結着樹脂100重量部に対して3重量部未満であると離型剤添加の効果がなく、高温でのホットオフセットを引き起こす場合がある。一方、結着樹脂100重量部に対して20重量部を超えると、帯電性に悪影響を及ぼす他、トナーの機械的強度が低下する為、現像機内でのストレスで破壊されやすくなり、キャリア汚染などを引き起こす場合がある。
本発明のトナーは、流動性向上剤等のためトナー粒子に白色の無機粒子を混合して用いることもできる。トナー粒子に混合される割合はトナー粒子100重量部に対し0.01重量部以上5重量部以下の範囲が好ましく、0.01重量部以上2.0重量部以下の範囲がより好ましい。このような無機微粉末としては例えば、シリカ微粉末、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられるが、発色性を損なわないという観点から、屈折率が結着樹脂よりも小さいシリカ微粉末が特に好ましい。また、シリカ、チタン、樹脂微粉、アルミナ等の公知の材料を併用できる。さらにクリーニング活性剤として、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子粉末を添加してもよい。
また、シリカ粒子は種々の表面処理を施されてもよい。このような表面処理シリカ粒子としては、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理したものが好ましく用いられる。
また本発明のトナーには、帯電制御剤を添加することができる。例えば、公知のカリックスアレン、ニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、アミノ基含有のポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸の錯体化合物、フェノール化合物、アゾクロム系、アゾ亜鉛系などが使用できる。
またトナーには、必要に応じて既知の外添剤を添加することができ、具体的には例えば、無機粒子や有機粒子等が考えられる。
外添剤に用いる無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。中でも、シリカ粒子や酸化チタン粒子が好ましく、疎水化処理された粒子が特に好ましい。
外添剤に用いる無機粒子は、一般に流動性を向上させる目的で使用される。無機粒子の1次粒子径(体積平均粒子径)としては、1nm〜200nmの範囲にあることが好ましく、その添加量としては、トナー粒子100重量部に対して、0.01〜20重量部の範囲にあることが好ましい。
ここで、無機粒子の体積平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定する。具体的には、まず界面活性剤であるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液50ml中に測定試料を2g加え、超音波分散機(1,000Hz)にて2分間分散して、試料を作製する。次に、作製した試料をセルに投入し、約2分待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒子径を、体積平均粒子径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒子径とする。
有機粒子は、一般にクリーニング性や転写性を向上させる目的で使用され、具体的には例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
本発明のトナーを製造するにあたっては、一般に使用されている混練粉砕法や湿式造粒法等を利用することができる。ここで、湿式造粒法としては、懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、ソープフリー乳化重合法、非水分散重合法、in−situ重合法、界面重合法、乳化分散造粒法等を用いることができる。
混練粉砕法で本発明のトナーを作製するには、結着樹脂、赤外線吸収剤、必要に応じてその他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により充分混合し、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、赤外線吸収剤、酸化防止剤等を分散又は溶解せしめ、冷却固化後粉砕及び分級を行ってトナーを得ることができる。
さらに、トナーに赤外線吸収剤を加えるにあたっては、前記のように赤外線吸収剤をトナーの内部に分散させて添加させる以外に、赤外線吸収剤をトナー粒子の表面に付着又は固着させることができる。
以上のようにして作製される本発明のトナーは、その体積平均粒子径(D50v)が3μm以上10μm以下の範囲内であることが好ましく、4μm以上8μm以下の範囲内であることがより好ましい。また、その個数平均粒径(D50p)に対する体積平均粒子径(Dv)の比(D50v/D50p)が1.0〜1.25の範囲であることが好ましい。そして、このように小粒径で粒径の揃ったトナーを使用することにより、トナーの帯電性能のバラツキが抑制されて、形成される画像におけるカブリが低減されると共に、トナーの定着性を向上させることができる。また、形成される画像における細線再現性やドット再現性も向上させることができる。
ここでトナーの体積平均粒子径および個数平均粒径を求める際には、測定装置としてコールターマルチサイザーII型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用して、粒径を測定した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5〜50mg加え、これを前記電解液100〜150ml中に添加した。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーII型により、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒径が2.0〜60μmの範囲の粒子の粒度分布を測定した。測定する粒子数は50,000であった。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、数それぞれについて小径側から累積分布を描き、体積で累積50%となる粒径を体積平均粒子径(D50v)と定義する。
一方、前記湿式造粒法によりトナー粒子を作製した場合には、トナー粒子の形状係数SF1は110〜135の範囲であることが好ましい。
ここで上記トナー形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナー粒子、又はトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーの最大長と投影面積を求め、下記式(1)によって計算し、その平均値を求めることにより得られるものである。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100 ・・・ (1)
上記式(1)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
[2]静電荷現像用現像剤
本発明の静電荷現像用現像剤は、少なくとも本発明の静電荷現像用トナーを含み、必要に応じてキャリアを含むこともできる。以下、本発明の静電荷現像用現像剤(以下、現像剤と略す場合がある)について説明する。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。キャリアとしては例えば、芯材表面に被覆樹脂を被覆した樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアを挙げることができる。またキャリアは、マトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金属(例えば、金、銀、銅等)、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ等を例示することができるが、これらに限定されるのもではない。
また、キャリアの芯材としては、磁性酸化物(例えば、フェライト、マグネタイト等)、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、キャリアの芯材は磁性材料であることが好ましい。キャリアの芯材の体積平均粒子径としては、10〜500μmの範囲が好ましく、30〜100μmの範囲が好ましい。
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適正等を勘案して適宜選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、(1)キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、(2)被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、(3)キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、(4)ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
キャリアを含んだ現像剤における、トナーとキャリアの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲が好ましく、3:100〜20:100程度の範囲がより好ましい。
[3]静電荷現像用現像剤用カートリッジおよび画像形成装置
次に、本発明の静電荷現像用現像剤用カートリッジ(以下、カートリッジと略す場合がある)について説明する。本発明のカートリッジは、画像形成装置に着脱可能であり、少なくとも、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための現像剤を収納し、現像剤が既述した本発明の現像剤であることを特徴とする。
従って、カートリッジの着脱が可能な構成を有する画像形成装置において、本発明の現像剤を収納した本発明のカートリッジを利用することにより、人間の視覚で認識しにくく、かつ、赤外線吸収パターン検出機器で容易に読み取ることができる、赤外線吸収パターンを記録媒体表面上に形成することができる。
また本発明の画像形成装置は、静電潜像保持体と、静電潜像保持体表面上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、加熱及び加圧により前記トナー像を前記記録媒体に定着する熱定着手段である定着手段とを少なくとも備え、現像剤が既述した本発明の静電荷現像用現像剤であることを特徴とする。
従って、本発明の現像剤を用いた本発明の画像形成装置を利用することにより、人間の視覚で認識しにくく、かつ、赤外線吸収パターン検出機器で容易に読み取ることができる、赤外線吸収パターンを記録媒体表面上に形成することができる。
なお、本発明の画像形成装置は、上記のような静電潜像保持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、を少なくとも含むものであれば特に限定はされないが、その他の手段を含んでいてもよい。
以下、本発明のカートリッジおよび画像形成装置について、図面を用いて具体的に説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図1に示す画像形成装置10は、静電潜像保持体12、帯電手段14、静電潜像形成手段16、現像手段18、転写手段20、クリーニング手段22、除電手段24、定着手段26、カートリッジ28を備える。
なお、現像手段18中およびカートリッジ28中に収納される現像剤は、本発明の現像剤である。
また図1は、本発明の現像剤を収納された現像手段18およびカートリッジ28のみを図示しているが、これらに加えて、他の現像剤を収納した現像手段およびカートリッジも同時に備える構成をとることも可能である。
図1示す画像形成装置は、カートリッジ28の着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、カートリッジ28は、現像剤供給管30を通して現像手段18に接続されている。よって画像形成を行う際は、カートリッジ28の中に収納されている本発明の現像剤が、現像剤供給菅30を通して現像手段18に供給されることにより、長期間にわたり、本発明の現像剤を用いた画像を形成することができる。また、カートリッジ28の中に収納されている現像剤が少なくなった場合には、このカートリッジ28を交換することができる。
静電潜像保持体12の周囲には、静電潜像保持体12の回転方向(矢印A方向)に沿って順に、静電潜像保持体12表面を均一に帯電させる帯電手段14、画像情報に応じて静電潜像保持体12表面に静電潜像を形成させる静電潜像形成手段16、形成された静電潜像に本発明の現像剤を供給する現像手段18、静電潜像保持体12表面に当接し静電潜像保持体12の矢印A方向への回転に伴い矢印B方向に従動回転することができるドラム状の転写手段20、静電潜像保持体12表面に当接するクリーニング装置22、静電潜像保持体12表面を除電する除電手段24が配置されている。
静電潜像保持体12と転写手段20との間は、矢印C方向と反対側から不図示の搬送手段により矢印C方向に搬送される記録媒体50が挿通可能である。静電潜像保持体12の矢印C方向側には加熱源(不図示)を内蔵した定着手段26が配置され、定着手段26には圧接部32が設けられている。また、静電潜像保持体12と転写手段20との間を通過した記録媒体50は、この圧接部32を矢印C方向へと挿通可能である。
静電潜像保持体12としては、例えば感光体または誘電記録体等が使用できる。
感光体としては例えば、単層構造の感光体または多層構造の感光体等を用いることができる。また感光体の材質としては、セレンやアモルファスシリコン等の無機感光体や、有機感光体等が考えられる。
帯電手段14としては、例えば、導電性または半導電性のローラー、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触帯電装置、コロナ放電を利用したコロトロン帯電やスコロトロン帯電などの非接触型の帯電装置等、公知の手段を使用することができる。
潜像形成手段16としては、露光手段の他に、トナー像を記録媒体表面の所望の位置に形成しうるような信号を形成できるような、従来公知のいずれの手段を使うこともできる。
露光手段としては、例えば、半導体レーザー及び走査装置の組み合わせ、光学系からなるレーザー走査書き込み装置、あるいは、LEDヘッドなど、従来公知の露光手段を使用することができる。均一で、解像度の高い露光像を作るという好ましい態様を実現させるためには、レーザー走査書き込み装置またはLEDヘッドを使うことが好ましい。
転写手段20としては、具体的には例えば、電圧を印加した導電性または半導電性のローラー、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いて、静電潜像保持体12と記録媒体50との間に電界を作り、帯電したトナーの粒子からなるトナー像を転写する手段や、コロナ放電を利用したコロトロン帯電器やスコロトロン帯電器などで記録媒体50の裏面をコロナ帯電して、帯電したトナーの粒子からなるトナー像を転写する手段など、従来公知の手段を使用することができる。
また転写手段20として、二次転写手段を用いることもできる。すなわち、図示しないが二次転写手段は、トナー像を一旦中間転写体に転写した後、中間転写体から記録媒体50にトナー像を二次転写する手段である。
クリーニング手段22としては例えば、クリーニングブレード、クリーニングブラシなどが挙げられる。
除電手段24としては例えば、タングステンランプ、LEDなどが挙げられる。
定着手段26としては、例えば加熱ロールと加圧ロールとからなるような加熱加圧によりトナー像を定着する熱定着器利用できる。
記録媒体50としては、特に制限はなく、普通紙や光沢紙等をはじめとする従来公知のものが利用できる。また記録媒体は、基材と基材上に形成された受像層を有するものを利用することもできる。
次に、画像形成装置10を用いた画像形成について説明する。まず、静電潜像保持体12の矢印A方向への回転に伴い、帯電手段14により静電潜像保持体12表面を帯電し、帯電された静電潜像保持体12表面に静電潜像形成手段16により画像情報に応じた静電潜像を形成し、この静電潜像が形成された静電潜像保持体12表面に、静電潜像の色情報に応じて現像手段18から本発明の現像剤を供給することによりトナー像を形成する。
次に、静電潜像保持体12表面に形成されたトナー像は、静電潜像保持体12の矢印A方向への回転に伴い、静電潜像保持体12と転写手段20との接触部に移動する。この際、接触部を、記録媒体50が、不図示の用紙搬送ロールにより矢印C方向に挿通され、静電潜像保持体12と転写手段20との間に印加された電圧により、静電潜像保持体12表面に形成されたトナー像が接触部にて記録媒体50表面に転写される。
トナー像を転写手段20に転写した後の静電潜像保持体12の表面は、クリーニング手段22のクリーニングブレードによって残留しているトナーが除去され、除電手段24により除電される。
このようにしてトナー像がその表面に転写された記録媒体50は、定着手段26の圧接部32に搬送され、圧接部32を通過する際に、内蔵された加熱源(不図示)によってその圧接部32の表面が加熱された定着手段26によって加熱される。この際、トナー像が記録媒体50表面に定着されることにより画像が形成される。
以下、実施例を交えて本発明を詳細に説明するが、以下に示す実施例のみに本発明は限定されるものではない。
[測定方法]
<体積平均粒子径の測定方法(測定する粒子直径が2μm以上の場合)>
測定する粒子の直径が2μm以上の場合は、上記のように、コールターカウンターTAII(日科機社製)、マルチサイザーII(日科機社製)等の測定装置を用いて、粒子の体積平均粒子径を測定する。電解液としては、ISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用する。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5〜50mg加え、これを前記電解液100〜150ml中に添加する。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーII型により、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒径が2.0〜60μmの範囲の粒子の粒度分布を測定する。測定する粒子数は50,000である。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径を体積平均粒子径と定義する。
<体積平均粒子径の測定方法(測定する粒子直径が2μm未満の場合)
測定する粒子直径が2μm未満の場合は、上記のように、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて、粒子の体積平均粒子径を測定する。
測定法としては、分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、2分待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。
得られたチャンネルごとの体積平均粒子径を、体積平均粒子径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒子径とする。
なお、外添剤などの粉体を測定する場合は、界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液50ml中に測定試料を2g加え、超音波分散機(1,000Hz)にて2分間分散して、試料を作製し、前述の分散液と同様の方法で、測定する。
<融点およびガラス転移点の測定方法>
ガラス転移点(Tg)及び融点は、示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC−50)を用い、昇温速度3℃/分の条件下で測定することにより求めた。なお、ガラス転移点は吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度とし、融点は吸熱ピークの頂点の温度とした。
[実施例1]
<赤外線吸収剤Aの製造>
原材料として、2,3−ジシアノ−1−フェニルナフタレン(上記構造式(2)で表される化合物)を4.0重量部、三塩化バナジルを0.3重量部、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンを1.2重量部、n−アミルアルコールを20重量部用い、これらを混合した後、加熱還流下6時間攪拌した。冷却後、メタノール100mLに排出、析出物を濾別し、さらに純水で煮沸洗浄した後、カラムクロマトグラフィーにて精製し、上記「構造式(1)で表される化合物」を合成した。
得られた化合物を、アシッドペースト処理により、所望の粒子径になるまで微粉化処理を行う事により、赤外線吸収剤Aを得た。具体的には、96%濃硫酸(赤外線吸収剤Aの120倍の重量)に赤外線吸収剤Aを溶解させることにより溶液a1を調整し、この溶液a1を、スターラーで攪拌している純水(25℃、溶液a1の20倍の体積)に滴下し、赤外線吸収剤Aの微粉末を得た。残留する硫酸を除去するため純水を用いてろ過・洗浄・乾燥を行った。
最終的に得られた赤外線吸収剤Aの体積平均粒子径は、0.14μmであった。
<トナーAの製造>
まず、ポリオキシプロピレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを2.0mol、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを1.5mol、1,3−ブタンジオールを2.46mol、エピコート1001(ジャパンエポキシレジン社製)を0.12mol、テレフタル酸を3.6mol、イソフタル酸を1.8mol、無水トリメリト酸を0.1mol、および酸化−n−ブチル錫を2.3gガラス製3リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、攪拌棒、流下式コンデンサー、および窒素導入管を取りつけ、電熱マントル中で、窒素気流下、220℃にて攪拌しつつ反応させ、軟化点114℃に達した時点で、縮重合反応を終了させ酸価30mg/KOH、軟化温度114℃の淡黄緑色透明の固体状ポリエステル樹脂を得た。
上記手法により製造されたポリエステル樹脂を結着樹脂として用い、これに対してカリックスアレン化合物(E−89、オリエント化学製)0.8%、上記赤外線吸収剤A0.5%を添加し、2軸型エクストルーダ(PCM−30;池貝製)を用いて溶融混練した後、ジェトミルおよびDS分級機からなる粉砕分級設備(日本ニューマチック製)を用いて微粉砕することによりトナー母体Aを得た。
このトナー母体A100重量部に対し、外添剤として疎水性シリカ(H−2000、クラリアント製)0.35重量部をヘンシェルミキサーで添加し、トナーAを得た。
参考例2]
<赤外線吸収剤Bの製造>
微粉化処理として、アシッドペースト処理の代わりに、アルティマイザー処理を行った以外は、赤外線吸収剤Aと同様にして赤外線吸収剤Bを得た。(具体的には、赤外線吸収剤10重量%及び分散剤(ニューレックスペーストH、日本油脂社製)10重量%の水溶液を、アルティマイザーHJP−2500にて圧力230MPaで20Pass(32分)処理を行い粒子化した。)
得られた赤外線吸収剤Bの体積平均粒子径は、0.32μmであった。
<トナーBの製造>
赤外線吸収剤Aを用いる代わりに、赤外線吸収剤Bを用いた以外は、トナーAと同様にしてトナーBを得た。
[比較例1]
<赤外線吸収剤Pの製造>
赤外線吸収剤の原料として、1−フェニルー2,3ジシアノナフタレンを、2,3ジシアノナフタレンに変更した以外、赤外線吸収剤Aと同様にして赤外線吸収剤Pを得た。
得られた赤外線吸収剤Pの体積平均粒子径は、0.13μmであった。
<トナーPの製造>
赤外線吸収剤Aを用いる代わりに、赤外線吸収剤Pを用いた以外は、トナーAと同様にしてトナーPを得た。
[トナーの評価方法]
得られたトナー(トナーA、B、又はP)を平均粒径40μmのスチレン/ブチルメタアクリレートMn−Mgフェライトキャリアとトナー濃度5.5%で混合して現像剤化し、商品番号DocuColor1250(富士ゼロックス製)の改造機(ブラックおよびカラー用現像器を取り除き、替わりに不可視トナー用現像剤を入れた構成を有するもの)に搭載し、画像形成を行った。
画像形成においては、記録媒体上に同等量のトナー(トナーA、B、及びP)を用い、トナー未定着画像(インチ角ベタ)を現像により作製し、記録媒体を130℃オーブン中に10分間静置することでトナー定着画像とした。
トナー定着画像の反射率の測定は、トナー定着画像が形成された領域を、自記分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ(旧日製産業株式会社)製、U-4100)、分光反射率測定機(日本分光社製、V−570)等により測定した。
実施例1及び参考例2、並びに比較例1の結果得られた、トナー定着画像の反射率スペクトルを、それぞれ図2〜図4に示す。
これらの結果(図2〜図4)から分かるように、本実施例では、比較例に比べ、850nmの近赤外領域における反射率の低い(吸収率の高い)画像を形成しても、可視領域(400〜700nm、特に400〜500nm)の反射率を高く(吸収率を低く)維持することができた。よって、本実施例においては、比較例に比べて、人間の視覚で認識しにくく、かつ、赤外線吸収パターン検出機器で容易に読み取り可能である、画像を形成することができる。
本発明の画像形成装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。 本実施例1におけるトナーAを用いて形成した画像の反射率スペクトル図である。 参考例2におけるトナーBを用いて形成した画像の反射率スペクトル図である。 比較例1におけるトナーPを用いて形成した画像の反射率スペクトル図である。
符号の説明
10・・・画像形成装置
12・・・静電潜像保持体
14・・・帯電手段
16・・・静電潜像形成手段
18・・・現像手段
20・・・転写手段
26・・・定着手段
28・・・カートリッジ

Claims (6)

  1. 結着樹脂と赤外線吸収剤とを含み、
    前記赤外線吸収剤の少なくとも1種は、下記構造式(1)で表される化合物であり、かつ、体積平均粒子径が0.3μm以下であることを特徴とする静電荷現像用不可視トナー。
  2. 前記赤外線吸収剤は、アシッドペースト処理が施されてなることを特徴とする、請求項1記載の静電荷現像用不可視トナー。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の静電荷現像用不可視トナーを含むことを特徴とする静電荷現像用現像剤。
  4. 画像形成装置に脱着可能であり、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための現像剤を収納し、
    前記現像剤は、請求項に記載の静電荷現像用現像剤であることを特徴とする静電荷現像用現像剤カートリッジ。
  5. 少なくとも、静電潜像保持体と、
    前記静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、
    前記静電潜像保持体表面上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    加熱及び加圧により前記トナー像を前記記録媒体に定着する熱定着手段と、を備え、
    前記現像剤が、請求項に記載の静電荷現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 静電潜像保持体表面を帯電する帯電工程と、
    前記静電潜像保持体表面上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
    前記静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
    加熱及び加圧により前記トナー像を前記記録媒体に定着する熱定着工程と、を備え、
    前記現像剤が、請求項3に記載の静電荷現像用現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
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