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JP4828104B2 - 燃料電池セル - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池セル及び燃料電池に関し、特にランタンガレートを固体電解質として有する低温作動型の燃料電池セルに関するものである。
次世代エネルギーとして、近年、燃料電池セルのスタックを収納容器内に収容した燃料電池が種々提案されている。このような燃料電池には、固体高分子型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体電解質型など、各種のものが知られているが、中でも固体電解質型の燃料電池は、作動温度が800〜1050℃と高いものの、発電効率が高く、また排熱利用ができるなどの利点を有しており、その研究開発が推し進められている。
固体電解質型燃料電池セルの基本的な構造は、固体電解質層の一方の面に空気等の酸素含有ガスと接する酸素極(空気極)を形成し、他方の面に燃料ガス(水素)と接する燃料極を形成させたものであり、一般に、固体電解質材料としては、希土類元素が固溶したZrO(安定化ジルコニア)が使用され、酸素極材料としては、La系ペロブスカイト型酸化物が使用され、更に燃料極材料としては、希土類元素が固溶しているZrOとNi等の金属乃至金属酸化物からなるサーメットが使用されている。
しかしながら、固体電解質に用いられている上記の安定化ジルコニア(例えばYが固溶したYSZ等)では、高いイオン伝導性を得るために、900〜1050℃と作動温度を高くする必要があった。つまり、このような安定化ジルコニアは、温度が低くなると酸素イオン伝導性が急激に低下するという問題があった。
かかる問題に対して、近年、安定化ジルコニアよりも高い酸素イオン伝導性が得られる物質として、ランタンガリウムペロブスカイト型複合酸化物(La1−xSr)(Ga1−yMg)O(以下LSGMと略す)が注目されており、多くの研究が行われている(特許文献1参照)。
このLSGM焼結体は、600〜850℃という低温でも酸素イオン伝導性の低下が少ない物質であり、LaやGaの一部が、それより低原子価のSrやMg等に、置換固溶により置き代わったものであり、これにより、焼結体の酸素イオン伝導性が大きくなるという性質を有する。この材料は、現在では最も優れた酸化物イオン伝導体と考えられている。
しかしながら、上記LSGMは反応性が高く、これを固体電解質として用いた燃料電池セルでは、電極構成成分と固体電解質の構成成分(特にLa)とが固相内相互拡散し、その結果、電極と固体電解質との界面に絶縁抵抗の高い絶縁層が生成され、分極値およびセル構成成分の実抵抗値が高くなり、燃料電池セルの初期における出力密度が低いという問題があった。例えば、LSGMからなる固体電解質成形体に、Ni、ZrOを含有する燃料極材料を直接焼き付けると、燃料極の構成成分であるNi、Zrと、固体電解質の構成成分であるLaとが固相内相互拡散し、燃料極と固体電解質との界面に、絶縁抵抗の高いLaNiO、LaNiO、LaZr等からなる絶縁層が生成されてしまい、分極値が高くなるという問題があった。
また、近年では燃料電池セルの内部抵抗を低減するため、各層間の界面部を制御する等の理由から、固体電解質を2層構造とし、酸素極側をLSGM系固体電解質とし、燃料極側をCeO系固体電解質とした燃料電池セルも提案されている(特許文献2参照)。
CeOは、希土類元素等を固溶させることにより、酸素欠陥が導入され、高いイオン伝導性を示す固体電解質となる。しかし、CeO系固体電解質は、還元雰囲気中では、4価のCeイオンが還元されて3価になり、イオン伝導性とともに電子伝導性が発現する(イオン輸率が100%でない)。そのため、700〜900℃で発電を行うと、開放起電圧(OCV)が低下し、発電性能が低下するという問題があった。このような問題を解決するための手段としては、イオン輸率100%に極めて近い安定化ジルコニアを保護層に用いることが提案されている(特許文献3参照)。
さらに、CeO系固体電解質についても、近年、平均粒子径の小さい原料粉末を用い、焼結体の粒径をナノオーダーに制御することで、イオン伝導性を大幅に向上させることができ、燃料電池セルの低温化が期待できるという研究結果がある(非特許文献1参照)。
特開平10−114520号公報 特開2003−263997号 特開平9−82343号 物質・材料研究機構 NIMS NOW,VOL.3, No.9,Page 4 2003
このように、低温で高いイオン伝導度を有する固体電解質の研究開発が進んでいるが、上記で提案されているCeO系固体電解質についても、還元雰囲気中で使用する際に発現する電子伝導性を考えると、開放起電圧が低下するという問題は未だ解決されていない。
また、LSGM固体電解質は強度が低く、製造時に割れやクラックが生じ易いという問題があった。
従って、本発明の目的は、固体電解質の高いイオン伝導度と強度を維持し、500℃〜700℃という低温で作動させても発電性能が低下のない燃料電池セルを提供することを目的とする。
本発明によれば、支持基板の一方の面に、下記式:
(La1−xSr)(Ga1−yMg)O (1)
式中、x及びyは、0<x≦0.3、0<y≦0.3を満足する数である、
で表されるランタンガレート系複合酸化物からなる固体電解質層を介して酸素極層が形成され、該支持基板の他方の面には、希土類元素が固溶したZrOからなる還元防止膜を介して燃料極層が形成されているとともに、前記支持基板は、下記式(2)
(CeO1−z(LnO1.5 (2)
式中、Lnは、Sm、Ho、Gd、Y、Yb及びDyからなる群より選択される少な
くとも1種の元素であり、
zは、0.1≦z≦0.3、を満足する数である、
で表される組成を有する複合酸化物から形成されており、
前記酸素極層は、第1の層と第2の層とからなる2層構造を有しており、前記第1の層は、前記固体電解質層上に設けられた前記第2の層上に位置し、且つペロブスカイト型酸化物から形成され、前記第2の層は、CeとLr(LrはSm、La、Gd、Y、Yb、Dy、Hoの少なくとも1種から選ばれる元素)とを構成元素として有する複合酸化物と前記ペロブスカイト型酸化物との導電性セラミックスから形成されていることを特徴とする燃料電池セルが提供される。
本発明の燃料電池セルでは、前記式(1)で表されるランタンガレート系複合酸化物(LSGM)を固体電解質として用いているため、500〜700℃の低温で作動させることができるが、燃料極層、酸素極層及び固体電解質層を支持する支持基板が、前記式(2)で表される組成を有するCe系複合酸化物で形成されていることため、該支持基板によって強度を確保することができる。即ち、上記LSGM固体電解質は低強度であるという欠点があるが、この支持基板によって強度特性がカバーされ、割れやクラックの発生を最小限に抑制することができる。
また、上記の支持基板は、固体電解質層と燃料極層との間に介在している。即ち、固体電解質のイオン伝導度の低下を引き起こす元素(例えばLa)が直接燃料極層に接触していないため、界面に絶縁層が形成されず、低温でも高出力な燃料電池セルを提供できる。
また、還元性を有する燃料ガス(水素ガス)に曝される燃料極層は、希土類元素が固溶したZrOからなる還元防止膜を間に挟んで前記支持基板上に形成されているため、還元雰囲気中で発現する電子伝導性を低減でき、開放起電圧の低下を防止することができる。
このように、本発明によれば、高いイオン伝導度を有するLSGM固体電解質を用いていながら所定の強度を維持することができ、しかも、この固体電解質の特性を利用して500℃〜700℃という低温で作動させても発電性能の低下を有効に回避することができる。
本発明の燃料電池セルにおいては、実抵抗値を低減させ且つ十分な強度を確保するために、前記支持基板の厚みが20〜500μm、前記還元防止膜の厚みが1〜10μmであることが好ましい。
また、前記支持基板は、平均粒子径が0.001μm〜0.05μmの範囲にある前記式(2)のCe系複合酸化物の結晶粒子から構成されていることが好ましい。このような燃料電池セルでは、支持基板のイオン伝導度を大幅に向上させることで、発電性能が飛躍的に向上する。
さらに、前記燃料極層は、Ni及び/又はNiOと、希土類元素が固溶したCeO又は希土類元素が固溶したZrOとから構成されており、特にNi及び/又はNiOが0.01μm〜0.5μmの粒子径を有し且つ希土類元素が固溶したCeO又はZrOでコーティングされていることが好適である。これによって、燃料極層中に電子の反応場である3層界面が増加するため、高出力な燃料電池セルを提供できる。
また、本発明においては、前記酸素極層が第1の層と第2の層とからなる2層構造を有しており、第1の層は、前記固体電解質層に設けられた第2の層上に位置し、且つペロブスカイト型酸化物から形成され、前記固体電解質層上に設けられた第2の層は、CeとLr(LrはSm、La、Gd、Y、Yb、Dy、Hoの少なくとも1種から選ばれる元素)とを構成元素として有する複合酸化物と前記ペロブスカイト型酸化物との導電性セラミックスから形成されている。これによって、酸素極層中に電子の反応場である3層界面が増加するため、高出力な燃料電池セルを提供できる。
本発明の燃料電池セルを、添付図面に示す具体例に基づいて説明する。
図1は、本発明の燃料電池セルの一例の構造を示す図であり、図1中、(a)は側断面図、(b)は斜視図であり、
図2は、図1の燃料電池セルを積み重ねて構成されたセルスタックを有する燃料電池の断面構造を示す図であり、
図3は、本発明の燃料電池セルの他の例を示す横断面図である。
図1において、全体として10で示されている本発明の燃料電池セルは、平板上の支持基板1を有しており、支持基板1の一方の面には、酸素極層2が設けられ、他方の面には、燃料極層3が設けられている。
また、図1から明らかな通り、支持基板1と酸素極層2との間には、ランタンガレート系複合酸化物(LSGM)からなる固体電解質層4が設けられており、また、支持基板1と燃料極層3との間には、還元防止膜6が設けられている。
このような燃料電池セル10は、集電部材やガス流路として機能するセパレータ5を介して積み重ねてセルスタックとし、これを、図2に示すように、所定の断熱性ハウジング内に収容して燃料電池として使用に供される。
尚、図1(a),(b)を参照して、セパレータ5の下面には、ガス流路となる凹部12aが適当な間隔で形成されており、その上面にも、ガス流路となる凹部12bが適当な間隔で形成されており、特に図1(b)から理解されるように、凹部12aと凹部12bとは、互いに直交する方向に延びている。即ち、このセパレータ5を介して燃料電池セル10を積み重ねたセルスタックにおいては、図2から明らかな通り、凹部12aが各燃料電池セル10の酸素極層2に対面し、凹部12bが燃料極層3に対面するように構成される。このことから理解されるように、凹部12aには、空気に代表される酸素含有ガスが流され、凹部12bには、水素を含む燃料ガスが流されて発電が行われることとなる。
従って、図2に示されているように、上記燃料電池セルのスタックを備えた燃料電池においては、セルスタックの一方の側面(図2において左側面)に、給気マニホールド13が接続され、他方の側面(図2において右側面)には排気マニホールド15が接続される。即ち、給気マニホールド13には、給気管17が接続され、この給気管17によって、給気マニホールド13内に酸素含有ガス(以下、単に空気とする)が供給され、この空気は、該マニホールド13内に形成されている給気室19から、各セパレータ5に形成されている凹部12aに流れ込む。また、排気マニホールド15には、排気管21が接続されており、凹部12aに流れ込んだ空気は、凹部18aを通過して、排気マニホールド15内に形成されている排気室23に集められ、この排気室23から排気管21を通って外部に排出される。
また、図2には示されていないが、各セパレータ5に形成されている凹部12bにも、同様の機構によって燃料ガス(水素)が流される。即ち、凹部12bには、例えば図2の手前側から燃料ガスが流され、図2の背面側に排出される構造となっている。
尚、燃料電池セル10の周辺は、ガスケット25でシールされ、ガスリークが防止されている。
即ち、上述した図1の燃料電池セルのスタックを備えた図2の燃料電池では、各セパレータ5の凹部12a,12bに空気及び燃料ガスを流し(ガスの流れ方向は互いに直交している)、所定の作動温度(例えば500〜700℃)まで加熱することにより、酸素極層2で下記式(3)の電極反応を生じ、また酸素極層2に対面している燃料極層3では、例えば下記式(4)の電極反応を生じることによって発電する。
酸素極: 1/2O+2e → O2− (固体電解質) …(3)
燃料極: O2− (固体電解質)+ H → HO+2e…(4)
かかる発電によって生成した電流は、セパレータ5を介して集電される。
(支持基板1)
上述した燃料電池セル10における支持基板1は、前記式(2)、即ち、
(CeO1−z(LnO1.5 (2)
式中、Lnは、Sm、Ho、Gd、Y、Yb及びDyからなる群より選択される少なく
とも1種の元素であり、
zは、0.1≦z≦0.3、を満足する数である、
で表される組成を有する複合酸化物からなるものであり、例えば上記比率zを満足するように、CeOに希土類元素Lnの酸化物Ln(Ln;Sm、Ho、Gd、Y、Yb、Dy)が固溶した複合酸化物から形成される。即ち、希土類元素Lnが上記の特定の元素であり、且つ比率zが0.1〜0.3の範囲にある複合酸化物により各層を支持する支持基板1を形成することにより、支持基板1の熱膨脹係数を他のセル構成部材である電極層2,3や固体電解質層4の値に近づけることができ、熱膨張差に起因するクラックの発生や剥離を抑制することができる。特に、希土類元素LnがSm、Gd、Yであると、支持基板1の熱膨脹係数を他のセル構成部材に近づけることができ、クラックの発生や剥離を有効に抑制することができる。
また、このような複合酸化物からなる支持基板1は、強度が高く、後述する特定の固体電解質層4が有している強度が低いという欠点を有効に補うことができる。
さらに、この支持基板1は、上記式(2)のCe系複合酸化物の結晶粒子からなり、その平均粒子径が0.001μm〜0.05μmの範囲にあることが好ましい。このような微細な粒子から支持基板1を形成することにより、支持基板1のイオン伝導度が大幅に向上し、燃料電池セル10の発電性能が飛躍的に向上する。
本発明において、このような支持基板1は、固体電解質層4と燃料極層3との間に介在しているものであるため、固体電解質のイオン伝導度の低下を引き起こす元素(例えばLa)が直接燃料極層3に接触することが防止され、界面に絶縁層が形成されず、出力低下を有効に抑制できる。
上記の支持基板1の厚みは、所定の強度を確保し、セル構成成分の実抵抗値を低くするという点で、20〜200μmであることが望ましい。
(酸素極層2)
酸素極層2は、通常、ABO型のペロブスカイト型酸化物から形成されるが、特に好ましくは、この酸素極層2を2層構造とするのがよい。例えば、2層構造の酸素極層2の内、固体電解質層4上に設けられた第2の層上に位置する第1の層を、上記のABO型のペロブスカイト型酸化物から形成し、固体電解質層4上設けられた第2の層を、CeとLr(LrはSm、La、Gd、Y、Yb、Dy、Hoの少なくとも1種から選ばれる元素)とを構成元素として有する複合酸化物と前記ペロブスカイト型酸化物との導電性セラミックスから形成することが好ましい。第2の層中のCe系複合酸化物は、イオン導電性と電子伝導性を有する混合導電体であるため、ペロブスカイト型酸化物と混合されることで所謂3相界面を形成する。従って、このような2層構造とすることにより、酸素極層2中に電子の反応場である3層界面が増加するため、燃料電池セル10の出力を高めることができる。
尚、上記の第2層中のCe系複合酸化物は、例えば、下記式(5):
(CeO1−x(LrO1.5 (5)
式中、LnはSm、La、Gd、Y、Yb、Dy、Hoの少なくとも1種から選ばれ
る元素であり、
xは、0.1≦x≦0.3の数である、
で表される組成を有していることが好ましく、特に好ましくは、前述した支持基板1を構成しているCe系複合酸化物と同じ組成を有していることが、強度特性や電気伝導度の観点から好ましい。
また、第1層或いは第2層におけるペロブスカイト型酸化物としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物、特にAサイトにLaを有するLa系ペロブスカイト型酸化物(例えばLaMnO系酸化物、LaFeO系酸化物、LaCoO系酸化物)が好適であり、600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点から、LaFeO系酸化物が特に好適である。尚、上記ペロブスカイト型酸化物においては、AサイトにLaと共にSrなどが存在していてもよいし、さらにBサイトには、FeとともにCoやMnが存在していてもよい。さらに、第2層におけるCe系複合酸化物と上記ペロブスカイト型酸化物との量比は、体積基準で、Ce系複合酸化物:ペロブスカイト型酸化物=1:9乃至3:7の範囲であることが好ましい。
また、酸素極層2は、ガス透過性を有していなければならず、従って、酸素極層2を形成する導電性セラミックス(ペロブスカイト型酸化物等)は、開気孔率が20%以上、特に30乃至50%の範囲にあることが望ましい。このような酸素極2層の厚みは、集電性という点から10〜100μmであることが望ましく、特に前述した2層構造とする場合には、第1の層の厚みtと第2の層の厚みtとの比は、t:t=1:1至10:1の範囲とするのがよい。
(燃料極層3)
燃料極層3は、前述した式(4)の電極反応を生じせしめるものであり、それ自体公知の多孔質の導電性セラミックスから形成される。例えば、希土類元素が固溶しているCeOもしくはZrOと、Ni及び/またはNiOとから形成される。
また、上記の燃料極層3において、希土類元素が固溶したセリア又は安定化ジルコニア含量は、35乃至65体積%の範囲にあるのが好ましく、またNi或いはNiO含量は、65乃至35体積%であるのがよい。さらに、Ni及び/又はNiOの粒子径は、0.01μm〜0.5μm、特に0.05μm〜0.3μmであることが好ましく、希土類元素が固溶したCeO又は希土類元素が固溶したZrOが、Ni及び/又はNiOの粒子をコーティングしてなる構造であることが望ましい。これによって、燃料極層3中に電子の反応場である3層界面が増加するため、燃料電池セル10のさらなる高出力化を実現できる。ただし、コーティングはNi及び/又はNiOの電気伝導性が損なわれない範囲においてなされたものであり、Ni及び/又はNiO粒子同士の接触を遮断又は抑制するものではない。
尚、この燃料極層3の開気孔率は、15%以上、特に20乃至40%の範囲にあるのがよく、その厚みは、5〜100μmであることが望ましい。例えば、燃料極3の厚みがあまり薄いと、性能が低下するおそれがあり、またあまり厚いと、固体電解質4と燃料極層3との間で熱膨張差による剥離等を生じるおそれがある。
(固体電解質層4)
支持基板1と酸素極層2との間に設けられている固体電解質層4は、前述した式(1)、即ち、
(La1−xSr)(Ga1−yMg)O (1)
式中、x及びyは、0<x≦0.3、0<y≦0.3を満足する数である、
で表されるランタンガレート系複合酸化物からなる。既に述べたように、このようなランタンガレート系複合酸化物(LSGM)は、低温でも優れた酸素イオン伝導性を示すため、このようなLSGMにより固体電解質層4を形成することにより、500〜700℃の如き低温領域で燃料電池を作動することが可能となる。
上記のLSGMとしては、例えばLaをSrで10〜20原子%、GaをMgで10〜20原子%置換したランタンガレートLaGaOが好適であるが、さらに伝導度を高めるために、Ga位置に、さらにCo、Fe、Ni、Cu等を1〜20原子%置換したものを使用することもできる。また、強度を高めるために、上記LSGM以外に、Al、MgO、Si、SiC等の微粉末フィラーが2重量%以下程度の量で固体電解質層4中に含まれていてもよい。
この固体電解質層4は、ガス透過を防止するという点から、相対密度(アルキメデス法による)が93%以上、特に95%以上の緻密質であることが望ましく、且つその厚みが10〜50μmであることが望ましい。
(セパレータ5)
複数の燃料電池セル10間に配置されたセパレータ5は、集電機能を有するものであるため、導電性セラミックスから形成されるが、ガス流路を形成するものでもあり、燃料ガス(水素)及び酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが必要である。このため、かかる導電性セラミックスとしては、一般に、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)が使用される。また、凹部(ガス流路)12bを通る燃料ガス及び凹部(ガス流路)12aを通る酸素含有ガスのリークを防止するため、かかる導電性セラミックスは緻密質でなければならず、例えば93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好適である。
かかるセパレータ5は、ガスのリーク防止と電気抵抗という点から、最大厚みが0.5〜10mmであることが望ましい。即ち、この範囲よりも厚みが薄いと、スタック化した際に割れる危険性があり、またこの範囲よりも厚みが大きいと、電気抵抗が大きく、電位降下により集電機能が低下してしまうおそれがあるからである。
(還元防止膜6)
燃料極層3と支持基板1との間に設けられている還元防止膜6は、希土類元素が固溶したZrOから形成される。ここで希土類元素は、Y,Lu,Yb,Tm,Er,Ho,Dy,Gd,Sm,Pr及びScからなる群より選択された少なくとも1種の元素である。特に、高イオン伝導性であることから、Y,Yb,Scが好ましく、また、希土類元素の固溶量は、3〜10モル%程度であるのがよい。このような位置に還元防止膜6を設けることにより、燃料ガスなどの還元雰囲気中で発現する固体電解質層4の電子伝導性を低減でき、開放起電圧の低下を防止することができる。
このような還元防止膜6は、その厚みが1〜10μmであることが望ましい。これにより、セル構成成分の実抵抗値を低くできるからである。
(燃料電池セルの製造)
以上のような構造を有する燃料電池セルは、以下のようにして製造される。
先ず、所定の希土類元素Lnが所定の比率で固溶したCeOの粉末と、有機バインダーと、溶媒を混合して成形用スラリーを調製し、このスラリーを用いて、常法にしたがい、シート状の支持基板用成形体を作製する。
次に、所定量の希土類元素が固溶したZrO粉末を、ボールミル法等の方法により粉砕し、得られた粉末にバインダーを混合した還元防止膜用スラリーを作製する。
さらに、前述した式(1)の組成を満足するランタンガレート粉末に、トルエン、バインダー、市販の分散剤を加えて成形用スラリーを調製し、ドクターブレード等の方法により成形して、シート状のLSGM固体電解質成形体を作製する。この場合、固体電解質原料粉末である上記ランタンガレート粉末は、ペチニ法等の液相法で作製されたものであることが、不純物量が少なく、合成率が非常に高いという点で好ましい。また、この固体電解質原料粉末の平均粒径は、0.5〜1.5μm、特に0.6〜1.2μmの範囲にあることが、より低温で焼結できるという点で好適である。即ち、このような微粒の原料粉末を用いて成形されたLSGM固体電解質成形体は、例えば、以下に述べる低温での焼成により、緻密な(例えば相対密度が98%以上)の固体電解質層4を形成することが可能となるため、焼成時における支持基板1や酸素極層2から固体電解質層4への元素の拡散を抑えるという点で極めて有利である。
次に、先に成形された支持基板成形体の一方の面上に、上記のLSGM固体電解質成形体を積層し、他方の面上には、還元防止膜用スラリーを塗布して積層成形体を作製し、この積層成形体を脱脂処理して同時焼成して、還元防止膜6/支持基板1/固体電解質4の3層焼結体を得る。
また、焼成は、酸素含有雰囲気中で行うのがよい。さらに、固体電解質層4が緻密質となり、所定の相対密度(例えば93%以上、特に95%以上、最も好ましくは98%以上)を有し、しかも支持基板1からの元素拡散を抑制するという点で、焼成温度は、1200〜1400℃の低温領域とするのがよい。
一方、所定の微細な粒径を有する希土類元素が固溶したZrO(安定化ジルコニア)粉末或いは希土類元素が固溶したCeO粉末と、Ni及び/又はNiO粉末とを所定量比で混合した混合粉末に、有機バインダーと、溶媒と、市販の分散剤及び必要により市販の造孔剤とを加えてスラリーを調製し、このスラリーを用いて、先と同様にして、シート状の燃料極層成形体を作製する。この場合、スラリーの調製に先立って、安定化ジルコニア粉末とNi粉末等を予め混合しておくことにより、Ni粒子等が安定化ジルコニア粒子等でコーティングされた粒子構造の燃料極層4を形成することが可能となる。
次いで、上記で得られた燃料極層成形体を、前記3層焼結体に形成されている還元防止膜6上に積層し、酸素含有雰囲気中で1000〜1250℃で焼成し、さらに燃料極層3が形成された4層焼結体を得る。
次に、ペロブスカイト型酸化物粉末と、希土類元素Lrが固溶したCeO系複合酸化物の粉末と、溶媒と、市販の分散剤とを混合した酸素極層用(第2層用)スラリーを作製する。
また、ペロブスカイト型酸化物粉末と、溶媒と、市販の分散剤及び必要により市販の造孔剤とを混合して第1層用の酸素極層用スラリーを調製し、このスラリーを用いて、シート状の酸素極層(第1層)成形体を作製する。
上記で作製された第1層の酸素極層用成形体に、第2層用の酸素極層用スラリーを塗布し、このスラリー塗布層が固体電解質層4に対面するようにして、前記の4層焼結体上に積層し、酸素含有雰囲気中で900〜1200℃で焼成することにより、2層構造の酸素極層2が固体電解質層4上に形成され、図1に示す構造の燃料電池セル10を得ることができる。
尚、セパレータ5は、所定の導電性セラミック粉末と、有機バインダーと、溶媒を混合してセパレータ用スラリーを調製し、このスラリーを用いての一軸加圧成形等の成形手段により、所定形状のセパレータ成形体を作製し、この成形体を、酸素含有雰囲気中で1300〜1600℃で焼成することにより、セパレータ5を得ることができる。このセパレータ5は、例えば、酸素極層形成材料或いは燃料極層形成材料を含む接着剤ペーストを用い、燃料電池セルの酸素極層2或いは燃料極層3に接着し、焼成することにより、セルスタックを作製することができる。
尚、燃料電池セル10は、酸素含有雰囲気での焼成により、燃料極層3中のNi成分が、NiOとなっているため、その後、セル5に形成されたガス流路12bから還元性の燃料ガスを流し、NiOを800〜1000℃で還元処理する。また、この還元処理は発電時に行ってもよい。
また、図1に示す本発明の燃料電池セル10は、所謂平板型のものであり、支持基板1が平板形状を有しているが、本発明は、このような平板型構造に限定されず、例えば図3に示すような円筒型燃料電池セルに本発明を適用することもできる。
この図3の円筒型燃料電池セルにおいては、実質上円筒形状の燃料極層3の外面に、一部の空間を残して、還元防止膜6、支持基板1、固体電解質層4及び酸素極層2が、この順に積層された構造となっており、これらが積層されていない空間部分には集電機能を有するインターコネクタ5が設けられた構造となっている。また、外面の酸素極層2は、電気的リークを防止するために、図3から明らかなように、インターコネクタ5とは非接触に形成されている。
図3の燃料電池セルにおいて、セルの構成部分は、全て図1と同じ材料で形成されているが、図1のセパレータ5に対応するインターコネクタ5にはガス流路が形成されておらず、円筒状の燃料極層3の内部空間が燃料ガスを流すガス流路となっており、酸素含有ガスはこのセルの外部(酸素極層2の外側)に流されるようになっている。セルスタックを形成する場合には、このセルを積み重ね、一のセルのインターコネクタ5が上方のセルの酸素極層2に接合された構造とすればよい。このような燃料電池セルにおいても、図1の燃料電池セル10と全く同様に、所定の強度を維持し、且つ絶縁層形成による出力低下を生じることなく、500〜700℃の低温で作動させて高出力を確保することができる。
尚、図3の燃料電池セルにおいては、層構造を逆にすることもでき、例えば支持基板1の内側に固体電解質層4を介して円筒形状の酸素極層2を形成し、支持基板1の外面には、還元防止膜6を介して燃料極層3が形成された層構造とすることも可能である。この場合には、円筒状セルの内部空間に酸素含有ガスが流され、外部に燃料ガスが流されることとなる。
本発明を次の実験例で説明する。
(実験例1)
表1、2に示した市販の所定の元素が固溶したCeO系酸化物の粉末と、有機バインダーと、溶媒(イソプロパノール)を混合して支持基板用スラリーを調製し、このスラリーを用いて、ドクターブレード法によりシート状の支持基板成形体を作製し、得られた支持基板成形体を30℃〜130℃で乾燥させた。
次に(La0.9Sr0.1)(Ga0.8Mg0.2)Oのランタンガレート粉末(LSGM)に、トルエン、有機バインダー、市販の分散剤を加えて固体電解質用スラリーを調製し、このスラリーを用いて、ドクターブレード法により、シート状の固体電解質成形体を作製し、この成形体を30℃〜130℃で乾燥させた。
また、ScまたはYを10mol%固溶したZrO粉末(ScSZまたはYSZ)をボールミル法により湿式粉砕し、得られた粉末に有機バインダーと、溶媒を混合して還元防止膜用スラリーを調製した。
先に作製された支持基板成形体の一方の面上に、固体電解質成形体を積層し、他方の面上にスクリーン印刷法により還元防止膜用スラリーを塗布し、この積層成形体を300℃〜800℃、2〜6時間で脱脂処理し、酸素含有雰囲気中で、表1,2に示す焼成温度で同時焼成して、3層焼結体を得た。
次いで、表1、2に示したNiO粉末を含む燃料極層用混合粉末を用意し、有機バインダーと、溶媒と、市販の造孔剤と、市販の分散剤とを混合してスラリーを調製し、ドクターブレード法により、シート状の燃料極層成形体を作製した。
尚、NiO粉末と混合する粉末としては、以下の酸化物粉末を使用し、混合比は、体積基準で50:50とした。
SDC20;CeOにSmを20モル%固溶させたもので、その組成は、(CeO0.8(SmO1.50.2である。
YSZ;還元防止膜形成用に用いた安定化ジルコニア粉末と同じ。
LDC20;CeOにLaを20モル%固溶させたもので、その組成は、(CeO0.8(LaO1.50.2である。
GDC20;CeOにGdを20モル%固溶させたもので、その組成は、(CeO0.8(GdO1.50.2である。
YDC20;CeOにYを20モル%固溶させたもので、その組成は、(CeO0.8(YO1.50.2である。
上記の燃料極層成形体を、3層焼結体の表面に形成されている還元防止膜上に積層し、酸素含有雰囲気中で1200℃で焼成し、さらに燃料極層が形成された4層焼結体を作製した。
次に、市販のLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8(LSCFと略す)粉末と、表1、2に示したCeO系複合酸化物の粉末と、有機溶媒と、市販の分散剤とを混合し、第2層用の酸素極層用のスラリーを作製した。尚、ここで用いたCeO系複合酸化物は、以下の通りである。
SDC20;燃料極層用に用いたものと同じ。
LDC20;燃料極層用に用いたものと同じ。
GDC20;燃料極層用に用いたものと同じ。
YDC20;燃料極層用に用いたものと同じ。
HDC20;CeOにHoを20モル%固溶させたもので、その組成は、(CeO0.8(HoO1.50.2である。
YbDC20;CeOにYbを20モル%固溶させたもので、その組成は、(CeO0.8(YbO1.50.2である。
DyDC20;CeOにDyを20モル%固溶させたもので、その組成は、(CeO0.8(DyO1.50.2である。
次に、市販のLSCF粉末を湿式粉砕して0.1〜0.9μmの粒径に粒度調整し、このLSCF粉末と、有機溶媒と、市販の造孔剤と、市販の分散剤とを混合してスラリーを調製し、このスラリーを用いて、ドクターブレード法により、シート状の第1層用の酸素極層成形体を作製した。
この第1層用酸素極層成形体に、上記で調製された第2層用酸素極層スラリーを塗布し、これを、スラリー塗布層が固体電解質層に対面するようにして、上記で作成された4層焼結体に積層し、酸素含有雰囲気中で1100℃で焼成し、平板型の燃料電池セルを得た。
かかるセルにおいて、支持基板の厚みは150μm、還元防止膜の厚みは5μm、燃料極層の厚みが50μm、酸素極層の厚みが50μmとし、固体電解質層の厚みは20μmとした。但し、試料No.1では、支持基板を作製せずにセルを作製したため、固体電解質層の厚みを250μmとした。尚、各層の厚みは、走査型電子顕微鏡を用いて測定した。
また透過型電子顕微鏡を用いて支持基板の粒子径、燃料極の粒子径をそれぞれ測定し、表1、2に示した。
次に、LaCrO系酸化物粉末と、有機バインダーと、溶媒を混合してセパレータスラリーを調製し、このスラリーを、一軸加圧成形して両面に互いに直交する方向に延びている凹部が形成されたセパレータ成形体を作製した。このセパレータ成形体を、酸素含有雰囲気中で1650℃で焼成し、セパレータを作製した(最大厚みが4mm、凹部の深さ1mm、凹部のピッチ10mm)。
SDC20粉末、及び有機バインダーを添加した燃料極接着用のペーストを調製した。また、Smが40モル%固溶したCeO粉末と酸素極層の形成に用いたLSCF粉末とを、重量比で50%ずつの割合で混合し、有機バインダーを添加して酸素極接着用のペーストを調製した。次いで、上記で作製された燃料電池セルの燃料極層には、上記の燃料極層接着用ペーストを用いてセパレータを積層し、他方の酸素極層には、上記の酸素極層接着用ペーストを用いてセパレータを積層し、900℃〜1200℃で焼付けて評価用の電池セルを作製した。
この評価用のセルを発電評価治具に設置し、650℃でセルの酸素極側に空気を、燃料極側に水素を流し、出力値が安定した際の初期値特性を任意の10個のセルについて求め、その平均値を表1、2に示す。
Figure 0004828104
Figure 0004828104
表1、2から、式(2)に示す組成を有するCe系複合酸化物を用いて支持基板を作製した本発明試料No.5〜24では、発電性能が650℃において0.7V時に、0.2W/cm以上と良好であった。
比較例の試料No.1では、支持基板を用いなかったため、発電性能が650℃において0.7V時に0.05W/cmと悪かった。また、比較例の試料No.2では、還元防止膜を形成しなかったため、発電性能が650℃において0.7V時に0.05W/cmと悪かった。比較例の試料No.3では、還元防止膜を形成せず、且つ支持基板の原料粉末に5μmの粗い粒子を用いたため、発電性能が650℃において0.7V時に0.02W/cmと悪かった。比較例の試料No.4では、支持基板に希土類元素が固溶していないCeOを用いたため、発電性能が650℃において0.7V時に0.001W/cmと悪かった。
本発明の燃料電池セルの一例の構造を示す図であり、図1中、(a)は側断面図、(b)は斜視図である。 図1の燃料電池セルを積み重ねて構成されたセルスタックを有する燃料電池の断面構造を示す図。 本発明の燃料電池セルの他の例を示す横断面図。
符号の説明
1・・・支持基板
2・・・酸素極
3・・・燃料極
4・・・固体電解質
5・・・セパレータ
6・・・還元防止膜
10・・・燃料電池セル

Claims (6)

  1. 支持基板の一方の面に、下記式:
    (La1−xSr)(Ga1−yMg)O (1)
    式中、x及びyは、0<x≦0.3、0<y≦0.3を満足する数である、
    で表されるランタンガレート系複合酸化物からなる固体電解質層を介して酸素極層が形成され、該支持基板の他方の面には、希土類元素が固溶したZrOからなる還元防止膜を介して燃料極層が形成されているとともに、前記支持基板は、下記式(2)
    (CeO1−z(LnO1.5 (2)
    式中、Lnは、Sm、Ho、Gd、Y、Yb及びDyからなる群より選択される少な
    くとも1種の元素であり、
    zは、0.1≦z≦0.3、を満足する数である、
    で表される組成を有する複合酸化物から形成されており、
    前記酸素極層は、第1の層と第2の層とからなる2層構造を有しており、前記第1の層は、前記固体電解質層上に設けられた前記第2の層上に位置し、且つペロブスカイト型酸化物から形成され、前記第2の層は、CeとLr(LrはSm、La、Gd、Y、Yb、Dy、Hoの少なくとも1種から選ばれる元素)とを構成元素として有する複合酸化物と前記ペロブスカイト型酸化物との導電性セラミックスから形成されていることを特徴とする燃料電池セル。
  2. 前記支持基板の厚みが20〜500μmであり、前記還元防止膜の厚みが1〜10μmである請求項1に記載の燃料電池セル。
  3. 前記支持基板が、平均粒子径が0.001μm〜0.05μmの範囲にある前記式(2)の複合酸化物の結晶粒子から構成されている請求項1または2に記載の燃料電池セル。
  4. 前記燃料極層が、Ni及び/又はNiOと、希土類元素が固溶したCeO又は希土類元素が固溶したZrOとから構成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池セル。
  5. 前記燃料極層中のNi及び/又はNiOが、0.01μm〜0.5μmの粒子径を有し、且つ希土類元素が固溶したCeO又はZrOでコーティングされている請求項4に記載の燃料電池セル。
  6. 請求項1乃至5に記載の燃料電池セルの複数を電気的に直列に接続してなる少なくとも1個のセルスタックが収容容器に収容されていることを特徴とする燃料電池。
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