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JP4635041B2 - ランフラットタイヤ - Google Patents

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JP4635041B2 JP2007316106A JP2007316106A JP4635041B2 JP 4635041 B2 JP4635041 B2 JP 4635041B2 JP 2007316106 A JP2007316106 A JP 2007316106A JP 2007316106 A JP2007316106 A JP 2007316106A JP 4635041 B2 JP4635041 B2 JP 4635041B2
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Description

本発明は、軽量化を図りつつランフラット耐久性を向上しうるランフラットタイヤに関する。
図7に示されるように、パンク等によりタイヤ内の空気が抜けた状態においても例えば数十キロメートルを比較的高速で走行しうるランフラットタイヤaが知られている。このようなランフラットタイヤは、サイドウォール部のカーカスcの内側に、断面略三日月状のサイド補強ゴム層bが設けられており、パンク時にはこのサイド補強ゴム層bが荷重を支持しタイヤの縦撓みを制限する(例えば特許文献1など参照)。
この種のランフラットタイヤでは、ランフラット走行時における荷重支持能力の向上のために、カーカスcのプライ枚数の増加及び/又はサイド補強ゴム層bのゴムボリュームの増加が行われている。しかしながら、このような改善は、タイヤ質量の大幅な増加を招きやすい他、ランフラット走行時のタイヤ温度を上昇させる。このため、ランフラット耐久性の低下や通常走行時の乗り心地の悪化を招くおそれがある。
特開平2000−351307号公報
図7から明らかなように、ランフラット走行時では、トレッド部dの中央部はタイヤ半径方向内側へと大きく湾曲して路面と接地しなくなる。このため、トレッド部dの両外側部において接地圧が著しく高くなり、この部分での発熱及び摩耗が促進されてタイヤ破壊を招くことがある。従って、ランフラット耐久性能を高めるためには、このようなトレッド部のタイヤ半径方向内側へと撓みを抑制することも重要になる。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、耐熱性に優れかつ高弾性であるアラミド繊維を、従来よりも高い撚り係数にて撚り合わせてカーカスコードに使用するとともに、ベルト層とカーカスとの間に硬質かつ低発熱のトレッド補強ゴム層を配することを基本として、ランフラット耐久性を確保しつつ乗り心地性を向上しうるランフラットタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスと、前記トレッド部の内方かつ前記カーカスの外側に配された少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、前記サイドウォール部に配されかつ最大厚さを有する中央部分から半径方向内外に厚さを減じてのびる断面略三日月状のサイド補強ゴム層とを具えるランフラットタイヤであって、前記カーカスは、タイヤ赤道に対して70〜90度の角度で配列したカーカスコードをトッピングゴムで被覆したカーカスプライからなるとともに、前記カーカスコードは、次式(1)で示される撚り係数Tが0.50〜0.70であるアラミド繊維コードからなり、
前記ベルト層と前記カーカスとの間に、硬度が70度以上かつ損失正接tanδが0.15以下である1種のゴム材からなるトレッド補強ゴム層を具え、
前記トレッド補強ゴム層は、前記ベルト層とタイヤ半径方向外側に凸となる滑らかな円弧状曲面をなすカーカスの外面のプロファイルとの隙間を埋めるように、タイヤ赤道からベルト層の外端まで漸増するとともに、
該トレッド補強ゴム層のタイヤ軸方向の幅は、ベルト層のタイヤ軸方向の幅の1.0倍以上1.1倍以下であることを特徴とする。
T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10−3 …(1)
(ただし、Nは上撚り数(回/10cm)、Dはトータル表示デシテックス(繊度)、ρはコード材料の比重である。)
なお、本明細書において、前記ゴムの硬度は、JIS−K6253に準拠し、温度23℃で測定されたデュロメータータイプAによる硬さを意味する。
また請求項2記載の発明は、前記トレッド補強ゴム層は、損失正接(tanδ)が0.04〜0.12である請求項1に記載のランフラットタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記トレッド補強ゴム層は、タイヤ赤道位置において、厚さが2〜6mmである請求項1又は2に記載のランフラットタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記トレッド補強ゴム層のタイヤ軸方向の幅は、ベルト層のタイヤ軸方向の幅の1.0〜1.05倍である請求項1乃至3の何れかに記載のランフラットタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記カーカスコードは、下撚りしたフィラメント束の2本を、上撚りにて互いに撚り合わせた2本撚り構造をなす請求項1乃至4の何れかに記載のランフラットタイヤである。
また請求項6記載の発明は、前記カーカスコードは、前記撚り係数Tが0.60〜0.70である請求項1乃至5の何れかに記載のランフラットタイヤである。
また請求項7記載の発明は、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填されしかも無負荷である正規状態におけるタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、タイヤ外面のプロファイルは、タイヤ赤道面Cからタイヤ最大断面巾SWの45%の距離SPを隔てるタイヤ外面上の点をPとするとき、タイヤ外面の曲率半径RCが、タイヤ赤道点CPから前記点Pに至るまでの間で徐々に減少するとともに、前記タイヤ赤道面Cから前記タイヤ最大断面巾SWの半巾(SW/2)の60%、75%、90%及び100%の距離X60、X75、X90及びX100 を夫々隔てるタイヤ外面上の各点と、タイヤ赤道点CPとの間の各半径方向距離をそれぞれY60、Y75、Y90及びY100 とし、かつタイヤ断面高さをSHとするとき、
0.05< Y60 /SH ≦0.1
0.1< Y75 /SH ≦0.2
0.2< Y90 /SH ≦0.4
0.4< Y100 /SH ≦0.7
の関係を満足する請求項1乃至6の何れかに記載のランフラットタイヤである。
また、本明細書において、前記正規リムは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば"標準リム"、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。また前記正規内圧とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば"最高空気圧"、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" を意味するが、乗用車用タイヤの場合には180kPaとする。
本発明のランフラットタイヤは、耐熱性に優れるアラミド繊維コードがカーカスコードとして採用される。しかも、アラミド繊維コードの撚り係数は、従来に比して大きく設定される。このため、耐疲労性に劣るというアラミド繊維コード特有の欠点を克服しながら、ランフラット走行時の温度上昇によるカーカスコードの損傷を抑制できる。また、アラミド繊維コードは、高弾性であるため、荷重支持能力を高めることができる。このため、カーカスプライの枚数の低減及び/又はサイド補強ゴム層のボリュームの削減などを図りつつランフラット耐久性を確保することが可能である。これは、タイヤ質量の削減や通常走行時における乗り心地の向上に役立つ。
また、本発明のランフラットタイヤは、ベルト層とカーカスとの間に、硬度が70度以上かつ損失正接tanδが0.15以下のトレッド補強ゴム層が配される。このような硬質かつ低発熱のトレッド補強ゴム層は、ランフラット走行時におけるトレッド部の中央部のタイヤ半径方向内側への撓みを抑制し、トレッド部の接地性を改善させ得る。これにより、トレッド部の両外側部での過度の温度上昇や摩耗が防止され、ランフラット耐久性が向上する。さらに、トレッド補強ゴム層は、ベルト層によるカーカスへのタガ締め効果を緩和するので、通常走行時の乗り心地を高めるのにも役立つ。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態のランフラットタイヤ1の正規状態におけるタイヤ子午線断面図である。本実施形態のランフラットタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の半径方向外側に配されるベルト層7とを具えるチューブレスタイプの乗用車用タイヤ1Aとして構成される。なお、特に言及されていない場合、タイヤの各部の寸法は、この正規状態での値とする。
前記カーカス6は、並列されたカーカスコードをトッピングゴムにより被覆した1枚以上、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。また、前記カーカスコードは、タイヤ赤道に対して70〜90度の角度で配列される。さらに、本実施形態のカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間を跨るトロイド状の本体部6aと、前記ビードコア5の周りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された一対の折返し部6bとを具える。
前記本体部6aと折返し部6bとの間には、例えばゴム硬度が65〜98度の硬質のゴムからなり、前記ビードコア5から半径方向外側に先細状にのびるビード補強用のビードエーペックスゴム8が配される。なお、本明細書において、前記ゴム硬度は、JIS−K6253に準拠し、温度23℃で測定されたデュロメータータイプAによる硬さを意味する。
ビードベースラインBLからビードエーペックスゴム8の外端8tまでのタイヤ半径方向の高さhaは、特に限定はされないが、小さすぎるとランフラット耐久性が不十分となり、逆に大きすぎるとタイヤ質量の過度の増加や乗り心地の悪化を招く恐れがある。このような観点より、ビードエーペックスゴム8の前記高さhaは、タイヤ断面高さSHの10〜60%、より好ましくは20〜50%が望ましい。
本実施形態において、前記カーカス6の折返し部6bは、前記ビードエーペックスゴム8の外端8tを半径方向外側に超えて巻き上げられ、その外端部6beが、本体部6aとベルト層7との間に挟まれて終端するいわゆる超ハイターンアップ構造を具える。これにより、1枚のカーカスプライ6Aを用いて、サイドウォール部3が効果的に補強される。また、折返し部6bの外端部6beが、ランフラット走行時に大きく撓むサイドウォール部3から遠ざけられるため、該外端部6beを起点とした損傷が好適に抑制される。このような観点より、前記折返し部6bとベルト層7との重なり部のタイヤ軸方向巾EWは、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは10mm以上が望ましい。他方、タイヤの軽量化の観点より、前記幅EWは、好ましくは40mm以下、さらに好ましくは30mm以下が望ましい。なお前記カーカス6が複数枚のカーカスプライから形成される場合、少なくとも1枚のカーカスプライがこのような態様をなすことが望ましい。
前記ベルト層7は、少なくとも2枚、本実施形態ではタイヤ半径方向内、外2枚のベルトプライ7A、7Bから構成される。各ベルトプライ7A、7Bは、ベルトコードをトッピングゴムで被覆して構成される。なお、本実施形態では、ベルトコードとしてスチールコードが用いられる。また、前記各ベルトプライ7A及び7Bは、ベルトコードがタイヤ赤道に対して10〜45度の角度で傾けられるとともに、該ベルトコードが互いに交差するように配されている。なお、内のベルトプライ7Aは、外のベルトプライ7Bよりも幅広で形成され、その端はベルト層7の外端7eを構成する。また、ベルト層7のタイヤ軸方向の巾Wbは、この外端7e、7e間のタイヤ軸方向の距離として得られる。
また、本実施形態では、ベルト層7のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に、バンド層10が設けられる。該バンド層10は、タイヤ赤道に対して5度以下の角度で配列されたバンドコードを具える1枚以上のバンドプライ10Aから形成される。該バンド層10は、高速走行時等におけるベルト層7の動きを抑え、操縦安定性や高速耐久性等を向上させるのに役立つ。バンドプライ10Aとしては、ベルト層7のタイヤ軸方向両端部のみを覆う左右一対のエッジバンドプライや、ベルト層7の略全巾を覆うフルバンドプライがあるが、これらは単独で又は組み合わせて使用される。本実施形態のバンド層10は、1枚のフルバンドプライで形成される。
前記サイド補強ゴム層11は、最大厚さを有する中央部分11aから、タイヤ半径方向内端11i及び外端11oに向かってそれぞれ厚さを徐々に減じてのびる断面略三日月状をなす。前記内端11iは、ビードエーペックスゴム8の外端8tよりもタイヤ半径方向内側に位置するとともに、前記外端11oは、ベルト層7の外端7eよりもタイヤ軸方向内側に位置する。このとき、サイド補強ゴム層11とビードエーペックスゴム8とのタイヤ半径方向の重なり長さWiは、好ましくは5〜50mmであり、かつサイド補強ゴム層11とベルト層7とのタイヤ軸方向の重なり長さWoは、好ましくは0〜50mmである。これにより、サイド補強ゴム層11の外端11o及び内端11iでの剛性段差の発生が抑えられ、ひいては前記両端部11o、11iへの歪の集中が抑制される。
前記サイド補強ゴム層11は、本実施形態では、カーカス6の本体部6aの内側(タイヤ内腔側)に配される。そのため、サイドウォール部3の曲げ変形時には、サイド補強ゴム層11には主として圧縮応力が、またコード材を有するカーカスプライ6Aには主として引張応力が作用する。ゴムは圧縮に強く、かつコード材は引張に強いため、上記のようなサイド補強ゴム層11の配設構造は、サイドウォール部3の曲げ剛性を効率良く高め、ランフラット走行時のタイヤの縦撓みを効果的に低減しうる。
前記サイド補強ゴム層11のゴム硬度は、好ましくは60度以上、さらに好ましくは65度以上が望ましい。前記ゴム硬度が60度未満であると、ランフラット走行時のサイドウォール部3の歪が大きくなって、ランフラット性能が十分に得られないおそれがある。逆に前記ゴム硬度が高すぎても、タイヤの縦バネ定数が過度に上昇し、乗り心地を著しく悪化させるおそれがある。このような観点より、前記サイド補強ゴム層11のゴム硬度は、好ましくは90度以下、さらに好ましくは80度以下が望ましい。
また、本実施形態のビード部4には、リムプロテクトリブ12が凸設される。このリムプロテクトリブ12は、図2に拡大して示されるように、リムフランジJFを覆うようにタイヤの基準輪郭線jから突出してタイヤ周方向に連続してのびるリブ体であり、前記リムフランジJFの先端を越えてタイヤ軸方向外側に最も突出する突出面部12cと、この突出面部12cからビード外側面に滑らかに連なる半径方向内側の斜面部12iと、前記突出面部12cからタイヤ最大巾点M近傍位置で前記基準輪郭線jに滑らかに連なる半径方向外側の斜面部12oとで囲まれる断面略台形状をなす。なお前記内側の斜面部12iは、リムフランジJFの円弧部の外面よりも大きい曲率半径rで形成された凹円弧面で形成され、通常走行時においては、縁石等からリムフランジJFを保護する。またランフラット走行時には、内側の斜面部12iがリムフランジJFの円弧部に寄りかかって接触するため、ビード変形量を軽減でき、ランフラット時の操縦安定性及びランフラット耐久性の向上に役立つ。なお、基準輪郭線jは、タイヤ外面2Aに局部的に形成される例えば文字、図形、記号等を示す装飾用、情報用等の微細なリブや溝、前記リムプロテクトリブ12、カット傷防止用のサイドプロテクトリブなどの局部的凹凸部を除外した滑らかな輪郭線を意味する。
また、本発明では、ランフラット走行時の耐久性及び操縦安定性を向上するために、前記カーカスコードにアラミド繊維コードが採用される。
アラミド繊維は高弾性であるため、該アラミド繊維をランフラットタイヤ1のカーカスコードに使用することにより、タイヤの荷重支持能力を高めることができる。従って、例えばカーカス6のプライ枚数の低減、カーカスコードの細径化及び/又はコード配列密度(コードエンド数)の低下などによるタイヤの軽量化を図りながら、ランフラット走行時のタイヤの歪を低減することができる。
しかも、アラミド繊維は、他の有機繊維材料に比べて、100〜150℃の高温下においても弾性率の低下が小さく、耐熱性に優れる。従って、ランフラット走行時のタイヤ温度上昇によっても、カーカスコードの強度低下による損傷や、弾性率の低下によるタイヤ歪の増加及びそれに伴うさらなるタイヤ温度上昇などを効果的に防止しうる。その結果、ランフラット耐久性が向上する。さらに、タイヤ温度が上昇しても高弾性率を維持してタイヤ剛性を高め得るため、ランフラット時の操縦安定性を向上することもできる。これによりランフラット走行における高速化及び長距離化が達成される。
他方、アラミド繊維は、弾性率が高いゆえ、耐疲労性に劣る傾向がある。そのため本実施形態では、図3に示されるように、カーカスコード20に、下撚りされたアラミド繊維のフィラメント束22(即ちストランド22)の2本を、上撚りにて互いに撚り合わせた2本撚り構造を採用するとともに、このときの撚り合わせを、従来よりも高い撚り係数Tで行っている。
ここで、前記「撚り係数T」は、コードの上撚り数をN(単位:回/10cm)、コード1本のトータル表示デシテックス(繊度)をD(単位:dtex)、コード材料の比重をρとしたとき、次式(1)で示される。
T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10−3 …(1)
そして、この撚り係数Tを例えば0.50〜0.70の範囲まで高めることにより、アラミド繊維コードの欠点である耐疲労性を改善することができ、例えばカーカスコードにレーヨンコードを用いたものに比して、ランフラット耐久性を大幅に向上できる。ここで、前記カーカスコード20の撚り係数Tが0.50を下回ると、耐疲労性の向上効果が少なく、ランフラット耐久性を十分に高めることができない。逆に、撚り係数Tが0.70を上回ると、コードの撚り加工が難しくなり生産性が悪化する。特に、撚り係数Tの下限は0.60以上が望ましく、これによりコードの耐疲労性がさらに改善され、ランフラット耐久性がより一層向上する。
なお、アラミド繊維の重要な特性である高弾性を活かして優れた補強効果を発揮させるために、前記カーカスコード20には、2本撚り構造が望ましい。この場合、下撚り数と上撚り数とが等しい所謂バランス撚りが好ましいが、撚り数の比(下撚り数/上撚り数)が0.2〜2.0の範囲内、好ましくは0.5〜1.5の範囲内で、下撚り数と上撚り数とを相違させても良い。
また、前記トータル表示デシテックスD(繊度)は、特に限定されるものではないが、1500〜5000dtexが好ましい。また、カーカスプライ6Aにおけるコードエンド数n(本/5cm)とトータル表示デシテックスDとの積(n×D)は、好ましくは70000〜150000が望ましい。前記積(n×D)が70000未満では、アラミド繊維コード21とはいえプライ強度が不足しやすく、逆に150000を超えるとカーカス6の剛性が過度に大きくなって乗り心地を損ねる他、質量や材料コストの不必要な増加を招くおそれがある。このような観点より、前記積(n×D)は、より好ましくは100000以上、かつ、120000以下が望ましい。
また、耐疲労性に原因するカーカスコード20の損傷は、タイヤ変形時に圧縮歪みを受ける部位、即ち図2に符号6b1で示されるように、折返し部6bのうちのビード側部分で発生しやすい。しかしながら、本実施形態では、前述の如くビード部4にリムプロテクトリブ12を凸設しているため、ランフラット走行時におけるビード変形が軽減され、カーカスコード20に圧縮歪みが作用しにくくなる。その結果、アラミド繊維を採用した場合のカーカスコード20の疲労損傷をさらに抑えることができ、ランフラット耐久性の一層の向上が図られる。
さらに、このようなアラミド繊維コードの高弾性を活かすために、前記カーカスプライ6Aのトッピングゴムには、従来のカーカストッピングゴムに比べて、複素弾性率が大きいゴムを採用するのが望ましい。具体的には、カーカスプライ6Aのトッピングゴムの複素弾性率E*tは、5〜13MPaが望ましい。このように高弾性のトッピングゴムを採用することにより、タイヤの変形時、カーカスコード20に作用する歪を低減できるので、ランフラット耐久性のさらなる向上が達成される。なお、前記複素弾性率E*tが5MPaを下回ると前記効果が十分に期待できず、逆に13MPaを超えると、ゴムが硬くなり過ぎ、乗り心地が一気に悪化するおそれがある。このような観点より、前記複素弾性率E*tは、より好ましくは5.5MPa以上、さらには6MPa以上が好ましく、またより好ましくは11MPa以下、さらに好ましくは9MPa以下が望ましい。
なお、本明細書において、前記複素弾性率及び後述する損失正接tanδはJIS−K6394の規定に準じて、次に示される条件で(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用いて測定した値である。
初期歪:10%
振幅:±1%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70度C
さらに、前記の撚り係数Tを有するアラミド繊維コードをカーカスコード20に使用することにより、例えばサイド補強ゴム層11の最大厚さtを、従来に比して小さくすることができる。例えば、タイヤサイズ表示から得られるタイヤ断面高さSHが120mm未満のタイヤの場合、サイド補強ゴム層11の最大厚さtを3〜7mmにできるが、好ましくは5mm以上、より好ましくは6mm以上である。このような厚さは、従来比、約37〜78%である。また、タイヤ断面高さSHが120mm以上135mm未満のタイヤの場合、サイド補強ゴム層11の最大厚さtは、好ましくは5〜9mmにできるが、とりわけ7mm以上、さらには8mm以上が望ましい。これは、従来比、約50〜82%である。さらに、タイヤ断面高さSHが135mm以上のタイヤの場合、サイド補強ゴム層11の最大厚さtは、好ましくは7〜15mmにできるが、好ましくは11mm以上、かつ13mm以下がより好ましい。これは、従来比、約54〜94%である。
ここで、前記「タイヤサイズ表示から得られるタイヤ断面高さ」は、タイヤサイズ表示に示される「断面幅の呼び」と「扁平比の呼び/100」との積である(断面幅の呼び)×(扁平比の呼び/100)から得られる。例えばタイヤサイズ表示が「195/60R14」のタイヤの場合、次のようになる。
(タイヤ断面高さ)=(断面幅の呼び)×(扁平比の呼び/100)
=195mm×0.60=117mm
さらに、本実施形態のランフラットタイヤ1は、前記ベルト層7とカーカス6との間にトレッド補強ゴム層9が配されている。該トレッド補強ゴム層9は、硬度が70度以上であり、かつ、損失正接tanδが0.15以下の1種のゴム材からなる。このような硬質かつ低発熱のトレッド補強ゴム層9は、トレッド部2の撓み剛性が向上するため、ランフラット走行時、トレッド部2の中央部のタイヤ半径方向内側への撓みを抑制し、トレッド部2の接地性を改善させ得る。即ち、トレッド部2の両外側部の接地圧を緩和し、トレッド部2の過度の温度上昇や偏摩耗が防止される。これにより、ランフラット耐久性が大幅に向上する。さらに、トレッド補強ゴム層9は、ベルト層7によるカーカス6へのタガ締め効果を緩和するので、通常走行時の乗り心地を高めるのにも役立つ。
ここで、トレッド補強ゴム層9は、その硬度が70度以上であることが必要であり、より好ましくは75度以上、さらに好ましくは80度以上である。即ち、トレッド補強ゴム層9の硬度が70度未満の場合、トレッド部2の撓み剛性を向上させる効果が十分に得られず、ランフラット耐久性の向上が期待できない。他方、トレッド補強ゴム層9の硬度が大きすぎると、周囲のゴムとの硬度差が著しく大となって大きな剛性段差が生じ、その部分に歪が集中するなど耐久性が低下する場合がある。このような観点より、トレッド補強ゴム層9の硬度は、好ましくは90度以下が望ましい。
また、トレッド補強ゴム層9の損失正接tanδは、0.15以下であることが必要であり、より好ましくは0.12以下、さらに好ましくは0.09以下である。トレッド補強ゴム層9の損失正接tanδが0.15を超える場合、ランフラット走行時、トレッド部2の撓みによってトレッド補強ゴム層9の発熱量が大となり、熱破壊を生じるおそれがある。逆に、トレッド補強ゴム層9の損失正接tanδが小さすぎると、配合設計上、構造材料としての強度と耐久性が損なわれる傾向がある。このような観点より、トレッド補強ゴム層9の損失正接tanδは、0.04以上が望ましい。なおトレッド補強ゴム層9は、例えば歪が大きくなるトレッド部2の中央部に、より損失正接tan δの小さいゴムを配するなど、2種以上のゴム材を用いて構成されても良い。
また、トレッド補強ゴム層9のタイヤ軸方向の幅Wcは、特に限定されるものではないが、小さすぎるとランフラット走行時におけるトレッド部2の撓みを抑制する効果が十分に得られないおそれがあり、逆に大きすぎると、転がり抵抗を著しく悪化させるおそれがある。このような観点より、トレッド補強ゴム層9の幅Wcは、好ましくはベルト層7のタイヤ軸方向の幅Wbの1.1倍以下、より好ましくは1.05倍以下が望ましい。
また、トレッド補強ゴム層9のタイヤ赤道位置での厚さtcは2〜6mmが望ましい。トレッド補強ゴム層9の厚さtcが2mm未満では、トレッド部2の撓み剛性を十分に向上させることが困難な傾向がある。逆に、トレッド補強ゴム層9の厚さtcが6mmを超えると、タイヤ質量の増加を招きやすくなる他、ベルト層7によるカーカス6へのタガ効果が不足しやすく、ひいては操縦安定性の悪化を招くおそれがある。また、発熱し易くなって耐久性を低下させるおそれがある。このような観点より、トレッド補強ゴム層9の厚さtcは、より好ましくは3mm以上が望ましく、また、より好ましくは5mm以下が望ましい。
図1に示される参考例では、トレッド補強ゴム層9は、実質的に一定の厚さでその全幅に亘ってのびている。また、図4(a)に示される参考例では、トレッド補強ゴム層9は、トレッド部2の中央部を厚く構成する一方、タイヤ軸方向外側に向かって厚さが漸減するように構成されている。この実施形態では、トレッド補強ゴム層9の両端部において剛性段差を最小限に抑え、この部分への歪の集中を緩和しうる。また、この実施形態では、トレッド補強ゴム層9のタイヤ軸方向の端部では、ベルト層7とカーカス6とが実質的に接するように構成されている。これにより、トレッド補強ゴム層9は、タイヤ半径方向の内、外からコードを有するプライによって包み込まれるので、トレッド部2の撓みないし曲げ剛性をより効果的に高めることができ、さらにランフラット性能を向上させうる。
また、図4(b)に示されるように、本実施形態のトレッド補強ゴム層9は、ほぼタイヤ軸方向に沿ってのびるベルト層7と、タイヤ半径方向外側に凸となる滑らかな円弧状曲面をなすカーカス6の外面のプロファイルとの隙間を埋めるように、タイヤ軸方向外側に向かってその厚さが漸増する部分を含んで形成される。また、図4の態様では、トレッド補強ゴム層9の厚さtcは、ベルト層7の外端7eまで漸増する一方、ベルト層7の外端7eからタイヤ軸方向外側に向かって漸減している。
さらに、本実施形態のランフラットタイヤ1は、前記正規状態のタイヤ子午断面において、タイヤ外面2Aのプロファイルは、曲率半径が異なる複数の円弧からなる曲面によって形成されている。図5に示されるように、本実施形態のプロファイルは、タイヤ外面2Aとタイヤ赤道面Cとの交点であるタイヤ赤道点CPから、接地端側に向かって曲率半径RCが漸減する複数の円弧からなる曲面によって形成される。このようなプロファイルは、サイドウォール部3の長さを減じうるため、サイド補強ゴム層11のゴムボリュームをさらに小さくでき、乗り心地の向上が図られるとともに、タイヤの軽量化を図り得る。従って、トレッド補強ゴム層9による質量増加を抑制するのに役立つ。
前記プロファイルは、タイヤ赤道面Cからタイヤ最大断面巾SWの45%の距離SPを隔てるタイヤ外面2A上の点をPとするとき、タイヤ外面2Aの曲率半径RCがタイヤ赤道点CPから点Pに至るまでの間で徐々に減少するように設定される。ここで、タイヤ最大断面巾SWとは、図1及び図2に破線で示されるように前記基準輪郭線jにおける最大巾である。
また、前記タイヤ赤道面Cからタイヤ最大断面巾SWの半巾(SW/2)の60%、75%、90%及び100%の距離X60、X75、X90及びX100 を夫々隔てる各タイヤ外面2A上の点をP60、P75、P90及びP100 とする。又この各タイヤ外面2A上の点P60、P75、P90及びP100 と、タイヤ赤道点CPとの間の半径方向の距離をY60、Y75、Y90及びY100 とする。
そして、前記正規状態においてビードベースラインBLからタイヤ赤道点CPまでの半径方向高さであるタイヤ断面高さをSHとするとき、半径方向距離Y60、Y75、Y90及びY100 は、それぞれ以下の関係を満足することが望ましい。
0.05< Y60 /SH ≦0.1
0.1< Y75 /SH ≦0.2
0.2< Y90 /SH ≦0.4
0.4< Y100 /SH ≦0.7
ここで、RY60=Y60/SH
RY75=Y75/SH
RY90=Y90/SH
RY100 =Y100 /SH
として前記関係を満足する範囲RYiを図6に例示する。図5及び図6のように、上記関係を満足するプロファイルは、サイドウォール部3の領域が短いという特徴を有するため、ランフラットタイヤに採用することにより、サイド補強ゴム層11のゴムボリュームを低減しタイヤ質量の軽量化に効果がある。しかも、このプロファイルは、トレッドが非常に丸くなるため、フットプリントが、接地巾が小かつ接地長さを大とした縦長楕円形状となる。これは、例えば騒音性能やハイドロプレーニング性能を向上するのにも役立つ(例えば、特許第2994989号公報参照)。なおRY60、RY75、RY90及びRY100 の値が、各下限値を下回ると、トレッド部2を中心としてタイヤ外面2Aが平坦化するため、従来タイヤとのプロファイルの差が少なくなる。逆に各上限値を上回ると、トレッド部2を中心としてタイヤ外面2Aが著しく凸状をなすため、接地巾が過小となり、通常走行時において必要な走行性能を確保することができないおそれがある。
なおタイヤでは、予めタイヤサイズを定めることにより、JATMA、ETRTOなどのタイヤの規格から、タイヤ偏平率、タイヤ最大断面巾、タイヤ最大高さなどを概ね定め得る。このため、前記RY60、RY75、RY90及びRY100 の範囲を容易に算出できる。従って、タイヤ外面2Aは、各位置におけるRY60、RY75、RY90及びRY100 の範囲を満たすように、かつ曲率半径RCが徐々に減少するように、タイヤ赤道点CPから点Pまで滑らかな曲線で描くことにより適宜定めうる。
また、正規状態のタイヤに正規荷重の80%の荷重を負荷した状態において、タイヤ外面2Aが接地するタイヤ軸方向最外端2e間のタイヤ軸方向距離である接地巾CW(図4(b)に示す)を、タイヤ最大断面巾SWの50%〜65%の範囲とするのが好ましい。これは、接地巾CWが、タイヤ最大断面巾SWの50%未満の場合、通常走行において轍でふらつきやすくなるなどワンダリング性能が低下し、かつ接地圧の不均一化により偏摩耗しやすくなるからである。なお接地巾CWが、タイヤ最大断面巾SWの65%を超える場合には、前述の通過騒音とハイドロプレーニング性能との両立が難しくなる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示す構造をなすタイヤサイズ245/40R18のランフラットタイヤを表1の仕様で試作するとともに、それらについて各種の性能等が評価された。各タイヤは、表1に記載のパラメータ以外は、以下のように同一の仕様とした。
カーカス:プライ枚数1、コード角度90度(対タイヤ赤道)
ベルト層:ベルトプライ枚数2、コード角度±24度(対タイヤ赤道)
サイド補強ゴム層:ゴム硬度90度
ベルト層のタイヤ軸方向の巾Wb:194mm
トレッド補強ゴム層のタイヤ軸方向の巾Wc:194mm
レーヨン繊維コードの比重:1.51
アラミド繊維コードの比重:1.44
タイヤ外面のプロファイル:
A:RY60=0.06、RY75=0.08、RY90=0.19、RY100=0.57
B:RY60=0.09、RY75=0.14、RY90=0.37、RY100=0.57
テスト方法は、次の通りである。
<ランフラット耐久性能>
各供試タイヤを、バルブコアを取り去ったリム(18×8.5J)にリム組し、デフレート状態でドラム試験機上を速度(80km/h)、縦荷重(4.14kN)、室温38±2°Cの条件にて走行させ、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定し、従来例を100とする指数により評価した。数値が大きいほどランフラット耐久性能に優れている。
<タイヤ質量>
タイヤ1本当たりの質量を測定し、従来例を100とする指数で表示した。数値が小さいほど軽量である。
<縦バネ定数>
リム(18×8.5J)に装着された供試タイヤを内圧230kPa及び荷重5kNの条件で平面に接地させ、タイヤの縦たわみ量が測定された。そして、前記荷重5kNを縦たわみ量で除すことにより、近似的に縦バネ定数を得た。結果は、従来例を100とする指数で表示した。数値が小さいほど縦バネが小さく乗り心地に有利であることを示す。
<乗り心地>
排気量4300ccの国産FR自動車の4輪に、内圧230kPa及びリム18×8.5Jの条件で装着し、ドライアスファルト路面の段差路、ベルジャン路(石畳の路面)、ビッツマン路(小石を敷き詰めた路面)を走行させた。そして、ドライバーの官能により、ゴツゴツ感、突き上げ及びダンピングを総合評価し、従来例を100とする評点で表示した。数値が大きいほど良好である。
<操縦安定性>
前記車両を用い、ドライアスファルトのタイヤテストコースを走行し、操舵応答性、グリップ感及び旋回時の限界速度などに関して官能評価を行い、従来例を100とする評点で表示した。数値が大きいほど良好である。
テストの結果を表1に示す。
Figure 0004635041
Figure 0004635041
テストの結果、実施例のタイヤは、質量の増加を伴うことなくランフラット耐久性を確保し、しかも乗り心地を向上していることが確認できた。
本発明のランフラットタイヤの一実施例を示す子午線断面図である。 そのビード部を拡大して示す断面図である。 カーカスコードを示す部分斜視図である。 (a)及び(b)はトレッド補強ゴム層の他の実施形態を示すトレッド部の断面図である。 タイヤ外面のプロファイルを示す線図である。 タイヤ外面の各位置におけるRYiの範囲を示す線図である。 ランフラット走行時のタイヤの断面図である。
符号の説明
1 ランフラットタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
7 ベルト層
9 トレッド補強ゴム層
11 サイド補強ゴム層
20 カーカスコード
21 アラミド繊維コード

Claims (7)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスと、
    前記トレッド部の内方かつ前記カーカスの外側に配された少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、
    前記サイドウォール部に配されかつ最大厚さを有する中央部分から半径方向内外に厚さを減じてのびる断面略三日月状のサイド補強ゴム層とを具えるランフラットタイヤであって、
    前記カーカスは、タイヤ赤道に対して70〜90度の角度で配列したカーカスコードをトッピングゴムで被覆したカーカスプライからなるとともに、
    前記カーカスコードは、次式(1)で示される撚り係数Tが0.50〜0.70であるアラミド繊維コードからなり、
    前記ベルト層と前記カーカスとの間に、硬度が70度以上かつ損失正接tanδが0.15以下である1種のゴム材からなるトレッド補強ゴム層を具え、
    前記トレッド補強ゴム層は、前記ベルト層とタイヤ半径方向外側に凸となる滑らかな円弧状曲面をなすカーカスの外面のプロファイルとの隙間を埋めるように、タイヤ赤道からベルト層の外端まで漸増するとともに、
    該トレッド補強ゴム層のタイヤ軸方向の幅は、ベルト層のタイヤ軸方向の幅の1.0倍以上1.1倍以下であることを特徴とするランフラットタイヤ。
    T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10−3 …(1)
    (ただし、Nは上撚り数(回/10cm)、Dはトータル表示デシテックス(繊度)、ρはコード材料の比重である。)
  2. 前記トレッド補強ゴム層は、損失正接(tanδ)が0.04〜0.12である請求項1に記載のランフラットタイヤ。
  3. 前記トレッド補強ゴム層は、タイヤ赤道位置において、厚さが2〜6mmである請求項1又は2に記載のランフラットタイヤ。

  4. 前記トレッド補強ゴム層のタイヤ軸方向の幅は、ベルト層のタイヤ軸方向の幅の1.0〜1.05倍である請求項1乃至3の何れかに記載のランフラットタイヤ。
  5. 前記カーカスコードは、下撚りしたフィラメント束の2本を、上撚りにて互いに撚り合わせた2本撚り構造をなす請求項1乃至4の何れかに記載のランフラットタイヤ。
  6. 前記カーカスコードは、前記撚り係数Tが0.60〜0.70である請求項1乃至5の何れかに記載のランフラットタイヤ。
  7. 正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填されしかも無負荷である正規状態におけるタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、
    タイヤ外面のプロファイルは、タイヤ赤道面Cからタイヤ最大断面巾SWの45%の距離SPを隔てるタイヤ外面上の点をPとするとき、
    タイヤ外面の曲率半径RCが、タイヤ赤道点CPから前記点Pに至るまでの間で徐々に減少するとともに、
    前記タイヤ赤道面Cから前記タイヤ最大断面巾SWの半巾(SW/2)の60%、75%、90%及び100%の距離X60、X75、X90及びX100 を夫々隔てるタイヤ外面上の各点と、タイヤ赤道点CPとの間の各半径方向距離をそれぞれY60、Y75、Y90及びY100 とし、かつタイヤ断面高さをSHとするとき、
    0.05< Y60 /SH ≦0.1
    0.1< Y75 /SH ≦0.2
    0.2< Y90 /SH ≦0.4
    0.4< Y100 /SH ≦0.7
    の関係を満足する請求項1乃至6の何れかに記載のランフラットタイヤ。
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