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JP5462468B2 - ランフラットタイヤ - Google Patents

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JP5462468B2
JP5462468B2 JP2008283403A JP2008283403A JP5462468B2 JP 5462468 B2 JP5462468 B2 JP 5462468B2 JP 2008283403 A JP2008283403 A JP 2008283403A JP 2008283403 A JP2008283403 A JP 2008283403A JP 5462468 B2 JP5462468 B2 JP 5462468B2
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Description

本発明は、ランフラット走行時の耐久性を向上しうるランフラットタイヤに関する。
例えば、パンク等によりタイヤ内の空気が抜けた状態においても比較的長距離を走行(以下、このような走行を、単に「ランフラット走行」と言う。)しうるランフラットタイヤが種々提案されている。代表的なものとして、サイドウォール部に、断面略三日月状のサイド補強ゴム層が設けられたサイド補強タイプのものが良く知られている(例えば特許文献1など参照)。
この種のランフラットタイヤは、サイド補強ゴム層の厚さを大きくし、サイドウォール部の曲げ剛性を高めることによって、ランフラット耐久性の向上が図られる。また、SUV(Sports Utility Viechle)等の多目的自動車用は、一般乗用車に比して車両重量が大きい。従って、SUV用のランフラットタイヤの場合には、サイド補強ゴム層の厚さをより一層大きくし、サイドウォール部の曲げ剛性が高められる傾向にある。
特開2000−351307号公報
しかしながら、サイド補強ゴム層の厚さを大きくすると、ビード部の剛性が相対的に小さくなる。このため、ランフラット走行時に生じるビード部の歪が相対的に大きくなる傾向がある。この結果、ビード部の損傷が早められ、ひいてはランフラット走行時の耐久性が低下するという問題がある。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、ビード部に、高弾性かつ耐熱性に優れるアラミド繊維からなる補強コードを用いた補強コード層を設けることを基本として、ビード部の耐久性を向上しうるランフラットタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至る本体部に前記ビードコアの周りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返される折返し部を一連に設けたカーカスプライからなるカーカスと、前記サイドウォール部のカーカス内側に配された断面略三日月状のサイド補強ゴム層と、前記ビードコアの外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックスとを具えるランフラットタイヤであって、前記カーカスは、タイヤ赤道に対して80〜90°の角度で配列されたアラミド繊維からなるカーカスコードをトッピングゴムで被覆したカーカスプライからなり、かつ該カーカスコードは、下記式(1)で示される撚り係数Tが0.50〜0.70であり、前記ビード部には、前記カーカスプライの本体部と前記ビードエーペックスとの間をのびる内片と、この内片に連なりかつ前記ビードコアのタイヤ半径方向内方をのびる中片と、前記中片に連なりかつ前記折返し部と前記ビードエーペックスとの間をタイヤ半径方向外方へのびる外片とを有する補強コード層、及び、キャンバス布からなるチェーファーが配されるとともに、前記補強コード層は、アラミド繊維からなる補強コードを用いた少なくとも1枚のプライからなり、前記補強コードは、下記式(1)で示される撚り係数Tが0.50〜0.70であり、前記補強コードのタイヤ周方向に対する角度は、40〜55°であり、前記チェーファーは、前記内片よりもタイヤ内腔面側をタイヤ半径方向外側にのびる内の立上げ部と、この内の立上げ部に連なりかつビードコアの半径方向内側に位置する基部と、この基部に連なりかつ前記外片よりもタイヤ外面側をタイヤ半径方向外側にのびる外の立上げ部とを有し、前記内片の高さh1、前記外の立ち上げ部の高さh2、前記外片の高さh3及び前記内の立ち上げ部の高さh4が、下記式(2)の関係を満足し、ビードベースラインBLからタイヤ断面高さSHの72%の高さをタイヤ半径方向外側に隔てたタイヤ外面位置P1でのバットレス部厚さW1、タイヤ最大断面幅点P2でのサイドウォール部厚さW2、及びビードベースラインBLからタイヤ断面高さSHの17%の高さをタイヤ半径方向外側に隔てたタイヤ外面位置P3でのビード部厚さW3は、下記式(3)及び(4)を満たすことを特徴とする。
T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10−3 …(1)
(ただし、Nは上撚り数(回/10cm)、Dはトータル表示デシテックス(繊度)、ρはコード材料の比重である。)
h1>h2>h3>h4…(2)
0.90 ≦ W3/W1 ≦ 1.10 …(3)
0.90 ≦ W3/W2 ≦ 1.30 …(4)
また請求項2記載の発明は、前記カーカスコードは、下撚りしたフィラメント束の2本を、上撚りにて互いに撚り合わせた2本撚り構造をなす請求項1に記載のランフラットタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記カーカスコードの撚り係数Tが、0.60〜0.70である請求項1又は2に記載のランフラットタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記トッピングゴムの複素弾性率E*は、5〜13MPaである請求項1ないし3のいずれかに記載のランフラットタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記タイヤ外面のプロファイルは、前記タイヤ外面とタイヤ赤道面との交点であるタイヤ赤道点CPから接地端側に向かって曲率半径が漸減する複数の円弧からなる曲面によって形成される請求項1ないし4のいずれかに記載のランフラットタイヤである。
また請求項6記載の発明は、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填されしかも無負荷である正規状態におけるタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、前記タイヤ外面のプロファイルは、タイヤ赤道面からタイヤ最大断面幅SWの45%の距離SPを隔てるタイヤ外面上の点をPとするとき、タイヤ外面の曲率半径RCが、タイヤ赤道点CPから前記点Pに至るまでの間で徐々に減少するとともに、前記タイヤ赤道面から前記タイヤ最大断面幅SWの半幅(SW/2)の60%、75%、90%及び100%の距離X60、X75、X90及びX100 を夫々隔てるタイヤ外面上の各点と、タイヤ赤道点CPとの間の各半径方向距離をそれぞれY60、Y75、Y90及びY100 とし、かつタイヤ断面高さをSHとするとき、
0.05< Y60 /SH ≦0.10
0.10< Y75 /SH ≦0.20
0.20< Y90 /SH ≦0.40
0.40< Y100 /SH ≦0.70
の関係を満足する請求項5記載のランフラットタイヤである。
また請求項記載の発明は、前記サイド補強ゴム層は、タイヤ最大断面幅点P2における厚さW4が9.0〜11.0mmである請求項1ないしのいずれかに記載のランフラットタイヤである。
なお、前記正規リムとは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば"標準リム"、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim" とする。
また前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば"最高空気圧"、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、乗用車用タイヤの場合には180kPaとする。
本発明のランフラットタイヤは、アラミド繊維からなるカーカスコードを、トッピングゴムで被覆したカーカスプライを具える。これにより、タイヤの剛性と荷重支持能力とが高められる。また、ビード部には、アラミド繊維からなる補強コードを用いた補強コード層が配される。この補強コード層は、ビード部の曲げ剛性を高めることができるため、ランフラット走行時、ビード部に生じる歪及び発熱を抑え、ひいては、ビード部の早期の損傷を抑制しうる。しかも、補強コードは、アラミド繊維からなるため、ビード部の温度が上昇した場合でも弾性率の低下が少ない。従って、ビード部の発熱時においてもビード部の歪の増加及びこれに伴う温度上昇を防止できるので、ランフラット走行時などでの耐久性がより一層向上される。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態のランフラットタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)1の正規状態におけるタイヤ子午断面図である。
本実施形態のタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、サイドウォール部3のカーカス6内側に配された断面略三日月状のサイド補強ゴム層9と、ビードコア5の外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックス8とを具える。また、本実施形態のタイヤ1は、カーカス6の半径方向外側にベルト層7が、また、該ベルト層7の半径方向外側にバンド層10が夫々設けられる。
前記カーカス6は、タイヤ赤道に対して45〜90°の角度で配列されるカーカスコード20(図3に示す)をトッピングゴムにより被覆した1枚以上のカーカスプライ6Aから形成される。本実施形態のカーカス6は、カーカスコード20がタイヤ赤道Cに対して80〜90°の角度で配列された1枚のカーカスプライ6Aから構成される。
また、カーカスプライ6Aは、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5、5に至るトロイド状の本体部6aと、この本体部6aに連なりかつビードコア5の周りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返される一対の折返し部6bとを具える。
本実施形態では、カーカスプライ6Aの折返し部6bが、ビードエーペックス8を半径方向外側に超えて巻き上がり、その外端部6beが、本体部6aとベルト層7との間に挟まれて終端する。これにより、サイドウォール部3は、1枚のカーカスプライ6Aによって効果的に補強される。また折返し部6bの外端部6beが、ランフラット走行時に大きく撓むサイドウォール部3から遠ざかるため、該外端部6beを起点とした損傷が好適に抑制される。
前記ビードエーペックス8は、例えばゴム硬度が65〜98度の硬質のゴムからなり、ビード部4の曲げ剛性を高めてタイヤ1の縦撓みを抑制する。なお、本明細書において、「ゴム硬度」は、JIS−K6253の規定に準拠して、温度23℃で測定されたJISデュロメータタイプAによる硬さを意味する。
また、ビードエーペックス8のタイヤ半径方向外端のビードベースラインBLから高さh0は、特に限定されないが、小さすぎるとビード部4の曲げ剛性が低下するおそれがあり、逆に大きすぎると、タイヤ重量の過度の増加や著しい乗り心地の悪化を招くおそれがある。このような観点により、ビードエーペックス8の高さh0は、タイヤ断面高さSHの25%以上、より好ましくは26%以上が望ましく、また、タイヤ断面高さSHの30%以下、より好ましくは29%以下が望ましい。なお、上記タイヤ断面高さSHは、正規状態においてビードベースラインBLから、タイヤ半径方向の最外側位置(図1では点CP)までの半径方向高さとする。
前記ビードコア5は例えばスチール製のビードワイヤをタイヤ半径方向、タイヤ軸方向にに重ねて多数回巻きしたリング体からなり、リムとの締付け力を強固としている。ビードコア5は、断面略矩形状のものを示しているが、断面略円形状や断面略六角形状等に形成されたものでもよい。また、ビードコア5のタイヤ半径方向の外面5oの高さH4は、特に限定されないが、本実施形態では、タイヤ断面高さSHの0.05〜0.06倍に設定されている。また、ビードコア5のタイヤ半径方向の内面5iの高さH5は、タイヤ断面高さSHの0.01〜0.02倍に設定されている。
前記ベルト層7は、本例ではスチールからなるベルトコードをタイヤ赤道Cに対して例えば10〜35゜程度で傾けて配列された2枚のベルトプライ7A、7Bを、ベルトコードが互いに交差するように重ね合わされている。ベルトコードは、スチール以外にも、アラミド、レーヨン等の高弾性の有機繊維コードも必要に応じて用いることができる。
前記バンド層10は、タイヤ赤道に対して5°以下の角度で螺旋状に巻回されるバンドコードをトッピングゴムにて被覆した1枚以上のバンドプライ11からなる。本実施形態のバンド層10は、ベルト層7のタイヤ軸方向外端部のみを被覆する左右一対のエッジバンドプライ11Aと、このエッジバンドプライ11A及びベルト層のタイヤ軸方向外側で、ベルト層7の略全幅を覆うフルバンドプライ11Bとを組み合わせて構成される。このようなバンド層10は、ベルト層7を拘束し、操縦安定性及び高速耐久性等を向上させる。なお、バンド層10は、エッジバンドプライ11A又はフルバンドプライ11Bを単独で構成されても良い。
前記サイド補強ゴム層9は、最大厚さを有する中央部分から、タイヤ半径方向の内端9i及び外端9oに向かってそれぞれ厚さを徐々に減じてのびる断面略三日月状で形成される。本実施形態において、サイド補強ゴム層9の内端9iは、ビードエーペックス8の外端よりもタイヤ半径方向内側に設けられ、また外端9oは、ベルト層7の外端7eよりもタイヤ軸方向内側に設けられている。
サイド補強ゴム層9は、本実施形態では、カーカスプライ6Aの本体部6aの内側(タイヤ内腔側)に配される。ランフラット走行時において、サイド補強ゴム層9には、主として圧縮応力が作用し、カーカスプライ6Aには、主として引張応力が作用するが、サイド補強ゴム層9の優れた耐圧縮性と、カーカスコードによる優れた耐引張耐久性とは、サイドウォール部3の曲げ剛性を効率良く高め、ランフラット走行時のタイヤの縦撓みを効果的に低減する。
サイド補強ゴム層9のゴム硬度は、好ましくは60度以上、さらに好ましくは65度以上が望ましい。ゴム硬度が60度未満であると、ランフラット走行時におけるサイドウォール部3の歪が大きくなって、ランフラット耐久性が低下するおそれがある。逆に、ゴム硬度が高すぎても、タイヤの縦バネ定数が過度に上昇し、通常走行時の乗り心地を悪化させるおそれがある。このような観点より、サイド補強ゴム層9のゴム硬度は、好ましくは90度以下、さらに好ましくは80度以下が望ましい。
なお、サイド補強ゴム層9のタイヤ最大断面幅点P2における厚さW4は、例えば9.0〜11.0mm程度が望ましい。これにより、ランフラット耐久性を維持しつつ乗り心地性の悪化を防止するのに役立つ。
また、本発明では、ランフラット走行時の操縦安定性及び耐久性を向上するために、カーカスコード20にアラミド繊維が採用される。アラミド繊維は、他の有機繊維コード材料に比べて、高強度及び高弾性である。このため、アラミド繊維をカーカスコード20に採用することにより、タイヤの荷重支持能力を高めることができる。
さらに、アラミド繊維は耐熱性にも優れ、例えば100〜150℃の高温下においても弾性率の低下が小さい。従って、ランフラット走行時にタイヤの温度が上昇しても、カーカスコード20の強度や弾性率の低下によるタイヤ変形量の増加及びそれに伴うタイヤ温度上昇などを抑制でき、ひいてはランフラット耐久性が向上する。また、アラミド繊維からなるカーカスコード20は、タイヤ温度の上昇によっても、高弾性率を維持してタイヤ剛性を高めうるため、ランフラット時の操縦安定性を向上させるのにも役立つ。
本実施形態では、カーカスコード20に、図3に略示されるように、下撚りしたアラミド繊維のフィラメント束21(即ちストランド21)の2本を、さらに上撚りにて互いに撚り合わせた2本撚り構造が採用される。また、カーカスコード20は、下撚り数と、上撚り数とが等しい所謂バランス撚りが好ましいが、撚り数の比(下撚り数/上撚り数)が0.2〜2.0の範囲内、好ましくは0.5〜1.5の範囲内で、下撚り数と上撚り数とを相違させても良い。
カーカスコード20は、フィラメント束21の撚り合わせを、従来よりも高い撚り係数Tで行うことが望ましい。ここで、「撚り係数T」は、コードの上撚り数をN(単位:回/10cm)、コード1本のトータル表示デシテックス(トータル繊度)をD(単位:dtex)、コード材料の比重をρとしたとき、次式(1)で示される。
T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10−3 …(1)
一般にアラミド繊維は、弾性率が高いゆえに耐疲労性に劣る傾向があるが、上記撚り係数Tを0.50〜0.70まで高めることにより、耐疲労性を改善することができ、ランフラット耐久性を向上できる。なおカーカスコード20の撚り係数Tが0.50を下回ると、耐疲労性の向上効果が少なくなる。逆に、撚り係数Tが0.70を上回ると、コードの撚り加工が難しくなり生産性が著しく悪化する。とりわけ、撚り係数Tは、0.60以上が好ましく、これによりコードの耐疲労性がより一層好ましく改善され、ランフラット耐久性が向上される。
またカーカスコード20のトータル表示デシテックスD(繊度)は、特に限定されないが、乗用車用やSUV専用では、ランフラット耐久性や操縦安定性を向上させるために、1500〜5000dtexの範囲が好ましい。またカーカスプライ6Aのプライ幅5cm当たりの打ち込み本数(以下、単に「エンズ」と呼ぶ場合がある。)n(本/5cm)とトータル表示デシテックスDとの積は、70000〜150000の範囲が好ましく、さらに好ましくは100000〜120000が望ましい。
さらに、本実施形態において、カーカスプライ6Aのトッピングゴムには、複素弾性率E*が5〜13MPaのゴムが採用される。このように、トッピングゴムに、従来のものに比して高弾性のゴムを採用した場合には、カーカスコード20に作用する歪を低減でき、ランフラット耐久性をさらに向上できる。
なお、複素弾性率E*が5MPaを下回ると上記効果が十分に期待できず、逆に13MPaを上回ると、ゴムが著しく硬くなり過ぎ、乗り心地が一気に悪化してしまう。このような観点から、複素弾性率E*は、好ましくは5.5MPa以上、さらに好ましくは6MPa以上が好ましく、また好ましくは11MPa以下、さらに好ましくは9MPa以下が好ましい。
なお、本明細書において、複素弾性率は、JIS−K6394の規定に準じ、次に示される条件で(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用いて測定された値である。
初期歪:10%
振幅:±1%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70℃
また、ビード部4には、例えばキャンバス布等からなるチェーファー14が配される。図2に拡大して示されるように、このチェーファー14は、タイヤ内腔面側をタイヤ半径方向外側にのびる内の立上げ部14aと、この内の立上げ部14aに連なりかつビードコア5の半径方向内側に位置しかつビード底面で露出する基部14bと、この基部14bに連なりかつタイヤ外面側をタイヤ半径方向外側にのびる外の立上げ部14cとを有し、前記カーカスのビード部分を包むように断面略U字状に形成される。このようなチェーファー14は、ランフラット走行時のリムずれやリム着脱時のビード部4の損傷を防止するのに役立つ。
チェーファー14の外の立上げ部14cの高さh2は、特に限定されないが、上記のような効果を得るために、タイヤ断面高さSHの0.12〜0.13倍に設定されている。また、チェーファー14の内の立上げ部14aの高さh3は、タイヤ断面高さSHの0.10〜0.11倍に設定される。
さらに、ビード部4には、ランフラット走行時における耐久性をさらに向上させるために、補強コード層12が配される。この補強コード層12は、アラミド繊維からなる補強コードを用いた少なくとも1枚(本実施形態では1枚)のプライ12Aが用いられる。
前記補強コード層12は、カーカスプライ6Aの本体部6aとビードエーペックス8のタイヤ軸方向内側面との間をタイヤ半径方向内外にのびる内片12aと、この内片12aに連なりかつビードコア5のタイヤ半径方向内方をタイヤ軸方向にのびる中片12bと、この中片12bに連なりかつ折返し部6bとビードエーペックス8のタイヤ軸方向外側面との間をタイヤ半径方向外方にのびる外片12cとを有し、ビードコア5を包むように断面略U字状に形成される。
このような補強コード層12は、カーカスコード20(図3に示す)と同様に、アラミド繊維からなる補強コードを具えるので、温度上昇時の弾性率の低下及び歪の増大等を防止でき、ビード部4の曲げ剛性を高めて耐久性をさらに向上しうる。
また、補強コード層12の内片12aによる優れた引張耐久性と、ビードエーペックス8の優れた耐圧縮耐久性とにより、ビード部4の曲げ剛性をさらに効果的に高め、ランフラット耐久性をより一層向上させる。なお、補強コード層12は、中片12b及び外片12cによって、ビード部4に強固に保持されるため、ランフラット走行時、内片12aは繰り返し作用する引張応力を強固に支持できる。
前記補強コードは、タイヤ周方向に対して20〜70°の角度で傾けて配列されるのが好ましい。前記角度が20°未満になると、補強コードがタイヤ周方向と平行に近づくため、ビード部4の曲げ剛性を十分に向上できないおそれがある。逆に、上記角度が70°を超えて配されると、補強コードがカーカスコード20(図3に示す)と略平行になるため、ビード部4の剛性を十分に向上できないおそれがある。このような観点により、補強コードのタイヤ周方向に対する角度は、さらに好ましくは40°以上が望ましく、また、さらに好ましくは55°以下が望ましい。さらに、補強コードとカーカスコード20とのタイヤ周方向に対する角度の差は、20〜50°程度が好ましい。
補強コード層12を構成するプライ12Aの幅5cm当たりのコード打ち込み本数(以下、「エンズ」という。)は、好ましくは30(本/5cm)以上、より好ましくは40(本/5cm)以上が望ましく、また、好ましくは70(本/5cm)以下、より好ましくは60(本/5cm)以下が望ましい。前記プライ12Aのエンズが30(本/5cm)未満になると、ビード部4の補強効果が十分に得られないおそれがあり、逆に70(本/5cm)を超えると、隣り合うコード間でフレッティングが生じるおそれがある。
また、補強コードは、上記作用をさらに効果的に発揮させるために、カーカスコード20と同様、2本撚り構造であるのが好ましい。とりわけ、補強コードは、前述の式(1)で示される撚り係数Tが0.50〜0.70であることが好ましい。このように、ビード部4に、いわゆるハイツイストのアラミド繊維コードを用いたときには、ランフラット走行時のビード部の繰り返し歪に対して、高い耐屈曲疲労性を発揮でき、ひいては長期に亘ってコードの破断などを抑制しビード耐久性を確保しうる。
さらに、補強コードの撚り数の比(下撚り数/上撚り数)、トータル表示デシテックスD(繊度)及び補強コード層12のトッピングゴムの複素弾性率E*等についても、カーカスプライ6Aで説明した数値範囲と同様であるのが好ましい。このような補強コードは、特に、車両重量が一般車両に比べて大であるSUV等の多目的自動車用のタイヤに用いられるのに好適である。
また、本実施形態において、補強コード層12及びチェーファー14の各端部は、いずれもタイヤ半径方向の位置をずらせて設けられることが好ましい。具体的には、ビードベースラインBLからの各端部の高さが次の関係を満足する。
h1>h2>h3>h4…(2)
ただし、
h1:補強コード層12の内片12aの高さ
h2:チェーファー14の外の立上げ部14cの高さ
h3:補強コード層12の外片12cの高さ
h4:チェーファー14の内の立上げ部14aの高さ
このように、補強コード層12及びチェーファー14の各端部をタイヤ半径方向にずらせて配することにより、ビード部4に、大きな剛性段差が形成されるのを防いで剛性を均一化し、歪の集中による耐久性の低下をより確実に抑制できる。
また、補強コード層12の内片12aの高さh1は、タイヤ断面高さSHの0.14倍以上、より好ましくは0.18倍以上が望ましく、また、好ましくは0.24倍以下、より好ましくは0.23倍以下が望ましい。前記高さh1がタイヤ断面高さの0.14倍未満になるとビード部4の曲げ剛性を十分に高めることができない。逆に前記高さh1がタイヤ断面高さSHの0.24倍を超えると、内片12aの外端がビードエーペックス8の外端に近づき、ビード部4に大きな剛性段差が生じるおそれがある。
また、補強コード層12の外片12cの高さh3は、タイヤ断面高さSHの0.03倍以上、より好ましくは0.05倍以上が望ましく、また、好ましくは0.12倍以下、より好ましくは0.11倍以下が望ましい。前記高さh3がタイヤ断面高さSHの0.03倍未満であると、補強コード層12の内片12aを強固に保持できないおそれがある。逆に、前記高さh3が、タイヤ断面高さSHの0.12倍を超えると、ビード部4の曲げ変形時、該外辺12cの外端に歪が集中しやすく、ひいては新たな損傷が発生しやすくなる。
上述の剛性段差を確実に防止するために、ビードエーペックス8の高さh0と補強コード層12の内片12aの高さh1との差(h0−h1)は、タイヤ断面高さSHの0.05倍以上、より好ましくは0.06倍以上が望ましく、また、好ましくは0.09倍以下、より好ましくは0.08以下が望ましい。
同様に、補強コード層12の内片12aの高さh1と外片12cの高さh3との差(h1−h3)は、好ましくはタイヤ断面高さSHの0.06倍以上、より好ましくは0.08以上が望ましく、また、好ましくは0.12倍以下、より好ましくは0.11倍以下が望ましい。
以上のような補強コード層12を具えたビード部4は、その厚さが大かつ曲げ剛性が大きくなるため、サイド補強ゴム層9が肥大化されても、サイドウォール部3との剛性差を小さくできる。これによりビード部4に歪が集中するのも効果的に防止できる。とりわけ、サイドウォール部3、ビード部4及びバットレス部13の各部の厚さを一定範囲に限定したときには、ランフラット走行時のタイヤ側部領域での歪の分散化を図り、さらなる耐久性の向上を期待できる。
具体的には、ビードベースラインBLからタイヤ断面高さSHの72%の高さH1をタイヤ半径方向外側に隔てたタイヤ外面位置P1のバットレス部厚さW1、タイヤ最大断面幅点P2でのサイドウォール部厚さW2、及びビードベースラインBLからタイヤ断面高さSHの17%の高さH3をタイヤ半径方向外側に隔てたタイヤ外面位置P3でのビード部厚さW3は、下記式(3)及び(4)を満たす。
0.90 ≦ W3/W1 ≦ 1.10 …(3)
0.90 ≦ W3/W2 ≦ 1.30 …(4)
ここで、前記ビード部厚さW3とバットレス部厚さW1との比W3/W1が0.90よりも小さくなると、厚さの小さいビード部4に歪が集中し損傷が早まるおそれがある。逆に前記比(W3/W1)が1.10を超えると、バットレス部13に歪が集中しやすく、該バットレス部13の損傷を早めるおそれがある。とりわけ、前記比(W3/W1)は、0.95以上が望ましく、また、より好ましくは1.05以下が望ましい。
同様に、ビード部厚さW3とサイドウォール部厚さW2との比(W3/W2)が0.90よりも小さくなると、厚さの小さいビード部4に歪が集中し、該ビード部4での損傷を早めるおそれがある。逆に、前記比(W3/W2)が1.30を超えると、サイドウォール部3に歪が集中し、該サイドウォール部3の損傷を早めるおそれがある。とりわけ、前記比(W3/W2)は、0.95以上が望ましく、また、より好ましくは1.25以下が望ましい。
さらに、ランフラットタイヤ1の正規状態のタイヤ子午断面において、そのトレッド部2を含むタイヤ外面2Aのプロファイルは、曲率半径が異なる複数の円弧からなる曲面によって形成されるのが好ましい。
図4に示されるように、本実施形態のプロファイルは、タイヤ赤道点CPから、接地端側に向かって曲率半径RCが漸減する複数の円弧からなる曲面によってを形成される。このようなプロファイルは、サイドウォール部3の長さを減じうるため、サイド補強ゴム層9のゴムボリュームを小さくでき、タイヤの軽量化、及び乗り心地性の向上を図りうる。
より好ましい実施形態において、タイヤ赤道面からタイヤ最大断面幅SWの45%の距離SPを隔てるタイヤ外面2A上の点をPとするとき、タイヤ外面2Aの曲率半径RCは、タイヤ赤道点CPから点Pに至るまでの間で徐々に減少するように設定されるのが望ましい。なお「タイヤ最大断面幅SW」とは、前記タイヤ最大断面幅点P2間のタイヤ軸方向距離である。また、タイヤ最大断面幅点P2は、タイヤ外面2Aの基準輪郭線jに基づいて定められる。この基準輪郭線jは、タイヤ外面2Aに局部的に形成される例えば文字、図形、記号等を示す装飾用、情報用等の微細なリブや溝、リム外れ防止用のリムプロテクトリブ、カット傷防止用のサイドプロテクトリブなどの局部的凹凸部を除外した滑らかな輪郭線を意味する。
またタイヤ赤道面からタイヤ最大断面幅SWの半幅(SW/2)の60%、75%、90%及び100%の距離X60、X75、X90及びX100を夫々隔てる各タイヤ外面2A上の点をP60、P75、P90及びP100とする。また、各タイヤ外面2A上の点P60、P75、P90及びP100と、タイヤ赤道点CPとの間の半径方向の距離をY60、Y75、Y90及びY100とする。この半径方向の距離をY60、Y75、Y90及びY100と、タイヤ断面高さSHとは、それぞれ以下の関係を満足することを特徴としている。
0.05< Y60 /SH ≦0.10
0.10< Y75 /SH ≦0.20
0.20< Y90 /SH ≦0.40
0.40< Y100 /SH ≦0.70
ここで、RY60=Y60/SH
RY75=Y75/SH
RY90=Y90/SH
RY100 =Y100 /SH
として、上記関係を満足する範囲RYiを図5に例示する。図4及び図5に示されるように、本実施形態のプロファイルは、トレッドが非常に丸くなるため、フットプリントが、接地幅が小かつ接地長さを大とした縦長楕円形状となり、騒音性能とハイドロプレーニング性能とを向上しうる。なおRY60、RY75、RY90及びRY100 の値が、各下限値を下回ると、トレッド部2を中心としてタイヤ外面2Aが平坦化するため、従来タイヤとのプロファイルの差が少なくなる。逆に各上限値を上回ると、トレッド部2を中心としてタイヤ外面2Aが著しく凸状をなすため、接地幅が過小となり、通常走行において必要な走行性能を維持することができなくなる。
また、本実施形態のプロファイルは、サイドウォール部の領域が短いという特徴を有するため、ランフラットタイヤに採用することにより、サイド補強ゴム層9のゴムボリュームを低減し、ランフラットタイヤにおける質量の軽減と乗り心地の向上とを達成しうる。しかし、ゴムボリュームが大なトレッド部2での変形量が通常プロファイルのタイヤに比して大きくなる。そのため耐熱性を高めたアラミド繊維のカーカスコードは、本実施形態のプロファイルのタイヤにとってもより有利となりうる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示す構造をなすサイズ245/60R20のSUV用のランフラットタイヤを表1の仕様で試作するとともに、それらについて各種の性能等が評価された。なお、共通仕様は次の通りである。
サイド補強ゴム層のゴム硬度:65度
カーカスのプライ枚数:1
カーカスコード角度:90度(対タイヤ赤道)
カーカスプライのトッピングゴムの複素弾性率E*:6.5(MPa)
補強コードのトッピングゴムの複素弾性率E*:6.5(MPa)
タイヤ断面高さSH:144.25(mm)
ビードエーペックスの高さh0:40.0(mm)
また、ビード部の補強コードプライは、以下の2種類が採用された。
<ポリエステル繊維コードからなる補強プライ>
コードの比重ρ:1.10
コード構成:1840(dtex)
コードの上撚り数N:48(回/10cm)
コードの撚り係数T:0.49
エンズ:48(本/5cm)
<アラミド繊維コードからなる補強プライ>
コードの比重ρ:1.44
コード構成:1100/2(dtex)
コードの上撚り数N:68(回/10cm)
コードの撚り係数T:0.66
エンズ:53(本/5cm)
また、カーカスコードは、以下の2種類が採用された。
<レーヨン繊維からなるカーカスコード>
コードの比重ρ:1.51
コード構成:1840/2(dtex)
コードの上撚り数N:48(回/10cm)
コードの撚り係数T:0.59
エンズ:35(本/5cm)
<アラミド繊維からなるカーカスコード>
コードの比重ρ:1.44
コード構成:1100/2(dtex)
コードの上撚り数N:68(回/10cm)
コードの撚り係数T:0.66
エンズ:53(本/5cm)
また、トレッドのプロファイルには、以下の2種類が採用された。
<F1>
RY60=0.09
RY75=0.14
RY90=0.37
RY100=0.57
<F2>
RY60=0.06
RY75=0.08
RY90=0.19
RY100=0.57
テスト方法は、次の通りである。
<ランフラット耐久性>
各供試タイヤを20×8Jのリムにリム組み後、内圧200kPaを充填し、温度38℃で34時間放置した後、リムのバルブコアを抜き取ってタイヤ内腔と大気とを自由に連通させた。そして、この状態で、半径1.7mのドラムを有するドラム試験機上を速度80km/h、縦荷重6.21kNの条件で走行させ、タイヤが破壊するまでの走行時間が測定された。結果は、従来例を100とする指数で表示されている。数値が大きいほど耐久性に優れる。
<タイヤ質量>
タイヤ1本当たりの質量を測定し、従来例を100とする指数で表示した。数値が小さいほど軽量である。
<縦バネ定数>
上記リムに装着されたテストタイヤを内圧200kPa及び荷重4.92kNの条件で平面に接地させ、タイヤの縦たわみ量が測定された。そして、前記荷重4.92kNを縦たわみ量で除すことにより、近似的に縦バネ定数を得た。結果は、従来例を100とする指数で表示した。数値が小さいほど縦バネが小さく乗り心地に有利であることを示す。
<乗り心地>
排気量4000ccの四輪駆動車の4輪に、上記内圧及び上記リムの条件で装着し、ドライアスファルト路面の段差路、ベルジャン路及びビッツマン路をそれぞれ走行させた。そして、ドライバーの官能により、ゴツゴツ感、突き上げ及びダンピングを総合評価し、従来例を100とする評点で表示した。数値が大きいほど良好である。
<操縦安定性>
前記車両を用い、ドライアスファルトのタイヤテストコースを走行し、操舵応答性、グリップ感及び旋回時の限界速度などに関して官能評価を行い、従来例を100とする評点で表示した。数値が大きいほど良好である。
テストの結果などを表1に示す。
Figure 0005462468
Figure 0005462468
テストの結果、実施例のタイヤは、ランフラット耐久性に優れることが確認できた。また、比較例と実施例2との比較から明らかなように、本発明のタイヤは、サイド補強ゴム層の厚さW4を小さくしても、ランフラット耐久性を維持しつつ、乗り心地性を向上しうることが確認できた。
ランフラットタイヤの一形態を示す断面図である。 図1のビード部及びサイドウォール部の拡大図である。 カーカスコードを説明する平面図である。 タイヤ外面のプロファイルを示す線図である。 タイヤ外面の各位置におけるRYiの範囲を示す線図である。
符号の説明
1 ランフラットタイヤ
3 カーカス
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
8 ビードエーペックス
9 サイド補強ゴム層
12 補強コード層
12A 補強コード層のプライ
12a 内片
12b 中片
12c 外片

Claims (7)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至る本体部に前記ビードコアの周りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返される折返し部を一連に設けたカーカスプライからなるカーカスと、
    前記サイドウォール部のカーカス内側に配された断面略三日月状のサイド補強ゴム層と、
    前記ビードコアの外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックスとを具えるランフラットタイヤであって、
    前記カーカスは、タイヤ赤道に対して80〜90°の角度で配列されたアラミド繊維からなるカーカスコードをトッピングゴムで被覆したカーカスプライからなり、かつ該カーカスコードは、下記式(1)で示される撚り係数Tが0.50〜0.70であり、
    前記ビード部には、前記カーカスプライの本体部と前記ビードエーペックスとの間をのびる内片と、この内片に連なりかつ前記ビードコアのタイヤ半径方向内方をのびる中片と、前記中片に連なりかつ前記折返し部と前記ビードエーペックスとの間をタイヤ半径方向外方へのびる外片とを有する補強コード層、及び、キャンバス布からなるチェーファーが配されるとともに、
    前記補強コード層は、アラミド繊維からなる補強コードを用いた少なくとも1枚のプライからなり、
    前記補強コードは、下記式(1)で示される撚り係数Tが0.50〜0.70であり、
    前記補強コードのタイヤ周方向に対する角度は、40〜55°であり、
    前記チェーファーは、前記内片よりもタイヤ内腔面側をタイヤ半径方向外側にのびる内の立上げ部と、この内の立上げ部に連なりかつビードコアの半径方向内側に位置する基部と、この基部に連なりかつ前記外片よりもタイヤ外面側をタイヤ半径方向外側にのびる外の立上げ部とを有し、
    前記内片の高さh1、前記外の立ち上げ部の高さh2、前記外片の高さh3及び前記内の立ち上げ部の高さh4が、下記式(2)の関係を満足し、
    ビードベースラインBLからタイヤ断面高さSHの72%の高さをタイヤ半径方向外側に隔てたタイヤ外面位置P1でのバットレス部厚さW1、タイヤ最大断面幅点P2でのサイドウォール部厚さW2、及びビードベースラインBLからタイヤ断面高さSHの17%の高さをタイヤ半径方向外側に隔てたタイヤ外面位置P3でのビード部厚さW3は、下記式(3)及び(4)を満たすことを特徴とするランフラットタイヤ。
    T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10−3 …(1)
    (ただし、Nは上撚り数(回/10cm)、Dはトータル表示デシテックス(繊度)、ρはコード材料の比重である。)
    h1>h2>h3>h4…(2)
    0.90 ≦ W3/W1 ≦ 1.10 …(3)
    0.90 ≦ W3/W2 ≦ 1.30 …(4)
  2. 前記カーカスコードは、下撚りしたフィラメント束の2本を、上撚りにて互いに撚り合わせた2本撚り構造をなす請求項1に記載のランフラットタイヤ。
  3. 前記カーカスコードの撚り係数Tが、0.60〜0.70である請求項1又は2に記載のランフラットタイヤ。
  4. 前記トッピングゴムの複素弾性率E*は、5〜13MPaである請求項1ないし3のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
  5. 前記タイヤ外面のプロファイルは、前記タイヤ外面とタイヤ赤道面との交点であるタイヤ赤道点CPから接地端側に向かって曲率半径が漸減する複数の円弧からなる曲面によって形成される請求項1ないし4のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
  6. 正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填されしかも無負荷である正規状態におけるタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、
    前記タイヤ外面のプロファイルは、タイヤ赤道面からタイヤ最大断面幅SWの45%の距離SPを隔てるタイヤ外面上の点をPとするとき、
    タイヤ外面の曲率半径RCが、タイヤ赤道点CPから前記点Pに至るまでの間で徐々に減少するとともに、
    前記タイヤ赤道面から前記タイヤ最大断面幅SWの半幅(SW/2)の60%、75%、90%及び100%の距離X60、X75、X90及びX100 を夫々隔てるタイヤ外面上の各点と、タイヤ赤道点CPとの間の各半径方向距離をそれぞれY60、Y75、Y90及びY100 とし、かつタイヤ断面高さをSHとするとき、
    0.05< Y60 /SH ≦0.10
    0.10< Y75 /SH ≦0.20
    0.20< Y90 /SH ≦0.40
    0.40< Y100 /SH ≦0.70
    の関係を満足する請求項5記載のランフラットタイヤ。
  7. 前記サイド補強ゴム層のタイヤ最大断面幅点P2での厚さW4が9.0〜11.0mmである請求項1ないし6のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
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