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JP4562557B2 - 吸放湿性建材の施工方法及び透湿性構造体 - Google Patents

吸放湿性建材の施工方法及び透湿性構造体 Download PDF

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Description

本発明は、吸放湿性建材の吸放湿性を損なうことなく、吸放湿性建材を貼着できる吸放湿性建材の施工方法及び透湿性構造体に関するものである。
近年、快適な居住空間に対する関心が高まっている。これに関し、壁、天井等の内装面の表面仕上げにおいては、結露防止やカビ発生防止、あるいは湿度の調整による不快感抑制等の機能を有する吸放湿性仕上材への期待が高まっている。
例えば、特許文献1には、通気性を有する不織布と覆材との間に備長炭粒子を固定化した吸放湿シートが開示されている。また、特許文献2には、吸放湿性材料と水硬性物質とを含む吸放湿性基材の少なくとも一面に、吸放湿性材料粒粉が添加された塗料による塗膜層が形成されてなる吸放湿性建材が開示されている。
特開2001−18312号公報 特開2003−155786号公報
このような吸放湿シートや吸放湿性建材を壁、天井等の内装面に適用する場合、施工の簡素化、美観性の向上等の目的で、接着剤により貼り付ける工法が一般的に行われている。このような工法では、接着剤を使用して貼り付けるだけで仕上げられるため、熟練工を必要とせず、養生等も簡素化できるといった特徴を有する。
しかしながら、通常の接着剤は透湿性がほとんど考慮されていない。そのため、通常の接着剤を用いて貼り付けた場合、接着剤が、吸放湿性建材と壁、天井等の内装面との透湿性を妨げ、結露やカビを発生させるおそれがあった。さらに接着剤が吸放湿性建材に浸透し、吸放湿性建材本来の吸放湿性を妨げるおそれもあった。
これらの課題を解決するため、本発明者は鋭意検討を行い、その結果、透湿性を有する基材に対し、透湿性を有する接着材を介して、吸放湿性建材を積層することにより、優れた透湿性・吸放湿性を有し、結露やカビの発生を防止でき、快適な居住空間が得られることを見出した。さらに、吸放湿性建材本来の吸放湿性を損なうこともなく、より快適な居住空間が得られることを見出した。
即ち、本発明は、以下の特徴を有するものである。
1.透湿性を有する基材に対し、透湿性を有する接着材を介して、吸放湿性建材を積層する吸放湿性建材の施工方法であり、
上記接着材は、水蒸気透過度が30g/m・24h以上であり、構成成分として結合材100重量部に対し、平均粒子径0.001〜1mmの粉体を10〜1000重量部含み、
上記結合材として平均粒子径100〜500nmの合成樹脂エマルションを含み、
吸放湿性建材が、
結合材100重量部に対し、吸放湿性粉粒体を20〜2000重量部、及び骨材を50〜2500重量部含む吸放湿層の上に、
結合材100重量部に対し、平均粒子径0.01〜5mmの骨材を100〜4000重量部、化学物質吸着剤を0.1〜100重量部、及び光触媒物質を0.1〜50重量部含む透湿層が積層された積層体であることを特徴とする吸放湿性建材の施工方法。
2.1.に記載の吸放湿性建材の施工方法により得られる透湿性構造体。

本発明の施工方法によれば、優れた透湿性・吸放湿性を有し、結露やカビの発生を防止でき、快適な居住空間を得ることができる。さらに吸放湿性建材本来の吸放湿性を損なうこともなく、より快適な居住空間が得られる。
また、本発明の施工方法では、建材貼り付け時の接着材の乾燥固化性を向上させ、工期短縮をはかることもできる。
以下、本発明をその実施するための最良の形態に基づき詳細に説明する。
本発明は、透湿性を有する基材に対し、透湿性を有する接着材を介して、吸放湿性建材を積層することを特徴とする。
(透湿性を有する基材)
透湿性を有する基材(単に、「基材」ともいう。)としては、特に限定されないが、石膏ボード、合板、コンクリート、モルタル、磁器タイル、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板、石綿セメント板、ALC板、サイディング板等が挙げられる。これら基材の表面は、基材の透湿性が著しく損なわれない限り、何らかの表面処理(例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー等)が施されたものや、既に塗膜が形成されたものでもよく、また、壁紙が貼り付けられたものでもよい。
本発明では、透湿性を有する基材として、具体的には、水蒸気透過度が、30g/m・24h以上、さらには50g/m・24h以上、さらには80g/m・24h以上であるものが好ましい。このような水蒸気透過度を有することにより、基材や基材裏面(例えば、建築壁内部等)に存在する水分を十分透湿することができ、基材や基材裏面の結露やカビ発生等を防止することができる。なお、基材の水蒸気透過度は、JIS A1324:1995「建築材料の透湿性測定方法」5.2によって測定される値である。基材の厚さは9.5mmとする。
(接着材)
本発明では、上述の基材に吸放湿性建材を貼り付ける材料として、透湿性を有する接着材を使用する。
接着材の透湿性としては、具体的に、水蒸気透過度が、30g/m・24h以上、さらには50g/m・24h以上、さらには80g/m・24h以上であることが好ましい。このような水蒸気透過度を有することにより、基材や基材裏面(例えば、建築壁内部等)に存在する水分を十分透湿することができるため、結露やカビ発生等を防止することができ快適な居住空間を得ることができる。また、このような接着材は、吸放湿性建材に浸透したとしても、吸放湿性建材本来の吸放湿性能を妨げることがなく、快適な居住空間を得ることができる。同様に、基材に浸透したとしても、基材自体の透湿性を妨げることもない。
水蒸気透過度が30g/m・24hより小さい場合、水分の透湿が妨げられ、快適な居住空間が得られない場合があり、基材や基材裏面の結露やカビ発生等の原因となりやすい。水蒸気透過度の上限は、通常1000g/m・24h以下(好ましくは500g/m・24h以下、より好ましくは300g/m・24h以下)程度である。なお、接着材の水蒸気透過度は、JIS K5400:1990「塗料一般試験方法」8.17によって測定される値である。接着材の乾燥膜厚は0.5mmとする。
接着材を構成する成分としては、結合材、粉体等が挙げられる。
このうち結合材としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・ベオバ樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴムラテックス、天然ゴムラテックス等の溶剤可溶型、NAD型、水可溶型、水分散型、無溶剤型等を挙げることができ、これらのうち、1種または2種以上を複合して用いてもよい。
本発明では、特に、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・ベオバ樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂等の水溶性及び/または水分散性樹脂を用いることが好ましく、さらには、水分散性樹脂(樹脂エマルション)を用いることが好ましい。
さらに結合材は、反応性官能基を有するものを使用することが好ましい。このような反応性官能基を有する合成樹脂を使用する場合には、該反応性官能基と反応可能な官能基を有する合成樹脂と組み合わせたり、該反応性官能基と反応可能な官能基を有する架橋剤と組み合わせ、使用することが好ましい。反応性官能基を有する合成樹脂を使用することにより、硬化した接着材の水蒸気透過性を向上させ、さらに付着強度、耐水性等を向上させることができる。
反応性官能基と該反応性官能基と反応可能な官能基の組み合わせとしては、例えば、カルボキシル基とアミノ基、カルボキシル基と金属イオン、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基等が挙げられる。
結合材のガラス転移温度は、作業性、粘着性、付着性等を考慮して設定すればよいが、通常は40℃以下、好ましくは−50〜30℃とすればよい。
結合材として合成樹脂エマルションを用いる場合、合成樹脂エマルションの平均粒子径は、100〜500nm、さらには130〜400nmであることが好ましい。平均粒子径がこのような範囲であれば、密着性に優れ、より優れた水蒸気透過性を示すとともに、基材や吸放湿性建材に合成樹脂エマルションが浸透しにくく、吸放湿性建材の吸放湿性の妨げをより防止することができる。
平均粒子径が100nmより小さい場合は、吸放湿性建材に浸透しやすく、吸放湿性建材の吸放湿性を妨げるおそれがある。平均粒子径が500nmより大きい場合は、密着性が低下するおそれがある。
なお、水分散性樹脂の平均粒子径は、動的光散乱法により測定される値であり、具体的には、動的光散乱測定装置として、マイクロトラック粒度分析計(例えば、UPA150、日機装株式会社製)を用い、検出された散乱強度をヒストグラム解析法のMarquardt法により解析した値である(測定温度は25℃)。
粉体としては、特に限定されないが、シリカ、シリカゲル、ベーマイト、タルク、ゼオライト、クレイ、カオリン、炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、アルミナ、アロフェン、珪藻土、珪質頁岩、セピオライト、アタバルジャイト、モンモリロナイト、ゾノライト、イモゴライト、大谷石粉、活性白土、木炭、竹炭、活性炭、木粉、貝殻粉、樹脂ビーズ等が挙げられる。
粉体の平均粒子径は、特に限定されないが、通常0.001〜1mm(好ましくは0.01〜0.5mm、より好ましくは0.01〜0.1mm)である。平均粒子径がこのような範囲であることにより、密着性に優れ、より優れた水蒸気透過性を示すことができる。平均粒子径が1mmより大きい場合は、密着性が低下するおそれがある。
本発明では、粉体として吸放湿性粉体を含むことが好ましい。このような吸放湿性粉体としては、温度20℃・相対湿度90%における吸湿率が、通常10%以上、好ましくは20%以上の性能を有するものが好ましい。なお、温度20℃・相対湿度90%における吸湿率とは、試料を温度20℃・相対湿度45%の恒温恒湿器にて24時間乾燥した後、温度20℃・相対湿度90%の恒温恒湿器にて24時間吸湿させたときの重量変化より求められる値である。すなわち、
吸湿率(%)={(吸湿後の重量−乾燥後の重量)/乾燥後の重量}×100
本発明では、粉体に吸放湿性を付与するため、親水化処理したり、親水性官能基を付与したりする等、何らかの処理を施してもよい。
粉体の構成比率は、結合材100重量部(固形分)に対し、通常10〜1000重量部、好ましくは30〜1000重量部、より好ましくは100〜800重量部、さらに好ましくは300〜800重量部である。粉体の構成比率がこのような範囲内であれば、作業性、接着性、防火性、耐汚染性等の点で好適である。また、吸放湿性建材施工時に接着材がはみ出しても、容易に除去することができる。
接着材を構成する成分として、上記成分の他に、可塑剤、老化防止剤、硬化剤、増粘剤、着色剤、凍結防止剤、乾燥調整剤、防腐剤、造膜助剤等を含有することもできる。
接着材は、通常液体状のものが好ましいが、固体状の接着テープ等でもよい。
(吸放湿性建材)
本発明における吸放湿性建材は、十分な調湿効果を有し、快適な居住空間を得ることができるものである。具体的に、その吸放湿量は50g/m以上(好ましくは80g/m以上、より好ましくは100g/m以上)であることが望ましい。このような吸放湿性建材を使用することによって、室内空間において十分な調湿効果を得ることができ、より快適な居住空間を得ることができる。なお、吸放湿量は、吸放湿性建材の裏側面をアルミニウム粘着テープでシールした後、JIS A6909:2003「建築用仕上塗材」7.32.2の手順によって測定される値である。
また、吸放湿性建材の水蒸気透過度は、30g/m・24h以上、さらには50g/m・24h以上、さらには80g/m・24h以上であることが好ましい。このような水蒸気透過度を有することにより、吸放湿性建材や基材、また基材裏面(例えば、建築壁内部等)に存在する水分を十分透湿することができ、基材や基材裏面の結露やカビ発生等を防止することができる。なお、吸放湿性建材の水蒸気透過度は、JIS A1324:1995「建築材料の透湿性測定方法」5.2によって測定される値である。
吸放湿性建材は、上記吸放湿性能を有する限り、その組成は特に制限されず、公知の吸放湿材料を使用することもできる。吸放湿性材料としては、例えば、木炭、珪藻土、シリカゲル、ゼオライト、アロフェン等の吸放湿性粉粒体をセメント、石膏、樹脂等で固定化したものが挙げられる。
本発明における吸放湿性建材としては、結合材、吸放湿性粉粒体を含むものが好適である。このような吸放湿性建材を採用することにより、優れた調湿性能を得ることができる。
結合材としては、有機質樹脂が好適である。有機質樹脂としては、例えば水溶性樹脂、水分散性樹脂、溶剤可溶形樹脂、無溶剤形樹脂、非水分散形樹脂、粉末樹脂、加熱溶融樹脂等の各種結合材、あるいはこれらを複合化したもの等を使用することができる。このうち、本発明では水分散性樹脂(樹脂エマルション)が好適である。水分散性樹脂としては、その平均粒子径が50μmを超え(好ましくは80μm超、より好ましくは100μm超)、かつ500μm未満(好ましくは400μm未満、より好ましくは300μm未満)であるものが、調湿性能の点で好適である。使用可能な樹脂の種類としては、例えば、セルロース、ポリビニルアルコール、エチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの複合系等が挙げられる。
結合材として有機質樹脂を使用する場合、そのガラス転移温度は、通常−50〜120℃、好ましくは−20〜100℃、より好ましくは−10〜80℃である。ガラス転移温度がこのような範囲内であれば、積層体に可撓性を付与することが可能となる。なお、本発明におけるガラス転移温度は、有機質樹脂を構成するモノマーの種類とその構成比率から、Foxの計算式によって求められる値である。
吸放湿性粉粒体としては、例えば、ベーマイト、シリカゲル、ゼオライト、硫酸ナトリウム、アルミナ、アロフェン、珪藻土、珪質頁岩、セピオライト、アタバルジャイト、モンモリロナイト、ゾノライト、イモゴライト、大谷石粉、活性白土、木炭、竹炭、活性炭、木粉、貝殻粉、多孔質合成樹脂粒等が使用できる。吸放湿性粉粒体の平均粒子径は、通常0.001〜1mm、好ましくは0.01〜0.5mm、より好ましくは0.01〜0.1mm、さらに好ましくは0.01〜0.09mmである。なお、吸放湿性粉粒体の平均粒子径は、遠心沈降式粒度分布測定装置によって測定される50%粒子径の値である。
このような吸放湿性粉粒体は、温度20℃・相対湿度90%における吸湿率が、通常10%以上、好ましくは20%以上の性能を有するものである。このような吸湿率を有することにより、湿度の調整による不快感抑制等の機能をより向上させることができ、より快適な居住空間を得ることができる。また、基材や基材裏面の結露やカビ発生等を防止することができる。
吸放湿性粉粒体の構成比率は、結合材100重量部(固形分)に対し、通常20〜2000重量部(好ましくは100〜1500重量部、より好ましくは200〜1000重量部)であることが好ましい。吸放湿性粉粒体の構成比率が小さすぎる場合は、十分な調湿性能を得ることが困難となる。また、防火性の点においても不利となる。吸放湿性粉粒体の構成比率が大きすぎる場合は、積層体の強度や可撓性が不十分となる。
本発明における吸放湿性建材としては、さらに骨材を含むものが好ましい。骨材の平均粒子径は、通常0.01〜5mm、好ましくは0.05〜2mm、より好ましくは0.1〜1mmのものが好適である。このような骨材を使用することにより、調湿性能をいっそう高めることができる。また、吸放湿性建材の厚膜化を図ることもできる。なお、骨材の平均粒子径は、JIS Z8801−1:2000に規定される金属製網ふるいを用いてふるい分けを行い、その重量分布の平均値を算出することによって得られる値である。
骨材の種類は特に限定されず、天然品、人工品のいずれも使用することができる。具体的には、例えば、重質炭酸カルシウム、寒水石、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、タルク、バライト粉、珪砂、砂利、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、金属粒、あるいは岩石、ガラス、陶磁器、焼結体、コンクリート、モルタル、プラスチック、ゴム等の破砕品等が挙げられる。これらに着色を施したものも使用することができる。なお、上述の骨材の温度20℃・相対湿度90%における吸湿率は、通常10%未満、好ましくは3%以下である。
骨材の構成比率は、結合材100重量部(固形分)に対し、通常50〜4000重量部(好ましくは100〜3000重量部、より好ましくは300〜2000重量部)であることが好ましい。骨材比率が小さすぎる場合は、調湿性能の向上効果が得られない。骨材比率が大きすぎる場合は、骨材が脱離しやすくなる。また、可撓性を付与することが困難となる。
本発明における吸放湿性建材としては、上述の成分に加え、さらに化学物質吸着剤を含有するものが好適である。化学物質吸着剤は、有害ガス(例えば、ホルムアルデヒド、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、トリメチルアミン等)の吸着、再放出防止に有効な成分である。化学物質吸着剤としては、例えば、アミン化合物、尿素化合物、アミド化合物、イミド化合物、ヒドラジド化合物、アゾール化合物、アジン化合物、層状リン酸化合物、アルミノ珪酸塩等が挙げられる。この中でも、層状リン酸化合物、アルミノ珪酸塩から選ばれる1種以上が好適であり、特にアルミノ珪酸塩が好適である。このような化学物質吸着剤の平均粒子径は、通常0.5〜100μm(好ましくは1〜50μm)程度である。
層状リン酸化合物としては、層状リン酸ジルコニウム、層状リン酸亜鉛、層状リン酸チタン、層状リン酸アルミニウム、層状リン酸マグネシウム、層状リン酸セリウム等が挙げられ、これら層状リン酸化合物にアミン化合物がインターカレートされたもの好適である。アミン化合物としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、アニリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、プロピレンジアミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン等が挙げられる。
アルミノ珪酸塩としては、亜鉛、銅、銀、コバルト、ニッケル、鉄、チタン、バリウム、スズ及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の金属とアルミニウムと珪素の複合酸化物が挙げられる。
本発明では、吸放湿性建材を構成する成分として光触媒物質を使用することもできる。光触媒物質は、有害ガスの分解、再放出防止に有効な成分である。さらに、透湿層に付着した汚染物質(タバコのヤニ等)を分解する性能も有する。光触媒物質としては、例えば、TiO、ZnO、Bi、BiVO、SrTiO、CdS、InP、InPb、GaP、GaAs、BaTiO、BaTiO、BaTi、KNbO、Nb、Fe、Ta、Ta、KTaSi、WO、SnO、NiO、CuO、SiC、MoS、RuO、CeO等の他、これらと金属、金属酸化物、層状化合物等との複合体等が挙げられる。このような光触媒物質の平均粒子径は、通常0.001〜1μm(好ましくは0.01〜0.5μm)程度である。
なお、光触媒物質として、吸放湿性粉粒体に光触媒物質を担持したものは、吸湿によって光触媒作用が阻害されるおそれがあるため、使用しないほうがよい。
本発明では、特に、化学物質吸着剤と光触媒物質を併用することが好ましい。化学物質吸着剤と光触媒物質を併用することによって、有害ガスの吸着・分解・再放出防止において実用的な性能を得ることができ、吸放湿性建材に有害ガスフィルター効果を付与することができる。本発明では、特に、室内側、基材側の両面において、侵入する有害ガスの吸着・分解・再放出防止性能を得ることができる。
吸放湿性建材には、上述の成分以外に、例えば、顔料、繊維、可塑剤、抗菌剤、防黴剤、防虫剤、難燃剤、滑剤、造膜助剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤等が含まれていてもよい。
本発明における吸放湿性建材としては、吸放湿層の上に、化学物質吸着剤及び光触媒物質を有する透湿層が積層された積層体が好適である。このような吸放湿性建材では、有毒ガスの大半は吸湿時に透湿層で吸着・分解される。仮に有毒ガスが透湿層を通過して吸放湿層に到達した場合であっても、これらは放湿時に透湿層で吸着・分解される。すなわち、透湿層が有害ガスのフィルターとして効果的に作用し、有害ガスの吸着・分解性能と、有害ガスの再放出防止性能において優れた性能を発揮することができる。
具体的に、吸放湿層としては、結合材100重量部に対し吸放湿性粉粒体を20〜2000重量部(好ましくは100〜1500重量部、より好ましくは200〜1000重量部)含むものが好適である。
結合材として有機質樹脂を使用する場合、そのガラス転移温度は、通常−50〜100℃、好ましくは−20〜80℃、より好ましくは−10〜50℃である。ガラス転移温度がこのような範囲内であれば、積層体に可撓性を付与することが可能となる。結合材として、架橋反応性を有する有機質樹脂を使用することにより、吸放湿性、耐水性、耐薬品性等の諸物性を高めることもできる。
吸放湿層には、さらに骨材を含むこともできる。骨材の構成比率は、結合材100重量部(固形分)に対し、通常50〜2500重量部、好ましくは100〜2000重量部、より好ましくは300〜1500重量部である。このような構成比率であれば、調湿性、強度、可とう性等の点で好適である。
透湿層としては、結合材、平均粒子径0.01〜5mmの骨材、化学物質吸着剤、及び光触媒物質を必須成分とするものが好適である。このような透湿層を採用することにより、有害ガスの吸着・分解効果、再放出抑制効果をいっそう高めることができる。
具体的に、透湿層としては、結合材100重量部に対し、平均粒子径0.01〜5mmの骨材を100〜4000重量部、化学物質吸着剤を0.1〜100重量部、及び光触媒物質を0.1〜50重量部含むものが好適である。
透湿層における有機質樹脂のガラス転移温度は、通常−30〜120℃、好ましくは−10〜100℃、より好ましくは0〜80℃である。ガラス転移温度がこのような範囲内であれば、積層体に適度な可撓性を付与することができ、積層体表面の汚染物質付着防止の点でも好適である。透湿層における有機質樹脂が架橋反応性を有する場合は、透湿性、耐水性、耐薬品性等の点で有利であり、光触媒物質に対する抵抗性を高めることもできる。
透湿層における有機質樹脂のガラス転移温度は、吸放湿層における有機質樹脂のガラス転移温度よりも高く(好ましくは5℃以上高く、より好ましくは10℃以上高く)設定することが望ましい。このようなガラス転移温度の設定により、切断等の加工が容易となり、施工現場の状況に応じて積層体を自由に加工することが可能となる。具体的には、吸放湿層における有機質樹脂のガラス転移温度が−20〜80℃、透湿層における有機質樹脂のガラス転移温度が−10〜100℃であり、かつ透湿層における有機質樹脂のガラス転移温度が、吸放湿層における有機質樹脂のガラス転移温度よりも5℃以上高くなるように設定することが望ましい。
透湿層における骨材の構成比率は、結合材100重量部(固形分)に対し、通常100〜4000重量部、好ましくは300〜3000重量部、より好ましくは500〜2000重量部である。このような構成比率であれば、透湿性、吸放湿性、有害ガス吸着・分解性、仕上り性等の点で好適である。
化学物質吸着剤の構成比率は、結合材100重量部(固形分)に対し、通常0.1〜100重量部、好ましくは1〜80重量部、より好ましくは5〜50重量部とする。化学物質吸着剤の構成比率がこのような範囲内であれば、有害ガスの吸着効果、再放出防止効果において十分な性能を得ることができる。また、意匠性や耐水性、あるいはコスト面等においても好適である。
光触媒物質の構成比率は、結合材100重量部(固形分)に対し、通常0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部とする。光触媒物質の構成比率がこのような範囲内であれば、有害ガスの分解性、再放出防止性、意匠性、耐久性等の点で好適である。
本発明における吸放湿性建材は、公知の方法により製造することができる。具体的な製造方法としては、上記成分の混合物を型枠に流し込み、硬化後に脱型する方法、または、上記成分の混合物を加熱ニーダーおよび圧延ロールで成形する方法等が挙げられる。
本発明における吸放湿性建材は、シート状成型体として用いることが好適であり、1層構造のシート状成型体でもよいし、2層以上を積層したシート状成型体でもよい。吸放湿層と透湿層からなる2層構造のシート状成型体を製造する場合は、(i)透湿層形成用組成物を型枠に流し込んだ後、吸放湿層形成用組成物を積層し、硬化後に脱型する方法;(ii)吸放湿層形成用組成物を型枠に流し込んだ後、透湿層形成用組成物を積層し、硬化後に脱型する方法;(iii)透湿層形成用組成物を加熱ニーダーおよび圧延ロールで成形した層(シート)と、吸放湿層形成用組成物を加熱ニーダーおよび圧延ロールで成形した層(シート)を積層する方法;等の製造方法が採用できる。また、吸放湿性建材の製造においては、織布、不織布、セラミックペーパー、合成紙、ガラスクロス、メッシュ等の補強材を積層することもできる。
吸放湿性建材の厚さは、使用用途等に合わせて適宜設定すればよいが、通常1mm〜30mm、好ましくは1.5mm〜20mm、より好ましくは2mm〜10mm程度とすればよい。
(施工方法)
本発明では、基材に対し、透湿性を有する接着材を介して吸放湿性建材を積層する。
接着材は、基材側及び/または吸放湿性建材側に塗付すればよい。この際、接着材は、基材側及び/または吸放湿性建材側の全面に塗付することもできるし、部分的に塗付することもできる。また接着材の表面は、フラット状でもよいし、凹凸状になるように塗付してもよい。
本発明では、密着性、強度を考慮し、接着材を基材側及び/または吸放湿性建材側の全面に塗付することが好ましい。接着材を全面に塗付することにより、本発明の効果を十分に発揮することができる。すなわち、密着性、強度とともに、優れた透湿性、調湿性を示すことができる。
接着材を塗付する際には、こて、ヘラ、刷毛、ローラー等の器具を用いることができる。
接着材の塗付量は、吸放湿性建材の重量や用途等に合わせて適宜設定すればよいが、通常50〜1500g/m、好ましくは200〜1000g/m程度とすればよい。
吸放湿性建材を基材に貼り付ける際には、建材どうしの突き合せ部に所定の間隙(目地)を設けることもできる。この場合、接着材が目地部で露出した状態にすることもできる。
吸放湿性建材貼着時にはみ出した接着材は、公知の方法により適宜除去すればよい。接着材として比較的粉体量の多いものを使用した場合は、接着材固化後にカッター等で容易に切断除去することも可能である。
吸放湿層と透湿層からなる吸放湿性建材を施工する場合は、通常、吸放湿層側が接着材に接するようにして基材に貼着すればよい。
このようにして得られる、透湿性を有する基材、透湿性を有する接着材及び吸放湿性建材からなる吸放湿性構造体は、透湿性、吸放湿性に優れ、室内空間において十分な調湿効果を得ることができ、快適な居住空間を得ることができる。また室内空間だけでなく、基材や基材裏面(例えば、建築壁内部等)に存在する水分を十分透湿することができ、基材や基材裏面の結露やカビ発生等を防止することができ、より快適な居住空間を得ることができる。
具体的に吸放湿性構造体の吸放湿量としては、50g/m以上、好ましくは80g/m以上、より好ましくは100g/m以上であることが好ましい。このような値であることによって、室内空間において十分な調湿効果を得ることができ、より快適な居住空間を得ることができる。なお、吸放湿量は、吸放湿性構造体の裏側面をアルミニウム粘着テープでシールした後、JIS A1470−1:2002「調湿建材の吸放湿性試験方法」7.2の手順によって測定される値である。
(接着材の作製)
接着材1:アクリル樹脂エマルション(平均粒子径140nm、ガラス転移温度0℃、固形分50重量%)20重量部、重質炭酸カルシウム(平均粒子径20μm)66重量部、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート1重量部を混合し、接着材1を作製した。
接着材2:アクリル樹脂エマルション(平均粒子径80nm、ガラス転移温度30℃、固形分38重量%)20重量部、重質炭酸カルシウム(平均粒子径20μm)66重量部、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート1重量部を混合し、接着材2を作製した。
接着材3:アクリル樹脂エマルション(平均粒子径140nm、ガラス転移温度0℃、固形分50重量%)20重量部、重質炭酸カルシウム(平均粒子径20μm)60重量部、ベーマイト(平均粒子径150μm、吸湿率35%)6重量部、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート1重量部を混合し、接着材3を作製した。
接着材4:溶剤可溶型アクリル樹脂(ガラス転移温度0℃、固形分50重量%)28重量部、重質炭酸カルシウム(平均粒子径20μm)66重量部、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート1重量部を混合し、接着材4を作製した。
接着材5:無溶剤型エポキシ樹脂接着材
(接着材の水蒸気透過度)
この接着材1〜5を、和紙に乾燥膜厚が0.5mmとなるように塗付し、24時間乾燥後の水蒸気透過度を、JIS K5400:1990「塗料一般試験方法」8.17によって測定した。結果は次に示す。
接着材1:85g/m・24h
接着材2:60g/m・24h
接着材3:110g/m・24h
接着材4:27g/m・24h
接着材5:0g/m・24h
(吸放湿性建材の作製)
(吸放湿性建材1)
アクリル樹脂エマルション(モノマー組成:2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリルアミド、ガラス転移温度15℃、固形分50重量%)200重量部、珪砂(平均粒子径120μm)50重量部、着色珪砂(平均粒子径120μm)1200重量部、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート8重量部、水700重量部を均一に攪拌・混合したペースト状物1を、離型剤を塗付した型枠(縦150mm×横70mm×深さ5mm)に流し込み、こてを用いて平滑にならし、23℃で24時間乾燥させた。
さらに、アクリル樹脂エマルション(モノマー組成:2−エチルヘキシルアクリレート、スチレン、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、ガラス転移温度0℃、固形分50重量%)200重量部、ベーマイト(平均粒子径150μm、吸湿率35%)550重量部、珪砂(平均粒子径120μm)670重量部、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート3重量部、水700重量部を均一に攪拌・混合したペースト状物2を、ペースト状物1の上に流し込み、こてを用いて平滑にならした。
23℃で24時間乾燥後脱型することにより、透湿層(ペースト状物1の硬化物;厚み2.0mm)と吸放湿層(ペースト状物2の硬化物;厚み1.5mm)からなる吸放湿性建材1を得た。この吸放湿性建材1の厚みは3.5mmであった。
(吸放湿性建材2)
アクリル樹脂エマルション(モノマー組成:2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、アクリルアミド、ガラス転移温度15℃、固形分50重量%)200重量部、珪砂(平均粒子径120μm)50重量部、着色珪砂(平均粒子径120μm)1200重量部、アミン複合層状リン酸ジルコニウム(平均粒子径45μm)20重量部、アナターゼ型酸化チタン(平均粒子径0.02μm)5重量部、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート8重量部、水700重量部を均一に攪拌・混合したペースト状物3を、離型剤を塗付した型枠(縦150mm×横70mm×深さ5mm)に流し込み、こてを用いて平滑にならし、23℃で24時間乾燥させた。
さらに、ペースト状物2をペースト状物3の上に流し込み、こてを用いて平滑にならした。
23℃で24時間乾燥後脱型することにより、透湿層(ペースト状物3の硬化物;厚み2.0mm)と吸放湿層(ペースト状物2の硬化物;厚み1.5mm)からなる吸放湿性建材2を得た。この吸放湿性建材2の厚みは3.5mmであった。
(吸放湿性建材の吸放湿試験)
吸放湿性建材1、2それぞれの側面及び裏面(それぞれ吸放湿層側)をアルミニウム粘着テープでシールした後、JIS A6909:2003「建築用仕上塗材」7.32.2の手順によって、80℃±2℃で7日間静置した後、吸放湿量(g/m)を測定した。その結果、吸放湿量は、吸放湿性建材1が210g/m、吸放湿性建材2が200g/mであった。
(吸放湿性建材の水蒸気透過度)
吸放湿性建材1、2の水蒸気透過度(g/m・24h)を、JIS A1324:1995「建築材料の透湿性測定方法」5.2の手順によって、測定した。その結果、水蒸気透過度は、吸放湿性建材1が282g/m・24h、吸放湿性建材2が270g/m・24hであった。
(試験例1)
石膏ボード(縦100mm×横100mm×厚さ9.5mm)の上に、接着材1をヘラを用いて乾燥膜厚が0.5mmとなるように全面に塗付した後、吸放湿性建材1を裏面(吸放湿層側)が接着材に接するようにして貼り付け、試験体を得た。なお、石膏ボードの水蒸気透過度は、250g/m・24hであった。
(吸放湿試験)
試験体の側面及び裏面(石膏ボード面)をアルミニウム粘着テープでシールした後、JIS A1470−1:2002「調湿建材の吸放湿性試験方法」7.2の手順によって、80℃±2℃で7日間静置した後、吸放湿量(g/m)を測定した。その結果、吸放湿量は280g/mであり、吸放湿性建材1のみに比べ、吸放湿性が大幅に向上した。
(試験例2)
接着材1の代わりに、接着材2を使用した以外は、試験例1と同様の方法で試験体を作製し、吸放湿試験を行った。その結果、吸放湿量は268g/mであり、吸放湿性建材1のみに比べ、吸放湿性が向上した。
(試験例3)
接着材1の代わりに、接着材3を使用した以外は、試験例1と同様の方法で試験体を作製し、吸放湿試験を行った。その結果、吸放湿量は294g/mであり、吸放湿性建材1のみに比べ、吸放湿性が大幅に向上した。
(試験例4)
接着材1の代わりに、接着材4を使用した以外は、試験例1と同様の方法で試験体を作製し、吸放湿試験を行った。その結果、吸放湿量は236g/mであり、吸放湿性建材1のみに比べ、吸放湿性が向上した。
(試験例5)
接着材1の代わりに、接着材5を使用した以外は、試験例1と同様の方法で試験体を作製し、吸放湿試験を行った。その結果、吸放湿量は185g/mであり、吸放湿性建材1のみに比べ、吸放湿性が低下した。
(試験例6)
吸放湿性建材1の代わりに、吸放湿性建材2を使用した以外は、試験例1と同様の方法で試験体を作製し、吸放湿試験を行った。その結果、吸放湿量は269g/mであり、吸放湿性建材1のみに比べ、吸放湿性が向上した。
さらに試験例6においては、下記の有害ガスの吸着・分解性能試験、有害ガスの再放出防止性能を行った。
(有害ガスの吸着・分解性能試験)
実施例1と同様の方法で、試験体の側面及び裏面(石膏ボード面)をアルミニウム粘着テープでシールしたものを試験体とした。この試験体を3リットルにおい袋に入れ、ホルムアルデヒド(20ppm)を拡散させたwet air(23℃・90%RH)を、このにおい袋中に充填して密閉した。30分後、検知管を用いて、におい袋中のホルムアルデヒド濃度を測定し、分解率を下記式によって求めた。その結果、99%であり、有害ガスの吸着・分解性能に優れていた。
分解率(%)=[(初期ホルムアルデヒド濃度−試験後ホルムアルデヒド濃度)/初期ホルムアルデヒド濃度]×100
(有害ガスの再放出防止性能)
有害ガスの吸着・分解性能試験後の試験体を新たな3リットルにおい袋中に入れ、dry air(23℃・45%RH)を充填して密閉した。このにおい袋を50℃条件下、24時間加熱後、検知管を用いて、におい袋中のホルムアルデヒド濃度を測定し、ホルムアルデヒドの再放出の有無を確認した。その結果、ホルムアルデヒドの再放出は認められなかった。

Claims (2)

  1. 透湿性を有する基材に対し、透湿性を有する接着材を介して、吸放湿性建材を積層する吸放湿性建材の施工方法であり、
    上記接着材は、水蒸気透過度が30g/m・24h以上であり、構成成分として結合材100重量部に対し、平均粒子径0.001〜1mmの粉体を10〜1000重量部含み、上記結合材として平均粒子径100〜500nmの合成樹脂エマルションを含み、
    上記吸放湿性建材が、
    結合材100重量部に対し、吸放湿性粉粒体を20〜2000重量部、及び骨材を50〜2500重量部含む吸放湿層の上に、
    結合材100重量部に対し、平均粒子径0.01〜5mmの骨材を100〜4000重量部、化学物質吸着剤を0.1〜100重量部、及び光触媒物質を0.1〜50重量部含む透湿層が積層された積層体であることを特徴とする吸放湿性建材の施工方法。
  2. 請求項1に記載の吸放湿性建材の施工方法により得られる透湿性構造体。

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