JP2005105010A - 無機系塗料とそれを用いたvoc吸着機能材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 配合割合30〜70重量%の消石灰と、配合割合1〜50重量%の有機樹脂バインダーと、配合割合1〜50重量%の粉末活性炭と、配合割合30〜68重量%の水とを有するものである。
【選択図】 図1
Description
こうした背景の下で、各建材メーカー、建具メーカーに限らず、人が居住あるいは活動する建築物に使用する塗料や壁紙などのメーカー、ならびに調度品や装飾品などのメーカーはこのようなVOCを極力使用しない製品の開発に注力しているところである。
そこで、次善の策として、建築物から発生したVOCを人体に有害な濃度にならないように除去することが考えられる。手段としては、強制換気による屋外への放出あるいは室内においての処理の二通りがある。前者の強制換気においては、その吸気および排気装置の配置および能力が十分であれば目的を達成することは可能であるが、常時大量の換気が必要な程度のものとなるときは、夏季の冷房時あるいは冬季の暖房時、また長時間の停電時を想定すると実用的とは言えない。
後者の室内における処理については、技術的にはVOCの吸着機能と空気循環機能を備えた小型の機器を設置することも考えられるが、基本的に仕切られている各部屋に設置することが必要となり、また年月が経過しVOCの発生がなくなった時点では不要となることから、一般的に使用される手段とはならない。
そこで、室内における処理の他の手段として建築部材にVOCの吸着機能を持たせることが考えられる。この方法では、設置のための特別な場所を必要とせず、壁や天井に適用すれば吸着のための広い面積を利用できる、かつ動力も不用であり非常に有効な手段である。しかしながら、このような手段でVOCを積極的に除去する方法は提案されていないのが現状である。
また、特許文献2には、「小麦ふすまを利用した建材用組成物」として、小麦ふすまを含有する建材用組成物や小麦ふすまと無機系バインダーを含有する組成物などが開示されている。このように小麦ふすまを使用する特許文献2に開示された技術によれば、小麦ふすまが備える生分解性や湿度調節性を利用して自然環境にやさしく、生活環境を向上させる建材用組成物を提供することができる。
特許文献3には、「調湿性防火材料」として、粒度が100μm以下の吸放湿性材料と、水硬性物質からなる調湿性防火材料が開示されている。この技術によれば、杉製材品と同等又はそれ以上の吸放湿性を有し、耐火性、防火性を備えた防火建材を提供することができる。
さらに、特許文献4及び特許文献5には、「塗料組成物」として消石灰、アクリル樹脂、酸化チタン及び水を含有する塗料組成物であって、消石灰の配合割合が30〜80重量%、アクリル樹脂がアクリル酸などから選択される少なくとも1種をモノマー成分とするモノポリマーまたはコポリマーであって、該樹脂の消石灰100重量部に対する配合割合が10〜70重量部、酸化チタンの消石灰100重量部に対する配合割合が2〜30重量部である建築用塗料組成物や、消石灰、ポリマー成分及び水を含有する塗料組成物であって、塗液またはその乾燥塗膜の性質がJISK5663−1995に規定される少なくとも2種ペイントの性質を満たすものである塗料組成物が開示されている。この特許文献4、5に開示される技術によれば、漆喰の美粧性や機能性を保ちつつ、耐アルカリ性や耐洗浄性、調湿性、防カビ性、耐火性を備える塗料組成物を提供することができる。
これらの発明に係る無機系塗料に含まれる消石灰は、古来より漆喰として壁建材に使用されており、気硬性があるため塗布した後、硬化して堅固な層または塗膜を形成する作用を有する。この層または塗膜は多孔質であるため調湿機能を発揮し、この調湿機能と相まってアルカリ性であることから防菌、防黴機能を発揮する作用を備える。
活性炭は周知のように有機化合物全般に対して大きな吸着機能を有している。本発明の最も特徴とする点は、この機能を損なうことなく塗料成分の一つとしたことである。すなわち、粉末活性炭を消石灰に担持させることにより、消石灰の特質を維持すると共に、消石灰の層または塗膜が多孔質体であるところ、これに混在する粉末活性炭粒子の周囲には空隙を確保できるように作用するため、環境空気からのVOC吸着に関して粉末活性炭の能力を効果的に発揮できることになる。本発明の特徴の1つとして、この消石灰に粉末活性炭を混ぜて、消石灰に担持させることによって、より粉末活性炭の能力を高く発揮させることにある。
消石灰の配合割合は30〜70重量%であり、粉末活性炭または竹炭または木炭の配合割合は1〜50重量%であるが、消石灰と粉末活性炭または竹炭または木炭を合計した配合割合は35〜65重量%の範囲が好ましい。35重量%未満であると、塗布したときの膜の厚みが薄くなり、VOCの吸着除去機能や塗布する下地の隠ぺい性を確保するためには3回以上の塗り重ねが必要になる。また、65重量%を超えると粘性が大きくなりすぎて、ヘラやコテを使用しても塗布しにくくなる。
また、消石灰と粉末活性炭または竹炭または木炭の重量比は100:3〜100:50の範囲が好ましい。粉末活性炭または竹炭または木炭の量は多い方がVOCの吸着除去の効果が大きいが、これより多いと塗布した後の乾燥後の層または塗膜の硬度が低下するためである。
有機樹脂バインダーの配合割合は1〜50重量%であるが、より好ましくは1〜10重量%である。有機樹脂バインダーが多いと塗布する基材への接着性や塗布した層または塗膜のヒビ割れ防止にはよりよい効果があるが、多孔性を低下させたり、粉末活性炭粒子の表面積を低下させることにより、VOCの吸着能力を低下させることになるからである。
水の配合割合は30〜68重量%であるが、より好ましくは35〜60重量%である。35重量%未満であると、粘性が大きくなりすぎてヘラやコテを使用しても塗布しにくくなる。また、60重量%を超えると塗布したときの膜の厚みが薄くなり、VOCの吸着除去機能や塗布する下地の隠ぺい性を確保するためには3回以上の塗り重ねが必要になるからである。
なお、本発明による塗料は、主成分が消石灰および粉末活性炭または竹炭または木炭であるので、従来から周知となっている、調湿機能や、消臭機能も有していることは言うまでもない。
また、塗布する基材としては接着性の点からせっこうボード、スレート、モルタルおよびベニヤ板などの多孔質体がより好ましいが、化粧合板や塩化ビニルなどの樹脂製壁紙にも使用できるので、建築物の内装のリフォームの時にも直接これらの上に塗装することでVOCの吸着除去機能をもたせることができる。
さらに、畜舎の壁に塗布することにより、臭気および有機化合物を吸着除去することが可能である。ただし、畜舎の場合は、人が居住または活動するための建築物と異なり、発生する臭気および有機化合物の量が多い場合が多いので、本発明による配合割合の範囲で粉末活性炭を多くしたり、定期的に本発明による塗料を上塗りすることが好ましい。
本発明によるVOC吸着機能材においては、上述の無機系塗料の効果を備えつつ、その無機系塗料を塗布した第一機能層の上層に第二機能層を化粧層として設けているため、VOC吸着機能を発揮しつつ、さらに表面は美粧性を十分に発揮できる。また、紙や布によればさらに美しい模様や装飾も可能であり、利用者の希望に沿ったデザインを提供することができる。
さらに、セピオライトやポリビニルアルコールを含有させることによって、二層構造としても、より強固なVOC吸着機能材を提供することができる。
本実施の形態に係る無機系塗料は、請求項1に関しては配合割合30〜70重量%の消石灰と、配合割合1〜50重量%の有機樹脂バインダーと、配合割合1〜50重量%の粉末活性炭及び/又は竹炭及び/又は木炭と、配合割合30〜68重量%の水で構成される。
消石灰は、一般に市場に提供されている消石灰であれば特に限定されない。粒状の消石灰の場合は各成分と混合するときに粉末状に解砕されて粉状になれば問題ないが、粒状で残った場合は塗料としての乾燥後の美観が悪く、また粒の破砕による消石灰粉の発生を生じるという問題点がある。かつ、一般に粒状の消石灰は、粉末消石灰よりも高価である。このようなことから、本発明に使用する消石灰は粉末消石灰が好ましい。
また、竹炭および木炭についても、その製造方法および製造条件によりVOCの吸着能力は異なるが、当然のこととしてVOC吸着能力の大きいものが好ましく、粒子径も小さいほうが好ましい。
さらに、本実施の形態に係る無機系塗料の成分は消石灰、有機樹脂バインダー、粉末活性炭または竹炭または木炭、および水であるが、これらに付加機能を持たせるためにいろいろな添加物を混合する形態を考慮してもよい。例えば、着色顔料を混合することにより彩色が可能である。また、光触媒機能を有する酸化チタンを混合することにより塗装表面の有機物質や塗膜の中に取り込まれた有機物質を光の作用で分解することができる。また、トルマリンを混合すれば、トルマリン表面における有機物質の分解、消臭効果のほか、塗膜表面からマイナスイオンや遠赤外線を発生するためこれらによる健康増進が期待できる。また、炭酸カルシウムを混合すれば塗り易さの改善や、塗装を厚く塗ったときのヒビの発生防止に役立つ。
塗布の方法については、コテ塗り、ハケ塗り、ローラー塗り、吹き付け塗装のいずれでもよいが、組成による粘性の違いにより適用が困難もしくはできない場合がある。適用したい塗布の方法に適した粘性となるように、各成分の組成を調整すればよい。
本発明の請求項1に係る無機系塗料の実施例として、表1に示す配合組成の塗料を作製した。本実施例においては、有機系バインダーとしてメチルセルロースとポリビニルアルコールの2種類を使用している。
消石灰はJIS規格の特号消石灰を使用した。粉末活性炭は、粒径75μm以下が95%、45μm以下が70%、BET比表面積が810m2/gのものを使用した。
この配合では、粘性が低い方であるので、塗布の方法はハケ塗り、ローラー塗りおよび吹き付け塗装が適していた。また、リシン吹き付け塗装のような凹凸の模様をつけることはできなかった。塗布される基材については、市販のせっこうボードおよび塩化ビニル製の壁紙を使用したが、共に数時間でほぼ乾燥し、6ヶ月経過後においてもヒビや剥れの発生はなく良好であった。
また、水とその他の成分の分離については、製造後2ヶ月は分離は認められず、また、3ヵ月後には上部に少し水の層を形成していたが、使用前に撹拌することにより、塗り易さおよび接着性ともに劣化はなく、製造直後と同様であった。
試験のため、この塗料をガラス板に塗布して、VOCとして代表的なホルムアルデヒドおよびトルエンの吸着除去性能を測定した。具体的には26mm×76mmのスライドガラスに、製造した塗料をローラーで2回塗布し、自然乾燥させたものを試験体として、以下のような試験を行った。ガス濃度の測定は、全て市販のガス検知管を使用した。
(試験2)乾燥後の塗料の正味の重量が0.38gのスライドガラスを10Lの樹脂製のガスバッグに入れ、さらにこれにホルムアルデヒド濃度を4.2ppmに調製した空気を送り込み、時間の経過とガスバッグに残留しているホルムアルデヒドの濃度の関係を測定した。この結果を図2に示す
(試験3)乾燥後の塗料の正味の重量が0.53gのスライドガラスを5Lの樹脂製のガスバッグに入れ、さらにこれにトルエン濃度を80ppmに調製した空気を送り込み、時間の経過とガスバッグに残留しているトルエンの濃度の関係を測定した。この結果を図3に示す。
(試験4)乾燥後の塗料の正味の重量が0.41gのスライドガラスを10Lの樹脂製のガスバッグに入れ、さらにこれにトルエン濃度を5ppmに調製した空気を送り込み、時間の経過とガスバッグに残留しているトルエンの濃度の関係を測定した。この結果を図4に示す
また、本実施例で製造した塗料をせっこうボードに塗布し、乾燥後に塗料の層の部分だけを削り取ってBET比表面積を測定したところ、110〜120m2/gであった。
せっこうボードから剥ぎ取った塗膜の断面の電子顕微鏡写真を図5に示す。明らかに多孔質体を形成していることが分かる。
ホルムアルデヒドおよびトルエンに対して、実施例1と同様に下記のような試験5から試験8を行った。
(試験6)乾燥後の塗料の正味の重量が0.35gのスライドガラスを10Lの樹脂製のガスバッグに入れ、さらにこれにホルムアルデヒド濃度を4.2ppmに調製した空気を送り込み、時間の経過とガスバッグに残留しているホルムアルデヒドの濃度の関係を測定した。この結果を図2に示す。
(試験7)乾燥後の塗料の正味の重量が0.49gのスライドガラスを5Lの樹脂製のガスバッグに入れ、さらにこれにトルエン濃度を80ppmに調製した空気を送り込み、時間の経過とガスバッグに残留しているトルエンの濃度の関係を測定した。この結果を図3に示す。
(試験8)乾燥後の塗料の正味の重量が0.37gのスライドガラスを10Lの樹脂製のガスバッグに入れ、さらにこれにトルエン濃度を5ppmに調製した空気を送り込み、時間の経過とガスバッグに残留しているトルエンの濃度の関係を測定した。この結果を図4に示す。
また、実施例1と同様に、本比較例1で試作した塗料をせっこうボードに塗布し、乾燥後に塗料の層の部分だけを削り取って、BET比表面積を測定したところ、19m2/gであった。実施例1では消石灰と有機樹脂の合計重量と粉末活性炭の重量比は39.3:7.6であるので、実施例1において粉末活性炭の比表面積すなわち810m2/gが完全に活きていれば実施例1の塗膜の比表面積は、
19×(39.3/(39.3+7.6))+810×(7.6/(39.3+7.6))=147 m2/g
となるが、実施例1で記載したように測定値は110〜120m2/gであった。すなわち、粉末活性炭を消石灰および有機樹脂バインダーに練りこんでも、比表面積は75〜80%の高い保持率を有している。
炭酸カルシウムは粒径が250μm以下であり、45μm以下が90%のものを使用した。その他は実施例1で使ったものと同じである。
この配合では、粘性が高い方であるので、ハケ塗りやローラー塗りは広い面積を均一に塗るのは困難であった。塗装方法としては、コテ塗りおよび吹き付け塗装が適していた。吹き付け塗装ではリシン吹き付け塗装のような凹凸のある模様をつけることができた。塗布される基材については、実施例1と同様に市販のせっこうボードおよび塩化ビニル製の壁紙を使用したが、共に数時間でほぼ乾燥し、6ヶ月経過後においてもヒビや剥れの発生はなく良好であった。
また、水とその他の成分の分離については、製造後3ヶ月は分離は認められず、また、4ヵ月後には上部に少し水の層を形成していたが、使用前に攪拌することにより、塗り易さおよび接着性ともに劣化はなく、製造直後と同様であった。
(試験9)乾燥後の塗料の正味の重量が0.30gのスライドガラスを5Lの樹脂製のガスバッグに入れ、さらにこれにホルムアルデヒド濃度を110ppmに調製した空気を送り込み、時間の経過とガスバッグに残留しているホルムアルデヒドの濃度の関係を測定した。この結果を図1に示す。
(試験10)乾燥後の塗料の正味の重量が0.47gのスライドガラスを5Lの樹脂製のガスバッグに入れ、さらにこれにトルエン濃度を80ppmに調製した空気を送り込み、時間の経過とガスバッグに残留しているトルエンの濃度の関係を測定した。この結果を図3に示す。
この結果より、実施例1よりも活性炭の量が少ないため吸着速度が遅く、かつ吸着量が少ないが、比較例1と比較すると明らかに活性炭の効果が認められた。
竹炭は、市販の粉末のものを使用した。その他の原料および組成は実施例2と同じである。
試験11及び試験12として、実施例1と同様に、塗料をガラス板に塗布して、ホルムアルデヒドおよびトルエンの吸着除去性能を測定した。スライドガラスへの塗布はハケ塗りとした。
(試験12)乾燥後の塗料の正味の重量が0.45gのスライドガラスを5Lの樹脂製のガスバッグに入れ、さらにこれにトルエン濃度を80ppmに調製した空気を送り込み、時間の経過とガスバッグに残留しているトルエンの濃度の関係を測定した。この結果を図3に示す。
本実施例1乃至実施例3に係る無機系塗料は黒色の活性炭または竹炭または木炭を含有するために、着色顔料を添加しない場合は灰色となる。したがって、表面の色彩を、白色を含む任意のものとしたい場合には、本実施例1乃至実施例3に記載された無機系塗料のみでは利用に不適な場合もあるため、二層構造とするVOC吸着機能材を提供するものである。
基材1の上に、まず本発明による無機系塗料を塗布して第一機能層2を形成させ、この無機系塗料が乾燥した後、第二機能層3として本実施例のように漆喰など別の塗料もしくは化粧紙または布を塗布あるいは貼り付ける。この場合、第一機能層2を形成する無機系塗料のVOC吸着機能を損なわないようにするため、別の塗料もしくは化粧紙または布はできるだけ多孔質で通気性の良好なものが好ましい。例えば、塗料の場合は、本実施例のように消石灰をベースにしたものが好ましい。また、二層構造となるためこれらの機能層が密着性を維持することがそれぞれの機能の発揮には不可欠となる。この密着性を維持するためにはそれぞれの機能層の強度を高めることが有効であり、第一機能層2の無機系塗料又は第二機能層3の漆喰にポリビニルアルコール繊維を添加している。
これは活性炭の含有量が増加すると漆喰の強度も弱くなるため、繊維を添加し、漆喰を補強することが重要となる。その繊維は使用される有機バインダーと同様の成分が望ましい。たとえばポリビニルアルコール繊維は有機バインダーにポリビニルアルコールを用いた場合、ポリビニルアルコールとポリビニルアルコール繊維そのものの結合を高めることが可能である。またアルカリ環境でポリビニルアルコール分子は金属水酸化物粒子(この場合は消石灰の粒子)に強く化学結合することが知られており、活性炭を多く含有した第一機能層2の組成でも強く強度を維持することが可能となる。このことによりよりいっそうVOC能力を高めるため活性炭を多く含有させても、強度の劣化を招くことがない。
ポリビニルアルコール繊維を添加することによれば消石灰中のカルシウムと反応して結合力を高めることができ、よって第一機能層2と第二機能層3の接着力が増強され密着度も高まるのである。
セピオライトは粘土鉱物のひとつであるがそれは微細な繊維構造を有している。セピオライトそのものは他の粘土鉱物と比較し、乾燥時の収縮もほとんどなく、少量添加することで活性炭を含有した組織を充分補強することが可能である。またセピオライト自身にも調湿機能及び吸着機能があり、第1機能層2のVOCの吸着能力や調湿機能を高めることができる。さらには増粘機能を有しており、粘性をコントロールすることも可能である。
またセピオライトは無機成分でありそれ自体耐熱性や耐候性が高いため、多量に添加しても耐熱性や耐候性をそこなうことがない。
第二機能層3として化粧紙や布地を用いる場合にはもちろんポリビニルアルコール繊維やセピオライトを加える必要はないが、第一機能層2を形成する無機系塗料に添加することには効果があることはもちろんである。これらの物質は2層間の密着力を高めるだけでなく、それぞれを増強する効果を備えるためである。実施例1乃至実施例3の無機系塗料の組成にポリビニルアルコールが少量ではあるが添加されているのは、塗料単体に含めても塗料の強度を向上させて乾燥時に塗料としての健全性や耐久性を高める効果を備えているからである。ポリビニルアルコールの他、ポリビニルアルコール繊維を添加することによっても塗料としての強度、健全性や耐久性を高めることができる。
Claims (3)
- 配合割合30〜70重量%の消石灰と、配合割合1〜50重量%の有機樹脂バインダーと、配合割合1〜50重量%の粉末活性炭及び/又は竹炭及び/又は木炭と、配合割合30〜68重量%の水とを有することを特徴とする無機系塗料。
- 基材表面上に、請求項1に記載の無機系塗料を塗布した第一機能層と、この第一機能層の上層に消石灰をベースとする塗料を塗布した第二機能層又は化粧紙あるいは布を貼付した第二機能層を有することを特徴とするVOC吸着機能材。
- 前記無機系塗料又は前記塗料はセピオライト又はポリビニルアルコール繊維を含有することを特徴とする請求項2記載のVOC吸着機能材。
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