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JP4561151B2 - 信号処理装置及び方法、並びに信号復号装置 - Google Patents

信号処理装置及び方法、並びに信号復号装置 Download PDF

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Description

本発明は、2次ボルテラ・フィルタの2次項を実現し、非線形歪を持つ入力信号を非線形等化する信号処理装置及びその方法、並びにそのような信号処理装置を備えた信号復号装置及びその方法に関する。
従来、磁気記録技術や光記録技術等を利用したストレージ装置或いは無線通信装置に用いられてきた信号処理装置及びそのソフトウェアアルゴリズムは、入力信号が線形であると仮定して構築された線形信号処理理論に基づいて設計されている。一般的にこれらの入力信号は完全に線形な信号成分のみからなる訳ではなく非線形成分も含まれているが、通常はその非線形成分のパワーが十分に小さいため、近似的に線形な信号とみなすことが可能である。このため、従来においては、線形理論に基づいた信号処理装置がその効果を十分に発揮してきた。
しかしながら、近年になってストレージ技術が発達し、その記録密度が高まるにつれて、再生信号中に無視できないほど大きな非線形性が現れるようになっており、それが位相同期ループ(Phase Locked Loop;PLL)性能の悪化、適応等化フィルタの収束性の悪化、さらには最終的なデータ誤り率の劣化などをもたらしている。そして、記録容量のさらなる増加を目指して記録媒体への高密度記録化が試みられているが、このような記録密度の高い記録媒体や検出感度が高い反面その信号の入出力に非線形応答を持つ検出器を使用することで発生する信号の非線形歪が、装置全体のさらなる性能向上を阻害する大きな要因となっている。
これら再生信号の非線形歪の原因として代表的なものは、信号再生側に起因する非線形性、及び記録媒体に起因する非線形性である。前者の代表的な例としては、磁気記録の再生ヘッドとして用いられるMR(Magneto Resistive)ヘッドの磁界電圧変換特性の非線形応答やベースライン・シフトなどが挙げられ、また光記録で用いられるフォトディテクタの持つ非線形応答なども同様に挙げられる。一方、後者の代表的な例としては、磁気記録媒体、光記録媒体ともにその記録密度が高い状態における非線形符号間干渉(Non Linear Inter Symbol Interference;NLISI)や、光記録における記録媒体の反射率の非線形性がもたらす信号の上下非対称性(アシンメトリ)などが挙げられる。
ここで、最終的な誤り率の劣化の原因について、さらに考察する。
一般的な信号処理装置に実装されるLMS(Least Mean Square)アルゴリズムなどを用いた1次適応等化フィルタでは、非線形歪のない入力信号に対しては、パーシャルレスポンス(Partial Response;PR)などに代表される所定の等化方式に従った目標とする検出値と実際に検出された信号との間の誤差信号を検出することで、その2乗を最小にするようなタップ係数に収束することが保証されている。その一方で、その理論構成上、上下非対称性に代表される非線形歪を補正することはできない。
しかしながら、1次適応等化フィルタは、そのアルゴリズムの構成上、単に得られる2乗誤差を最小にするようなタップ係数を探索するため、上下非対称性を持つ入力信号では、本来ストレージ製品で目標とする最終的なデータ誤り率を向上させるために収束すべき理想的なタップ係数の値とは異なった値に収束してしまう可能性が避けられない。このことは、1次適応等化フィルタに入力する信号が非線形歪を持つ場合、本来非線形等化誤差を補正することを想定していない適応等化アルゴリズムに従うことで、予想外の新たな等化誤差(非線形等化誤差)をもたらしてしまう可能性を示している。そして、このような非線形等化誤差に起因して、最終的なデータ誤り率も劣化する。
このような背景から、非線形歪を持つ信号を非線形等化するための方法として、多項式フィルタを適応等化フィルタとして実装する手法が提案されている(例えば特許文献1,2参照)。一般的に多項式フィルタはボルテラ・フィルタ(Volterra filter)と呼ばれ、従来から様々な分野において検討されてきた。このボルテラ・フィルタは、LMSやRLS(Recursive Least Square)などの適応等化アルゴリズムに従ってタップ係数を更新動作させ、最小二乗誤差の意味で最適化することも可能であり、文献「“Adaptive Polynomial Filters”, V. John Mathews, IEEE SP Magazine, July, 1991, pp.10-26」には適応等化ボルテラ・フィルタの理論が詳細に記載されている。
特表2001−525101号公報 特開2001−86585号公報
ここで、一般的な2次ボルテラ・フィルタは、1次フィルタのタップ長をM、2次フィルタのタップ長をMとしたとき、以下の式(1)のように表される。この式(1)において、y(k)は時刻kにおける2次ボルテラ・フィルタの出力信号、x(k)は時刻kにおける2次ボルテラ・フィルタへの入力信号、h(1)(i)は1次フィルタのタップ係数(i=0,1,・・・,M−1)、h(2)(i,i)は2次フィルタのタップ係数(i=0,1,・・・,M−1;i=0,1,・・・,M−1)をそれぞれ示す。
Figure 0004561151
なお、2次ボルテラ・フィルタは、そのタップ数を適応等化アルゴリズムに従って逐次最適化するように実装することが可能である。また、2次ボルテラ・フィルタの1次フィルタ及び2次フィルタのタップ係数の最適値が予め分かっている場合、2次ボルテラ・フィルタは、固定タップ係数のフィルタとして実装することも可能である。
式(1)の右辺の計算を入力信号x(k)について1サイクル終了するには、右辺第1項はM個の乗算演算、右辺第2項は2×M×M個の乗算演算を必要とする。また、1次フィルタへの入力信号遅延線の他に、2次フィルタへの入力信号x(k)を保持するための遅延線がMクロック分必要である。
2次ボルテラ・フィルタの既知の対称性を利用すると、2次フィルタのタップ係数は、以下の式(2)に示す関係を満たす。
Figure 0004561151
この式(2)の関係を利用すると、上述した式(1)は、以下の式(3)のように簡略化される。
Figure 0004561151
このとき式(3)の右辺第1項はM個の乗算演算、右辺第2項は2×M個の乗算演算、右辺第3項はM×(M−1)個の乗算演算を必要とする。
式(1)及び式(3)で示す2次ボルテラ・フィルタの2次フィルタ部分の乗算器数をMを変化させた場合について比較して図17及び以下の表1に示す。
Figure 0004561151
図17及び表1から分かるように、Mの値が大きくなるにつれて式(3)による乗算器削減の効果は大きくなるが、式(3)の構成でもM=15の例で240個もの大量の乗算器が必要となる。
このように、高次等化ボルテラ・フィルタは、非線形歪を持つ入力信号を等化する際に非常に効果が大きいものの、ハードウェア又はソフトウェアで実現しようとした場合には多くの乗算演算が必要となり、コスト的に実装が困難であるという問題があった。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、非線形歪を持つ入力信号を等化する際の乗算演算を大幅に削減することが可能な信号処理装置及びその方法、ならびにそのような信号処理装置を備えた信号復号装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明に係る信号処理装置は、入力信号を等化する等化器に2次ボルテラ・フィルタを用いてなる信号処理装置において、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項を実現する2次フィルタは、上記入力信号を時刻kにおける第1の入力信号x(k)とし、当該第1の信号x(k)を単位時間のm倍(mは0以上M−1以下の整数、Mはmより大きい1以上の整数)だけ遅延させ、第2の入力信号x(k−m)を各mに対して出力する入力信号遅延手段と、上記第1の入力信号x(k)と、上記第2の入力信号x(k−m)とを乗算する乗算手段と、上記乗算手段から出力された信号を1ビットシフトさせるシフト手段と、上記シフト手段から出力された信号をそれぞれ単位時間だけ遅延する1以上の直列に接続された遅延手段と、上記シフト手段から出力された信号及び上記各遅延手段から出力された信号に対して任意の適応化アルゴリズムによって更新されるタップ係数を乗算する係数乗算手段と、上記係数乗算手段の出力を加算する加算手段とを有するタップ長(M−m)のFIR(Finite Impulse Response)フィルタと、上記FIRフィルタから出力されたM個の信号を加算し、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項の出力信号y(2)(x)を出力する出力手段とを備え、上記シフト手段は、m=0の場合、上記乗算手段から出力された信号を1ビットシフトさせずにタップ長MのFIRフィルタに出力する。
また、本発明に係る信号処理装置は、入力信号を等化する等化器に2次ボルテラ・フィルタを用いてなる信号処理装置において、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項を実現する2次フィルタは、上記入力信号を時刻kにおける第1の入力信号x(k)とし、当該第1の信号x(k)を単位時間のm倍(mは0以上M−1以下の整数、Mはmより大きい1以上の整数)だけ遅延させ、第2の入力信号x(k−m)を各mに対して出力する入力信号遅延手段と、上記第1の入力信号x(k)と、上記第2の入力信号x(k−m)とを乗算する乗算手段と、上記乗算手段から出力された信号をそれぞれ単位時間だけ遅延する1以上の直列に接続された遅延手段と、上記乗算手段から出力された信号及び上記各遅延手段から出力された信号に対して任意の適応化アルゴリズムによって更新されるタップ係数を乗算する係数乗算手段と、上記係数乗算手段の出力を加算する加算手段とを有するタップ長(M−m)のFIR(Finite Impulse Response)フィルタと、上記FIRフィルタから出力されたM個の信号を加算し、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項の出力信号y(2)(x)を出力する出力手段とを備え、上記出力手段は、上記FIRフィルタから出力された(M−1)個(m≠0)の信号を加算する第1の加算器と、上記第1の加算器から出力された信号を1ビットシフトさせるシフト器と、上記シフト器から出力された信号と上記FIRフィルタから出力された1個(m=0)の信号とを加算する第2の加算器とを有する。
また、本発明に係る信号処理装置は、入力信号を等化する等化器に2次ボルテラ・フィルタを用いてなる信号処理装置において、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項を実現する2次フィルタは、上記入力信号を時刻kにおける第1の入力信号x(k)とし、当該第1の信号x(k)を単位時間のm倍(mは0以上M−1以下の整数、Mはmより大きい1以上の整数)だけ遅延させ、第2の入力信号x(k−m)を各mに対して出力する入力信号遅延手段と、上記第1の入力信号x(k)と、上記第2の入力信号x(k−m)とを乗算する乗算手段と、上記乗算手段から出力された信号をそれぞれ単位時間だけ遅延する1以上の直列に接続された遅延手段と、上記乗算手段から出力された信号及び上記各遅延手段から出力された信号に対して任意の適応化アルゴリズムによって更新されるタップ係数を乗算する係数乗算手段と、上記係数乗算手段の出力を加算する加算手段とを有するタップ長(M−m)のFIR(Finite Impulse Response)フィルタと、上記FIRフィルタから出力されたM個の信号を加算し、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項の出力信号y(2)(x)を出力する出力手段とを備え、上記係数乗算手段は、m≠0の場合、上記乗算手段から出力された信号及び上記各遅延手段から出力された信号に対して上記タップ係数の値を2倍して乗算する。
また、上述した目的を達成するために、本発明に係る信号処理方法は、入力信号を等化する際に2次ボルテラ・フィルタを用いる信号処理方法において、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項に相当する処理は、上記入力信号を時刻kにおける第1の入力信号x(k)とし、当該第1の信号x(k)を入力信号遅延手段により単位時間のm倍(mは0以上M−1以下の整数、Mはmより大きい1以上の整数)だけ遅延させ、第2の入力信号x(k−m)を各mに対して出力する入力信号遅延工程と、上記第1の入力信号x(k)と、上記第2の入力信号x(k−m)とを乗算手段により乗算する乗算工程と、上記乗算手段から出力された信号をシフト手段により1ビットシフトさせるシフト工程と、上記シフト手段から出力された信号を任意の適応化アルゴリズムによって更新されるタップ係数を用いるタップ長(M−m)のFIR(Finite Impulse Response)フィルタにかけるフィルタ工程と、上記FIRフィルタから出力されたM個の信号を加算し、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項の出力信号y(2)(x)を出力手段より出力する出力工程とを有し、上記シフト工程では、m=0の場合、上記乗算手段から出力された信号を1ビットシフトさせずにタップ長MのFIRフィルタに出力する。
また、本発明に係る信号処理方法は、入力信号を等化する際に2次ボルテラ・フィルタを用いる信号処理方法において、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項に相当する処理は、上記入力信号を時刻kにおける第1の入力信号x(k)とし、当該第1の信号x(k)を入力信号遅延手段により単位時間のm倍(mは0以上M−1以下の整数、Mはmより大きい1以上の整数)だけ遅延させ、第2の入力信号x(k−m)を各mに対して出力する入力信号遅延工程と、上記第1の入力信号x(k)と、上記第2の入力信号x(k−m)とを乗算手段により乗算する乗算工程と、上記乗算手段から出力された信号を任意の適応化アルゴリズムによって更新されるタップ係数を用いるタップ長(M−m)のFIR(Finite Impulse Response)フィルタにかけるフィルタ工程と、上記FIRフィルタから出力されたM個の信号を加算し、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項の出力信号y(2)(x)を出力手段により出力する出力工程とを有し、上記出力工程では、上記FIRフィルタから出力された(M−1)個(m≠0)の信号を第1の加算手段により加算し、上記第1の加算手段から出力された信号をシフト手段により1ビットシフトさせ、上記シフト手段から出力された信号と上記FIRフィルタから出力された1個(m=0)の信号とを第2の加算器により加算する。
また、本発明に係る信号処理方法は、入力信号を等化する際に2次ボルテラ・フィルタを用いる信号処理方法において、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項に相当する処理は、上記入力信号を時刻kにおける第1の入力信号x(k)とし、当該第1の信号x(k)を入力信号遅延手段により単位時間のm倍(mは0以上M−1以下の整数、Mはmより大きい1以上の整数)だけ遅延させ、第2の入力信号x(k−m)を各mに対して出力する入力信号遅延工程と、上記第1の入力信号x(k)と、上記第2の入力信号x(k−m)とを乗算手段により乗算する乗算工程と、上記乗算手段から出力された信号を任意の適応化アルゴリズムによって更新されるタップ係数を用いるタップ長(M−m)のFIR(Finite Impulse Response)フィルタにかけるフィルタ工程と、上記FIRフィルタから出力されたM個の信号を加算し、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項の出力信号y(2)(x)を出力手段により出力する出力工程とを有し、上記フィルタ工程では、m≠0の場合、上記FIRフィルタのタップ係数の値を2倍して乗算する。
また、上述した目的を達成するために、本発明に係る信号復号装置は、入力信号を等化して復号する際の等化器に2次ボルテラ・フィルタを用いてなる信号復号装置において、上記2次ボルテラ・フィルタの1次項を実現し、上記入力信号を線形等化する1次フィルタと、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項を実現し、上記入力信号を非線形等化する2次フィルタと、上記1次フィルタから出力された信号と上記2次フィルタから出力された信号とを加算する信号加算手段と、上記信号加算手段から出力された信号を最尤復号する最尤復号手段とを備え、上記2次フィルタは、上記入力信号を時刻kにおける第1の入力信号x(k)とし、当該第1の信号x(k)を単位時間のm倍(mは0以上M−1以下の整数、Mはmより大きい1以上の整数)だけ遅延させ、第2の入力信号x(k−m)を各mに対して出力する入力信号遅延手段と、上記第1の入力信号x(k)と、上記第2の入力信号x(k−m)とを乗算する乗算手段と、上記乗算手段から出力された信号を1ビットシフトさせるシフト手段と、上記シフト手段から出力された信号をそれぞれ単位時間だけ遅延する1以上の直列に接続された遅延手段と、上記シフト手段から出力された信号及び上記各遅延手段から出力された信号に対して任意の適応化アルゴリズムによって更新されるタップ係数を乗算する係数乗算手段と、上記係数乗算手段の出力を加算する加算手段とを有するタップ長(M−m)のFIR(Finite Impulse Response)フィルタと、上記FIRフィルタから出力されたM個の信号を加算し、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項の出力信号y(2)(x)を出力する出力手段とを備え、上記シフト手段は、m=0の場合、上記乗算手段から出力された信号を1ビットシフトさせずにタップ長MのFIRフィルタに出力する。
また、本発明に係る信号復号装置は、入力信号を等化して復号する際の等化器に2次ボルテラ・フィルタを用いてなる信号復号装置において、上記2次ボルテラ・フィルタの1次項を実現し、上記入力信号を線形等化する1次フィルタと、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項を実現し、上記入力信号を非線形等化する2次フィルタと、上記1次フィルタから出力された信号と上記2次フィルタから出力された信号とを加算する信号加算手段と、上記信号加算手段から出力された信号を最尤復号する最尤復号手段とを備え、上記2次フィルタは、上記入力信号を時刻kにおける第1の入力信号x(k)とし、当該第1の信号x(k)を単位時間のm倍(mは0以上M−1以下の整数、Mはmより大きい1以上の整数)だけ遅延させ、第2の入力信号x(k−m)を各mに対して出力する入力信号遅延手段と、上記第1の入力信号x(k)と、上記第2の入力信号x(k−m)とを乗算する乗算手段と、上記乗算手段から出力された信号をそれぞれ単位時間だけ遅延する1以上の直列に接続された遅延手段と、上記乗算手段から出力された信号及び上記各遅延手段から出力された信号に対して任意の適応化アルゴリズムによって更新されるタップ係数を乗算する係数乗算手段と、上記係数乗算手段の出力を加算する加算手段とを有するタップ長(M−m)のFIR(Finite Impulse Response)フィルタと、上記FIRフィルタから出力されたM個の信号を加算し、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項の出力信号y(2)(x)を出力する出力手段を備え、上記出力手段は、上記FIRフィルタから出力された(M−1)個(m≠0)の信号を加算する第1の加算器と、上記第1の加算器から出力された信号を1ビットシフトさせるシフト器と、上記シフト器から出力された信号と上記FIRフィルタから出力された1個(m=0)の信号とを加算する第2の加算器とを有する。
また、本発明に係る信号復号装置は、入力信号を等化して復号する際の等化器に2次ボルテラ・フィルタを用いてなる信号復号装置において、上記2次ボルテラ・フィルタの1次項を実現し、上記入力信号を線形等化する1次フィルタと、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項を実現し、上記入力信号を非線形等化する2次フィルタと、上記1次フィルタから出力された信号と上記2次フィルタから出力された信号とを加算する信号加算手段と、上記信号加算手段から出力された信号を最尤復号する最尤復号手段とを備え、上記2次フィルタは、上記入力信号を時刻kにおける第1の入力信号x(k)とし、当該第1の信号x(k)を単位時間のm倍(mは0以上M−1以下の整数、Mはmより大きい1以上の整数)だけ遅延させ、第2の入力信号x(k−m)を各mに対して出力する入力信号遅延手段と、上記第1の入力信号x(k)と、上記第2の入力信号x(k−m)とを乗算する乗算手段と、上記乗算手段から出力された信号をそれぞれ単位時間だけ遅延する1以上の直列に接続された遅延手段と、上記乗算手段から出力された信号及び上記各遅延手段から出力された信号に対して任意の適応化アルゴリズムによって更新されるタップ係数を乗算する係数乗算手段と、上記係数乗算手段の出力を加算する加算手段とを有するタップ長(M−m)のFIR(Finite Impulse Response)フィルタと、上記FIRフィルタから出力されたM個の信号を加算し、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項の出力信号y(2)(x)を出力する出力手段とを備え、上記係数乗算手段は、m≠0の場合、上記乗算手段から出力された信号及び上記各遅延手段から出力された信号に対して上記タップ係数の値を2倍して乗算する。
この信号復号装置は、2次ボルテラ・フィルタにより入力信号を等化して復号するものであり、2次ボルテラ・フィルタの1次項を実現する1次フィルタに加えて、2次ボルテラ・フィルタの2次項を実現する乗算演算が大幅に削減された2次フィルタを備えている。
本発明に係る信号処理装置及びその方法によれば、2次ボルテラ・フィルタを用いて入力信号を等化する際に、2次ボルテラ・フィルタの2次項を実現する2次フィルタで必要とされる乗算演算を大幅に削減することができるため、この2次フィルタをLSI(Large‐Scale Integrated circuit)で実現する場合の回路規模を削減することができ、また、DSP(Digital Signal Processor)及びソフトウェアで実現する場合の計算量を削減することができる。
また、本発明に係る信号復号装置及びその方法によれば、2次ボルテラ・フィルタにより入力信号を等化して復号する際に、2次ボルテラ・フィルタの1次項を実現する1次フィルタに加えて、2次ボルテラ・フィルタの2次項を実現する乗算演算が大幅に削減された2次フィルタを備えているため、少ない乗算演算で非線形歪を効果的に補正することができる。
従来より非線形歪を持つ信号を非線形等化するために、ボルテラ・フィルタ(Volterra filter)を用いる手法が提案されている。
ここで、一般的な2次ボルテラ・フィルタは、1次フィルタのタップ長をM、2次フィルタのタップ長をMとしたとき、以下の式(4)のように表される。この式(4)において、y(k)は時刻kにおける2次ボルテラ・フィルタの出力信号、x(k)は時刻kにおける2次ボルテラ・フィルタへの入力信号、h(1)(i)は1次フィルタのタップ係数(i=0,1,・・・,M−1)、h(2)(i,i)は2次フィルタのタップ係数(i=0,1,・・・,M−1;i=0,1,・・・,M−1)をそれぞれ示す。
Figure 0004561151
式(4)の右辺の計算を入力信号x(k)について1サイクル終了するには、右辺第1項はM回の乗算演算、右辺第2項は2×M×M回の乗算演算を必要とする。また、1次フィルタへの入力信号遅延線の他に、2次フィルタへの入力信号x(k)を保持するための遅延線がMクロック分必要である。
また、2次ボルテラ・フィルタの既知の対称性を利用することで、上述した式(4)を以下の式(5)のように簡略化できることが知られている。
Figure 0004561151
このとき式(5)の右辺第1項はM回の乗算演算、右辺第2項は2×M回の乗算演算、右辺第3項はM×(M−1)回の乗算演算を必要とする。
しかしながら、この式(5)のように簡略化しても、Mの値が大きい場合には2次フィルタ部分について膨大な乗算演算を行う必要があるため、2次ボルテラ・フィルタを実装することがコスト的に困難であるという問題があった。
そこで、本実施の形態では、2次ボルテラ・フィルタの2次フィルタ部分の演算を以下に説明するように簡略化することで、必要とされる乗算演算を大幅に削減する。
なお、本実施の形態における信号処理装置は、2次ボルテラ・フィルタの2次フィルタ部分の演算を行うことで非線形歪を持つ入力信号を非線形等化するものであり、本実施の形態における信号復号装置は、2次ボルテラ・フィルタの1次フィルタ部分の演算を行う等化フィルタに加えて上述の信号処理装置を非線形適応等化フィルタとして備え、光ディスクに記録された信号を等化して復号するものである。
以下では、先ず2次ボルテラ・フィルタの2次フィルタ部分の演算を簡略化する手法について説明し、次いでそのような簡略化された演算を行う本実施の形態における信号処理装置の構成及びその動作について説明する。
2次フィルタ部分の演算を簡略化するため、先ず2次ボルテラ・フィルタの入力信号の2次項を以下の式(6)のように置き換える。
Figure 0004561151
この式(6)から、以下の式(7)、(8)の関係を容易に導くことができる。
Figure 0004561151
また、式(6)を用いることで、上述の式(4)を以下の式(9)のように書き換えることができる。
Figure 0004561151
この式(9)の第2項は、M×M個の要素を持つ2次タップ係数の2次元配列h(2)(i,i)の各要素と、ある時刻kにおけるM×M個の要素を持つ2次信号の2次元配列x(2)(k,i,i)の各要素の対応する(i,i)要素同士を乗算し、得られた乗算出力をそれぞれ加算しているとみなすことができる。
以下、一例としてM=6の場合について説明する。このとき、6×6個の要素を持つ2次信号の2次元配列x(2)(k,i,i)の概念図を図1に示す。また、6×6個の要素を持つ2次タップ係数の2次元配列h(2)(i,i)の概念図を図2に示す。ここで2次フィルタのタップ係数h(2)(i,i)は、固定のタップ係数でも任意の適応等化アルゴリズムによって逐次更新されるものでも構わない。上述した式(9)の第2項は、この図1及び図2の対応する(i,i)要素同士を乗算し、得られた各項をそれぞれ加算するものである。
ここで、式(6)を用いることで、上述した式(5)を以下の式(10)のように書き換えることができる。
Figure 0004561151
このとき、式(10)の右辺第2項に含まれる2次信号の対角項x(2)(k,i,i)の各要素が図1の2次元配列中のどの部分に位置するかを図3に示す。図3から分かるように、対角項x(2)(k,i,i)の各要素は、2次元配列中のi=iの要素、すなわち対角要素である。同様に、式(10)の右辺第3項に含まれる非対角項x(2)(k,i,i)の各要素が図1の2次元配列中のどの部分に位置するかを図4に示す。図4から分かるように、非対角項x(2)(k,i,i)の各要素は、2次元配列中のi<iの要素、すなわち対角要素を除いた上三角要素である。
ここで、ある時刻kにおける6×6個の要素を持つ2次元配列W(2)(k,i,i)を以下の式(11)のように定義する。
Figure 0004561151
このとき、W(2)(k,i,i)について、任意の整数mについて式(8)から以下の式(12)の関係が容易に導かれる。
Figure 0004561151
また、式(11)を用いることで、上述した式(10)は以下の式(13)のように表される。式(14)は、式(13)を式(15)で示す1次フィルタ出力と式(16)で示す2次フィルタ出力との和で表したものである。
Figure 0004561151
式(13)の2次フィルタの項に含まれる2次元配列W(2)(k,i,i)の各要素を図5に示す。図5に示すように、W(2)(k,i,i)では、その対角要素を除いた下三角成分としてゼロ値を持つ。比較のため、図5の各要素を式(11)のようにx(2)(k,i,i)を用いて表した2次元配列を図6に示す。
また、式(12)を用いて図5の各要素を変換した2次元配列を図7に示す。ここで、W(2)(k−m,i,i)は、W(2)(k,i,i)をmクロックだけ遅延させた信号を表している。比較のため、図7の各要素を式(11)で示したようにx(2)(k,i,i)を用いて表した2次元配列を図8に示す。
ここで、図7における対角要素は、W(2)(k,0,0),W(2)(k−1,0,0),・・・,W(2)(k−5,0,0)となっており、これはW(2)(k,0,0)を1クロックずつ遅延させたものに相当する。同様に、対角要素と平行な隣の要素は、W(2)(k,0,1),W(2)(k−1,0,1),・・・,W(2)(k−4,0,1)となっており、これはW(2)(k,0,1)を1クロックずつ遅延させたものに相当する。すなわち、図7における対角要素及びこれと平行な複数の1次元配列とみなすことができる非対角要素は、FIR(Finite Impulse Response)フィルタにおける各遅延回路の出力とみなすことができる。また、これら各遅延要素からの出力は、式(12)、(13)で対応するインデックス(i,i)を持つ2次タップ係数h(2)(i,i)との積をとることで2次フィルタを構成するため、図7の対角要素を構成する2次フィルタ部分とそれに平行している非対角要素部分が構成する2次フィルタ部分とは、それぞれ独立したFIRフィルタを構成しているとみなすことができる。
そこで、上述した式(6)、(11)を考慮し、時刻kにおける入力をx(k)としたときに式(13)中のW(2)(k,i,i)を出力する信号処理装置の回路構成の例を図9に示す。図9に示すように、信号処理装置10は、乗算器及び遅延回路からなるFIRフィルタ(FIR0〜FIR5)が6個並列に接続されたものであり、各FIRフィルタの間には遅延回路が設けられている。このうち、図9においてFIR0で示された1個目のFIRフィルタ構成は図7における対角要素であるW(2)(k,0,0),W(2)(k−1,0,0),・・・,W(2)(k−5,0,0)を出力するものであり、図9においてFIR1で示された2個目のFIRフィルタ構成は対角要素と平行な隣の要素であるW(2)(k,0,1),W(2)(k−1,0,1),・・・,W(2)(k−5,0,1)を出力するものであり、以下同様である。
図9において、乗算器12では、時刻kにおける入力信号x(k)同士が乗算され、W(2)(k,0,0)(=x(k)・x(k))が出力される。同時に、遅延回路14,15,16,17,18でそれぞれ1クロックずつ遅延された信号であるW(2)(k−1,0,0),・・・,W(2)(k−5,0,0)がそれぞれ遅延回路14,15,16,17,18から出力される。そして、乗算器12からの出力及び遅延回路14,15,16,17,18からの出力は、乗算器19,20,21,22,23,24で対応するタップ係数h(2)(0,0), h(2)(1,1),h(2)(2,2),h(2)(3,3),h(2)(4,4),h(2)(5,5)との積がとられ、その出力が加算器25で加算され、FIR0の出力となる。
また、乗算器12では、時刻kにおける入力信号x(k)と遅延回路11で遅延された1クロック前の信号x(k−1)とが乗算され、さらに乗算器13で2が乗算されて、W(2)(k,0,1)(=2x(k)・x(k−1))が出力される。同時に、遅延回路14,15,16,17でそれぞれ1クロックずつ遅延された信号であるW(2)(k−1,0,1),・・・,W(2)(k−4,0,1)がそれぞれ遅延回路14,15,16,17から出力される。そして、乗算器12からの出力及び遅延回路14,15,16,17からの出力は、乗算器19,20,21,22,23で対応するタップ係数h(2)(0,1), h(2)(1,2),h(2)(2,3),h(2)(3,4),h(2)(4,5)との積がとられ、その出力が加算器25で加算され、FIR1の出力となる。
また、乗算器12では、時刻kにおける入力信号x(k)と遅延回路11でさらに1クロック遅延された2クロック前の信号x(k−2)とが乗算され、さらに乗算器13で2が乗算されて、W(2)(k,0,2)(=2x(k)・x(k−2))が出力される。同時に、遅延回路14,15,16でそれぞれ1クロックずつ遅延された信号であるW(2)(k−1,0,2),・・・,W(2)(k−3,0,2)がそれぞれ遅延回路14,15,16から出力される。そして、乗算器12からの出力及び遅延回路14,15,16からの出力は、乗算器19,20,21,22で対応するタップ係数h(2)(0,2), h(2)(1,3),h(2)(2,4),h(2)(3,5)との積がとられ、その出力が加算器25で加算され、FIR2の出力となる。
また、乗算器12では、時刻kにおける入力信号x(k)と遅延回路11でさらに1クロック遅延された3クロック前の信号x(k−3)とが乗算され、さらに乗算器13で2が乗算されて、W(2)(k,0,3)(=2x(k)・x(k−3))が出力される。同時に、遅延回路14,15でそれぞれ1クロックずつ遅延された信号であるW(2)(k−1,0,3),W(2)(k−2,0,3)がそれぞれ遅延回路14,15から出力される。そして、乗算器12からの出力及び遅延回路14,15からの出力は、乗算器19,20,21で対応するタップ係数h(2)(0,3), h(2)(1,4),h(2)(2,5)との積がとられ、その出力が加算器25で加算され、FIR3の出力となる。
また、乗算器12では、時刻kにおける入力信号x(k)と遅延回路11でさらに1クロック遅延された4クロック前の信号x(k−4)とが乗算され、さらに乗算器13で2が乗算されて、W(2)(k,0,4)(=2x(k)・x(k−4))が出力される。同時に、遅延回路14で1クロック遅延された信号であるW(2)(k−1,0,4)が遅延回路14から出力される。そして、乗算器12からの出力及び遅延回路14からの出力は、乗算器19,20で対応するタップ係数h(2)(0,4), h(2)(1,5)との積がとられ、その出力が加算器25で加算され、FIR4の出力となる。
そして、乗算器12では、時刻kにおける入力信号x(k)と遅延回路11でさらに1クロック遅延された5クロック前の信号x(k−5)とが乗算され、さらに乗算器13で2が乗算されて、W(2)(k,0,5)(=2x(k)・x(k−5))が出力される。さらに乗算器20では、この出力に対して乗算器19で対応するタップ係数h(2)(0,5)との積がとられ、その出力がFIR5の出力となる。
最終的な2次フィルタの出力は、各FIRフィルタ(FIR0〜FIR5)の出力を加算器26で加算した和で表される。
ここで、乗算器13,・・・,13で2を乗算することは、ディジタル回路における2進数を用いた演算において1ビットの左シフトとして扱えるため、専用の乗算器は不要である。したがって、M=6の場合、2次フィルタ部分の乗算器は、乗算器12,・・・,12、19,・・・,19、20,・・・,20、21,・・・,21、22,・・・,22、23,23、24の合計27個しか必要ない。
式(13)で示す2次ボルテラ・フィルタの2次フィルタ部分の乗算器数をMを変化させた場合について図10及び以下の表2に示す。なお、従来の乗算器数と比較するため、図10及び表2には、式(4)及び式(5)で示した従来の2次ボルテラ・フィルタの2次フィルタ部分の乗算器数についても併せて示す。
Figure 0004561151
図10及び表2から分かるように、本実施の形態における手法によれば、式(5)に示す従来の演算削減手法と併用することで、式(4)と比べて乗算演算を大幅に削減することができる。また、本実施の形態における手法によれば、式(5)で示す従来の演算削減手法を単独で使用した場合と比べて大幅に乗算演算を削減することができる。この効果は、Mの値が大きい場合に顕著である。
なお、上述した信号処理装置10は、図8に示した2次元配列の各要素を出力するために図9に示すような構成としたが、各FIRフィルタの構成は独立であるため、フィルタの等化性能が所望の性能、例えばデータ誤り率等が所定の値以上の場合など、ストレージ装置として必要とする性能が十分得られれば、乗算器19,・・・,19、20,・・・,20、21,・・・,21、22,・・・,22、23,23、24の数、すなわち各FIRフィルタ(FIR0〜FIR5)のタップ長を変更することも可能である。また、同様にフィルタの等化性能が所望の性能に対して十分得られれば、FIRフィルタの個数を変更することも可能である。但し、FIRフィルタ(FIR0〜FIR5)の対角項(FIR0)から非対角項(FIR1〜FIR5)へと向かう時間軸方向の深さは、等化目標のPR(Partial Response)の符号間干渉(Inter Symbol Interference;ISI)の長さと関連する量であると考えられるため、ISI長さと同じかそれ以上多く設けることが好ましい。ここで、PR符号間干渉の長さとは、例えばPR(111)の場合、3である。さらに、任意の適応等化アルゴリズムによってタップ係数を更新する場合、1ビット・シフトを行う乗算器13,・・・,13を除いた構成も可能であるが、2次フィルタのタップ係数の収束が遅くなってしまうため、この乗算器13,・・・,13を設けた構成の方が好ましい。但し、図11、12に示すような回路構成をとることにより、1ビット・シフトを行う乗算器の数を削減したり事実上回路から除いたりしても、性能の劣化をもたらさないようにすることも可能である。
図11に示す信号処理装置10の回路構成は、図9に示した回路構成をさらに簡略化したものであり、図9よりも演算規模がさらに削減されている。具体的には、FIR1〜FIR5の出力を加算器27で加算した後に、図9の乗算器13,・・・,13に相当する計算を乗算器28において行い、さらにその出力とFIR0の加算器25の出力とを加算器29で加算することにより、FIR1〜FIR5で必要なビット幅を削減し、2倍を意味する1ビット・シフト演算を1つに削減する。
また、この1ビット・シフト演算で表される2倍の係数は、各タップ係数を予め2倍にしておくことで、タップ係数自体に組み入れることも可能である。また、そのタップ係数が適応等化アルゴリズムによって更新される場合には、2倍の係数をそのタップ係数自体又はタップ係数更新のステップゲインパラメータに組み入れることができる。後者の場合、対角項のステップゲインパラメータがμのとき、非対角項のステップゲインパラメータを2×μとすれば、各FIRフィルタ(FIR1〜FIR5)から2倍の係数が必要なくなるため、図9における乗算器13,・・・,13が不要となり、回路構成がより簡略化される。これらの場合の回路構成を図12に示す。この場合、非対角項のタップ係数の更新速度が2倍となるため、非対角項のタップ係数の値が2倍されているのと事実上同じである。
以上のように、本実施の形態における信号処理装置10によれば、非線形歪を持つ入力信号を非線形等化する際の乗算演算を大幅に削減することができるため、LSI(Large‐Scale Integrated circuit)で実現する場合の回路規模を削減することができ、また、DSP(Digital Signal Processor)及びソフトウェアで実現する場合の計算量を削減することができる。
図13にM=10の場合の1次フィルタの回路構成例を示す。1次フィルタは、入力信号x(k)を遅延させる遅延回路30,・・・,30と、入力信号x(k)及び遅延回路30,・・・,30から出力された遅延信号x(k−1),・・・,x(k−9)に対して所定のフィルタタップ係数を乗算する乗算器31,・・・,3110と、乗算器31,・・・,3110の出力を加算する加算器32とから構成される。タップ係数h(1)(i)(i=0,・・・,9)は、固定されたタップ係数でも任意の適応等化アルゴリズムによって更新されるものでも構わない。
次に、このような信号処理装置10を非線形適応等化フィルタとして備える本実施の形態における信号復号装置の構成及び動作について説明する。
図14に示す信号復号装置50において、光ディスク40に記録された信号を再生する際には、光学ヘッド51内のレーザ光源からのレーザ光が光学系を介して光ディスク40に照射され、その戻り光が光学ヘッド51内の光学系を介して受光素子に受光され、光電変換される。光学ヘッド51内の受光素子からの信号は、RF(Radio Frequency) アンプ52で増幅され、A/D(Analogue/Digital)コンバータ53で量子化される。
量子化された信号は、DPLL(Digital Phase Locked Loop) 回路54に送られ、DPLLにより同期したクロックでサンプリングされたものと同等のRF信号が出力される。DPLL回路54からの出力信号は、線形適応等化フィルタ55及び非線形適応等化フィルタ56で適応等化処理が施され、それぞれの出力信号が加算器57で加算される。加算された信号y(k)は、LMS(Least Mean Square)エラー検出器58及びビタビ検出回路59に送られる。なお、線形適応等化フィルタ55は、式(13)で示した2次ボルテラ・フィルタの1次フィルタ部分の演算を行うものである。一方、非線形適応等化フィルタ56は、2次フィルタ部分の演算を行うものであり、例えば上述した図9のように構成される。
加算器57からの信号がLMSエラー検出器58に送られると、所定の等化方式に従った目標とする検出値との間の誤差信号が検出され、その誤差信号に基づいて1次フィルタ及び2次フィルタのタップ係数が更新される。LMSエラー検出器58内部での入力符号系列の検出方法は任意であり、例えば閾値検出、FDTS(Fixed Delay Tree Search)、ビタビ検出器などの一般的な手法によって元の符号系列が検出される。具体的に、LMSエラー検出器58では、検出器で判定された符号系列と等化目標のPR係数が畳み込まれて仮判定PR信号d(k)が生成され、時刻kにおける目標とする仮判定PR信号検出値d(k)と時刻kにおける加算器57からの信号y(k)との間の誤差信号e(k)(=d(k)−y(k))が検出される。そして、以下の式(17)に従って1次フィルタの次の時刻、すなわち時刻k+1におけるタップ係数h(1)(k+1:i)が更新されると共に、以下の式(18)に従って2次フィルタの時刻k+1におけるタップ係数h(2)(k+1:i,i)が更新される。この式(17)、(18)において、μ,μはLMSアルゴリズムのステップゲインパラメータを示す。更新されたタップ係数は、線形適応等化フィルタ55及び非線形適応等化フィルタ56のそれぞれに送られる。
Figure 0004561151
また、加算器57からの信号は、ビタビ検出回路59でビタビアルゴリズムに基づく復号処理が施され、復調回路60で記録時の変調の逆処理としての復調処理が施される。復調された再生データは、エラー訂正回路61に送られてエラー訂正処理が施される。
ここで、具体的な信号における等化結果を図15及び図16に示す。図15は、線形適応等化フィルタ55のみで等化を行った例を示し、図16は、線形適応等化フィルタ55及び非線形適応等化フィルタ56で等化を行った例を示す。なお、何れも等化方式はPR(111)である。本実施例では、図14の信号復号装置50について、光ディスク再生信号を計算機による数値計算シミュレーションで生成し、それをA/Dコンバータ相当のプログラムでサンプリングし、図14のディジタル部を信号処理プログラムで構成した。またシミュレーション波形には15パーセントのアシンメトリを発生させた。
以下に図14のDPLL回路54出力での等化前ディジタルデータ及び加算器57出力での線形・非線形適応等化後ディジタルデータを、ディジタル信号処理のサンプリング定理を満たす補間関数であるSINC関数で補間して表示したアイパターンを示す。
線形適応等化フィルタ55のみを用いた場合、図15(A)に示すDPLL回路54の出力すなわち等化前のアイパターンと図15(B)に示す等化後のアイパターンを比較して分かるように、等化前の波形に発生させた非線形性、すなわち15パーセントのアシンメトリが等化後においても非線形等化誤差として残留しており、下側のアイがつぶれたままである。これに対して、線形適応等化フィルタ55及び非線形適応等化フィルタ56を用いた場合、図16(A)に示すDPLL回路54の出力すなわち等化前のアイパターンと図16(B)に示す等化後のアイパターンを比較すると、非線形適応等化フィルタの効果により等化前の波形に発生させた非線形性、すなわち15パーセントのアシンメトリが改善され、上下対称なアイパターンが得られていることが分かる。
以上のように、本実施の形態における信号復号装置50によれば、従来の線形適応等化を行う線形適応等化フィルタ55に加えて、上述した信号処理装置10に対応する非線形適応等化フィルタ56を設けることで、光ディスク40に記録された信号を再生する際に、非線形歪を効果的に補正することができる。特に、この非線形適応等化フィルタ56は、必要な乗算演算が従来よりも大幅に削減されているため、実装が容易である。
=6の場合における2次元配列x(2)(k,i,i)の概念図である。 =6の場合における2次元配列h(2)(i,i)の概念図である。 図1に示す2次元配列中の対角項x(2)(k,i,i)の要素を示す図である。 図1に示す2次元配列中の非対角項x(2)(k,i,i)の要素を示す図である。 =6の場合における2次元配列W(2)(k,i,i)の概念図である。 図5に示す2次元配列W(2)(k,i,i)の各要素の内容をx(2)(k,i,i)を用いて表した図である。 図5に示す2次元配列W(2)(k,i,i)の各要素の内容を式(12)を用いて変換した図である。 図7に示す2次元配列W(2)(k,i,i)の各要素の内容をx(2)(k,i,i)を用いて表した図である。 本実施の形態における信号処理装置の概略構成の一例を説明する図である。 本実施の形態における信号処理装置の概略構成の他の例を説明する図である。 本実施の形態における信号処理装置の概略構成の他の例を説明する図である。 本実施の形態における2次ボルテラ・フィルタの2次フィルタのタップ長と、そのときに必要な乗算器数との関係を示す図である。 =10の場合における1次フィルタの回路構成例を示す図である。 本実施の形態における信号復号装置の概略構成を説明する図である。 非線形歪を持つ入力信号を線形適応等化フィルタのみで等化した場合のアイパターンを示す図である。 非線形歪を持つ入力信号を線形適応等化フィルタ及び非線形適応等化フィルタで等化した場合のアイパターンを示す図である。 従来の2次ボルテラ・フィルタの2次フィルタのタップ長と、そのときに必要な乗算器数との関係を示す図である。
符号の説明
10 信号処理装置、11,・・・,11 遅延回路、12,・・・,12 乗算器、13,・・・,13 乗算器、14,・・・,14 遅延回路、15,・・・,15 遅延回路、16,・・・,16 遅延回路、17,17 遅延回路、18 遅延回路、19,・・・,19 乗算器、20,・・・,20 乗算器、21,・・・,21 乗算器、22,・・・,22 乗算器、23,23 乗算器、24 乗算器、25,・・・,25 加算器、26 加算器、40 光ディスク、50 信号復号装置、51 光学ヘッド、52 RFアンプ、53 A/Dコンバータ、54 DPLL回路、55 線形適応等化フィルタ、56 非線形適応等化フィルタ、57 加算器、58 LMSエラー検出器、59 ビタビ検出回路、60 復調回路、61 エラー訂正回路

Claims (9)

  1. 入力信号を等化する等化器に2次ボルテラ・フィルタを用いてなる信号処理装置において、
    上記2次ボルテラ・フィルタの2次項を実現する2次フィルタは、
    上記入力信号を時刻kにおける第1の入力信号x(k)とし、当該第1の信号x(k)を単位時間のm倍(mは0以上M−1以下の整数、Mはmより大きい1以上の整数)だけ遅延させ、第2の入力信号x(k−m)を各mに対して出力する入力信号遅延手段と、
    上記第1の入力信号x(k)と、上記第2の入力信号x(k−m)とを乗算する乗算手段と、
    上記乗算手段から出力された信号を1ビットシフトさせるシフト手段と、
    上記シフト手段から出力された信号をそれぞれ単位時間だけ遅延する1以上の直列に接続された遅延手段と、上記シフト手段から出力された信号及び上記各遅延手段から出力された信号に対して任意の適応化アルゴリズムによって更新されるタップ係数を乗算する係数乗算手段と、上記係数乗算手段の出力を加算する加算手段とを有するタップ長(M−m)のFIR(Finite Impulse Response)フィルタと、
    上記FIRフィルタから出力されたM個の信号を加算し、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項の出力信号y(2)(x)を出力する出力手段とを備え、
    上記シフト手段は、m=0の場合、上記乗算手段から出力された信号を1ビットシフトさせずにタップ長MのFIRフィルタに出力する信号処理装置。
  2. 入力信号を等化する等化器に2次ボルテラ・フィルタを用いてなる信号処理装置において、
    上記2次ボルテラ・フィルタの2次項を実現する2次フィルタは、
    上記入力信号を時刻kにおける第1の入力信号x(k)とし、当該第1の信号x(k)を単位時間のm倍(mは0以上M−1以下の整数、Mはmより大きい1以上の整数)だけ遅延させ、第2の入力信号x(k−m)を各mに対して出力する入力信号遅延手段と、
    上記第1の入力信号x(k)と、上記第2の入力信号x(k−m)とを乗算する乗算手段と、
    上記乗算手段から出力された信号をそれぞれ単位時間だけ遅延する1以上の直列に接続された遅延手段と、上記乗算手段から出力された信号及び上記各遅延手段から出力された信号に対して任意の適応化アルゴリズムによって更新されるタップ係数を乗算する係数乗算手段と、上記係数乗算手段の出力を加算する加算手段とを有するタップ長(M−m))のFIR(Finite Impulse Response)フィルタと、
    上記FIRフィルタから出力されたM個の信号を加算し、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項の出力信号y(2)(x)を出力する出力手段とを備え、
    上記出力手段は、上記FIRフィルタから出力された(M−1)個(m≠0)の信号を加算する第1の加算器と、上記第1の加算器から出力された信号を1ビットシフトさせるシフト器と、上記シフト器から出力された信号と上記FIRフィルタから出力された1個(m=0)の信号とを加算する第2の加算器とを有する信号処理装置。
  3. 入力信号を等化する等化器に2次ボルテラ・フィルタを用いてなる信号処理装置において、
    上記2次ボルテラ・フィルタの2次項を実現する2次フィルタは、
    上記入力信号を時刻kにおける第1の入力信号x(k)とし、当該第1の信号x(k)を単位時間のm倍(mは0以上M−1以下の整数、Mはmより大きい1以上の整数)だけ遅延させ、第2の入力信号x(k−m)を各mに対して出力する入力信号遅延手段と、
    上記第1の入力信号x(k)と、上記第2の入力信号x(k−m)とを乗算する乗算手段と、
    上記乗算手段から出力された信号をそれぞれ単位時間だけ遅延する1以上の直列に接続された遅延手段と、上記乗算手段から出力された信号及び上記各遅延手段から出力された信号に対して任意の適応化アルゴリズムによって更新されるタップ係数を乗算する係数乗算手段と、上記係数乗算手段の出力を加算する加算手段とを有するタップ長(M−m)のFIR(Finite Impulse Response)フィルタと、
    上記FIRフィルタから出力されたM個の信号を加算し、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項の出力信号y(2)(x)を出力する出力手段とを備え、
    上記係数乗算手段は、m≠0の場合、上記乗算手段から出力された信号及び上記各遅延手段から出力された信号に対して上記タップ係数の値を2倍して乗算する信号処理装置。
  4. 入力信号を等化する際に2次ボルテラ・フィルタを用いる信号処理方法において、
    上記2次ボルテラ・フィルタの2次項に相当する処理は、
    上記入力信号を時刻kにおける第1の入力信号x(k)とし、当該第1の信号x(k)を入力信号遅延手段により単位時間のm倍(mは0以上M−1以下の整数、Mはmより大きい1以上の整数)だけ遅延させ、第2の入力信号x(k−m)を各mに対して出力する入力信号遅延工程と、
    上記第1の入力信号x(k)と、上記第2の入力信号x(k−m)とを乗算手段により乗算する乗算工程と、
    上記乗算手段から出力された信号をシフト手段により1ビットシフトさせるシフト工程と、
    上記シフト手段から出力された信号を任意の適応化アルゴリズムによって更新されるタップ係数を用いるタップ長(M−m)のFIR(Finite Impulse Response)フィルタにかけるフィルタ工程と、
    上記FIRフィルタから出力されたM個の信号を加算し、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項の出力信号y(2)(x)を出力手段より出力する出力工程とを有し、
    上記シフト工程では、m=0の場合、上記乗算手段から出力された信号を1ビットシフトさせずにタップ長MのFIRフィルタに出力する信号処理方法。
  5. 入力信号を等化する際に2次ボルテラ・フィルタを用いる信号処理方法において、
    上記2次ボルテラ・フィルタの2次項に相当する処理は、
    上記入力信号を時刻kにおける第1の入力信号x(k)とし、当該第1の信号x(k)を入力信号遅延手段により単位時間のm倍(mは0以上M−1以下の整数、Mはmより大きい1以上の整数)だけ遅延させ、第2の入力信号x(k−m)を各mに対して出力する入力信号遅延工程と、
    上記第1の入力信号x(k)と、上記第2の入力信号x(k−m)とを乗算手段により乗算する乗算工程と、
    上記乗算手段から出力された信号を任意の適応化アルゴリズムによって更新されるタップ係数を用いるタップ長(M−m)のFIR(Finite Impulse Response)フィルタにかけるフィルタ工程と、
    上記FIRフィルタから出力されたM個の信号を加算し、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項の出力信号y(2)(x)を出力手段により出力する出力工程とを有し、
    上記出力工程では、上記FIRフィルタから出力された(M−1)個(m≠0)の信号を第1の加算手段により加算し、上記第1の加算手段から出力された信号をシフト手段により1ビットシフトさせ、上記シフト手段から出力された信号と上記FIRフィルタから出力された1個(m=0)の信号とを第2の加算器により加算する信号処理方法。
  6. 入力信号を等化する際に2次ボルテラ・フィルタを用いる信号処理方法において、
    上記2次ボルテラ・フィルタの2次項に相当する処理は、
    上記入力信号を時刻kにおける第1の入力信号x(k)とし、当該第1の信号x(k)を入力信号遅延手段により単位時間のm倍(mは0以上M−1以下の整数、Mはmより大きい1以上の整数)だけ遅延させ、第2の入力信号x(k−m)を各mに対して出力する入力信号遅延工程と、
    上記第1の入力信号x(k)と、上記第2の入力信号x(k−m)とを乗算手段により乗算する乗算工程と、
    上記乗算手段から出力された信号を任意の適応化アルゴリズムによって更新されるタップ係数を用いるタップ長(M−m)のFIR(Finite Impulse Response)フィルタにかけるフィルタ工程と、
    上記FIRフィルタから出力されたM個の信号を加算し、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項の出力信号y(2)(x)を出力手段により出力する出力工程とを有し、
    上記フィルタ工程では、m≠0の場合、上記FIRフィルタのタップ係数の値を2倍して乗算する信号処理方法。
  7. 入力信号を等化して復号する際の等化器に2次ボルテラ・フィルタを用いてなる信号復号装置において、
    上記2次ボルテラ・フィルタの1次項を実現し、上記入力信号を線形等化する1次フィルタと、
    上記2次ボルテラ・フィルタの2次項を実現し、上記入力信号を非線形等化する2次フィルタと、
    上記1次フィルタから出力された信号と上記2次フィルタから出力された信号とを加算する信号加算手段と、
    上記信号加算手段から出力された信号を最尤復号する最尤復号手段とを備え、
    上記2次フィルタは、上記入力信号を時刻kにおける第1の入力信号x(k)とし、当該第1の信号x(k)を単位時間のm倍(mは0以上M−1以下の整数、Mはmより大きい1以上の整数)だけ遅延させ、第2の入力信号x(k−m)を各mに対して出力する入力信号遅延手段と、上記第1の入力信号x(k)と、上記第2の入力信号x(k−m)とを乗算する乗算手段と、上記乗算手段から出力された信号を1ビットシフトさせるシフト手段と、上記シフト手段から出力された信号をそれぞれ単位時間だけ遅延する1以上の直列に接続された遅延手段と、上記シフト手段から出力された信号及び上記各遅延手段から出力された信号に対して任意の適応化アルゴリズムによって更新されるタップ係数を乗算する係数乗算手段と、上記係数乗算手段の出力を加算する加算手段とを有するタップ長(M−m)のFIR(Finite Impulse Response)フィルタと、上記FIRフィルタから出力されたM個の信号を加算し、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項の出力信号y(2)(x)を出力する出力手段とを備え、上記シフト手段は、m=0の場合、上記乗算手段から出力された信号を1ビットシフトさせずにタップ長MのFIRフィルタに出力する信号復号装置。
  8. 入力信号を等化して復号する際の等化器に2次ボルテラ・フィルタを用いてなる信号復号装置において、
    上記2次ボルテラ・フィルタの1次項を実現し、上記入力信号を線形等化する1次フィルタと、
    上記2次ボルテラ・フィルタの2次項を実現し、上記入力信号を非線形等化する2次フィルタと、
    上記1次フィルタから出力された信号と上記2次フィルタから出力された信号とを加算する信号加算手段と、
    上記信号加算手段から出力された信号を最尤復号する最尤復号手段とを備え、
    上記2次フィルタは、上記入力信号を時刻kにおける第1の入力信号x(k)とし、当該第1の信号x(k)を単位時間のm倍(mは0以上M−1以下の整数、Mはmより大きい1以上の整数)だけ遅延させ、第2の入力信号x(k−m)を各mに対して出力する入力信号遅延手段と、上記第1の入力信号x(k)と、上記第2の入力信号x(k−m)とを乗算する乗算手段と、上記乗算手段から出力された信号をそれぞれ単位時間だけ遅延する1以上の直列に接続された遅延手段と、上記乗算手段から出力された信号及び上記各遅延手段から出力された信号に対して任意の適応化アルゴリズムによって更新されるタップ係数を乗算する係数乗算手段と、上記係数乗算手段の出力を加算する加算手段とを有するタップ長(M−m)のFIR(Finite Impulse Response)フィルタと、上記FIRフィルタから出力されたM個の信号を加算し、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項の出力信号y(2)(x)を出力する出力手段を備え、上記出力手段は、上記FIRフィルタから出力された(M−1)個(m≠0)の信号を加算する第1の加算器と、上記第1の加算器から出力された信号を1ビットシフトさせるシフト器と、上記シフト器から出力された信号と上記FIRフィルタから出力された1個(m=0)の信号とを加算する第2の加算器とを有する信号復号装置。
  9. 入力信号を等化して復号する際の等化器に2次ボルテラ・フィルタを用いてなる信号復号装置において、
    上記2次ボルテラ・フィルタの1次項を実現し、上記入力信号を線形等化する1次フィルタと、
    上記2次ボルテラ・フィルタの2次項を実現し、上記入力信号を非線形等化する2次フィルタと、
    上記1次フィルタから出力された信号と上記2次フィルタから出力された信号とを加算する信号加算手段と、
    上記信号加算手段から出力された信号を最尤復号する最尤復号手段とを備え、
    上記2次フィルタは、上記入力信号を時刻kにおける第1の入力信号x(k)とし、当該第1の信号x(k)を単位時間のm倍(mは0以上M−1以下の整数、Mはmより大きい1以上の整数)だけ遅延させ、第2の入力信号x(k−m)を各mに対して出力する入力信号遅延手段と、上記第1の入力信号x(k)と、上記第2の入力信号x(k−m)とを乗算する乗算手段と、上記乗算手段から出力された信号をそれぞれ単位時間だけ遅延する1以上の直列に接続された遅延手段と、上記乗算手段から出力された信号及び上記各遅延手段から出力された信号に対して任意の適応化アルゴリズムによって更新されるタップ係数を乗算する係数乗算手段と、上記係数乗算手段の出力を加算する加算手段とを有するタップ長(M−m)のFIR(Finite Impulse Response)フィルタと、上記FIRフィルタから出力されたM個の信号を加算し、上記2次ボルテラ・フィルタの2次項の出力信号y(2)(x)を出力する出力手段とを備え、上記係数乗算手段は、m≠0の場合、上記乗算手段から出力された信号及び上記各遅延手段から出力された信号に対して上記タップ係数の値を2倍して乗算する信号復号装置。
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