JP4370656B2 - 紙幣入出金装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入金取引時に受け入れた紙幣を出金用として利用する還流式の機能を有すると共に、紙幣を収納する収納庫への紙幣の補充と、収納庫からの紙幣の回収を行う一括収納庫を備えた紙幣入出金装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
銀行等の金融機関においては、顧客に対する紙幣(現金)の入出金処理を行う入出金装置を装備した自動取引装置が店頭等に設置され、取引業務の処理向上に大きく寄与している。
このような入出金装置として、入金機能と出金機能を一体化した還流式の構成を持ち、金種別に紙幣を収納する金種別カセットへの紙幣の補充と、金種別カセットからの紙幣の回収を行う一括カセットを備えた入出金装置がある。
【0003】
図13は従来のこの種の紙幣入出金装置(以下CCADと略記する)の内部構造を示す概略側面図である。
図において8はCCADの前面側上部に設けた回転可能な接客部で、顧客が紙幣を投入したり、顧客に対する紙幣の返却、及び顧客に対する出金を行うための部位である。
【0004】
接客部8の左下側には紙幣の真偽,金種,正損,及び表裏の鑑別と2重送りや連鎖あるいは斜行等の異常搬送の有無の検知を行うために設けられた鑑別部13が配置されている。
また、前記接客部8左側には表裏取り揃え機構12が設けられ、前記鑑別部13で裏面と鑑別された紙幣はこの表裏取り揃え機構12で表裏反転して表面に揃えられるようにしている。
【0005】
15はCCADの背面(開放面)側に装着した一括カセット、16は同様にCCADの背面側に配置したリジェクトカセットで、このリジェクトカセット16は一括カセット15の直下の位置に装着されている。
一括カセット15は後述する各金種別カセットに対する紙幣の補充及び回収に用いられるもので、紙幣収納部17と、この紙幣収納部17内で各金種の紙幣を集積して上下動するステージ18と、紙幣回収時に各金種別カセットから繰り出された回収紙幣を集積する仕切り板19と、この仕切り板19上の紙幣をステージ18上に積み替える積み替え手段20と、仕切り板19上に紙幣を集積させる集積手段21と、ステージ18上の紙幣を1枚づつ分離して後述する搬送路上に繰り出す繰り出し手段22と、紙幣補充時に繰り出し手段22で繰り出された紙幣のうち鑑別部13により異常搬送が検知された紙幣を補充リジェクト紙幣として収納するリジェクト紙幣収納部23と、このリジェクト紙幣収納部23に紙幣を集積させる集積手段24と、一括収納部17内の紙幣のエンドを検知するためのエンド検知器25aと、ニアエンド検知器25bと、同じく一括収納部17内の紙幣のフルを検知するためのフル検知器25cと、リジェクト紙幣収納部23の紙幣のフルを検知するためのフル検知器26を備えている。
【0006】
リジェクトカセット16は、顧客の取り忘れ紙幣を収納する取り忘れ紙幣収納部27と、出金処理時に鑑別部13により出金用として利用するには不適な損券あるいは出金対象外金種の券(例えば5百円や5千円券)と鑑別された非還流紙幣及び出金処理時に鑑別部13で金種不明と鑑別されたり異常搬送が検知された紙幣を収納するリジェクト紙幣収納部28を有し、併せて前記取り忘れ紙幣収納部27へ取り忘れ紙幣を取り込んで集積させる取り忘れ紙幣集積手段29と、前記リジェクト紙幣収納部28へ損券及びリジェクト紙幣を取り込んで集積させるリジェクト紙幣集積手段30と、取り忘れ紙幣収納部27内の紙幣のフルを検出するためのフル検知器31と、リジェクト紙幣収納部28の内の紙幣のフルを検出するためのフル検知器32を備えている。
【0007】
33,34,35は顧客との取引に用いる出金用紙幣を収納する金種別カセットで、この金種別カセット33,34,35はCCADの底部側に配置されており、例えば33を千円券カセット、34と35を万円券カセットとする。
36,37,38は前記金種別カセット33,34,35内に設けられた紙幣集積用のステージで、各ステージ36,37,38を図示しない移動手段によって上昇,下降するものとなっている。
【0008】
53は前記金種別カセット33,34,35の上方に配置した入出金ユニットで、この入出金ユニット53は、各金種別カセット33,34,35と1対1で対応するようにこれら各カセットの直上に配置された一時保留部としての一時保留板42,43,44と、前記鑑別部13を経て送られてくる紙幣を取り込んで各紙幣一時保留板42,43,44上に集積させる紙幣集積機構39,40,41と、前記ステージ36,37,38もしくは紙幣一時保留板42,43,44上の紙幣を最上部より1枚づつ分離して取り出す紙幣分離機構45,46,47を有しており、ここで前記紙幣一時保留板42,43,44は図示しないモータにより矢印J方向に退避可能となっている。
【0009】
48a,49a,50aは前記金種別カセット33,34,35内の紙幣のエンドを検知するためのエンド検知器、48b,49b,50bは同じく紙幣のニアエンドを検知するためのニアエンド検知器、48c,49c,50cは紙幣のフルを検知するためのフル検知器であり、これらはそれぞれ発光,受光素子により構成されている。
【0010】
51は前記接客部8,表裏取り揃え機構12,鑑別部13,一括カセット15,リジェクトカセット16及び入出金ユニット53間を結んで紙幣を搬送する搬送路、14a〜14jはこの搬送路51による紙幣の搬送方向を切り替える切り替えブレードで、各切り替えブレード14a〜14jは前記鑑別部13による鑑別結果等に基づいて図示しないマグネットにより動作するようになっている。
【0011】
52はCCADの背面(開放面)に設けられた扉で、この扉52を開くことによりCCADを自動取引装置から引き出すことなく、一括カセット15が抜き取れるようなっている。
また、この一括カセット15を抜き取ることにより、リジェクトカセット16及び各金種別カセット33,34,35を抜き取れるようになっている。
【0012】
尚、CCAD内には接客部8を回転させるモータの他にも紙幣を分離,集積,搬送するための動力源として、それぞれ独立した図示しない複数のモータが、その回転動力を各部に伝達する動力伝達機構と共に配置されており、これらを含めて装置全体が図示しない制御部により制御されるように構成されている。 次に上述した構成の作用として、紙幣の補充と回収について説明する。
【0013】
まず、紙幣の補充について説明すると、この紙幣の補充は自動取引装置の運用開始時、あるいは運用中に紙幣の不足が生じたときに行われるもので、係員はCCADの扉52を開いて一括カセット15を装着する。
この一括カセット15のステージ18上には予め元方で取引に必要な各金種の紙幣つまり万円券と千円券の紙幣が所定枚数づつ一括して集積されており、装着後、係員はCCADの扉52を閉めて図示しない内部操作部のキー操作により紙幣の補充指示を入力する。
【0014】
これにより搬送路51が駆動され、また金種別カセット33〜35上からそれぞれ一時保留板42〜44が退避すると共に、金種別カセット33〜35のステージ36〜38が所定の位置まで上昇する。
そして、一括カセット15の紙幣繰り出し部22を駆動して、ステージ18上に集積されている紙幣を上から順に1枚づつ分離して搬送路51上に繰り出し、ブレード14bにより下方に案内して鑑別部13に搬送する。
【0015】
鑑別部13では搬送路51により搬送されてきた紙幣の真偽,金種等の鑑別を行うと共に、搬送異常の有無を検知する。
その結果、偽あるいは金種が不明等と鑑別された紙幣や搬送異常が検知された紙幣はリジェクト紙幣として搬送路51による搬送とブレード14c、14d、及び14eの案内により集積手段24に送られ、この集積手段24により一括カセット15のリジェクト紙幣収納部23に収納される。
【0016】
一方、金種が確認されかつ搬送異常が検知されなかった紙幣は補充可能な紙幣として金種別に計数された後、搬送路51による搬送とブレード14c、14dの案内により入出金ユニット53に送られる。
そして、この入出金ユニット53に送られた紙幣のうち、千円券の紙幣は切り替えブレード14hを作動して紙幣集積機構39に送り込み、金種別カセット33のステージ36に直接集積する。
【0017】
同様に万円券の紙幣は、切り替えブレード14iまたは14jを作動して紙幣集積機構40または41に送り込み、金種別カセット34のステージ37または金種別カセット35のステージ38に直接集積する。
この動作はステージ18にセットされている紙幣がなくなってエンド検知器25aの検知があるまで繰り返されるが、途中ステージ36,37,38のいずれか一つの集積枚数が保留許容値(例えば100枚)に達した場合には、紙幣繰り出し部22の動作を中断し、保留許容値に達したカセットのステージを図示していないモータにより保留許容値に相当する分下げ、ステージが下がった時点で前記紙幣繰り出し部22を再び動作させて紙幣の補充動作を繰り返す。
【0018】
一括カセット15のステージ18上の紙幣がなくなって、エンド検知器25aがエンド検知すると紙幣繰り出し部22は停止され、最後の紙幣が金種別カセットに到着すると搬送路51による搬送動作も停止する。
最後に、金種別カセット33,34,35のステージ36,37,38が一斉に下がり、ステージ36,37,38上に集積された紙幣は金種別カセット33,34,35に収納されて紙幣の補充動作は終了する。
【0019】
尚、この紙幣の補充動作において、一括カセット15のステージ18上の紙幣がなくなる前に金種別カセット33,34,35のフル検知器48c,49c,50cのいずれもがフルを検知した場合は、その時点で金種別カセット33,34,35のステージ36〜37を初期位置に下降させ、一時保留板42〜43を金種別カセット33,34,35上に戻すが、一括カセット15では引き続き紙幣繰り出し手段22によりステージ18上の紙幣の繰り出しを行う。
【0020】
これにより繰り出された紙幣は、鑑別部13を通過後、切り替えブレード14c,14d,14eの案内により一括カセット15の集積手段21に送り込まれて仕切り板19上に集積されるが、途中で集積枚数が許容値(例えば100枚)に達した場合には、紙幣繰り出し部22の動作を中断し、積み替え手段20により仕切り板19上の紙幣が持ち上げられる。
【0021】
その後、紙幣繰り出し手段22によりステージ18上の紙幣を繰り出しが再開されて前記と同様の動作が繰り返され、ステージ18上の紙幣がすべて繰り出されて、そのエンドがエンド検知器25aにより検知され、紙幣繰り出し手段22によりステージ18上から繰り出された最後の紙幣が仕切り板19上に集積されると、搬送路51の動作が停止される。
【0022】
そして、積み替え手段20により持ち上げられている紙幣は、この積み替え手段20とステージ18との協動により、ステージ18上に積み替えられる。
次に紙幣の回収処理について説明する。
この回収処理は金融機関の精査時等に行われるもので、係員が図示しない内部操作部のキー操作により回収指示を入力すると、
搬送路51が駆動され、一時保留板42〜43が矢印j方向い退避して開くと共に、例えば金種別カセット35のステージ38が所定の位置まで上昇する。
【0023】
そして、紙幣分離機構47を作動して、金種別カセット35に収納されている紙幣を上側から順に1枚づつ分離して繰り出し、繰り出した紙幣を搬送路51による搬送と、切替えブレード14j,14i,14hの案内により鑑別部13へ送り、鑑別部13では搬送されてきた紙幣の金種等の鑑別と、搬送異常の有無の検知を行う。
【0024】
その結果、金種不明な紙幣や搬送異常が検知された紙幣は、リジェクト紙幣として搬送路51による搬送と切り替えブレード14c〜14gの案内によりリジェクトカセット16のリジェクト紙幣集積手段30に送り込み、リジェクト紙幣収納部28に集積する。
鑑別の結果、金種が確認され搬送異常が検知されなかった正常な紙幣は、金種別に計数された後、切り替えブレード14c〜14eの案内により集積手段21に送り込まれ、仕切り板19の上に順次集積される。
【0025】
この動作は金種別カセット35にセットされた紙幣がなくなるまで繰り返されるが、途中で仕切り板19上の集積枚数が集積許容値に達した場合には、分離機構47の動作を中断し、補充動作時に説明した積み替え手段20による紙幣の持ち上げを行う。その後、分離機構47の動作が再開され、前記と同じ動作が繰り返される。
【0026】
これにより金種別カセット35のステージ38上の紙幣がすべて繰り出され、エンド検知器50aがエンドを検知すると、分離機構47の動作が停止され、ステージ38が初期位置に下降する。
同時に、例えば金種別カセット34のステージ37が所定に位置に上昇し、分離機構46によりステージ37上の紙幣が繰り出されて前記と同様の処理が繰り返される。
【0027】
この金種別カセット34のステージ37上の紙幣がすべて繰り出されてエンド検知器49aがエンドを検知すると、分離機構46の動作が停止され、ステージ37が初期位置に下降すると、同様に金種別カセット33のステージ36が所定に位置に上昇し、分離機構45によりステージ36上の紙幣が繰り出されて前記と同様の処理が繰り返される。
【0028】
そして、この金種別カセット33のステージ36上の紙幣がすべて繰り出されてエンド検知器49aがエンドを検知すると、分離機構46の動作が停止され、ステージ37が初期位置に下降し、更にステージ36上から繰り出された最後の紙幣が仕切り板19上に集積されると、搬送路51の動作が停止される。
その後、積み替え手段20により持ち上げられている紙幣は、この積み替え手段20とステージ18との協動により、ステージ18上に積み替えられる。
【0029】
以上で紙幣の回収処理が終了し、終了後は係員により扉52が開かれて一括カセット15がCCADから抜き取られ、精査を行う元方へ運搬される。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、この種の紙幣入出金装置では、例えば給料の支給日やその翌日、あるいはボーナスの支給日やその翌日、更には連休等の前日、前々日等には顧客への支払が多いので、これらの日には金種別カセットが満杯になるように紙幣を補充することが必要があるが、その他の日は支払額が少ないことのほうが多いので、金種別カセットが満杯になるほど補充する必要がある場合は少ないといえる。
【0031】
また、人口の多い大都市の金融機関の店舗に設置される装置では取引数が多いが、人口の少ない市町村の金融機関の店舗に設置される装置では取引数が少ないので、金種別カセットが満杯になる程紙幣を補充する必要があることは極めて稀である。
しかしながら、上述した従来の技術では、一括カセットから金種別カセットに紙幣を補充する動作において、補充中に金種別カセットの紙幣が満杯になったとき、一括カセットのステージ上に紙幣が残っている場合、このステージ上の紙幣を一旦すべて繰り出し、繰り出した紙幣を鑑別して一括カセットの仕切り板上に集積した後、この仕切り板上の紙幣回収部の紙幣を積み替え手段によりステージ上に戻すようにしているため、一括カセットには仕切り板上に紙幣を集積するスペースが必要になると共に、積み替え手段やこの積み替え手段を動作させるモーター及びその動力伝達手段、更には積み替え時にステージに上下動以外の動作をさせるモーターや動力伝達手段等の機構を必要としているため、一括カセットの構造が複雑化すると共にサイズが大型化し、かつ重量も重くなって、係員が運搬等を行う際に大きな負担になるという問題がある。
【0032】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、必要に応じて大型の一括カセットと小型の一括カセットを使い分けることが可能な紙幣入出金装置を提供することを課題とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、複数の金種の紙幣を一括し収納できる一括カセットを用い、紙幣補充時にこの一括カセットから繰り出した紙幣を金種別カセットに補充し、紙幣回収時には前記金種別カセットから繰り出した紙幣を前記一括カセットに回収する紙幣入出金装置において、紙幣収納量の大きい第1の一括カセットと、この第1の一括カセットより小型でかつ紙幣収納量の小さい第2の一括カセットを用い、第1の一括カセットを装着したときは、第1のリジェクトカセットを装着して、この第1のリジェクトカセットに入金取引で受け入れた出金に用いない紙幣と出金取引時の搬送異常が検知された紙幣をリジェクト紙幣として収納し、第2の一括カセットを装着したときは、前記第1のリジェクトカセットと共に第2のリジェクトカセットを装着して、第1のリジェクトカセットが満杯になったとき第2のリジェクトカセットに前記リジェクト紙幣を収納することを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明による紙幣入出金装置(CCAD)実施の形態について説明する。
図1は第1の実施の形態の内部構造を示す概略側面図であり、図2はこの第1の実施の形態を備えた自動取引装置の外観を示す斜視図、図3はその自動取引装置の構成を示すブロック図である。
【0035】
まず、図2に示す自動取引装置について説明すると、同図(a)は接客面から見た図、 (b) は背面から見た図である。
図2において1は現金自動取引装置で、内部に第1の実施の形態であるCCAD2を有している。
3は顧客により挿入されたカードに対する磁気ストライプデータの読み取り及び書き込みを行うと共に、レシート等に取引内容の印字処理を行うカードリーダライタ/プリント部(以下CRP部と略記す)、4は顧客により挿入された通帳の識別や取引内容の印字等の処理を行う通帳記帳機である。
【0036】
5は顧客操作表示部で、顧客が取引項目の入力や出金希望金額,暗証番号の入力,及び取消,確認等を行うための各種の操作キーと、該操作キーによる入力金額や操作案内用のイラストや文字を表示するCRT等の表示部を備えている。
6は金融機関の係員が紙幣の装填,補充,回収等の処理を行うためのデータを入力する図示しない操作キー,及び該操作キーからの入力データや処理結果等を表示して、係員操作を誘導する表示部から成る内部操作部で、この内部操作部6は自動取引装置1の背面扉1aの内側に設けられており、前記CCAD2は後述する各収納庫を着脱したり、あるいは搬送路中でジャムした紙幣を取り出す際等にこの背面扉1aを開いて自動取引装置1の背面側から外部に引き出すことができるようになっている。
【0037】
7は自動取引装置1の制御部である。
次に、図3のブロック図について説明する。
この図に見られるように制御部7にCCAD2,CRP部3,通帳記帳機4,顧客操作表示部5,及び内部操作部6が接続されており、制御部7はこれらの制御を行うと共に、必要に応じて各種演算処理やデータの記憶等を行うものとなっている。
【0038】
次に、図1の構成について説明する。
尚、従来と同一の部位には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図において61は第2の一括カセットで、本実施の形態におけるCCAD2は従来から用いられている一括カセット15(図13参照)を第1の一括カセットとし、この第1の一括カセット15と第2の一括カセット61の両方を背面側に装着可能とし、必要に応じて使い分けられるようになっている。
【0039】
この第2の一括カセット61は、第1の一括カセット15に比べて小型に形成されており、一括カセット15と同様に各金種別カセット33〜35に対する紙幣の補充及び回収に用いられる。
この第2の一括カセット61には、一括収納部62と、この一括収納部62内で各金種の紙幣を集積して上下に移動するステージ63と、繰り出し集積手段64と、紙幣補充時に繰り出し集積手段64で繰り出された紙幣のうち鑑別部13により異常搬送が検知された紙幣を補充リジェクト紙幣として収納するリジェクト紙幣収納部65と、このリジェクト紙幣収納部65に紙幣を集積させる集積手段66と、一括収納部62内の紙幣のエンドを検知するためのエンド検知器67aと、ニアエンド検知器67bと、同じく一括収納部62内の紙幣のフルを検知するためのフル検知器67cと接続用コネクタ68が備えられ、前記各検知器67a〜67cはそれぞれ一対の発光素子と受光素子により構成されている。
【0040】
ここで、繰り出し集積手段64は紙幣補充時にステージ63上の紙幣を1枚づつ分離して搬送路51上に繰り出すのみでなく、紙幣回収時には各金種別カセット33〜35から繰り出された紙幣をステージ63上に集積するもので、搬送路51は紙幣のステージ63上への集積を可能にするように構成され、切替えブレード14kと14lが付加されている。
【0041】
69はCCAD2の内部に設けられた接続用コネクタで、これについては後で説明する。
70は第2のリジェクトカセットで、従来から用いられているリジェクトカセット16を第1のリジェクトカセットとする。
この第2のリジェクトカセット70は、第2の一括カセット63が小型であることから、第2の一括カセット63が装着されるときのみ、この第2の一括カセット63の直下に位置するように第1の一括カセット15を装着するスペースに装着するもので、リジェクト紙幣等を収納するために紙幣を集積させる集積手段71と、一対の発光素子及び受光素子から成るフル検知器72を備えている。
【0042】
図4は第1の実施の形態におけるコネクタ接続の詳細を示す図で、この図に示したように、第2の一括カセット61に設けた接続用コネクタ68とCCAD2側に設けた接続用コネクタ69は、それぞれ3本のピンA,B,Cが接続識別ようとして割り当てられていて、第2の一括カセット61の接続ピンA,B,CはそれぞれスイッチSW1〜SW3及び電源Vに接続され、CCAD2の接続ピンA,B,Cはポート81を介して制御部82に接続されている。
【0043】
また、第1の一括カセット15にも接続用コネクタ68と同様の接続用コネクタが設けられている。
このようなコネクタの構成において、第2の一括カセット61に設けた接続用コネクタ68とCCAD2側に設けた接続用コネクタ69を接続したとき、例えばスイッチSW1がオンになってピンAが導通し、第1の一括カセット15の接続用コネクタとCCAD2側に設けた接続用コネクタ69を接続したときは、スイッチSW2がオンになってピンBが導通するようにしておく。
【0044】
これにより制御部82はポート81をリードすることで第1の一括カセット15と第2の一括カセット61のどちらがCCAD2に装着されたか識別することが可能となり、そして制御部82は識別結果に応じて紙幣の補充、回収の動作を制御するものとなっている。
図5は第2のリジェクトカセット70の斜視図で、この図に示したように第2のリジェクトカセット71の側面にはロック用のポスト73が設けられている。
【0045】
74はCCAD2内に設けたフレームで、このフレーム74の一側にはロックレバー75が軸76を支点として回転するように設けられており、このロックレバー75は図示しないスプリング等により矢印Dに示したように上方に付勢されており、図1に示したようにフレーム74上に第2のリジェクトカセット71を装着したとき、ポスト73にロックレバー75が係合して、第2のリジェクトカセット70がロックされるものとなっている。
【0046】
第2のリジェクトカセット70を取り外す場合は、ロックレバー75を指等で押し下げると、ロックレバー75がポスト73から外れるので、CCAD2の後方に引き出すことができる。
図6は第2の一括カセット61を装着する際の側面図で、この図に示したように扉52を開放し、第2のリジェクトカセット70上に第2の一括カセット61を載せてCCAD2内に押し込む。
【0047】
これにより第2の一括カセット61の接続用コネクタ68がCCAD2側に設けた接続用コネクタ69と嵌合して接続し、制御部82により第2の一括カセット61の装着が認識されるので、その後、扉62を閉じることで、第2の一括カセット61の装着は完了する。
図7は接客部8の動作を示す図で、同図に示すように接客部8は一定の間隔を開けて対向するように設けられた一対の紙幣ガイド9と、この紙幣ガイド9間の紙幣を1枚づつ分離する分離機構10より構成され、全体が図示しないモータ等により回転する構造となっており、上方に開閉可能なシャッタ11が設けられている。
【0048】
この接客部8は前記シャッタ11を開いて顧客が紙幣ガイド9間に入金紙幣をセットするのを待ったり、あるいは出金紙幣を顧客に支払うための入出金ポジション(イ)、紙幣が投入された後にシャッタ11を閉じて前記紙幣を1枚づつ分離して搬送路51に送り込む分離ポジション(ロ)、表裏取り揃え機構12から一括して紙幣を受け取る受け取りポジション(ハ)の3つのポジションに紙幣ガイド9が角度変化するように、これらの各ポジションに配置された図示しない発光,受光素子から成る位置検出器の信号に基づいて制御される。
【0049】
次に、上述した構成の作用を図1〜図7と共に、図8〜図11を用いて説明する。
図8〜図11は第1の実施の形態の作用を示す概略側面図で、図8は入金取引時、図9は出金取引時、図10は紙幣補充時、図11は紙幣回収時を示し、これらの図において太線の矢印は紙幣の流れを示している。
【0050】
まず、図8に示す入金取引について説明する。
顧客が顧客操作表示部5の入金取引キーを押下し、図示しないカードをカード挿入口または通帳を通帳挿入口に挿入すると、自動取引装置1の制御部7と図示しないセンタとの間で所定の交信が行われ、取引可能なことが確認されると制御部7はCCAD2に入金処理開始のコマンドを送信する。
【0051】
CCAD2は入金処理開始のコマンドを受信すると、内部状態を入金モードに切り替え、図7に示すシャッタ11を開いて顧客が紙幣を接客部8の紙幣ガイド9間にセットするのを待つ。
このとき、紙幣ガイド9は図7(イ)に示す入出金ポジションとなっており、また一時保留板42〜44は各々金種別カセット33〜35に直上に位置している。
【0052】
顧客が紙幣をセットし、その紙幣を図示しないセンサにより検知するとシャッタ11は閉じ、制御部7から定期的に送信している状態センスコマンドに対して紙幣セット有りのデータを付加してレスポンスを返送する。
次に制御部7は、CCAD2入金計数コマンドを送信して、前記紙幣ガイド9間にセットされた紙幣の計数を指示する。
【0053】
これによりCCAD2の接客部8は図示しいないモータによって図7(ロ)のように分離ポジションとなり、そして紙幣ガイド9間の紙幣を一枚づつ分離機構10により搬送路51に送り取り込み、この搬送路51により鑑別部13へ順次搬送する。
鑑別部13では搬送されてきた紙幣の真偽,金種,及び正損等の鑑別を行うと共に、搬送異常の有無を検知して後方へ送り出す。
【0054】
この鑑別部13で真券と鑑別された紙幣は、切り替えブレード14cを作動させて入出金ユニット53へ送り込む。
入出金ユニット53へ送り込まれた紙幣のうち、千円券は切り替えブレード14hを作動させて紙幣集積機構39に送り込み、一時保留板42上に集積する。同様に万円券は、切り替えブレード14iを作動させて紙幣集積機構40に送り込み、一時保留板43上に集積する。
【0055】
また、損券及び還流対象外金種である5百円券や5千円券は出金用として再利用しないので、これらは入金リジェクト紙幣として切り替えブレード14jを作動して紙幣集積機構41に送り込み、一時保留板44上に集積する。
一方、偽券と鑑別された紙幣あるいは搬送異常が検知された紙幣は、搬送路51により表裏取り揃え機構12に搬送して1枚づつ集積する。
【0056】
このとき接客部8は図示しないモータにより図7(ハ)に示す受け取りポジションに変化して待機しており、接客部8の紙幣ガイド9間に顧客がセットした紙幣の入金計数処理が完了すると、表裏取り揃え機構12に集積された紙幣を接客部8の紙幣ガイド9間に送り込む。
その後、この接客口8を前記入出金ポジションに戻し、シャッタ11を開いて紙幣ガイド9間の紙幣を顧客に返却した後、前記シャッタ11を閉じる。
【0057】
その後CCAD2は、制御部7に対して入金計数終了のレスポンスに各金種別に計数した枚数データを付加して返送する。
制御部7はこのデータを受けて金種別の金額と合計の金額を演算し、顧客操作表示部5の表示部に表示すると共に、このデータを入金計数としてカウントし、図示しないメモリに記憶しておく。
【0058】
顧客が前記表示部に表示された金額を確認し、顧客操作表示部5の確認キーを押下すると、CCAD2は制御部7からのコマンドを受信して、入出金ユニット53の一時保留板42,43,を矢印J方向に同時に退避させ、この一時保留板42,43上に集積されていた紙幣を金種別カセット33,34内にそれぞれ収納すると共に、顧客にカード及び取引内容を印字した通帳を返却し、入金取引の処理を終了する。
【0059】
尚、カードだけで取引を行った場合は、取引内容を印字したレシートを発行する。
次に、紙幣分離機構47を駆動して一時保留板44上の紙幣を搬送路51に繰り出し、鑑別部13に搬送して金種及び正損の鑑別を行う。
鑑別の結果、還流対象外の紙幣は切り替えブレード14c〜14fを作動させて第2のリジェクトカセット70のリジェクト紙幣集積手段71に送り込み、第2のリジェクトカセット70内に集積する。
【0060】
また、損券と鑑別された紙幣は切り替えブレード14c〜14fの作動により第1のリジェクトカセット16のリジェクト紙幣集積手段30に送り込まれ、リジェクト紙幣収納部28に集積される。
以上で入金取引の処理が終了する。
次に、図9に示す出金取引について説明する。
【0061】
顧客が顧客操作表示部5の出金取引キーを押下し、カードをカード挿入口に挿入した後、暗証番号を入力すると、制御部7とセンタとの間で所定の交信が行われ、取引可能なことが確認されると制御部7はCCAD2に出金処理開始のコマンドを送信する。
CCAD2は出金処理開始のコマンドを受信すると内部状態を出金モードに切り替え、一時保留板42〜44を矢印j方向に退避させると共に、金種別カセット33〜34のステージ36〜38を上昇させ、出金する紙幣の金種と枚数の指示を待つ。
【0062】
ここで、顧客により例えばm万n千の金額が入力された場合、まず金種別カセット33,34,35のエンド検知器48a,49a,50aがエンドを検知していないかどうか確認する。
このとき、エンド検知器48aがエンド検知している場合、千円の出金が不可のデータを付加して制御部7にレスポンスを返送し、またエンド検知器49a,50aの両方がエンド検知している場合は、CCAD2は万円の出金が不可のデータを付加して制御部7にレスポンスを返送する。
【0063】
これにより、制御部7は顧客操作表示部5の表示部に出金可能な紙幣の種類を表示し、金額を再入力させる。
m万n千の金額の入力に対して、エンド検知器48aがエンド検知せず、またエンド検知器49a,50aのいずれか一方が検知していない場合、制御部7からCCAD2に対して出金計数の指示と共に、万円券m枚,千円券n枚を指定するデータが送られる。
【0064】
これにより紙幣分離機構46または47が駆動されて金種別カセット34または35より万円券が1枚づつ繰り出され、この繰り出された紙幣は搬送路51により鑑別部13に搬送される。
鑑別部13では金種,表裏,及び正損の鑑別と、搬送異常の有無の検知が行われ、指定通り金種の正券で搬送異常が検知されなければ、切り替えゲート14cを作動させ、搬送路51により表裏取り揃え機構12に搬送する。
【0065】
そして、前記鑑別部13の表裏鑑別結果に基づいて切り替えブレード14aを作動させ、1枚づつ表裏を取り揃え、表裏取り揃え機構12に集積する。
一方、鑑別部13で損券と鑑別された紙幣及び異常搬送が検知された紙幣は、切り替えブレード14c,14gを作動させて第1のリジェクトカセット16のリジェクト紙幣集積手段30に送り、紙幣収納部28に集積する。
【0066】
このようにして、万円券がm枚表裏取り揃え機構12に集積されるまで、万円券の繰り出し,鑑別及び集積を繰り返す。
m枚の万円券が表裏取り揃え機構12に集積されると、次に紙幣分離機構45が駆動され、金種別カセット33から千円券が1枚づつ繰り出され、前記万円券と同様に鑑別部13に搬送されて、同様の処理が行われる。
【0067】
これにより指定金種,指定枚数の紙幣つまり万円券m枚,千円券n枚の紙幣を表裏取り揃え機構12に集積すると、接客部8を図示していないモータにより図8 (c) の受け取りポジションに変化させ、表裏取り揃え機構12に集積した出金紙幣と取引内容を印字したレシートを接客部8の紙幣ガイド9間に送り込む。その後、接客部8を図示しないモータにより図8(イ)の入出金ポジションに変化させ、シャッタ11を開いて顧客にレシートと共に紙幣を支払い、更に前記シャッタ11を閉じる。
【0068】
そして、顧客にカードを返却して出金取引の処理を終了する。
こうして出金処理が終了すると、CCAD2は処理終了のレスポンスに出金金種とその枚数のデータ及び非還流紙幣として第1のリジェクトカセット16のリジェクト紙幣収納部28に集積した損券,還流対象外券の金種とその枚数のデータを付加して制御部7に返送し、制御部7はこれを受信して、出金計数及びリジェクト計数としてカウントして図示しない所定の記憶部に記憶する。
【0069】
尚、前記紙幣を顧客が取り忘れた場合は、分離機構10によりこの取り忘れ紙幣を再分離して搬送路51に1枚ずつ送り込み、更に切り替えブレード14c,14d,14gを作動させ、第1のリジェクトカセット16の取り忘れ紙幣集積部29に送り込んで取り忘れ紙幣収納部27に集積する。
次に、図10に示した紙幣の補充について説明する。
【0070】
この紙幣の補充は自動取引装置1の運用開始時あるいは運用中に紙幣の不足が生じたときに行われるもので、この紙幣の補充を第1の一括カセット15により行う場合は従来の技術で説明したので、ここでは第2の一括カセット61により行う場合について説明する。
まず、係員は係員がCCAD2の扉52を開いて一括カセットを装着すると、この第2の一括カセット61の装着は、前記のようにCCAD2の制御部82により認識される。
【0071】
このとき第2の一括カセット61の一括収納部62のステージ63上には予め元方で取引に必要な複数の金種の紙幣つまり千円券及び万円券が一括してセットされているが、千円券の枚数は金種別カセット33の満杯量以下であり、また万円券は金種別カセット34と35の合計の満杯量以下となっている。
第2の一括カセット15の装着後、係員はCCAD2の扉52を閉め、内部操作部6の操作キーにより紙幣補充の指示を入力する。
【0072】
制御部7はこの入力を受けて、CCAD2に対して装填動作開始を指示するコマンドを送信し、CCAD2はこの装填動作開始のコマンドを受信すると内部状態を装填モードに切り替えて、一括収納部62のエンド検知器67aがエンド検知していないこと、すなわち装填するべき紙幣が一括収納部62に収納されていることを確認する。
【0073】
これは、例えば係員が誤って空の第2の一括カセット70を装着した場合のために行うもので、エンド検知していた場合は動作不可のデータを付加してレスポンスを返送し、この処理は中止される。
エンド検知していないことを確認するとCCAD2は金種別カセット33〜35のステージ36〜38を所定の位置まで上昇させて紙幣補充動作を開始する。
【0074】
すなわち、繰り出し集積部64を駆動してステージ63上の紙幣を上から順に1枚づつ分離して繰り出し、搬送路51による搬送と切り替えブレード14l,14bの案内により鑑別部13へ送り込む。
鑑別部13では送り込まれてきた紙幣に対して順次真偽,金種,正損の鑑別と搬送異常の有無を検知を行い、これにより金種が確認されかつ搬送異常が検知されなかった紙幣は補充可能な紙幣として金種別に計数された後、搬送路51による搬送とブレード14c、14dの案内により入出金ユニット53に送られる。
【0075】
そして、この入出金ユニット53に送られた紙幣のうち、千円券の紙幣は切り替えブレード14hを作動して紙幣集積機構39に送り込み、金種別カセット33のステージ36に直接集積する。
同様に万円券の紙幣は、切り替えブレード14iまたは切り替えブレード14jを作動して紙幣集積機構40または紙幣集積機構41に送り込み、金種別カセット34のステージ37または金種別カセット35のステージ38に直接集積する。
【0076】
この動作は第2の一括カセット61のステージ62上の紙幣がなくなってエンド検知器67aによりエンドが検知されまで繰り返されるが、途中ステージ36,37,38のいずれか一つの集積枚数が保留許容値(例えば100枚)に達した場合には、繰り出し集積部64の動作を中断し、保留許容値に達したカセットのステージを図示していないモータにより保留許容値に相当する分下げ、ステージが下がった時点で前記繰り出し集積部64を再び作動させて紙幣の補充動作を繰り返す。
【0077】
第2の一括カセット61のステージ62上の紙幣がなくなって、エンド検知器67aがエンド検知すると繰り出し集積部64は停止され、最後の紙幣が金種別カセットに到着すると搬送路51による搬送動作も停止する。
最後に、金種別カセット33,34,35のステージ36,37,38が一斉に下がり、ステージ36,37,38上に集積された紙幣は各々金種別カセット33,34,35に収納される。
【0078】
尚、前記鑑別部13により金種不明と鑑別された紙幣あるいは異常搬送が検知された紙幣は切り替えブレード14d,14eを作動させ、リジェクト紙幣集積手段66へ送り込んでリジェクト紙幣収納部65に集積する。
また、自動取引装置1の運用中に紙幣の不足が生じて補充を行う際には、紙幣の補充動作中に金種別カセット33,34,35のフル検知器48c,49c,50cのいずれもがフルを検知する場合があり、このような場合は第2の一括カセット61の繰り出し集積手段64を停止する。
【0079】
CCAD2は紙幣補充終了のレスポンスに各金種別に装填した計数枚数を付加して制御部7に返送し、制御部7はその金種別の計数枚数データを所定の記憶部に格納する。
以上で紙幣の補充動作が終了し、顧客との取引が可能な状態となる。
次に、図11に示した紙幣の回収について説明する。
【0080】
尚、この場合も第2の一括カセット62を用いて行うものとする。
精査時等に係員が自動取引装置1の内部操作部6のキー操作により回収指示を入力すると、制御部7はこの入力を受けてCCAD2に対して回収動作開始を指示するコマンドを送信する。
CCAD2は回収動作開始のコマンドを受信すると内部状態を回収モードに切り替え、各金種別カセット33,34,35のすべてがエンド検知されていないこと、すなわち回収するべき紙幣が金種別カセット33,34,35のいずれかに存在することを確認する。
【0081】
金種別カセット33,34,35がすべてエンド検知されていた場合、CCAD2は動作不可のデータをレスポンスに付加して制御部7に返送し、この処理は中止される。
金種別カセット33〜35のいずれか一つでもエンドを検知していないことを確認すると、CCAD2は回収動作を開始する。
【0082】
まず、金種別カセット35のエンドが検知されていない場合、一時保留板44を矢印j方向に退避させてステージ38を上昇させ、紙幣分離機構47を駆動して、ステージ38上の紙幣を上側から順に1枚づつ分離して繰り出し、搬送路51により鑑別部13へ搬送する。
鑑別部13では搬送されてきた紙幣の金種の鑑別を行うと共に、搬送異常の有無を検知する。
【0083】
この鑑別部13で搬送異常が検知された紙幣は、切り替えブレード14c〜14gを作動させて第1のリジェクトカセット16のリジェクト紙幣集積手段30に送り込み、リジェクト紙幣収納部28に集積する。
鑑別の結果正常な紙幣は計数され、切り替えブレード14c,14k,14lを作動させて第2の一括カセット61の繰り出し集積手段64に送り込み、ステージ63上に順次集積させる。
【0084】
この動作は金種別カセット35の紙幣がなくなるまで繰り返される。
金種別カセット35のエンド検知器50aがエンドを検知すると、次に金種別カセット34のエンドが検知されていない場合、一時保留板43を矢印j方向に退避させてステージ37を上昇させ、紙幣分離機構47を駆動する。
これによりステージ37上の紙幣を上側から順に1枚づつ分離して繰り出し、金種別カセット35の紙幣と同様の処理が行われる。
【0085】
金種別カセット34のエンド検知器49aがエンドを検知すると、次に金種別カセット33のエンドが検知されていない場合、一時保留板42を矢印j方向に退避させてステージ36を上昇させ、紙幣分離機構45を駆動する。
これによりステージ37上の紙幣を上側から順に1枚づつ分離して繰り出し、金種別カセット35の紙幣と同様の処理が行われる。
【0086】
上述した回収動作中、常時鑑別部13で第2の一括カセット61への送り込み紙幣の枚数をカウントし、収納許容量に達すると、回収動作を中断してその情報を制御部7に送信する。
制御部7はこれ受けて内部操作部6の表示部に「一括カセットフル」を表示して、一括カセットに収納された紙幣の回収を指示する。
【0087】
これにより係員はCCAD2の後面の扉52を開いて第2の一括カセット61を抜き取り、監査キーを用いて第2の一括カセット61の蓋を開き、一括収納部62内の紙幣を全て取り出す。
そして、再び前記蓋を閉じて第2の一括カセット61をCCAD2に再度装着し、扉52を閉じて回収動作を再開させる。
【0088】
以上のようにして金種別カセット35,34,33の全てがエンド検知をするまで回収動作を行い、最後の紙幣が一括収納部17に到着すると搬送路51による搬送動作を停止し、回収動作が終了する。
以上の処理を終了したCCAD2は回収終了のレスポンスに各金種別に回収した計数枚数データを付加して制御部7に返送し、これを受けて制御部7は回収枚数をカウントして図示しない記憶部に記憶する。
【0089】
以上によりCCAD2の紙幣回収処理が終了すると、係員はCCAD2の扉52を開き、第2の一括カセット61と第1,第2のリジェクトカセット16,70を抜き取って、精査を行う元方へ運搬する。
以上説明したそれぞれの処理は実際の運用では以下の順序で行われる。
まず、業務の開始に先立って第1の一括カセット15または第2の一括カセット61を用いて金種別カセット33〜35に紙幣を補充する。
【0090】
業務に入ってからは、入金取引、出金取引を随時行い、金種別カセット33〜35のニアエンドまたはエンドが検知された場合、第1の一括カセット15または第2の一括カセット61によりニアエンドまたはエンドが検知された金種の紙幣を補充する。
その際、必要に応じて第1の一括カセット15または第2の一括カセット61を交換するが、交換のために第1の一括カセット15または第2の一括カセット61を取り外しても、入金取引は可能であり、また出金取引もニアエンドまたはエンドが検知されていない金種で行うことは可能であるので、自動取引装置1の運用を停止することなく交換を実施することができる。
【0091】
また、第1のリジェクトカセット16の取り忘れ紙幣収納部27またはリジェクト紙幣収納部28のフル検知器31または32がフルを検知した場合、第1のリジェクトカセット16はCCAD2の引き出し方向に対して前面に配置されているので、CCAD2を自動取引装置1から引き出すことなく入出金取引の合間に容易に空の第1のリジェクトカセット16と交換することができる。
【0092】
このように第1のリジェクトカセットの交換を入出金取引の合間に行えば、自動取引装置1の稼働を停止する必要はなくなる。
また、第1のリジェクトカセット16の取り忘れ紙幣収納部27またはリジェクト紙幣収納部28のフル検知器31または32がフルを検知した場合、第1のリジェクトカセット16を空のものと交換する必要があるが、第1のリジェクトカセット16はCCAD2の引き出し方向に対して前面に配置されているので、CCAD2を自動取引装置1から引き出すことなく入出金取引の合間に容易に交換することができ、この場合も自動取引装置1の運用を停止しなくてすむ。
【0093】
第2のリジェクトカセット70についても同様である。
精査時等には第1の一括カセット15または第2の一括カセット61を用いて金種別カセット33〜35に紙幣を回収する。
以上をまとめると、本発明によるCCAD2では、第1の一括カセット15が装着された場合、従来の技術で説明したように金種別カセット33〜35に対する紙幣の補充と、金種別カセット33〜35からの紙幣の回収が行われ、また入金取引と出金取引は、本実施の形態で説明した場合と同様に行われる。
【0094】
そして、紙幣の補充中、金種別カセット33〜35が満杯になった後は、第1の一括カセット15のステージ18上の紙幣をすべて繰り出して仕切り板19上に集積し、積み替え手段11とステージ18の協動により仕切り板23上の紙幣をステージ18上に積み替えるという動作を行い、また紙幣の回収時には金種別カセット33〜35から繰り出した紙幣を仕切り板19上に集積し、積み替え手段11とステージ18の協動により仕切り板19上の紙幣をステージ18上に積み替えるという動作を行う。
【0095】
一方、第2の一括カセットセット61が装着された場合において、紙幣の補充途中で金種別カセット33〜35が満杯になった時、ステージ63上に紙幣が残っている場合は、繰り出し集積手段64の駆動を停止してステージ63上からの紙幣を繰り出しを中止し、そして紙幣の回収時には金種別カセット33〜35から繰り出した紙幣を繰り出し集積手段64によりステージ63上に集積して回収するという動作を行う。
【0096】
この第2の一括カセット61は、第1の一括カセット15の紙幣回収部23に相当する部分を切り離して独立した第2のリジェクトカセット70として構成すると共に、積み替え手段11を省略して、紙幣の回収時に回収紙幣を繰り出し集積手段64によりステージ63上に集積する構造とすることにより、第1の一括カセット15に備えられている積み替え手段20とその駆動用のモーター、動力伝達機構、更にはステージ18を積み替え手段20に協動させるためのモーターやその動力伝達機構を省略して構造を簡素化し、小型,軽量化を図っている。
【0097】
第2のリジェクトカセット70は、入金取引時の還流対象外金種の五千円紙幣等を収納するために用いるが、第1のリジェクトカセット16が満杯になった場合の予備として用いることも可能である。
図12は本発明によるCCAD2の第2の実施の形態を示す概略側面図で、この第2の実施の形態は第2の一括カセット61の上部を切り離して繰り出し集積カセット90としたもので、この繰り出し集積カセット90には繰り出し集積手段64、エンド検知器67a、及びニアエンド検知器67aが含まれる。
【0098】
また、第2の一括カセット61は上面に蓋が設けられ、CCAD2に装着した時上面の蓋が自動的に開き、CCAD2から取り出す際に蓋が自動的に閉じるような構成が採用される。
従って、この第2の一括カセット61を用いて、第1の実施の形態と同様に紙幣の補充と回収を行うことができる。
【0099】
以上により第2の一括カセット61をより小型化、軽量化することができる。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の紙幣入出金装置は、紙幣収納量の大きい第1の一括カセットと、この第1の一括カセットより小型でかつ紙幣収納量の小さい第2の一括カセットを用い、第1の一括カセットと第2の一括カセットのどちらが装着されたかを識別し、その識別結果に応じて紙幣の補充と回収を行うものとしている。
【0101】
従って、これによれば、顧客への支払が多い日は、第1の一括カセットを用いて紙幣の補充と回収を行い、顧客への支払が少ない日は第2の一括カセットを用いて紙幣の補充と回収を行うというように、必要に応じて第1の一括カセットと第2の一括カセットを使い分けることができ、金種別カセットが満杯になるほど補充する必要がある場合は少ないことから、普段は小型で軽量の第2の一括カセットを使えば済むことになり、これにより係員の運搬等の負担を軽減できるという効果が得られる。
【0102】
また、人口の多い大都市の金融機関の店舗に設置される装置では第1の一括カセットを使用し、人口の少ない市町村の金融機関の店舗に設置される装置では第2の一括カセットを使用する等の使い分けも可能であり、同様に係員の運搬等の負担を軽減できるという効果が得られる。
第2の一括カセットを使用する際、この第2の一括カセットと共に第2のリジェクトカセットを装着することで、第1のリジェクトカセットが満杯になったときの予備として第2のリジェクトカセットを用いたり、あるいは第1のリジェクトカセットに入金取引時の損券及び出金取引時の搬送異常券を収納し、第2のリジェクトカセットに前記入金取引の還流対象外の金種の紙幣を収納することも可能であり、運用の自由度を広げることができるという効果も得られる。
【0103】
特に、第1のリジェクトカセットに入金取引時の損券及び出金取引時の搬送異常券を収納し、第2のリジェクトカセットに前記入金取引の還流対象外の金種の紙幣を収納する場合においては、精査時の処理が容易になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の内部構成を示す概略側面図。
【図2】第1の実施の形態を用いた自動取引装置の外観を示す斜視図。
【図3】図2の自動取引装置のブロック図。
【図4】コネクタ接続の詳細を示す図。
【図5】第2のリジェクトカセットの斜視図。
【図6】第2の一括カセットを装着する際の概略側面図。
【図7】接客部の動作を示す側面図。
【図8】第1の実施の形態の作用を示す概略側面図。
【図9】第1の実施の形態の作用を示す概略側面図。
【図10】第1の実施の形態の作用を示す概略側面図。
【図11】第1の実施の形態の作用を示す概略側面図。
【図12】第2の実施の形態を示す概略側面図。
【図13】従来技術を示す概略側面図。
【符号の説明】
13 鑑別部
15 第1の一括カセット
16 第1のリジェクトカセット
33〜35 金種別カセット
51 搬送路
61 第2の一括カセット
70 第2のリジェクトカセット
Claims (3)
- 複数の金種の紙幣を一括し収納できる一括カセットを用い、紙幣補充時にこの一括カセットから繰り出した紙幣を金種別カセットに補充し、紙幣回収時には前記金種別カセットから繰り出した紙幣を前記一括カセットに回収する紙幣入出金装置において、
紙幣収納量の大きい第1の一括カセットと、この第1の一括カセットより小型でかつ紙幣収納量の小さい第2の一括カセットを用い、
第1の一括カセットを装着したときは、第1のリジェクトカセットを装着して、この第1のリジェクトカセットに入金取引で受け入れた出金に用いない紙幣と出金取引時の搬送異常が検知された紙幣をリジェクト紙幣として収納し、第2の一括カセットを装着したときは、前記第1のリジェクトカセットと共に第2のリジェクトカセットを装着して、第1のリジェクトカセットが満杯になったとき第2のリジェクトカセットに前記リジェクト紙幣を収納することを特徴とする紙幣入出金装置。 - 複数の金種の紙幣を一括し収納できる一括カセットを用い、紙幣補充時にこの一括カセットから繰り出した紙幣を金種別カセットに補充し、紙幣回収時には前記金種別カセットから繰り出した紙幣を前記一括カセットに回収する紙幣入出金装置において、
紙幣収納量の大きい第1の一括カセットと、この第1の一括カセットより小型でかつ紙幣収納量の小さい第2の一括カセットを用い、
第1の一括カセットを装着したときは、第1のリジェクトカセットを装着して、この第1のリジェクトカセットに入金取引で受け入れた出金に用いない紙幣と出金取引時の搬送異常が検知された紙幣をリジェクト紙幣として収納し、
第2の一括カセットを装着したときは、前記第1のリジェクトカセットと共に第2のリジェクトカセットを装着して、第1のリジェクトカセットに入金取引で受け入れた損券と出金取引時の搬送異常券をリジェクト紙幣として収納すると共に、第2のリジェクトカセットに入金取引で受け入れた出金対象外金種の紙幣を収納することを特徴とする紙幣入出金装置。 - 請求項1または請求項2において、
第2の一括カセットと第2のリジェクトカセットは、第1の一括カセットを装着するスペースに重ねて装着することを特徴とする紙幣入出金装置。
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