JP4356984B2 - 車載センサデータ伝送装置 - Google Patents
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Description
前記センサユニットは、車両用エアバッグ装置の作動を判断するためのデータを検出する衝撃荷重検出センサからなり、前記状態量は衝撃荷重であり、所定のビットレートの下、データビットの上位ビットの変更を伴う大出力振幅の衝撃荷重を検出した場合にデータビットのビット長の増大又は送信頻度の増大を行い、データビットの上位ビットの変更を伴わない小出力振幅の衝撃荷重を検出した場合に前記データビットのビット長の低減又は送信頻度の延長を行うことを特徴としている。
このエアバッグ作動システムの配置を図1に示す。1〜5はそれぞれ車両の各部に個別に設置されて衝突を検出するセンサモジュール、6は本発明で言うセントラルユニットを構成するセンターエアバッグECUであり、これらセンサモジュール1〜5は、一本のシリアルバス(通信チャンネル)LによりセンターエアバッグECU6と接続されている。
センサ部7が出力するアナログ信号電圧をデジタル信号に変換する8ビットのADコンバータ8と、ADコンバータ8から入力されるデジタル信号を所定フォーマットのデジタルデータに変換してシリアルバスLに出力する通信部9と、センサ電源部10とからなる。通信部9は、ADコンバータ8から入力されるデジタル信号を所定フォーマット、所定タイミングで出力する通信制御部90を有している。
センサモジュール1〜5のうちから選択された4つのセンサモジュール1〜4が、それぞれ8ビットデータ送信モードで運転され、8ビット長のデータを時間順次にシリアル送信する時のデータの流れを図3に示す。ビットレートは150kbsであり、パルス周期は約7μsである。センサモジュール1〜4は、センサモジュール1、2、3、4、1の順番にデジタルデータを出力する。したがって、各センサモジュール1〜4の一回のデジタルデータの合計ビット長(データ量)は上述したようにそれぞれ16ビットとなり、107μsがその必要信号伝送時間となる。また、すべてのセンサモジュール1〜4の一回のデジタルデータの合計(以下、データブロックとも言う)の送信には428μsが最低限必要となり、500μsごとに各センサモジュール1〜5のデジタルデータをすべて送信する場合には、理論的に72μsの空き時間が存在する。
センサモジュール1〜5が4ビット長のデータを時間順次にシリアル送信する時のデータの流れを図4に示す。ビットレートは150kbsであり、パルス周期は約7μsである。センサモジュール1〜5は、センサモジュール1、2、3、4、5、1の順番にデジタルデータを出力する。したがって、各センサモジュール1〜5の一回のデジタルデータ計ビット長は12ビットとなり、80μsがその必要信号伝送時間となる。また、すべてのセンサモジュール1〜5の一回のデジタルデータの合計(以下、データブロックとも言う)送信には400μsが最低限必要となり、500μsごとに各センサモジュール1〜5のデジタルデータをすべて送信する場合には、理論的に100μsの空き時間が存在する。
大きなデータ値をもつセンサモジュールがそれを報知する時のパルス信号波形(通常送信とも言う)と、小さいデータ値をもつ場合のパルス信号波形(圧縮送信とも言う)を図5に示す。
センサモジュール1〜5は、衝突を検出する衝撃検出用の荷重センサであるため通常では極めて低い。このため、この実施例では、通常においては4ビット送信モードで送信を行い、どれかのセンサモジュールが大きな衝撃荷重を検出した場合に、このセンサモジュールがセンターエアバッグECU6にそれを報知し、この報知を受信したセンターエアバッグECU6がそれに基づいて次回のフォーマットを決定し、それを各センサモジュール1〜5に報知し、次回のデータブロック送信において、このフォーマットに従って、上記大きな衝撃荷重を検出したセンサモジュールを含む4つのセンサモジュールが8ビットデータ送信モードを実行する。以下、センターエアバッグECU6とセンサモジュール1〜5との間の送信プロトコル及び上記データ送信モード(フォーマット)変更について具体的に説明する。
上記実施例では、センサモジュールが大きいデータ値をもつかどうかをセンターエアバッグECU6に送信するべく、パルス振幅が異なる2種類のパルス信号を用いた。その代わりに、センサモジュールは、少なくとも自己がデジタルデータを出力する期間中、大きいデータ値をもつ場合にトランジスタT2を常時オンするようにしてもよい。この場合、抵抗素子rの抵抗値は抵抗素子Rの抵抗値よりも非常に大きくされる。トランジスタT2のオンによりセンターエアバッグECU6の抵抗素子Rに電圧降下が生じ、この電圧降下を検出することによりセンターエアバッグECU6は大きいデータ値をもつセンサモジュールが存在することを検出することができ、次回のデータブロック送信において8ビットデータ送信モードを指令することができる。
上記実施例では、すべてのセンサモジュール1〜5が小さいビット長のデータを出力する4ビットデータ送信モードと、一部が除去されたセンサモジュール1〜4が大きいビット長のデータを出力する8ビットデータ送信モードとを、データブロック毎に切り替えた。その代わりに、4ビットデータ送信モードを行うセンサモジュールと、8ビットデータ送信モードを行うセンサモジュールとを混合して送信することもできる。すなわち、この場合には一つのデータブロックは、4ビット長のデータをもつデジタルデータと、8ビット長のデータをもつデジタルデータとを混合してなされる。つまり、データブロックの一部のデジタルデータは8ビット長となり、このデータブロックの残部のデジタルデータは4ビット長となる。ただし、データブロックを構成する5つのデジタルデータのデータすべてが8ビット長となると、データブロック周期が長くなりすぎるため、少なくとも8ビットデータをもつデジタルデータは2つまでとする。この場合、どのセンサモジュールが8ビットデータを送信するかは、上記したセンターエアバッグECU6からのアドレス指令により指定することができる。センターエアバッグECU6は受信したデータ値が大きいセンサモジュール数が2以下ならそのセンサモジュールに8ビットデータ送信を指令し、2以上ならあらかじめ定められた優先度が高いセンサモジュールの8ビットデータ送信を指令するか、あるいは、一つのセンサモジュールの送信を禁止して残りのセンサモジュールの8ビットデータ送信を指令するものとする。
上記した8ビットデータ送信モードの代わりにデータのビット長を10ビットとした10ビット送信モードを採用することができる。
データのビット長を指定するための上記パルス振幅の変更はデジタルデータのすべてのビットに対して行う必要はなく、たとえばアドレスビットの送信中又はデータビットの送信中にだけ行うこともできる。同じく、トランジスタT2の常時オンによる大きいデータ値の存在の報知を常時行ってもよい。
データのビット長を指定するためにたとえばアドレスビットの直後にデータビット長指定用の1ビットを付加することができる。このようにするとデジタルデータのビット長合計は常に1ビット長くなるが、その不利益よりもデータビット長可変による効果の方が大きく、かつ、データビット長の報知が非常に簡単となる。
(全体構成)
このエアバッグ作動システムの配置は図1に示す通りであり、センサモジュール1〜5及びセンターエアバッグECU6の回路を図6に示す。図6の回路は、図2に示す実施例1の回路において、センターエアバッグECU6の送信モード指令用のトランジスタTを省略したものである。
(動作説明)
この実施例では、各センサモジュール1〜5は、シリアルバスLから他のセンサモジュールのデジタルデータを認識して、それに基づいて予め定められている自己の出力タイミングにて自己のデジタルデータをシリアルバスLに出力する。
その他、センサモジュール1〜5は、自己が検出した衝撃荷重が大きいことに対応する大きいデータ値をもつ場合に、それを他者に報知しないことを可能である。この場合、あるセンサモジュールxが、4ビット長のデータビットにおけるビットパターンがその範囲で最大衝撃荷重値に相当するビットパターン(通常、1,1、1,1)となったら、センターエアバッグECU6や他のセンサモジュールは、センサモジュールxが大きなデータ値をもつと判定して、次回にセンサモジュールxが必ず8ビット長のデータビットをもつデジタルデータを出力すると見なして、それに応じて上記した対応を行うことができる。
ここで衝突が生じてあるセンサモジュールから出力されるデジタルデータのデータビット値が大きなデータ値に相当するビットパターンに変化すると、センターエアバッグECU6がこの変化を認識する。これにより、センターエアバッグECU6は予め定められた一つのセンサモジュールに送信を禁止することを要請することができる。その他、各センサモジュール1〜5の通信制御部90はシリアルバスLに現れる他のセンサモジュールのデータビットのビットパターンを認識してそれが大きいデータ値に相当するかどうかを簡単に認識することができる。これにより、直前の複数のデジタルデータが大きいデータ値を持ち、かつ、自己が大きいデータ値をもたない場合には、次に送信すべきセンサモジュールxは送信を中止する。センサモジュールxの次に送信するべきセンサモジュールyは、センサモジュールxの送信中止により生じるシリアルバスLの電位変化の省略を認識すなわちデジタルデータ送信の空き時間が長いことを認識して自己の送信を行うことができる。
その他、センターエアバッグECU6は、8ビットデータ送信モードで受信したすべてのセンサモジュール1〜5の各データ値に基づいて、次回のデータブロック送信において、特定のセンサモジュール又は予め決められたセンサモジュールの送信を禁止する送信指令を上記したデータブロックと次のデータブロックとの間の空き時間に送信してもよい。あるいは、特定のセンサモジュールだけの頻繁な送信を指令してもよい。
上記した実施例は車両用エアバッグ作動用のセンサモジュール1〜5のシリアルバス送信の制御を説明したが、本発明はこれに限らず、各種のバス接続型センサデータ伝送方式に適用できることは明らかである。
R 抵抗素子
T トランジスタ
T1 トランジスタ
T2 トランジスタ
Vcc 電源電圧
r 抵抗
1〜5 センサモジュール
6 センターエアバッグECU
7 センサ部(荷重センサ)
8 ADコンバータ
9 通信部
10 センサ電源部
90 通信制御部
Claims (4)
- 所定の伝送帯域を有して時間順次にデジタルデータを伝送する通信チャンネルと、
検出した車両状況に関連する状態量に対応する所定ビット長のデータビットとアドレスビットと誤り訂正ビットとからなるデジタルデータを前記通信チャンネルに所定の送信頻度で出力する多数のセンサユニットと、
前記通信チャンネルを通じて前記各センサユニットから前記デジタルデータを受信するセントラルユニットと、
を備える車載センサデータ伝送装置において、
前記センサユニットは、
車両用エアバッグ装置の作動を判断するためのデータを検出する衝撃荷重検出センサからなり、
前記状態量は衝撃荷重であり、
所定のビットレートの下、
前記データビットの上位ビットの変更を伴う大出力振幅の前記衝撃荷重を検出した場合に前記データビットのビット長の増大又は前記送信頻度の増大を行い、
前記データビットの上位ビットの変更を伴わない小出力振幅の前記衝撃荷重を検出した場合に前記データビットのビット長の低減又は前記送信頻度の延長を行うことを特徴とする車載センサデータ伝送装置。 - 請求項1記載の車載センサデータ伝送装置において、
前記センサユニットは、
自己が検出した衝撃荷重又は自己が出力するデータビットのビット長に対応する情報を含む信号を前記セントラルユニットに送信し、
前記セントラルユニットは、
受信した前記信号に基づいて、前記センサユニットから受信した又はこれから受信する前記デジタルデータのフォーマットを判定することを特徴とする車載センサデータ伝送装置。 - 請求項2記載の車載センサデータ伝送装置において、
自己が検出した衝撃荷重又は自己が出力するデータビットのビット長に対応する情報を含む信号を前記セントラルユニットに送信し、
前記セントラルユニットは、
受信した前記信号に基づいて、次回の送信における各センサユニットのデータビットのビット長及び送信の是非を前記各センサモジュールに指令することを特徴とする車載センサデータ伝送装置。 - 請求項1乃至3のいずれか記載の車載センサデータ伝送装置において、
前記セントラルユニット又は前記センサユニットは、
前記通信チャンネルのビットレートが所定しきい値を超えないという条件下で、前記通信チャンネルに送信する前記センサユニットの数と前記センサユニットのデジタルデータのビット長とを変更することを特徴とする車載センサデータ伝送装置。
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