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JP2007329671A - 通信システムにおける接続線の断線検出方法 - Google Patents

通信システムにおける接続線の断線検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】通信システムを構成する部品点数の増加を招くことなく、かつ作業時間の増大を招くことのない、接続線の断線の検出を可能とする通信システムの接続線の断線検出方法を提供すること。
【解決手段】車載機器を制御する複数の制御手段ECU1〜5と、終端抵抗R1、R2により両端を相互に接続される2本の通信線CANH、CANLと、複数の制御手段ECU1〜5と2本の通信線CANH、CANLとを接続する接続線CH、CLとから構成され、複数の制御手段ECU1〜5を全て通常制御モードから省電力モードに移行させた後、任意の一の制御手段ECUNを省電力モードから通常制御モードに移行させて、さらに、通常制御モードから省電力モードに移行させて、2本の通信線CANH、CANL相互間に過渡的な差動電圧が発生した場合に、制御手段ECUNと2本の通信線CANH、CANLとを接続する接続線CH、CLが断線していると判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車載機器を制御する複数のECU(Electronic Control Unit)と、終端抵抗により両端を相互に接続される2本の通信線と、複数のECUと2本の通信線とを接続する接続線とから構成される通信システム(例えばCAN(Controller Area Network))における接続線の断線検出方法に関する。
従来から、車載機器を制御する複数のECUと、終端抵抗により両端を相互に接続される2本の通信線と、複数のECUと2本の通信線とを接続する接続線とから構成される通信システムにおける断線検出方法は存在し、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。この従来技術においては、各ECUが2本の通信線を接続する抵抗とスイッチを備えており、通信異常が発生した場合には、終端抵抗に最も近いECUから順番に、内部のスイッチをオンとして、通信線の断線箇所を検出することが行われている。
特開2003−304265号公報
ところが、このような従来の方法においては、各ECUが抵抗とスイッチを別途備える必要があるため、各ECUの部品点数が増大しコスト及び重量の増加を招くという問題があった。加えて、通信線の断線は検出できても、接続線の断線を検出することはできず、接続線の断線を検出するためには、接続線を各通信線から外してテスタによりインピーダンスを測定する必要が生じ、作業時間の増大を招くという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑み、通信システムを構成する部品点数の増加を招くことなく、かつ作業時間の増大を招くことのない、接続線の断線の検出を可能とする通信システムの接続線の断線検出方法を提供することを目的とする。
上記の問題を解決するため、本発明による通信システムの接続線の断線検出方法は、
車載機器を制御する複数の制御手段と、終端抵抗により両端を相互に接続される2本の通信線と、前記複数の制御手段と前記2本の通信線とを接続する接続線とから構成されるとともに、前記複数の制御手段が、前記2本の通信線に所定の信号電圧を加圧して前記2本の通信線間の差動電圧により通信を行う通常制御モードと、前記2本の通信線に前記所定の信号電圧未満のゼロを含む電圧を加圧する省電力モードとを有し、省電力モードにおいて前記2本の通信線間の差動電圧が発生した場合に通常制御モードに移行する通信システムにおける接続線の断線検出方法であって、
前記複数の制御手段を全て通常制御モードから省電力モードに移行させた後、任意の一の制御手段を省電力モードから通常制御モードに移行させて、さらに、通常制御モードから省電力モードに移行させて、前記2本の通信線の主として浮遊容量に基づく過渡的な差動電圧が発生した場合に、当該制御手段と前記2本の通信線とを接続する前記接続線が断線していると判定することを特徴とする。
なおここで言う通信システムとは、例えば、CAN(Controller Area Network)である。
ここで、前記差動電圧の発生を前記任意の一の制御手段以外の制御手段における省電力モードから通常制御モードへの移行により検出してもよい。
これによれば、前記差動電圧の発生を、前記外部検出手段を用いることなく、前記通信システムを構成する前記制御手段の動作により検出して、前記接続線の断線及び断線箇所を検出することができる。
あるいは、前記差動電圧の発生を外部検出手段により検出してもよい。
これによれば、前記差動電圧の発生を簡易な手段により検出して、前記接続線の断線及び断線箇所を検出することができる。
本発明によれば、通信システムを構成する部品点数の増加を招くことなく、かつ作業時間の増大を招くことのない、接続線の断線の検出を可能とする通信システムの接続線の断線検出方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る通信システムの接続線の断線検出方法を適用しうるCANの一実施形態を示すブロック図であり、図2は、本発明に係わるCANの各ECU内部のドライバの回路である。図3は、本発明に係わるCANの通信線の接地経路を示す模式図であり、図4は、本発明に係わるCANの通信線の断線時における接地経路を示す模式図である。
本発明に係わるCANは、ボデーECU1(Electronic Control Unit)と、ウィンドウECU2と、ワイパーECU3と、シートECU4と、メータECU5と、終端抵抗R1、R2により両端を相互に接続される2本の通信線CANH、CANLと、2本の通信線CANH、CANLと、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4、メータECU5とを接続する接続線CH、CLとから構成されるものである。
ボデーECU1は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものであり、図示しないドアスイッチの開閉に基づき、カーテシランプのオンオフ制御を行い、図示しないライトコントロールスイッチの操作に基づきライトのオンオフ制御を行う他、IGオンまたはACCオン、ドア開、ライトコントロールスイッチの操作のいずれかが行われると、状態信号をメータECU5及び他のECU2〜4に送信する制御を行うものである。
ウィンドウECU2は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものであり、図示しないマスタースイッチの操作に基づき、パワーウィンドウの開閉の制御を行うとともに、マスタースイッチの操作が行われると状態信号を他のECUに対して送信する制御を行うものである。
ワイパーECU3は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものであり、図示しないワイパーコントロールスイッチの操作に基づき、ワイパーモータを駆動して、ワイパーを動作させるとともに、ワイパーコントロールスイッチの操作が行われると、状態信号を他のECUに対して送信する制御を行うものである。
シートECU4は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものであり、図示しないシート位置メモリースイッチにより、ユーザが設定した位置にシートを動かすとともに、メモリースイッチの操作が行われると状態信号を他のECUに対して送信する制御を行うものである。
メータECU5は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものであり、車速やエンジンの回転数等の車両情報を図示しないメータにより表示するとともに、ボデーECU1からの状態信号に基づきメータのランプを点灯する制御を行うものである。
以上述べたボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4、メータECU5はいずれのECUも、CPUの指令に基づき、接続線CHを介して通信線CANHにH信号を加圧し、接続線CLを介して通信線CANLにL信号を加圧するドライバを備えるとともに、通信線CANHとCANLとの間に発生する差動電圧を信号として検出するレシーバを備えており、これにより上述した状態信号を始めとした信号を送受信して通信を行う。なお、図1では便宜上CPUとドライバのみを図示している。
ドライバは図2に示すような回路で表されるものであり、接続線CH側の回路はMOSFETよりなるスイッチSW1、SW2、電圧調整回路1、CANHドライバ、送信制御回路を図2に示すように接続して構成され、接続線CL側の回路はMOSFETよりなるスイッチSW3、SW4、電圧調整回路2、CANLドライバ、送信制御回路を図2に示すように接続して構成される。
CANHドライバはCPUからの送信信号に基づく、送信制御回路からの指令に基づきスイッチSW1をオン、スイッチSW2をオフとして接続線CHを加圧し、スイッチSW1をオフ、スイッチSW2をオンとして接続線CHを接地する。接続線CHに加圧される信号電圧は電圧調整回路1により、3.5V又は2.5Vに調整される。
また通常制御モードにおいて、CANLドライバはCPUからの送信信号に基づく、送信制御回路からの指令に基づきスイッチSW3をオン、スイッチSW4をオフとして接続線CLを加圧し、スイッチSW3をオフ、スイッチSW4をオンとして接続線CLを接地する。接続線CLに加圧される信号電圧は電圧調整回路2により、1.5V又は2.5Vに調整される。
つまり、通常制御モードの通常制御においては接続線CHの電圧=3.5Vまたは2.5V、接続線CLの電圧=1.5Vまたは2.5Vであり、省電力モードへの移行時に現れるスリープモードにおいては接続線CHの電圧=接続線CLの電圧=2.5Vであり、省電力モードにおいては接続線CHの電圧=接続線CLの電圧=0Vである。
また、ボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4、メータECU5はいずれも、状態信号の送受信を1分以上行わない場合つまり、IGオフ、ACCオフでドアおよびいずれのスイッチも1分以上(時間は一例)操作されない場合には、暗電流低減のために通常制御モードから省電力モードに移行する省電力機能を備えている。
さらにボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4、メータECU5はいずれも、省電力モードにおいて、状態信号を受信すると通常制御モードに移行するとともに、通常制御モードから省電力モードに移行した後時間T1を経過するまでは、不安定な電圧により予期しない状態が発生することを防止するため、省電力モードから通常制御モードへの移行を行わない。
加えて、本実施例のボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4、メータECU5はいずれも、断線検出ソフトを備えており、省電力モードにおいて外部入力により断線検出ソフトを起動されたECUは、時間T2後に通常制御モードへ移行するとともに、時間T3後に省電力モードに移行する。
なお、外部入力とは、例えば、ボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4、メータECU5のそれぞれに接続されているスイッチを30秒間に20回オンオフすることである。また、ボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4、メータECU5のうち、CAN以外の通信規格、例えばシリアル通信やLIN(Local Interconnect Network)に接続されているものがあれば、それらを用いて外部ダイアグツールにより外部入力を行うことも可能である。
このように通常制御モードのスリープモードから省電力モードに移行するにあたって、例えばメータECU5に着目して、図2に示したドライバ内部のスイッチSW2、SW4がともにオンとなり、接続線CH、CLがともに断線していない場合には、図3に示すように、通信線CANH、CANLはそれぞれ接続線CH、CLを介して接地されて、通信線CANHのA点の電位VAおよびCANLのB点の電位VBはともに2.5Vから0Vに移行する。
ところが、メータECU5の接続線CHが、図4に示すように断線している場合には、図2に示したドライバ内部のスイッチSW2、SW4がともにオンとなっても、通信線CANHのA点は接地抵抗R1、B点、接続線CL、およびスイッチSW4を介して接地するため、通信線CANHのA点の電位VAは接地経路が長くなり、主として浮遊容量と抵抗の増大により、接地時の電位VAの落ちる速度が図5(a)に示すように長くなる。これに対して、通信線CANLの接地経路は接続線CLが断線していないため変わらず、通信線CANLのB点の電位VBは図5(b)に示すように方形波状に落ちる。このため、通信線CANHと通信線CANLの電位差つまりは過渡的な差動電圧VA―VBが、図5(c)に示すように発生して、メータECU5以外のボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4は、メータECU5が状態信号を送信したとみなして、ボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4は省電力モードから通常制御モードに移行する。本実施例1はこの現象を利用して、接続線の断線を検出するものである。
断線部分、および全体の電線の特性によっては、メータECU5の接続線CHが、図4のように断線している場合でも、通信線CANHのA点の電位VAと通信線CANLのB点の電位VB間の差動電圧が小さく、状態信号を送信したとみなすことができない場合がある。その場合には、メータECU5のCH、CL間に差動電圧が発生するため、メータECU5は自ECU以外が状態信号を送信したとみなす。その結果、メータECU5が通常制御モードに移行して送信を開始する。そのメータECU5の送信電圧により、メータECU5以外のECUが通常制御モードに移行する。
これらのボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4、メータECU5の通常制御モードから省電力モードへの相互の移行態様を図6に示す。例えば、ボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4、メータECU5のいずれもが通常制御モード(図6中Nで示す。以下同じ。)であり、状態信号の送受信を1分以上行わない場合つまり、IGオフ、ACCオフでドアおよびいずれのスイッチも1分以上操作されない場合には、暗電流低減のために通常制御モード(N)から省電力モード(図6中Sで示す。以下同じ。)に移行する。
この状態において、ボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4は、通常制御モード(N)から省電力モード(S)に移行した後、時間T1を経過するまでは省電力モード(S)から通常制御モード(N)への移行を禁止するため、ボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4が通常制御モード(N)から省電力モード(S)に移行して、時間T1が経過した後に、外部入力によりメータECU5の断線検出ソフトを起動して、時間T2後にメータECU5は通常制御モード(N)へ移行するとともに、時間T3後に省電力モード(S)に移行する。そして、時間T3後にメータECU5が通常制御モード(N)から省電力モード(S)に移行すると、上述したように通信線CANHとCANLとの間に差動電圧が発生し、状態信号が送信されたと他のボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4は判断して、省電力モード(S)から通常制御モード(N)に移行する。
以上述べた本発明による通信システムの接続線の断線検出方法の手順内容を図7に示すフローチャートを用いて説明する。
S1において、上述したCANの通信異常、例えば、ドア開にしてもメータランプが点灯しない等が発生してユーザがこれを検知した場合、ディーラー等に入庫してサービスマンがS2に示すように、断線していると推定される接続線の属するCANの全てのECUつまりは、ボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4、メータECU5を、IGオフ、ACCオフでドアおよびいずれのスイッチも1分以上操作しないことにより、通常制御モードから省電力モードに移行させる。
つづいて、S3においてECUNとして、メータECU5を選択し、ボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4が通常制御モードから省電力モードに移行して時間T1が経過した後、メータECU5の断線検出ソフトを前述した外部入力により起動させる。これにより、S4においてメータECU5のみが通常制御モードに移行し、S5において、メータECU5が省電力モードに移行する。
この場合に、メータECU5の接続線CH又はCLが断線していると、S6において上述したように通信線CANHとCANLとの間に差動電圧が発生し、メータECU5から状態信号が送信されたと他のボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4は判断して、省電力モードから通常制御モードに移行する。
この場合には、S7にすすんでECUNここではメータECU5の接続線CH、CLのいずれかが断線していると推定され、サービスマンが当該箇所の接続線CH、CLの交換作業を行う。
S6において接続線CH、CLが断線しておらず、通信線CANHとCANLとの間に差動電圧が発生せず、他のボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4が、省電力モードから通常制御モードに移行しない場合には、メータECU2の接続線CH、CLは断線していないと推定されるので、S8に進んで、全ECUの接続線の断線調査が終了しているかどうかを判定し、終了している場合は手順を終了し、終了していない場合はNをインクリメント、つまりは、他のボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4のいずれかをECUNの対象として、S2からS8の手順を繰り返す。
以上述べた本実施例1によれば、あるECUNの接続線CH又はCLの断線により、ECUNを通常制御モードから省電力モードに移行させた場合に発生する、通信線CANHとCANLとの間の差動電圧の発生を、外部ダイアグツールを用いることなく、CANを構成する他のECUの省電力モードから通常制御モードへの移行動作により検出して、接続線の断線及び断線箇所を検出することができる。
なおCANにおけるECU1〜5の組み合わせはあくまで例示的なものであり、以上述べた組み合わせに限られるものではない。従ってCANの通信異常は、上述したドア開にしてもメータランプが点灯しないことの他にも種々のものが考えられる。
以上述べた実施例1では、いずれかのECUの接続線CH又はCLが断線していると、上述したように通信線CANHとCANLとの間に差動電圧が発生し、状態信号が送信されたと他のECU4が判断して、省電力モードから通常制御モードに移行することを検出して、接測線CH又はCLの断線を検出したが、差動電圧そのものをモニターできる外部ダイアグツールがある場合には、差動電圧そのものを検出して断線及び断線箇所を検出してもよい。
以下にそれについての実施例を示す。なお、断線検出方法の適用対象となるCANの基本構成は実施例1に示したものと同様であるため説明は割愛する。ここでは、通信線CANH、CANLに図示しない差動電圧が検出可能なダイアグツールが接続されているものとする。
図8は、本発明に係る通信システムの接続線の断線検出方法の一実施形態を示すフローチャート図である。以下図8を用いて、断線検出方法の手順を説明する。
S11において、上述したCANの通信異常、例えば、ドア開にしてもメータランプが点灯しない等が発生してユーザがこれを検知した場合、ディーラー等に入庫してサービスマンがS12に示すように、断線していると推定される接続線の属するCANの全てのECUつまりは、ボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4、メータECU5を、IGオフ、ACCオフでドアおよびいずれのスイッチも1分以上操作しないことにより、通常制御モードから省電力モードに移行させる。
つづいて、S13においてECUNとして、メータECU5を選択し、ボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4を通常制御モードから省電力モードに移行させて、時間T1が経過した後、メータECU5の断線検出ソフトを外部入力により起動させる。これにより、S14においてメータECU5のみが通常制御モードに移行し、S15において、メータECU5が省電力モードに移行する。
この場合に、メータECU5の接続線CH又はCLが断線していると、S16において上述したように通信線CANHとCANLとの間に差動電圧が発生することが外部ダイアグツールによりサービスマンが確認できる。
この場合には、S17にすすんでECUNここではメータECU5の接続線CH、CLのいずれかが断線していると推定され、サービスマンが当該箇所の接続線CH、CLの交換作業を行う。
S16において接続線CH、CLが断線しておらず、通信線CANHとCANLとの間に差動電圧が発生しないと外部ダイアグツールにより確認される場合には、メータECU2の接続線CH、CLは断線していないと推定されるので、S18に進んで、全ECUの接続線の断線調査が終了しているかどうかを判定し、終了している場合は手順を終了し、終了していない場合はNをインクリメント、つまりは、他のボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4のいずれかをECUNの対象として、S12からS18の手順を繰り返す。
以上述べた本実施例2によれば、接続線CH又はCLの断線による通信線CANH、CANLの差動電圧の発生を簡易な手段により検出して、接続線CH、CLの断線及び断線箇所を検出することができる。
以上述べた実施例2では、ECUNに指定したメータECU5を省電力モードから通常制御モードに移行させた後、再び、省電力モードに移行させて、通信線CANHとCANLとの間に差動電圧を発生させてそれを検出することにより、断線及び断線箇所を検出した。ところが、全てのECUを省電力モードに移行した後、メータECU5が省電力モードから通常制御モードに移行すると、メータECU5と通信線CANH、CANLとを接続している接続線CH、CLのうち接続線CHが断線している場合には、図9に示すようにメータECU5が通信線CANHを加圧する経路は接続線CL、B点、終端抵抗R1、A点となり、図10に示す非断線時よりも長くなり、浮遊容量と抵抗の増大により加圧時間が長くかかり、これによっても微少な差動電圧が発生する。
外部ダイアグツールが微少な差動電圧を検出可能なものである場合には、省電力モードから通常制御モードに移行させた時点で発生する差動電圧を検出して、断線及び断線箇所を検出することも可能である。以下にそれについての実施例を示す。なおここでも、断線検出方法の適用対象となるCANの基本構成は実施例1に示したものと同様であるため説明は割愛し、通信線CANH、CANLに図示しない差動電圧が検出可能なダイアグツールが接続されているものとする。
図11は、本発明に係る通信システムの接続線の断線検出方法の一実施形態を示すフローチャートである。以下図11を用いて本実施例3の通信システムの接続線の断線検出方法の手順を説明する。
S21において、上述したCANの通信異常、例えば、ドア開にしてもメータランプが点灯しない等が発生してユーザがこれを検知した場合、ディーラー等に入庫してサービスマンがS22に示すように、断線していると推定される接続線の属するCANの全てのECUつまりは、ボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4、メータECU5を、IGオフ、ACCオフでドアおよびいずれのスイッチも1分以上操作しないことにより、通常制御モードから省電力モードに移行させる。
つづいて、S23においてECUNとして、メータECU5を選択し、ボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4が通常制御モードから省電力モードに移行して、時間T1が経過した後、メータECU5の断線検出ソフトを外部入力により起動させる。これにより、S24においてメータECU5のみを通常制御モードに移行させる。
この場合に、メータECU5の接続線CH又はCLが断線していると、S25において通信線CANHとCANLとの間に差動電圧が発生することが外部ダイアグツールによりサービスマンが確認できる。
この場合には、S26にすすんでECUNここではメータECU5の接続線CH、CLのいずれかが断線していると推定され、サービスマンが当該箇所の接続線CH、CLの交換作業を行う。
S25において接続線CH、CLが断線しておらず、通信線CANHとCANLとの間に差動電圧が発生しない場合には、メータECU2の接続線CH、CLは断線していないと推定されるので、S27に進んで、全ECUの接続線の断線調査が終了しているかどうかを判定し、終了している場合は手順を終了し、終了していない場合はNをインクリメント、つまりは、他のボデーECU1、ウィンドウECU2、ワイパーECU3、シートECU4のいずれかをECUNの対象として、S21からS27の手順を繰り返す。
以上述べた本実施例2によれば、接続線CH又はCLの断線による通信線CANH、CANLの差動電圧の発生を簡易な手段により検出して、接続線CH、CLの断線及び断線箇所を検出することができる。
以上本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明は上述した実施例に制限されることなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形および置換を加えることができる。また、本発明を適用しうる通信システムとしてCAN(Controller Area Network)を示したが、2本の通信線に所定の信号電圧を加圧して通信線間の差動電圧により通信する通常制御モードと、所定の信号電圧未満の電圧、典型的にはゼロ電圧を加圧する省電力モードとを有し、省電力モードにおいて2本の通信線間の差動電圧が発生した場合に通常制御モードに移行する制御手段を有する通信システムであれば、本発明を適用することが可能である。
本発明による通信システムの接続線の断線検出方法は、断線検出ソフトを各制御手段にインストールするのみで、ハードの追加を行うことなく、通信システムの接続線の断線を検出することができるので、乗用車、トラック、バス等の様々な車両に適用して有益なものである。
本発明に係る通信システムの接続線の断線検出方法を適用しうるCANを示すブロック図である。 本発明に係る通信システムの接続線の断線検出方法を適用しうるCANのドライバ内部の回路を示す模式図である。 本発明に係る通信システムの接続線の断線検出方法を適用しうるCANの接地経路を示すブロック図である。 本発明に係る通信システムの接続線の断線検出方法を適用しうるCANの接地経路を示すブロック図である。 本発明に係る通信システムの接続線の断線検出方法を適用しうるCANの通信制御モードから省電力モードに移行させた場合の電圧降下の態様を示す模式図である。 本発明に係る通信システムの接続線の断線検出方法を適用しうるCANの各ECUの通信制御モードと省電力モードの移行態様を示す模式図である。 本発明に係る通信システムの接続線の断線検出方法の手順を示すフローチャートである。 本発明に係る通信システムの接続線の断線検出方法の手順を示すフローチャートである。 本発明に係る通信システムの接続線の断線検出方法を適用しうるCANの加圧経路を示すブロック図である。 本発明に係る通信システムの接続線の断線検出方法を適用しうるCANの加圧経路を示すブロック図である。 本発明に係る通信システムの接続線の断線検出方法の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
ECU1 ボデーECU
ECU2 ウィンドウECU
ECU3 ワイパーECU
ECU4 シートECU
ECU5 メータECU
CANH 通信線
CANL 通信線
R1 終端抵抗
R2 終端抵抗
CH 接続線
CL 接続線
N 通常制御モード
S 省電力モード

Claims (3)

  1. 車載機器を制御する複数の制御手段と、終端抵抗により両端を相互に接続される2本の通信線と、前記複数の制御手段と前記2本の通信線とを接続する接続線とから構成されるとともに、前記複数の制御手段が、前記2本の通信線に所定の信号電圧を加圧して前記2本の通信線間の差動電圧により通信を行う通常制御モードと、前記2本の通信線に前記所定の信号電圧未満のゼロを含む電圧を加圧する省電力モードとを有し、省電力モードにおいて前記2本の通信線間の差動電圧が発生した場合に通常制御モードに移行する通信システムにおける接続線の断線検出方法であって、
    前記複数の制御手段を全て通常制御モードから省電力モードに移行させた後、任意の一の制御手段を省電力モードから通常制御モードに移行させて、さらに、通常制御モードから省電力モードに移行させて、前記2本の通信線の主として浮遊容量に基づく過渡的な差動電圧が発生した場合に、当該制御手段と前記2本の通信線とを接続する前記接続線が断線していると判定することを特徴とする通信システムにおける接続線の断線検出方法。
  2. 前記差動電圧の発生を前記任意の一の制御手段以外の制御手段における省電力モードから通常制御モードへの移行により検出することを特徴とする請求項1に記載の通信システムにおける接続線の断線検出方法。
  3. 前記差動電圧の発生を外部検出手段により検出することを特徴とする請求項1に記載の通信システムにおける接続線の断線検出方法。
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