JP4280783B2 - 引き出し式加熱調理器のドア開閉方法及び装置 - Google Patents
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Description
低速で大きな駆動力を発生させる必要があるため、移動機構は、モータから見て高い減速比を持った減速歯車を含む伝達機構を介して駆動される。これは、被駆動物である引き出し体からモータの回転子を見た場合、引き出し体の移動に対してモータの回転子による負荷を減速比に比例して増幅した駆動負荷が接続されていることを意味する。即ち、加熱調理器の引き出し体を手動操作で移動した場合、移動機構を介してモータの回転子を駆動することになり、モータの形状及び単体での回転子の挙動から予想される負荷に比べて非常に大きな駆動負荷が発生する。このときに必要な操作力は、モータ駆動による自動開閉式ではなく手動開閉による引き出し式加熱調理器の場合に要する操作力に比べて、相当大きな操作力となる。
図2は、図1に示すドア開閉装置の電動閉扉動作の説明図である。電動閉扉動作においては、ピニオン34の時計方向の回転によってラック35が右方向に移動し、引き出し体2が右方向に移動して、開閉扉6が閉じられる。開閉扉6が閉じられた瞬間では、ピニオン34の歯34aの時計方向側歯面34bが、ラック35の歯35aの引き出し前側歯面35bに当接した状態にある。
図3は図1に示すドア開閉装置の戻し動作の説明図である。図2に示すように、ラック35が右方向に移動し切った状態、即ち全閉位置としてのストロークエンドに到達した状態にあるときに、ピニオン34を微小角度だけ反時計方向に回転させると、ピニオン34とラック35との間にバックラッシ37が存在するため、ピニオン34はラック35と噛み合うことなく自由状態で反時計方向に回転する。即ち、ピニオン34は、伝動機構32を構成するピニオン34とラック35との間に存在するバックラッシ37に相当する微小角度で回転され、図で見てバックラッシ37は反時計方向には吸収された状態にある。
図4は図1に示すドア開閉装置の手動開扉に対する開扉検知動作の説明図である。手動開扉時にピニオン34とラック35との間、即ち、ピニオン34の歯34aの時計方向側歯面34bと、ラック35の歯35aの引き出し前側歯面35bとの間に存在するバックラッシ37は最大となっているので、手動操作により引き出し体2を開扉方向に移動させると、ラック35とピニオン34のバックラッシ37に相当する距離の間は、引き出し体2が伝動機構32(ピニオン34、減速歯車33)、及び駆動機構30に対してフリーに移動する。
手動操作による開扉操作の際は、引き出し体2と駆動機構30が切り離されているため、使用者の手に負担がかからない。制御部38は、引き出し体2のフリー移動を検知し、ラック35がバックラッシ37に相当分だけ移動して、ラック35の歯35aがピニオン34の歯34aに係合するまでの間に駆動機構30を始動し、電動開扉を行うので、操作性に優れたハンドアシストが可能となる。
また、図5(b)に示すように、全閉位置から0.5mmの開きで開閉扉を開けると、全閉スイッチの作動がOFFとなりハンドアシストが開始される。ストロークエンドに設けられる全閉スイッチに設けられるラッチからの係合離脱には、バックラッシ(このグラフでは1.5mm)よりも大きな距離を移動する必要がある。このラッチを開くためには、ラッチに関連して設けられているばね力(図6のばね43を参照)に打ち勝つ必要がある。ハンドアシスト開始位置(0.5mmの開き)よりも伝動機構に存在するバックラッシの方が大きいために、バックラッシの期間、手動による操作力も軽くなる。モータ外力は、モータによって開閉扉に与えられる力であるが、バックラッシの期間では最小限の出力トルクであり、バックラッシの期間経過後は所定のトルクまで上昇されることに対応している。なお、ハンドアシストの開始位置を0.5mmよりも短く設定すると、手動による操作力の軽減が期待できなくなる可能性がある。また、ハンドアシストの開始位置を1.5mmよりも長くすると、バックラッシの最大値を超えるため、全閉スイッチのプランジャ(図6の41を参照)を押し上げるおそれがあるので、全閉スイッチの耐久性の観点からもハンドアシストの開始位置は1.5mmを超えないように調整するのが好ましい。
3 加熱室 4 移動(スライド)機構
6 開閉扉 7 加熱容器
8 可動レール 9 固定レール
30 駆動機構 31 電動モータ
32 伝動機構 33 減速歯車
34 ピニオン 34a 歯 34b 時計方向側歯面
35 ラック 35a 歯 35b 引き出し前側歯面
36 ガイドローラ 37 バックラッシ
38 制御部 40 センサ
Claims (10)
- 内部に加熱室が形成されている調理器本体と、被加熱物を収容して前記加熱室内から引き出し可能な加熱容器及び前記加熱室を閉鎖可能な開閉扉を備える引き出し体と、伝動機構を介して前記引き出し体を出し入れ方向に駆動する駆動機構とを備えた引き出し式加熱調理器において、
前記開閉扉の全閉位置又は全開位置に対応した前記引き出し体のストロークエンドにおいて、前記伝動機構に存在するバックラッシ相当分だけ前記駆動機構を反転駆動させて停止させることから成る引き出し式加熱調理器のドア開閉方法。 - 前記引き出し体が前記ストロークエンドに到達したことに応じて、前記バックラッシ相当分を移動するまでの所定期間、前記駆動機構を反転駆動をさせることから成る請求項1に記載の引き出し式加熱調理器のドア開閉方法。
- 前記ストロークエンドにある前記引き出し体が手動で反対方向に操作されることに応じて、前記引き出し体が当該手動操作にて前記バックラッシ相当分を移動し終わる前に、前記駆動機構を当該反対方向に駆動開始することから成る請求項1に記載の引き出し式加熱調理器のドア開閉方法。
- 前記駆動機構は電動モータであり、前記伝動機構は前記電動モータの回転出力が伝達されるピニオンと前記引き出し体に取り付けられ且つ前記ピニオンに前記バックラッシを介して噛み合うラックとを含むことから成る請求項1に記載の引き出し式加熱調理器のドア開閉方法。
- 前記伝動機構はトルクの増加のために複数段の減速ギア段を備えており、前記バックラッシは、前記減速ギア段のギア間にも設けられていることから成る請求項1に記載の引き出し式加熱調理器のドア開閉方法。
- 内部に加熱室が形成されている調理器本体と、被加熱物を収容して前記加熱室内から引き出し可能な加熱容器及び前記加熱室を閉鎖可能な開閉扉を備える引き出し体と、伝動機構を介して前記引き出し体を出し入れ方向に駆動する駆動機構と、前記駆動機構を制御する制御部とを備えた引き出し式加熱調理器において、
前記制御部は、前記開閉扉の全閉位置又は全開位置に対応した前記引き出し体のストロークエンドにおいて、前記伝動機構に存在するバックラッシ相当分だけ前記駆動機構を反転駆動させた後停止させることから成る引き出し式加熱調理器のドア開閉装置。 - 前記引き出し体が前記ストロークエンドに到達したことを検出するストロークエンド到達センサを更に備えており、前記制御部は、前記ストロークエンド到達センサからの検出信号に応じて、前記バックラッシ相当分を移動するまでの所定期間、前記駆動機構を反転駆動をさせることから成る請求項6に記載の引き出し式加熱調理器のドア開閉装置。
- 前記引き出し体が前記ストロークエンドに到達したことを検出するストロークエンド到達センサを更に備えており、前記制御部は、前記駆動機構が非駆動状態にあるときに前記ストロークエンド到達センサからの非検出となった信号に応じて、前記引き出し体が前記バックラッシ相当分を移動し終わる前に、前記駆動機構を当該反対方向に駆動開始させることから成る請求項6に記載の引き出し式加熱調理器のドア開閉装置。
- 前記駆動機構は電動モータであり、前記伝動機構は前記電動モータの回転出力が伝達されるピニオンと前記引き出し体に取り付けられ且つ前記ピニオンに前記バックラッシを介して噛み合うラックとを含むことから成る請求項6に記載の引き出し式加熱調理器のドア開閉装置。
- 前記伝動機構はトルクの増加のために複数段の減速ギア段を備えており、前記バックラッシは、前記減速ギア段のギア間にも設けられていることから成る請求項6に記載の引き出し式加熱調理器のドア開閉装置。
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