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JP4198244B2 - 排水集合管継手 - Google Patents

排水集合管継手 Download PDF

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JP4198244B2
JP4198244B2 JP30283898A JP30283898A JP4198244B2 JP 4198244 B2 JP4198244 B2 JP 4198244B2 JP 30283898 A JP30283898 A JP 30283898A JP 30283898 A JP30283898 A JP 30283898A JP 4198244 B2 JP4198244 B2 JP 4198244B2
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徳厚 小島
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、多層階の集合住宅等において流入する排水に旋回流を形成して流下させる排水集合管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、単管式通気配管構造に使用される排水集合管継手は、管軸方向に上部立て管接続口、テーパ管部を有する本体部、下部立て管接続口が連設され本体部には少なくとも1個の横枝管接続口が設けられている。そして、各階における汚水や雑排水を横枝管を介して流入させるとともに、上部立て管より流入する排水と合流させ、旋回流を形成して下層階へ流下させるように構成されている。
【0003】
その旋回流形成手段としては、例えば、特公昭62−50717号公報に示すように、上部立て管接続口の直ぐ下の本体部に、偏流用の偏流板を設け、テーパ管部には、旋回のための傾斜角をもった複数の羽根板が、回転対称状に設けられたものがあった。
【0004】
このような旋回流形成手段によれば、上部立て管よりの排水は、偏流板により一方向へ偏流され、本体部の内周壁に衝突して飛散し、テーパ管部へ落下する。また横枝管よりの排水は、テーパ管部へ落下しテーパ管部において羽根板に捕捉され、それらは、羽根板に沿って流下して旋回性を付与され、らせん状の流れとなる。
【0005】
この旋回流により、排水流に排水集合管継手内を上部,下部立て管とを連通する通気芯を形成し、排水管系の空気の連通を図って、上下の立て管内の空気圧力変動の抑制が行われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来構造の排水集合管継手においては、上部立て管より流入する排水は、偏流板によって一方向へ偏流されて飛散するため、偏流板の対向側に横枝管接続口が設けられていると、上記偏流された排水が、その横枝管内へ逆流するという問題があった。
【0007】
また、旋回用の羽根板は、テーパ管部における水栓現象防止の見地から傾斜角度には限度があり、そのため、旋回性付与の更なる向上が望まれていた。
【0008】
この発明は上記にかんがみてなされたものであり、その目的とするところは、排水流を減速するとともに良好な旋回性を与えて空気圧力変動を抑制し、かつ横枝管への逆流を防止することのできる排水集合管継手を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、
第1の発明の排水集合管継手は、上部立て管を接続する上部立て管接続口と、
直管状の直管胴部およびその直管胴部の下方に下向き先細り状に形成されたテーパ管部を有し前記上部立て管接続口の下方に設けられた本体部と、
前記本体部の下方に設けられ下部立て管を接続する下部立て管接続口と、
前記本体部に設けられ横枝管を接続可能な少なくとも1個の横枝管接続口と、
を備えた排水集合管継手であって、
前記本体部は、前記横枝管接続口の下方においてそれぞれ内周壁より突出して、排水に反時計方向の旋回性を付与しつつ前記排水を減速させて流下させる少なくとも1個の第1旋回ガイドと少なくとも1個の第2旋回ガイドとを備え、
前記第1旋回ガイドと第2旋回ガイドとが
前記排水における前記第1旋回ガイドにより旋回性を付与されて流下する第1旋回流のつる巻き線のリード角を、前記排水における前記第2旋回ガイドにより旋回性を付与されて流下する第2旋回流のつる巻き線のリード角より、小さくさせるように、
管軸に対して非対称で対向して設けられてなる
ことを特徴とする排水集合管継手である。
【0010】
第2の発明の排水集合管継手は、請求項1記載の排水集合管継手であって、
前記第1旋回ガイドは、その突出端縁の長さ方向中央部が前記テーパ管部の上端に対して垂直方向位置がほぼ同一に配設され、
前記第2旋回ガイドは、その突出端縁の長さ方向上端部が前記テーパ管部の上端に対して垂直方向位置がほぼ同一に配設されて前記第1旋回ガイドと対向してなる
ことを特徴とする排水集合管継手である。
【0011】
第3の発明の排水集合管継手は、請求項1記載の排水集合管継手であって、
前記第1旋回ガイドは、その突出端縁が長さ方向に下方へ向かって30〜50度の範囲で傾斜して形成されるとともに、該突出端縁の長さ方向中央部が前記テーパ管部の上端に対して垂直方向位置がほぼ同一に配設され、
前記第2旋回ガイドは、その突出端縁が長さ方向に下方へ向かって45〜75度の範囲で傾斜して形成されるとともに、該突出端縁の長さ方向上端部が前記テーパ管部の上端に対して垂直方向位置がほぼ同一に配設されて前記第1旋回ガイドと対向してなる
ことを特徴とする排水集合管継手である。
【0012】
第4の発明の排水集合管継手は、請求項1記載の排水集合管継手であって、
前記第1旋回ガイドは、その突出端縁が長さ方向に下方へ向かって30〜50度の範囲で傾斜して形成されるとともに、該突出端縁の長さ方向上端部が前記テーパ管部の上端に対して垂直方向位置がほぼ同一に配設され、
前記第2旋回ガイドは、その突出端縁が長さ方向に下方へ向かって45〜75度の範囲で傾斜して形成されるとともに、該突出端縁の長さ方向中央部が前記テーパ管部の上端に対して垂直方向位置がほぼ同一に配設されて前記第1旋回ガイドと対向してなる
ことを特徴とする排水集合管継手である。
【0013】
第5の発明の排水集合管継手は、請求項1乃至4記載の排水集合管継手であって、
前記第1旋回ガイドは、その突出端縁が長さ方向上端部が最も下位に位置する前記横枝管接続口に接続された横枝管管底との間の垂直方向距離が少なくとも50mmである
ことを特徴とする排水集合管継手である。
【0014】
第6の発明の排水集合管継手は、請求項1乃至5記載の排水集合管継手であって、
前記本体部は、前記上部立て管接続口を有する上部集合管と、
前記下部立て管接続口を有する下部集合管と、に分割形成され、
両者が接合されて一体的に構成されてなる
ことを特徴とする排水集合管継手である。
【0015】
第7の発明の排水集合管継手は、請求項1記載の排水集合管継手であって、
前記第1旋回ガイドは、前記直管胴部の内周壁に突出して形成され、
前記第2旋回ガイドは、前記直管胴部の内周壁に突出して形成されてなる
ことを特徴とする排水集合管継手である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施態様を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1〜7は、本発明の第1実施態様を示し、図において符号10Aで示す排水集合管継手(以下、管継手と略称す)は、上部立て管接続口11と、直管胴部13およびテーパ管部14を有し上部立て管接続口11の下方に設けられた本体部12と、本体部12の下方に設けられた下部立て管接続口19と、本体部12の側壁に設けられた横枝管接続口20,22と、本体部12の内周壁13a,14aに突出形成された第1旋回ガイド25,第2旋回ガイド30とを備えて構成され、第1旋回ガイド25と第2旋回ガイド30とは、管軸Y−Yに対して非対称で対向して配設されている。
【0018】
上部立て管接続口11は、上層階より垂下した上部立て管51が、パッキン(図符号省略)を用いて水密状態を保持して接続可能に形成されている。
【0019】
本体部12は、上部に上部立て管51より大径の直管状の直管胴部13を有し、下部に下方へ向かって先細り状となったテーパ管部14が形成されている。直管胴部13の内径は、上部立て管51の内径Dの1.0倍ないし2.0倍に形成されて、直管胴部13の下端はテーパ管部14の上端に連設されている。なお、符号16は直管胴部13からテーパ管部14へ屈折する屈折部である。
【0020】
また、テーパ管部14の下端には、内径1.0Dの直管状に延びた下部立て管接続口19が設けられ、下部立て管接続口19は、下部立て管53上端部にパッキンを用いて水密状態を保持して接続可能に形成されている。 直管胴部13の上部側壁には横枝管接続口20、直管胴部13の中部側壁には横枝管接続口22が側方へ向けて開口して設けられ、両横枝管接続口20,22は、周方向90度異なる方向へ開口して形成されている。
【0021】
横枝管接続口20は、大流量の汚水を分担する横枝管55がパッキンを用いて接続可能に形成され、横枝管接続口22は、小流量の雑排水を分担する横枝管57がパッキンを用いて接続可能に形成されている。なお、横枝管接続口22の内側開口部近傍には、内周壁13aを伝う排水流の流入を防止する流入防止堰23が設けられている。
【0022】
第1旋回ガイド25は、水平面の投影が1/2円周以内に形成され、直管胴部13下部の内周壁13aから、テーパ管部14上部の内周壁14aへかけて内側へ突出して設けられている。
【0023】
第1旋回ガイド25の突出端縁26は直線状に形成され、突出端縁26上端部と、横枝管接続口22に接続された横枝管55管底との間の垂直方向の距離Lが、少なくとも50mmに形成されいる。また突出端縁26は、その長さ方向に、図1に示すように左下傾(本例では約40度の左下がり)して設けられ、管軸Y−Y方向への突出前傾角度は、本例では約5度下向きに形成されている。
【0024】
この第1旋回ガイド25の左下傾角度は、形成される第1旋回流S1のなすつる巻き線のリード角と、流入排水流の減速効果の点から、水平線より30〜50度の範囲で下向きとすることが好ましく、また、前傾角度は水平線より0〜15度の範囲で下向きとすることが好ましい。さらに、突出端縁26の長さ方向の中央部が、屈折部16とほぼ同一の垂直方向(管軸Y−Y方向)位置に形成され、突出端縁26と管軸Y−Yとの間の距離M(図2参照)は、0.2〜0.5Dの範囲に形成されている。
【0025】
第2旋回ガイド30は、水平面の投影が1/2円周以内に形成され、第1旋回ガイド25に対して管軸Y−Yを挟んだ向かい合う側のテーパ管部14の内周壁14aに内側へ突出して設けられている。突出端縁31は直線状に形成され、その長さ方向に、図3に示すように左下傾(本例では約60度の左下がり)して設けられている。また、管軸Y−Y方向への突出前傾角度は、約2度下向きに形成されている。
【0026】
この第2旋回ガイド30の左下傾角度は、形成される第2旋回流S2のなすつる巻き線のリード角と、水栓現象防止の点から、水平線より45〜75度の範囲で下向きとすることが好ましく、また、前傾角度は水平線より0〜15度の範囲で下向きとすることが好ましい。
【0027】
そして、突出端縁31の上端部が、屈折部16とほぼ同一の管軸Y−Y方向位置に形成され、突出端縁31の下端部は、テーパ管部14下部の内周壁14aに収束するように形成されている。また、突出端縁31と管軸Y−Yとの間の距離N(図2参照)は、0.2〜0.5Dの範囲に形成され、突出端縁31と第1旋回ガイド25の突出端縁26との間の最短の直線距離P(図2参照)は、少なくとも1.0Dに形成されている。さらに、突出端縁26と突出端縁31とは、水平面の投影において平行関係に形成されるとともに、横枝管接続口20の軸線と平行関係に形成されている。なお、上記突出端縁26,31の水平面の投影は、平行関係に限定されるものではない。
【0028】
次に、このように構成された管継手10Aの作用を説明する。
【0029】
管継手10Aの上部立て管接続口11,下部立て管接続口19には、それぞれ上部立て管51,下部立て管53が接続され、横枝管接続口20には、横枝管55を介して図示しない大便器が接続され、横枝管接続口22には、浴室等よりの雑排水用の横枝管57が接続されている。
【0030】
上部立て管51内を流れる排水は、通常、管の内壁面に水膜を張った状態で流下し、その水膜の内周側には通気芯が形成されている。上部立て管接続口11より本体部12内に流入した排水W(図6に破線矢印Wで示す)は、内周壁13aに沿って落下し、その一部は第1旋回ガイド25上面に到達し、他の一部は第2旋回ガイド30上に到達する。
【0031】
第1旋回ガイド25に達した排水Wは、左下がりの傾斜に案内されて進路を変え、減速されるとともに旋回性を付与されて、反時計方向回りの第1旋回流S1となりテーパ管部14下部へ流れ込む。第2旋回ガイド30上に達した排水Wは、左下がりの傾斜に案内されて旋回性を付与され、反時計方向回りの第2旋回流S2となってテーパ管部14下方へ流下する。さらに残部の排水Wは、テーパ管部14受けとめられ、第2旋回ガイド30の下面側に接触して方向を変え、反時計方向の旋回性を付与されつつ流下する。
【0032】
そして、第1旋回流S1と第2旋回流S2と上記残部の流れは、テーパ管部14下方で合流して下部立て管接続口19へ流下する。この合流は、リード角が大きい第2旋回流S2および残部の流れに、リード角の小さい第1旋回流S1が食い込むようにして合流し、これにより、第2旋回流S2および残部の流れは、第1旋回流S1の流勢に影響されてさらに偏流,減速し、第2旋回流S2よりもリード角を減じ減速した合成流となり、管軸部分に通気芯を保持しつつ一体の旋回流となって流下する。
【0033】
また、第1旋回ガイド25、および第2旋回ガイド30上に達した排水Wに跳ね返りがあっても、第1旋回ガイド25上端と、下位の横枝管57との離隔距離Lが50mm以上あるため、排水Wが横枝管57、および横枝管55へ逆流することがない。
【0034】
一方、横枝管55よりの大量の排水V(図7に破線矢印Vで示す)は、横枝管接続口20より本体部12内に流入し、二次曲線を描いて対向側の内周壁13aに衝突する。ここで排水Vは、内周壁13aに添って真直ぐ下方へ向かう流れと、左右方向へ別れその後下方へ向かう2条の流れの、3条に分流して流下する。
【0035】
左右に分流した一方の流れは第1旋回ガイド25に到達し、上述と同様に第1旋回流S1を形成する。左右に分流した他方の流れは第2旋回ガイド30上に到達し、上述と同様に第2旋回流S2を形成する。また真直ぐ下方へ向かう流れは、テーパ管部14に受けとめられ、第2旋回ガイド30の下面側に接触して方向を変え、反時計方向の旋回性を付与されつつ流下する。なお、内周壁13aを伝う流れは、流入防止堰23により横枝管接続口22への流入を阻止されている。
【0036】
そして、第1旋回流S1と第2旋回流S2と真直ぐ流下した流れは、テーパ管部14下方で合流して下部立て管接続口19へ流下する。この合流は、リード角が大きい第2旋回流S2、および真直ぐ流下する流れに、リード角の小さい第1旋回流S1が食い込むようにして合流し、これにより、第2旋回流S2および真直ぐ流下する流れは、第1旋回流S1の流勢に影響されてさらに偏流,減速し、第2旋回流S2よりもリード角を減じ減速した合成流となり、管軸部分に通気芯を保持しつつ一体の旋回流となって流下する。なお、排水Vの第1旋回ガイド25、第2旋回ガイド30上の跳ね返りも、排水Wと同様に横枝管55、57へ逆流することがない。
【0037】
また、横枝管57よりの雑排水は、一時に流れる流量は少なく流勢も小さい。従って、この雑排水は本体部12内で、直下の第2旋回ガイド30上に流れ込み、排水W,Vに巻き込まれて、旋回しながら下部立て管接続口19へ向けて流下する。
【0038】
このように、管継手10A内に流入した排水は、横枝管55,57へ逆流することなく、効果的な旋回性と減速が行われて旋回流となって流下する。従って、管継手10内に管軸Y−Y方向の空気芯を形成して、上部立て管51と下部立て管53との間に通気を行い、排水管系の空気圧力変動を有効に抑制している。
【0039】
図8は、この発明の第2実施態様を示し、排水集合管継手が上,下2体からなる点に特徴を有する。なお、以下の説明では、第1実施態様と同一あるいは同等な構成要素は同一符号を付してその説明を省略する。
【0040】
この第2実施態様の管継手10Bは、上部立て管接続口11、横枝管接続口20を有する上部集合管41と、下部立て管接続口19、横枝管接続口22、第1旋回ガイド25、第2旋回ガイド30を有する下部集合管45とからなり、上部集合管41と下部集合管45とが、上下に連結されて一体的に構成されている。上部集合管41は、第1実施態様の管継手10Aの本体部12とほぼ同径の上本体部42を有し、上端に上部立て管接続口11、側壁に横枝管接続口20、下端にフランジ状の上接合部44が形成されている。
【0041】
下部集合管45は、管継手10Aの本体部12下半部とほぼ同様の構成の下本体部46を有し、下本体部46は、上本体部42と同径の下筒状部47、およびテーパ管部14とから形成されている。
【0042】
下本体部46の上端には、フランジ状の下部接合部49、下筒状部47側壁に横枝管接続口22、その下方の内周壁48から内周壁14aへかけて第 1旋回ガイド25が突設され、それとは非対称に第2旋回ガイド30が内周壁14aに突設されている。また下本体部46下部に下部立て管接続口19が形成されている。なお、第 1旋回ガイド25と第2旋回ガイド30の構成は第1実施態様と同じである。
【0043】
そして、上部集合管41と下部集合管45とは、横枝管接続口20と第 1旋回ガイド25とを管継手10Aと同じ周方向位置として、上接合部44と下接合部49をパッキン(図符号省略)を介してボルトにより締結して、一体的に連結されている。なお、上本体部42の内周壁43と下本体部46の内周壁48とは、連通して管継手10Aの内周壁13aに相当する。
【0044】
この第2実施態様の管継手10Bによれば、第1実施態様の管継手10Aと同様に排水流の減速、旋回制御を行うことができる。また、上部集合管41に横枝管接続口20が設けられ、下部集合管45に横枝管接続口22が設けられているので、いわゆる段付スラブの下段部側に埋設され、横枝管55を介して段付スラブ上段部側に設置された大便器に直結されるとともに、横枝管接続口22には、浴室等よりの横枝管57が直結される。これにより、床段差の無い住居形成をすることができる。
【0045】
また、例えば、上部集合管41または下部集合管45に、それぞれ複数個の横枝管接続口を設けたものを形成し、それらを随意に組み合わせて多種類の管継手10Bを構成することができる利便性を有している。
【0046】
上記において、上部集合管41と下部集合管45との連結は、上述のフランジのボルト締結に代えて、他の連結構造とすることができる。また、上部集合管41,下部集合管45の分割位置は、例えば、横枝管接続口22と第 1旋回ガイド25との間で、上下に分割をしてもよい。
【0047】
図9,10は、この発明の第3実施態様を示し、長い直管胴部形状に特徴を有する。
【0048】
この第3実施態様の管継手10Cは、上部立て管接続口11と、直管胴部13,テーパ管部14を有する本体部12と、下部立て管接続口19と、本体部12側壁に設けられた横枝管接続口20,22と、直管胴部13内に突出形成された第1旋回ガイド25,第2旋回ガイド30とを備えて構成され、第1旋回ガイド25と第2旋回ガイド30とは、管軸Y−Yに対して非対称で対向して配設されている。
【0049】
この管継手10Cの本体部12は、1.0〜2.0Dを有する直管胴部13を主体とし、下端部に1.0Dに先細りとなり軸長の短いテーパ管部14が連設されている。
【0050】
また、第1旋回ガイド25は、直管胴部13の管軸Y−Y方向中部の内周壁13aから、内周壁13a下部にかけて内側へ突出して形成され、その突出端縁26は長さ方向にθ1 約40度で左下がりして、下端は内周壁13aに収束形成され、突出前傾角度は、約5度下向きに形成されている。
【0051】
第2旋回ガイド30は、第1旋回ガイド25に対向するとともに、管軸Y−Y方向に稍下方位置に設けられ、直管胴部13中部の内周壁13aから、内周壁13a下部にかけて内側へ突出して形成されている。その突出端縁31は長さ方向にθ2 約60度で左下がりして、下端は内周壁13aに収束形成され、突出前傾角度は、約2度下向きに形成されている。なお、第2旋回ガイド30は、当該第2旋回ガイド30により流下する旋回流の流線の延びを調整するために、第2旋回ガイド30下端部を、例えば、図10に破線で示す切り欠き線30aより右側部分を切除してもよい。
【0052】
この第3実施態様の管継手10Cによれば、大径で長い直管胴部13において排水に旋回性を付与するので、より大きな旋回慣性を蓄えることができ、第1実施態様の管継手10Aと同等、若しくはそれ以上の旋回性付与効果を奏するとともに、施工性が良好である。
【0053】
なお、この発明は上述の説明および図例に限定されることなく、この発明の技術的思想から逸脱しない範囲において、その実施態様を変更することができる。例えば、第1旋回ガイド25、第2旋回ガイド30は、それぞれ複数個設けてもよい。
【0054】
また、第1旋回ガイド25と第2旋回ガイド30とは、垂直面の投影において、一方の旋回ガイドの下端が、他方の旋回ガイドの上端よりも下方に位置して対向しているものであればよい。また、第1旋回ガイド25を下方に配設し、第2旋回ガイド30を上方に配設して構成し、形成した2条の旋回流を第1旋回ガイド25下方で合流するようにしてもよい。
【0055】
さらに、突出端縁26,31は直線以外の、例えば、円弧状または屈曲状に張り出した形状であってもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の排水集合管継手によれば、第1旋回ガイド25と第2旋回ガイドとを横枝管接続口より下方において、管軸に対して非対称で対向して設けた構成なので、管継手内にリード角、および速度の異なる複数条の旋回流を形成するとともに、それらを合流させて合流排水流の旋回性、および減速性を向上して、排水管系の空気圧力変動を抑制することができる。
【0057】
また、横枝管接続口の下方の少なくとも50mm離れた位置で、流入排水の旋回性付与、減速を行うので、排水の偏流および飛散等による、横枝管への逆流を防止することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施態様に係る排水集合管継手の正面断面図。
【図2】図1のA−A線矢視断面図。
【図3】図2のB−B線矢視断面図。
【図4】図3の平面図。
【図5】図3のC−C線矢視断面図。
【図6】上部立て管より流入する排水の流れを示す断面図。
【図7】汚水用横枝管より流入する排水の流れを示す断面図。
【図8】第2実施態様に係る排水集合管継手の正面断面図。
【図9】第3実施態様に係る排水集合管継手の正面断面図。
【図10】図9のD−D線矢視断面図。
【符号の説明】
10A,10B,10C 排水集合管継手
11 上部立て管接続口
12 本体部
13 直管胴部
14 テーパ管部
19 下部立て管接続口
20,22 横枝管接続口
25 第1旋回ガイド
26 突出端縁
30 第2旋回ガイド
31 突出端縁
41 上部集合管
45 下部集合管

Claims (7)

  1. 上部立て管を接続する上部立て管接続口と、
    直管状の直管胴部およびその直管胴部の下方に下向き先細り状に形成されたテーパ管部を有し前記上部立て管接続口の下方に設けられた本体部と、
    前記本体部の下方に設けられ下部立て管を接続する下部立て管接続口と、
    前記本体部に設けられ横枝管を接続可能な少なくとも1個の横枝管接続口と、
    を備えた排水集合管継手であって、
    前記本体部は、前記横枝管接続口の下方においてそれぞれ内周壁より突出して、排水に反時計方向の旋回性を付与しつつ前記排水を減速させて流下させる少なくとも1個の第1旋回ガイドと少なくとも1個の第2旋回ガイドとを備え、
    前記第1旋回ガイドと第2旋回ガイドとが
    前記排水における前記第1旋回ガイドにより旋回性を付与されて流下する第1旋回流のつる巻き線のリード角を、前記排水における前記第2旋回ガイドにより旋回性を付与されて流下する第2旋回流のつる巻き線のリード角より、小さくさせるように、
    管軸に対して非対称で対向して設けられてなる
    ことを特徴とする排水集合管継手。
  2. 請求項1記載の排水集合管継手であって、
    前記第1旋回ガイドは、その突出端縁の長さ方向中央部が前記テーパ管部の上端に対して垂直方向位置がほぼ同一に配設され、
    前記第2旋回ガイドは、その突出端縁の長さ方向上端部が前記テーパ管部の上端に対して垂直方向位置がほぼ同一に配設されて前記第1旋回ガイドと対向してなる
    ことを特徴とする排水集合管継手。
  3. 請求項1記載の排水集合管継手であって、
    前記第1旋回ガイドは、その突出端縁が長さ方向に下方へ向かって30〜50度の範囲で傾斜して形成されるとともに、該突出端縁の長さ方向中央部が前記テーパ管部の上端に対して垂直方向位置がほぼ同一に配設され、
    前記第2旋回ガイドは、その突出端縁が長さ方向に下方へ向かって45〜75度の範囲で傾斜して形成されるとともに、該突出端縁の長さ方向上端部が前記テーパ管部の上端に対して垂直方向位置がほぼ同一に配設されて前記第1旋回ガイドと対向してなる
    ことを特徴とする排水集合管継手。
  4. 請求項1記載の排水集合管継手であって、
    前記第1旋回ガイドは、その突出端縁が長さ方向に下方へ向かって30〜50度の範囲で傾斜して形成されるとともに、該突出端縁の長さ方向上端部が前記テーパ管部の上端に対して垂直方向位置がほぼ同一に配設され、
    前記第2旋回ガイドは、その突出端縁が長さ方向に下方へ向かって45〜75度の範囲で傾斜して形成されるとともに、該突出端縁の長さ方向中央部が前記テーパ管部の上端に対して垂直方向位置がほぼ同一に配設されて前記第1旋回ガイドと対向してなる
    ことを特徴とする排水集合管継手。
  5. 請求項1乃至4記載の排水集合管継手であって、
    前記第1旋回ガイドは、その突出端縁が長さ方向上端部が最も下位に位置する前記横枝管接続口に接続された横枝管管底との間の垂直方向距離が少なくとも50mmである
    ことを特徴とする排水集合管継手。
  6. 請求項1乃至5記載の排水集合管継手であって、
    前記本体部は、
    前記上部立て管接続口を有する上部集合管と、
    前記下部立て管接続口を有する下部集合管と、に分割形成され、
    両者が接合されて一体的に構成されてなる
    ことを特徴とする排水集合管継手。
  7. 請求項1記載の排水集合管継手であって、
    前記第1旋回ガイドは、前記直管胴部の内周壁に突出して形成され、
    前記第2旋回ガイドは、前記直管胴部の内周壁に突出して形成されてなる
    ことを特徴とする排水集合管継手。
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