JP7563932B2 - 排水配管継手 - Google Patents
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Description
これらの縦管と横管とを接続する排水配管継手として、縦軸心を有する筒状の胴部の側面に側部開口部を有し、側部開口部に横枝管接続部が設けられ、胴部の上下開口部に上部立管接続部と下部立管接続部とが設けられたものが一般的である。このような排水配管継手を高層集合住宅等の排水配管に用いるとき、排水能力以外で要求される諸条件として、枝管流入部の通過球径が所定以上であって汚物を含む排水の流れを阻害する物体(固形物)が詰まることがないこと、洗濯排水性能が優れていること等が挙げられる。
防止している。このため、この膨出部を設ける必要があるために特許文献1に開示された排水集合管の構造が(膨出部がない断面略円形構造に比較して)複雑になり製造コストが上昇するおそれが指摘され得る。
すなわち、本発明に係る排水配管継手は、縦軸心を有する筒状の胴部の側面に側部開口部を有し、前記側部開口部に横枝管接続部が設けられ、前記胴部の上下開口部に上立管接続部と下立管接続部とがそれぞれ設けられた排水配管継手であって、前記排水配管継手は、前記横枝管接続部が、前記横枝管接続部の横軸心を中心とした円形断面を備え、横枝管から前記側部開口部に流入する排水を左右のいずれかに偏流させるために前記円形断面の左側の一部または右側の一部を閉鎖する壁面を含んで構成された偏流板を備えることを特徴とする。
さらに好ましくは、前記胴部の上下開口部の開口側から見て前記壁面が前記胴部内に突出しないように構成することができる。
さらに好ましくは、前記遮断部は、前記詰り防止部より高い位置にある上部遮断部と、低い位置にある下部遮断部とからなるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記排水が流通可能な断面積は、上側よりも下側が大きいように構成することができる。
さらに好ましくは、前記詰り防止部は、前記遮断部の壁面の一部が円弧状の切欠円弧で切り欠かれた形状によって形成されるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記遮断部における前記側部開口部基端部から前記詰り防止部に至る距離は、上側よりも下側が短いように構成することができる。
さらに好ましくは、前記縦軸心から前記切欠円弧までの水平方向最大長さは、前記横枝管接続部の内径に対して3%以上40%以下であるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記切欠円弧の中心は、前記横枝管接続部の内径に対して前記内径中心から1%以上30%以下の範囲の下方に位置するように構成することができる。
図1~図2に示すように、本発明の実施の形態に係る排水配管継手100を用いた排水配管構造は、建築物における床スラブSを上下に貫通する貫通孔にその一部が設けられる排水配管継手100と、床スラブSの上方でこの排水配管継手100の上立管接続部140に(上立管接続部材を介して)接続され上階からの排水を流入させる上階側の上立管と、床スラブSの上方でこの排水配管継手100の横枝管接続部120に(横立管接続部材を介して)接続される(ここではそれぞれ3本ずつの)横枝管と、床スラブSの下方でこの排水配管継手100の下立管接続部160に接続され下階に排水を流出させる下階側の下立管(旋回羽根付き縮径管および直管)とを有している。このような排水配管継手100を用いた排水配管構造は最下階以外で採用されたものを示しているが、本実施の形態に係る排水配管継手100を用いた排水配管構造は最下階でも採用でき最下階の場合には下立管は下立管(直管)と90度ベンド管とで構成される場合が一例として挙げられる。なお、これらの排水配管構造は一例であって、例示した排水配管構造に限定して本発明に係る排水配管継手100が採用されるものではない。ここで、本発明の技術的特徴との関連性が低いために、本発明との関連性が低い、下立管(旋回羽根付き縮径管)に設けられる制振材、振動絶縁体、遮音カバー等については説明しない。
から見て偏流板200を構成する壁面が胴部110内に突出しない。すなわち、この排水配管継手100においては、横枝管接続部120が、横枝管接続部120の横軸心を中心とした円形断面を備え、偏流板200を構成する壁面が、図3または図4に示す逆流防止リブ300のように胴部110内に突出するものではないことを意味するものである。このため、このような胴部110内に突出して偏流板200を設ける必要がないために排水配管継手100の胴部100の断面構造が略円形構造となり簡略化できて製造コストが上昇するおそれを抑制することができるとともに、胴部110内に偏流板200が突出していないために胴部110を上から下へ流下する排水の流れの障害となることを抑制することができる。このように、横枝管から側部開口部112に流入する排水を左右のいずれかに偏流させるための偏流板200が、胴部110内に突出しておらず、偏流板200の壁面は胴部の円形断面に沿って延設されたような形状となっている点は、上述した逆流防止リブとも従来の偏流板とも大きく異なる特徴である。
下部遮断部210Uは、(横枝管から排水配管継手100への)排水の流量が多いときに物体(固形物)を浮遊させることにより物体を胴部110内へ排水する機能、および、(横枝管から排水配管継手100への)排水の流量が少ないときに排水を偏流させる機能の少なくともいずれかの機能を備える。これにより、横枝管から排水配管継手100への排水の流量が少ない場合であっても充分な偏流機能を有しながら、横枝管から排水配管継手100への排水の流量が多い場合には排水の流れを阻害する物体(固形物)による詰りを防止することができる。
0は、遮断部620の壁面の一部が切り欠かれた形状によって形成され遮断部610がより詳しくは上部遮断部610Uおよび下部遮断部610Dで形成され、また、詰り防止部610は、遮断部620の壁面の一部が円弧状の切欠円弧622で切り欠かれた形状によって形成されている。
図6(C)に示すように、偏流板200の壁面は、一例ではあるが、横枝管接続部120の内径(φd)を半径とした円弧とその円弧の弦とで形成され、その弦の一部または全部が(ここでは一部が円弧状の切欠円弧222により、図7においては弦の全部が円弧状の切欠円弧622により)切り欠かれた形状を備えるように構成することができる。なお、図6においては弦と胴部110の縦軸心とが側面視において平行であるが、図7においては弦と胴部110の縦軸心とが側面視において平行ではない。
なお、切欠円弧222の半径Rは横枝管接続部120の内径φdに対して(横枝管接続部120の内径φdを基準として)15%以上200%以下が好ましく、19%以上195%以下が特に好ましい。
なお、縦軸心から切欠円弧222までの水平方向最大長さLは横枝管接続部120の内径φdに対して(横枝管接続部120の内径φdを基準として)3%以上40%以下が好ましく、4.8%以上35%以下が特に好ましい。
なお、切欠円弧222の中心CCは、横枝管接続部120の内径φdに対して(横枝管接続部120の内径φdを基準として)内径中心Cから上述の通り1%以上30%以下の範囲の下方に位置することが好ましく、6%以上10%以下の範囲の下方に位置することが特に好ましい。
また、図6(D)に示す偏流板200の断面において表される切欠円弧222の断面形状にはR(丸み)加工されていて、範囲LCD(横枝管接続部120の内径中心Cから切
欠円弧222と下部遮断部210Dとの接合点までの範囲)において、そのRが横枝管接続部120の内径中心Cから下方へ向けて徐々に大きくなる(たとえばR2からR3へ徐変させている)。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
112 側部開口部
114 上部開口部
116 下部開口部
120 横枝管接続部
140 上立管接続部
160 下立管接続部
200 偏流板
210 遮断部
220 詰まり防止部
300 逆流防止リブ
Claims (13)
- 縦軸心を有する筒状の胴部の側面に側部開口部を有し、前記側部開口部に横枝管接続部が設けられ、前記胴部の上下開口部に上立管接続部と下立管接続部とがそれぞれ設けられた排水配管継手であって、
前記排水配管継手は、前記横枝管接続部が、前記横枝管接続部の横軸心を中心とした円形断面を備え、横枝管から前記側部開口部に流入する排水を左右のいずれかに偏流させるために前記円形断面の左側の一部または右側の一部を閉鎖する壁面を含んで構成された偏流板を備え、
前記偏流板は、前記横枝管接続部から前記縦軸心の方向を見た場合に、前記横軸心に対して上下非対称で、前記排水が流通可能な断面積は上側よりも下側が大きいことを特徴とする排水配管継手。 - 前記横枝管接続部は、前記胴部の上下開口部の開口側から見て前記偏流板に対向する位置に、前記縦軸心から離隔する方向に膨らんだ膨出部を備えないことを特徴とする、請求項1に記載の排水配管継手。
- 前記胴部の上下開口部の開口側から見て前記壁面が前記胴部内に突出しないことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水配管継手。
- 前記偏流板は、前記排水を遮断することにより前記偏流を発生するための遮断部と、前記排水の流れを阻害する物体の詰りを防止するための詰り防止部とからなることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれかに記載の排水配管継手。
- 前記遮断部は、前記詰り防止部より高い位置にある上部遮断部と、低い位置にある下部遮断部とからなることを特徴とする、請求項4に記載の排水配管継手。
- 前記下部遮断部は、前記排水の流量が多いときに前記物体を浮遊させることにより前記物体を前記胴部内へ排水する機能、および、前記排水の流量が少ないときに前記排水を偏流させる機能の少なくともいずれかの機能を備えることを特徴とする、請求項5に記載の排水配管継手。
- 前記偏流板は、前記遮断部の一部が上下方向に非対称に切り欠かれることにより、前記排水が流通可能な断面積は、上側よりも下側が大きいことを特徴とする、請求項4~請求項6のいずれかに記載の排水配管継手。
- 前記詰り防止部は、前記遮断部の壁面の一部が切り欠かれた形状によって形成されることを特徴とする、請求項4~請求項7のいずれかに記載の排水配管継手。
- 前記詰り防止部は、前記遮断部の壁面の一部が円弧状の切欠円弧で切り欠かれた形状によって形成されることを特徴とする、請求項4~請求項7のいずれかに記載の排水配管継手。
- 前記遮断部における前記側部開口部基端部から前記詰り防止部に至る距離は、上側よりも下側が短いことを特徴とする、請求項4~請求項9のいずれかに記載の排水配管継手。
- 前記切欠円弧の半径は、前記横枝管接続部の内径に対して15%以上200%以下であることを特徴とする、請求項9に記載の排水配管継手。
- 前記縦軸心から前記切欠円弧までの水平方向最大長さは、前記横枝管接続部の内径に対して3%以上40%以下であることを特徴とする、請求項9に記載の排水配管継手。
- 前記切欠円弧の中心は、前記横枝管接続部の内径に対して前記内径中心から1%以上30%以下の範囲の下方に位置することを特徴とする、請求項9に記載の排水配管継手。
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