JP3890002B2 - スプリングの張力調整により液晶滴下量の制御が可能な液晶滴下装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶滴下装置(Liquid Crystal Dispensing Apparatus)に係るもので、詳しくは、ニードルに装着されるスプリングの張力を調節してニードルシートの排出孔が開放される時間を調整することで、基板に滴下される液晶の量を制御し得る液晶滴下装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近来、携帯電話、PDA及びノートブックコンピュータのような各種携帯用電子機器が発展するにつれて、これに適用し得る軽薄短小用の平板ディスプレイ装置に対する要求が順次増大しつつある。このような平板ディスプレイ装置としては、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出ディスプレイ(FED)及び真空蛍光ディスプレイ(VFD)などが活発に研究されているが、量産化技術、駆動手段の容易性及び高画質の具現という理由で、現在は、LCDが脚光を浴びている。
【0003】
LCDは、液晶の屈折率異方性を利用して画面に情報を表示する装置である。
【0004】
従来のLCDにおいては、図8に示したように、LCD装置1は、下部基板5と、上部基板3と、該下部基板5と上部基板3間に形成された液晶層7と、を包含して構成されていた。ここで、上記下部基板5は、駆動素子アレイ基板である。図には示してないが、上記下部基板5には複数の画素が形成されて、各画素には薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と略称す)のような駆動素子が形成されている。又、上記上部基板3は、カラーフィルター基板であって、実際のカラーを具現するためのカラーフィルター層が形成されている。又、上記下部基板5及び上部基板3には夫々画素電極及び共通電極が形成され、上記液晶層7の液晶分子を配向するための配向膜が塗布されている。
【0005】
又、上記下部基板5及び上部基板3は、シーリング材9により合着され、その間に液晶層7が充填され、前記下部基板5に形成された駆動素子により液晶分子を駆動して液晶層を透過する光量を制御することで、情報を表示するようになっている。
【0006】
LCD素子の製造工程は、上記下部基板5に駆動素子例えばTFTを形成する駆動素子アレイ基板工程、上記上部基板3にカラーフィルターを形成するカラーフィルター基板工程及びセル工程に区分される。
【0007】
このようなLCD素子の工程は、図9に示したように、先ず、TFTアレイ工程により上記下部基板5上に配列されて画素領域を形成する複数のゲートライン及びデータラインを形成して、前記画素領域の夫々に前記ゲートライン及びデータラインに接続される駆動素子のTFTを形成する(S101)。又、上記TFTアレイ工程により上記TFTに接続されて該TFTを通って信号が印加されることで、液晶層を駆動する画素電極を形成する。
【0008】
又、上記上部基板3にはカラーフィルター工程によりカラーを具現するR、G、Bのカラーフィルター層及び共通電極を形成する(S104)。
【0009】
次いで、上記上部基板3及び下部基板5に夫々配向膜を塗布した後、前記上部基板3と下部基板5間に形成される液晶層の液晶分子に配向規制力又は表面固定力(即ち、プレチルト角及び配向方向)を提供するために前記配向膜をラビングする(S102、S105)。次いで、上記下部基板5に、セルギャップを一定に維持するためのスペーサを散布し、上記上部基板3の外郭部にシーリング材を塗布した後、前記下部基板5及び上部基板3に圧力を加えて合着する(S103、S106、S107)。
【0010】
一方、上記下部基板5及び上部基板3は、大面積のガラス基板で構成されている。即ち、上記大面積のガラス基板に複数のパネル領域が形成され、該各パネル領域に駆動素子のTFT及びカラーフィルター層が形成されるために、一つの液晶パネルを製作するためには、前記ガラス基板を切断及び加工しなければならない(S108)。次いで、上記のように加工された各液晶パネルに液晶注入口を通して液晶を注入し、前記液晶注入口を封止して液晶層を形成した後、各液晶パネルを検査することで、LCD素子を製作する(S109、S110)。
【0011】
上記液晶は、パネルに形成された液晶注入口を通して注入される。この時、液晶の注入は圧力差により行われる。上記液晶パネルに液晶を注入する装置は、図10に示したように、真空チャンバー10内には液晶が充填された容器12が備えられて、その上部に液晶パネル1が位置している。又、上記真空チャンバー10は、真空ポンプと連結されて設定された真空状態を維持している。又、図には示してないが、上記真空チャンバー10内には液晶パネル移動用装置が装着されており、前記液晶パネル1を容器12の上部から容器まで移動させて前記液晶パネル1に形成された注入口16を液晶14に接触させる(このような方式を液晶浸漬(Dipping)注入方式という)。
【0012】
上記のように上記液晶パネル1の注入口16を液晶14に接触させた状態で上記真空チャンバー10内に窒素N2ガスを供給して前記チャンバー10の真空程度を低下させると、前記液晶パネル1の内部圧力と前記真空チャンバー10との圧力差により前記液晶14が前記注入口16を通って前記パネル1に注入され、液晶が前記パネル1内に完全に充填された後、前記注入口16を封止材により封止することで、液晶層を形成する(このような方式を液晶の真空注入方式という)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、このような従来の液晶注入方法においては、パネル1への液晶注入時間が長くなるという不都合な点があった。一般に、液晶パネルの駆動素子アレイ基板とカラーフィルター基板間の間隔は数μm程度と狭小にするために、単位時間当り、極少量の液晶が液晶パネルの内部に注入される。例えば、約15インチの液晶パネルを製作する場合、液晶を完全に注入するのに概略8時間かかるが、このような長時間の液晶注入により液晶パネル製造工程が長くなることで、製造効率が低下するという不都合な点があった。
【0014】
又、従来の液晶注入方法においては、液晶消耗率が高くなるという不都合な点があった。上記容器12に充填されてある液晶14のうち、実際に液晶パネル10に注入される量は極少量である。一方、液晶は大気及び特定ガスに露出されると、ガスと反応して劣化する。
【0015】
従って、上記容器12に充填された液晶14が複数枚の液晶パネル1に注入される場合も、注入後に留残した高価な液晶14を廃棄しなければならないために、結局、液晶パネル製造費用が増加するという不都合な点があった。
【0016】
本発明は、このような従来課題に鑑みてなされたもので、少なくとも一つの液晶パネルを包含する大面積のガラス基板上に直接液晶を滴下する液晶滴下装置を提供することを目的とする。
【0017】
又、ニードルシートに形成された排出孔と接触して該排出孔を開放させるニードルの一端部に装着されたスプリングの張力を制御することで、基板に滴下される液晶の滴下量を容易に制御し得る液晶滴下装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明に係る液晶滴下装置においては、液晶が充填され、上部にガスが供給されて前記液晶に圧力を加える液晶容器と、該液晶容器が収納されるケースと、前記液晶容器の下部に装着されて液晶容器の液晶が排出される排出孔が形成されたニードルシートと、前記液晶容器に上下運動可能に挿入されて排出孔と接触して、一端部にはスプリングが装着され、他端部には前記ニードルシートの排出孔と接触して上下運動することで、前記ニードルシートの排出孔が開放又は遮断されるニードルと、前記スプリングが収納される収納桶と、前記収納桶に挿入されて前記スプリングの長さを調整することで、前記スプリングの張力を制御する張力調整部と、前記ニードルの上部に装着されて電源が印加されることで、磁気力を発生して前記ニードルを上部に移動させるソレノイドコイル及び磁性棒と、前記液晶容器の下部に装着されて液晶容器の液晶を少なくても一つのパネルを包含する基板上に滴下するノズルと、を包含して構成されることを特徴とする。
【0019】
又、上記スプリングは、上記ニードルに形成されたスプリング固定部と上記収納桶に挿入された張力調整部の端部間に位置して張力調整部を調整することで、前記スプリングの長さを調節する。上記スプリングの長さが可変することで、上記ニードルに印加されるスプリングの張力が変化して、その結果、上記ソレノイドコイルに印加される電源が中止された時、前記ニードルが元来の位置(前記ニードルシートと接触する位置)に復元する時間が変化するようになっており、液晶が排出される排出孔の開放時間が変化する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
液晶浸漬方式又は液晶真空注入方式のような従来の液晶注入方式の短所を克服するために、近来提案されている方法が液晶滴下方式(Liquid Crystal Dropping Method)による液晶層形成方法である。該液晶滴下方式は、パネルの内部と外部との圧力差により液晶を注入するのではなく、液晶を直接基板に滴下及び分配し、パネルの合着圧力により滴下された液晶をパネル全体に均一に分布させることで、液晶層を形成する。このような液晶滴下方式は、短時間内に、直接基板上に液晶を滴下するために、大面積のLCD素子の液晶層形成も迅速に行うことができるだけでなく、必要な量の液晶のみを直接基板上に滴下するために、液晶の消耗を最小化することができるので、LCD素子の製造費用が大幅に節減されるという長所を有する。
【0021】
本発明に係る液晶滴下方式においては、図1に示したように、駆動素子及びカラーフィルターが夫々形成された下部基板105と上部基板103とを合着する前に、前記下部基板105上に水滴状に液晶107を滴下する。又、上記液晶107は、カラーフィルターが形成された上記基板103上に滴下することもできる。即ち、液晶滴下方式において、液晶滴下の対象となる基板は、TFT基板及びCF基板のどちらも可能である。併し、基板の合着時、液晶が滴下された基板は必ず下部に置かれる。
【0022】
この時、上記上部基板103の外郭領域には、シーリング材109が塗布され、前記上部基板103及び下部基板105に圧力を加えることで、前記上部基板103と下部基板105とが合着されると同時に、前記圧力により上記液晶107の滴が広がり前記上部基板103と下部基板105間に均一な厚さの液晶層が形成される。即ち、上記液晶滴下方式の一番大きい特徴は、上記パネル101を合着する前に下部基板上に予め液晶107を滴下した後、上記シーリング材109によりパネルを合着することである。
【0023】
本発明に係る液晶滴下方式を適用したLCD素子製造方法と従来液晶注入方式による製造方法とは次のような差異点を有する。従来の液晶注入方式においては、複数のパネルが形成される大面積のガラス基板をパネル単位に分離して液晶を注入したが、液晶滴下方式においては、予め基板上に液晶を滴下して液晶層を形成した後にガラス基板をパネル単位に加工分離することができる。
【0024】
上記のような液晶滴下方式が適用されたLCD素子製造方法は、図2に示したように、TFTアレイ工程及びカラーフィルター工程により上部基板105及び下部基板103に夫々駆動素子のTFT及びカラーフィルター層を形成する(S201、S204)。上記TFTアレイ工程及びカラーフィルター工程は、図9に示された従来製造方法と同様な工程であって、複数のパネル領域が形成される大面積のガラス基板に一括的に実行される。特に、上記製造方法では液晶滴下方式が適用されるために、従来製造方法に比べて一層広いガラス基板、例えば、1000×1200mm2以上の面積を有する大面積のガラス基板に有用に使用することができる。
【0025】
次いで、上記TFTが形成された下部基板105及びカラーフィルター層103が形成された上部基板に夫々配向膜を塗布した後、ラビングを実行し(S202、S205)、下部基板の液晶パネル領域に液晶107を滴下して、上部基板103の液晶パネルの外郭部領域にはシーリング材109を塗布する(S203、S206)。
【0026】
次いで、上記上部基板103と下部基板105とを整列させた状態で圧力を加え、シーリング材により前記下部基板105と上部基板103とを合着すると同時に、圧力の印加により滴下された液晶107がパネル全体に均一に広がるようにする(S207)。このような工程により大面積のガラス基板(下部基板及び上部基板)には液晶層が形成された複数の液晶パネルが形成され、該ガラス基板を加工及び切断して複数の液晶パネルに分離して、各液晶パネルを検査することで、LCD素子を製作する(S208、S209)。
【0027】
図2に示した液晶滴下方式が適用されたLCD素子の製造方法と図9に示した従来の液晶注入方式が適用されたLCD素子製造方法との差異点を比較すると、液晶の真空注入と液晶滴下との差異及び大面積ガラス基板の加工時期の差異以外にも他の差異点があることが分かる。即ち、図9に示した液晶注入方式が適用されたLCD素子製造方法は、注入口を通して液晶を注入した後、該注入口を封止材により封止しなければならないが、液晶滴下方式が適用された製造方法は、液晶が直接基板に滴下されるために、このような注入口の封止工程が不必要になる。又、図9には示してないが、従来の液晶注入方式が適用された製造方法は、液晶注入時、基板を液晶に接触させるために、パネルの外部面が液晶により汚染され、該汚染された基板を洗浄するための工程が必要であったが、液晶滴下方式が適用された製造方法では、液晶が直接基板に滴下されるために、パネルが液晶により汚染されないし、その結果、洗浄工程が不必要になる。このように、液晶滴下方式によるLCD素子の製造方法は、従来の液晶注入方式による製造方法に比べて簡単な工程で構成されているために、製造効率が向上することで、収率も向上する。
【0028】
上記のような液晶滴下方式によりLCD素子を製造する時、液晶層を所望の厚さに正確に形成するための一番重要な要因は、滴下される液晶の位置及び液晶の滴下量である。特に、液晶層の厚さは、液晶パネルのセルギャップと密接な関係を有するために、正確な液晶の滴下位置及び滴下量は、液晶パネルの不良を防止するために非常に重要な要素である。従って、正確な位置に正確な量の液晶を滴下する装置が必要になるが、本発明ではこのような液晶滴下装置を提供する。
【0029】
図3に示したように、本発明に係る液晶滴下装置120を利用して基板(大面積のガラス基板)105上に液晶107を滴下する場合は、液晶滴下装置120は、基板105の上方部に装着されている。図3には示してないが、上記液晶滴下装置120の内部には液晶が充填され、基板上に一定量を滴下する。
【0030】
通常、液晶は、水滴状に基板上に滴下される。又、上記基板105は、x、y方向に、設定された速度で移動して、液晶滴下装置は、設定された時間間隔に液晶を排出するために、前記基板105上に滴下される液晶107はx、y方向に一定の間隔に配置される。勿論、上記液晶滴下時基板105が固定されて、上記液晶滴下装置120がx、y方向に移動して液晶を所定間隔に滴下することもできる。併し、この場合、上記液晶滴下装置120の運動により水滴状の液晶が揺れて、液晶の滴下位置及び滴下量に誤差が発生することがあるために、前記液晶滴下装置120を固定させて、前記基板105を移動させることが好ましい。
【0031】
正確な量の液晶を基板に滴下するためには、滴下される液晶の量を制御しなければならない。従来の液晶滴下装置においては、このような液晶の滴下量を空気の圧力により制御した。図4に示したように、従来の空圧式液晶滴下装置220においては、円筒状のケース222で形成されており、該円筒状のケース中心軸が垂直方向に向けてある。又、上記ケース222内には、その中心軸に沿って細長い棒状のピストン236が垂直方向に移動可能に支持され、該ピストン236の一方端部は、前記ケース222の下方側の端部に装着されたノズル245の内部で移動可能に装着される。又、上記ケース222に形成されたノズル245近傍の側壁開口部には液晶供給用の開口が形成されており、液晶収納容器224内の液晶が供給管226を通って上記ノズル245に流入する。該ノズル245内に流入した液晶は、該ノズル245内のピストン236端部の移動量によって前記ノズル245から滴下するが、外力を受けない限り、液晶自体の表面張力によって前記ノズル245から吐出されない。
【0032】
又、上記ケース222内の空気室の側壁には、二つの空気流入口242、244が装着されている。又、上記ピストン236には、空気室の内部を二つに分離する隔壁223が固定されている。該隔壁223は、上記ピストン236と一緒に上記空気流入口242、244間の空気室の内壁に沿って動くように装着されている。従って、上記隔壁223は、上記空気流入口242から空気室に空気が流入されると、下部に圧力を受けて下方側に移動し、上記空気流入口244から空気室に空気が流入されると、上部に圧力を受けて上方側に移動する。このような空気の流入により上記ピストン236を上下方向に所定量移動させることができる。
【0033】
又、上記空気流入口242、244は、ポンプ制御部240に接続されている。該ポンプ制御部240は、空気を吸入して所定タイミングで前記空気流入口242、244の何れか一方側に空気を供給する。
【0034】
上記空圧式液晶滴下装置220では、設定量の液晶が滴下される。このような液晶の滴下量は、上記ケース222の上方側に突出した上記ピストン236に固定されたマイクロゲイジ234を使用して前記ピストン236の上下方向の移動量を制御することで、調整される。
【0035】
上記のように構成された従来の空圧式液晶滴下装置220においては、空気圧により液晶の滴下量を制御するが、ポンプ(未図示)を通って空気室内に空気を供給するのに長時間かかるだけでなく、空気の圧力による上記隔壁223の運動も迅速に行われない。従って、迅速な液晶の滴下量を制御することができない。又、空気圧を利用して上記ピストン236を上下方向に移動させる場合、ポンプを通って供給される空気の量を正確に算出して空気室に供給しなければならないが、このような正確な量の空気を供給することは不可能なことである。且つ、正確な量の空気が供給される場合でも、上記ピストン236の上下移動量は、上記隔壁223とピストン236間の摩擦力により変更されることがあるために、正確なピストン236の上下移動を実現することが非常に難しかった。
【0036】
本発明は、上記のような従来の空圧式液晶滴下装置が有する短所を除去した液晶滴下装置を提供するが、このような液晶滴下装置を電子式液晶滴下装置という。
【0037】
本発明に係る電子式液晶滴下装置においては、図5A乃至図6に示したように、円筒状の液晶容器124がケース122に収納されている。上記液晶容器124は、ポリエチレンで形成され、その内部に液晶107が充填されて、前記ケース122はステンレス鋼で形成され、その内部に前記液晶容器124が収納されている。通常、ポリエチレンは成形性が良いために、所望の形状の容器を容易に形成することができるし、蒸気液晶107の充填時に、液晶と反応しないために、前記液晶容器124として主に使用される。併し、上記ポリエチレンは、強度が弱いために外部の小さい衝撃によっても変形するので、特に、上記液晶容器124としてポリエチレンを使用する場合、前記容器124が変形されて正確な位置に上記液晶107を滴下させることができなくなることを防止するために、強度が大きいステンレス鋼で形成されたケース122に収納して使用する。
【0038】
又、液晶容器124は、ステンレス鋼のような金属で形成することもできる。この場合、金属で形成された容器は、変形が発生しないために、容器をケースに収納して使用する必要がないので、構造が簡単になるだけでなく、製造費用を節減することができる。この場合、上記液晶容器の内部には弗素樹脂膜を塗布して液晶が金属と化学的に反応することにより、発生する液晶の汚染を防止することが好ましい。
【0039】
図には示してないが、上記液晶容器124の上部には、外部のガス供給部に連結されたガス供給管が形成されている。該ガス供給管を通って外部のガス供給部(図示せず)から窒素のようなガスが供給されることで、上記液晶容器124の液晶が充填されてない領域にガスが充填されて、液晶が滴下されるように前記液晶に圧力を加える。
【0040】
又、上記ケース122の下端部には、開口123が形成されている。上記液晶容器124が上記ケース122に収納される時、前記液晶容器124の下端部に形成された突起138は上記開口123に挿入されることで、前記液晶容器124が前記ケース122に結合される。又、上記突起138は、上記第1結合部141と結合される。図6に示したように、上記突起138に形成されたナットと上記第1結合部141の一方側に形成されたボルトとの結合により、前記突起138と第1結合部141とが締結される。
【0041】
上記第1結合部141の他方端にはナットが形成され、第2結合部142の一方側にはボルトが形成されて、前記第1結合部141と第2結合部142とが締結される。この時、上記第1結合部141と第2結合部142間にはニードルシート143が位置する。
【0042】
又、上記ニードルシート143は、第1結合部141のナットに挿入されて第2結合部142のボルトが挿入して締結される時、前記第1結合部141と第2結合部142間に結合される。又、上記ニードルシート143には排出孔144が形成されており、液晶容器124に充填された液晶107が結合部141を経て前記排出孔144を通って排出される。
【0043】
又、上記第2結合部142にはノズル145が結合される。上記ノズル145は、液晶容器124に充填された液晶107を少量滴下するためのものであって、前記第2結合部142の一端部のナットと締結されており、前記ノズル145と第2結合部142とを結合させるボルトを包含する支持部147と、該支持部147から突出して少量の液晶を水滴状に基板上に滴下させる排出口146と、を包含して構成される。
【0044】
又、上記支持部147の内部にはニードルシート143の排出孔144から延長された排出管が形成されていて、該排出管が上記排出口146と連結されている。通常、上記ノズル145の排出口146は、微細な液晶の滴下量を調節するために、極小な直径に構成されており、前記支持部147から突出している。
【0045】
又、上記液晶容器124にはニードル136が挿入され、その一端部がニードルシート143に接触する。特に、上記ニードルシート143と接触するニードル136の端部は円錐状に形成されているために、該当端部が前記ニードルシート143の排出孔144に挿入されて該排出孔144を遮断する。
【0046】
又、上記液晶滴下装置120の上部ケース126に位置する上記ニードル136の他端部には、スプリング128が装着されている。該スプリング128は、円筒状のスプリング収納桶150に収納される。図6に示したように、液晶容器124の上部に形成され、該液晶容器124をケース122に支持する支持部121にはボルト139が形成されており、また上記スプリング収納桶150にはナットが形成されており、前記スプリング収納桶150が支持部121に固定される。図には詳細に示してないが、上記スプリング収納桶150の上部にはナットが形成された開口が形成されていて、該開口を通してスプリング128の張力を調整する張力調整部152が挿入されている。該張力調整部152にはボルト153が形成されているために、上記スプリング収納桶150に挿入される前記張力調整部152のボルト153の長さを調節することができる。上記スプリング収納桶150に挿入される上記張力調整部152の端部であるボルト153の端部は、上記スプリング128と接触する。従って、上記スプリング128は、上記ニードル136に形成されたスプリング固定部137とボルト153間に固定される。
【0047】
図面で、符号154は、上記張力調整部152が移動しないようにする固定板である。図5Aに示したように、上記固定板154が上記スプリング収納桶150に密着しない状態では、上記張力調整部152が回転することができるので、張力の調整が可能になるが、図5Bに示したように、前記固定板154をスプリング収納桶150に密着させると、前記張力調整部152が固定されて該当する張力に設定される。
【0048】
上記のように、上記スプリング128が上記スプリング固定部137と張力調整部152間に固定、装着されるために、上記スプリング収納桶150に挿入される前記張力調整部152の長さにより前記スプリング128の張力を設定することができる。例えば、上記張力調整部152を操作して上記スプリング収納桶150に挿入される上記ボルト153の長さを短くすると(スプリング収納桶150の上部に出てくるボルトの長さを長くすると)、上記スプリング128の長さが長くなって張力が低下し、反対に前記ボルト153の長さを短くすると、張力が増加する。このような上記張力調整部152の操作によりスプリング128の張力を所望の大きさに調節することができる。
【0049】
上記ニードル136の上部には、間隙調整部134が付着された磁性棒132が装着してある。又、上記磁性棒132は、強磁性物質又は軟磁性物質で形成され、その外部には、円筒状のソレノイドコイル130が装着されている。図には示してないが、上記ソレノイドコイル130は、電源供給手段と接続されて電源が印加されることで、上記磁性棒132から磁気力が発生する。
【0050】
又、上記ニードル136と磁性棒132とは一定の間隔xを有して装着されている。上記ソレノイドコイル130に電源が供給されて、上記磁性棒132から磁気力が発生すると、該磁気力により結合されたニードル136が前記磁性棒132に接触し、電源供給が中断されると、前記ニードル136に装着されたスプリング128の弾性により元来の位置に復元される。このような上記ニードル136の上下移動により上記ニードルシート143に形成された排出孔144が開放されるか又は、遮断される。又、上記ニードル136の端部とニードルシート143とは、ソレノイドコイル130に電源が供給又は中断されることで、反復的に接触するようになる。このような反復的な接触によりニードル136の端部及びニードルシート143が継続的な衝撃にさらされるために、破損される恐れがある。従って、上記ニードル136の端部及びニードルシート143を衝撃に強い物質、例えば、超硬合金で形成して衝撃による破損を防止することが好ましい。
【0051】
上記ニードル136の上昇により上記ニードルシート143の排出孔144が開放された液晶滴下装置は、図7に示したように、上記ソレノイドコイル130に電源が供給されると、前記ニードルシート143の排出孔144が開放されることで、上記液晶容器124に供給される窒素ガスが液晶に圧力を加えて上記ノズル145から液晶107が滴下し始まる。この時、上記滴下される液晶107の量は、上記排出孔144が開放される時間及び液晶に加えられる圧力によって異なり、前記排出孔開放時間は、ニードル136と磁性棒132との間隔x、ソレノイドコイル130により発生する磁性棒132の磁気力及びニードル136に装着されたスプリング128の張力により決定される。
【0052】
上記磁性棒132の磁気力は、該磁性棒132の周囲に装着されるソレノイドコイル130の巻線数及びソレノイドコイル130に印加される電源の大きさによって調整することができるし、上記ニードル136と磁性棒132との間隔xは、前記磁性棒132の端部に装着された間隙調整部134により調整することができる。
【0053】
又、上記スプリング128の張力は、張力調整部152により調節される。図5Aに示したように、y1の長さに設定された上記スプリング128を上記張力調整部152により調節して、図5Bに示したように、y2の長さに変更すると、その長さの差(即ち、y1−y2)だけ張力が弱くなることで、上記ニードル136の元来の位置への復元速度が遅くなる。従って、上記ニードルシート143の排出孔144の開放時間が延長されて、基板上に滴下される液晶の量が増加するようになる。このように、上記張力調整部152を調整して上記スプリング128の張力を任意に調整することで、所望の量の液晶を基板に滴下させることができる。
【0054】
上記のように、基板上に滴下される液晶の量は、液晶に印加される圧力、ソレノイドコイル130に供給される電源の強さ及びスプリングの張力により調整することができる。この中で、上記スプリング128の張力調整による滴下量の制御は、次のような長所を有する。
【0055】
液晶に印加される圧力の調節及び上記ソレノイドコイル130に供給される電源の調整は、マイクロコンピュータのような制御装置により行われる。併し、この場合、高価のマイクロコンピュータを使用しなければならないために費用が増加して、上記圧力調節及び電源の調整のための固有のソフトウェアを準備しなければならない。反面、上記スプリング128の張力調整による滴下量の制御の場合は、作業者が簡単に張力調整部152を操作するだけで済むために、費用がかからないし、作業が簡単になるという長所がある。
【0056】
上記のように、本発明は、液晶滴下装置を提供する。特に、本発明は、ニードルを元来の位置に復元させるスプリングの張力を調節して基板に滴下される液晶の量を調節し得る電子式液晶滴下装置を提供する。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る電子式液晶滴下装置においては、液晶滴下装置にスプリングの張力を調整し得る張力調整手段が備えられているために、作業者の簡単な操作により基板上に滴下される液晶量を容易に制御し得るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶滴下方式により製作されたLCD素子を示した図である。
【図2】本発明に係る液晶滴下方式によりLCD素子を製作する方法を示したフローチャートである。
【図3】本発明に係る液晶滴下方式の基本的な概念を示した図である。
【図4】従来空圧式液晶滴下装置の構造を示した図である。
【図5A】本発明に係る液晶滴下装置の構造を示した図である。
【図5B】本発明に係る液晶滴下装置の構造を示した図である。
【図6】図5の分解斜視図である。
【図7】本発明に係る液晶滴下時の液晶滴下装置の構造を示した図である。
【図8】従来液晶表示素子を示した断面図である。
【図9】液晶表示素子を製造する従来方法を示したフローチャートである。
【図10】従来液晶表示素子の液晶注入を示した図である。
【符号の説明】
101:液晶パネル
103、105:基板
107:液晶
120:液晶滴下装置
122:ケース
124:液晶容器
128:スプリング
130:ソレノイドコイル
132:磁性棒
134:間隙調整部
136:ニードル
137:スプリング固定部
141、142:結合部
143:ニードルシート
144:排出孔
145:ノズル
146:排出口
150:スプリング収納桶
152:張力調整部
154:固定板
Claims (10)
- 液晶を保持するための液晶ハウジングと、
前記液晶ハウジングの下端部に配置されており、液晶を排出するための開口を有するニードルシートと、
可動ニードルと、
前記ニードルの一方の端が前記開口を閉じるように前記ニードルを前記開口の方に偏倚させる力を前記ニードルに印加しているスプリングと、
前記スプリングの長さを変えて、前記偏倚させる力を変える前記スプリングの張力を制御するスプリングテンショナと、
前記開口を開くように前記スプリングの偏倚させる力に抗して前記ニードルを移動させるためのニードル移動手段と、及び
前記開口を通過する液晶を滴下するための前記開口に近接するノズルとからなる液晶滴下装置において、
前記ニードル移動手段は、前記ニードルの他方の端に吸引力を選択的に印加する部材であって、吸引力の非印加時に該他方の端から所定の距離 (x) だけ離間した部材を含み、
前記スプリングテンショナは、前記スプリングの長さ (y1, y2) を変えても前記ニードルの他方の端と前記部材との間の前記所定の距離 (x) は一定であるよう構成されていることを特徴とする液晶滴下装置。 - 前記ノズルに対してニードルシートからの液晶を案内するための結合筒を更に包含する請求項1に記載の液晶滴下装置。
- 請求項1に記載の装置において、前記ニードル移動手段は、供給された電力と磁性棒に応じて選択的に磁界を発生するソレノイドを包含し、該ソレノイド及び前記磁性棒は前記ニードルを吸引する磁力を発生し、前記ニードルの他方の端と磁性棒の端の間が前記所定の距離 (x) だけ離間している液晶滴下装置。
- 前記液晶ハウジングの上に支持用プラットホームを更に包含する請求項1に記載の液晶滴下装置。
- 請求項4に記載の装置において、前記スプリングテンショナは、
前記スプリングを保持している受け筒と、
前記スプリングの長さを変えることにより該スプリングの張力を制御するために、前記受け筒の中に挿入された張力制御装置とを備えた液晶滴下装置。 - 請求項5に記載の液晶滴下装置において、前記受け筒は前記支持用プラットホームの上にある液晶滴下装置。
- 前記スプリングの長さを調節するために、前記スプリングと前記張力制御装置との間に接続された張力ユニットを更に包含する請求項5に記載の液晶滴下装置。
- 前記ニードルに対して前記スプリングを結合するためのスプリングコネクタを更に包含する請求項1に記載の液晶滴下装置。
- 請求項8に記載の装置において、前記スプリングは前記スプリングコネクタと前記ニードルとの間に配置されている液晶滴下装置。
- 液晶を保持するための液晶ハウジングと、
前記液晶ハウジングの下端部に配置されており、液晶を排出するための開口を有するニードルシート及び前記液晶ハウジングの上端部に配置された上蓋と、
前記上蓋の穴から前記液晶ハウジング内を通って前記ニードルシートに至るよう設けられた可動ニードルと、
前記ニードルの一方の端が前記開口を閉じるように前記ニードルを前記開口の方に偏倚させる力を前記ニードルに印加するよう前記ニードルの周囲に巻回されたスプリングと、
前記スプリングの長さを変えて、前記偏倚させる力を変える前記スプリングの張力を制御するスプリングテンショナと、
前記開口を開くように前記スプリングの偏倚させる力に抗して前記ニードルを移動させるためのニードル移動手段と、及び
前記開口を通過する液晶を滴下するための前記開口に近接するノズルとからなる液晶滴下装置において、
前記ニードル移動手段は、前記上蓋の穴から突出した前記ニードルの他方の端に吸引力を選択的に印加する磁性棒部材であって、吸引力の非印加時に該他方の端から所定の距離 (x) だけ離間した磁性棒部材を含み、
前記スプリングテンショナは、前記上蓋上に前記上蓋の開口と同心内的に設置され前記スプリングを収容する筒を有し、該筒の天井部の穴を通して前記ニードル上端が前記磁性棒部材の下端に向かって延在しており、更に前記筒の天井部の穴から筒内にネジ込まれ前記スプリングの上端を固定するスプリング固定部材 (154) 及び前記スプリング固定部材が前記筒内にネジ込まれる長さを定める張力調整部材 (152) からなり、前記張力調整部により前記スプリング固定部材のネジ込まれる長さを変えており、前記ニードルの一個所に前記ニードルに巻回された前記スプリングの下端は固定されており、前記スプリングの長さ (y1, y2) を変えても前記ニードルの他方の端と前記磁性棒部材との間の前記所定の距離 (x) は一定であるよう構成されていることを特徴とする液晶滴下装置。
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